JP7152314B2 - 喫食時の冷涼感、炭酸感が向上した、高濃度のco2を含む氷を含有する冷菓 - Google Patents
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Description
(1)CO2含有率が3重量%以上の氷と、酸味料とを含有することを特徴とする冷菓や、
(2)CO2含有率が3重量%以上の氷が、CO2ハイドレートであることを特徴とする上記(1)に記載の冷菓や、
(3)酸味料が、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、リン酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸、エリソルビン酸、塩酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の冷菓や、
(4)酸味料の含有量が、冷菓ミックス全量に対して0.0075重量%以上であることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の冷菓や、
(5)CO2含有率が3重量%以上の氷の含有量が、冷菓ミックス全量に対して1~50重量%であることを特徴とする上記(1)~(4)のいずれかに記載の冷菓に関する。
(6)CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、酸味料を前記冷菓に含有させる工程を含むことを特徴とする冷菓の製造方法に関する。
(7)CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、酸味料を前記冷菓に含有させる工程を含むことを特徴とする、前記冷菓を喫食した際の前記氷由来の冷涼感及び/若しくは炭酸感を向上し、及び/又は、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さを抑制する方法に関する。
[1]CO2含有率が3重量%以上の氷と、酸味料とを含有することを特徴とする冷菓(以下、「本発明の冷菓」とも表示する。):や、
[2]CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、酸味料を前記冷菓に含有させる工程を含むことを特徴とする冷菓の製造方法(以下、「本発明の製造方法」とも表示する。):や、
[3]CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、酸味料を前記冷菓に含有させる工程を含むことを特徴とする、前記冷菓を喫食した際の前記氷由来の冷涼感及び/若しくは炭酸感を向上し、及び/又は、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さを抑制する方法(以下、「本発明の向上又は抑制方法」とも表示する。):などの実施態様を含んでいる。
本発明で使用する「酸味料」(以下、「本発明における酸味料」とも表示する。)としては、高濃度CO2氷含有冷菓の冷涼感及び/若しくは炭酸感を向上、及び/又は、後味のガス臭さを抑制させることができる有機酸又は無機酸又はそれらの塩(以下、あわせて「酸等」とも表示する。)である限り特に制限されず、「食品添加物における酸味料」の他、「食品添加物における酸味料」には該当しない酸等も、便宜上、本明細書における「酸味料」に含まれる。本明細書における「酸味料」としては、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、リン酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸、エリソルビン酸、塩酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、リン酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上が好ましく挙げられ、冷涼感向上効果、炭酸感向上効果、及び、ガス臭さの抑制効果の3つの効果について総合的により良い効果を得る観点から、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、それらの塩がさらに好ましく挙げられ、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、それらの塩がより好ましく挙げられ、中でも、冷涼感向上効果を重視する場合はリンゴ酸、その塩がさらに好ましく挙げられ、炭酸感向上効果を重視する場合は酒石酸、アスコルビン酸、それらの塩がさらに好ましく挙げられる。これらの酸等は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書における「酸味料」としては、「食品添加物における酸味料」である酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、リン酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、酢酸、フィチン酸や、それらの塩が好ましく挙げられ、また、アスコルビン酸とその塩も好ましく挙げられる。
本発明で使用する「CO2含有率が3重量%以上の氷」(高濃度CO2氷)としては、CO2含有率が3重量%以上の氷である限り特に制限されず、CO2ハイドレートではない高濃度CO2氷であってもよいが、より十分な発泡感を得る観点から、CO2ハイドレートであることが好ましい。また、本発明における高濃度CO2氷として、CO2ハイドレートを用いずに、CO2ハイドレートではない高濃度CO2氷を用いてもよいし、CO2ハイドレートではない高濃度CO2氷を用いずに、CO2ハイドレートを用いてもよいし、CO2ハイドレートではない高濃度CO2氷と、CO2ハイドレートを併用してもよい。
(CO2含有率)=(融解前のサンプル重量-融解後のサンプル重量)/融解前のサンプル重量)
本発明の冷菓としては、CO2含有率が3重量%以上の氷と、酸味料とを含有している限り特に制限されない。
(A)アイスクリーム類(アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓)
食品衛生法上の規定に基づく乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に適合するもの、あるいは食品衛生法の規定に基づく食品、添加物等の規定に基づく食品、添加物等の規格基準に適合し、液糖もしくは他食品を混和した液体を冷凍したもの又は食用氷を粉砕し、これに液糖若しくは他食品を混和して再凍結したものであって、凍結状のまま食用に供するもの、またはこれらに類するもの。
(B)アイスクリーム類を含む又は含まない凍結状態の菓子。
本発明の冷菓の製造方法は、CO2含有率が3重量%以上の氷(高濃度CO2氷)と、酸味料とを冷菓が含有するようにすること以外は、公知の冷菓の製造方法を用いることができる。アイスクリーム類の一般的な製造方法としては、原材料の混合、均質化、加熱殺菌、冷却、エージング、フリージング、充填・包装、硬化、という各工程を含んでいる製造方法が挙げられる。なお、本発明の冷菓の製造方法により、本発明の冷菓を製造することができる。
酸味料を含有する冷菓ミックスを調製する工程X:
冷菓ミックスと、CO2含有率が3重量%以上の氷とを混合する工程Y:
本発明の向上又は抑制方法は、冷菓を喫食した際の前記氷由来の冷涼感及び/若しくは炭酸感を向上し、及び/又は、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さを抑制する方法であるが、中でも、「冷菓を喫食した際の前記氷由来の冷涼感及び炭酸感を向上する方法」や、「喫食時における高濃度CO2氷由来の冷涼感を向上し、かつ、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さを抑制する方法」や、「喫食時における高濃度CO2氷由来の炭酸感を向上し、かつ、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さを抑制する方法」が好ましく挙げられ、中でも、「冷菓を喫食した際の前記氷由来の冷涼感及び炭酸感を向上し、かつ、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さを抑制する方法」がより好ましく挙げられる。
本発明の態様には、「喫食した際の高濃度CO2氷由来の冷涼感及び/若しくは炭酸感が向上し、及び/又は、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さを抑制された冷菓を製造するための、高濃度CO2氷及び酸味料の使用」が含まれ、中でも、「喫食した際の前記氷由来の冷涼感及び炭酸感が向上した冷菓を製造するための、高濃度CO2氷及び酸味料の使用」や、「喫食時における高濃度CO2氷由来の冷涼感が向上し、かつ、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さが抑制された冷菓を製造するための、高濃度CO2氷及び酸味料の使用」や、「喫食時における高濃度CO2氷由来の炭酸感が向上し、かつ、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さが抑制された冷菓を製造するための、高濃度CO2氷及び酸味料の使用」が好適に含まれ、中でも、「喫食時における高濃度CO2氷由来の冷涼感及び炭酸感が向上し、かつ、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さが抑制された冷菓を製造するための、高濃度CO2氷及び酸味料の使用」がより好適に含まれる。
[1-1]CO2ハイドレートの調製
先行文献(特許第3090687号、特許第4969683号)を参考に、CO2ハイドレートの生成を行った。具体的には、4Lの水にCO2ガスを3MPaとなるように吹き込み、撹拌をしながら1℃でハイドレート生成反応を進行させ、CO2ハイドレートを含むシャーベット状のスラリーを作製した。このシャーベット状のスラリーを、-20℃まで冷却した後、CO2ハイドレートとして回収し、液体窒素上で1粒の直径が1mm~7mmとなるよう調製した。なお、これらのCO2ハイドレートのCO2含有率は15%であった。
アイスクリームフリーザー(TGM-800N、タイジ社製)を用いて、以下の表1に示す組成の冷菓ミックスを調製した。なお、酸味料の添加の有無、酸味料の種類、及び、冷菓ミックス中の酸味料の終濃度(重量%)は、後述の表2及び表3に示す。酸味料として、L-酒石酸、無水クエン酸、アスコルビン酸、DL-リンゴ酸、乳酸又はリン酸を用いた。
上記[1-2]で調製した各冷菓ミックス 30gに対して、上記[1-1]で調製したCO2ハイドレート(直径1mm~7mm)を3gずつ添加し、混合して、各CO2ハイドレート含有冷菓サンプル(試験例1~33)とした。
上記[1-3]で調製した各CO2ハイドレート含有冷菓サンプル(試験例1~33)の食感や味覚について、訓練されたパネラー3名により官能評価を実施した。官能評価は、以下の表4に示す基準を元に酸味料無添加のCO2ハイドレート含有冷菓サンプル(試験例1)をコントロールとし、冷涼感向上効果については「1」、炭酸感向上効果については「1」、ガス臭さ抑制効果については「1」、口腔内での泡立ちについては「2」、酸味については「3」を基準に相対評価をした。
Claims (5)
- 冷菓であって、CO2含有率が3重量%以上の氷と、酸味料とを含有し、
前記酸味料が、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、リン酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上であり、
前記酸味料が、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上である場合は、前記酸味料の含有量が冷菓ミックス全量に対して0.01重量%以上であり、
前記酸味料が、リン酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種である場合は、前記酸味料の含有量が冷菓ミックス全量に対して0.1重量%以上であることを特徴とする、前記冷菓。 - CO2含有率が3重量%以上の氷が、CO2ハイドレートであることを特徴とする請求項1に記載の冷菓。
- CO2含有率が3重量%以上の氷の含有量が、冷菓ミックス全量に対して1~50重量%であることを特徴とする請求項1に記載の冷菓。
- CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、酸味料を前記冷菓に含有させる工程を含み、
前記酸味料が、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、リン酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上であり、
前記酸味料が、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上である場合は、前記酸味料の含有量を冷菓ミックス全量に対して0.01重量%以上とし、
前記酸味料が、リン酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種である場合は、前記酸味料の含有量が冷菓ミックス全量に対して0.1重量%以上とすることを特徴とする冷菓の製造方法。 - CO2含有率が3重量%以上の氷を含有する冷菓の製造において、酸味料を前記冷菓に含有させる工程を含み、
前記酸味料が、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上である場合は、前記酸味料の含有量を冷菓ミックス全量に対して0.01重量%以上とし、
前記酸味料が、リン酸及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種である場合は、前記酸味料の含有量が冷菓ミックス全量に対して0.1重量%以上とすることを特徴とする、前記冷菓を喫食した際の前記氷由来の冷涼感及び/若しくは炭酸感を向上し、及び/又は、高濃度CO2氷由来の後味のガス臭さを抑制する方法。
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