JP7157666B2 - ケーキドーナツ用生地及びケーキドーナツの製造方法 - Google Patents

ケーキドーナツ用生地及びケーキドーナツの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、イースト発酵法以外の方法で製造されるケーキドーナツに関する。
ドーナツは、小麦粉、砂糖、卵などを原料にして生地を調製し、調製した生地を油ちょうすることにより製造される揚げ菓子の一種であり、パン酵母(イースト)の発酵力によって生地を膨らませたイーストドーナツと、膨張剤を用いて生地を膨らませるケーキドーナツの2種類がある。ケーキドーナツは更に、砂糖や卵を高配合した柔らかい生地を用いて製造するドーナツと、水分や糖類を控えめにすることで保形性をもたせた、比較的硬い生地を用いて製造するドーナツとに分けることができる。
一般に、ケーキドーナツは、イーストドーナツと比較して、油っぽく、ソフト感に欠け、食感が重たくなる傾向があるが、健康志向や嗜好の多様化から、油っぽさの少ないドーナツが求められている。こうした状況に対して、ドーナツ類製造における吸油を低減する方法が報告されている。例えば特許文献1には、起泡剤を配合してミキシングし、所定の生地比重とする方法、特許文献2には、水溶性セルロースエーテルの水溶液を用いて吸油を低減させる方法、特許文献3には、キサンタンガム、グアーガム及びビタミンCからなるケーキドーナツ用吸油抑制剤が、それぞれ提案されている。特許文献1~3に実施例として記載されているケーキドーナツは、卵の配合量が比較的少ないため、比較的硬い食感で、スポンジケーキのようなふんわりと軽い食感を有していないと推察される。
特開平6-38669号公報 特開2010-268693号公報 特開2016-214230号公報
近年、様々なタイプのドーナツが求められるようになり、例えば、スポンジケーキのようなふんわりと軽い食感のケーキドーナツに対するニーズがある。このようなスポンジケーキ様ケーキドーナツは、砂糖や卵を高配合したスポンジケーキ生地のような柔らかい生地を油ちょうして製造される。
ところが、そのような柔らかい生地を用いてドーナツを製造した場合、油ちょう時に生地が膨張すると組織がスポンジ状となるために、大量の油を吸い油っぽい食感となることが問題となる。また、柔らかい生地を油ちょうすると、油ちょう中にドーナツが本来の形状とは異なる形状に変形し、あるいは油ちょう後に形状が縮むなどして、外観が損なわれることがある。このような、砂糖や卵を高配合したケーキドーナツにおける問題に対して、吸油を低減すること、形状を安定化させること、スポンジケーキのようなふんわりと軽い食感を得ることのいずれも満足するようなケーキドーナツを製造する技術はこれまでに報告されていない。
本発明の課題は、ふんわりと軽い食感で、油っぽくなく、ボリューム感があり、外観及び食味食感に優れたケーキドーナツを提供することに関する。
本発明者らは、一般的なケーキドーナツよりも砂糖や卵の配合割合が高いスポンジケーキのような配合でケーキドーナツを製造する場合において、水溶性セルロースエーテルと起泡性乳化油脂とを組み合わせることで、水溶性セルロースエーテルによって過剰な吸油を抑制しつつ形状を安定化させ、起泡性乳化油脂によって軽い食感を得ることができるとの知見を得た。
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、穀粉類及び糖類を含有するケーキドーナツ用生地であって、更に、水溶性セルロースエーテルを0.3~8.3質量%含有し、起泡性乳化油脂を1~10質量%含有するケーキドーナツ用生地である。
また本発明は、穀粉類、糖類及び水溶性セルロースエーテルを含有し、該水溶性セルロースエーテルの含有量が0.5~15.0質量%である粉体原料100質量部に対して、起泡性乳化油脂を1.8~18.8質量部及び卵類を配合して生地を調製し、該生地を油ちょうする工程を有する、ケーキドーナツの製造方法である。
本発明によれば、ふんわりと軽い食感で、油っぽくなく、ボリューム感があり、外観及び食味食感に優れたケーキドーナツが提供される。本発明によって提供されるケーキドーナツは、その製造時の油ちょうにおいて吸油が少なく、油ちょう中の変形及び油ちょう後の形状縮みが抑制されており、そのため、ボリューム感のある外観を呈し、油っぽさがなく食味が良好で食べやすく、起泡して目が細かくなりスポンジケーキのようなふんわり軽くくちどけの良い食感が得られる。
本発明はケーキドーナツに関し、より具体的には、ケーキドーナツの製造に使用されるケーキドーナツ用生地、及びケーキドーナツの製造方法に関する。本発明でいう「ケーキドーナツ」とは、イースト発酵法以外の方法で製造される揚げ菓子を意味する。本発明でいうケーキドーナツは、典型的には、イーストを使用せずケーキに近い配合でベーキングパウダーなどの膨張剤により生地を膨らませる工程を経て製造される。但し、本発明でいうケーキドーナツには、膨張剤を使用しないシュードーナツも包含される。本発明でいうケーキドーナツの具体例として、ふんわり柔らかい食感が特徴のソフトドーナツ、表面はカリッと中はしっとりとした食感で上面の割れ(クラック)が特徴のいわゆるオールドファッション、水分の多い生地を用い、シューのような軽い食感が特徴のフレンチクルーラーを例示できる。
本発明のケーキドーナツ用生地は、穀粉類及び糖類を含有する。穀粉類は、本発明のケーキドーナツ用生地の主体を成すものであり、典型的には、該生地の製造に使用する粉体原料(いわゆるドーナツミックス)の50質量%以上を占める。穀粉類としては、この種のドーナツの製造に従来用いられている穀粉及び澱粉を特に制限なく用いることができ、それらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。穀粉としては、例えば、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、デュラム粉等の小麦粉;米粉、トウモロコシ粉、馬鈴薯粉、タピオカ粉、甘藷粉等が挙げられる。澱粉としては、前記の穀粉を由来とする澱粉及びその加工澱粉が挙げられ、該加工澱粉として、未加工澱粉にエーテル化、エステル化、アセチル化、α化、架橋処理、酸化処理、油脂加工等の処理の1つ以上を施したものが挙げられる。ここでいう「澱粉」は、小麦等の植物から単離された「純粋な澱粉」を意味し、穀粉中に含有されている澱粉とは区別される。
本発明で好ましく用いられる穀粉類として、小麦粉及び加工澱粉が挙げられる。好ましい小麦粉としては、薄力粉を例示できる。好ましい加工澱粉としては、α化澱粉、リン酸架橋澱粉を例示できる。本発明のケーキドーナツ用生地における加工澱粉の含有量は、該生地の全質量に対して、好ましくは1~10質量%、より好ましくは2~5質量%である。
糖類としては、食品分野において使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、砂糖、グラニュー糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、果糖、ブドウ糖、異性化糖、トレハロース、オリゴ糖、デキストリン等の単糖、二糖又は多糖類;ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール;ハチミツ、水あめ、メープルシロップ等の液糖;その他甘味料が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のケーキドーナツ用生地において、糖類の含有量は特に制限されないが、スポンジケーキのようなふんわりと軽い食感を得る観点から、一般的なケーキドーナツ用生地よりも多いことが好ましい。斯かる観点から、本発明のケーキドーナツ用生地における糖類の含有量は、該生地の全質量に対して、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。ケーキドーナツ用生地における糖類の含有量の上限は特に制限されないが、食味食感のバランス等の観点から、該生地の全質量に対して、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
本発明のケーキドーナツ用生地は、卵類を含有することが好ましい。糖類に加えて更に卵類を含有することで、スポンジケーキのようなふんわりと軽い食感のケーキドーナツとなり得る。卵類としては、食品分野において使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、鶏卵、ウズラ卵、アヒル卵、ダチョウ卵が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のケーキドーナツ用生地では、典型的には、卵類として、卵黄及び卵白を含む全卵を用いるが、卵黄及び卵白の一方のみを用いることもできる。
本発明のケーキドーナツ用生地において、卵類の含有量は特に制限されないが、スポンジケーキのようなふんわりと軽い食感を得る観点から、一般的なケーキドーナツ用生地よりも多いことが好ましい。斯かる観点から、本発明のケーキドーナツ用生地における卵類の含有量は、該生地の全質量に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上である。ケーキドーナツ用生地における卵類の含有量の上限は特に制限されないが、食味食感のバランス等の観点から、該生地の全質量に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
本発明のケーキドーナツ用生地は、穀粉類及び糖類を含有し、好ましくは卵類を更に含有するものであるが、これらに加えて更に、水溶性セルロースエーテル及び起泡性乳化油脂の二成分を含有する点で特徴付けられる。前述したとおり、スポンジケーキのようなふんわりと軽い食感のケーキドーナツを得るためには、原料として穀粉類に加えて糖類を使用し、好ましくは、糖類及び卵類を高配合することが有効であるところ、そのような糖類及び卵類が高配合された柔らかい生地を油ちょうすると、通常のケーキドーナツ用生地を油ちょうした場合と比較して、吸油量が多くなって油っぽい食味となる、油ちょう中あるいは油ちょう後のドーナツの保形性が低下して形状が安定せず外観低下を招く等の不都合が生じることが懸念される。これに対し本発明では、ケーキドーナツ用生地に水溶性セルロースエーテル及び起泡性乳化油脂の二成分を特定量配合することで斯かる懸念を払拭し、ふんわりとした軽い食感と油っぽさの低減及びボリューム感との両立を可能にした。
水溶性セルロースエーテルは、本発明において主として、ケーキドーナツ製造の際の油ちょう時における過剰な吸油を抑制しつつ形状を安定化させる機能を発揮する。斯かる機能は、水溶性セルロースエーテルが有する可逆的熱ゲル化の性質によるものと推察される。すなわち、水溶性セルロースエーテルは、水に溶解した状態で、加熱されることにより白濁ゲル化し、冷却されることにより元の透明水溶液状態に戻るという、可逆的熱ゲル化の性質を有するところ、水溶性セルロースエーテルが生地に添加されて油ちょうされるときには、生地中の水分とともに水溶性セルロースエーテルがゲル化することによって、該水分の蒸発による油への置換が抑制されるため、吸油が抑制される。また、生地の油ちょうによってそれに含まれる水溶性セルロースエーテルがゲル化することで、油ちょう時の生地の保形性が向上する。一方で、斯かる油ちょう工程を経て製造されたケーキドーナツを喫食する際の温度帯においては、水溶性セルロースエーテルのゲル構造が消失しているため、喫食時の食感は、スポンジケーキのようなふんわりと軽い食感となる。
本発明で用いる水溶性セルロースエーテルとしては、セルロースをエーテル化することで水溶性としたセルロースエーテルであって食品分野で使用可能なものを特に制限なく用いることができ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。水溶性セルロースエーテルの好ましい具体例として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)が挙げられ、特にHPMCが好ましい。
本発明のケーキドーナツ用生地における水溶性セルロースエーテルの含有量は、該生地の全質量に対して、0.3~8.3質量%であり、好ましくは0.3~6.7質量%、より好ましくは0.6~3.9質量%である。ケーキドーナツ用生地において、水溶性セルロースエーテルの含有量が0.3質量%未満では、吸油抑制効果が十分に得られないおそれがあり、水溶性セルロースエーテルの含有量が8.3質量%を超えると、効果が頭打ちになるとともに後味が悪くなり、生地に粘りが出るなどの問題が生じるおそれがある。
一方、起泡性乳化油脂は、本発明において主として、ケーキドーナツに軽い食感を付与する機能を発揮し、より具体的には、ケーキドーナツの製造時において生地を起泡して、その気泡を安定化させるとともに、生地比重を軽くして、ケーキドーナツにふんわり軽い食感を付与する機能を発揮する。起泡性乳化油脂は、油脂及び乳化剤を、糖類、水等の混合物中に分散させたものであり、少なくとも、油脂、乳化剤、糖類及び水を含有する。起泡性乳化油脂は、例えば、糖類、水、親水性乳化剤等の水相成分と、油脂、親油性乳化剤等の油相成分とを混合後、乳化することにより製造することができる。
起泡性乳化油脂を構成する油脂としては、例えば、パーム油、ヤシ油、大豆油、菜種油、ひまわり油、紅花油等の油脂、これらの油脂を水素添加、エステル交換、分別等の加工をして得られる加工油脂等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせ用いることができる。起泡性乳化油脂における油脂の含有量は、該起泡性乳化油脂の全質量に対して、好ましくは5~50質量%である。
起泡性乳化油脂を構成する乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせ用いることができる。起泡性乳化油脂における乳化剤の含有量は、該起泡性乳化油脂の全質量に対して、好ましくは3~30質量%である。
起泡性乳化油脂を構成する糖類としては、例えば、水飴、還元水飴、ぶどう糖果糖液糖等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせ用いることができる。起泡性乳化油脂における糖類の含有量は、該起泡性乳化油脂の全質量に対して、好ましくは30~60質量%である。
本発明では起泡性乳化油脂として市販品を使用することができる。起泡性乳化油脂の市販品としては、従来、目が細かくしっとりとしたスポンジケーキの製造に使用されているものが好ましく、例えば、パティグラース500(理研ビタミン製)、マリッシュゴールド(花王製)、パホーマー(月島食品工業製)、パルファンドール(ミヨシ油脂製)、ハイメル(カネカ製)を例示できる。
本発明のケーキドーナツ用生地における起泡性乳化油脂の含有量は、該生地の全質量に対して、1~10質量%であり、好ましくは1.7~10質量%、より好ましくは2~9質量%である。ケーキドーナツ用生地において、起泡性乳化油脂の含有量が1質量%未満では、起泡効果が十分に得られないおそれがあり、起泡性乳化油脂の含有量が10質量%を超えると、効果が頭打ちになるおそれがある。
本発明のケーキドーナツ用生地は、前記成分(穀粉類、糖類、卵類、水溶性セルロースエーテル、起泡性乳化油脂)以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、起泡性乳化油脂以外の他の油脂(非起泡性油脂)、乳成分、膨張剤、増粘剤、乳化剤、香料等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ケーキドーナツ用生地に起泡性乳化油脂及び非起泡性油脂の双方が含有されていると、該生地を用いて製造されたケーキドーナツの内相に非起泡性油脂が存在するので、ケーキドーナツの食感がしっとりとした口どけのよいものとなり、食感の一層の向上が期待できる。非起泡性油脂としては、乳化油脂でも非乳化油脂でもよく、例えば、液体ショートニング、粉末油脂、サラダ油、コーン油、綿実油、パーム油、ごま油が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの非起泡性油脂の中でも特に液体ショートニングが好ましい。非起泡性油脂としては市販品を用いてもよく、例えば、液体ショートニングとして、パーミングL(不二製油製)、フレンジーL(理研ビタミン製)が挙げられる。本発明のケーキドーナツ用生地における非起泡性油脂の含有量は、該生地の全質量に対して、好ましくは1~10質量%、より好ましくは2~7質量%である。
本発明のケーキドーナツ用生地は、典型的には、前記成分に加えて更に、液体を含有する。本発明のケーキドーナツ用生地に含有される液体としては、例えば、水、全卵等の卵類、牛乳等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせ用いることができる。本発明のケーキドーナツ用生地は、液体の含有量が比較的少ない粘土状の生地(いわゆるドウ)でもよく、液体の含有量が比較的多いペースト状の生地(いわゆるバッター)でもよい。本発明のケーキドーナツ用生地における液体の含有量は、該生地の全質量に対して、好ましくは15~70質量%、より好ましくは25~40質量%である。なお、ケーキドーナツ用生地における液体の含有量を計算する場合、該液体として使用する全卵の含水率は76質量%、該液体として使用する牛乳の含水率は88質量%とする。本発明のケーキドーナツ用生地は、常法に従って製造することができ、典型的には、粉体原料に液体を添加して混合物を得、該混合物をミキサーによって攪拌(ミキシング)することで製造される。本発明のケーキドーナツ用生地は、この種のドーナツ用生地と同様に使用することができ、典型的には、該生地を所定の形状及び寸法に成型し、その成型生地を、加熱された油中に投入して油ちょうすることでケーキドーナツが得られる。
次に、本発明のケーキドーナツの製造方法について説明する。
本発明のケーキドーナツの製造方法は、穀粉類(穀粉、澱粉)、糖類及び水溶性セルロースエーテルを含有する粉体原料(いわゆるドーナツミックス)を調製する工程と、この粉体原料に対して、起泡性乳化油脂及び卵類を配合して生地を調製する工程と、該生地を油ちょうする工程とを有する。各工程は基本的に常法に従って行うことができる。
粉体原料における穀粉(好ましくは小麦粉、より好ましくは薄力粉)の含有量は、該粉体原料の全質量に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。粉体原料における穀粉の含有量の上限は特に制限されないが、食味食感のバランス等の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。また、粉体原料における澱粉(好ましくは加工澱粉)の含有量は、該粉体原料の全質量に対して、好ましくは2~15質量%、より好ましくは5~10質量%である。
粉体原料における水溶性セルロースエーテルの含有量は、該粉体原料の全質量に対して、0.5~15質量%であり、好ましくは0.5~10質量%である。粉体原料において、水溶性セルロースエーテルの含有量が0.5質量%未満では、吸油抑制効果が十分に得られないおそれがあり、水溶性セルロースエーテルの含有量が15質量%を超えると、効果が頭打ちになるとともに後味が悪くなり、生地に粘りがでるなどの問題が生じるおそれがある。
粉体原料における糖類の含有量は、ケーキドーナツにスポンジケーキのようなふんわりと軽い食感を付与する観点から、一般的なケーキドーナツよりも多いことが好ましく、具体的には、該粉体原料に含有される穀粉類100質量部に対して、好ましくは50~100質量部、より好ましくは70~90質量部である。
本発明のケーキドーナツの製造方法において、粉体原料に対する起泡性乳化油脂の配合量は、粉体原料100質量部に対して、1.8~18.8質量部、好ましくは5~15質量部である。起泡性乳化油脂の配合量が粉体原料100質量部に対して1.8質量部未満では、起泡効果が十分に得られないおそれがあり、18.8質量部を超えると、効果が頭打ちになるおそれがある。同様の観点から、粉体原料に対する起泡性乳化油脂の配合量は、該粉体原料に含有される穀粉類100質量部に対して、好ましくは3~37.6質量部、より好ましくは5~30質量部である。
また、本発明のケーキドーナツの製造方法において、粉体原料に対する卵類(例えば全卵)の配合量は、ケーキドーナツにスポンジケーキのようなふんわりと軽い食感を付与する観点から、粉体原料100質量部に対して、好ましくは50~90質量部、より好ましくは60~70質量部である。同様の観点から、粉体原料に対する卵類の配合量は、該粉体原料に含有される穀粉類100質量部に対して、好ましくは50~200質量部、より好ましくは120~150質量部である。
本発明のケーキドーナツの製造方法において、生地の品温25℃における比重は、好ましくは0.4~0.8g/mL、より好ましくは0.5~0.7g/mLである。前述した本発明のケーキドーナツ用生地の品温25℃における比重も斯かる範囲にあることが好ましい。比重が斯かる範囲にある生地は、起泡が十分になされていて柔らかく、このような生地を油ちょうすることにより、スポンジケーキのようなふんわりと軽い食感を有するケーキドーナツの製造が可能となる。生地の比重は、起泡性乳化油脂の配合量、ミキシング時間等を調整することにより、調整することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1~21、比較例1~8〕
下記表1~3に示す原料を混合して粉体原料(ドーナツミックス)を製造し、該粉体原料に対して所定量の全卵と起泡性乳化油脂又は非起泡性油脂とをミキサーボウルに投入し、縦型ミキサー(KANTOミキサー、カントーミキサー製)でビーターを使用して、低速(1速)2分間、描き落とし後、高速(3速)6~8分間(適宜)混合してケーキドーナツ用生地を調製した。調製した生地の品温25℃における比重を測定した。この比重の測定は、品温25℃の生地を計量カップ(100mL)に入れて重量(g)を測定し、その測定値を該生地の容量(mL)で除して算出した。1・5/8プランジャー(プレーンプランジャー、ベルショウ製)にて生地を22gずつの重量で成型して、180℃に加熱したフライ用油脂(ミヨシ油脂製)中に投入して、2分間(1分反転1分)油ちょうすることで目的のケーキドーナツを製造した。使用した原料の詳細は下記のとおり。
・水溶性セルロースエーテルA:HPMC
・水溶性セルロースエーテルB:MC
・起泡性乳化油脂A:パティグラース500(理研ビタミン製)
・起泡性乳化油脂B:マリッシュゴールド(花王製)
・起泡性乳化油脂C:パホーマー(月島食品工業製)
・起泡性乳化油脂D:パルファンドール(ミヨシ油脂製)
・起泡性乳化油脂E:ハイメル(カネカ製)
・非起泡性油脂:パーミングL(不二製油製)
〔評価〕
各実施例及び比較例のケーキドーナツの外観(具体的には形状)、食味(具体的には吸油)、食感を10名の専門パネラーに下記評価基準で評価してもらった。その結果を10名の評価点の平均値として下記表1~3に示す。
(形状の評価基準)
5点:ボリューム感があり変形、縮みがない
4点:ボリューム感がある程度あり、変形、縮みが少ない
3点:ボリューム感にやや欠け、変形、縮みがわずかにみられる
2点:ボリューム感に欠け、変形、縮みがみられる
1点:ボリューム感が無く、変形、縮みが著しい
(吸油の評価基準)
5点:吸油が非常に少なく油っぽさを全く感じない
4点:吸油が少なく油っぽさをほとんど感じない
3点:吸油がやや少なく若干油っぽさを感じる
2点:吸油が多く油っぽさを感じる
1点:吸油が非常に多く不快な油っぽさを感じる
(食感の評価基準)
5点:ふんわりして大変軽い
4点:ふんわりして軽い
3点:ふんわりしてやや軽い
2点:ふんわりさがあまり感じられず若干重い
1点:ふんわりさが感じられず重い
Figure 0007157666000001
表1に示すとおり、各実施例のケーキドーナツの製造方法は、生地調製に用いた粉体原料における水溶性セルロースエーテル(HPMC)の含有量が0.5~15.0質量%の範囲にあるため、これを満たさない各比較例のケーキドーナツの製造方法に比して、ケーキドーナツの形状、吸油、食感に優れる結果となった。
また、表1に示すとおり、各実施例のケーキドーナツ用生地は、HPMCの含有量が0.3~8.3質量%の範囲にあるため、これを満たさない各比較例のケーキドーナツ用生地に比して、ケーキドーナツの形状、吸油、食感に優れる結果となった。
Figure 0007157666000002
表2に示すとおり、各実施例のケーキドーナツの製造方法は、粉体原料100質量部に対して、起泡性乳化油脂を1.8~18.8質量部の範囲で配合しているため、これを満たさない各比較例のケーキドーナツの製造方法に比して、形状、吸油、食感に優れる結果となった。
また、表2に示すとおり、各実施例のケーキドーナツ用生地は、起泡性乳化油脂の含有量が1~10質量%の範囲にあるため、これを満たさない各比較例のケーキドーナツ用生地に比して、ケーキドーナツの形状、吸油、食感に優れる結果となった。
Figure 0007157666000003
表3において、比較例5のケーキドーナツ用生地は、水溶性セルロースエーテル及び起泡性乳化油脂の両方を含有しないため、比較例6及び7のケーキドーナツ用生地は、両者の何れか一方を含有しないため、比較例8のケーキドーナツ用生地は、起泡性乳化油脂の代わりに非起泡性油脂を含有するため、何れも各実施例のケーキドーナツ用生地に比して低評価となった。

Claims (6)

  1. 穀粉類糖類及び卵類を含有し、該糖類の含有量が15質量%以上、該卵類の含有量が30質量%以上であるケーキドーナツ用生地であって、
    更に、水溶性セルロースエーテルを0.3~8.3質量%含有し、起泡性乳化油脂を1~10質量%含有するケーキドーナツ用生地。
  2. 前記水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載のケーキドーナツ用生地。
  3. 水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項1に記載のケーキドーナツ用生地。
  4. 穀粉類、糖類及び水溶性セルロースエーテルを含有し、該水溶性セルロースエーテルの含有量が0.5~15.0質量%である粉体原料100質量部に対して、起泡性乳化油脂を1.8~18.8質量部及び卵類を配合して生地を調製し、該生地を油ちょうする工程を有し、
    前記粉体原料は、前記穀粉類100質量部に対して前記糖類を50~100質量部含有し、
    前記卵類の配合量が、前記粉体原料100質量部に対して50~90質量部であり、
    前記生地の品温25℃における比重が0.4~0.8g/mLである、ケーキドーナツの製造方法。
  5. 前記水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上である請求項に記載のケーキドーナツの製造方法。
  6. 前記水溶性セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項に記載のケーキドーナツの製造方法。
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