JP7141781B1 - タオル生地及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソフトで膨らみのある風合いを有し、洗濯早乾き性、毛羽落ち性に優れ、洗濯の風合い変化が少なく、吸水性を兼備するタオル生地及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明のタオル生地1は、タテパイル糸2a,2bが地糸3,4a,4bに係止され、少なくともタテパイル糸2a,2bの単繊維繊度が0.5~10.0デシテックスのポリエステルマルチフィラメントの仮撚糸と、綿繊維との精紡交撚糸で構成されている。マルチフィラメントの仮撚糸は、JIS L1095 2010 9.24.3C法で測定される糸の熱水収縮率(沸騰水収縮率)による捲縮発現率が8%~50%であるのが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、ソフトで膨らみのある風合いを有し、洗濯早乾き性、毛羽落ち性に優れ、洗濯の風合い変化が少なく、吸水性を兼備するタオル生地及びその製造方法に関する。
近年、タオルについて消費者から益々、風合いの多様化と高機能化が求められている。とくに洗濯する場合は、タオルを構成する綿繊維は繊維の中心まで吸水するので、吸水性が良い反面、水切り性が良くないので、乾燥が遅く、家庭のみならず、ホテルや医療関係や介護施設での電気エネルギーロスが大きく、課題がある。また、洗濯ではタオルの他に別の洗濯物と混ぜ洗いする場合が多く、その時に別の洗濯物にタオルの白い毛羽が付着することや、また、ふろ上がりで汗を拭いた時にタオルの毛羽が肌に付き不快なことをよく経験する。更には、タオルは初期の着用ではソフトでふんわりした風合いであるが、洗濯を重ねていくうち、どんどん硬くなり初期の風合いが損なわれるという課題がある。
かかる課題について疎水性素材の合繊を綿に混紡する方法、例えばポリエステルの短繊維を綿に混紡したものがあるが、確かに洗濯での寸法安定性等は改善されるが、紡績糸に起因する毛羽落ちやピリング(毛玉)が発生し、上述した脱毛性等の根本的な解決には至らないのが実状である。また、本発明者らはかかる課題に対し、洗濯時の風合い変化や毛羽落ち性に対して一定の効果が見られた(文献1)。しかし、パイル糸の芯糸がポリエステルマルチフィラメントの延伸糸(ナマ糸)であり、反発性があるものの、ソフトさや膨らみ感に欠け、風合い改善等の余地があった。また、パイル糸に仮撚糸を用いるものとしてはレーヨン等の再生繊維を仮撚した両面パイル編み織物があるが(特許文献2)、レーヨンは親水性の再生繊維であり、仮撚の熱セット性に乏しく、パイルの捲縮発現性および捲縮の耐久性が低く、難点が見られる。更には合成繊維の仮撚糸を2枚の織物の繋ぎ糸として用いたガーゼのパイル織物があるが(特許文献3)、タオル生地に適用するのは困難である。また、芯:合成繊維、鞘:親水性繊維のコアヤーンのクリンプ加工糸のタオル様両面パイル編み織物の提案があるが(特許文献4)、クリンプ加工糸は捲縮の発現はごく小さいもので、風合いを大きく変えることは困難である。更には、ポリエステル主体の合成繊維の超極細繊維をタオルのパイルに持つタオル生地があるが(特許文献5)、ソフトで膨らみのある風合いを発現させるのは困難である。
特開2021-50462号公報 実開平2-136085号公報 特開平1-162841号公報 実開平2-149781号公報 特開平3-27149号公報
以上のように、前記従来技術は、表面がソフトで膨らみのある風合いを有し、洗濯早乾き性、毛羽落ち性に優れ、洗濯の風合い変化が少なく、吸水性を兼備するタオル生地とすることは困難であった。
本発明はタオル地に特徴を最大限に活かすべく鋭意検討した結果、ソフトで膨らみのある風合いを有し、洗濯早乾き性、毛羽落ち性に優れ、洗濯の風合い変化が少なく、吸水性を兼備するタオル生地及びその製造方法を提供する。
本発明は、タテパイル糸が地糸に係止されたタオル生地であって、少なくとも前記タテパイル糸の単繊維繊度が0.5~10.0デシテックスのポリエステルマルチフィラメントの仮撚糸と、綿繊維との精紡交撚糸で構成されているタオル生地である。
本発明のタオル生地の製造方法は、前記のタオル生地の製造方法であって、タテパイル糸は、単繊維繊度が0.5~10.0デシテックスのポリエステルマルチフィラメントの仮撚糸が芯に配置され、綿繊維が鞘に配置された精紡交撚糸であり、前記タテパイル糸と、タテ地糸と、ヨコ地糸を用いてポリエステルの混率3~60質量%、綿繊維の混率97~40質量%となるように製織して生機とし、前記生機を精練工程で、精練と同時に熱水処理して芯成分の仮撚糸を捲縮発現させ、糸を膨張させるタオル生地の製造方法である。
本発明のタオルは、タテパイル糸が地糸に係止され、少なくとも前記タテパイル糸の単繊維繊度が0.5~10.0デシテックスのポリエステルマルチフィラメントの仮撚糸と、綿繊維との精紡交撚糸で構成されているタオル生地であることにより、ソフトで膨らみのある風合いを有し、洗濯早乾き性、毛羽落ち性に優れ、洗濯の風合い変化が少なく、吸水性を兼備するタオル生地を提供できる。また、本発明の製造方法は、前記タオルを効率よく合理的に製造できる。
図1は本発明の一実施形態におけるタオル生地の模式的説明図である。 図2は同、繊維製タオル生地の織物組織図である。模式的正面図である。 図3は本発明の一実施形態の精紡交撚糸の製法を示す模式的斜視図である。 図4Aは本発明の実施例1の精紡交撚糸の熱水処理前の糸の写真(倍率30倍)、図4Bは同、熱水処理後の糸の写真(倍率30倍)である。 図5Aは比較例1の綿繊維100%のリング紡績糸の熱水処理前の糸の写真(倍率30倍)、図5Bは同、熱水処理後の糸の写真(倍率30倍)である。 図6Aは本発明の実施例1の仕上げ生地のパイル糸の写真(倍率100倍)、図6Bは同写真(倍率20倍)である。 図7Aは比較例1の綿繊維100%のリング紡績糸の写真(倍率100倍)、図7Bは同写真(倍率20倍)である。 図8Aは参考例1の糸の写真(倍率100倍)、図8Bは同写真(倍率20倍)である。
本発明は、タオル生地の構成糸の約7割占めるタテパイル糸(以下パイル糸ともいう。)が、タオル生地の風合いおよび速乾性や毛羽落ち等の機能性を左右する重要な糸であることに着目し、検討を進めた結果、次の知見を得た。即ち、従来の綿100%のパイル糸に対して、精紡撚糸の芯成分にポリエステルの仮撚糸を用いることで、大きな捲縮が発現でき、糸を膨張させることができる。これにより、下記の利点があることを見出した。
(1)ソフトで膨らみのある風合いのパイル糸が得られる。また、風合いがソフトなので、肌に柔らかく接触できるので、汗や水分を効率よくふき取ることができる(風合い効果、ふき取り効果の発現)。
(2)パイル糸の芯成分のポリエステルが膨らむことで、鞘成分の綿繊維が割繊されて水分の吸収がしやすくなり、同時にこの膨らみで空気の移動が活発になって通気性が高められ、乾燥速度が著しく速くなる(吸水/速乾効果)。
(3)更には、芯が膨張した捲縮糸のクリンプが綿と強固に絡み合うので、綿の毛羽落ちが改善できる(毛羽落ち改善効果)。
(4)他には、ポリエステルフィラメントが混入されているので、水分による劣化がなく、また、糸に弾力性、腰があるので、洗濯による風合いの変化が少なく、当初のソフトで膨らみのある風合いが維持される(洗濯の風合い耐久性効果)。
本発明のポリエステルマルチフィラメント糸は、通常広汎に使われるポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく、糸の剛性が大きく捲縮発現性が高く、また、繊度、糸種が多いので、好ましく使える。ほかに、ソフトな風合いのポリトリメチレンテレフタレート(3GT)や染色性に優れるポリブチレンテレフタレート(4GT)やカチオン染料可染ポリエステルや常圧可染ポリエステル等も綿との同色に染色、或いは異色に染色ができるので使用することができる。
本発明のポリエステルマルチフィラメント糸の単繊維繊度は0.5~10.0デシテックスの仮撚糸である。捲縮発現性とソフトな風合いから1.0~6.0デシテックスのものが好ましい。0.5デシテックス未満は捲縮発現が弱く、風合いがソフトすぎて、また、10.0デシテックスを超えると風合いが硬すぎていずれも好ましくない。なお、単繊維繊度とは紡糸の口金の1本(1ホール、1フィラメント)の繊度(単位:デシテックス)であり、例えば総繊度84デシテックス、フィラメント数36本の糸では単繊維繊度は84/36=で、2.3デシテックスである。
前記マルチフィラメントの仮撚糸はJIS L1095 2010 9.24.3C法による糸の熱水収縮率=沸騰水収縮率を捲縮発現率と定義し、本発明の仮撚糸の捲縮発現率は8%~50%のものが好ましい。生地の表面が均斉で、膨らみを大きくさせることから10~40%のものが特に好ましい。なお、8%未満の物は捲縮が小さく、膨らみが発現しにくい。また、50%を超えるものはタオル生地の捲縮が大きすぎて表面がボコボコして不均一となり、いずれも好ましくない。
本発明の仮撚方法については仮撚糸の捲縮発現率が8%~50%のものであれば、特に限定しない。一例として、ポリマーを3000m/分程度に高速紡糸して、1.5倍程度に半延伸し、これを更に1.5倍程度延伸しながら仮撚する、いわゆる2段仮撚法が合理的な方法である。この方法では捲縮発現率は8~30%程度のものが得られる。更には、捲縮発現率を20%~50%に更に大きく発現させる仮撚方法として3段仮撚法が好ましい。これは、溶融したポリマーを1300~1500m/分程度の低速で紡糸し、未延伸糸を作る。次いでこれを2.8~3.2倍で延伸し、延伸糸(ナマ糸)を作る。次いで、この延伸糸をピンタイプ、ベルトニップタイプ、フリクションタイプ等の仮撚機で仮撚する方法である。延伸糸は結晶性、剛性が高いので、大きな捲縮性が発揮できる。特にピンタイプの仮撚は、延伸糸を加熱したピンを回転させて加工するので、捲縮がきちんと形成でき、トルクの強い大きな捲縮性が得られるので、好ましい方法である。なお、2段仮撚法、3段仮撚法の仮撚条件としては仮撚温度(170~190℃)、仮撚数(2000~2500回/m)、オーバーフィード率(5~10%)等であり、これらの条件で捲縮の発現率を適宜制御することができる。
本発明は、前記8%~40%の捲縮発現性能を有するマルチフィラメントの仮撚糸を芯成分に、綿繊維を鞘成分に配置し、芯鞘状に複合した精紡交撚糸にする。具体的には、綿のリング精紡工程で前記仮撚糸を中心に配置し、これを綿のスライバーで芯成分を包み込むようにカバーして甘撚をかけて芯鞘状の精紡交撚糸(コアヤーン)の単糸を得る。なお、ここで言う甘撚りとは次の追撚数とは異なり、撚りはごく小さいものである。精紡交撚糸は、長短複合紡績糸ともいわれる。精紡交撚糸は好ましい例としてリング紡績法で得られる。リング紡績機のフリース(粗糸、短繊維束)のドラフトゾーンの最終工程のフロントローラの上流側に、マルチフィラメントの仮撚糸を供給し、両者を合体させかあるいは平行状に並べ、フロントローラ通過後に実撚りを掛けることにより精紡交撚糸にする。リング紡績法で精紡交撚糸を得る際の好ましい撚係数は8000~13000である。精紡交撚糸の撚数(1m当たりの撚回数)を例示すると、薄地の30番単糸(フィラメント換算:総繊度195デシテックス)では573~931回/mが、中厚地の16番単糸(フィラメント換算:総繊度365デシテックス)では418~680回/mが、厚地の10番単糸(フィラメント換算:総繊度585デシテックス)では330~537回/mでそれぞれ撚をかけることが好ましい。
精紡交撚糸は単糸で使ってもよいし、双糸あるいは3本以上の撚糸としてもよい。双糸にする場合は単糸を2本引き揃えても良いし、また、例えば精紡交撚糸の単糸に従来のリング紡績糸や結束紡績糸の単糸を交撚して双糸にする方法でもよく、タオル地の風合い、外観等の目的に合わせて適宜手段を選択する。また、かかるリング紡績による精紡交撚糸の他に、結束紡績法で交撚糸を作る方法がある。結束紡績法による交撚糸は、風合いはリング紡績糸に比べてハードな方向になるが、表面の毛羽が抑えられて、且つ綿繊維の表面の繊維密度が高いので、表面から中心部に水分移動が大きくなり、糸全体に大きな抱水性を有する構造となる。従って、タオル生地の表面のパイル糸の綿繊維が汗を素早く、且つ多く吸収するので、本発明のポリエステル混の吸水性不足をカバーし、吸水性に優位に働くので、この結束紡績糸も適用することができる。
次いで、かかる精紡交撚糸(単糸)をダウンツイスター等の撚糸機で、撚係数(K)が6000~17000の範囲で撚りをかける(追撚する)。この撚の範囲であれば、毛羽が少なく、ソフトで膨らみのあり、洗濯乾燥性、毛羽落ち性に優れたパイル糸が得られるので、好ましい。特に8000~13000のものがかかる風合いと機能性のバランスが良いので好ましい。なお、撚係数(K)が6000未満の物は毛羽が多くなり、また、糸が締まってないのでダラダラした風合いとなり、好ましくない。また、17000を超える物は強撚領域となり、糸に膨らみがなくなり、風合いも硬くなり、且つ早乾き性が低下するので好ましくない。なお、追撚方向は糸の均斉性の点から仮撚方向および精紡交撚時の甘撚方向と同じ方向に撚をかけることが好ましい。
なお、撚係数(K)は次式(数1)により算出したものである。
Figure 0007141781000002
また、綿番手とポリエステルマルチフィラメント繊度との換算は次式により算出したものである。
N=5315/DT又はDT=5315/N
(但し、N:綿の単糸番手、DT:精紡交撚糸の総繊度(デシテックス)、5315:換算定数)
次いで、追撚された精紡交撚糸をパイル糸として用いるが、この場合のパイル糸の混率はパイル糸を100質量%としたとき、前記マルチフィラメントの仮撚糸の混率は膨らみ風合いと早乾き性および綿サイドの吸水性から60~10質量%の範囲が好ましい。特に、50~20質量%のものがかかる特性のバランスが良いので好ましい。このパイル糸の混率は、精紡交撚糸に複合する前記フィラメント糸(総繊度の大~小)と、綿繊維との混合率で制御できる。例えば、16番の精紡交撚糸(フィラメント換算:365デシテックス)では該フィラメント仮撚糸:総繊度170デシテックスのものを混入した場合は170/365×100=46.6質量%の混率となる(綿の混率:53.4質量%)。また、同様に総繊度84デシテックスを混入した場合はフィラメント仮撚糸の混率23.0%のものが得られる(綿の混率:77.9質量%)。なお、かかる精紡交撚糸のパイル糸の糸番手は特に限定するものではないが、薄地は100~40番手の細いものが、中厚地は30~16番手が、厚地は12~8番手の太い物が好ましく適用できる。
次いで、本発明はタオル生地を100質量%としたとき、前記マルチフィラメントの仮撚糸の混率は50~5質量%、綿繊維の混率は50~95質量%の範囲である。この範囲であれば生地の膨らみ風合いと早乾き性および綿サイドの吸水性等が満足されるので、好ましい。特に早乾き性等と吸水性とのバランスから前記マルチフィラメントの仮撚糸の混率が40~15質量%が好ましい(綿の混率: 60~85質量%)。なお、生地のマルチフィラメントの仮撚糸の混率が50質量%を超える物は吸水性に乏しくなり、また、5質量%に満たないものは早乾きが遅くなり、いずれも好ましくない。この生地の混率の制御は前記精紡交撚糸をパイル糸に用いることを前提に、これに綿100%或いは前記ポリエステル混の精紡交撚糸、或いはポリエステル仮撚糸の単独糸をそれぞれタテ地糸、ヨコ地糸に用いてタオル生地全体の混率を設定することができる。
例えば、前述したパイル糸16番の精紡交撚糸でフィラメント仮撚糸の混率が46.6質量%(綿の混率: 53.4質量%)のものと、タテ、ヨコの地糸を全て綿100%の16番を用いた場合の生地の混率を試算すると、パイル糸比率は70%、地糸比率は30%として、46.6質量%×0.7=32.6質量%のポリエステル混率となる(綿の混率:67.4質量%)。また、同パイル糸にタテ地糸に綿100%、ヨコ地糸に前記精紡交撚糸を用いた場合のフィラメントの生地混率は46.6質量%×0.7+46.6質量%×0.15質量%=39.6質量%のポリエステル混率となる(綿の混率:60.4質量%)。
なお、かかる混率で生地に製織する場合、用途としては、フェイスタオル、バスタオル、ハンカチタオル、バスマット等があるので、早乾き性、毛羽落ち性、吸水性等の要求特性に合わせて、生地の混率、糸種、糸使い、単位当たりの質量(目付)等を適宜設定する。目付の制御はパイル糸のパイル長(長~短)を変更して、目付(大~小)に制御することができる。ここで、本発明の効果を発揮できる好ましい目付を例示するならば、薄地は目付が100~250g/m2のものが、中厚地は目付が250~500g/m2のものが、厚地は500~1000g/m2のものが好適である。なお、100g/m2に満たないものは薄くカサがなく、また、1000g/m2を超えるものは厚すぎて重く、いずれも好ましくない。
また、本発明では精紡交撚糸の中の綿繊維はタオルとしての風合い、吸水性、吸湿性、取り扱い性の点から最も優れるが、綿に麻、レーヨン、キュプラ、ウールの素材を少量混紡しても構わない。レーヨン、キュプラを混紡したものは吸湿性が、ウールは保温性が得られる。
次いで織り上がった生機は綿の加工工程に準じて、液流式染色機で糊抜きし、次いで常法の綿の精練条件(95~98℃の一定温度で、キープ時間50分、希苛性ソーダ溶液、アルコールエトキシレート添加浴)で、精練と同時にパイル糸の芯成分のポリエステル仮撚糸の捲縮を発現させることができる。本発明の精練での捲縮発現に必要な条件は、熱水温度は95℃~100℃で、この温度でのキープ時間は10分以上あればよいので、通常の精練条件の範囲で問題なく、加工することができる。なお、95℃未満の温度、また、キープ時間が10分未満の条件では捲縮発現が小さくなり、且つ不安定になるので、避ける。また、希苛性ソーダ等の精練剤は捲縮発現に影響はない。なお、95℃未満の精練温度が低い品種を加工する場合は、精練の前に本条件の95℃~100℃で熱水処理を行って捲縮を発現させてから、精練に入ることが好ましい。
次いで、精練に続いて常法の条件で漂白加工する(98℃、50分、過酸化水素溶液)。次いで脱水して、テンターでセットして仕上げる(オフホワイト仕上げ)。この漂白工程でも熱水処理を受けるが、すでに前記精練で仮撚糸の捲縮が発現しているので、そのままで仕上げる。
次いで、精練、漂白に続いて染色する場合はポリエステルサイドを分散染料で染色(130℃、40分)、続いて綿サイドを反応染料で染色する(60~80℃、40分)。この二浴で無地染めすることの他に、ポリエステルを染めずに、綿サイドのみ染色する片染めする方法や、分散染料と反応染料の染料を使い分けて異色やシャンブレー(濃淡)にも染色することができる。また、カチオン染料可染ポリエステルを用いた場合は鮮明染色が可能である。更には精練、漂白したオフホワイト生地にプリント加工も可能である。なお、先染めの場合は糸で精練と同時に捲縮発現させて漂白、染色し、これを製織して先染めタオル生地を得るこができる。このように、いずれも本発明は多様な染色での色彩性、デザイン性に優れた商品化が図れる。
本発明のタオルは、バスタオル(湯上りタオル)、浴用タオル、フェイスタオル、タオルハンカチ(タオルチーフ)、おしぼりタオル、ウォッシュタオル、ハンドタオル、バスマット、スポーツタオル、ビーチタオル(ボディタオル)などを含む。タオルは織物、編み物を問わず適用できる。以下は織物製バスタオル(湯上りタオル)の例に挙げて説明する。
以下図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。
図1は本発明の一実施形態のタオル生地1の模式的説明図である。このタオル生地1は、タテパイル糸2a,2bと、ヨコ地糸3と、タテ地糸4a,4bで構成され、タテパイル糸2a,2bは、ヨコ地糸3とタテ地糸4a,4bで構成される地組織に固定されながらループパイルを形成する。得られたタオル生地1は、所定の大きさに切断され、端部処理されてタオルとなる。
図2は本発明の一実施形態のタオル生地の織物組織図である。この織物組織は、3本よこタオル組織(3ピック・テリー・モーション組織)である。タテパイル糸はヨコ地糸を3本打ち込むごとに1回交差させる。タテ地糸Gとタテパイル糸Pは交互に配置する。ヨコ糸の1~3は順番を示す。図2において、黒と×は浮き糸を示し、白は沈み糸を示す。
図3は本発明の一実施形態の精紡交撚糸の製法を示す模式的斜視図である。粗糸11をリング精紡機10に供給し、ドラフトゾーンのバックローラ12、エプロン13及びフロントローラ14で粗糸11をドラフトし、フリース状繊維束15とする。一方、ポリエステルマルチフィラメント仮撚糸16は、ガイド17a,17bを通過させ、フロントローラ14の上流側に供給し、フリース状繊維束15と合体させるかあるいは平行状に並べ、フロントローラ通過後に実撚りを掛けることにより交撚糸18にする。その後、スネルワイヤー19、リングトラベラー20を通過させ、木管21に巻き取る。22は精紡交撚糸である。
以下、実施例を用いてさらに具体的に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<糸の収縮率、太さの測定>
・ポリエステルマルチフィラメント仮撚糸の熱水収縮率(沸水処理)=捲縮発現率の測定
JIS L1095 2010 9.24.3C法による糸の熱水収縮率(沸騰水収縮率)を測定した。試験の概要は糸に規定の初荷重をかけて500mmのマークを付け、沸騰水で10分処理し、その後、濾紙で脱水して風乾する。風乾後は糸に当初の規定の初荷重をかけて糸にマークした長さを測定、次式で熱水収縮率を求めた。試験回数は10回でその平均値で表す。
本発明ではこの熱水収縮率を捲縮発現率と定義して、8%~50%範囲のものを、本発明の精紡交撚糸の芯糸或いはタテ、ヨコの地糸に適用する。
熱水収縮率(%)=(熱水処理前の糸長(L0))-(熱水処理後の糸長(L1))/(熱水処理前の糸長(L0))×100
<精紡交撚糸、パイル糸の太さ(直径)の測定>
本発明の精紡交撚糸の熱水処理(沸水処理)の前、後の太さをマイクロスコープ(キーエンス社製)により30倍で撮影し、糸の直径(mm)を求めた。測定個所10ヶ所の平均値。処理前に対して処理後の糸が太いもの程、膨らみがあり、良好である。
<仕上タオル生地のパイル部分の写真、及びこのパイルを足切りカットした糸の太さの測定>
仕上げタオル地のパイル部分を同様の方法で100倍で撮影し、糸の直径(mm)を測定した。また、このタオル地のパイル部分を足切りカットし、20倍で写真を撮り、これを30倍に拡大した。測定個所10ヶ所の平均値でいずれもパイル糸が太いもの程、膨らみがあり、良好である。
<仕上げタオル生地の風合いの評価>
(1)ソフトな風合いの評価
風合いのソフトさをタオル生地1g当たりの体積で表す、次式のカサ高度で求める。
値が高いほどソフトな風合いであり、良好である。なお、厚みはJIS L-1096(2010)8.5 かさ高性試験に従って測定し、目付は1m角の重さを精秤した。測定個所は5ヶ所でその平均値で表した。
カサ高度(cm3/g)=厚み(mm)/目付(g/m2)×1000
(2)膨らみのある風合いの評価
タオル生地を圧縮測定器:KES-G5(カトーテック社製)を用い、一定の速度で圧縮させてその圧縮仕事量:WC=(gf.cm2)を求めた。測定個所は5ヶ所でその平均値で表した。
WC値は生地に圧縮させた時の(エネルギー)で、値が大きいほどタオルがよく圧縮され、大きな膨らみ、ふんわり感が高いことを示し、良好である。
(3)風合いの洗濯耐久性評価
タオル生地を洗濯機でJIS L-0217(1995)、103法に従って20回洗濯した。乾燥後、前記圧縮仕事量:WC=(gf.cm2)を測定、測定個所は5ヶ所でその平均値で表した。洗濯前後のWC値の差が小さいほど、洗濯による膨らみのある風合いの低下が少なく、耐久性があり、良好である。
(4)洗濯での水切り性の評価
幅35cmのタオル生地を80gになるように長さをカットし、それを小数点1桁までの重さを精秤し、これを水に20分浸漬した。その後濡れたタオル生地を取り上げて、洗濯機の脱水槽で4分間、遠心脱水し、重さを精秤、次式でタオル生地の残留水分率(%)を求めた。値が小さいほど水切り性が良好である。水切り性が良いほどその後の乾燥速度が速くなる傾向を示す。測定数は3点でその平均値で表した。
生地の残留水分率(%)=(水に浸漬し、脱水した後の生地の重さ(W1))-(水に浸漬する前の生地の重さ(W0))/(水に浸漬する前の生地の重さ(W0))×100
(5)洗濯早乾き性の評価
前記脱水し、水切りしたタオル生地をエアコンがある室内にタオル生地を吊り下げて乾燥した。乾燥条件は、温度20℃、湿度65%、風量12,8m3/分であり、乾燥は10分毎に生地の重さを測定した。生地の残留水分率が10%(乾燥率が90%)になった時の乾燥時間(分)を測定した。測定数は3点でその平均値で表した。時間が短いほど乾燥が速く良好である。
(6)タオル地の洗濯による毛羽落ち性評価
洗濯による毛羽落ちはJIS L0217(1995)、103法に従って測定した。毛羽落ち率(%)は次式で求め、値が小さいほど毛羽落ちが少なく、良好である。測定数は5点でその平均値で表した。
毛羽落ち率(%)=(洗濯後に脱落した毛羽の重さ(g1))/(洗濯前のタオルの重さ(g0))×100
(7)吸水性評価(改良ラローズ法)
JIS L 1907(2010)の改良ラローズ法に従って5回測定し、その平均値を求めた。ラローズ指数(吸水指数)は下記式に従って算出した。
ラローズ指数(吸水指数)=2545V×1411W+79
V:最大吸水速度(ml/s)、W:最大吸水速度時点の吸水量(ml)
値が高いほど皮膚に付いている水分を素早く、且つ沢山の水分量を吸収するので、好ましい。
(8)吸水速度(滴下法)
タオル地の吸水速度の測定はJIS L 1907(2010)の滴下法;ヴューレット法に基づいて評価した。試験の概要は水滴1滴を10cmの高さからタオル地に滴下し、水滴の鏡面が消失する吸水時間(秒)を3回測定し、その平均値を求めた。時間が短いほど吸水が速く、良好。
(実施例1)
(1)タオル生地の製造方法と評価方法
A.ポリエステルマルチフィラメントの仮撚糸
ポリエチレンテレフタレートポリマーを3000m/分で1.3倍に延伸された半延伸糸を、更に1.7倍に延伸と同時にフリクションで、2段法で仮撚し、84デシテックス、36フィラメント、単繊維繊度2.3デシテックスのポリエステルマルチフィラメント仮撚糸を用いた。なお、仮撚温度は185℃、仮撚り数:2360回/m、オーバーフィード率:7.5%、S方向に仮撚したものである。
これをJIS L1095 2010 9.24.3C法による糸の熱水収縮率(沸水収縮率)を測定、熱水収縮率は23.5%であり、捲縮が発現していることを確認した(表1)。
B.精紡交撚糸
次いでこのポリエステルマルチフィラメント仮撚糸と、綿のフリース(粗糸、短繊維束)をリング紡績でS方向に精紡交撚し、芯:前記ポリエステル、鞘:綿のコアヤーンタイプの精紡交撚糸の16番単糸(フィラメント換算で365デシテックス)を得、混合比率はポリエステル23.0質量%、綿77.0質量%であった。
次いでこれにダウンツイスター撚糸機で撚係数(K)11654の撚数610回/mでS方向に撚をかけた(追撚)。
また、この精紡交撚糸を熱水処理した結果、糸の太さ(直径)は熱水処理前が0.30mmで処理後は0.47mmであり、熱水処理で1.56倍膨らんでいた(図4A-B)。
C.タオル生地の製織
前記精紡交撚糸16番単糸をパイル糸に用い、タテ糸地糸2本およびヨコ糸地糸にそれぞれ綿100%の16番単糸を用い、パイル長は0、88cmで製織した。目付は275g/m2(中目付)であり、生地混率はポリエステル23%、綿77%である。また、タオル地の全体の混率はポリエステル16%、綿84%で、エアージェット織機でタオル生地に製織した(表2、タオル生地の製造明細を参照)。
D.タオル生地の精練仕上げ加工
次いでこの生機を綿の加工に準じて、常法に従って、液流染色機で糊抜きした(55℃×20分、アミラーゼ、界面活性剤添加浴)。次いで同機で98℃、キープ時間50分、希苛性ソーダ、アルコールエトキシレート添加浴で、精練と同時に熱水処理を行った。この精練で、捲縮が発現していることを確認した。
次いで常法で98℃、キープ50分の過酸化水素浴で漂白し、135℃で、テンターでセットし、仕上げた(オフホワイト仕上げ)。
(実施例2)
パイル長は0、76cmで、目付228g/m2(小目付)であることを除き、実施例1に準じて、製織、加工仕上げた。
(比較例1)
綿100%のリング紡績糸で、パイル長0、88cmで、目付274g/m2(中目付)あることを除き、実施例1に準じて、製織、加工仕上げた。比較例1の綿100%リング紡績糸の太さは熱水処理前が0.33mmで処理後は0.31mmであり、膨らみは見られなかった(図5A-B)。
(比較例2)
綿100%のリング紡績糸で、パイル長0、76cmで、目付226g/m2(小目付)あることを除き、実施例2に準じて、製織、加工仕上げた。
(参考例1)
精紡交撚糸の芯成分が84デシテックス、36フィラメントのポリエステルの延伸糸(ナマ糸)で、パイル長0、88cmで、目付275g/m2(中目付)あることを除き、実施例1に準じて、製織、仕上げ加工し、生地の写真およびカットパイル糸の太さを比較した。
E.仕上りタオル地の評価結果
(1)パイル糸の太さ
実施例1の精紡交撚糸の沸水処理前/後の糸の太さ(直径)は0.30mm/0.47mmで、沸水処理により1.55倍膨張していた。この太さは比較例1(0.31mmm)に比べて1.52倍と大きいものであった(表1及び実施例1は図6A-B、比較例1は図7A-B)。
また、これをパイルに用いて仕上げたタオル生地のカットパイル糸の太さは0.75mmであり、比較例1の0.41mmの1.83倍、参考例1(芯糸がナマ糸)の0.44mmの1.70倍であり、極めて太く、膨張していた。
なお、参考例1は捲縮発現率が5.1%で、捲縮は殆ど発現していなかった(表1及び図8A-B)。
(2)タオル生地の評価
仕上げたタオル生地の評価結果を表3に示し、下記評価した。
(i)風合い、洗濯による風合い耐久性
実施例1は同じ中目付の比較例1に対して、カサ高度が10.18、圧縮仕事量が2.01であり、比較例1に対してそれぞれ27%、20%と高く、ソフトで膨らみのある風合いの、素晴らしい感触のタオル生地であった。
また、20回洗濯での風合い低下率が比較例1の15.5%に対して5.5%と極く小さいものであり、当初の風合いがそのまま残り、洗濯耐久性が優れていた。
(ii)洗濯での水切り性、早乾き性
実施例1は水切りが良く(残留水分率:63.2%)、乾燥時間が199分で比較例の323分に対して、1.62倍と速く、高い速乾性を有していた。
(iii)毛羽落ち性
洗濯での毛羽落ち率は0.02%であり、比較例の1/5と、極く小さいものであった。また、黒いセーターと混ぜ洗いしてもセーターへのタオルの白い毛羽付着が殆どなく、快適であった。
(iv)吸水性
吸水指数は400台、滴下法で1秒以下であり、改良ラローズ法では比較例1に比べて多少低いが、良好な吸水レベルの領域であることを確認した。風呂上がりに着用しても吸水性は特に問題なく、風合いがソフトなので、汗のふき取り性はむしろ比較例1より優れていた。
なお、小目付の実施例2については比較例2に対して風合いがソフトで膨らみがあり、洗濯風合いの耐久性、洗濯の水切り性、早乾き性、毛羽落ち性は全てにおいて優れていた。吸水性は実用上、問題のないレベルであった。
一方、比較例1、比較例2は実施例1、実施例2に比べて吸水性は少し高いが、風合いが硬く、特に洗濯後はガサガサの硬い風合いであった。また、水切り性が悪く洗濯後の乾燥が遅く、毛羽落ちがあり、平凡なタオル生地であった。
なお、タオル生地の製造方法は実施例1、2とも従来の綿100%の製織工程、精練工程で、精練と同時に仮撚糸の捲縮が発現されており、綿と同プロセスで極めて効率よく製造できることを確認した。
以上の結果を表1~3にまとめて示す。
Figure 0007141781000003
Figure 0007141781000004



Figure 0007141781000005
表1~3から、実施例1及び2のタオル生地は、ソフトで膨らみのある風合いを有し、洗濯早乾き性、毛羽落ち性に優れ、洗濯の風合い変化が少なく、吸水性を兼備するタオル生地であることが確認できた。
(実施例3)
溶融したポリエステルポリマーを1350m/分で紡糸し、未延伸糸を作り、これを2.8~3.2倍で延伸し、84デシテックス、36フィラメント、単繊維繊度2.3デシテックスの延伸糸(ナマ糸)を得た。次いで、この延伸糸をピンタイプの仮撚機で仮撚した(3段仮撚法)。また、これを精紡交撚糸の芯成分に使い、パイル長10.2mmのパイル糸に用いたこと、およびタテ地糸に綿100%の40番双糸でタテ糸密度64本/2吋に、また、ヨコ地糸に綿100%の20番単糸でヨコ糸密度50本/吋で製織し、目付を486g/m2(大目付)にしたことを除いて、実施例1に従って、製織、精練加工(捲縮発現)して、漂白し、オフホワイトに仕上げた。
この結果、仮撚り糸の捲縮発現率は32.8%であり、これをタオル生地のパイル糸使ったカットパイルは0.91mmであり、実施例1に比べて、1.2倍太い物であった。また、仕上げ生地の風合いも更に膨らみが大きく(カサ高度;11.15)、早乾き性(189分)、毛羽落ち性(0.019%)が優れ、洗濯の風合い変化が少なく、吸水性(1秒以下)を兼備する、特に特徴ある白のタオル生地であった。
(実施例4)
精練加工(捲縮発現)して、漂白し、これをグレーの反応染料で、80℃、40分で綿サイドを片染めしたことを除いて実施例1に従って、仕上げた。
これをハンドタオルに縫製し、実用試験を行った。その結果、これまでにない、ソフトで膨らみが大きい、新触感の肌触りであった。また、家庭洗濯で乾きが速く、風呂上がりの肌への毛羽が付きにくく、また素早く汗を吸い取る吸水性があり、非常に快適性に優れたなグレーのタオルであった。
以上のように、本発明のタオル地は従来技術では得られなかった、ソフトで膨らみのある風合いで、洗濯早乾き性、毛羽落ち性に優れ、洗濯の風合いの耐久性がよく、吸水性を兼備するタオル生地が得られた。
また、本タオル生地の製造方法は従来の綿100%の製織工程、精練工程で精練と同時に仮撚糸の捲縮を発現させるので、同プロセスで極めて効率よく製造することができた。
本発明のタオル生地は、フェイスタオル、バスタオル、タオルハンカチ、スポーツタオル、バスローブ、タオルケットなどの生地、衣類、靴下、敷物、寝具類などにも好適である。
1 タオル生地
2a,2b タテパイル糸
3 ヨコ地糸
4a,4b タテ地糸
10 リング精紡機
11 粗糸
12 バックローラ
13 エプロン
14 フロントローラ
15 フリース状繊維束
16 ポリエステルマルチフィラメント仮撚糸
17a,17b ガイド
18 交撚糸
19 スネルワイヤー
20 リングトラベラー
21 木管
22 精紡交撚糸

Claims (8)

  1. タテパイル糸が地糸に係止されたタオル生地であって、
    少なくとも前記タテパイル糸の単繊維繊度が0.5~10.0デシテックスのポリエステルマルチフィラメントの仮撚糸と、綿繊維との精紡交撚糸で構成されることを特徴とするタオル生地。
  2. 前記マルチフィラメントの仮撚糸は、JIS L1095 2010 9.24.3C法で測定される糸の熱水収縮率(沸騰水収縮率)による捲縮発現率が8%~50%である請求項1に記載のタオル生地。
  3. 前記マルチフィラメントの仮撚糸は、延伸糸が2.5倍以上に延伸された、延伸糸の仮撚糸である請求項1に記載のタオル生地。
  4. 前記精紡交撚糸は芯成分に前記マルチフィラメントの仮撚糸を配置し、鞘成分に綿繊維を配置し、芯鞘状に複合された交撚糸である請求項1に記載のタオル生地。
  5. 前記精紡交撚糸はさらに追撚されており、追撚の撚り係数(K)が、6000~17000の範囲で追撚されている請求項1に記載のタオル生地。
    但し、撚り係数(K)は下記式(数)で算出する。
    Figure 0007141781000006
  6. 前記パイル糸を100質量%としたとき、前記パイル糸のマルチフィラメントの仮撚糸の混率は60~10質量%、綿繊維の混率は40~90質量%である請求項1に記載のタオル生地。
  7. 前記タオル生地を100質量%としたとき、前記マルチフィラメントの仮撚糸の混率は50~5質量%、綿繊維の混率は50~95質量%である請求項1に記載のタオル生地。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のタオル生地の製造方法であって、
    タテパイル糸と、タテ地糸と、ヨコ地糸を用いてポリエステルの混率3~60質量%、綿繊維の混率97~40質量%となるように製織して生機とし、
    前記生機を精練工程で、精練と同時に熱水処理して芯成分の仮撚糸を捲縮発現させ、糸を膨張させることを特徴とするタオル生地の製造方法。
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