JP7165057B2 - 喫食時の冷涼感が向上した、高濃度のco2を含む氷を含有する冷菓 - Google Patents
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Description
(1)CO2含有率が3重量%以上の氷と、塩類とを含有することを特徴とする冷菓や、
(2)CO2含有率が3重量%以上の氷が、CO2ハイドレートであることを特徴とする上記(1)に記載の冷菓や、
(3)塩類が、ナトリウム塩、カリウム塩及びカルシウム塩からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の冷菓や、
(4)ナトリウム塩が、塩化ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選択される1種又は2種であることを特徴とする上記(3)に記載の冷菓や、
(5)ナトリウム塩が、塩化ナトリウムであることを特徴とする上記(4)に記載の冷菓や、
(6)塩類の含有量が、冷菓ミックス全量に対して0.001~1.5重量%であることを特徴とする上記(1)~(5)のいずれかに記載の冷菓や、
(7)CO2含有率が3重量%以上の氷の含有量が、冷菓ミックス全量に対して1~50重量%であることを特徴とする上記(1)~(6)のいずれかに記載の冷菓に関する。
(8)CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、塩類を前記冷菓に含有させる工程を含むことを特徴とする冷菓の製造方法に関する。
(9)CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、塩類を前記冷菓に含有させる工程を含むことを特徴とする、前記冷菓を喫食した際の前記氷由来の冷涼感を向上する方法に関する。
[1]CO2含有率が3重量%以上の氷と、塩類とを含有することを特徴とする冷菓(以下、「本発明の冷菓」とも表示する。):や、
[2]CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、塩類を前記冷菓に含有させる工程を含むことを特徴とする冷菓の製造方法(以下、「本発明の製造方法」とも表示する。):や、
[3]CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、塩類を前記冷菓に含有させる工程を含むことを特徴とする、前記冷菓を喫食した際の前記氷由来の冷涼感を向上する方法(以下、「本発明の向上方法」とも表示する。):などの実施態様を含んでいる。
本発明で使用する「塩類」(以下、「本発明における塩類」とも表示する。)としては、高濃度CO2氷含有冷菓の冷涼感を向上させることができる塩類である限り特に制限されないが、ナトリウム塩、カリウム塩及びカルシウム塩からなる群から選択される1種又は2種以上の塩類(好ましくは無機塩類)が好ましく、ナトリウム塩及びカリウム塩からなる群から選択される1種又は2種以上の塩類(好ましくは無機塩類)がより好ましく、より優れた冷涼感の向上効果を得る観点から、ナトリウム塩からなる群から選択される1種又は2種以上の塩類(好ましくは無機塩類)がさらに好ましい。
本発明で使用する「CO2含有率が3重量%以上の氷」(高濃度CO2氷)としては、CO2含有率が3重量%以上の氷である限り特に制限されず、CO2ハイドレートではない高濃度CO2氷であってもよいが、より十分な発泡感を得る観点から、CO2ハイドレートであることが好ましい。また、本発明における高濃度CO2氷として、CO2ハイドレートを用いずに、CO2ハイドレートではない高濃度CO2氷を用いてもよいし、CO2ハイドレートではない高濃度CO2氷を用いずに、CO2ハイドレートを用いてもよいし、CO2ハイドレートではない高濃度CO2氷と、CO2ハイドレートを併用してもよい。
(CO2含有率)=(融解前のサンプル重量-融解後のサンプル重量)/融解前のサンプル重量)
本発明の冷菓としては、CO2含有率が3重量%以上の氷と、塩類とを含有している限り特に制限されない。
(A)アイスクリーム類(アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓)
食品衛生法上の規定に基づく乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に適合するもの、あるいは食品衛生法の規定に基づく食品、添加物等の規定に基づく食品、添加物等の規格基準に適合し、液糖もしくは他食品を混和した液体を冷凍したもの又は食用氷を粉砕し、これに液糖若しくは他食品を混和して再凍結したものであって、凍結状のまま食用に供するもの、またはこれらに類するもの。
(B)アイスクリーム類を含む又は含まない凍結状態の菓子。
本発明の冷菓の製造方法は、CO2含有率が3重量%以上の氷(高濃度CO2氷)と、塩類とを冷菓が含有するようにすること以外は、公知の冷菓の製造方法を用いることができる。アイスクリーム類の一般的な製造方法としては、原材料の混合、均質化、加熱殺菌、冷却、エージング、フリージング、充填・包装、硬化、という各工程を含んでいる製造方法が挙げられる。なお、本発明の冷菓の製造方法により、本発明の冷菓を製造することができる。
塩類を含有する冷菓ミックスを調製する工程X:
冷菓ミックスと、CO2含有率が3重量%以上の氷とを混合する工程Y:
本発明の向上方法は、冷菓を喫食した際の高濃度CO2氷由来の冷涼感を向上する方法である。
本発明の態様には、喫食した際の高濃度CO2氷由来の冷涼感が向上した冷菓を製造するための、高濃度CO2氷及び低融点油脂の使用:や、喫食した際の高濃度CO2氷由来の冷涼感が向上し、かつ、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さが抑制された冷菓を製造するための、高濃度CO2氷及び低融点油脂の使用:なども含まれる。
[1-1]CO2ハイドレートの調製
先行文献(特許第3090687号、特表2004-512035、特許第4969683号)を参考に、CO2ハイドレートの生成を行った。具体的には、4Lの水にCO2ガスを3MPaとなるように吹き込み、撹拌をしながら1℃でハイドレート生成反応を進行させ、CO2ハイドレートを含むシャーベット状のスラリーを作製した。このシャーベット状のスラリーを、-20℃まで冷却した後、CO2ハイドレートとして回収し、液体窒素上で1粒の直径が1mm~7mmとなるよう調製した。なお、これらのCO2ハイドレートのCO2含有率は15%であった。
アイスクリームフリーザー(TGM-800N、タイジ社製)を用いて、以下の表1に示す組成の冷菓ミックスを調製した。なお、塩類の添加の有無、塩類の種類、及び、冷菓ミックス中の塩類の終濃度(重量%)は、後述の表2に示す。塩類として、塩化ナトリウム(NaCl)、重曹(炭酸水素ナトリウム)又はメタリン酸Na(メタリン酸ナトリウム)を用いた。塩化ナトリウムはアイスクリーム類に添加される代表的な塩類である。
上記[1-2]で調製した各冷菓ミックス 30gに対して、上記[1-1]で調製したCO2ハイドレート(直径1mm~7mm)を3gずつ添加し、混合して、各CO2ハイドレート含有冷菓サンプル(比較例1~2、実施例1~9)とした。
上記[1-3]で調製した各CO2ハイドレート含有冷菓サンプル(比較例1~2、実施例1~9)の食感や味覚について、訓練されたパネラー3名により官能評価を実施した。官能評価の基準としては、冷涼感については、塩類無添加のCO2ハイドレート含有冷菓サンプル(比較例1)と比較して、そのCO2ハイドレート含有冷菓サンプルにおける「冷涼感」が明確に向上している(「○」)、やや向上している(「△」)、向上しているか分からない(「×」)、とし、「CO2ハイドレート由来の後味のガス臭さ」については、塩類無添加のCO2ハイドレート含有冷菓サンプル(比較例1)と比較して、そのCO2ハイドレート含有冷菓サンプルにおける「CO2ハイドレート由来の後味のガス臭さ」が明確に抑制されている(「○」)、やや抑制されている(「△」)、抑制されているか分からない(「×」)、とした。かかる官能評価の結果を以下の表3に示す。
Claims (5)
- CO2含有率が3重量%以上の氷と、塩化ナトリウムとを含有し、前記塩化ナトリウムが冷菓ミックス全量に対して0.01~1.5重量%であることを特徴とする冷菓。
- CO2含有率が3重量%以上の氷が、CO2ハイドレートであることを特徴とする請求項1に記載の冷菓。
- CO2含有率が3重量%以上の氷の含有量が、冷菓ミックス全量に対して1~50重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷菓。
- CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、塩化ナトリウムを冷菓ミックス全量に対して0.01~1.5重量%となるように前記冷菓に含有させる工程を含むことを特徴とする冷菓の製造方法。
- CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、塩化ナトリウムを冷菓ミックス全量に対して0.01~1.5重量%となるように前記冷菓に含有させる工程を含むことを特徴とする、前記冷菓を喫食した際の前記氷由来の冷涼感を向上する方法。
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