JP7186089B2 - 配管用密閉部材、およびそれを用いた配管の施工構造 - Google Patents

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Description

本発明は、壁等の建築用面材を貫通する配管と当該建築用面材との隙間を密閉するための配管用密閉部材に関する。
従来、電線や通信用ケーブルなどを住宅の壁または床等の建築用面材に貫通して取り付ける際には、あらかじめ建築用面材を貫通する配管と、当該配管の外周面と建築用面材との隙間を液密的に密閉するための配管用密閉部材とが建築用面材に取り付けられる。配管の内部に電線等を挿入することにより、電線等を建築用面材に貫通した状態で容易に設置することが可能である。
しかし、このような配管に対して要求される寸法は、挿入される電線等の条件、例えば電線の太さ、種類あるいは本数などによって異なる場合がある。配管の外径が大きく異なる複数の配管に対しては、個々の外径に対応した口径を有する複数種類の配管用密閉部材を用意する必要があり、手間がかかるとともに在庫をかかえる問題になる。
そこで、特許文献1に開示されているように、異なる外径の配管に対して適用可能な配管用密閉部材100が提案されている。
この配管用密閉部材100は、図6~7に示されるように、第1貫通孔101aが形成された板状のベース部101と、当該第1貫通孔101aの内側に張られた板状のシール部102とを備える。
ベース部101は、建築用面材に固定される矩形の板状の部材である。ベース部101の中央に形成された第1貫通孔101aは、配管が挿通可能な直径を有する。
シール部102は、ベース部101よりも軟質の材料で構成された板状の部材であり、
第1貫通孔101aよりも小さな直径の第2貫通孔102aが形成されている。さらに、シール部102は、この第2貫通孔102aが第1貫通孔101aの内側に位置する状態でベース部101における第1貫通孔101aの周縁部分に一体に重ねられる重合部103を有する。
シール部102の重合部103、および当該重合部103が重ねられるベース部101の対向部分104は、互いに密着する密着面103a、104aをそれぞれ有する。これら密着面103a、104aは、互いに嵌合する凹凸部103b、104bの表面で構成されている。これらの凹凸部103b、104bは、互いに嵌合した状態で接合されている。
上記の配管用密閉部材100を建築用面材に貫通した状態の配管と接続する場合、配管密閉用部材100を配管の先端から当該配管の外側に挿入(外挿)する。これにより、ベース部101の第1貫通孔101aの内部では、シール部102の第2貫通孔102aを拡径しながら配管が第2貫通孔102aに押し込まれる。これにより、シール部102は伸びた状態で配管の外周面に密着することにより、配管周囲を液密的にシールすることが可能である。この配管用密閉部材100では、第1貫通孔101aの内部の領域でシール部102が伸びることにより異なる外径の配管に接続することが可能である。
特開2010-151245号公報
しかし、特許文献1の配管用密閉部材では、ベース部101とシール部102との密着性およびシール性確保のために、密着面103a、104aを有する凹凸部103b、104bの領域(すなわち、重合部103および対向部分104)がベース部101の第1貫通孔101aの周縁部分に必要である。そのため、大きい外径の配管に対して接続可能にするために第1貫通孔101aを拡大した配管用密閉部材100に変更することが難しく、配管用密閉部材100を幅広い範囲の異なる外径の配管に対して用いることが困難である。
もし仮に第1貫通孔101aを大きくした配管用密閉部材100を製造した場合には、第1貫通孔101aの周縁の凹凸部103b、104bがベース部101の外縁に近くなり、ベース部101とシール部102との間に隙間が生じるおそれがあり、その結果、シール性が低下するおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、幅広い範囲の異なる外径の配管をシールするために適用することが可能であり、かつ、シール性を確保することが可能な配管用密閉部材を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の配管用密閉部材は、建築用面材を貫通する配管と当該建築用面材との隙間を密閉するための配管用密閉部材であって、前記配管が挿入可能な直径を有する第1貫通孔を有し、合成樹脂で製造された板状のベース部と、前記ベース部に積層して設けられ、前記ベース部よりも軟質の熱可塑性エラストマーで製造された板状のシール部とを備えており、前記シール部における前記第1貫通孔の内側の領域には、前記第1貫通孔の直径よりも小さくかつ前記配管が嵌入可能な直径を有する第2貫通孔が形成され、前記ベース部および前記シール部のうち互いに重なり合う部分の少なくとも一方には、平坦面が形成され、前記ベース部および前記シール部は、二色成形またはインサート成形により前記平坦面で互いに密着した状態で形成されており、前記ベース部および前記シール部が重なり合う部分の面積は、前記第2貫通孔を含む前記シール部の面積の75%以上100%未満になるように設定されていることを特徴とする。
この構成では、ベース部およびシール部は、これらベース部およびシール部のうち互いに重なり合う部分の少なくとも一方に形成された平坦面で互いに密着しており、しかも、ベース部およびシール部が重なり合う部分の面積は、第2貫通孔を含むシール部の面積の75%以上100%未満になるように設定されているので、これらベース部およびシール部の間の密着性およびシール性を十分に確保することができる。これにより、従来の配管用密閉部材のようにベース部の第1貫通孔の周辺にベース部とシール部との密着面を形成する凹凸部の領域を確保する必要が無くなるため、ベース部の第1貫通孔は、大きい直径を確保することが可能である。その結果、配管用密閉部材を幅広い範囲の異なる外径の配管のシールのために適用することが可能である。
しかも、上述のように、ベース部およびシール部は、二色成形またはインサート成形により平坦面で互いに密着した状態で形成されているので、ベース部の第1貫通孔を大きくしても、従来の配管用密閉部材のように第1貫通孔の周縁の凹凸部がベース部の外縁に接近することに起因するベース部とシール部との間の隙間が生じることがなく、シール性を確保することが可能である。
また、熱可塑性エラストマーで製造されたシール部は、エラストマーが有する高い柔軟性および伸縮性に加えて、合成樹脂で製造されたベース部に容易に熱溶着しやすいので、二色成形やインサート成形によりシール性が高い配管用密閉部材を容易に製造することが可能である。
また、上記の配管用密閉部材において、前記シール部の厚さは、0.5~2.0mm(より好ましくは0.8~1.3mm)であり、前記ベース部の厚さは、0.5~1.2mm(より好ましくは0.6~0.8mm)であるのが好ましい。
シール部は、0.5mmよりも薄いと配管を第2貫通孔に挿入したときに破損するおそれがある一方、2.0mmよりも厚いと配管挿入時に伸びて第2貫通孔の拡径することが難しくなるので、上記の範囲内であれば、配管挿入時におけるシール部が破損することがなく第2貫通孔の拡径を確実に行うことが可能である。
ベース部は、0.5mmよりも薄いとシール部を保持するために必要な剛性が得られず、1.2mmよりも厚いと製造コストが増大するので、上記の範囲内であれば、ベース部の製造コストを抑えながらシール部を確実に保持することが可能である。
上記の配管用密閉部材において、前記平坦面は、前記シール部に形成されているのが好ましい。
上記のようにシール部はベース部よりも軟質の材料で製造されているので、平坦面をシール部に容易に形成することが可能である。
上記の配管用密閉部材において、前記ベース部の外縁と第1貫通孔との最短距離は、15mm以上に設定されているのが好ましい。
かかる構成により、ベース部およびシール部が互いに重なり合って密着する部分の面積を十分に確保することが可能になるので、ベース部およびシール部の密着性を十分に確保することができる。
上記の配管用密閉部材において、前記シール部の厚さは、前記ベース部の厚さよりも厚くなるように設定されているのが好ましい。
かかる構成により、シール部の可撓性および伸縮性を確保することが可能である。
本発明の配管の施工構造は、建築用面材と、前記建築用面材を貫通する配管と、請求項1に記載の配管用密閉部材とを備えた配管の施工構造であって、前記配管用密閉部材は、前記シール部の前記第2貫通孔に前記配管が嵌入された状態で前記建築用面材に当接していることにより、前記配管と前記建築用面材との隙間を密閉していることを特徴とする。
かかる構成では、上記の配管用密閉部材を用いて配管を施工することにより、幅広い範囲の異なる外径の配管をシールすることが可能である。
上記の配管の施工構造において、前記シール部は、前記ベース部と前記建築用面材との間に挟まれた状態で保持されているのが好ましい。
軟質のシール部がベース部と建築用面材との間に挟まれて保持されることにより、シール部がベース部から剥離したり、シール部が破損するおそれを低減することが可能である。
本発明の配管用密閉部材およびそれを用いた配管の施工構造によれば、幅広い範囲の異なる外径の配管をシールすることができるとともにシール性を確保することができる。
本発明の実施形態に係る配管用密閉部材の正面図である。 図1の配管用密閉部材の背面図である。 図1のIII-III線断面図である。 本発明の実施形態に係る配管用密閉部材を用いた細い配管の施工構造を示す断面説明図である。 本発明の実施形態に係る配管用密閉部材を用いた太い配管の施工構造を示す断面説明図である。 従来の配管用密閉部材の正面図である。 図6のVII―VII線断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1~3に示される配管用密閉部材1は、建築用面材Mを貫通する異なる外径を有する配管P1、P2(図4~5参照)と当該建築用面材Mとの隙間を密閉することが可能な構成を有する。
具体的には、配管用密閉部材1は、ベース部2と、シール部3とを備え、これらベース部2およびシール部3が積層した構造を有する。
ベース部2は、第1貫通孔2aが形成された板状の部分である。第1貫通孔2aの直径D1は、配管P1、P2が挿入可能な直径に設定される。
上記の配管P1、P2としては、例えば、14~28mm程度の内径を有する蛇腹状のコルゲート管または直管であって、電線や通信ケーブル等を通すための合成樹脂製の管として、CD管(耐燃性を有しない管)またはPF管(耐燃性を有する管)などが挙げられる。このような配管P1、P2に適合するように、第1貫通孔2aの直径D1は、例えば、40~55mm程度(好ましくは48~50mm程度)に設定される。
ベース部2の外縁と第1貫通孔2aとの最短距離Bは、15mm以上(より好ましくは20mm以上)になるように設定する。これにより、ベース部2およびシール部3が重なり合って密着する部分5の面積を十分確保することが可能になる。ベース部2の外形寸法は、上記の第1貫通孔2aの直径D1(40~55mm程度)、および最短距離B(15mm以上)を考慮して設定され、例えば一辺の長さAが80~120mm程度(好ましくは90~110mm程度)の正方形になるように設定される。また、図1に示される正方形のベース部2の角部には、丸み(アール)が形成されている。
ベース部2の厚さt1は、製造コストの抑制および剛性確保を考慮して0.5~1.2mm程度(より好ましくは0.6~0.8mm程度)に設定されているのが好ましい。
ベース部2は、シール部3よりも変形しにくい剛性の高い材料であるのが好ましく、例えばポリエチレン樹脂などによって形成される。
シール部3は、ベース部2よりも軟質の材料で製造された板状の部分であり、上記のベース部2との重なり合う部分5の面積が十分広く(シール部3の面積の75%以上に)なるように、ベース部2に積層して設けられている。
シール部3は、例えば、軟質の材料としてはベース部2および配管P1、P2の両方との高い密着性を得るために高い柔軟性および伸縮性を有するエラストマーを含むことが好ましく、とくにベース部2と熱溶着しやすい熱可塑性エラストマーを含むことが好ましい。このような観点から、シール部3は、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性エラストマーなどによって形成される。
シール部3における第1貫通孔2aの内側の領域には、第1貫通孔2aの直径D1よりも小さくかつ配管P1、P2が嵌入可能な直径D2を有する第2貫通孔3aが形成されている。
第2貫通孔3aの直径D2は、は、上記のような配管P1、P2(14~28mm程度の内径を有するCD管またはPF管)が嵌入可能であり、かつ嵌入時にシールされるような大きさに設定され、例えば、直径D2は、6~12mm程度(好ましくは8~10mm程度)に設定されている。
シール部3の厚さt2は、可撓性および伸縮性を確保するために、ベース部2の厚さt1よりも厚くなるように設定されている。
シール部3の厚さt2は、破損防止および第2貫通孔3aの拡径確保のために0.5~2.0mm(より好ましくは0.3~1.3mm程度)に設定されているのが好ましい。なお、ベース部2およびシール部3が積層された配管用密閉部材1の全体の厚さは1.3~2.3mm程度(好ましくは1.6~2.0mm程度)であるのが好ましい。
本発明は、ベース部2およびシール部3のうち互いに重なり合う部分5の少なくとも一方に平坦面が形成されることを特徴としており、本実施形態においては、シール部3におけるベース部2に対向する側の面の全体に平坦面3bが形成されている。ベース部2およびシール部3は、平坦面3bにおいて互いに重なり合って密着している。
ベース部2およびシール部3が重なり合う部分5の面積は、第2貫通孔3aを含むシール部3の面積の75%以上100%未満になるように設定されている。重なり合う部分5の面積がこの範囲内に設定されていればよいので、例えば、図3に示されるように、ベース部2およびシール部3が重なり合う部分5がベース部2の全面にわたって形成されていてもよいし、またはベース部2の外周縁付近の一部の範囲においてベース部2がシール部3に重なっていない部分があっても重なり合う部分5の面積がシール部3の面積の75%以上確保されていればよい。
なお、上記の「重なり合う部分5」とは、ベース部2およびシール部3が互いに対向して重なり合っている部分を意味する。
配管用密閉部材1は、二色成形またはインサート成形などにより容易かつ高いシール性が得られるように製造される。
例えば、二色成形によって配管用密閉部材1を製造する場合、まず、ベース部2の材料であるポリエチレンなどの合成樹脂を高温高圧の条件下で成形型内部に射出した後に硬化させることにより、ベース部2が形成される。その後、さらにシール部3の材料であるオレフィン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性エラストマーなどの合成樹脂を成形型内部のベース部2に隣接する空間に射出して硬化させることにより、シール部3がベース部2の全面にわたって密着した状態で形成される。これにより、シール性が高い配管用密閉部材1を二色成形により容易かつ大量に製造することが可能になる。
以上のように構成された本実施形態の配管用密閉部材1を用いれば、図4~5に示される配管P1、P2の施工構造のように、建築用面材Mを貫通する異なる外径を有する配管P1、P2と当該建築用面材Mとの隙間を密閉することが可能になる。
図4~5における配管P1、P2は、外壁下地材である建築用面材Mを貫通するとともに、外壁材Jおよび内壁材Lを貫通している。建築用面材Mおよび内壁材Lは、建物の柱Kなどに固定されている。
配管用密閉部材1は、外壁材Jの取付け前の段階で、シール部3の平坦面3bと反対側の面(図3参照)を建築用面材Mに対向させた状態で、配管P1、P2の先端から当該配管の外側に挿入(外挿)されている。この状態では、配管P1、P2は、ベース部2の第1貫通孔2aに挿入されるとともにシール部3の第2貫通孔3aを拡径しながらに嵌入されている。
具体的には、シール部3の第2貫通孔3aを拡径しながら配管P1、P2が第2貫通孔3aに押し込まれる。このとき、シール部3は、ベース部2の第1貫通孔2aの内部の領域において、配管P1、P2との摩擦力によって当該第1貫通孔2aを通って建築用面材Mから離れる方向に突出し、それとともに第2貫通孔3aが拡径するように、変形する。
これにより、シール部3は伸びた状態で配管P1、P2の外周面に密着することにより、配管P1、P2の周囲を液密的にシールすることが可能である。この配管用密閉部材1は、第1貫通孔2aの内部の領域でシール部3が伸びることにより異なる外径の配管P1、P2に接続することが可能である。
配管用密閉部材1は、シール部3の第2貫通孔3aに配管P1、P2が嵌入された状態で建築用面材Mに当接していることにより、配管P1、P2と建築用面材Mとの隙間を密閉している。
図4~5に示される施工構造では、軟質のシール部3は、ベース部2と建築用面材Mとの間に挟まれた状態で保持されているので、シール部3のベース部2からの剥離や破損のおそれが低減している。
本実施形態では、配管用密閉部材1は、建築用面材Mに当接した状態で、防水テープ4によって固定されている。これにより、防水テープ4は、ベース部2を建築用面材Mに固定するとともに、ベース部2の外周縁のシールをしている。なお、防水テープ4の代わりに、他の固定手段(例えば接着剤など)によって、配管用密閉部材1を建築用面材Mに固定してもよい。
(本実施形態の特徴)
(1)
本実施形態の配管用密閉部材1は、建築用面材Mを貫通する配管P1、P2と当該建築用面材Mとの隙間を密閉するための部材であり、配管P1、P2が挿入可能な直径D1を有する第1貫通孔2aを有する板状のベース部2と、ベース部2に積層して設けられ、ベース部2よりも軟質の材料で製造された板状のシール部3とを備えている。シール部3における第1貫通孔2aの内側の領域には、第1貫通孔2aの直径D1よりも小さくかつ配管P1、P2が嵌入可能な直径D2を有する第2貫通孔3aが形成されている。ベース部2およびシール部3のうち互いに重なり合う部分5の少なくとも一方(本実施形態ではシール部3)には、平坦面3bが形成され、ベース部2およびシール部3は、平坦面3bで互いに密着している。ベース部2およびシール部3が重なり合う部分5の面積は、第2貫通孔3aを含むシール部3の面積の75%以上100%未満になるように設定されている。
かかる構成により、これらベース部2およびシール部3の間の密着性およびシール性を十分に確保できるので、従来の配管用密閉部材1のようにベース部2の第1貫通孔2aの周辺にベース部2とシール部3とが密着するための凹凸部103b、104b(図7参照)の領域を確保する必要が無くなる。そのため、ベース部2の第1貫通孔2aは、大きい直径D1を確保することが可能である。その結果、配管用密閉部材1を幅広い範囲の異なる外径の配管P1、P2のシールのために適用することが可能である。
しかも、上述のように、ベース部2およびシール部3は、平坦面3bで互いに密着しているので、ベース部2の第1貫通孔2aを大きくしても、従来の配管用密閉部材のように第1貫通孔2aの周縁に形成された凹凸部103b、104b(図7参照)がベース部2の外縁に接近することに起因するベース部2とシール部3との間の隙間が生じることがなく、シール性を確保することが可能である。したがって、配管用密閉部材1の外形寸法を小さくすることも可能になる。
また、ベース部2およびシール部3は、第2貫通孔3aを含むシール部3の面積の75%以上100%未満の面積を有する当該ベース部2およびシール部3が重なり合う部分5において平坦面3bで密着しているので、ベース部2とシール部3との間で十分な接着力が得られるので、ベース部2から剥がれ難くなり、特に第2貫通孔3aの径方向に沿う方向のせん断力に対して強くなる。
さらに、ベース部2およびシール部3は、第2貫通孔3aを含むシール部3の面積の75%以上100%未満の面積を有する当該ベース部2およびシール部3が重なり合う部分5において平坦面3bで密着しているので、シール部3を建築用面材Mとベース部2との間で広い面積で挟んで安定して保持することが可能になり、シール部3と建築用面材Mとの間のシール性の向上も達成することが可能になる。
(2)
本実施形態の配管用密閉部材1のように、平坦面3bは、シール部3に形成されているのが好ましい。上記のようにシール部3は、ベース部2よりも軟質の材料で製造されているので、平坦面3bをシール部3に容易に形成することが可能である。
(3)
本実施形態の配管用密閉部材1では、ベース部2の外縁と第1貫通孔2aとの最短距離Bは、15mm以上に設定されている。そのため、ベース部2およびシール部3が互いに重なり合って密着する部分5の面積を十分に確保することが可能になるので、ベース部2およびシール部3の密着性を十分に確保することができる。
それとともに、シール部3を建築用面材Mとベース部2との間で広い面積で挟んで安定して保持することが可能になるので、シール部3と建築用面材Mとのシール性の向上も達成することが可能になる。
(4)
本実施形態の配管用密閉部材1では、シール部3の厚さt2は、ベース部2の厚さt1よりも厚くなるように設定されている。そのため、シール部3の可撓性および伸縮性を確保することが可能である。
(5)
本実施形態の配管用密閉部材1では、シール部3の厚さt2は、0.5~2.0mmである。シール部3は0.5mmよりも薄いと配管を第2貫通孔3aに挿入したときに破損するおそれがある一方、2.0mmよりも厚いと配管挿入時に伸びて第2貫通孔3aの拡径することが難しくなるので、上記の範囲内であれば、配管挿入時におけるシール部3が破損することがなく第2貫通孔3aの拡径を確実に行うことが可能である。
(6)
本実施形態の配管用密閉部材1では、ベース部2の厚さt1は、0.5~1.2mmである。ベース部2は0.5mmよりも薄いとシール部3を保持するために必要な剛性が得られず、1.2mmよりも厚いと製造コストが増大するので、上記の範囲内であれば、ベース部2の製造コストを抑えながらシール部3を確実に保持することが可能である。
(7)
本実施形態の配管用密閉部材1では、シール部3は、エラストマーを含む。エラストマーを含むシール部3は柔軟であり伸縮性が高いので、ベース部2との高い密着性が得られるとともに第2貫通孔3aに配管を挿入した際の配管P1、P2との高い密着性が得られる。
(8)
本実施形態の配管用密閉部材1では、シール部3は、上記のエラストマーとして、とくに、熱可塑性エラストマーを含む。熱可塑性エラストマーを含むシール部3は、上記のエラストマーが有する高い柔軟性および伸縮性に加えて、ベース部2に容易に熱溶着しやすいので、二色成形やインサート成形などによりシール性が高い配管用密閉部材1を容易に製造することが可能である。
(9)
本実施形態の配管の施工構造は、建築用面材Mと、建築用面材Mを貫通する配管P1、P2と、上記の配管用密閉部材1とを備えた配管P1、P2の施工構造であり、配管用密閉部材Mは、シール部3の第2貫通孔3aに配管P1、P2が嵌入された状態で建築用面材Mに当接していることにより、配管P1、P2と建築用面材Mとの隙間を密閉している。
上記の配管用密閉部材1を用いて配管を施工することにより、幅広い範囲の異なる外径の配管P1、P2をシールすることが可能である。
(10)
本実施形態の配管の施工構造では、シール部3は、ベース部2と建築用面材Mとの間に挟まれた状態で保持されている。軟質のシール部3がベース部2と建築用面材Mとの間に挟まれて保持されることにより、シール部3がベース部2から剥離したり、シール部3が破損するおそれを低減することが可能である。
(変形例)
(A)
上記実施形態の配管用密閉部材1では、平坦面3bがシール部3に形成されているが、本発明はこれに限定するものではない。本発明では、平坦面は、ベース部2およびシール部3のうち互いに重なり合う部分5の少なくとも一方に形成されていればよく、上記の実施形態のように、シール部3に平坦面3bが形成された形態だけでなく、平坦面は、ベース部2のみに形成してもよいし、ベース部2およびシール部3の両方に形成してもよい。これらの場合も、ベース部2およびシール部3が平坦面で互いに密着し、ベース部2およびシール部3が重なり合う部分5の面積が第2貫通孔3aを含むシール部3の面積の75~100%になるように設定されていれば、上記実施形態の配管用密閉部材1と同様に、幅広い範囲の異なる外径の配管をシールするために適用することが可能であり、かつ、シール性を確保することが可能になる。
(B)
本発明の施工構造では、上記実施形態のようにシール部3がベース部2と建築用面材Mとの間に挟まれた状態で保持されている施工構造に限定するものではない。本発明の変形例として、シール部3がベース部2に対して建築用面材Mとは反対側になるように、配管用密閉部材1を建築用面材1に当接するようにしてもよい。その場合も、シール部3によって配管P1、P2と建築用面材Mとの隙間を密閉することが可能であり、異なる外径の配管に幅広く適用することが可能である。
(C)
上記実施形態では配管用密閉部材1を用いて施工される配管P1、P2として、電線やケーブルが挿入されるCD管やPF管が例に挙げられているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の配管用密閉部材によって密閉される「配管」には、種々の管状体またはそれに類似する線条体が含まれる。例えば、太い電線や通信ケーブルなどのように導線の外周が絶縁テープや筒状の絶縁体で覆われたものも、本発明における「配管」の概念に含まれる。
1 配管用密閉部材
2 ベース部
2a 第1貫通孔
3 シール部
3a 第2貫通孔
3b 平坦面
5 重なり合う部分
P1、P2 配管
M 建設用面材

Claims (7)

  1. 建築用面材を貫通する配管と当該建築用面材との隙間を密閉するための配管用密閉部材であって、
    前記配管が挿入可能な直径を有する第1貫通孔を有し、合成樹脂で製造された板状のベース部と、
    前記ベース部に積層して設けられ、前記ベース部よりも軟質の熱可塑性エラストマーで製造された板状のシール部と
    を備えており、
    前記シール部における前記第1貫通孔の内側の領域には、前記第1貫通孔の直径よりも小さくかつ前記配管が嵌入可能な直径を有する第2貫通孔が形成され、
    前記ベース部および前記シール部のうち互いに重なり合う部分の少なくとも一方には、平坦面が形成され、
    前記ベース部および前記シール部は、二色成形またはインサート成形により前記平坦面で互いに密着した状態で形成されており、
    前記ベース部および前記シール部が重なり合う部分の面積は、前記第2貫通孔を含む前記シール部の面積の75%以上100%未満になるように設定されている、
    ことを特徴とする配管用密閉部材。
  2. 前記シール部の厚さは、0.5~2.0mmであり、
    前記ベース部の厚さは、0.5~1.2mmである、
    請求項1に記載の配管用密閉部材。
  3. 前記平坦面は、前記シール部に形成されている、請求項1または2に記載の配管用密閉部材。
  4. 前記ベース部の外縁と第1貫通孔との最短距離は、15mm以上に設定されている、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の配管用密閉部材。
  5. 前記シール部の厚さは、前記ベース部の厚さよりも厚くなるように設定されている、
    請求項1~のいずれか1項に記載の配管用密閉部材。
  6. 建築用面材と、
    前記建築用面材を貫通する配管と、
    請求項1に記載の配管用密閉部材と
    を備えた配管の施工構造であって、
    前記配管用密閉部材は、前記シール部の前記第2貫通孔に前記配管が嵌入された状態で前記建築用面材に当接していることにより、前記配管と前記建築用面材との隙間を密閉している、
    配管の施工構造。
  7. 前記シール部は、前記ベース部と前記建築用面材との間に挟まれた状態で保持されている、
    請求項に記載の配管の施工構造。
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