JP7200108B2 - スチルベン系化合物又はその塩、並びに、偏光膜、偏光板及び表示装置 - Google Patents
スチルベン系化合物又はその塩、並びに、偏光膜、偏光板及び表示装置 Download PDFInfo
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Description
[1]下記式(1):
[2]前記式(1)で表されるスチルベン系化合物が、下記式(2):
[3]前記式(1)で表されるスチルベン系化合物が、下記式(3):
[4]前記式(3)において基Aが置換基を有してもよいアリール基である、上記[3]に記載のスチルベン系化合物又はその塩。
[5]前記式(3)で表されるスチルベン系化合物が、下記式(4):
[6]前記式(4)において、基R1がメチル基である、上記[5]に記載のスチルベン系化合物又はその塩。
[7]前記式(1)で表されるスチルベン系化合物が、下記式(5):
[8]前記式(5)において、基Bが、ニトロ基、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールカルボニルアミノ基、炭素数1~20のアルキルスルホニルアミノ基、又は置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基である、上記[7]に記載のスチルベン系化合物又はその塩。
[9]前記式(5)で表されるスチルベン系化合物が、下記式(6):
[10]前記式(6)において、基R2が水素原子であり、かつnが1または2である、上記[9]に記載のスチルベン系化合物又はその塩。
[11]上記[1]乃至[10]のいずれかに記載のスチルベン系化合物又はその塩を含有する基材を有する、偏光膜。
[12]可視光領域に偏光した光を発光する偏光発光機能を有する、上記[11]に記載の偏光膜。
[13]上記[1]乃至[10]のいずれかに記載のスチルベン系化合物又はその塩とは異なる有機染料又は蛍光染料をさらに1種類以上含有する、上記[11]又は[12]に記載の偏光膜。
[14]前記基材が、ポリビニルアルコール樹脂又はその誘導体から作製されたフィルムである、上記[11]乃至[13]のいずれかに記載の偏光膜。
[15]上記[11]乃至[14]のいずれかに記載の偏光膜と、該偏光膜の少なくとも一方の面に設けられた透明保護層と、を備える偏光板。
[16]上記[11]乃至[14]のいずれかに記載の偏光膜、又は上記[15]に記載の偏光板を備える表示装置。
本実施態様に係るスチルベン系化合物は、下記式(1)で表され、分子中に少なくとも1つのスチルベン骨格を有している。式(1)中、基Xは、ニトロ基又は置換基を有してもよいアミノ基を表し、基Yは、置換基を有してもよいアミド基又は置換基を有してもよいナフトトリアゾール基を表す。また、p及びqは、それぞれ独立に0~2の整数であり、好ましくは1である。p及びqが、それぞれ独立に1又は2である場合、-(SO3H)は、各ベンゼン環中の任意の炭素に結合していてよい。
イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、イソアミル、t-アミル、イソヘキシル、t-ヘキシル、イソヘプチル、t-ヘプチル、イソオクチル、t-オクチル、2-エチルヘキシル、イソノニル、イソデシル等の分岐鎖状のC3-C10アルキル基;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の環状のC3-C7アルキル基等が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサン-2-イル、モルホリニル、チオモルホリニル等の6員複素脂環式化合物;
ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、フリル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、オキサゾール、チアゾール等の5員複素環式芳香族化合物;
ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン等の6員複素環式芳香族化合物等が挙げられる。なお、前記複素環基は、複素環部分が芳香族環であることが好ましく、また、複素環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子及び硫黄原子から選択されることが好ましい。
イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、イソアミル、t-アミル、イソヘキシル、t-ヘキシル、イソヘプチル、t-ヘプチル、イソオクチル、t-オクチル、2-エチルヘキシル、イソノニル、イソデシル等の分岐鎖状のC3-C10アルキル基;又は、
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の環状のC3-C7アルキル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキサン-2-イル、モルホリニル、チオモルホリニル等の6員複素脂環式化合物;
ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、フリル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、オキサゾール、チアゾール等の5員複素環式芳香族化合物;
ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン等の6員複素環式芳香族化合物等が挙げられる。なお、前記複素環基は、複素環部分が芳香族環であることが好ましく、また、複素環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子及び硫黄原子から選択されることが好ましい。
ピペリジニルアミノ、ピペラジニルアミノ、ジオキサン-2-イルアミノ、モルホリニルアミノ、チオモルホリニルアミノ等の6員複素脂環式アミノ基;
ピロールアミノ、ピラゾールアミノ、イミダゾールアミノ、トリアゾールアミノ、フリルアミノ、チオフェン-2-イルアミノ、チオフェン-3-イルアミノ、オキサゾールアミノ、チアゾールアミノ等の5員芳香族複素環式アミノ基;又は、
ピリジルアミノ、ピラジルアミノ、ピリダジニルアミノ、トリアジニルアミノ等の6員芳香族複素環式アミノ基等が挙げられる。なお、前記複素環基は、複素環部分が芳香族環であることが好ましく、また、複素環を構成するヘテロ原子としては窒素原子、及び硫黄原子から選択されることが好ましい。
ベンゾピラニルアミノ等の複素環部分が6員脂環式の縮環型複素脂環式アミノ基;
ベンズピロールアミノ、ベンズピラゾールアミノ、ベンズイミダゾールアミノ、ベンゾトリアゾールアミノ、ベンゾフラニルアミノ、ベンゾチオフェン-2-イルアミノ、ベンゾチオフェン-3-イルアミノ、ベンゾキサゾールアミノ、ベンゾチアゾールアミノ等の複素環部分が芳香族5員環の縮環型芳香族複素環式アミノ基;又は、
キノリニルアミノ、シンノリニルアミノ、フタラジニルアミノ、キナゾリニルアミノ、キノキサリニルアミノ等の複素環部分が芳香族6員環の縮環型芳香族複素環式アミノ基等が挙げられる。なお、前記複素環基は、複素環部分が芳香族環であることが好ましく、また、複素環を構成するヘテロ原子としては窒素原子、及び硫黄原子から選択されることが好ましい。
イソプロポキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、イソアミロキシ、t-アミロキシ、イソヘキシロキシ、t-ヘキシロキシ、イソヘプトキシ、t-ヘプトキシ、イソオクチロキシ、t-オクチロキシ、2-エチルヘキシロキシ、イソノニロキシ、イソデシロキシ等の分岐鎖状のC3-C10アルコキシ基;又は、
シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシロキシ、シクロヘプトキシ等の環状のC3-C7アルコキシ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基が好ましい。
イソプロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec-ブチルカルボニルアミノ、t-ブチルカルボニルアミノ、イソアミルカルボニルアミノ、t-アミルカルボニルアミノ、イソヘキシルカルボニルアミノ、t-ヘキシルカルボニルアミノ、イソヘプチルカルボニルアミノ、t-ヘプチルカルボニルアミノ、イソオクチルカルボニルアミノ、t-オクチルカルボニルアミノ、2-エチルヘキシルカルボニルアミノ、イソノニルカルボニルアミノ、イソデシルカルボニルアミノ等の分岐鎖状のC3-C10アルキルカルボニルアミノ基;又は
シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘプチルカルボニルアミノ等の環状のC3-C7アルキルカルボニルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルカルボニルアミノ基が好ましく、直鎖状のアルキルカルボニルアミノ基がより好ましい。
イソプロピルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec-ブチルカルボニルオキシ、t-ブチルカルボニルオキシ、イソアミルカルボニルオキシ、t-アミルカルボニルオキシ、イソヘキシルカルボニルオキシ、t-ヘキシルカルボニルオキシ、イソヘプチルカルボニルオキシ、t-ヘプチルカルボニルオキシ、イソオクチルカルボニルオキシ、t-オクチルカルボニルオキシ、2-エチルヘキシルカルボニルオキシ、イソノニルカルボニルオキシ、イソデシルカルボニルオキシ等の分岐鎖状のC3-C10アルキルカルボニルオキシ基;又は、
シクロプロピルカルボニルオキシ、シクロブチルカルボニルオキシ、シクロペンチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、シクロヘプチルカルボニルオキシ等の環状のC3-C7アルキルカルボニルオキシ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖のアルキルカルボニルオキシ基が好ましく、直鎖状のアルキルカルボニルオキシ基がより好ましい。
イソプロピルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、t-ブチルカルボニル、イソアミルカルボニル、t-アミルカルボニル、イソヘキシルカルボニル、t-ヘキシルカルボニル、イソヘプチルカルボニル、t-ヘプチルカルボニル、イソオクチルカルボニル、t-オクチルカルボニル、2-エチルヘキシルカルボニル、イソノニルカルボニル、イソデシルカルボニル等の分岐鎖状のC3-C10アルキルカルボニル基;又は、
シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル等の環状のC3-C7アルキルカルボニル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルカルボニル基が好ましく、直鎖状のアルキルカルボニル基がより好ましい。
イソプロピルカルバモイル、イソブチルカルバモイル、sec-ブチルカルバモイル、t-ブチルカルバモイル、イソアミルカルバモイル、t-アミルカルバモイル、イソヘキシルカルバモイル、t-ヘキシルカルバモイル、イソヘプチルカルバモイル、t-ヘプチルカルバモイル、イソオクチルカルバモイル、t-オクチルカルバモイル、2-エチルヘキシルカルバモイル、イソノニルカルバモイル、イソデシルカルバモイル等の分岐鎖状のモノC3-C10アルキルカルバモイル基;又は、
シクロプロピルカルバモイル、シクロブチルカルバモイル、シクロペンチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、シクロヘプチルカルバモイル等の環状のモノC3-C7アルキルカルバモイル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のモノアルキルカルバモイル基が好ましく、直鎖状のモノアルキルカルバモイル基がより好ましい。
ジイソプロピルカルバモイル、ジイソブチルカルバモイル、ジ-sec-ブチルカルバモイル、ジ-t-ブチルカルバモイル、ジイソアミルカルバモイル、ジ-t-アミルカルバモイル、ジイソヘキシルカルバモイル、ジ-t-ヘキシルカルバモイル、ジイソヘプチルカルバモイル、ジ-t-ヘプチルカルバモイル、ジイソオクチルカルバモイル、ジ-t-オクチルカルバモイル、ジ-(2-エチルヘキシル)カルバモイル、ジイソノニルカルバモイル、ジイソデシルカルバモイル等の分岐鎖アルキル基を2つ有する分岐鎖状のジC3-C10アルキルカルバモイル基;又は、
ジシクロプロピルカルバモイル、ジシクロブチルカルバモイル、ジシクロペンチルカルバモイル、ジシクロヘキシルカルバモイル、ジシクロヘプチルカルバモイル等の環を2つ有する環状のジC3-C7アルキルカルバモイル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のジアルキルカルバモイル基が好ましく、直鎖状のジアルキルカルバモイル基がより好ましい。
イソプロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、イソアミロキシカルボニル、t-アミロキシカルボニル、イソヘキシロキシカルボニル、t-ヘキシロキシカルボニル、イソヘプトキシカルボニル、t-ヘプトキシカルボニル、イソオクチロキシカルボニル、t-オクチロキシカルボニル、2-エチルヘキシロキシカルボニル、イソノニロキシカルボニル、イソデシロキシカルボニル等の分岐鎖状のC3-C10アルコキシカルボニル基;又は、
シクロプロポキシカルボニル、シクロブトキシカルボニル、シクロペントキシカルボニル、シクロヘキシロキシカルボニル、シクロヘプトキシカルボニル等の環状のC3-C7アルコキシカルボニル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシカルボニル基が好ましく、直鎖状のアルコキシカルボニル基がより好ましい。
イソプロピルスルホニルアミノ、イソブチルスルホニルアミノ、sec-ブチルスルホニルアミノ、t-ブチルスルホニルアミノ、イソアミルスルホニルアミノ、t-アミルスルホニルアミノ、イソヘキシルスルホニルアミノ、t-ヘキシルスルホニルアミノ、イソヘプチルスルホニルアミノ、t-ヘプチルスルホニルアミノ、イソオクチルスルホニルアミノ、t-オクチルスルホニルアミノ、2-エチルヘキシルスルホニルアミノ、イソノニルスルホニルアミノ、イソデシルスルホニルアミノ等の分岐鎖状のC3-C10アルキルスルホニルアミノ基;又は、
シクロプロピルスルホニルアミノ、シクロブチルスルホニルアミノ、シクロペンチルスルホニルアミノ、シクロヘキシルスルホニルアミノ、シクロヘプチルスルホニルアミノ等の環状のC3-C7アルキルスルホニルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルスルホニルアミノ基が好ましく、直鎖状のアルキルスルホニルアミノ基がより好ましい。
シクロプロピルスルファモイル、シクロブチルスルファモイル、シクロペンチルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル、シクロヘプチルスルファモイル等の環状のモノC3-C7アルキルスルファモイル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のモノアルキルスルファモイル基が好ましく、直鎖状のモノアルキルスルファモイル基がより好ましい。
ジイソプロピルスルファモイル、ジイソブチルスルファモイル、ジ-sec-ブチルスルファモイル、ジ-t-ブチルスルファモイル、ジイソアミルスルファモイル、ジ-t-アミルスルファモイル、ジイソヘキシルスルファモイル、ジ-t-ヘキシルスルファモイル、ジイソヘプチルスルファモイル、ジ-t-ヘプチルスルファモイル、ジイソオクチルスルファモイル、ジ-t-オクチルスルファモイル、ジ-(2-エチルヘキシル)スルファモイル、ジイソノニルスルファモイル、ジイソデシルスルファモイル等の分岐鎖アルキル基を2つ有する分岐鎖状のジC3-C10アルキルスルファモイル基;又は、
ジシクロプロピルスルファモイル、ジシクロブチルスルファモイル、ジシクロペンチルスルファモイル、ジシクロヘキシルスルファモイル、ジシクロヘプチルスルファモイル等の環を2つ有する環状のジC3-C7アルキルスルファモイル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のジアルキルスルファモイル基が好ましく、直鎖状のジアルキルスルファモイル基がより好ましい。
イソプロピルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、t-ブチルスルホニル、イソアミルスルホニル、t-アミルスルホニル、イソヘキシルスルホニル、t-ヘキシルスルホニル、イソヘプチルスルホニル、t-ヘプチルスルホニル、イソオクチルスルホニル、t-オクチルスルホニル、2-エチルヘキシルスルホニル、イソノニルスルホニル、イソデシルスルホニル、イソウンデシルスルホニル、t-ウンデシルスルホニル、イソドデシルスルホニル、t-ドデシルスルホニル等の分岐鎖状のC3-C12アルキルスルホニル基;又は、
シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、シクロヘプチルスルホニル等の環状のC3-C7アルキルスルホニル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルスルホニル基が好ましく、直鎖状のアルキルスルホニル基がより好ましい。
イソプロピルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、t-ブチルチオ、イソアミルチオ、t-アミルチオ、イソヘキシルチオ、t-ヘキシルチオ、イソヘプチルチオ、t-ヘプチルチオ、イソオクチルチオ、t-オクチルチオ、2-エチルヘキシルチオ、イソノニルチオ、イソデシルチオ等の分岐鎖状のC3-C10アルキルチオ基;又は、
シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロヘプチルチオ等の環状のC3-C7アルキルチオ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルチオ基が好ましく、直鎖状のアルキルチオ基がより好ましい。
イソプロピルウレイド、イソブチルウレイド、sec-ブチルウレイド、t-ブチルウレイド、イソアミルウレイド、t-アミルウレイド、イソヘキシルウレイド、t-ヘキシルウレイド、イソヘプチルウレイド、t-ヘプチルウレイド、イソオクチルウレイド、t-オクチルウレイド、2-エチルヘキシルウレイド、イソノニルウレイド、イソデシルウレイド等の分岐鎖状のモノC3-C10アルキルウレイド基;又は、
シクロプロピルウレイド、シクロブチルウレイド、シクロペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、シクロヘプチルウレイド等の環状のモノC3-C7アルキルウレイド基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルウレイド基が好ましく、直鎖状のアルキルウレイド基が挙げられる。
ジイソプロピルウレイド、ジイソブチルウレイド、ジ-sec-ブチルウレイド、ジ-t-ブチルウレイド、ジイソアミルウレイド、ジ-t-アミルウレイド、ジイソヘキシルウレイド、ジ-t-ヘキシルウレイド、ジイソヘプチルウレイド、ジ-t-ヘプチルウレイド、ジイソオクチルウレイド、ジ-t-オクチルウレイド、ジ-(2-エチルヘキシル)ウレイド、ジイソノニルウレイド、ジイソデシルウレイド等の分岐鎖アルキル基を2つ有する分岐鎖状のジC3-C10アルキルウレイド基;又は、ジシクロプロピルウレイド、ジシクロブチルウレイド、ジシクロペンチルウレイド、ジシクロヘキシルウレイド、ジシクロヘプチルウレイド等の環を2つ有する環状のジC3-C7アルキルウレイド基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のジアルキルウレイド基が好ましく、直鎖状のジアルキルウレイド基がより好ましい。
イソプロポキシカルボニルアミノ、イソブトキシカルボニルアミノ、sec-ブトキシカルボニルアミノ、t-ブトキシカルボニルアミノ、イソアミロキシカルボニルアミノ、t-アミロキシカルボニルアミノ、イソヘキシロキシカルボニルアミノ、t-ヘキシロキシカルボニルアミノ、イソヘプトキシカルボニルアミノ、t-ヘプトキシカルボニルアミノ、イソオクチロキシカルボニルアミノ、t-オクチロキシカルボニルアミノ、2-エチルヘキシロキシカルボニルアミノ、イソノニロキシカルボニルアミノ、イソデシロキシカルボニルアミノ等の分岐鎖状のC3-C10アルコキシカルボニルアミノ基;又は、
シクロプロポキシカルボニルアミノ、シクロブトキシカルボニルアミノ、シクロペントキシカルボニルアミノ、シクロヘキシロキシカルボニルアミノ、シクロヘプトキシカルボニルアミノ等の環状のC3-C7アルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましく、直鎖状のアルコキシカルボニルアミノ基がより好ましい。
イソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、t-ブチルアミノ、イソアミルアミノ、t-アミルアミノ、イソヘキシルアミノ、t-ヘキシルアミノ、イソヘプチルアミノ、t-ヘプチルアミノ、イソオクチルアミノ、t-オクチルアミノ、2-エチルヘキシルアミノ、イソノニルアミノ、イソデシルアミノ等の分岐鎖状のモノC3-C10アルキルアミノ基;又は、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノ等の環状モノC3-C7アルキルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のモノアルキルアミノ基が好ましく、直鎖状のモノアルキルアミノ基がより好ましい。
ジイソプロピルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ-sec-ブチルアミノ、ジ-t-ブチルアミノ、ジイソアミルアミノ、ジ-t-アミルアミノ、ジイソヘキシルアミノ、ジ-t-ヘキシルアミノ、ジイソヘプチルアミノ、ジ-t-ヘプチルアミノ、ジイソオクチルアミノ、ジ-t-オクチルアミノ、ジ-(2-エチルヘキシル)アミノ、ジイソノニルアミノ、ジイソデシルアミノ等の分岐鎖アルキル基を2つ有する分岐鎖状のジC3-C10アルキルアミノ基;又は、
ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ等の環を2つ有する環状ジC3-C7アルキルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のジアルキルアミノ基が好ましく、直鎖状のジアルキルアミノ基がより好ましい。
ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、2-ヒドロキシブチル等のヒドロキシC1-C6アルキル基、好ましくはヒドロキシC1-C4アルキル基;又は、
ヒドロキシエトキシメチル、2-ヒドロキシエトキシエチル、3-ヒドロキシエトキシプロピル、3-ヒドロキシエトキシブチル、2-ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシC1-C6アルコキシC1-C6アルキル基、好ましくはヒドロキシC1-C4アルコキシC1-C4アルキル基等が挙げられる。
本実施態様に係る偏光膜は、上記各式で表されるスチルベン系化合物又はその塩を含有する基材を含んでおり、好ましくは染料系偏光膜である。偏光膜が、可視光領域に偏光発光作用を示す上述のスチルベン系化合物又はその塩を含むため、偏光膜は、可視光領域に偏光した光を発光する偏光発光機能を有する。このような基材は、染料を吸着し得る親水性高分子を製膜して得られるフィルム等であることが好ましい。当該親水性高分子は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、アミロース系樹脂、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂及びポリアクリル酸塩系樹脂等が挙げられる。このような樹脂の中でも、染料の吸着性、加工性、配向性等の観点から、ポリビニルアルコール系樹脂又はその誘導体であることが好ましく、基材は、ポリビニルアルコール樹脂又はその誘導体から作製されたフィルムであることが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂又はその誘導体は、エチレン、プロピレン等のオレフィン、又は、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸などで変性されていてもよい。基材の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、フィルム状、シート状、平板状、曲板状及び半球状等、任意の形状に作製することができる。また、基材の厚さは、通常、10μm~100μmであり、好ましくは20μm~80μmである。偏光膜は、上記各式で表されるスチルベン系化合物又はその塩を単独又は複数含んでいてもよい。
次に、本実施態様に係る偏光膜の製造方法について説明する。本実施態様に係る偏光膜の製造方法は、以下の製法に限定されるものではないが、主に、基材を準備する工程と、基材を膨潤液に浸漬させ、当該基材を膨潤により延伸させる膨潤工程と、膨潤させた基材を少なくとも1種の上記各式で表されるスチルベン系化合物又はその塩を含む染色溶液に含浸させ、基材に染料としてのスチルベン系化合物を吸着させる染色工程と、染料を含有させた基材を、ホウ酸を含有する溶液に浸漬し、染料を基材中で架橋させる架橋工程と、染料を架橋させた基材を一定の方向に一軸延伸して、染料を一定の方向に配列させる延伸工程と、必要に応じて、延伸させた基材を、洗浄液で洗浄する洗浄工程と、洗浄させた基材を乾燥させる乾燥工程とを含んでいる。
まず、上記各式で表されるスチルベン系化合物(以下、単に「染料」ともいう)を含有させるための基材を準備する。当該基材は、例えば、市販のポリビニルアルコール系樹脂又はその誘導体のフィルムを用いてもよく、ポリビニルアルコール系樹脂を製膜することにより作製してもよい。ポリビニルアルコール系樹脂の製膜方法は特に限定されるものではなく、例えば、含水ポリビニルアルコールを溶融押出する方法、流延製膜法、湿式製膜法、ゲル製膜法(ポリビニルアルコール水溶液を一旦冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去)、キャスト製膜法(ポリビニルアルコール水溶液を基盤上に流し、乾燥)、及びこれらの組み合わせによる方法等、公知の製膜方法を採用することができる。
次に、上述の基材に、膨潤処理を施す。膨潤処理は20~50℃の膨潤液に、基材を30秒~10分間浸漬させることにより行うことが好ましく、膨潤液は水であることが好ましい。膨潤液による基材の延伸倍率は、1.00~1.50倍に調整することが好ましく、1.10~1.35倍に調整することがより好ましい。
続いて、上記のような膨潤処理を施して得られた基材に、少なくとも1種の染料を吸着及び含浸させる。染色工程は、染料を基材に吸着及び含浸させる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、基材を、染料を含む染色溶液(染色水溶液)に浸漬させることが好ましく、また、基材に染色溶液を塗布することによって吸着させることもできる。染色溶液中の染料の濃度は、基材中に染料が十分に吸着されていれば特に限定されるものではないが、例えば、染色溶液中に0.0001~1質量%であることが好ましく、0.001~0.5質量%であることがより好ましい。
染料含有工程又は予備洗浄工程の後、基材に架橋剤を含有させることができる。基材に架橋剤を含有させる方法は、架橋剤を含む処理溶液に基材を浸漬させることが好ましく、一方で、当該処理溶液を基材に塗布又は塗工してもよい。処理溶液中の架橋剤としては、ホウ酸を含有する溶液を使用することが好ましい。処理溶液中の溶媒は、特に限定されるものではないが、水が好ましい。処理溶液中のホウ酸の濃度は、0.1~15質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましい。処理溶液の温度は、30~80℃が好ましく、40~75℃がより好ましい。また、この架橋工程の処理時間は30秒~10分が好ましく、1~6分がより好ましい。本実施態様に係る偏光膜の製造方法が、この架橋工程を有することにより、得られる偏光素子は、高いコントラストを示す。このことは、従来技術において、耐水分性又は光透過性を改善する目的で使用されていたホウ酸の機能からは全く予期し得ない優れた作用である。また、架橋工程においては、必要に応じて、カチオン系高分子化合物を含む水溶液で、フィックス処理をさらに併せて行ってもよい。フィックス処理により、染料の固定化が可能となる。このとき、カチオン系高分子化合物として、例えば、ジシアン系としてジシアンアミドとホルマリン重合縮合物、ポリアミン系としてジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物、ポリカチオン系としてエピクロロヒドリン・ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアモンニウムクロライド・二酸化イオン共重合物、ジアリルアミン塩重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチルアクリレート四級塩重合物等が使用される。
架橋工程を行った後、延伸工程を実施する。延伸工程は、基材を一定の方向に一軸延伸することにより行われる。延伸方法は、湿式延伸法又は乾式延伸法のいずれであってもよい。延伸倍率は、3倍以上であることが好ましく、より好ましくは5~8倍である。
延伸工程を実施した後には、基材の表面に架橋剤の析出又は異物が付着することがあるため、基材の表面を洗浄する洗浄工程を行うことができる。洗浄時間は1秒~5分が好ましい。洗浄方法は、基材を洗浄液に浸漬することが好ましく、一方で、洗浄液を基材に塗布又は塗工によって洗浄することもできる。洗浄液としては、水が好ましい。洗浄処理は一段階で実施しても、2段階以上の多段処理で実施してもよい。洗浄工程の洗浄溶の温度は、特に限定されるものではないが、通常、5~50℃、好ましくは10~40℃であり、常温であってよい。
洗浄工程の後、基材の乾燥工程を行う。乾燥処理は、自然乾燥により行うことができるものの、より乾燥効率を高めるため、ロールによる圧縮やエアーナイフ又は吸水ロール等による表面の水分除去等により行うことが可能であり、さらには、送風乾燥を行うことも可能である。乾燥処理の温度は、20~100℃であることが好ましく、60~100℃であることがより好ましい。乾燥時間は、30秒~20分であることが好ましく、5~10分であることがより好ましい。
本実施態様に係る偏光板は、上述の偏光膜と、該偏光膜の少なくとも一方の面に設けられた透明保護層とを備えており、好ましくは染料系偏光板である。透明保護層は、偏光膜の耐水性や取扱性等を向上させるために使用される。そのため、このような透明保護層は、本実施態様に係る偏光膜が示す偏光作用に何ら影響を与えるものではない。
本実施態様に係る表示装置は、上記の偏光膜又は偏光板を備える。すなわち、本実施態様における特定のスチルベン系化合物を含有する偏光膜又は偏光板を有するディスプレイは、400nm以下の光、例えば紫外光を照射することによって偏光発光作用を示し、この作用を利用することによって表示が可能となる。本実施態様に係る表示装置は、可視光領域で高い透過率を有しているため、従来の偏光板のような可視光領域の透過率の低下がないか、透過率の低下があっても、従来の偏光板の透過率よりも透過率の低下は著しく小さい。例えば、従来の偏光板であるヨウ素系偏光板、他の染料化合物を使用した染料系偏光板は、偏光度をほぼ100%にするためには、可視光領域での視感度補正が35~43%程度である。その理由としては、従来の偏光板は、光の吸収軸として縦軸と横軸の両方を有しているが、ほぼ100%の偏光度を得るために縦軸又は横軸の一方の入射した光を吸収する、すなわち、一方の軸では光を吸収し、他方の軸では光を透過することによって偏光が生じる。このような場合、一方の軸での光は吸収されて透過しないことから、必然的に透過率は50%以下になってしまう。また、従来の偏光板は二色性色素を延伸させたフィルム中で配向させて偏光板を作製しているが、必ずしも二色性色素が100%配向しているわけではなく、また、光の透過軸に対しても若干吸収成分を有しているため、物質の表面反射によって透過率が約43%以下でないとほぼ100%の偏光度は実現できない、つまりは、透過率を低下させなければ高い偏光度を実現することができなかった。それに対して、本実施態様に係る偏光膜又は偏光板は、約400nm付近に光の吸収軸がある。このような偏光膜又は偏光板は、紫外光領域に光の吸収作用があり、可視光領域に偏光した光を発光する偏光発光作用を示す一方で、可視光領域ではほとんど光を吸収しないため、可視光領域での透過率は非常に高くなる。さらに、可視光領域では、偏光発光作用を示すため、従来の偏光板を用いるよりも光の損失はなく、従来の偏光板のような透過率の低下は非常に少ない。このことから、本実施態様に係る偏光膜又は偏光板を使用した表示装置、例えば、液晶ディスプレイは、従来の偏光板を用いた液晶ディスプレイよりも高い輝度が得られる。さらに、本実施態様に係る偏光膜又は偏光板を備える表示装置は、透明性が高いことから、液晶ディスプレイでありながら、ほぼ透明なディスプレイを得ることができ、また、文字、画像等の表示時には偏光発光が透過するように設計できることから、透明な液晶ディスプレイでありながらも表示可能なディスプレイ、すなわち、透明なディスプレイに文字等が表示可能なディスプレイを得ることができる。そのため、本実施態様に係る表示装置は、光損失がない透明な液晶ディスプレイ、特に、シースルーディスプレイとしての適用に有効である。
(合成例1)
市販品の4-アミノ-4’-ニトロスチルベン-2,2’-ジスルホン酸4.0部と炭酸ナトリウム2.8部をN-メチル-2-ピロリドン30部に加え、次いで4-メトキシベンゾイルクロリド3.4部を5分かけて滴下した。その後、得られた溶液を110℃にて6時間撹拌した。次いで、得られた反応液を水100部に添加し、析出した固体をろ過により分離し、更にアセトン100部にて洗浄することにより、ウェットケーキ10.0部を得た。このウェットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより下記式(7)で表される本発明に係るスチルベン系化合物(λmax:370nm)3.0部を合成した。
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製 VF-PS#7500)を40℃の水に3分間浸漬して、フィルムを膨潤させた。膨潤して得られたフィルムを、合成例1で得られた上記式(7)のスチルベン系化合物1.0部、芒硝1.0部及び水1000部を含む45℃の水溶液に、4分間浸漬して式(7)のスチルベン系化合物をフィルムに含有させた。式(7)のスチルベン系化合物を含有したフィルムを3%ホウ酸水溶液中に50℃で5分間浸漬し、5倍に延伸した。延伸したフィルムを、緊張状態を保ったまま常温の水で20秒間水洗し、次いで乾燥して偏光膜を作製した。得られた偏光膜の両面に、紫外線吸収剤を含有しないトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製 ZRD-60)(厚さ:60μm)を公知の処方にてラミネートし、本発明に係る偏光板を作製した。この偏光板を実施例1の測定試料とした。
(合成例2)
上記合成例1において、4-メトキシベンゾイルクロリド3.4部の代わりに4-ニトロベンゾイルクロリド4.0部を使用する以外は合成例1と同様の操作を行い、下記式(8)で表される本発明に係るスチルベン系化合物(λmax:373nm)3.2部を合成した。次いで、式(8)で表されるスチルベン系化合物を使用して、実施例1と同様に偏光膜および偏光板を作製し、本発明に係る偏光板を作製した。この偏光板を実施例2の測定試料とした。
(合成例3)
市販品の4-アミノ-4’-ニトロスチルベン-2,2’-ジスルホン酸35.2部を水300部に加え撹拌し、35%塩酸を用いてpH0.5とした。得られた溶液に40%亜硝酸ナトリウム水溶液10.9部を加え、10℃で1時間撹拌した。次いで、ジアゾ化した溶液に6-アミノナフタレン-2-スルホン酸17.2部を加え、さらに、15%炭酸ナトリウム水溶液でpH4.0に調製後4時間撹拌した。得られた反応液に塩化ナトリウム60部を加え、析出固体をろ過分離、更にアセトン100部にて洗浄することにより、中間体である式(9)の化合物のウェットケーキ124.0部を得た。
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製VF-PS#7500)を40℃の水に3分間浸漬して、フィルムを膨潤させた。膨潤して得られたフィルムを、合成例3で得られた上記式(10)のスチルベン系化合物1.0部と、芒硝1.0部と、水1000部とを含む45℃の水溶液に、4分間浸漬して式(10)のスチルベン系化合物をフィルムに含有させた。式(10)の化合物を含有したフィルムを3%ホウ酸水溶液中50℃で5分間浸漬し、で5倍に延伸した。延伸して得られたフィルムを、緊張状態を保ったまま常温の水で20秒間水洗し、乾燥して偏光膜を作製した。得られた偏光膜の両面を、紫外線吸収剤を含有しないトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製 ZRD-60)を公知の処方にてラミネートして偏光板を作製した。この偏光板を実施例3の測定試料とした。
(合成例4)
国際公開第2005/033211号に記載の方法により合成した下記式(11)の化合物6.0部と炭酸カリウム1.6部をN-メチル-2-ピロリドン50部に加え撹拌した。得られた溶液に4-メトキシベンゾイルクロリド2.1部を添加し、90℃にて4時間撹拌した。得られた反応液を20%塩化ナトリウム水溶液300部に加え、析出固体をろ過分離、更にアセトン100部にて洗浄する事により、式(12)の化合物のウェットケーキ20.0部を得た。このウェットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより下記式(12)で表される化合物(λmax:372nm)5.0部を得た。
実施例3で作製した偏光膜において、式(10)で示されるスチルベン系化合物に代えて、式(12)で表されるスチルベン系化合物を用いた以外は、実施例3と同様にして偏光膜および偏光板を作製した。この偏光板を実施例4の測定試料とした。
(合成例5)
特公昭50-033814号公報及び特公平03-294598号公報を参考にして、400部の氷水中にライオン社製、商品名:レオコールTD90(界面活性剤)0.20部を加えて激しく攪拌し、その中に塩化シアヌル18.4部を添加し0~5℃で30分間攪拌し、懸濁液を得た。次にこの懸濁液にアニリン-2,5-ジスルホン酸25.3部を加え、pH4~6、0~30℃で4時間撹拌し、続いて4、4’-ジアミノスチルベンー2,2’-ジスルホン酸18.5部を加え、pH4~8、20~50℃で6時間撹拌した。得られた反応液にジエタノールアミン11部を加え、pH8~10、40~70℃で6時間撹拌した後、塩化ナトリウム80部を添加し析出固体をろ過分離、更にアセトン100部にて洗浄する事により、ウェットケーキ100.0部を得た。このウェットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより下記式(13)で表される化合物(λmax:370nm)30.0部を得た。
反応液を得た。
実施例1で作製した偏光膜において、上記式(7)の化合物の代わりに、上記式(13)の化合物を用いた以外は実施例1と同様にして偏光膜および偏光板を作製し、本発明に係る偏光板を作製した。この偏光板を実施例5の測定試料とした。
(合成例6)
合成例5で使用したアニリン-2,5-ジスルホン酸25.3部を4-アミノベンゼンスルホン酸17.3部とする以外は合成例5と同様の方法により、下記式(14)で表される化合物(λmax:370nm)23.0部を得た。
実施例1で作製した偏光膜において、上記式(7)の化合物の代わりに、上記式(14)の化合物を用いた以外は実施例1と同様にして偏光膜および偏光板を作製し、本発明に係る偏光板を作製した。この偏光板を実施例6の測定試料とした。
(合成例7)
合成例5で使用したジエタノールアミン11部をフェノール18.8部とする以外は合成例5と同様の方法により、下記式(15)で表される化合物(λmax:370nm)15.0部を得た。
実施例1で作製した偏光膜において、上記式(7)の化合物の代わりに、上記式(15)の化合物を用いた以外は実施例1と同様にして偏光膜および偏光板を作製し、本発明に係る偏光板を作製した。この偏光板を実施例7の測定試料とした。
(合成例8)
合成例5で使用したアニリン-2,5-ジスルホン酸25.3部を4-アミノベンゼンスルホン酸アミド17.2部とする以外は合成例5と同様の方法により、下記式(16)で表される化合物(λmax:370nm)23.0部を得た。
実施例1で作製した偏光膜において、上記式(7)の化合物の代わりに、上記式(16)の化合物を用いた以外は実施例1と同様にして偏光膜および偏光板を作製し、本発明に係る偏光板を作製した。この偏光板を実施例8の測定試料とした。
実施例1で作製した偏光膜において、上記式(7)の化合物の代わりに、下記式(17)で示されるC.I.Direct Yellow 4を用いた以外は実施例1と同様にして偏光膜および偏光板を作製した。この偏光板を比較例1の測定試料とした。
実施例1で作製した偏光膜において、上記式(7)の化合物の代わりに、下記式(18)で示されるC.I.Direct Yellow 44を用いた以外は実施例1と同様にして偏光膜および偏光板を作製した。この偏光板を比較例2の測定試料とした。
実施例1で作製した偏光膜において、上記式(7)の化合物の代わりに、下記式(19)で示される化合物を用いた以外は実施例1と同様にして偏光膜および偏光板を作製した。この偏光板を比較例3の測定試料とした。
実施例1~8および比較例1~3で得られた各測定試料の評価を次のようにして行った。
各測定試料の単体透過率Ts、平行位透過率Tp、および直交位透過率Tcを、分光光度計(日立製作所社製「U-4100」)を用いて測定した。ここで、単体透過率Tsは、各測定試料を1枚で測定した際の各波長の透過率である。平行位透過率Tpは、各実施例および各比較例で得られた同一の測定試料を2枚用意し、この2枚の測定試料をその吸収軸が平行となるように重ね合せて測定した各波長の分光透過率である。直交位透過率Tcは、2枚の測定試料をその吸収軸が直交するように重ね合せて測定した分光透過率である。各透過率の測定は、220~780nmの波長帯域にわたって行った。
各測定試料の偏光度ρを、以下の式(I)に、平行位透過率Tpおよび直交位透過率Tcを代入して算出した。ρの値が高いほど偏光度が優れていることを示す。
各測定試料の視感度補正単体透過率Ysは、可視光領域における400~700nmの波長領域で、所定波長間隔dλ(ここでは5nm)おきに求めた上記単体透過率Tsについて、JIS Z 8722:2009に従って視感度に補正した透過率である。具体的には、上記単体透過率Tsを下記の式に代入して算出した。なお、下記式(II)中、Pλは標準光(C光源)の分光分布を表し、yλは2度視野等色関数を表す。
光源として紫外線LED 375nmハンドライトタイプ ブラックライト(日亜化学工業社製「PW-UV943H-04」)を用い、光源に紫外線透過・可視カットフィルター(五鈴精工硝子社製「IUV-340」)を設置し可視光をカットした。その上で、可視光域及び紫外光域に偏光を有する偏光板(ポラテクノ社製「SKN-18043P」、厚さ180μm、Ysは43%)と、各実施例及び比較例で作製した各測定試料を設置し、測定試料からの偏光発光を、分光放射照度計(ウシオ電機社製「USR-40」)(以下、「測定用偏光板」という)を用いて測定した。すなわち、光源からの光が、紫外線透過・可視カットフィルター、測定用偏光板、及び測定試料を、この順に通過し、分光放射照度計に入射するように配置して測定した。その際に各測定試料の紫外線の吸収が最大になる吸収軸と、測定用偏光板の吸収軸とが平行となるように各測定試料と測定用偏光板とを重ね合せて測定した各波長の分光発光量をLw(弱発光軸)、各測定試料の紫外線の吸収が最大になる吸収軸と、測定用偏光板の吸収軸とが直交となるように各測定試料と当該偏光板とを重ね合せて測定した各波長の分光発光量をLs(強発光軸)として、Lw及びLsを測定した。各測定試料の吸収軸と一般的な上記偏光板との吸収軸が平行な場合と、これらの吸収軸が直交する場合の可視光領域で発光された光のエネルギー量を確認することで、可視光領域である400nm~700nmの波長領域における偏光発光を評価した。Lwの値が小さく、Lsの値が大きいほど、偏光発光作用が強いことを示し、つまりは高い偏光発光作用を表している。Lw及びLsの値の差が小さい場合、偏光発光作用が弱いことを示し、またそれぞれの値で「0」を示す場合には、それぞれの測定において発光が確認できなかったことを示す。
さらに、実施例1~8の測定試料を、105℃の環境下で1000時間と、60℃かつ相対湿度90%の環境下で1000時間置き、実施例1~8については耐久性試験も実施した。実施例1~8の測定試料は、いずれも偏光度の低下及び偏光発光の変化は観察されなかった。実施例1~8測定試料は苛酷な環境下においても高い耐久性を有していることが分かる。
Claims (6)
- 可視光領域に偏光した光を発光する偏光発光機能を有する、請求項1に記載の偏光膜。
- 前記スチルベン系化合物又はその塩とは異なる有機染料又は蛍光染料をさらに1種類以上含有する、請求項1又は2に記載の偏光膜。
- 前記基材が、ポリビニルアルコール樹脂又はその誘導体から作製されたフィルムである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の偏光膜。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の偏光膜と、該偏光膜の少なくとも一方の面に設けられた透明保護層と、を備える偏光板。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の偏光膜、又は請求項5に記載の偏光板を備える表示装置。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017146354 | 2017-07-28 | ||
JP2017146398 | 2017-07-28 | ||
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