JP7150423B2 - 包装シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食品用包装シート、医薬用包装シート等の包装シート及びその製造方法に関するものである。
食品用包装シート、医薬用包装シート等の包装シートとしては、例えば、アルミやポリオレフィン等からなるシートがラミネートされた積層シートや、アルミ、CPP(無延伸ポリプロピレン)、PE、PET、紙等からなるシートが積層された積層シートなどが存在する(例えば、特許文献1等参照。)。そして、これらの包装シートには、内容物の品質を保つために、ガスバリア性や、防湿性、耐内容物性等が要求とされる。また、包装シートには、内容物を封止するために、ヒートシール性も要求される。この点、このヒートシール性を確保するために、内容物に面する(接する)部分は、例えば、ポリオレフィン等で形成される。一方、内容物に面しない(接しない)部分は、例えば、内容物、商品名、使用期限等を表示するために、印刷適正が要求される。また、包装シートには、以上のような本質的な要求のほかに、資源の有効活用や、低コスト化等の付随的な要求も存在する。
この点に関して、本発明者等は、木材パルプの繊維径をナノオーダーにまで微細化したセルロースナノファイバー(CNF)の活用を模索した。CNFは、フィルム(シート)の構成材料として活用することができ(例えば、特許文献2、特許文献3等参照。)、そこで、CNFを構成材料とするフィルム(シート)を包装シートとして利用するというのである。しかしながら、これらの文献は、包装シートにすることを主眼とした提案ではないため、別途、CNFを利用しつつ、包装シートとするに好適なシートを開発する必要があった。
特開平6-210802号公報 特表2015-502835号公報 特開2012-036529号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、CNFを利用した包装シート及びその製造方法を提案することにある。
上記課題を解決するための手段は、
酸素透過度1200~106ml/m2・24hr・atm、透湿度7.1~103ml/m2・24hr、MD方向の熱収縮率0.7~1.4%、TD方向の熱収縮率0.7~1.4%の無軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムで形成された樹脂フィルム層と、
この樹脂フィルム層に塗工液が塗工されて形成されたCNFフィルム層と、を有し、
前記塗工液は、セルロースナノファイバーと、グリセリン、ソルビトール、ポリビニルアセトアミド系化合物、及びポリアミドエピクロロヒドリン系化合物を添加剤として含有する、
ことを特徴とする包装シートである。
また、セルロースナノファイバーの分散液に、グリセリン、ソルビトール、ポリビニルアセトアミド系化合物、及びポリアミドエピクロロヒドリン系化合物を添加剤として添加して塗工液を得、
この塗工液を脱泡し、酸素透過度1200~106ml/m2・24hr・atm、透湿度7.1~103ml/m2・24hr、MD方向の熱収縮率0.7~1.4%、TD方向の熱収縮率0.7~1.4%の無軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムからなる層に塗工し、乾燥させてCNFフィルム層を形成する、
ことを特徴とする包装シートの製造方法である。
本発明によると、CNFを利用した包装シート及びその製造方法となる。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例である。以下の実施形態には、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更を加えることができる。
本形態の包装シートの製造方法においては、セルロースナノファイバー(CNF)の水溶液(分散液)に、グリセリン、ソルビトール、及びポリビニルアセトアミド系化合物の中から選択した1種以上の添加剤を添加して塗工液を得、この塗工液を脱泡し、樹脂フィルム層に塗工して乾燥させることで、樹脂フィルム層及びCNFフィルム層を有する積層構造の包装シートを得る。また、必要により、CNFの分散液に、アルギン酸塩、ポリアミドエピクロロヒドリン系化合物等の添加剤を添加して塗工液を得る。以下、順に説明する。
(CNF)
CNF(セルロースナノファイバー、セルロース微細繊維)は、セルロース繊維(原料繊維)を解繊(微細化)することで得られる。
原料繊維としては、例えば、植物由来の繊維、動物由来の繊維、微生物由来の繊維等を使用することができる。これらの繊維は、必要により、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。ただし、原料繊維としては、植物由来の繊維(植物繊維)を使用するのが好ましく、植物繊維の一種であるパルプ繊維を使用するのがより好ましい。原料繊維がパルプ繊維であると、CNFの物性を調節するのが容易である。
植物繊維としては、例えば、広葉樹、針葉樹等を原料とする木材パルプ、ワラ、バガス等を原料とする非木材パルプ、回収古紙、損紙等を原料とする古紙パルプ(DIP)等を使用することができる。これらの植物繊維は、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
木材パルプとしては、例えば、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)等の化学パルプ、機械パルプ(TMP)、古紙パルプ(DIP)等を使用することができる。これらの木材パルプは、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。ただし、樹脂フィルム層と一体化され易いこと、樹脂フィルム層と一体化されたうえでの寸法安定に優れることから、木材パルプとしては化学パルプを使用するのがより好ましい。
広葉樹クラフトパルプ(LKP)は、広葉樹晒クラフトパルプであっても、広葉樹未晒クラフトパルプであっても、広葉樹半晒クラフトパルプであってもよい。針葉樹クラフトパルプ(NKP)は、針葉樹晒クラフトパルプであっても、針葉樹未晒クラフトパルプであっても、針葉樹半晒クラフトパルプであってもよい。古紙パルプ(DIP)は、雑誌古紙パルプ(MDIP)であっても、新聞古紙パルプ(NDIP)であっても、段古紙パルプ(WP)であっても、その他の古紙パルプであってもよい。
原料繊維は、解繊するに先立って、必要により、叩解等の前処理を施すことができる。この前処理は、物理的手法又は化学的手法によって、好ましくは物理的手法及び化学的手法によって行うことができる。解繊するに先立って物理的手法や化学的手法によって前処理することで、解繊の回数を大幅に減らすことができ、解繊に必要なエネルギーを大幅に削減することができる。
物理的手法による前処理としては、叩解を採用するのが好ましい。原料繊維を叩解しておくと、原料繊維が切り揃えられるため、繊維同士が絡み合って凝集するとの問題が解決される。このような観点から、叩解は、原料繊維のフリーネスが120ml以下となるまで行うのが好ましく、110ml以下となるまで行うのがより好ましく、100ml以下となるまで行うのが特に好ましい。なお、フリーネスは、JIS P8121-2(2012)に準拠して測定した値である。
叩解は、例えば、リファイナーやビーター等を使用して行うことができる。
化学的手法による前処理としては、例えば、酸による多糖の加水分解(酸処理)、酵素による多糖の加水分解(酵素処理)、アルカリによる多糖の膨潤(アルカリ処理)、酸化剤による多糖の酸化(酸化処理)、還元剤による多糖の還元(還元処理)等を採用することができる。ただし、酵素処理を行い、その後に叩解処理を行うと、得られるCNFフィルム層の樹脂フィルム層との一体性が向上する。
前処理としての物理的手法及び化学的手法は、同時に行うことも、別々に行うこともできる。
前処理としては、以上のほか、例えば、リン酸エステル化処理、アセチル化処理、シアノエチル化処理等の薬品処理を行うこともできる。
原料繊維は、叩解等の前処理を施した後、解繊(微細化)する。この解繊により、原料繊維がミクロフィブリル化し、CNF(セルロースナノファイバー)になる。
原料繊維の解繊は、例えば、高圧ホモジナイザー、高圧均質化装置等のホモジナイザー、グラインダー、摩砕機等の石臼式摩擦機、コニカルリファイナー、ディスクリファイナー等のリファイナー等の各種装置等の中から1種又は2種以上の手段を選択使用して行うことができる。ただし、原料繊維の解繊は、水流、特に高圧水流で解繊する装置・方法を使用して行うのが好ましい。この装置・方法によると、得られるCNFの寸法均一性、分散均一性が非常に高いものとなる。これに対し、例えば、回転する砥石間で磨砕するグラインダーを使用すると、繊維を均一に解繊するのが難しく、一部に解れない繊維塊が残ってしまい、目的とする効果が得られないおそれがある。この点、本発明者等は、高圧水流で解繊する方法と、回転する砥石間で磨砕する方法とで、それぞれパルプ繊維を解繊し、得られた各繊維を顕微鏡観察する試験を行った。結果、高圧水流で解繊する方法で得られた繊維の方が、繊維幅が均一になることを知見した。
高圧水流で解繊する装置としては、例えば、株式会社スギノマシンのスターバースト(登録商標)や、吉田機械興業株式会社のナノヴェイタ\Nanovater(登録商標)等が存在する。また、グラインダーとしては、例えば、増幸産業株式会社のマスコロイダー(登録商標)等が存在する。
次に、高圧水流で解繊する方法について、詳細に説明する。
高圧水流による解繊は、原料繊維の分散液を増圧機で、例えば30MPa以上、好ましくは100MPa以上、より好ましくは150MPa以上、特に好ましくは220MPa以上に加圧し(高圧条件)、細孔直径50μm以上のノズルから噴出させ、圧力差が、例えば30MPa以上、好ましくは80MPa以上、より好ましくは90MPa以上となるように減圧する(減圧条件)方式で行うと好適である。この圧力差で生じるへき開現象により、原料繊維が解繊される。高圧条件の圧力が低い場合や、高圧条件から減圧条件への圧力差が小さい場合には、解繊効率が下がり、所望の繊維径とするために噴出を繰り返す必要が生じるおそれがある。
高圧水流で解繊する装置としては、高圧ホモジナイザーを使用するのが好ましい。高圧ホモジナイザーとは、例えば10MPa以上、好ましくは100MPa以上の圧力で原料繊維の分散液を吐出することができるホモジナイザーである。原料繊維を高圧ホモジナイザーで処理すると、原料繊維同士の衝突、圧力差、マイクロキャビテーション等が作用し、解繊が効果的に生じる。したがって、解繊の回数を減らすことができ、CNFの製造効率を高めることができる。なお、前処理によって原料繊維が十分に柔軟化されていると、高圧ホモジナイザーによって効果的に解繊することができる。したがって、解繊の回数を減らすことができ、生産性を高めることができる。
高圧ホモジナイザーとしては、原料繊維の分散液を一直線上で対向衝突させるものを使用するのが好ましい。このような装置としては、例えば、対向衝突型高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー/MICROFLUIDIZER(登録商標)、湿式ジェットミル)が存在する。この装置においては、加圧された原料繊維の分散液が合流部で対向衝突するように2本の上流側流路が形成されている。また、原料繊維の分散液は、合流部で衝突し、衝突した原料繊維の分散液は下流側流路から流出する。上流側流路に対して下流側流路は垂直に設けられており、上流側流路と下流側流路とでT字型の流路が形成されている。この装置を使用すると、当該装置のエネルギーが衝突エネルギーに最大限に変換されるため、より効率的に原料繊維を解繊することができる。
原料繊維の解繊は、得られるCNFの平均繊維径、平均繊維長、保水度、結晶化度、擬似粒度分布のピーク値、パルプ粘度が、以下に示すような所望の値又は評価となるように行うのが好ましい。ただし、原料繊維が所定の繊維径(平均繊維径)になるまで解繊するのがより好ましい。原料繊維が所定の繊維径になるまで解繊することで、CNFの保水度を低く抑えることができる。結果、塗工液の塗工性を向上させることができる。
(平均繊維径)
CNFの平均繊維径(単繊維の直径平均)は、例えば4~500nm、好ましくは6~300nm、より好ましくは10~100nmである。CNFの平均繊維径は、例えば、原料繊維の選定、前処理、解繊等によって調整することができる。
CNFの平均繊維径の測定方法は、次のとおりである。
まず、固形分濃度0.01~0.1質量%のCNFの水分散液100mlをテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、エタノール100mlで1回、t-ブタノール20mlで3回溶媒置換する。次に、凍結乾燥し、オスミウムコーティングして試料とする。この試料について、構成する繊維の幅に応じて5,000倍、10,000倍又は30,000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡SEM画像による観察を行う。具体的には、観察画像に二本の対角線を引き、対角線の交点を通過する直線を任意に三本引く。さらに、この三本の直線と交錯する合計100本の繊維の幅を目視で計測する。そして、計測値の中位径を平均繊維径とする。
(平均繊維長)
CNFの平均繊維長(単繊維の長さ)は、例えば1~5,000μm、好ましくは10~3,000μm、より好ましくは100~1,000μmである。CNFの平均繊維長は、例えば、原料繊維の選定、前処理、解繊等によって調整することができる。平均繊維長の測定方法は、平均繊維径の場合と同様にして、各繊維の長さを目視で計測する。計測値の中位長を平均繊維長とする。
(保水度)
CNFの保水度は、例えば300~500%、好ましくは350~480%、より好ましくは380~450%である。CNFの保水度は、例えば、原料繊維の選定、前処理、解繊等によって調整することができる。保水度は、JAPAN TAPPI No.26(2000)に準拠して測定した値である。
(結晶化度)
CNFの結晶化度は、例えば50~90%、好ましくは55~88%、より好ましくは60~85%である。CNFの結晶化度は、例えば、原料繊維の選定、前処理、解繊等によって調整することができる。結晶化度は、JIS-K0131(1996)の「X線回折分析通則」に準拠して、X線回折法により測定した値である。この点、CNFは、非晶質部分と結晶質部分とを有しており、結晶化度はCNF全体における結晶質部分の割合を意味している。
(ピーク値)
CNFの擬似粒度分布曲線におけるピーク値は、1つのピークであるのが好ましい。1つのピークである場合、CNFは、繊維長及び繊維径の均一性が高く、乾燥性に優れる。
CNFのピーク値は、例えば5~25μm、好ましくは7~23μm、より好ましくは10~20μmである。CNFのピーク値は、例えば、原料繊維の選定、前処理、解繊等によって調整することができる。ピーク値は、ISO-13320(2009)に準拠して測定した値である。より詳細には、まず、粒度分布測定装置(株式会社セイシン企業のレーザー回折・散乱式粒度分布測定器)を使用してCNFの水分散液の体積基準粒度分布を調べる。次に、この分布からCNFの中位径を測定する。この中位径をピーク値とする。
(パルプ粘度)
CNFのパルプ粘度は、例えば1.5~7.0cps、好ましくは1.8~6.8cps、より好ましくは2.0~6.5cpsである。CNFのパルプ粘度は、例えば、原料繊維の選定、前処理、解繊等によって調整することができる。パルプ粘度は、JIS-P8215(1998)に準拠して測定した値である。パルプ粘度が高いほどセルロースの重合度が高いことを意味する。
(CNFの分散液)
解繊して得られたCNFは、水系媒体中に分散して分散液にする。水系媒体は、全量が水であるのが特に好ましい(水溶液)。ただし、水系媒体は、一部が水と相溶性を有する他の液体であってもよい。この他の液体としては、例えば、炭素数3以下の低級アルコール類等を使用することができる。
分散液は、主成分、好ましくは1.0質量%以上がCNFとなるように調整するのが好ましい。また、分散液の固形分濃度は、取扱いが容易であることから、1.0質量%以上にするのが好ましい。
CNFの濃度を2質量%(w/w)とした場合における分散液のB型粘度は、塗工性の観点から、3,000cps以下であるのが好ましい。B型粘度は、固形分濃度1%のCNFの分散液について、JIS-Z8803(2011)の「液体の粘度測定方法」に準拠して測定した値である。B型粘度は分散液を攪拌させたときの抵抗トルクであり、高いほど攪拌に必要なエネルギーが多くなることを意味する。
以上のようにして得たCNFの分散液には、以下で示す添加剤を添加する。本形態においいては、添加剤を添加することで、以下で特定する樹脂フィルム層との一体性に優れるCNFフィルム層が得られる。また、CNFフィルム層及び樹脂フィルム層が一体化された状態での寸法安定性に優れ、外観が良好な包装シートが得られる。しかも、包装シートを製造する工程が複雑になるおそれもない。以下、添加剤について、順に説明する。
(グリセリン)
グリセリン(グリセロール)とは、3価のアルコールである。グリセリンは、例えば、油脂の加水分解によって脂肪酸と共に得られる。本明細書において、グリセリンには、グリセリンの誘導体も含む。
添加剤としてグリセリンが添加されていると、CNFフィルム層の柔軟性が向上する。また、塗工液の乾燥時における収縮シワや割れが軽減され、CNFフィルム層の外観が良好なものとなる。
グリセリンとしては、化学修飾していないグリセリンを使用するのが好ましい。化学修飾していないグリセリンを使用すると、CNFの分散性が向上し、CNFフィルム層が均質化する。また、化学修飾していないグリセリンを使用すると、CNFフィルム層の柔軟性がより向上する。これは、化学修飾していないグリセリンが結晶化し難いことに由来する。
グリセリンの添加量(含有量)は、塗工液全量に対して、1.0~12.0質量%とするのが好ましく、2.0~10.0質量%とするのがより好ましく、3.0~10.0質量%とするのが特に好ましい。添加量が1.0質量%未満であると、CNFフィルム層の柔軟性が十分なものとはならないおそれがある。また、塗工液の乾燥時に収縮シワや割れが生じるおそれがある。他方、添加量が10.0質量%を超えると、グリセリンの凝集を原因としてCNFフィルム層に微小物が発生するおそれがある。また、微小物によってCNFフィルム層側へ印刷する際に、印字不良となるおそれがある。
(ソルビトール)
ソルビトールとは、グルコースの糖アルコールの一種である。本明細書において、ソルビトールには、ソルビトールの誘導体も含む。
添加剤としてソルビトールが添加されていると、CNF分散液の流動性が向上し、また、他の添加剤との相溶性が向上する。結果、CNFフィルム層が均質化し、その外観も良好なものとなる。添加剤としてソルビトールが添加されていると、CNFフィルム層の強度が向上する。
ソルビトールとしては、化学修飾していないソルビトールを使用するのが好ましい。化学修飾していないソルビトールを使用すると、水酸基を有する他の添加剤との相溶性が向上する。
ソルビトールの添加量(含有量)は、塗工液全量に対して、1.0~12.0質量%とするのが好ましく、2.0~10.0質量%とするのがより好ましく、3.0~10.0質量%とするのが特に好ましい。添加量が1.0質量%未満であると、CNF分散液の流動性が低下し、塗工性に難が生じるおそれがある。結果、CNFフィルム層の外観が劣ったものになるおそれがある。他方、添加量が10.0質量%を超えると、CNFフィルム層がもろくなり割れの原因となるおそれがある。
(ポリビニルアセトアミド系化合物)
添加剤としてポリビニルアセトアミド系化合物を添加すると、添加剤同士の相溶性が向上する。結果、CNFフィルム層の外観が良好なものとなる。また、添加剤としてポリビニルアセトアミド系化合物を添加すると、CNF分散液のせん断応力が低下し、CNFフィルム層の厚さを均一にするのが容易になる。
ポリビニルアセトアミド系化合物としては、体積平均分子量が5000~2000000(より好適には、7000~18000)のポリ-N-ビニルアセトアミドを使用するのが好ましい。なお、ポリ-N-ビニルアセトアミドは、N-ビニルアセトアミドを主モノマーとする親水性・親アルコール性のポリマーである。
ポリビニルアセトアミド系化合物の添加量(含有量)は、塗工液全量に対して、1.0~12.0質量%とするのが好ましく、2.0~10.0質量%とするのがより好ましく、3.0~10.0質量%とするのが特に好ましい。添加量が1.0質量%未満であると、添加剤同士の相溶性が十分に向上せず、凝集物が発生するおそれがある。他方、添加量が10.0質量%を超えると、CNF分散液のせん断応力が低下し、CNFフィルム層の厚さを均一にすることができないおそれがある。
樹脂フィルム層に塗工される塗工液の各々の添加剤は、グリセリンの含有量が1.0~12.0質量%、ソルビトールの含有量が1.0~12.0質量%、又はポリビニルアセトアミド系化合物の含有量が1.0~12.0質量%であり、かつ、グリセリン、ソルビトール、及びポリビニルアセトアミド系化合物の合計含有量が8.0~12.0質量%であるのが好ましく、8.5~11.5質量%であるのがより好ましく、8.5~11.0質量%であるのが特に好ましい。合計添加量が8.0質量%未満であると、CNFフィルム層の外観が良好にならないおそれがある。他方、添加量が12.0質量%を超えると、CNFフィルム層にムラが生じ、ガスバリア性にバラツキが発生するおそれがある。なお、上記添加剤の合計含有量は、グリセリン、ソルビトール、及びポリビニルアセトアミド系化合物が全て含まれていなければならないとする趣旨ではなく、いずれかの添加剤が含まれていない場合にも該当する。
(アルギン酸塩)
アルギン酸とは、褐藻類から得られる粘り気の強い酸性多糖類である。アルギン酸塩とは、その塩である。添加剤としてアルギン酸塩を添加すると、CNFフィルム層の強度が向上する。
アルギン酸塩としては、アルギン酸ナトリウム及びアルギン酸カリウムの少なくともいずれか一方を使用するのが好ましい。これらのアルギン酸塩を使用すると、アルギン酸塩自体が持つ被膜性により、CNFフィルム層の強度がより向上する。
アルギン酸塩の添加量(含有量)は、塗工液全量に対して、1.0~6.0質量%とするのが好ましく、2.0~6.0質量%とするのがより好ましく、3.0~6.0質量%とするのが特に好ましい。添加量が1.0質量%未満であると、CNFフィルム層の強度を向上させるに不十分となるおそれがある。他方、添加量が6.0質量%を超えると、CNFフィルム層の柔軟性が失われ、収縮シワ等が発生するおそれがある。
(ポリアミドエピクロロヒドリン系化合物)
添加剤としてポリアミドエピクロロヒドリン系化合物を添加すると、CNFフィルム層の湿潤強度が向上する。
ポリアミドエピクロロヒドリン系化合物の添加量(含有量)は、塗工液全量に対して、0.1~2.0質量%とするのが好ましく、0.3~2.0質量%とするのがより好ましく、0.5~2.0質量%とするのが特に好ましい。添加量が0.1質量%未満であると、CNFフィルム層の湿潤強度を向上させるに不十分となるおそれがある。他方、添加量が2.0質量%を超えると、添加剤が凝集する可能性がある。
(その他の添加剤)
CNFの分散液には、必要により、例えば、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、無機又は有機の充填剤、金属粉、顔料、染料、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤等を添加することができる。
(塗工液)
CNFの分散液に各種添加剤を添加して得た塗工液は、塗工性の観点から、固形分濃度を0.5~2.0質量%とするのが好ましい。また、塗工液のB型粘度は、同様の理由から、500~3500cpsとするのが好ましい。塗工液の固形分濃度やB型粘度を以上の範囲に調製する方法としては、添加剤を添加する際に水等を加えて希釈する方法、粘度を調整する他の添加剤を加える方法等が存在する。
(脱泡工程)
本形態においては、塗工液の脱泡を行う。塗工液の脱泡方法としては、例えば、羽根付き攪拌機等で撹拌した後、自然脱泡(静置)し、あるいは攪拌真空脱泡する方法が存在する。しかし、CNFは、高剪断力の条件化でチキソトロピー性を示すため、自然脱泡や攪拌真空脱泡では気泡が完全に消失しないおそれがある。そこで、気泡を完全に消失させるために、塗工液を薄い膜状にし、気泡を弾かせるのが好ましい。この気泡を弾かせる方法としては、塗工液を容器に投入し、当該容器を公転させながら当該容器内の塗工液を自転させる(遊星回転)方法によるのが好ましい。この方法においては、遠心力によって塗工液中の比重の重い液体が外側へ移動し、かつ、当該液体中に混入する気泡が内側へ押し出されて液体と分離され、もって脱泡される。また、塗工液を投入した容器は、公転作用を受けながら自転作用を受けるため、容器内の塗工液にはラセン状の流れ(渦流)が発生し、この渦流によって攪拌される。なお、脱泡工程においては、塗工液の性質(特に、粘度)に応じて、公転数及び自転数を適宜に変更することができる。また、容器の公転中に当該容器の自転方向を正逆変更することができる。
(樹脂フィルム層)
塗工液塗工の対象となる樹脂フィルム層は、無軸延伸樹脂フィルムで形成されているのが好ましく、無軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムで形成されているのがより好ましく、酸素透過度102~106ml/m2・24hr・atm(好適には102~104ml/m2・24hr・atm)、透湿度10-1~103ml/m2・24hr(好適には10-1~102ml/m2・24hr)、MD方向(流れ方向)の熱収縮率-0.6~1.4%、TD方向(垂直方向)の熱収縮率0.2~1.4%(好適にはMD方向-0.4~1.2%、TD方向0.4~1.2%)の無軸延伸樹脂フィルム層で形成されているのが特に好ましい。樹脂フィルムが無軸延伸であると、低熱収縮率を示し、外観への影響が少ない。また、酸素透過度が上記範囲内であれば、塗工液がフィルム化すると高い酸素ガスバリア性を示すため、樹脂フィルムの酸素ガスバリア性不足を補う効果が得られる。さらに、透湿度が上記範囲内であれば、塗工液がフィルム化した際、防湿性が低いため、樹脂フィルムの防湿性がCNFフィルム層の防湿性を補う効果が得られる。また、熱収縮率が上記範囲内であれば、樹脂フィルム層の熱収縮と塗工液がフィルム化する時の収縮とがほぼ一致するため、カールの発生を抑制することができる。さらに、MD方向の熱収縮率とTD方向の熱収縮率とを異なるものとする(MD方向<TD方向)ことで、樹脂フィルム層の熱収縮特性とCNFフィルム層の熱収縮特性とが類似することになり、得られる包装シートの外観異常を抑えることができる。
なお、酸素透過度は、JIS K 7126に準拠して測定した値である。また、透湿度は、JIS Z 0208に準拠して測定した値である。さらに、熱収縮率は、JIS K 6782に準拠して測定した値である。
樹脂フィルム層は、例えば、光学樹脂シート、弾性樹脂シート、高分子樹脂シート等によって形成することができる。高分子樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン等からなるプラスチックシートを使用することができる。また、高分子樹脂シートとしては、適宜のシートにシリコーン化合物やフッ素化合物等の離型剤を塗布したシートも使用することができる。ただし、樹脂フィルム層は、ヒートシール性のあるポリプロピレン(PP)フィルム、特に無軸延伸ポリプロピレン(CPP)によって形成するのが好ましい。
樹脂フィルム層の厚さは、40~100μmであるのが好ましく、40~80μmであるのがより好ましく、50~70μmであるのが特に好ましい。樹脂フィルム層の厚さが40μm未満であると、塗工液がフィルム化する際に、樹脂フィルム層が熱収縮して外観異常となるおそれがある。他方、樹脂フィルム層の厚さが100μmを超えると、樹脂フィルム層とCNFフィルム層との収縮差を原因として、包装シートにシワや割れが形成される(外観の低下)おそれがある。
樹脂フィルム層の流れ方向(MD)の引張強さは、35~70MPaであるのが好ましく、35~60MPaであるのがより好ましく、37~45MPaであるのが特に好ましい。また、樹脂フィルム層の垂直方向(TD)の引張強さは、22~52MPaであるのが好ましく、25~47MPaであるのがより好ましく、30~45MPaであるのが特に好ましい。なお、引張強さは、JIS K 7127に準拠して測定した値である。
樹脂フィルム層の流れ方向(MD)の引張伸びは、350~800MPaであるのが好ましく、400~750MPaであるのがより好ましく、450~700MPaであるのが特に好ましい。また、樹脂フィルム層の垂直方向(TD)の引張伸びは、530~740MPaであるのが好ましく、550~720MPaであるのがより好ましく、570~700MPaであるのが特に好ましい。なお、引張伸びは、JIS K 7127に準拠して測定した値である。
樹脂フィルム層の流れ方向(MD)の加熱収縮率(120℃、30分)は、-0.7~2.2%であるのが好ましく、-0.5~1.5%であるのがより好ましく、-0.3~0.9%であるのが特に好ましい。また、樹脂フィルム層の垂直方向(TD)の加熱収縮率(120℃、30分)は、-0.7~1.6%であるのが好ましく、-0.5~1.0%であるのがより好ましく、-0.3~0.8%であるのが特に好ましい。なお、加熱収縮率(120℃、30分)は、JIS K 6782して測定した値である。
樹脂フィルム層の120℃におけるヒートシール強度は、0.0~0.6N/25mmであるのが好ましく、0.0~0.5N/25mmであるのがより好ましく、0.0~0.4N/25mmであるのが特に好ましい。また、樹脂フィルム層の135℃におけるヒートシール強度は、0.0~3.0N/25mmであるのが好ましく、0.3~2.5N/25mmであるのがより好ましく、0.5~2.0N/25mmであるのが特に好ましい。さらに、樹脂フィルム層の150℃におけるヒートシール強度は、0.5~15.0N/25mmであるのが好ましく、1.0~10.0N/25mmであるのがより好ましく、2.0~8.0N/25mmであるのが特に好ましい。また、樹脂フィルム層の185℃におけるヒートシール強度は、1.0~40.0N/25mmであるのが好ましく、2.0~35.0N/25mmであるのがより好ましく、3.0~30.0N/25mmであるのが特に好ましい。なお、シートヒール強度は、樹脂フィルム層の表面にCNFフィルム層が形成されることで得られる包装シートの樹脂フィルム層側にPETフィルム(東洋紡 A4100 100μm)を挟み込み、各温度にて0.2MPa、1秒にてヒートシールしたものをT型剥離にて引張った際の抵抗値を測定した値である。
なお、以上のヒートシール強度に関して、塗工液を塗工しフィルム化する際には乾燥させるために最大120℃程度の熱をかけることから、135℃でもヒートシール強度が低いことが要求される。
樹脂フィルム層のヘーズは、0~80%であるのが好ましく、0~70%であるのがより好ましく、0~60%であるのが特に好ましい。なお、ヘーズは、JIS K 7136:2000に準拠して測定した値である。
塗工液を塗工するに先立って、樹脂フィルム層の片面又は両面は、コロナ処理又は易接着処理しておくのが好ましい。これらの処理を施しておくことで、CNFフィルム層と樹脂フィルムとの層間強度が強固となる。なお、コロナ処理とは、処理基材表面をコロナ放電照射により改質させる表面処理技術のことである。また、易接着処理とは、プラスチックフィルム表面に樹脂コーティングを施し、フィルム表面と塗工液(フィルム化した層)との接着性を向上させる処理のことである。
(塗工)
樹脂フィルム層に対する塗工液の塗工方式は、連続方式であっても、バッチ方式であってもよい。連続方式としては、例えば、塗工液を塗工装置に連続的に供給し、当該塗工装置に取り付けたダイ等の吐出手段によって塗工液を樹脂フィルム層上に薄く(薄層に)押し出す方法や、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、リバースコーター、グラビアコーター等を使用して塗工する方法等を例示することができる。バッチ方式としては、例えば、塗工液を樹脂フィルム層上に流延し、アプリケーター、マイヤーバー、ナイフコーター等を使用して薄層を形成する方法等を例示することができる。
(乾燥)
樹脂フィルム層に塗工した塗工液の乾燥は、例えば、乾燥風を当てる等して行うことができる。塗工液の乾燥は、単独の乾燥工程で行っても、複数の乾燥工程を組み合わせて行ってもよい。
(CNFフィルム層)
以上のようにして樹脂フィルム層の表面に塗工液を塗工することで形成されたCNFフィルム層の存在により、酸素ガスバリア性と積層フィルムの引張強度を増すことができるので、アルミ層等を存在させる必要がなくなり、したがって製造コストを削減することができる。
塗工液が乾燥することで得られるCNFフィルム層は、厚さが10~1000μmであるのが好ましく、12~500μmであるのがより好ましく、15~100μmであるのが特に好ましい。CNFフィルム層の厚さが10μm未満であると、目的とする強度が得られないおそれがある。他方、厚さが1000μmを超えると、塗工液の乾燥工程に大規模な装置が必要となり、製造工程が複雑化するおそれがある。なお、CNFフィルム層の厚さは、JIS P8118(2014)「紙及び板紙-厚さ、密度及び比容積の試験方法」に準拠して測定した値である。
塗工液が乾燥することで得られるCNFフィルム層は、坪量が5.0~100.0g/m2であるのが好ましく、10.0~80.0g/m2であるのがより好ましく、20.0~60.0g/m2であるのが特に好ましい。坪量が5.0g/m2未満であると、目的とする強度が得られない可能性がある。他方、坪量が100.0g/m2を超えると、乾燥工程に大規模な装置が必要となり、製造工程が複雑化するおそれがある。なお、CNFフィルム層の坪量は、JIS P8124(2011)「紙及び板紙-坪量測定方法」に準拠して測定した値である。
(包装シート)
樹脂フィルム層の表面にCNFフィルム層が形成されることで得られる包装シートは、厚さが50~100μmであるのが好ましく、55~90μmであるのがより好ましく、57~80μmであるのが特に好ましい。包装シートの厚さが50μm未満であると、引張強度不足となるおそれがある。他方、包装シートの厚さが100μmを超えると、引張伸びが高く、内容物の取り出しが困難となるおそれがある。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更を加えることができる。また、以下の表中において、「質量%」は、絶乾質量割合である。
(基材)
まず、今回の試験では、樹脂フィルム層として表1に示す物性の各種基材を用意した。なお、各種物性の測定方法は、先に説明したとおりである。
Figure 0007150423000001
(包装シート)
次に、上記基材を利用して包装シートを製作し、各包装シートについて、各種評価をする試験を行った。詳細は、以下のとおりである。
まず、製紙用の広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を2.0質量%水分散液とした。この水分散液を、リファイナーを使用してフリーネスが100ml以下となるまで叩解し、更に高圧ホモジナイザーを使用して微細化(解繊)した。このようにして、CNF(平均繊維長1,5μm、平均繊維径39nm、保水度280%、結晶化度78%、ピーク値20μm、パルプ粘度3.3cps)を得た。
次に、以上のようにして得たCNFの分散液(水溶液)に、添加剤を添加して塗工液(塗液A~E)を得た(表2参照)。塗液A~Dは、倉敷紡績(株)製の攪拌装置(製品名:KK-400W)を使用して、攪拌及び脱泡(試験2-9を除く)した。各種添加剤としては、次のものを使用した。
グリセリン :製品名「精製グリセリン」(坂本薬品工業株式会社製)
ソルビトール:製品名「ソルビットKK(60%)」(MCフードスペシャリティーズ株式会社製)
ポリビニルアセトアミド系化合物:製品名「GE191-053」(昭和電工株式会社製)
ポリアミドエピクロロヒドリン系化合物:商品名「WS4024」(星光PMC株式会社製)
得られた塗工液は、基材の一方の面に得られるCNFフィルム層の厚さが6μmとなるように塗工した。この塗工は、コンマコーターを使用して行った。塗工によって形成された包装シートの評価を、表2に示した。なお、表中の「質量」は、絶乾質量割合である。また、表中の評価基準は、次のとおりである。
(塗液適性:皺(シワ)・割れ)
◎:割れ・シワがない。
○:極微細なシワが部分的に見られるが、割れはない。
△:線状の割れ・シワがあり、実用上にやや難がある(最大の割れの長さが5mm未満)。
×:線状の割れ・シワがあり、実用上、使用できない(最大の割れの長さが5mm以上)。
(塗膜適性:気泡)
◎:10cm角の間に、気泡の混入なし。
○:10cm角の間に、1mm大の気泡の混入が1~2個みられる。
△:10cm角の間に、1mm大の気泡の混入が3~5個みられ、実用上にやや難がある。
×:10cm角の間に、1mm大の気泡の混入が5個を超えてみられ、実用上、使用できない。
(塗膜適性:強度)
JIS P8113(2006)「紙及び板紙-引張特性の試験方法」に準拠して、測定した。
Figure 0007150423000002
本発明は、包装シート及びその製造方法として利用可能である。

Claims (4)

  1. 酸素透過度1200~106ml/m2・24hr・atm、透湿度7.1~103ml/m2・24hr、MD方向の熱収縮率0.7~1.4%、TD方向の熱収縮率0.7~1.4%の無軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムで形成された樹脂フィルム層と、
    この樹脂フィルム層に塗工液が塗工されて形成されたCNFフィルム層と、を有し、
    前記塗工液は、セルロースナノファイバーと、グリセリン、ソルビトール、ポリビニルアセトアミド系化合物、及びポリアミドエピクロロヒドリン系化合物を添加剤として含有する、
    ことを特徴とする包装シート。
  2. 前記樹脂フィルム層は、厚さが40~100μmで、かつ、片面又は両面がコロナ処理又は易接着処理されている、
    請求項1に記載の包装シート。
  3. 前記塗工液は、前記グリセリンの含有量が3.0~12.0質量%、前記ソルビトールの含有量が3.0~12.0質量%、前記ポリビニルアセトアミド系化合物の含有量が5.0~12.0質量%、前記ポリアミドエピクロロヒドリン系化合物の含有量が0.5~2.0質量%で、かつ前記グリセリン、前記ソルビトール、及び前記ポリビニルアセトアミド系化合物の合計含有量が8.0~12.0質量%である、
    請求項1又は請求項2に記載の包装シート。
  4. セルロースナノファイバーの分散液に、グリセリン、ソルビトール、ポリビニルアセトアミド系化合物、及びポリアミドエピクロロヒドリン系化合物を添加剤として添加して塗工液を得、
    この塗工液を脱泡し、酸素透過度1200~106ml/m2・24hr・atm、透湿度7.1~103ml/m2・24hr、MD方向の熱収縮率0.7~1.4%、TD方向の熱収縮率0.7~1.4%の無軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムからなる層に塗工し、乾燥させてCNFフィルム層を形成する、
    ことを特徴とする包装シートの製造方法。
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