JP2014050336A - 乳風味増強剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】飲食品において、乳製品、とくに乳蛋白質の使用量を減じた場合であっても多量に乳蛋白質を配合したかのような豊かな厚みのある乳風味を付与する方法、すなわち、他の風味に影響を及ぼすことなく、ごく少量の添加で飲食品の乳風味を増強する乳風味増強剤を提供すること。
【解決手段】乳清ミネラルを有効成分とする乳風味増強剤。該乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、飲食品の乳風味を少量の添加で増強することができる乳風味増強剤に関する。
牛乳は、優れた乳のコク味を有する、栄養面、風味面で非常に優れた食品であり、それ自体飲料として消費される以外に、各種飲食品の原材料として多量に消費されている。しかし、牛乳の組成はその90%程度が水であり、乳風味の主体である無脂乳固形分含量は8〜10質量%と含有量が少ないため、飲食品に添加したり、食品加工用として使用する場合、付与できる乳風味は弱いという欠点がある。
そのため、牛乳を粉末化した全粉乳や、無脂乳固形分を粉末化した脱脂粉乳、ホエイを粉末化したホエイパウダー、さらには蛋白質を濃縮したWPC・WPI・TMP・カゼイン蛋白質等の乳蛋白質など、乳蛋白質を主体とした乳製品を使用する。このような乳風味の濃縮物を使用する方法であれば添加量を低く抑えることができ、飲食品の物性にはあまり影響が出ないため、これらの乳蛋白質を主体とした乳製品は飲食品の原材料として広く利用されている。
しかし、これらの乳蛋白質を主体とした乳製品は、分離・濃縮や粉末化の際に風味がやや変化しているため、飲食品に豊かな乳風味を付与することが難しいという問題がある。また、無脂乳固形分の主体である乳蛋白質も乳糖も、水溶性とはいえ溶解度が低いため、水に溶解しにくく、とくに飲料では、経日的に分離したり、沈殿したり、ザラが出たりする問題がある。さらに、乳蛋白質を多く含有する飲食品の製造時に加熱殺菌処理する場合や、乳蛋白質を多く含有する飲食品を加熱調理する場合には、乳蛋白質の変性や、アミノカルボニル反応による褐変、さらにはコゲを生じてしまうという問題もある。
そこで、これらの乳蛋白質を主体とした乳製品の添加量は一定量以下に制限されることになるが、その場合であっても豊かな乳風味が要求される場合がある。また、これらの乳蛋白質を主体とした乳製品は一般的に高価であるため、その使用量をできるだけ抑えながら、その場合であっても豊かな乳風味が要求される場合もある。
そのため、飲食品において、乳製品、とくに乳蛋白質の使用量を減じた場合であっても多量に乳蛋白質を配合したかのような豊かな乳風味を付与する方法、すなわち、飲食品の乳風味を増強する方法が各種研究され、提案されている。
まず、一般的には香料が使用される。しかし、香料はたしかに乳風味は付与されるが、味に厚みがないため、豊かな乳風味にならないという問題があった。そのため、天然の食品素材を使用した乳風味増強剤が考案された。例えば、ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物(例えば特許文献1参照)、アルカリ処理したビール酵母の乾燥物(例えば特許文献2参照)、乳脂肪球皮膜成分(例えば特許文献3参照)、スクラロース(例えば特許文献4参照)、コーン粉末と油脂との反応物(例えば特許文献5参照)などが提案されている。
しかし、これらの素材は、実際には乳風味自体を増強しているのではなく、コク味を付与することにより乳風味を増強させている。そのため、乳成分含量が少ない飲食品の場合は、コク味は付与されるが、乳風味は感じられないという問題があった。また、乳蛋白質含量がある程度の量がある飲食品の場合であっても、乳風味以外の成分の風味をも同様に増強してしまい、乳風味が目立って増強されたように感じられない、という問題があった。
特開2007−202492号公報 特開2010−057434号公報 特開平07−236451号公報 特開2000−135055号公報 特開2000−004822号公報
従って、本発明の目的は、飲食品において、乳製品、とくに乳蛋白質の使用量を減じた場合であっても多量に乳蛋白質を配合したかのような豊かな厚みのある乳風味を付与する方法、すなわち、他の風味に影響を及ぼすことなく、ごく少量の添加で飲食品の乳風味を増強する乳風味増強剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討したところ、乳清ミネラル、とくにカルシウム含量を低下させた乳清ミネラルに、乳風味を特異的に増強する効果を有することを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、乳清ミネラルを有効成分とする乳風味増強剤を提供するものである。
本発明の乳風味増強剤を飲食品に添加すると、乳や乳製品の使用量が少ない場合であっても、飲食品自体の風味や物性に影響を与えることなく、乳風味のみを増強し、飲食品に豊かな厚みのある乳風味を付与することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の乳風味増強剤の有効成分である乳清ミネラルについて説明する。
乳清ミネラルとは、乳又はホエー(乳清)から、可能な限りタンパク質や乳糖を除去したものであり、そのため、高濃度に乳の灰分(ミネラル)を含有し、且つ、固形分に占める灰分の割合が極めて高いという特徴を有する。そして、そのミネラル組成は、原料となる乳やホエー中のミネラル組成に近い比率となる。
本発明で使用する乳清ミネラルとしては、本発明の効果が高い点及びまた、水溶性と口溶けの点で、純度が高いこと、即ちタンパク質や乳糖等の不純物含量が低いことが好ましい。即ち、固形分に占める灰分含量が30%以上である乳清ミネラルを使用することが好ましく、固形分に占める灰分含量が50%以上である乳清ミネラルを使用することがより好ましい。尚、該灰分含量は高いほど好ましい。
また、本発明で使用する乳清ミネラルとしては、特に本発明の効果が高く、また沈殿や濁りを生じにくい点で、固形分中のカルシウム含量が好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満の乳清ミネラルを使用することが好ましい。尚、該カルシウム含量は低いほど好ましい。
牛乳から通常の製法で製造された乳清ミネラルは、固形分中のカルシウム含量が5質量%以上である。上記カルシウム含量が2質量%未満の乳清ミネラルは、乳又はホエーから、膜分離及び/又はイオン交換、更には冷却により、乳糖及びタンパク質を除去して乳清ミネラルを得る際に、あらかじめカルシウムを低減した乳を使用した酸性ホエーを用いる方法、或いは、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にカルシウムを除去する工程を挿入することで得ることができるが、工業的に実施する上での効率やコストの点で、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にある程度ミネラルを濃縮した後に、カルシウムを除去する工程を挿入することで得る方法を採ることが好ましい。ここで使用する脱カルシウムの方法としては、特に限定されず、調温保持による沈殿法等の公知の方法を採ることができる。
上記乳清ミネラルは、流動状、ペースト状、粉末状等、どのような形態であってもよい。
本発明の乳風味増強剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じ、上記乳清ミネラル以外のその他の成分を含有するものとすることができる。該その他の成分としては、水、油脂、ゲル化剤や安定剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類・甘味料、澱粉類、乳清ミネラル以外の乳や乳製品、卵製品、穀類、無機塩、有機酸塩、酵素、ジグリセライド、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・分枝デキストン・環状デキストン等のデキストリン類、その他各種食品素材、着香料、苦味料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、強化剤等を配合してもよい。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油、バター、バターオイル等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明では、上記の油脂の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができるが、より良好な乳風味増強剤とするためには乳脂を使用することが好ましい。
上記ゲル化剤や安定剤としては、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、カシアガムが挙げられる。本発明では、上記ゲル化剤や安定剤の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、卵黄油、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化剤が挙げられる。本発明では、上記の乳化剤の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。また、上記甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。本発明では、上記の糖類・甘味料の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
なお、本発明では、上記その他の原料は乳風味増強剤の固形分中、固形分として80質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは50質量%以下とする。なお、該固形分の計算には油脂は含まない。
本発明の乳風味増強剤の形態としては、特に制限されず、固形、顆粒状、粉末状、ペースト状、流動状、液状のいずれの形態であってもよい。
また、本発明の乳風味増強剤が油分と水分を含有する場合、その乳化型は水中油型であっても油中水型であってもよく、さらには2重乳化型であってもよいが、飲食品への分散性が良好である点で水中油型の乳化形態であることが好ましい。
本発明の乳風味増強剤は、乳蛋白質を含有し、乳風味を必要とする様々な飲食品に適用でき、例えばカフェオレ・ミルクティー・抹茶ミルク・ミルクココア・アイスミルクココア・ホットチョコレート・乳酸菌飲料・炭酸入り乳酸菌飲料・発酵乳飲料・ドリンクヨーグルト・無脂肪乳・低脂肪乳・いちごミルク・果汁飲料・果実飲料・カルーアミルク・ベイリーズミルク等の各種飲料、カスタードクリーム・フラワーペースト・ホワイトクリーム・ホイップクリーム・バタークリーム等のクリーム類、シチュー・カレー・ホワイトソース・グラタン等のクリーム状食品、コーンスープ・クラムチャウダー等のスープ類、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス・ゼリー・杏仁豆腐・ババロア・ムース・プリン等のデザート類、マーガリン類、マヨネーズ・ドレッシング等のドレッシング類、チーズ様食品、パン類、ドーナツ類・キャラメル・キャンディー・チョコレート・ビスケット・クッキー・スポンジケーキ・バターケーキ等の菓子類・ハム・ソーセージその他加工食品を挙げることができる。
本発明の飲食品における、本発明の乳風味増強剤の添加量は、特に限定されず、使用する飲食品や、求める乳風味増強効果の強さに応じて適宜決定されるが、乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルの固形分として好ましくは0.00001〜0.4質量部、より好ましくは0.00005〜0.04質量部、さらに好ましくは0.0005〜0.02質量部となる量である。0.00001質量部未満、又は、0.4質量部を超えると、乳風味増強効果が認められ難く、また0.4質量部を超えると、乳清ミネラルの苦味が感じられるなど、バランスの悪い、好ましくない乳風味になってしまうおそれがある。
また、本発明の飲食品における、本発明の乳風味増強剤の添加量は、特に限定されず、使用する飲食品や、求める乳風味増強効果の強さに応じて適宜決定されるが、飲食品100質量部に対し、乳清ミネラルの固形分として好ましくは0.000001〜0.1質量部、より好ましくは0.00005〜0.05質量部、さらに好ましくは0.001〜0.05質量部となる量である。0.000001質量部未満、又は、0.1質量部を超えると、乳風味増強効果が認められ難く、また0.1質量部を超えると、乳清ミネラルの風味が感じられるようになってしまう。
また、上記飲食品は、乳蛋白質含量が2質量%未満であることが好ましく、より好ましくは1質量%未満である。
次に、本発明の飲食品について述べる。
本発明の飲食品は、上記本発明の乳風味増強剤を添加して得られた飲食品であり、乳や乳製品の使用量が少ない場合であっても、飲食品に豊かな厚みのある乳風味を付与されているという特徴を有するものである。
飲食品における上記本発明の乳風味増強剤の添加方法はとくに制限されず、飲食品の製造時、加工時、調理時、飲食時等に、飲食品またはその素材に混合、散布、噴霧、溶解等任意の手段により行なわれる。
なお、本発明の飲食品における上記本発明の乳風味増強剤の添加量は、上述のとおりである。
次に、本発明の飲食品の乳風味増強方法について述べる。
本発明の飲食品の乳風味増強方法は、上記本発明の乳風味増強剤を飲食品に添加するものであり、乳や乳製品の使用量が少ない場合、特に乳蛋白質含量が低い場合であっても、飲食品自体の風味や物性に影響を与えることなく、乳風味のみを特異的に増強し、飲食品に豊かな厚みのある乳風味を付与するものである。
本発明の乳風味増強剤を飲食品に添加する方法、及び、添加量については上述のとおりである。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
<乳清ミネラルの製造>
〔製造例1〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、更に逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルAを得た。得られた乳清ミネラルAの固形分中の灰分量は35質量%、カルシウム含量は2.2質量%であった。
〔製造例2〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、更に逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラルBを得た。得られた乳清ミネラルBの固形分中の灰分量は55質量%、カルシウム含量は0.4質量%であった。
<乳風味試験>
〔実施例1〕
上記製造例1及び2で得られた乳清ミネラルA及びBについて、脱脂粉乳(乳蛋白質含量:35質量%、乳糖含量:50質量%)の3質量%水溶液に対し、乳蛋白質含量1質量部に対し、乳清ミネラルが固形分としてそれぞれ、0.00002質量部、0.0001質量部、0.001質量部、0.003質量部、0.01質量部、0.03質量部、0.1質量部、0.2質量部、0.3質量部、0.4質量部となるように添加、溶解した混合水溶液Iを製造し、下記の乳風味強度・乳味質評価を行なった。
なお、乳清ミネラル自体の風味の確認のために、脱脂粉乳3質量%水溶液の代わりに、乳糖の1.5%水溶液を使用した場合についても、同様に混合水溶液IIを製造し、下記の乳風味強度・乳味質評価を行った。
<乳風味強度、乳味質評価方法>
9人のパネラーに対し、上記実施例1で得られた混合水溶液Iと、対照として用意した乳清ミネラル無添加の脱脂粉乳3質量%水溶液を舐めさせ、その乳風味強度、味質について、下記パネラー評価基準により4段階評価させ、その合計点数について下記<評価基準>で5段階評価を行ない、その結果を乳風味強度については表1、味質については表2に記載した。
また、上記実施例1で得られた混合水溶液IIについても、対照として用意した乳清ミネラル無添加の乳糖の1.5質量%水溶液を舐めさせ、その乳風味強度、味質について、下記パネラー評価基準により4段階評価させ、その合計点数について下記<評価基準>(乳風味強度のみ)で5段階評価を行ない、その結果を表1に記載した。
<パネラーの乳風味強度評価基準>
対照に比べあきらかに強化された乳風味を感じる・・ 2点
対照に比べ若干強化された乳風味を感じる・・・・・ 1点
対照とほぼ同じ程度の乳風味を感じる・・・・・・・ 0点
対照より弱い乳風味を感じる・・・・・・・・・・ −1点
乳風味を感じない・・・・・・・・・・・・・・・ −2点
<パネラーの味質評価基準>
乳風味以外の風味を全く感じない・・・・・・・・・・・・・・2点
乳風味以外の風味を感じるが、乳風味として違和感がない・・・・1点
乳風味以外の風味を感じ、且つ乳風味として違和感がある・・・0点
耐えがたい異味を感じる・・・・・・・・・・・・・・・・・−1点
<評価基準>
◎ :9人のパネラーの合計点が 15〜18点
○ :9人のパネラーの合計点が 9〜14点
△ :9人のパネラーの合計点が 5〜 8点
× :9人のパネラーの合計点が 0〜 4点
××:9人のパネラーの合計点が 0点未満
Figure 2014050336
Figure 2014050336
〔実施例2〕
薄力粉100質量部、ベーキングパウダー1質量部、乾燥全卵15質量部、粉糖15質量部、脱脂粉乳(乳蛋白質含量:35質量%)5質量部、乳清ミネラルB0.005質量部を粉体混合機によって混合し、ケーキドーナツプレミックス粉を調製した。
このプレミックス粉136質量部に対し、水67質量部を添加、混合し、ケーキドーナツ生地を得た。このケーキドーナツ生地をドーナツ成型した後、160℃の油で揚げ、ケーキドーナツAを得た。
ケーキドーナツAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0029質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのケーキドーナツBを得た。
ケーキドーナツAとケーキドーナツBを比較試食したところ、ケーキドーナツAは、ケーキドーナツBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例3〕
市販レギュラーコーヒー(粉末)45質量部に対し、お湯620質量部で抽出し、コーヒー抽出液を得た。このコーヒー抽出液370質量部に砂糖35量部、牛乳(乳蛋白質含量:3.3質量%)95質量部、乳清ミネラルB0.01質量部を添加、混合、溶解しコーヒー飲料Aを得た。
コーヒー飲料Aは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0032質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのコーヒー飲料Bを得た。
コーヒー飲料Aとコーヒー飲料Bを比較試飲したところ、コーヒー飲料Aは、コーヒー飲料Bに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例4〕
市販の紅茶葉6.5質量部に対し、お湯500質量部で抽出したものを紅茶抽出液とした。この紅茶抽出液370質量部に砂糖20質量部、牛乳50質量部、乳清ミネラルB0.005質量部を加え、ミルクティーAを作製した。
ミルクティーAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0030質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのミルクティーBを得た。
ミルクティーAとミルクティーBを比較試飲したところ、ミルクティーAは、ミルクティーBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例5〕
市販のココアパウダー(純ココア)12質量部、砂糖8質量部に対し熱湯10質量部を加え、ダマが出来ないよう、よく混合し、氷水で充分冷やした後、乳清ミネラルB0.015質量部、牛乳150質量部を加え、アイスミルクココアAを作製した。
アイスミルクココアAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0030質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのアイスミルクココアBを得た。
アイスミルクココアAとアイスミルクココアBを比較試飲したところ、アイスミルクココアAは、アイスミルクココアBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例6〕
いちご145質量部、牛乳400質量部、砂糖30質量部、乳清ミネラルB0.04質量部をミキサー(ファイバーミキサー)で3分間攪拌し、いちごミルクAを作製した。
いちごミルクAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0030質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのいちごミルクBを得た。
いちごミルクAといちごミルクBを比較試飲したところ、いちごミルクAは、いちごミルクBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例7〕
卵黄90質量部にグラニュー糖68質量部を加え、白くなるまでしっかり撹拌した後、牛乳155質量部、乳清ミネラルB0.02質量部を添加してさらに撹拌した。弱火で少しとろみがつくまで加熱後、氷水で冷却したのち、バニラエッセンス0.05質量部を加えた。さらに、攪拌しながら予めホイッパーで8分立てに泡立てた純生クリーム(乳蛋白質含量:1.7質量%)150質量部を少しずつ添加し、市販アイスクリーマー(Panasonic製 BH−941P)を使用し、冷凍庫で攪拌し(−18℃、3時間)アイスクリームAを作製した。
アイスクリームAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0026質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのアイスクリームBを得た。
アイスクリームAとアイスクリームBを比較試食したところ、アイスクリームAは、アイスクリームBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例8〕
市販のドリンクヨーグルト(乳蛋白質含量:3.0質量%)100質量部に乳清ミネラルB0.009質量部を加えて良く混合し、ドリンクヨーグルトAを作製した。
ドリンクヨーグルトAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0030質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのドリンクヨーグルトBを得た。
ドリンクヨーグルトAとドリンクヨーグルトBを比較試飲したところ、ドリンクヨーグルトAは、ドリンクヨーグルトBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例9〕
市販の乳酸菌飲料(乳蛋白質含量:0.5質量%)100質量部に乳清ミネラルB0.0015質量部を加えて良く混合し、乳酸菌飲料Aを作製した。
乳酸菌飲料Aは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0030質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールの乳酸菌飲料Bを得た。
乳酸菌飲料Aと乳酸菌飲料Bを比較試飲したところ、乳酸菌飲料Aは、乳酸菌飲料Bに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例10〕
市販の炭酸入り乳酸菌飲料(乳蛋白質含量:0.25質量%)100質量部に乳清ミネラルB0.0012質量部を加えて良く混合し、炭酸入り乳酸菌飲料Aを作製した。
炭酸入り乳酸菌飲料Aは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0048質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールの炭酸入り乳酸菌飲料Bを得た。
炭酸入り乳酸菌飲料Aと炭酸入り乳酸菌飲料Bを比較試飲したところ、炭酸入り乳酸菌飲料Aは、炭酸入り乳酸菌飲料Bに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例11〕
市販の無脂肪乳(乳蛋白質含量:3.4質量%)100質量部に乳清ミネラルB0.01質量部を加えて良く混合し、脱脂乳Aを作製した。
脱脂乳Aは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0029質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールの脱脂乳Bを得た。
脱脂乳Aと脱脂乳Bを比較試飲したところ、脱脂乳Aは、脱脂乳Bに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例12〕
市販の低脂肪乳(乳蛋白質含量:3.8質量%)100質量部に乳清ミネラルB0.01質量部を加えて良く混合し、低脂肪乳Aを作製した。
低脂肪乳Aは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0026質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールの低脂肪乳Bを得た。
低脂肪乳Aと低脂肪乳Bを比較試飲したところ、低脂肪乳Aは、低脂肪乳Bに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例13〕
市販カルーア30質量部と牛乳90質量部、乳清ミネラルB0.01質量部を混合し、カルーアミルクAを作製した。
カルーアミルクAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0034質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのカルーアミルクBを得た。
カルーアミルクAとカルーアミルクBを比較試飲したところ、カルーアミルクAは、カルーアミルクBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例14〕
卵黄80質量部とグラニュー糖45質量部をよくすり混ぜ、さらに薄力粉15質量部を加え、ダマが出来ないようよく混合した。これに、予め95℃まで加熱した牛乳150質量部を少しずつ加え、十分に混合した。粘性が出てくるまで加熱しながら混合を続け、加熱を停止した後、バニラエッセンス0.2質量部、乳清ミネラルB0.015質量部を加え、混合した後、冷却し、カスタードクリームAを作製した。
カスタードクリームAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0030質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのカスタードクリームBを得た。
カスタードクリームAとカスタードクリームBを比較試食したところ、カスタードクリームAは、カスタードクリームBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例15〕
牛乳600質量部に砂糖120質量部を加え、70℃まで加温してよく混合した。全卵(正味)330質量部を該牛乳液に少しずつ加え、混合し、さらに、バニラエッセンス0.4質量部、乳清ミネラルB0.05質量部を加え、プリン液を得た。このプリン液をプリン型に分注し、160℃、30分、湯煎焼きし、カスタードプリンAを得た。
カスタードプリンAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0025質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのカスタードプリンBを得た。
カスタードプリンAとカスタードプリンBを比較試食したところ、カスタードプリンAは、カスタードプリンBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例16〕
バナナ250質量部を潰し、牛乳50質量部、はちみつ20質量部、乳清ミネラルB0.009質量部、バニラエッセンス0.1質量部を加えて混合しバナナペーストとした。
一方、バター(乳蛋白質含量:0.6質量%)80質量部と、三温糖60質量部を十分に混合し、クリーム状にし、ここに全卵(正味)120質量部を5回に分けて加え、さらに薄力粉150質量部とベーキングパウダー5質量部を加え、粉が馴染むまで混合しケーキ生地を得た。
上記ケーキ生地とバナナペーストを軽く混合し、バナナケーキ生地とした。
このバナナケーキ生地を、紙をあてたパウンド型に入れ、170℃、40分焼成し、バナナパウンドケーキAを得た。
バナナパウンドケーキAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0042質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのバナナパウンドケーキBを得た。
バナナパウンドケーキAとバナナパウンドケーキBを比較試食したところ、バナナパウンドケーキAは、バナナパウンドケーキBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例17〕
クリームチーズ(乳蛋白質含量:8.2質量%)200質量部に牛乳55質量部を入れ、クリーム状になるまで混合し、さらに生クリーム120質量部を6分立てにホイップしたものとバニラエッセンス2質量部を混合した。
ここに、砂糖50質量部と卵黄80質量部を色調が白く、粘性が出るまでホイップしたものを添加し、混合した。
さらに、レモン果汁5質量部、乳清ミネラルB0.05質量部、予め粉末ゼラチン5質量部を25質量部の水で膨潤させておいた膨潤ゼラチン30質量部を順に添加し、素早く混合した。
これを容器に流し入れ冷蔵庫で冷却し、レアチーズムースAを得た。
レアチーズムースAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0025質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのレアチーズムースBを得た。
レアチーズムースAとレアチーズムースBを比較試食したところ、レアチーズムースAは、レアチーズムースBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例18〕
カカオマス90質量部、砂糖164質量部、全粉乳(乳蛋白質含量:25.5質量%)50質量部、脱脂粉乳42.5質量部、ココアバター125質量部、ハードバター25質量部、レシチン3質量部、乳清ミネラルB0.08質量部、香料1質量部からなるチョコレート生地を常法に従って作製し、テンパリングを行い、型に流し込んで冷却後離型し、ビターチョコレートAを得た。
ビターチョコレートAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0029質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのビターチョコレートBを得た。
ビターチョコレートAとビターチョコレートBを比較試食したところ、ビターチョコレートAは、ビターチョコレートBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例19〕
加糖練乳(乳蛋白質含量:7.8質量%)50質量部、砂糖50質量部、水飴50質量部、乳清ミネラルB0.01質量部を加熱し、砂糖が溶けたところで無塩バター(乳蛋白質含量:0.6質量%)30質量部を入れ、良く混合した。そのまま加熱を継続し、水分を飛ばし、粘性が出て褐色に変わってきたところで型に流し込み、室温で冷却した。十分冷却後に10mm角の立方体に切り分け、キャラメルAを得た。
キャラメルAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0025質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのキャラメルBを得た。
キャラメルAとキャラメルBを比較試食したところ、キャラメルAは、キャラメルBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例20〕
グラニュー糖170質量部、水飴300質量部、水100質量部、乳清ミネラルB0.3質量部を鍋に入れて加熱し、粘度が出たところで脱脂粉乳300質量部を添加しよく混合した。ある程度冷えたところで棒状に伸ばし、適当な大きさに切り、粉糖をまぶしながら手で丸め、ミルクキャンディーAを得た。
ミルクキャンディーAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0029質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのミルクキャンディーBを得た。
ミルクキャンディーAとミルクキャンディーBを比較試食したところ、ミルクキャンディーAは、ミルクキャンディーBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例21〕
牛乳200質量部を加温し、砂糖50質量部、及び乳清ミネラルB0.02質量部を加えて溶かし、さらに予め粉末ゼラチン5質量部を25質量部の水で膨潤させておいた膨潤ゼラチン30質量部を加え、ゼラチンが溶けるまで湯煎加熱した。粗熱をとったあと、ゼリー型に分注し、冷蔵庫で冷却して固め、ミルクゼリーAを作製した。
ミルクゼリーAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0030質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのミルクゼリーBを得た。
ミルクゼリーAとミルクゼリーBを比較試食したところ、ミルクゼリーAは、ミルクゼリーBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例22〕
水400質量部に、乳清ミネラルB0.01質量部、及び、粉末寒天4質量部を加え、加熱溶解させた。砂糖100質量部を加えて溶かし、さらに牛乳100質量部、アーモンドエッセンス1質量部を加え、混合し、型に流し込み、冷蔵庫で冷却固化し、杏仁豆腐Aを得た。
杏仁豆腐Aは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0030質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールの杏仁豆腐Bを得た。
杏仁豆腐Aと杏仁豆腐Bを比較試食したところ、杏仁豆腐Aは、杏仁豆腐Bに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例23〕
室温で調温した無塩バター100質量部に砂糖50質量部及び乳清ミネラルB0.005質量部を加えて、白色のペースト状になるまでよく混合した。そこに、全卵(正味)30質量部を加え、さらに薄力粉200質量部と食塩2質量部、ベーキングパウダー1質量部を加え、よく混練した。厚さ5mmに圧延し、型抜き後、オーブンで180℃、10分焼成しビスケットAを得た。
ビスケットAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0083質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのビスケットBを得た。
ビスケットAとビスケットBを比較試食したところ、ビスケットAは、ビスケットBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例24〕
バター45質量部を鍋に入れて弱火で溶かし、小麦粉50質量部を3回に分けて入れ、良く混合した。次いで、約35℃に加温した牛乳460質量部を4回に分けて加え、良く混合した。そのまま弱火で加温を続け、とろみが出たところで、塩0.2質量部、乳清ミネラルB0.05質量部、こしょう0.3質量部、コンソメ5.5質量部を混合し、ホワイトソースAを作製した。
ホワイトソースAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0032質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのホワイトソースBを得た。
ホワイトソースAとホワイトソースBを比較試食したところ、ホワイトソースAは、ホワイトソースBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例25〕
玉ねぎ100gとじゃがいも150gを薄くスライスし、オリーブオイル5gによって玉ねぎが透明になるまで炒めた。さらにスイートコーン(缶詰めホールコーン)200gを入れて軽く炒めた後、生クリーム(乳蛋白質含量:1.7質量%)200gを入れ、沸騰させた。そこに、水400gを6回に分けて入れて加え、10分間加熱した。ブレンダーでクリーム状にした後、バター(乳蛋白質含量:0.6質量%)10g、乳清ミネラルB0.05g、食塩5gを入れ、溶かしてコーンクリームスープAを作製した。
このコーンクリームスープAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラルを固形分として0.0145質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、コントロールのコーンクリームスープBを得た。
コーンクリームスープAとコーンクリームスープBを比較試食したところ、コーンクリームスープAは、コーンクリームスープBに比較して良好な乳風味が強く感じられた。
〔実施例26〕
市販のベイリーズ・オリジナル・アイリッシュ・クリーム(乳蛋白質含量:2.7質量%)100質量部と牛乳25質量部、水72.8質量部、乳清ミネラルB0.2質量部、グラニュー糖0.4質量部、乳糖1.6質量部を混合し、ミルクカクテルであるベイリーズミルクAを得た。
ベイリーズミルクAは乳蛋白質1質量部に対し、乳清ミネラル固形分として0.057質量部含有するものであった。
なお、乳清ミネラルBを無添加とした以外は同様の配合・製法で、ベイリーズミルクBを得た。
市販のベイリーズ・オリジナル・アイリッシュ・クリーム(乳蛋白質含量:2.7%)100質量部と牛乳(乳蛋白質含量:3.3質量%)100質量部を混合し、ミルクカクテルであるベイリーズミルクCを得た。
市販のベイリーズ・オリジナル・アイリッシュ・クリーム100質量部と牛乳25質量部、水72.8質量部、還元澱粉糖化物(三菱商事フードテック:PO−500、組成:ソルビット40%、マルチトール30%、マルトトリイトール15%、4糖以上の糖アルコール15%)4.5質量部を混合し、ミルクカクテルであるベイリーズミルクDを得た。
前記ベイリーズミルクA、B、C及びDをシーマー(東洋製罐株式会社製M−2型)を使用して缶に充填し、125℃、20分のレトルト処理(トミー精工製SR−240型)をし、それぞれ、缶入りベイリーズミルクE、F、G及びHを得た。
まず、ベイリーズミルクA及びDはベイリーズミルクBと比べて良好な乳風味が強く感じられ、それはベイリーズミルクCに匹敵するものであった。
ベイリーズミルクEとベイリーズミルクFおよびベイリーズミルクHは良好な缶入り飲料が作製できたが、ベイリーズミルクFは蛋白質の凝固が起こり、飲食には適さないものであった。そこで、ベイリーズミルクE、ベイリーズミルクF及びベイリーズミルクGを比較したところ、ベイリーズミルクEおよびベイリーズミルクHはベイリーズミルクFと比べて良好な乳風味が強く感じられた。ベイリーズミルクEとベイリーズミルクHを比べると、ベイリーズミルクEは若干カラメルのようなエグ味が感じられるが、ベイリーズミルクHはそれが全くなく、すっきりとした乳風味のおいしさであった。

Claims (7)

  1. 乳清ミネラルを有効成分とする乳風味増強剤。
  2. 上記乳清ミネラルが、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満であることを特徴とする請求項1記載の乳風味増強剤。
  3. 請求項1又は2記載の乳風味増強剤を添加して得られた飲食品。
  4. 上記飲食品の乳蛋白質含量が2質量%未満であることを特徴とする請求項3記載の飲食品。
  5. 乳清ミネラルを、乳蛋白質1質量部に対し、固形分として0.00001〜0.4質量部となる量を添加することを特徴とする、乳蛋白を含有する飲食品の乳風味増強方法。
  6. 乳清ミネラルを、飲食品100質量部中、固形分として0.000001〜0.1質量部となる量を添加することを特徴とする、飲食品の乳風味増強方法。
  7. 上記飲食品の乳蛋白質含量が2質量%未満であることを特徴とする請求項5又は6記載の乳風味増強方法。
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