JP7141138B2 - システムトリートメント方法 - Google Patents

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Description

本発明は、システムトリートメント方法に関するものである。
毛髪のダメージを改善する方法として、ヘアトリートメント(毛髪化粧料、コンディショナー等と呼ばれることもある)を毛髪に塗布し、毛髪表面に潤滑成分を行き渡らせることにより、毛髪のダメージを改善する方法がある。
例えば、特許文献1には、側鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A)、及び、主鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(B)を含有又は配合してなる毛髪化粧料を適用することで、手を通すなどの操作を行うことなく絡まりを解くことができ、さらに処理後の毛髪の乾燥速度を向上させ、すすぎ時の毛髪に滑らかさを付与する技術が開示されている。
特開特願2019-108174号公報
本発明者は、ヘアトリートメントの成分やヘアトリートメント方法の検討をしている。特に、複数の異なるトリートメントを髪に順次重ねて塗布することで、髪質を改善させるヘアトリートメントである「システムトリートメント」について、鋭意検討し、後述する、ヘアトリートメントの効果が長く保持されるシステムトリートメント方法を見出すに至った。
本発明はヘアトリートメントの効果が長く保持されるシステムトリートメント方法を提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
[1]本願において開示されるシステムトリートメント方法は、
(a)髪に第1毛髪剤を塗布し、洗髪する工程、
(b)髪の毛先に尿素を含有する第2毛髪剤を噴霧する工程、
(c)髪にアミノ酸およびケラチンを含有する第3毛髪剤を噴霧し、スチームを吹き付ける工程、
(e)髪を水またはお湯で洗う工程、
(f)髪に第5毛髪剤を塗布する工程、
(g)髪にカチオンキトサンを含有する第6毛髪剤およびアニオンキトサンを含有する第7毛髪剤を塗布する工程、
(h)髪に第8毛髪剤を塗布する工程、
(j)髪を水またはお湯で洗う工程、
を有し、
前記第1毛髪剤は、グリチルリチン酸ジカリウム、茶葉エキスおよびオーガニックオイルを有し、
前記第5毛髪剤は、ステアリルアルコールおよびオーガニックオイルを有し、
前記第8毛髪剤は、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)およびオーガニックオイルを有する。
[2]本願において開示されるシステムトリートメント方法は、
(a)髪に第1毛髪剤を塗布し、洗髪する工程、
(b)髪に第2毛髪剤を塗布する工程、
(c)髪に第3毛髪剤を塗布する工程、
(d)髪を水またはお湯で洗う工程、
を有し、
前記第1毛髪剤は、グリチルリチン酸ジカリウム、茶葉エキスおよびオーガニックオイルを有し、
前記第2毛髪剤は、ステアリルアルコールおよびオーガニックオイルを有し、
前記第3毛髪剤は、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)およびオーガニックオイルを有する、システムトリートメント方法であって、
毛質に基づいて、前記(a)~(d)工程のケアの頻度を変える、システムトリートメント方法である。
本発明のシステムトリートメント方法によれば、トリートメントの効果が長く保持される。
実施の形態の(A)~(J)工程に基づき、システムトリートメントを行った結果を示す図(写真)である。
(実施の形態1)
システムトリートメントは、前述したように複数の異なるトリートメントを髪に順次重ねて塗布することで、髪質を改善させるヘアトリートメントである。
表1に、本実施の形態におけるシステムトリートメント方法の工程、有効成分および目的(効果)を示す。
Figure 0007141138000001
表1に示すように、本実施の形態におけるシステムトリートメント方法においては、以下の(A)工程~(J)工程を有する。
(A)工程は、髪にシャンプー剤SPを塗布し、洗髪する工程である(お流し工程含む)。このシャンプー剤SPは、洗浄成分の他に、有効成分として、グリチルリチン酸ジカリウム、茶葉エキスおよびオーガニックオイルを含有する。
上記グリチルリチン酸ジカリウムにより、髪が保湿され、また、頭皮の炎症を抑えることができる。また、茶葉エキスにより、髪が保湿され、また、髪や頭皮の消臭効果を得ることができる。消臭効果を得るため、シャンプー剤に、さらに、イノシトールを添加してもよい。また、オーガニックオイルにより、エモリエント効果を得ることができる。エモリエント効果とは、髪や頭皮から水分が蒸発することを抑制し、髪や頭皮の水分量を保持することである。オーガニックオイルとしては、アルガニアスピノサ核油、オリーブ果実油、サイペラスエスクレンタス根油、ホホバ種子油などを用いることができる。
上記シャンプー剤SPによる洗髪によれば、髪を洗浄できるものの、若干の髪の軋みを感じる。この髪の軋みは、キューティクルの開きによるものであり、以降のトリートメント剤のノリやその効果を向上させるために必要なものである。
(B)工程は、髪の毛先に、トリートメント剤T0のミスト(微細な液滴)を噴霧する工程である。このトリートメント剤T0は、有効成分として、尿素を含有する。このトリートメント剤T0により、髪(タンパク質)を柔らかくすることができ、内部に薬剤(水分)を浸透させることができる。このため、髪の保湿を促進し、また、以降のトリートメント剤の吸収を促進することができる。トリートメント剤T0のミストの噴霧は、例えば、霧吹きなどを用いて行うことができる。
(C)工程は、髪全体に、トリートメント剤T1のミスト(微細な液滴)を噴霧し、スチームを吹き付ける工程である。このトリートメント剤T1は、有効成分として、アミノ酸およびケラチンを含有する。このトリートメント剤T1により、髪を健やかに育てるための土台造りと髪の基礎となるケラチンを補給することができる。このケラチンは、アミノ酸の集合体である。トリートメント剤T1のミストの噴霧は、例えば、霧吹きなどを用いて行うことができる。スチームの吹き付けの方法に制限はないが、例えば、加熱水蒸気が噴出するハンディタイプのスチーマーなどを用いることができる。なお、水滴(微細な水の塊)が噴霧できれば加熱したものでなくてもよい。スチームの吹き付けにより、髪への水分補給が促され、アミノ酸やケラチンのような髪の栄養成分が髪の内部において定着しやすくなる。
(D)工程は、髪全体に、クリーム状のトリートメント剤T2を塗り付け(塗布し)、スチームを吹き付ける工程である。このトリートメント剤T2は、有効成分として、リンゴ酸を含有する。このトリートメント剤T2により、髪を膨潤させ、これまでの有効成分が髪の内部において定着しやすくなる。また、スチームの吹き付けによっても、これまでの有効成分が髪の内部において定着しやすくなる。なお、この(D)工程の効果は、他の工程の効果より優先するものではないため、時間の短縮やコストを優先する場合には、(D)工程を省略してもよい。
(E)工程は、髪全体を水またはお湯で洗う工程である。これにより、髪や頭皮の表面に余剰成分として残存していたトリートメント剤T0~T2が洗い流され、髪や頭皮の表面や内部に取り込まれた有効成分のみが残存することとなる。
(F)工程は、髪全体に、液状のトリートメント剤T3を塗り付ける(塗布する)工程である。このトリートメント剤T3は、有効成分として、ステアリルアルコールおよびオーガニックオイルを含有する。ステアリルアルコール(オクタデシルアルコール、CH(CH16CHOH)は、水に不溶の脂肪族アルコールで、蝋(ろう)のような固体物質である。このため、トリートメント剤に延展性を持たせるための基剤として添加することができ、また、髪の保湿効果も高いため、トリートメント剤T3に用いて好適である。また、オーガニックオイルは、前述したエモリエント効果を有するためトリートメント剤T3に用いて好適である。オーガニックオイルとしては、アルガニアスピノサ核油、オリーブ果実油、サイペラスエスクレンタス根油、ホホバ種子油などを用いることができる。
(G)工程は、髪全体に、クリーム状のトリートメント剤T4を塗り付け(塗布し)、さらに、髪全体に、トリートメント剤T5のミスト(微細な液滴)を噴霧する工程である。トリートメント剤T4は、有効成分として、カチオンキトサン(キトサンにプラスイオンを含む基が結合したもの)を含有する。トリートメント剤T5は、有効成分として、アニオンキトサン(キトサンにマイナスイオンを含む基が結合したもの)を含有する。トリートメント剤T4、T5のイオン成分により、髪に残存するアニオン成分やカチオン成分が複合体(イオンコンプレックス)を作り、髪を被覆することで、髪の軋みを改善し、指通りが良くなる。特に、(A)工程のシャンプー剤は、(A)工程以降のトリートメント剤の効果を促進するため、キューティクルの開きによる軋みが生じているため、この(G)工程のイオンコンプレックス処理を行うことにより髪の軋みを改善し、指通りを良くすることができる。また、キトサンは、髪に潤いと艶をあたえる効果を有しており、イオンコンプレックス処理剤として、上記カチオンキトサンやアニオンキトサンを用いて好適である。
ここで、一般的にシャンプーには、洗浄成分であるアニオン性界面活性剤が含まれ、以降に用いられるトリートメントには、対極のカチオン性の薬剤(例えば、カチオン性界面活性剤など)が添加されている場合が多く、それぞれの処理の際に、イオンコンプレックス効果が生じるはずであるが、アニオン性界面活性剤とカチオン性の薬剤とのバランスによっては、いずれかが残存し、また、これらの濃度が高く、強力なイオンコンプレックスができてしまうと、髪に残留し、却って、髪のゴワツキが生じる。このため、この段階で、あらたにトリートメント剤T4、T5によるイオンコンプレックス効果を付与することにより、髪の軋みやゴワツキを改善し、髪に潤いと艶をあたえ、指通りを良くする意味がある。
(H)工程は、髪全体に、固めのクリーム状のトリートメント剤DMを塗り付ける(塗布する)工程である。このトリートメント剤DMは、有効成分として、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)およびオーガニックオイルを含有する。ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)は、ラウロイルグルタミン酸と、フィトステロールおよびオクチルドデカノールの混合物とのジエステルであり、アシルアミノ酸の一種であるラウロイルグルタミン酸の2個のカルボキシル基(-COOH)に、アルコール成分として植物ステロールであるフィトステロールと分岐鎖を有するオクチルドデカノールの混合物が結合したアシルアミノ酸ステロールエステルである。このラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)により、エモリエント効果を得ることができる。また、オーガニックオイルにより、エモリエント効果を得ることができる。オーガニックオイルとしては、前述したように、アルガニアスピノサ核油、オリーブ果実油、サイペラスエスクレンタス根油、ホホバ種子油などを用いることができる。
(I)工程は、髪の全部または一部(毛先やダメージが酷い箇所)に、半透明の油状のオーガニックオイルを塗り付ける(塗布する)工程である。オーガニックオイルとしては、前述したように、アルガニアスピノサ核油、オリーブ果実油、サイペラスエスクレンタス根油、ホホバ種子油などを用いることができる。このように、オーガニックオイルにより、エモリエント効果を得ることができる。特に、ダメージが酷い箇所において、髪の表面のオイルバリアをオーガニックオイルを塗布することで修復することができる。但し、この(I)工程は、時間の短縮やコストを優先する場合には、髪のダメージの程度などを勘案して、省略してもよく、また、(H)工程の前など、他の箇所において行ってもよい。
(J)工程は、髪全体を水またはお湯で洗う工程である。これにより、髪や頭皮の表面に余剰成分として残存していたトリートメント剤T3~T6、DM等が洗い流され、髪や頭皮の表面や内部に取り込まれた有効成分のみが残存し、システムトリートメントが終了する。
[実施例]
(実施例1)
上記(A)~(J)工程に基づき、システムトリートメントを行った。その結果を、図1に示す。図1に示すように、システムトリートメントを行う前(Before)と、システムトリートメントを行った後(After)においては、明らかに髪の艶やまとまり感が異なり、良くなっていることが分かった。また、髪を手で触ったところ、髪の指通りや、保湿性(水分含有量)などもシステムトリートメントを行った後(After)において改善していることが分かった。また、このシステムトリートメントの効果の維持期間、即ち、システムトリートメントを行う前の髪質に戻るまでの期間は、約1か月~1か月半程度であった。
(比較例)
上記(A)~(J)工程において、(B)、(C)工程においては液状のトリートメントを用いたが、ここで、(D)、(G)、(H)のようなクリーム状のトリートメントを用いた場合、髪のゴワツキが生じた。これは、前述した強力なイオンコンプレックスによる髪のゴワツキと考えられる。
よって、システムトリートメントの前半(例えば、(B)、(C)工程)においては液状のトリートメントを用いることが好ましい。また、(D)工程において、クリーム状のトリートメントを用いた場合には、その後のお流し工程(E)により、トリートメント成分の必要分のみを髪に残存させることがより好ましい。また、システムトリートメントの後半(例えば、(G)、(H)工程)においてはクリーム状のトリートメントを用いることが許容される。
以上の結果から、上記(A)~(J)工程に基づき、システムトリートメントを行うことが効果的であることが判明した。なお、(D)工程および(I)工程を省略したシステムトリートメントを行ったところ、髪の艶やまとまり感、髪の指通りや、保湿性(水分含有量)は、上記比較例のいずれよりも良く、上記(A)~(J)のすべての工程を施したものと大きな差はなかった。
(実施の形態2)
実施の形態1で説明した(A)~(J)工程に基づくシステムトリートメントは、美容室において美容師の施術により行うことができる。実施の形態1で説明した(A)~(J)工程に基づくシステムトリートメントは、複雑かつ専門性を有する工程であるため美容師の施術により行うことで、より良い効果を得ることができる。
実施の形態1で説明した(A)~(J)工程に基づくシステムトリートメントについて、その頻度は多い方が好ましく、具体的には、1か月に1回の頻度での施術が好ましい。このように定期的にシステムトリートメントを行うことにより、髪の良い状態を継続して保つことができ、髪質の改善に繋がる。
しかしながら、1か月に1回の頻度での施術を行えない場合や、1か月に1回の頻度での施術を行える場合においても、より髪の良い状態を保つことが好ましい。具体的には、(A)~(J)工程に基づくシステムトリートメントに継続して行われるホームケアにおいて、システムトリートメントに準じたサブシステムトリートメントが行えることが好ましい。本実施の形態においては、実施の形態1で説明した(A)~(J)工程のシステムトリートメントの後にホームケアとして行われるサブシステムトリートメントについて説明する。このサブシステムトリートメント方法においては、以下の表2に示す(HC1)工程~(HC3)工程を有する。
Figure 0007141138000002
(HC1)工程は、髪にシャンプー剤HSを塗布し、洗髪する工程である。このシャンプー剤HSは、洗浄成分の他に、有効成分として、グリチルリチン酸ジカリウム、茶葉エキスおよびオーガニックオイルを含有する。このシャンプー剤HSとしては、実施の形態1の(A)工程と同じシャンプー剤を使用することができる。
上記グリチルリチン酸ジカリウムにより、髪が保湿され、また、頭皮の炎症を抑えることができる。また、茶葉エキスにより、髪が保湿され、また、髪や頭皮の消臭効果を得ることができる。消臭効果を得るため、シャンプー剤に、さらに、イノシトールを添加してもよい。また、オーガニックオイルにより、エモリエント効果を得ることができる。オーガニックオイルとしては、アルガニアスピノサ核油、オリーブ果実油、サイペラスエスクレンタス根油、ホホバ種子油などを用いることができる。
上記シャンプー剤HSによる洗髪によれば、髪を洗浄できるものの、若干の髪の軋みを感じる。この髪の軋みは、キューティクルの開きによるものであり、以降のトリートメント剤のノリやその効果を向上させるために必要なものである。
(お流し1)工程は、髪全体を水またはお湯で洗い、シャンプー剤HSを洗い流す工程である。
(HC2)工程は、髪全体に、液状のトリートメント剤HTを塗り付ける(塗布する)工程である。このトリートメント剤HTは、有効成分として、ステアリルアルコールおよびオーガニックオイルを含有する。このトリートメント剤HTとしては、実施の形態1の(F)工程と同じトリートメント剤を使用することができる。
ステアリルアルコール(オクタデシルアルコール、CH(CH16CHOH)は、水に不溶の脂肪族アルコールで、蝋(ろう)のような固体物質である。このため、トリートメント剤に延展性を持たせるための基剤として添加することができ、また、髪の保湿効果も高いため、トリートメント剤HTに用いて好適である。また、オーガニックオイルは、前述したエモリエント効果を有するためトリートメント剤HTに用いて好適である。オーガニックオイルとしては、アルガニアスピノサ核油、オリーブ果実油、サイペラスエスクレンタス根油、ホホバ種子油などを用いることができる。
(HC3)工程は、髪全体に、固めのクリーム状のトリートメント剤HDMを塗り付ける(塗布する)工程である。このトリートメント剤HDMは、有効成分として、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)およびオーガニックオイルを含有する。このトリートメント剤HDMとしては、実施の形態1の(H)工程と同じトリートメント剤を使用することができる。
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)は、ラウロイルグルタミン酸と、フィトステロールおよびオクチルドデカノールの混合物とのジエステルであり、アシルアミノ酸の一種であるラウロイルグルタミン酸の2個のカルボキシル基(-COOH)に、アルコール成分として植物ステロールであるフィトステロールと分岐鎖を有するオクチルドデカノールの混合物が結合したアシルアミノ酸ステロールエステルである。このラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)により、エモリエント効果を得ることができる。また、オーガニックオイルにより、エモリエント効果を得ることができる。オーガニックオイルとしては、前述したように、アルガニアスピノサ核油、オリーブ果実油、サイペラスエスクレンタス根油、ホホバ種子油などを用いることができる。
(お流し2)工程は、髪全体を水またはお湯で洗う工程である。これにより、髪や頭皮の表面に余剰成分として残存していたトリートメント剤HT、HDM等が洗い流され、髪や頭皮の表面や内部に取り込まれた有効成分のみが残存し、サブシステムトリートメントが終了する。
上記(HC1)~(お流し2)の工程に基づくサブシステムトリートメントをホームケアとして実施することで、(A)~(J)工程に基づくシステムトリートメントで得られた髪の良い状態を長期に保つことができる。(HC1)~(お流し2)の工程に基づくサブシステムトリートメントは、1週間(7日)に2~3回の頻度で行うことが望ましい。
[実施例]
以下の実施例においては、(HC1)工程のシャンプー剤HSとして、HIKARIシャンプー(株式会社日本製薬研究所製サンプル品)、(HC2)工程のトリートメント剤HTとして、HIKARIトリートメント(株式会社日本製薬研究所製サンプル品)、(HC3)工程のトリートメント剤HDMとして、HIKARIトリートメントディープマスク(株式会社日本製薬研究所製サンプル品)を用いた。各製品の成分をそれぞれ表3~表5に示す。
Figure 0007141138000003
Figure 0007141138000004
Figure 0007141138000005
表において、「順序」の欄の数字(例えば、1~7)は成分量の多い順序を示し、順序が記載されている成分において、80wt%以上の割合を占める。そして、残りの成分(「順序」の欄に数字が記載されていない成分)については、例えば、0.01wt%~1wt%の範囲で調整することができる。
(実施例a)
実施例1の(A)~(J)工程に基づくシステムトリートメントを行ったAさんおよびBさんについて、その後、Aさんには、1週間(7日)に2回の頻度で、(HC1)~(お流し2)の工程に基づくサブシステムトリートメントを行ってもらい、Bさんには、通常のホームケア(市販のシャンプー+市販の単一のトリートメント)を同様の頻度で行ってもらった。AさんとBさんの1カ月後の髪の状態を比較したところ、Aさんについて、Bさんより、明らかに髪の艶やまとまり感が保持され、また、髪を手で触ったところの、髪の指通りや、保湿性(水分含有量)なども保持されていることが分かった。
特に、表3~表5に示す上記HIKARIシャンプー(株式会社日本製薬研究所製サンプル品)、HIKARIトリートメント(株式会社日本製薬研究所製サンプル品)、HIKARIトリートメントディープマスク(株式会社日本製薬研究所製サンプル品)によれば、有効成分として前述した成分(表の星印)の他に、以下の有効成分(表の※印)を含んでいる。
表3に示すHIKARIシャンプーにおいては、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルを含み、この成分は頭皮や毛髪の日焼け止め効果を奏する。また、ココイル加水分解ケラチンカリウムを含み、この成分は、毛髪保護効果を奏する。また、アスパラギン酸等の11種類のアミノ酸を含み、この成分は、主に保湿効果を奏する。11種類のアミノ酸は、アルギニン、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、セリン、バリン、イソロイシン、トレオニン、プロリン、ヒスチジン、フェニルアラニンである。
表4に示すHIKARIトリートメントにおいては、メドウフォーム-δ-ラクトンを含み、この成分はエモリエント効果を奏する。また、ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチンを含み、この成分は、毛髪保護効果を奏する。また、アスパラギン酸等の11種類のアミノ酸を含み、この成分は、主に保湿効果を奏する。
表5に示すHIKARIトリートメントディープマスクにおいては、メドウフォーム-δ-ラクトンを含み、この成分はエモリエント効果を奏する。また、(ラネス-40マレイン酸ナトリウム/スチレンスルホン酸)コポリマーを含み、この成分は、毛髪保護効果、特にヒートケア効果を奏する。また、アスパラギン酸等の11種類のアミノ酸を含み、この成分は、主に保湿効果を奏する。
上記各表の有効成分(表の※印)については、美容室での施術において利用されるシャンプー剤SP、トリートメント剤T3、トリートメント剤DMに用いても好適である。また、上記HIKARIシャンプー、HIKARIトリートメント、HIKARIトリートメントディープマスクを、美容室での施術において利用されるシャンプー剤SP、トリートメント剤T3、トリートメント剤DMとして用いてもよい。
(実施例b)
実施例1の(A)~(J)工程に基づくシステムトリートメントを行ったA1さん、A2さん、A3さんについて、1週間(月、火、水、木、金、土、日)について、以下のとおりサブシステムトリートメントを行ってもらった。
A1さんには、火曜日、金曜日に、(HC1)~(お流し2)の工程に基づくサブシステムトリートメントを行ってもらい、他の曜日に、(HC1)~(HC2)の工程に基づくサブシステムトリートメントを行ってもらった。このようなホームケアを4週間行ってもらった。
A2さんには、1週間(月、火、水、木、金、土、日)、(HC1)~(HC2)の工程に基づくサブシステムトリートメントを行ってもらった。このようなホームケアを4週間行ってもらった。
A3さんには、1週間(月、火、水、木、金、土、日)、(HC1)~(お流し2)の工程に基づくサブシステムトリートメントを行ってもらった。このようなホームケアを4週間行ってもらった。
A1さん、A2さん、A3さんの4週間後の髪の状態を見たところ、(HC1)~(HC2)の工程に基づくサブシステムトリートメントを行っA2さんについて、髪の艶やまとまり感が保持され、また、髪を手で触ったところの、髪の指通りや、保湿性(水分含有量)なども保持されていることが分かった。
また、トリートメント剤HDM(HC3)を組み込んだA1さんにおいては、A2さんより、髪の艶やまとまり感が保持され、また、髪を手で触ったところの、髪の指通りや、保湿性(水分含有量)なども保持されていることが分かった。
また、トリートメント剤HDM(HC3)を組み込んだケアを毎日行ったA3さんにおいては、ビルドアップが生じた。ビルドアップとは、髪の”ごわつき”や”べたつき”が生じることを言い、ヘアケア製品の成分(油分)の髪への蓄積が原因と考えられている。よって、A3さんにおいては、トリートメント剤HDM(HC3)を組み込んだケアの回数を少なくするように指導した。
(応用例1)
上記実施例aにおいては、被験者(Aさん、Bさん)として、普通毛、セミロングの方を対象としたが、毛質によっては、(HC1)~(お流し2)の工程に基づくサブシステムトリートメントの頻度を変えてもよい。例えば、軟毛の方は、1週間(7日)に1回の頻度で行うことが望ましく、剛毛の方は、1週間(7日)に3~4回の頻度で(一日おきに)行うことが望ましい。
普通毛、軟毛、剛毛の判断は、美容室で行われる(A)~(J)工程に基づくシステムトリートメントの施術の際に、美容師により行うことができる。よって、この判断に基づき、次の美容室での施術の前までの期間のホームケア用の薬剤(例えば、上記製品)を毛質に基づき処方することができる。
(応用例2)
上記実施例aおよび応用例1においては、美容院でのシステムトリートメントを行った後のホームケアにおいて、(HC1)~(お流し2)の工程に基づくサブシステムトリートメントを行ったが、美容院でのシステムトリートメントを行っていないお客様に対して、(HC1)~(お流し2)の工程に基づくサブシステムトリートメントや、(HC1)~(HC2)の工程に基づくサブシステムトリートメントを行ってもよい。
お客様の住所、年齢などによっては、システムトリートメントの施術を行っている美容院に足を運ぶことが難しい場合がある。また、疫病の蔓延などにより、美容院に足を運ぶことが難しい場合もある。このような場合において、美容室のホームページなどに、毛質(普通毛、軟毛、剛毛)の判断基準を掲示し、お客様自身の判断により、ホームケア用の薬剤(例えば、上記製品)をインターネットなどを用いた通信販売で販売し、ホームケアに役立ててもらうことも可能である。

Claims (6)

  1. (a)髪に第1毛髪剤を塗布し、洗髪する工程、
    (b)髪の毛先に尿素を含有する第2毛髪剤を噴霧する工程、
    (c)髪にアミノ酸およびケラチンを含有する第3毛髪剤を噴霧し、スチームを吹き付ける工程、
    (e)髪を水またはお湯で洗う工程、
    (f)髪に第5毛髪剤を塗布する工程、
    (g)髪にカチオンキトサンを含有する第6毛髪剤およびアニオンキトサンを含有する第7毛髪剤を塗布する工程、
    (h)髪に第8毛髪剤を塗布する工程、
    (j)髪を水またはお湯で洗う工程、
    を有し、
    前記第1毛髪剤は、グリチルリチン酸ジカリウム、茶葉エキスおよびオーガニックオイルを有し、
    前記第5毛髪剤は、ステアリルアルコールおよびオーガニックオイルを有し、
    前記第8毛髪剤は、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)およびオーガニックオイルを有する、システムトリートメント方法。
  2. 請求項1記載のシステムトリートメント方法において、
    前記(c)工程と前記(e)工程との間に、
    (d)髪にリンゴ酸を含有する第4毛髪剤を噴霧し、スチームを吹き付ける工程、を有する、システムトリートメント方法。
  3. 請求項1記載のシステムトリートメント方法において、
    前記(h)工程と前記(j)工程との間に、
    (i)髪にオーガニックオイルを塗布する工程、を有する、システムトリートメント方法。
  4. 請求項1記載のシステムトリートメント方法において、
    前記(a)~(j)工程は、美容室において行われる、システムトリートメント方法。
  5. 請求項4記載のシステムトリートメント方法において、
    前記(j)工程の後、
    ホームケアとして、
    (k)髪に第9毛髪剤を塗布し、洗髪する工程、
    (l)髪に第10毛髪剤を塗布する工程、
    (m)髪に第11毛髪剤を塗布する工程、
    (n)髪を水またはお湯で洗う工程、
    を有し、
    前記第9毛髪剤は、グリチルリチン酸ジカリウム、茶葉エキスおよびオーガニックオイルを有し、
    前記第10毛髪剤は、ステアリルアルコールおよびオーガニックオイルを有し、
    前記第11毛髪剤は、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)およびオーガニックオイルを有する、システムトリートメント方法。
  6. 請求項5記載のシステムトリートメント方法において、
    前記(k)~(n)工程のホームケアを、
    1週間に2回以上行う、システムトリートメント方法。
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