JP2019187275A - 焼菓子生地及び焼菓子 - Google Patents

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Abstract

【課題】なめらかでとろけるようなミルク感にあふれた風味と食感で、経日的な食感の変化が少ない焼菓子生地及び焼菓子を提供すること。【解決手段】以下の(1)及び(2)を満たす焼菓子生地及び該焼菓子生地を焼成してなる焼菓子である。(1)焼菓子生地中の油分が15質量%以上、且つ、水分が15質量%以上であること。(2)焼菓子生地中の無脂乳固形分が10質量%以上であること。【選択図】なし

Description

本発明は、なめらかでとろけるようなミルク感にあふれた風味と食感で、経日的な食感の変化が少ない焼菓子生地及び焼菓子に関する。
ベーカリー食品の中でもクッキーやビスケットに代表される焼菓子は水分含量が低いことから保存性の点で優れ、ショートニングやマーガリンを使用したさくさくした食感が特徴であるところ、近年はソフトでしっとりした食感に対する要望も多く、とくに近年は、チョコレートを多く使用し、なめらかでとろけるような食感のブラウニーが、ソフトクッキーの種類の1種としてすっかり定着している。
このような食感のブラウニーを得るには、基本的にはスイートチョコレートに対し、バターやマーガリン、糖類、卵類、小麦粉をチョコレートの半量程度ずつ添加、混合したバターケーキ生地を焼成する。
しかし、ブラウニーはその名称のとおりセピア色のチョコレートを使用するため、風味展開がしにくく、また、しっとりとした食感というよりはねちゃついた重たい食感になりやすいという問題があった。
チョコレートに起因するこのような問題を避けるため、一般のバターケーキにおいて、しっとりととろけるような食感を付与する方法として、特定の増粘安定剤を使用する方法(たとえば特許文献1参照)、ゲル化剤と乳蛋白質と水で構成される複合体を配合する方法(たとえば特許文献2参照)、特定の食物繊維を水中油型乳化物として添加する方法(たとえば特許文献3参照)、特定のフラワーペーストを練り込む方法(例えば特許文献4参照)などの方法が提案されている。
しかし、特許文献1に記載の方法は添加量を増やすと生地が増粘してしまうため、成形が困難になる問題があり、特許文献2〜4に記載の方法は複合体や水中油型乳化物、フラワーペーストの添加量のわりには改良効果が低いため、添加量を増やすにつれてしとり感は増加するもののソフト感が低下し、ねちゃつき感が発生する問題に加え、食感以外に食味への影響も大きく、とくにミルク感を求める場合には呈味発現性が大きく低下してしまうという問題があった。さらに、特許文献2〜4の方法はパン生地での効果は高いものの焼菓子での効果は限定的であるという問題もあった。
そのため、なめらかでとろけるようなミルク感にあふれた風味と食感で、経日的な食感の変化が少ない焼菓子を簡単に安定して得ることのできる焼菓子生地が求められていた。
特開2007−267670号公報 特開2006−081516号公報 特開2011−097923号公報 特開2011−223899号公報
従って、本発明の目的は、なめらかでとろけるようなミルク感にあふれた風味と食感で、経日的な食感の変化が少ない焼菓子を簡単に安定して得ることのできる焼菓子生地を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく種々検討した結果、焼菓子生地における無脂乳固形分を一定以上とし、且つ、油分及び水分を特定量とすることで上記問題を解決可能であることを見出した。
即ち本発明は、以下の(1)及び(2)を満たす焼菓子生地を提供するものである。
(1)焼菓子生地中の油分が15質量%以上、且つ、水分が15質量%以上であること。
(2)焼菓子生地中の無脂乳固形分が10質量%以上であること。
本発明の焼菓子生地は、なめらかでとろけるようなミルク感にあふれた風味と食感で、経日的な食感の変化が少ない焼菓子を簡単に安定して得ることができる。
以下、本発明の焼菓子生地について好ましい実施形態に基づき詳述する。
本発明の焼菓子生地は以下の(1)及び(2)を満たす。
(1)焼菓子生地中の油分が15質量%以上、且つ、水分が15質量%以上であること。
(2)焼菓子生地中の無脂乳固形分が10質量%以上であること。
まず、上記の(1)について述べる。
本発明の焼菓子生地は油分が15質量%以上、好ましくは20質量%以上、且つ、水分が15質量%以上、好ましくは20質量%以上であることが必要である。油分含量が15質量%未満であると、なめらかでとろけるような食感が得られず、また、水分含量が15質量%未満であると、しっとりとした食感が得られない。
なお、油分含量の上限については30質量%であり、また、水分含量の上限については30質量%である。
上記油分含量とするために使用することのできる原材料としては、とくに制限されず、マーガリン、ショートニング、バターなどの可塑性油脂や、クリーム、ホイップクリーム、濃縮牛乳状組成物、サラダ油、などの液状〜ペースト状食品や、チョコレートなどの固形食品など、油脂を含有する各種飲食品や、油脂そのものを使用することができる。
上記油脂としては特に制限されず、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、上記水分含量とするために使用することのできる原材料としては、とくに制限されず、クリーム、ホイップクリーム、濃縮牛乳状組成物、マーガリンなどの水分を含有する各種飲食品や水そのものを使用することができる。
次に、上記の(2)について述べる。
本発明の焼菓子生地中の無脂乳固形分は10質量%以上であることが必要であり、好ましくは12質量%以上である。10質量%未満であると、濃厚なミルク感あふれる風味が得られない。
なお、上限については得られる焼菓子がなめらかな食感とすることが可能な範囲である点で、25質量%であることが好ましい。
なお、無脂乳固形分とは牛乳中の乳脂肪分以外の固形分であり、乳及び乳製品の成分規格に関する省令(乳等省令)で定められている。
上記無脂乳固形分とするために使用することのできる原材料としては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、クリーム、サワークリーム、ホエイ、脱乳糖ホエイ、バターミルク、はっ酵乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料、乳飲料、全粉乳、脱脂粉乳、ハイファット全粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、カゼイン蛋白質、乳清蛋白質、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、脱乳糖ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、WPC(ホエープロテインコンセントレート)、TMP(トータルミルクプロテイン)、MPC(ミルクプロテインコンセントレート)、調整粉乳、クリームパウダー、加糖粉乳、SWP(スイートホエイパウダー)、WPI(ホエイプロテインアイソレート)、パーミネイト及び乳清ミネラル等の乳や乳製品、さらにはこれらの乳や乳製品を使用したホイップクリーム、マーガリン、濃縮牛乳状組成物などが挙げられる。本発明ではこれらの乳や乳製品の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
中でも本発明では濃厚なミルク感にあふれた風味と食感を得ることが可能である点で、粉乳類を使用することが好ましく、とくに好ましくは、(a)油脂に分散した形態で添加された粉乳類、及び/又は、(b)粉体の形態で添加された粉乳類、であることが好ましい。
本発明で用いる粉乳類としては乳に由来し、少なくとも乳蛋白質を含有する各種の乳や乳製品を粉末化したものであり、具体的には、全粉乳、脱脂粉乳、ハイファット全粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、カゼイン、脱乳糖ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、WPC(ホエープロテインコンセントレート)、TMP(トータルミルクプロテイン)、MPC(ミルクプロテインコンセントレート)、調整粉乳、クリームパウダー、加糖粉乳、SWP(スイートホエイパウダー)、WPI(ホエイプロテインアイソレート)、パーミネイトなどが挙げられるが、風味が良好である点で全粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、脱乳糖ホエイパウダー、調整粉乳、クリームパウダーのうちの1種又は2種以上を使用することが好ましく、より好ましくは全粉乳、及び/または、脱脂粉乳を使用する。
ここで、まず、(a)油脂に分散した形態で添加された粉乳類について述べる。
ここで使用する油脂としては、特に制限されるものではないが、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、カカオ脂、サル脂、シア脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択された一又は二以上の処理を施した加工油脂や、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等があげられる。本発明では、これらの油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明では、濃厚なミルク感が感じられ、且つ、口溶けのよい焼菓子が得られる点で、パーム油、カカオ脂、サル脂、シア脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択された一又は二以上の処理を施した加工油脂を使用することが好ましい。
粉乳類を油脂に分散した形態とするには、必要に応じ溶解した上記油脂に粉乳類を添加して分散させる方法、あるいは上記油脂を使用したショートニングに上記粉乳類を混合して分散させる方法、チョコレートを使用する方法等を挙げることができるが、本発明ではチョコレートを使用することが好ましく、中でも粉乳類を多く使用している点でホワイトチョコレートを使用することが好ましい。
粉乳類を油脂に分散した形態とする場合の、上記油脂と粉乳類の質量比は30:70〜95:5、好ましくは40:60〜70:30である。
なおチョコレートを使用する場合は、チョコレート中に粉乳類を、2〜50質量%、好ましくは20〜40質量%含有するチョコレートを使用することが好ましい。
次に、(b)粉体の形態で添加された粉乳類について述べる。
上記粉体の形態で添加する、とは、焼菓子生地の製造の際に、上記粉乳類を、焼菓子生地に直接混合するか、又は澱粉類や糖類等の粉体原料に混合して添加することを指す。
なお、下で述べる、水中油型乳化物中に含まれる粉乳類については、この(a)及び(b)には含まれないものとする。
また、焼菓子生地中に焼成後も固形物として残存するドライフルーツやナッツ類などの固形物が分散している場合は、上記(1)(2)に記載の、油分、上記水分、上記無脂乳固形分の各含有量の計算には算入せず、固形物を除外した、ベースとなる焼菓子生地中での数値を使用するものとする。
本発明の焼菓子生地は、食感をねちゃつかせることなく、なめらかでとろけるようなミルク感にあふれた風味と食感を得ることができる点に加え、より経日的な食感の変化が少ない焼菓子を得ることが可能である点で、加糖練乳及び/又はホワイトチョコレートを含有する水中油型乳化物を含むことが好ましい。
なお、加糖練乳とは、上述の乳製品の1種の「生乳、牛乳又は特別牛乳にしょ糖を加えて濃縮したもの」であり、またホワイトチョコレートはカカオ脂に多量の全粉乳や脱脂粉乳を使用し、長時間の加温処理を行われているため、乳製品として全粉乳や脱脂粉乳をそのまま水中油型乳化物の原材料として使用するのに比べ、また、直接焼菓子生地の原料として使用するのに比べ、焼菓子に、より良好なミルク感にあふれた風味と食感を付与することが可能となる。
なお、水中油型乳化物における加糖練乳の好ましい添加量は2〜10質量%、より好ましくは4〜10質量%である。
また、ホワイトチョコレートの好ましい含有量は2〜10質量%、より好ましくは4〜10質量%である。
上記水中油型乳化物に使用する油脂としては特に制限されず、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記水中油型乳化物における油分含有量は、水中油型乳化物に使用するその他の原材料に含まれる油分も含め、20〜65質量%であることが必要であるが、好ましくは20〜40質量%、より好ましくは20〜30質量%である。20質量%未満であると本発明の効果は得られず、65質量%を超えると水中油型乳化物が安定に製造できない可能性がある。
上記水中油型乳化物に使用する水としては特に制限されず、例えば、水道水、ミネラル水、地下水等が挙げられる。本発明においては、これらの水を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、卵、クリーム、液糖など、水分を含有する食品素材に含まれる水分を、該水として使用することもできる。
上記水中油型乳化物における水分含有量は、水中油型乳化物に使用するその他の原材料に含まれる水分も含め、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
上記水中油型乳化物は、甘味度30超の糖類を10〜50質量%含有することが好ましく、より好ましくは12〜50質量%、さらに好ましくは15〜50質量%含有することが好ましい。
甘味度30超の糖類の含有量が10質量%未満であると、焼菓子生地に好ましい甘さを付与することができないことがあり、50質量%よりも多いと、甘さが過剰となってしまい、焼菓子にすっきりとした甘味の焼菓子が得られないことがある。
上記甘味度30超の糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつ等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の糖類を用いることができる。これらの中でも、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、麦芽糖が好ましく用いられる。
なお、上記糖類の含有量には、下記の乳製品、ホワイトチョコレート、さらにはその他の成分に含まれる含有量についても含めて算出するものとする。
上記水中油型乳化物は、必要に応じ、乳化剤、安定剤、甘味度30未満の糖類及び甘味料、乳、粉乳類以外の乳製品、果汁、ジャム、ホワイトチョコレート以外のカカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品等の呈味成分、調味料、食塩、酸味料、着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等のその他の成分を任意に配合してもよい。その他の成分の配合量は、通常の使用量の範囲で使用することができるが、好ましくは15質量%以下、より好ましくは5質量%以下とする。
上記の乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム及びポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、例えば大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化剤や天然乳化成分が挙げられる。本発明においては、必要に応じてこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。乳化剤を使用する場合、水中油型乳化物中の乳化剤の含有量は0.1〜10質量%とすることが好ましい。
上記安定剤としては、リン酸塩(ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸、オルソリン酸、ピロリン酸、第3リン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。安定剤を使用する場合、水中油型乳化物中の安定剤の含有量は0.01〜3質量%とすることが好ましい。
次に上記水中油型乳化物を製造する方法について述べる。
上記水中油型乳化物の製造方法は、通常のホイップクリーム等の水中油型乳化物と同様であり、その一例として以下の方法が挙げられる。
まず、油脂に必要によりその他の原料を加えた油性相を用意する。一方、水に甘味度30超の糖類、必要によりその他の原料を加えた水性相を用意する。該水性相を、上記油性相と混合し、水中油型に乳化することにより、上記水中油型乳化物が得られる。
なお、加糖練乳は水相に含有させることが好ましく、ホワイトチョコレートは油性相に含有させることが好ましい。また、いったん得られた水中油型乳化物と混合する方法によってもよい。
なお、乳化の際には、まず予備乳化物を調製し、次にこれを必要によりバルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により圧力0〜100MPaの範囲で均質化してもよい。
また、必要により、インジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理を施してもよく、あるいは直火等の加熱調理により加熱してもよい。また、加熱後に必要に応じて再度均質化してもよい。また、必要により急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施してもよい。
なお、上記水中油型乳化物は気相を含むものであってもよいが、本発明においては気相を含有するものであると、焼菓子生地を安定的に製造することがやや困難になってしまうことから、気相を含有しないことが好ましい。
本発明の焼菓子生地における上記水中油型乳化物の配合量は、焼菓子生地中の油分が15%以上、且つ、水分が15%以上であること、及び、焼菓子生地中の無脂乳固形分が10質量%以上であることを満たす範囲内であればよいが、好ましくは焼菓子生地中に10〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
本発明の焼菓子生地は、なめらかな口溶けのよい食感の焼菓子を得ることが可能である点で、澱粉類の含有量が15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは12質量%以下である。
上記澱粉類としては、まず穀粉類、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類や、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類が挙げられる。また、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉 小麦澱粉 、甘藷澱粉 、サゴ澱粉 、米澱粉 などの澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理したものや、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等を用いることもできる。
本発明の焼菓子生地は、上記各種原材料の他に、一般的に焼菓子生地に用いられる各種食品や食品添加物を用いることができる。
例えば、甘味料、糖類、食塩、乳化剤、調味料、香辛料、着香料、着色料、ココア、ナッツ類、ヨーグルト、チーズ、抹茶、紅茶、コーヒー、豆腐、黄な粉、豆類、野菜類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、果物、ハーブ、肉類、魚介類、保存料、日持ち向上剤、イースト、イーストフード等を適宜用いることができる。
次に本発明の焼菓子生地の製造方法について述べる。
本発明の焼菓子生地の製造方法は特に制限されるものではないが、オールインミックス法、溶かしバター法、別立て法、後粉法、後油法、湯捏法など一般的な生地の製法を適宜選択し、必要により組み合わせて適用することが可能である。ただし、本発明では、オールインミックス法であることが、生地の乳化安定性が高い点で好ましい。
次に、本発明の焼菓子について説明する。
本発明の焼菓子は、上記本発明の焼菓子生地を焼成することにより、得られるものである。
上記焼菓子生地は平展板で焼成可能であるが、必要に応じ、金属製や紙製、シリコン製など各種焼型に入れて焼成してもよい。
焼成方法は、通常の焼菓子同様、好ましくは120℃〜250℃、より好ましくは160℃〜2ソフトでしっとりした食感が得られないものとなってしまうおそれがある。また250℃を超えると焦げを生じ、食味が悪くなりやすく、しっとりした食感が得られないおそれがある。
<水中油型乳化物の調製>
(製造例1)
水44.38質量部を60℃に昇温し、攪拌しながら乳清ミネラル0.4質量部、脱脂粉乳6質量部、トータルミルクプロテイン0.5質量部、グラニュー糖15質量部、クエン酸ナトリウム0.05質量部、グアーガム0.05質量部、キサンタンガム0.02質量部を溶解させた水性相を用意した。一方、パーム核油及びパーム極度硬化油を50:50の質量比率で混合した油脂を、化学触媒を用いてランダムエステル交換したエステル交換油脂2質量部、パーム分別中部油(融点:33℃)3質量部、パーム核油23質量部、大豆レシチン0.2質量部、シュガーエステル0.2質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.1質量部、香料0.1質量部、ホワイトチョコレート(砂糖含有量50質量%、粉乳類含有量15質量%、無脂乳固形分15質量%)5質量部、を溶解させた油性相を用意し、上記水性相に該油性相を加え、混合攪拌して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化し、次いでVTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃にて4秒間殺菌し、再度10MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間のエージングを行い、甘味度30超の糖類の含有量が17.5質量%、無脂乳固形分が7.7質量%である水中油型乳化物Aを得た。
(製造例2)
水47.38質量部を60℃に昇温し、攪拌しながら乳清ミネラル0.4質量部、脱脂粉乳3質量部、トータルミルクプロテイン0.5質量部、グラニュー糖15質量部、クエン酸ナトリウム0.05質量部、グアーガム0.05質量部、キサンタンガム0.02質量部を溶解させた水性相を用意した。一方、エステル交換油脂A3質量部、パーム分別中部油4質量部、パーム核油26質量部、大豆レシチン0.2質量部、シュガーエステル0.2質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.1質量部、香料0.1質量部を溶解させた油性相を用意し、上記水性相に該油性相を加え、混合攪拌して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化し、次いでVTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃にて4秒間殺菌し、再度10MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間のエージングを行い、甘味度30超の糖類の含有量が15質量%、無脂乳固形分が4.0質量%である水中油型乳化物Bを得た。
<焼菓子生地の調製、及び、焼菓子の製造>
〔実施例1〕
マーガリン(「マルシェブルターニュ ナチュレル」株式会社ADEKA製)(油分含量80質量%、水分含量15質量%、無脂乳固形分1.5質量%)75質量部、及び、ホワイトチョコレート(油分含量33質量%、水分含量0質量%、粉乳類含有量15質量%、無脂乳固形分15質量%)30質量部を湯煎で溶解し、ここに、上記水中油型乳化物A40質量部を添加、混合した。ここにあらかじめ混合しておいた全卵(正味)40質量部、及び、上白糖45質量部を添加、混合した。さらにあらかじめ混合しておいたコーンスターチ35質量部、及び、脱脂粉乳35質量部を添加し、生地が均質になるまで混合し、油分含量27質量%、水分含量20質量%、無脂乳固形分14.5質量%であるホワイトブラウニー生地である焼菓子生地Aを得た。
この焼菓子生地Aを絞り袋に入れ、幅30mm、長さ100mm、深さ30mmの紙型に35g流し込み、固定オーブンで上火160℃、下火170℃で20分間焼成し、ホワイトブラウニーである焼菓子Aを得た。
得られた焼菓子Aはなめらかでとろけるようなミルク感にあふれた風味と食感で、経日的な食感の変化も極めて少ないホワイトブラウニーであった。
〔実施例2〕
水中油型乳化物Aに代えて水中油型乳化物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って油分含量27質量%、水分含量20質量%、無脂乳固形分14.0質量%である焼菓子生地B、及び、焼菓子Bを得た。
得られた焼菓子Bは焼菓子Aに比べてややミルク感が弱く、またややねちゃつきは感じられるものの、なめらかでとろけるようなミルク感にあふれた風味と食感で、経日的な食感の変化が少ないホワイトブラウニーであった。
〔実施例3〕
マーガリン75質量部を50質量部に、ホワイトチョコレート30質量部を70質量部に、水中油型乳化物A40質量部を90質量部に、全卵(正味)40質量部を30質量部に変更した以外は、実施例1の配合及び製法に従って油分含量25質量%、水分含量21質量%、無脂乳固形分15.0質量%である焼菓子生地C、及び、焼菓子Cを得た。
得られた焼菓子Cはなめらかでとろけるようなミルク感にあふれた風味と食感で、経日的な食感の変化も極めて少ないホワイトブラウニーであった。
〔比較例1〕
マーガリン(「マルシェブルターニュ ナチュレル」株式会社ADEKA製)(油分含量80質量%、水分含量15質量%、無脂乳固形分1.5質量%)180質量部、及び、ホワイトチョコレート(油分含量33質量%、水分含量0質量%、粉乳類含有量15質量%、無脂乳固形分15質量%)270質量部を湯煎で溶解し、ここに、ここに全卵(正味)150質量部、及び、上白糖150質量部を添加、混合した。さらにあらかじめ混合しておいた薄力粉175質量部及びバーキングパウダー5質量部を添加し、さらに水45質量部を添加し、生地が均質になるまで混合し、油分含量23質量%、水分含量18質量%、無脂乳固形分4.5質量%であるホワイトブラウニー生地である焼菓子生地Dを得た。
この焼菓子生地Dを絞り袋に入れ、幅30mm、長さ100mm、深さ30mmの紙型に35g流し込み、固定オーブンで上火160℃、下火170℃で20分間焼成し、ホワイトブラウニーである焼菓子Dを得た。
得られた焼菓子Dはミルク風味は感じられるがなめらかでとろけるようなミルク感は感じられなかった。また、経日的にパサつき感が感じられる、食感の変化が大きいホワイトブラウニーであった。

Claims (5)

  1. 以下の(1)及び(2)を満たす焼菓子生地。
    (1)焼菓子生地中の油分が15質量%以上、且つ、水分が15質量%以上であること。
    (2)焼菓子生地中の無脂乳固形分が10質量%以上であること。
  2. 下記の(a)及び/又は(b)を含むことを特徴とする請求項1記載の焼菓子生地。
    (a)油脂に分散した形態で添加された粉乳類
    (b)粉体の形態で添加された粉乳類
  3. 加糖練乳及び/又はホワイトチョコレートを含有する水中油型乳化物を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の焼菓子生地。
  4. 澱粉類含量が15質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の焼菓子生地。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の焼菓子生地を焼成してなる焼菓子。
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