JP7193711B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

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本願発明は、別途吸水させておいた吸水米を使用して炊飯することにより、吸水工程を省略すると共に高火力での昇温を可能とすることによって、短時間でご飯を炊き上げられるようにした電気炊飯器の構成に関するものである。
最近の電気炊飯器では、吸水~昇温~炊き上げ~蒸らしの4工程共に十分な時間(合計40~50分)をかけて炊き上げる通常の炊飯機能(標準モード)に加えて、たとえば吸水工程を省略し、昇温~炊き上げ~蒸らしの3工程で炊き上げると共に蒸らし工程における蒸らし時間を短縮することによって、トータルの炊飯時間を短縮して可能な限り短い時間(25~30分程度)で炊き上げる早炊き炊飯機能(早炊きモード)が設けられている(たとえば特許文献1を参照)
特開平11-28154号公報(図4のタイムチャート(a)、(b)を参照)
上記のように早炊き炊飯機能では、吸水工程が省略され、また蒸らし工程における蒸らし時間が短縮されているので、通常の炊飯機能に比べれば相当に短い時間で炊飯することができる。しかし、同炊飯機能では、吸水工程(前炊き工程)が省略されており、しかも吸水されていない米を使用するので、通常の炊飯機能と同様の昇温工程(昇温制御シーケンス)を採用して昇温させたのでは、どうしても炊き上がったご飯が硬めになってしまう。また、蒸らし時間が短いことも、より硬めのご飯にしてしまう原因となる。
このため、上記早炊き炊飯の昇温工程では、昇温工程を炊飯開始後所定の温度65°C程度(沸騰温度よりも相当に低い)まで昇温させる昇温工程1と、該昇温工程1での昇温終了後、合数判定を行う昇温工程2との2つの工程に分け、合数判定を行う昇温工程2で温調を掛けながら或る程度の時間を掛けて沸騰状態まで緩やかに加熱することによって吸水不足を補う制御方法が採用されているのが実情である。このため、早炊き炊飯機能とは言いながら、一定以上のご飯の食味を確保しようとすると、その炊飯時間の短縮には自ずと限界がある。
一方、たとえば外食産業のレストランなどで使用される業務用の電気炊飯器では、大量に炊く場合だけでなく、不足した少量のご飯を客を待たせずに急いで炊く必要がある場合も多い。このような場合には、相当に短い炊飯時間、たとえば一例として15分程度での炊飯が求められている。このように短い時間での炊飯を実現するためには、少量ではあっても、上記従来の早炊き炊飯機能では対応することができず、新たな早炊き炊飯機能が求められている。
本願発明は、このような課題に応えるためになされたもので、別途吸水させておいた吸水米を使用して炊飯することにより吸水工程を不要にすると共に高火力での昇温を可能とし、また昇温工程での温調を不要にすることによって昇温工程での昇温時間をも短縮し、きわめて短時間でご飯を炊き上げられるようにした電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
本願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1)請求項1の発明の課題解決手段
内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋加熱手段の加熱量及び加熱時間を制御する炊飯制御手段と、炊飯メニューを選択する炊飯メニュー選択手段とを備え、炊飯制御手段が、非吸水米を使用し、吸水、昇温、炊き上げ、蒸らしの4工程で炊飯する通常の炊飯制御シーケンスと、非吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する早炊き炊飯制御シーケンスとを備えてなる電気炊飯器において、炊飯制御手段の炊飯制御シーケンスとして、通常の炊飯制御シーケンスおよび早炊き炊飯制御シーケンスに加えて、別途吸水させておいた吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する吸水米炊飯制御シーケンスを設けると共に、該吸水米炊飯制御シーケンスを炊飯メニュー選択手段で選択することにより、吸水米炊飯を可能にしたことを特徴としている。
この発明の課題解決手段の吸水米炊飯制御シーケンスによると、別途吸水させておいた吸水米を使用して炊飯することから、本質的に吸水工程が不要となり、昇温工程における合数判定工程での吸水作用を考慮した温調制御も不要になる。
したがって、炊飯開始に伴う昇温工程1では、高火力で米(米澱粉)の糊化が始まる沸騰温度に近い高温(たとえば75°C)まで速やかに昇温させることが可能となり、合数判定工程である昇温工程2の昇温時間を大きく短縮することができ、続く炊き上げ工程1、炊き上げ工程2の炊き上げ時間、蒸らし工程の蒸らし時間をも十分に短縮することができるようになる。その結果、トータルとして、きわめて短時間でご飯を炊き上げることができるようになる。
しかも、この発明の課題解決手段は、それら各炊飯メニューを選択する炊飯メニュー選択手段を備えており、当該吸水米炊飯制御シーケンスをメニュースイッチ等の炊飯メニュー選択手段で選択することにより、容易に吸水米炊飯制御を実行させることができる。
(2)請求項2の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋加熱手段の加熱量及び加熱時間を制御する炊飯制御手段とを備え、炊飯制御手段が、非吸水米を使用し、吸水、昇温、炊き上げ、蒸らしの4工程で炊飯する通常の炊飯制御シーケンスと、非吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する早炊き炊飯制御シーケンスと、予め吸水させておいた吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する吸水米炊飯制御シーケンスとを備えてなる電気炊飯器であって、吸水米炊飯制御シーケンスの炊き上げ工程における加熱量は、早炊き炊飯制御シーケンスの炊き上げ工程における加熱量よりも大きく、加熱時間は短く設定されていることを特徴としている。
この発明の課題解決手段の吸水米炊飯制御シーケンスによると、別途吸水させておいた吸水米を使用して炊飯することから、本質的に吸水工程が不要となり、昇温工程における合数判定工程での吸水作用を考慮した温調制御も不要になる。
したがって、炊飯開始に伴う昇温工程1では、高火力で米(米澱粉)の糊化が始まる沸騰温度に近い高温(たとえば75°C)まで速やかに昇温させることが可能となり、合数判定工程である昇温工程2の昇温時間を大きく短縮することができ、続く炊き上げ工程1、炊き上げ工程2の炊き上げ時間、蒸らし工程の蒸らし時間をも十分に短縮することができるようになる。その結果、トータルとして、きわめて短時間でご飯を炊き上げることができるようになる。
また、この発明の課題解決手段は、同構成において、吸水米炊飯制御シーケンスの炊き上げ工程における加熱量は、早炊き炊飯制御シーケンスの炊き上げ工程における加熱量よりも大きく、加熱時間は短く設定されている。
早炊き炊飯制御では、使用される米が吸水工程を経ていないので、急速に炊き上げると芯が残ったご飯になる。そのため、上述の如く昇温工程で温調をかけているのと同様に炊き上げ工程でも相対的に電力を小さくして加熱量を調節しながら十分に沸騰時間を維持するようにしている。
しかし、吸水米炊飯制御では、十分に吸水されているから、そのような心配はない。したがって、炊き上げ工程でも十分に大きな加熱量を用いて加熱し、短時間でドライアップ状態に移行させることができる。この結果、炊き上げ工程における制御時間をも有効に短縮することができ、トータルの炊飯時間を短縮することができる。
(3)請求項3の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋加熱手段の加熱量及び加熱時間を制御する炊飯制御手段とを備え、炊飯制御手段が、非吸水米を使用し、吸水、昇温、炊き上げ、蒸らしの4工程で炊飯する通常の炊飯制御シーケンスと、非吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する早炊き炊飯制御シーケンスと、予め吸水させておいた吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する吸水米炊飯制御シーケンスとを備えてなる電気炊飯器であって、蒸らし工程における蒸らし時間は、早炊き炊飯制御シーケンスの蒸らし工程における蒸らし時間よりも短く設定されていることを特徴としている。
この発明の課題解決手段の吸水米炊飯制御シーケンスによると、別途吸水させておいた吸水米を使用して炊飯することから、本質的に吸水工程が不要となり、昇温工程における合数判定工程での吸水作用を考慮した温調制御も不要になる。
したがって、炊飯開始に伴う昇温工程1では、高火力で米(米澱粉)の糊化が始まる沸騰温度に近い高温(たとえば75°C)まで速やかに昇温させることが可能となり、合数判定工程である昇温工程2の昇温時間を大きく短縮することができ、続く炊き上げ工程1、炊き上げ工程2の炊き上げ時間、蒸らし工程の蒸らし時間をも十分に短縮することができるようになる。その結果、トータルとして、きわめて短時間でご飯を炊き上げることができるようになる。
また、この発明の電気炊飯器は、同構成において、吸水米炊飯制御シーケンスの蒸らし工程における蒸らし時間は、早炊き炊飯制御シーケンスの蒸らし工程における蒸らし時間よりも短く設定されている。
吸水米炊飯制御の場合、米に十分に吸水されているから、昇温工程はもちろん、炊き上げ工程でも十分に大きな加熱量を用いて加熱し、短時間で沸騰状態からドライアップ状態に移行させ、蒸らし工程における蒸らし時間も短くすることができる。その結果、トータルの炊飯時間をより有効に短縮することができる。
(4)請求項4の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段では、上記請求項1、2又は3の発明の課題解決手段の構成において、上記吸水米炊飯制御シーケンスは、炊飯量の判定機能を有し、内鍋内に収容セットされた吸水米の量が当該電気炊飯器の最大炊飯量に比べて所定量以上少ない所定炊飯量である場合を対象として構成されていることを特徴としている。
すでに述べたように、外食産業のレストランなどにおいて使用される業務用電気炊飯器の場合、最大炊飯容量の大きな電気炊飯器で不足した少量のご飯(たとえば2合程度)客を待たせることなく極めて短時間(たとえば15分程度)で炊き上げる機能が求められている。そのような場合に、上記炊飯量(合数)の判定機能を有し、内鍋内に収容セットされた吸水米の量が当該電気炊飯器の最大炊飯量に比べて所定量以上少ない所定炊飯量である場合を対象として構成されている吸水米炊飯制御シーケンスはきわめて有効に機能する。
(5)請求項5の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段では、上記請求項1、2、3又は4の発明の課題解決手段の構成において、上記吸水米炊飯制御シーケンスは、昇温開始から蒸らし完了までの炊飯制御を予め定められた規定通りの炊飯時間で終了するように構成されていることを特徴としている。
したがって、すでに述べた外食産業における業務用電気炊飯器のように、最大炊飯容量の大きな電気炊飯器で少量のご飯(たとえば2合程度)を決められた短時間(たとえば15分程度)で炊き上げるのに適している。
以上の結果、本願発明の電気炊飯器によると、従来の早炊き炊飯機能では対応しきれなかった極めて短時間での少量炊飯にも適切に対応することができるようになり、非常に便利で、使い勝手の良いものとなる。
本願発明の実施の形態に係る電気炊飯器の蓋ユニット部を含む炊飯器本体全体の構成を示す断面図である。 同電気炊飯器の液晶表示部を中心とする操作パネル部分の構成を示す拡大正面図である。 同電気炊飯器の炊飯器本体内の制御回路部分の構成を示すブロック図である。 図3の制御回路によって実行される吸水米炊飯制御の制御工程を示すフローチャートである。 図3の制御回路によって実行される吸水米炊飯制御の制御シーケンスを示すタイムチャートである。 図3の制御回路によって実行される早炊き炊飯制御の制御シーケンスを示すタイムチャートである。
以下、本願発明の実施の形態について、上述した添付の図面を参照しながら詳細に説明して行く。
添付の図1および図2は、本願発明の実施の形態に係る電気炊飯器の炊飯器本体および操作パネル部分の構成を、また図3は、同電気炊飯器の炊飯器本体内における制御回路部分の構成を、さらに図4~図5は、図3の制御回路によって実行される吸水米炊飯制御の制御フローおよび制御シーケンス、図6は、図3の制御回路によって実行される早炊き炊飯制御の制御シーケンスをそれぞれ示している。
<炊飯器本体部分の構成について>
該電気炊飯器の炊飯器本体は、例えば図1に示すように、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な例えばステンレス鋼板等の磁性金属板よりなる内鍋(飯器ないし保温容器)3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された合成樹脂製の有底筒状の内ケース(保護枠)4と、該内ケース4を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記内ケース4とを肩部材11および底部材1bを介して一体化した炊飯器器体の上部開口面上にヒンジ部16を介して開閉可能に設けられた蓋ユニット2とから構成されている。
上記内ケース4の底壁部4aの下方側にはコイル台7が設けられ、その上部には、フェライトコア(図示省略)を介し、上記内鍋3の底壁部3aの中央部と側方部の両位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された第1,第2の2組のIHコイル(ワークコイル)C1,C2が上記内鍋3の底壁部3aの中央部から側壁部3bの下部に到る略全体を包み込むように設けられており、それら2組のIHコイルC1,C2により通電時には内鍋3の略全体にうず電流を誘起して、その全体を略均一に加熱するようになっている。
また、上記内ケース4の側壁部4bには、炊飯時および保温時において上記内鍋3を加熱する保温ヒータ(側面ヒータ)H1が設けられており、保温時はもちろん、必要な炊飯時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。なお、後述するように、蓋ユニット2にも、炊飯時および保温時において放熱板13を加熱し、同放熱板13を介して上記内鍋3内を加熱する蓋ヒータH2が設けられている。
一方、上記内ケース4の前側には、上記IHコイルC1,C2を駆動するIGBT(パワートランジスタ)やIGBT駆動回路、保温ヒータH1を駆動する保温ヒータ駆動回路、蓋ヒータH2を駆動する蓋ヒータ駆動回路、さらには電源電圧整流用のダイオードブリッジ、平滑回路などを備えた制御基板91が支持ブラケット9を介して上下方向に延びて設けられている。この制御基板91の下部には、例えば上記IGBTに接して放熱用のヒートシンク19が設けられ、その下部側には底部材1bに設けられた空気吸い込み口49から外気を吸引してヒートシンク19部分に流す冷却ファン17が設けられている。
上記外ケース1は、上下方向に筒状の金属製のカバー部材1aと、該カバー部材1aの上端部に結合された合成樹脂製の肩部材11と、上記カバー部材1aの下端部に一体化された合成樹脂製の底部材1bとからなり、かつ上記内ケース4の底壁部4aとの間に所定の広さの断熱および通風空間を形成した全体として有底の筒状体に構成されている。そして、該外ケース1の前面側上部には、例えば図2に示すような略半月形状の操作パネル部20が傾斜状態で設けられている。
該操作パネル部20の中央には、例えば図2に示すように、十分に広く大きな表示面積をもつメニュー等の表示部21(この表示部21の内側には、液晶パネル53のパネル面が対応するように配置されている)が設けられ、その周囲には炊飯スイッチ(無洗米スイッチ)22a、タイマー予約スイッチ22b、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d、メニュースイッチ22e、再加熱スイッチ22f、タイマー予約用の時スイッチ22g、同分スイッチ22h等の各種操作スイッチ(操作部)が配設されている。該操作パネル20の内側には、基板取付ブラケット5を介してマイコン基板51が設けられている。そして、該マイコン基板51上には、電気回路部品としてマイコン制御ユニットおよびバックアップ電源などが設けられている。
上記マイコン基板51上のマイコン制御ユニットには、上記各操作スイッチ22a~22hを介して入力されたユーザーの指示内容を判断する所望の認識手段が設けられており、該認識手段で認識されたユーザーの指示内容に応じた液晶パネル53を介した表示面21上への必要な表示、また同指示内容に応じた所望の炊飯又は保温の各機能を選択して、その炊飯加熱手段であるIHコイルC1,C2又は保温加熱手段である保温ヒータH1等を適切に作動させて所望の炊飯又は保温制御を行うようになっている。
したがって、ユーザーは、上記各操作スイッチ22a~22hを使って、炊飯又は保温機能を選択設定すれば、それに対応した機能内容が当該マイコン制御ユニット32内の認識手段を介して対応した加熱制御シーケンスが自動的に設定入力されて、対応する炊飯又は保温加熱制御が適切に実行される。
この実施の形態の場合、上記表示部21には、上記操作スイッチ22a~22hの内のメニュースイッチ22eのON操作に対応して所望のメニュー(白米炊飯メニュー、早炊き炊飯メニュー、吸水米炊飯メニュー、炊きこみメニューの何れか)を選択することができ、また各種炊き分け項目や時刻その他の必要事項が表示され、以後設定内容に応じた必要な表示がなされて行くようになっている。
一方、符号2は蓋ユニットであり、該蓋ユニット2は、その外周面を構成する合成樹脂製の外カバー12と、該外カバー12に対して中央部側蒸気通路形成部および外周側内枠部材を介して取り付けられ、その内周面を構成する放熱板13と、該放熱板13の下側に位置し、その外周側爪部を上記放熱板13外周の内枠部材に着脱可能に係合して取り付けられた内蓋14とから構成されている。符号13aは、放熱板13の外周にあって、放熱板13の外周と内蓋14の外周との間をシールするパッキン、符号14aは、内蓋14の外周にあって、内蓋14の外周と内鍋3の開口縁部3cとの間をシールするパッキン、2aは、蓋ユニット2中央部の蒸気排出口部に着脱可能に設けられた蒸気キャップ、H2は、放熱板13の上面に設けられた放熱板加熱用の蓋ヒータ、18は、放熱板13の上面側中央部寄りに設けられた内鍋3内の温度を検出する蓋センサである。
蓋ユニット2は、上記炊飯器器体後部の肩部材11に対してヒンジ16を介して上下方向に回動自在に取付けられており、その開放端側には、該蓋ユニット2の所定位置に係合して、該蓋ユニット2の上下方向への開閉状態を規制するロック/アンロック機構19が設けられている。
<炊飯器本体の制御回路部分の構成について>
次に図3は、上述のように構成された炊飯器本体側の炊飯又は保温加熱制御、液晶パネル53の表示制御、その他の制御を行うマイコン制御ユニット(CPU)32を中心とする炊飯器制御回路部分の構成を示している。
図3中、符号32が上述のような炊飯加熱制御手段および保温加熱制御手段、液晶パネル表示制御手段に加え、内鍋温度判定手段、内鍋検知手段、ブザー報知手段等を備えた炊飯、保温、表示等制御用の基本となるマイコン制御ユニット(CPU)であり、該マイコン制御ユニット32はマイクロコンピュータを中心として構成され、例えば内鍋3の温度検知回路部、IHコイル駆動制御回路部、内鍋3の検知回路部、発振回路部、リセット回路部、保温ヒータおよび蓋ヒータ等駆動制御回路部、液晶表示制御回路部、ブザー報知部、電源回路部等を各々有して構成されている。
そして、先ず上記内鍋3の底壁部3a部分のセンタセンサ15に対応して設けられたセンタセンサ温度検知回路43には、上記センタセンサ15による内鍋3(内鍋3内の飯米)の温度検知信号が、また上記蓋ユニット2の放熱板13部分の蓋センサ18に対応して設けられた蓋センサ温度検知回路47には、蓋センサ18による内鍋3(内鍋3内上方部)の温度検知信号がそれぞれ入力されるようになっている。
また、上記IHコイル駆動制御回路部は、IHフィードバック回路41、IGBT駆動回路42、平滑コンデンサ36、IGBT37、共振コンデンサ38、IHフィードバックコンデンサ39等によって形成されている。そして、上記マイコン制御ユニット32のIHコイル駆動制御部により、上記IHフィードバック回路41のフィードバック信号に対応して、上記IGBT駆動回路42を制御することにより、後述するように炊飯工程に応じて上記IHコイルC1,C2の出力値および同出力値でのONデューティー比(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、炊飯工程の各工程(図4のフローチャートおよび図5のタイムチャートを参照)における内鍋3の加熱量と加熱時間を判定された炊飯量に応じ、予め規定された炊飯時間(例えば15分)で炊き上げられるように適切に可変コントロールすることによって、加熱ムラのない良質なご飯の炊き上げを実現するようになっている。
また、同マイコン制御ユニット32の保温ヒータ駆動制御部および蓋ヒータ駆動制御部により、それぞれ保温ヒータ駆動回路33および蓋ヒータ駆動回路46を制御することにより、例えば保温又は炊飯工程に応じて、上記保温ヒータH1、蓋ヒータH2の出力値および同出力値でのONデューティー比(例えばn秒/16秒)をそれぞれ適切に変えることによって、保温又は炊飯の各工程における内鍋3の加熱量と加熱時間を適切に可変コントロールするようになっている。
また、符号22a~22hは、上述した各操作スイッチであり、同スイッチの必要なものが適切に操作されると、上記マイコン制御ユニット32側の認識手段によってユーザーの指示内容が認識され、その認識内容に応じて所望の炊飯又は保温の各種加熱シーケンスを設定して上記炊飯加熱制御手段又は保温加熱制御手段を適切に作動させて所望の炊飯又は保温制御を行うようになっている。
この発明の実施の形態の場合、通常の白米炊飯メニュー(所要炊飯時間41~51分)や早炊き炊飯メニュー(所要炊飯時間29~39分)に加えて、予め内鍋3とは別の容器に浸しておいた研米(又は無洗米)をざる上げして水を切り、冷蔵庫等に保存しておいた吸水米を用いて炊飯する吸水米炊飯メニュー(所要炊飯時間15分)が設けられており、上記マイコン制御ユニット32は、上記操作パネル20のメニュースイッチ22eで当該吸水米炊飯メニューが選択された場合には、後述する図4の制御フローを用いて、図5の制御シーケンスに示すような特別な早炊き加熱を行い、必ず規定された炊飯時間15分での炊飯を行うように構成されている。この吸水米炊飯メニューは、吸水工程(前炊き工程)を省略している点では通常の早炊きメニュー(図6の制御シーケンスを参照)と同様であるが、使用する米自体が既に十分に水分を含んでいるという点で炊飯条件に大きな相違があり、合数判定工程である昇温工程2、沸騰維持工程である炊き上げ工程1~2において、通常の早炊きメニューに比べて相当に大きな加熱量を使用して効率良く炊き上げ、昇温工程2、炊き上げ工程1~2、蒸らし工程のそれぞれにおける加熱時間を相当に短かくしており、昇温から蒸らし完了までトータルで15分と言う極めて短時間での炊き上げが可能となっている。
なお、図3中の符号35は、IHコイル駆動回路と家庭用AC電源との間に挿入された電源側整流回路、44は、内鍋3検知用の電流検出回路(鍋検知回路)、45は、マイコン制御ユニット32への制御電源供給回路、48は、上述した冷却ファン17を駆動する冷却ファン駆動回路、17aは、炊飯完了を知らせるブザー、17は、同ブザー17aの駆動回路、21は、表示部(液晶パネル53のパネル面に対応)である。
この実施の形態の場合、上記表示部21には、上記入力スイッチ22a~22iのON操作に対応して所望のコース、メニュー、炊き分け項目や時刻その他の必要事項が表示され、以後設定内容に応じた必要な表示がなされて行くようになっている。
<吸水米の炊飯制御について>
次に図4は、本願発明の実施の形態の電気炊飯器における「吸水米の炊飯制御」の制御工程を示すフローチャート、図5は、同炊飯制御の制御シーケンスを示すタイムチャートである。
上述のように、本願発明の実施の形態の電気炊飯器では、白米(無洗米)の炊飯制御に関して、予め別の容器に入れて一定時間冷蔵庫内で吸水させた吸水米を用いて、予め規定された極めて短かい炊飯時間(15分)で早炊きを行う吸水米炊飯メニューが設けられている(図2の表示部21における表示メニューを参照)。そして、同メニューでの炊飯は、メニュースイッチ22eにより容易に選択設定することができる。
この吸水米を用いた吸水米炊飯制御では、炊飯の開始に際して、先ず上記一定時間冷蔵庫等で吸水されていた吸水米をざる上げして上記内鍋3内に少量(2合程度/付属の計量カップを使用して計量)入れ、さらに常温(20°C程度)の水道水を内鍋3の内面に表示された上記炊飯量(2合)に対応したメモリ位置まで追加してセットする(ステップS1)。上記水量のメモリ位置は、吸水米炊飯専用の少なめのメモリ位置として通常の水量位置とは区別して表示されている。
この場合、上記吸水米のセットは、内鍋3内の米が可能な限り周方向の全体に亘って水平になるようにならした状態でセットすることが好ましい。このようにすると、内鍋3底壁部3a中央のセンタセンサ15で検知される内鍋温度が内鍋3底壁部全体の温度を示すようになり、均一な炊き上げを可能とすることができ、正確に規定された炊飯時間15分で炊き上げることができる。そして、そのようなセットが完了したら、炊飯器本体に蓋をし、続いて炊飯スイッチ22aをONにして炊飯を開始する(ステップS2)。
これにより、上述したIHコイルC1,C2および保温ヒータH1、蓋ヒータH2が駆動され、図5のタイムチャートに示す昇温工程1の加熱制御が実行される(ステップS3)。この昇温工程1では、上述したIHコイルC1,C2を出力1300Wのフルパワー(強火)で駆動すると共に、保温ヒータH1を内鍋3の全面加熱に適した所定の通電比率(4秒/16秒:25%)、蓋ヒータH2を露飛ばしに適した所定の通電比率(6秒/16秒:37.5%)で駆動することによって、センタセンサ15で検知される内鍋3の温度(内鍋3内の水及び飯米の温度)を3分程度で沸騰温度100°Cに近い75°C付近(飯米の糊化が始まる温度)まで急速に上昇させる。
この昇温工程1の1300Wフルパワーでの内鍋加熱時間3分は、通常の早炊きメニュー(図6のタイムチャートを参照)におけるフルパワー1300Wでの内鍋加熱時間2分よりも1分長く設定されている。そのために、上記ステップS1のセット状態では、20°C程度の常温であった内鍋3内の水および飯米の温度を一気に沸騰温度100°Cに近い75°C付近(米澱粉の糊化開始温度付近)まで均一に上昇させることができる。
そこで、昇温工程1では、上記所定の周期で入力されるセンタセンサ15による内鍋3の温度(内鍋3内の水及び飯米の温度)をウオッチングし、内鍋3の温度(内鍋3内の水及び飯米の温度)が昇温工程2への移行判定温度75°C以上になったか否かを定期的に判定する(ステップS4)。そして、その判定結果がYESとなった場合には、つぎに昇温工程2に進んで、上記IHコイルC1,C2の出力を少し下げた980Wの高出力(中火)に設定して内鍋3を加熱しながら、合数、すなわち炊飯量の判定を行う(ステップS5)。ここでの炊飯量の判定は、当該昇温工程2移行時に上記センタセンサ(内鍋温度検知センサ)15により検知された内鍋3の温度75°Cから沸騰温度100°Cに至るまでの内鍋温度の上昇度合に基づいてなされる(ステップS5)。
この実施の形態の場合、上述のように昇温工程1において内鍋3の温度を米澱粉の糊化が始まる温度75°C付近まで上昇させた上で昇温工程2に移行するので、昇温工程2に移行した段階で早期に米の表面側から米澱粉の糊化(α化)が始まり、徐々に米の内部に進行して行く。この米澱粉の糊化には有効な加熱量と共に米に十分な吸水が行われていることが重要であるが、吸水米炊飯の米は吸水米であり、米の内部まで十分に吸水されている。したがって、この米澱粉の糊化に際して、同米の中の水分を介して芯まで効率良く熱を伝えることができ、米澱粉の糊化(α化)をきわめて有効に促進することができる。
これに対して図6に示す通常の早炊き炊飯の場合、内鍋3の温度が75°Cになるのは昇温工程2に移行して3分近く経過してからであり、しかも炊飯される米が全く吸水工程を経ていない米であるから、同段階では未だ吸水が不十分であり米内の水分による米内部への熱の浸透の媒介作用が生じない。したがって、後述するように、昇温工程2の工程時間を8分と吸水米炊飯の倍の長い時間に設定し、吸水作用を維持しながら糊化が進行するようにしているが、吸水が十分でない同段階での有効な糊化は期待できないのが実情である。そのために、以後の炊き上げ工程1、炊き上げ工程2での工程時間をも長く取らざるを得ず、また蒸らし時間も長くしている。なお、この昇温工程2では、例えば側面の保温ヒータH1や蓋ヒータH2はOFFにされる。
この昇温工程2における加熱制御が継続されると、内鍋3の温度が上昇して内鍋3内から相当量の蒸気が出るようになり、約4分経過後には内鍋3の温度が略沸騰温度100°Cに達して内鍋3から多量の蒸気が発生するようになる。そして、この多量の蒸気は蓋ユニット2の内蓋14を加熱し、また内蓋14を介して蓋センサH2を有する放熱板13を加熱する。この結果、蓋センサ18が同内鍋3内の温度の上昇(沸騰開始)を検知するようになる。この場合、内鍋3内の水が沸騰を開始し、その蒸気で放熱板13が加熱された時の蓋センサ18の検知温度は約78°Cである(実験結果に基づいて規定)。
そこで、同昇温工程2では、所定の周期で上述した蓋センサ18による放熱板13部分の検知温度を入力し、同温度が78°C以上になったか否かを判定する(ステップS6)。そして、同判定の結果がYESになると、沸騰が始まったと判定して、次に第1の沸騰維持工程である炊き上げ工程1に進み、上記IHコイルC1,C2の出力を980Wから700Wに下げる一方、保温ヒータH1を内鍋3の全面加熱に適した最大通電比率(14秒/16秒:87.5%)、蓋ヒータH2を露飛ばしに適した最大通電比率(9秒/16秒:56.3%)で駆動し、約3分間沸騰状態に維持する(ステップS7)。この状態では、内鍋3内に有効な対流が生じ、内鍋3内の米の各々が均一に加熱され、均一な糊化が図られるようになる。
そして、それによって、内鍋3内の膨らみつつある米の内部に水分と熱をより十分に浸透させて、米全体の澱粉の均一なアルファー化を促進し、短時間で食味が向上するようにする。この場合、上記IHコイルC1,C2の出力を700Wに下げているが、この実施の形態の吸水米制御の場合、炊飯量が2合程度の少量であり、700W程度で十分に沸騰状態を維持できることに加え、予め米自体に十分に水分が吸収されていることもあり、余りに高い高加熱(強火)では米表面の澱粉のみがα化され、米内部の仕上がりが悪くなることによる。他方、米表面の澱粉のみのα化を回避し、かつ仕上がり状態を良くするために加熱量および加熱時間を抑え過ぎると、米が硬めになり、ふっくら感も出なくなる。それらの問題を回避するためには、700W程度の加熱量で3分間(タイマー値180秒)の沸騰維持制御を行うことが適当である。
次に同炊き上げ工程1における700Wでの沸騰維持時間3分(180秒)が経過したか否かを判定する(ステップS8)。この判定の結果、YESと判定されると、つづいて炊き上げ工程2に進んで、上記IHコイルC1,C2の出力をさらに600Wに下げる一方、保温ヒータH1を内鍋3の全面加熱に適した最大通電比率(14秒/16秒:87.5%)、蓋ヒータH2を露飛ばしに適した最大通電比率(9秒/16秒:56.3%)に維持して、約4分間沸騰状態を維持する(ステップS9)。この炊き上げ工程2の加熱制御も、その前半は基本的には炊き上げ工程1と同様の沸騰維持制御であるが、炊き上げ工程2では、元々少量の水が次第に減少してきて、後半ではドライアップ状態を呈するようになる。
このような状態において、より確実に米の内部に水分と熱を浸透させることによって米全体の澱粉のアルファー化を確実にするとともに、米表面のべたつきや水っぽさを抑えて、全体に亘ってふっくらとした芯のないご飯を炊き上げるには、上記炊き上げ工程1よりも小さい600W程度の加熱量で少し長い約4分間程度沸騰状態に維持するのが適当である。このようにすると、短い時間で、より確実に米の内部に水分と熱を浸透させることができる無理のないドライアップ作用が実現され、ふっくらとして芯のない良質のご飯を炊き上げることができるようになる。また、保温ヒータH1が内鍋3の全面加熱に適した最大通電比率(14秒/16秒:87.5%)、蓋ヒータH2が露飛ばしに有効な最大通電比率(9秒/16秒:56.3%)に維持されているために、露付きを生じることなくスムーズに炊き上げ検知に移行させることができる。
このような沸騰維持制御を約4分間程度継続すると、次第に内鍋3内の水が無くなり、センタセンサ15で検知される内鍋3の温度が急激に上昇し、やがて炊き上げ検知温度120°Cに達するようになる。そこで、同炊き上げ工程2では、所定の周期で入力される上記センタセンサ15の検知温度(内鍋3の温度)が炊き上げ検知温度120°C以上になったか否かを判定し(ステップS10)、その判定結果がYESの場合には、ステップS11に進んで、それまでの炊飯時間(昇温工程1の開始から炊き上げ検知までの合計所要時間)を計算し、つづくステップS12で、同計算された所要炊飯時間が予め定められている規定判定時間(図5のタイムチャートに示す3分+4分+3分+4分=14分)であるか否かを判定する。その結果、YESの場合には、規定時間通りの適正な吸水米炊飯制御が実行されているとして、当該炊き上げ工程2での沸騰維持制御(ドライアップ制御)を終了して、ステップS13の蒸らし工程に進み、制御時間1分(固定時間)の蒸らし加熱制御を実行する。
この蒸らし工程における蒸らし加熱制御では、図5のタイムチャートに示されているように、上記IHコイルC1,C2をOFFにする一方(焦げ等回避)、上記保温ヒータH1および蓋ヒータH2をそれぞれ上述の最大通電比率に維持した状態で1分間維持し、炊き上げ検知後の内鍋3全体の余熱と上記保温ヒータH1および蓋ヒータH2による熱を利用して効果的に蒸らし、ご飯表面の余分な水分を飛ばすと共に、ご飯を可能な限りふっくらとさせる。
また、上記保温ヒータH1および蓋ヒータH2により内鍋3の側壁部3bおよび開口縁部3c、内蓋14等に露が付かないようにし、露によるご飯の白ボケ等が生じないようにする。
他方、上記ステップS11で計算された炊飯時間(昇温工程1の開始から炊き上げ検知までの合計時間)が予め定められている規定判定時間(図5のタイムチャートに示す3分+4分+3分+4分=14分)よりも短かかったステップS12でNOと判定された場合には、まずステップS14に進んで、上記蒸らし工程における蒸らし時間1分を長くするための調整時間αを計算する。そして、続くステップS15で上記基本となる蒸らし時間1分に当該調整時間αを加算して最終的な蒸らし時間(1分+α)に設定して、ステップS13の蒸らし加熱制御を行う。これにより、昇温工程1の開始から炊き上げ検知までの合計制御時間が予め定められている規定時間(図5のタイムチャートに示す3分+4分+3分+4分=14分)よりも短かかった場合には、最終的に蒸らし工程で、その加熱量不足が調整されることになり、炊き上げ工程までに硬めに仕上げられたご飯の場合にも、ステップS13の蒸らし工程が終了した段階では、内鍋3の余熱、保温ヒータH1や蓋ヒータH2の熱によりじっくりと蒸らされて可能な限り柔らかく炊き上げられることになる。
この場合、上記蒸らし時間の調整は、例えば昇温工程1の開始から炊き上げ検知までの実際の合計制御時間が12分であった場合には、固定された蒸らし時間の1分を前提として予め定められた規定時間14分(15分-1分)に対して2分足りないので、基本となる蒸らし時間1分に調整時間α=2分を足して3分に延長する形で行われる。
そして、このようにして規定時間1分又は調整時間αを含めた規定時間1分+調整時間αの蒸らし工程が実行されると、同蒸らし工程において、昇温工程1の開始から蒸らし工程の現時点までの合計制御時間が予め定められている規定炊飯完了時間15分になったか否か(その経過)を判定する(ステップS16)。その結果、YESであった場合には、同蒸らし工程を終了して、保温工程に移行する(ステップS17)。NOの場合には、YESとなるまで(規定時間15分が経過するまで)ステップS15の蒸らし制御を続ける。このようにして、規定通り15分での吸水米を使用した炊飯が実現される。
なお、この実施の形態の場合、上記蒸らし工程では、上記ステップS12の判定でNOと判定された昇温開始から炊き上げ検知までの炊飯時間(ステップS11で計算された炊飯時間)が、予め設定された規定炊飯完了時間15分から本来の蒸らし時間1分を減算した規定時間14分よりも短かかった場合には、それまでの工程とは異なり、当該蒸らし工程の制御(蒸らし工程から保温工程への移行条件成立の判定制御)にセンタセンサ15や蓋タセンサ18等の検知温度や炊飯量の判定値は使用せず、制御タイマー(炊飯タイマー)のカウントによる蒸らし時間(1分+α)の経過のみで判定するようにしている。
すでに説明したように、温度変化の基準値到達による移行条件は時間経過による移行条件と異なり、その時の室温や米の吸水状態、使用される水道水の温度、冷蔵庫等での保管温度の影響を受けやすく、それらの変動によって判定される工程の移行タイミングが変わってくる。
したがって、昇温開始から炊き上げ検知までの実際の所要炊飯時間が、予め設定された規定炊飯完了時間15分から本来の蒸らし時間1分を減算した規定判定時間14分よりも短かかった場合には、保温工程への移行条件判定制御に、そのような変動要素のあるセンサの検知温度や炊飯量の判定値は使用せず、固定された本来の蒸らし時間1分を基本として、その短かかった時間(規定判定時間14分-実際の所要時間=α)を演算し、同演算された時間α分だけ蒸らし時間を長くし(1分+α)、同延長された蒸らし時間(1分+α)が経過したことのみを条件として次の保温工程に移行するようにしている。
したがって、同構成では、決して早切れすることなく、必ず規定された炊飯時間15分で確実に炊き上げられ、保温工程に移行される。その結果、炊飯ミスが無くなり、一定の食味を保証することができるので、十分に業務用の電気炊飯器として市場に提供することが可能となる。
これらの結果、この実施の形態の電気炊飯器によると、先に述べたような技術的課題が確実に解決され、通常の早炊きメニューよりも早い極めて短時間の炊飯でありながら、通常の早炊きメニューに劣らない芯のない良質のご飯を炊き上げることができる。
この実施の形態の場合、使用される米が吸水米であり、予め米の内部への吸水が完了していることから、吸水工程を省略することができる。単に吸水工程がないという点では早炊きメニューの場合と同様である。しかし、予め米の内部への吸水が完了しているという点で以後の制御に大きな相違が生じる。
すなわち、この実施の形態の場合、昇温工程1のフルパワーでの内鍋加熱時間が、通常の早炊きメニュー(図6のタイムチャートを参照)におけるフルパワー1300Wでの内鍋加熱時間2分よりも長い3分に設定されており、上記図4の制御フローのステップS1におけるセット状態では、20°C程度の常温であった内鍋3内の水および飯米を一気に沸騰温度100°Cに近い75°C付近まで上昇させるようになっている。
そして、そのまま昇温工程2に進み、同昇温工程2で時間を掛けずに短時間(4分)で合数を判定した後、沸騰状態を維持する炊き上げ工程1~2に移行し、短時間での沸騰維持、短時間での蒸らしを行って短時間で炊き上げるようにしている。
これに対し、通常の早炊きメニューの場合には、図6のタイムチャートに示すように、米自体に全く吸水作用が施されていないことから、本来合数判定を行う昇温工程2を利用して実質的な吸水作用を実現するようにしている。
すなわち、早炊きメニューの昇温工程2では、例えばIHコイルC1,C2の出力としては90~100%に設定しているが、所定の周期で温調制御を掛け、長時間(吸水米炊飯の倍の8分)をかけて沸騰状態まで加熱し、その間に合数判定を行うと共に、吸水工程を経ていない米に可能な限り吸水させるようにしている。この米への吸水作用は、米および水の温度が余り高くない方が好ましい(通常の白米炊飯の吸水工程では50°C位が採用されている)。したがって、早炊きメニューの場合、上記吸水米炊飯のように昇温工程1で沸騰温度に近い75°Cまで昇温させることはできず、10°Cも低い65°C程度までの加熱に留めており、その上で65°Cから沸騰温度100°Cまでの間で緩やかに温調加熱するようにしている。このため、昇温工程での加熱時間を短縮することができない致命的な限界がある。また、その様な作用の延長として、炊き上げ1、炊き上げ2でも、比較的低い出力で、4分、7分(合計11分)という長い加熱時間を設定している。また、蒸らし時間も8分と長い。
これに対して、この実施の形態の吸水米炊飯では、そのような制約がないので、昇温工程1において沸騰温度100°Cに近い高温75°Cまで加熱することができ、吸水を目的とした温調加熱を行う必要もないので、昇温工程(合数判定工程)2における加熱時間(昇温工程1を終了してから沸騰開始までの時間)を図5のタイムチャートに示すように早炊きメニューの場合に比べて大きく短縮することができる。合数判定のみを考慮した短かい時間に設定することができる。その結果、トータルの炊飯時間を大きく短縮することができるわけである。
しかも、この実施の形態では、そのような短い時間15分での炊き上げを、必ず規定された15分で実現できるようにしており、蒸らし工程の工程時間を基本1分として、ステップS3の昇温工程1からステップS10の炊き上げ検知までの実際の炊飯時間が、15分-1分の14分よりも短かかった場合には、その短かかった時間(α分)だけ蒸らし時間を長くし、加熱量不足を補って芯のない柔らかなご飯を炊き上げるようにしていると共に、必ず規定された15分で炊飯を完了して保温工程に移行することができるように構成されている。したがって、待ち時間のばらつきを回避することができると共に炊き上がり状態を均一にすることができる。
<その他の実施の形態について>
上述の実施の形態における昇温工程2では、所定の制御周期で上記センタセンサ(内鍋温度検知センサ)15により内鍋3の温度(内鍋3内の水及び飯米の温度)の上昇度合いを検知し、同検知された内鍋3の温度の上昇度合から炊飯量(合数)を判定するように構成しているが、これは、上述の実施の形態の電気炊飯器が、例えば2合炊き専用の電気炊飯器ではなく、一応2合~10合を炊くことができる10合炊きの電気炊飯器であることを前提としていることによるものである。
したがって、もしも、この実施の形態の電気炊飯器における吸水米炊飯メニューを2合炊き限定の吸水米の炊飯制御シーケンスとして構成し、内鍋3も2合以上炊けない小さいものにするのであれば、上述のような炊飯量の判定を行わない制御シーケンスを採用することも可能である。しかし、それでも昇温工程2は、沸騰に至る加熱工程として必要なことには変わりがないから、その場合、昇温工程1の加熱制御時間を延長することによって対応することになる。
また、以上の実施の形態では、炊飯タイマーの計時により必ず15分で炊飯が終了する実施構造を採用したが(ステップS16)、この15分はあくまでも一例であり、18分でも、20分でも、少なくとも早炊きメニューよりも短時間の炊飯制御に任意に適用することができる。
また、炊飯タイマーを用いて、上記のように規定された15分で強制的に炊飯を終了するのではなく、たとえば目標炊飯完了時間を15分とし、温度センサや炊飯量判定データを使用して制御するようにした場合には、15分以内に炊飯が終了する場合以外に、15分を超えて後に炊飯を終了し、保温工程に移行するケースも生じる。その場合において、同15分を超えることが予想される場合には、蒸らしタイマー等何らかの手段で15分で蒸らし制御を終了させるようにしても良い。
C1,C2はIHコイル、H1は保温ヒータ、H2は蓋ヒータ、1は外ケース、2は蓋ユニット、3は内鍋、15はセンタセンサ、18は蓋センサ、20は操作パネル、21は液晶表示部、22aは炊飯スイッチ、32はマイコン制御ユニット、33は保温ヒータ駆動回路、42はIGBT駆動回路、46は蓋ヒータ駆動回路である。

Claims (5)

  1. 内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋加熱手段の加熱量及び加熱時間を制御する炊飯制御手段と、炊飯メニューを選択する炊飯メニュー選択手段とを備え、炊飯制御手段が、非吸水米を使用し、吸水、昇温、炊き上げ、蒸らしの4工程で炊飯する通常の炊飯制御シーケンスと、非吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する早炊き炊飯制御シーケンスとを備えてなる電気炊飯器において、
    炊飯制御手段の炊飯制御シーケンスとして、通常の炊飯制御シーケンスおよび早炊き炊飯制御シーケンスに加えて、別途吸水させておいた吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する吸水米炊飯制御シーケンスを設けると共に、該吸水米炊飯制御シーケンスを炊飯メニュー選択手段で選択することにより、吸水米炊飯を可能にしたことを特徴とする電気炊飯器。
  2. 内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋加熱手段の加熱量及び加熱時間を制御する炊飯制御手段とを備え、炊飯制御手段が、非吸水米を使用し、吸水、昇温、炊き上げ、蒸らしの4工程で炊飯する通常の炊飯制御シーケンスと、非吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する早炊き炊飯制御シーケンスと、予め吸水させておいた吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する吸水米炊飯制御シーケンスとを備えてなる電気炊飯器であって、吸水米炊飯制御シーケンスの炊き上げ工程における加熱量は、早炊き炊飯制御シーケンスの炊き上げ工程における加熱量よりも大きく、加熱時間は短く設定されていることを特徴とする電気炊飯器。
  3. 内鍋と、内鍋を加熱する内鍋加熱手段と、内鍋加熱手段の加熱量及び加熱時間を制御する炊飯制御手段とを備え、炊飯制御手段が、非吸水米を使用し、吸水、昇温、炊き上げ、蒸らしの4工程で炊飯する通常の炊飯制御シーケンスと、非吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する早炊き炊飯制御シーケンスと、予め吸水させておいた吸水米を使用し、昇温、炊き上げ、蒸らしの3工程で炊飯する吸水米炊飯制御シーケンスとを備えてなる電気炊飯器であって、吸水米炊飯制御シーケンスの蒸らし工程における蒸らし時間は、早炊き炊飯制御シーケンスの蒸らし工程における蒸らし時間よりも短く設定されていることを特徴とする電気炊飯器。
  4. 吸水米炊飯制御シーケンスは、炊飯量の判定機能を有し、内鍋内に収容セットされた吸水米の量が当該電気炊飯器の最大炊飯量に比べて所定量以上少ない所定炊飯量である場合を対象として構成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の電気炊飯器。
  5. 吸水米炊飯制御シーケンスは、昇温開始から蒸らし完了までの炊飯制御を予め定められた規定通りの炊飯時間で終了するように構成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の電気炊飯器。
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