JPH10100596A - 化粧板の製造方法及びそれにより製造される化粧板 - Google Patents

化粧板の製造方法及びそれにより製造される化粧板

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JPH10100596A
JPH10100596A JP26038396A JP26038396A JPH10100596A JP H10100596 A JPH10100596 A JP H10100596A JP 26038396 A JP26038396 A JP 26038396A JP 26038396 A JP26038396 A JP 26038396A JP H10100596 A JPH10100596 A JP H10100596A
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Mitsutoyo Miyakoshi
光豊 宮越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に凹凸形状を有する意匠性の高い化粧板
であって、同時に装飾層の表面物性が良好な化粧板を柄
抜けやバリの発生を伴うことなく製造する。 【解決手段】 表面に凹凸形状を有する基材1に転写シ
ート8により所望の装飾層6を転写してなる化粧板の製
造方法において、凹凸の凸部にのみ湿気硬化型ホットメ
ルト系接着剤からなる接着層4を設ける工程と、その上
に転写シート8を設置して熱ロール9により押圧する工
程と、転写シート8の支持体シート5を剥離して基材表
面の凸部にのみ所望の装飾層6を転写する工程を採る。
転写シート8の支持体シート5を剥離した後、さらにロ
ールにて押圧する工程を加えるのが好ましい。湿気硬化
型ホットメルト系接着剤の初期接着力が高いため、転写
時における柄抜けやバリの発生を生じない。また、時間
が経過すると接着力が増すので、装飾層の耐磨耗性等の
表面物性も良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に装飾層を有
する化粧板の製造方法に関し、特に表面に凹凸形状を有
する意匠性の高い化粧板を効率よく製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、表面に装飾層を
有する化粧板の製造方法としては、印刷されたシートを
表面にラミネートする方法や、単色の塗料で塗装するか
或いは砂状物を振り掛ける等の簡単な方法が採られてい
た。しかし、印刷されたシートをラミネートする方法で
は、表面に大柄な凹凸形状とその大柄な凹凸形状の凸部
に微細な凹凸を有する基材の凸部にのみ装飾層を形成す
る場合、基材凸部の微細な凹凸まで表現することはでき
ない。また、単色の塗料で塗装したり砂状物を振り掛け
る方法では、意匠性に劣る上に、大柄な凹凸形状の凸部
にのみ見当を合わせ、選択的に装飾することは困難であ
る。
【0003】また、支持体シート上に熱転写性インキ層
(転写層)を有する転写シートを使用し、2液硬化型接
着層により装飾層である熱転写性インキ層を転写する方
法(例えば、特開平6−278400号公報参照)、或
いは感熱接着剤層により転写する方法(例えば、特公昭
60−59876号公報参照)が提案されている。しか
し、2液硬化型接着層で転写する方法では、完全に硬化
すれば接着力は大となるが、完全硬化するまでの接着力
は低く、転写直後に剥離すると硬化していないためバリ
(即ち、転写領域と非転写領域の境界で転写層が切断さ
れず、転写層の一部が転写領域の周縁に余分に突出残留
したもの)が残りやすい上に、完全に装飾層が基板側に
転写せず支持体シート側に一部残留し、柄抜けになりや
すい。また十分な時間(通常2液硬化ポリウレタンであ
れば3〜5日)が経過した後で剥離すればこれらは解消
できるが生産効率が悪くなる。また、感熱接着剤層で転
写する方法では、初期接着力は前記の方法に比べて高
く、転写シート剥離時の問題は解消するものの、接着力
は経時的には増大せず、前記の方法で完全硬化した時に
比べると大幅に低い。そのため転写された装飾層と基材
との接着力が低く、耐摩耗性、耐セロハンテープ剥離
性、耐熱性等の装飾層の表面物性が低い。
【0004】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、表面に凹
凸形状を有する意匠性の高い化粧板であって、同時に装
飾層の表面物性が良好な化粧板を柄抜けやバリの発生を
伴うことなく製造できる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、表面に凹凸形状を有する基材に転写シー
トにより所望の装飾層を転写してなる化粧板の製造方法
において、凹凸の凸部にのみ湿気硬化型ホットメルト系
接着剤からなる接着層を設ける工程と、その上に転写シ
ートを設置して熱ロールにより加熱しながら押圧する工
程と、転写シートの支持体シートを剥離して基材表面の
凸部のみに所望の装飾層を転写する工程とからなること
を特徴とする。そして、転写シートの支持体シートを剥
離した後、さらにロールにて押圧する工程を加えるのが
好ましい。
【0006】本発明では、加熱加圧転写時の初期接着力
が適度に高く、また転写後も経時的に接着力が大幅に増
大する湿気効果型ホットメルト系接着剤で基材凸部に接
着層を塗布することにより、表面に凹凸形状を有する基
材の凸部のみに柄抜けやバリを生ぜずに良好に転写する
ことができる。また、支持体シートを剥離した後、さら
にロールで押圧することにより、表面に大柄な凹凸形状
を有する基材の凸部が微細な凹凸面を有する部分にも抜
けや接着不良を生じることなく転写することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。
【0008】まず、図1に示すように、凹凸を有する基
材1の全表面にフローコート、スプレーコート、ハケ塗
り等の手段によって下地塗料を塗布してベースコート層
2を形成する。このベースコート層は、基材表面を所望
の色にする着色を目的としたり、基材表面の粗面を目止
めし、多孔質基材の場合は孔を封孔するシーラーを目的
としたり、或いは接着剤層との接着力を増強するプライ
マー(乃至はアンカーコート)を目的として形成する。
勿論、基材表面が着色、シーラー或いはプライマーを必
要としない場合はベースコート層は省略する。次いで、
図2に示すように、ベースコート層2で被覆された基材
1の凸部3上に湿気硬化型ホットメルト系接着剤をロー
ルコート等の手段によって塗布して接着層4を形成す
る。
【0009】一方、図3に示すように、支持体シート5
上に転写層を形成して転写シート8を作成する。転写層
は少なくとも装飾層6から構成される。装飾層6として
は、例えば熱接着性インキによって転写すべき絵柄を印
刷した熱転写性インキ層、金属を真空蒸着法等で形成し
た金属薄膜層等がある。そして、必要に応じて装飾層6
と支持体シート5との間に、両者の剥離を容易にするた
めの剥離層7を形成してもよい。この剥離層7は装飾層
6と共に基材1に転写される。
【0010】次に、図4に示すように、接着層4に転写
シート8の装飾層6面を当接し、熱ロール9によって加
圧加熱状態で接着層4上に装飾層6,剥離層7を転移さ
せた後、転写シート8の支持体シート5を剥離し、接着
層4上に装飾層6,剥離層7を転写する。ここにおい
て、接着層4に当接されない転写層の部分は基材側に転
移されないので、基材1の凹部は着色されず、それ故極
めて輪郭のハッキリした鮮明な絵柄を基材1上に転写さ
れる。
【0011】上記の工程を経た後、さらに必要に応じ
て、図5に示すように、化粧を施した基材1の全面にフ
ローコート、スプレーコート等の手段により透明な塗料
を塗布して表面保護層10を設ける。
【0012】本発明において、基材1としては、板状体
で表面に凹凸形状(凹凸模様)が形成されてなるものを
用いる。凹凸形状としては、磁器タイルや煉瓦積み配列
の目地、羽目板の板間の溝等が代表的である。また、こ
れら比較的大柄な凹凸形状の凸部にさらに、細線彫刻模
様、砂目、梨地、ヘアライン、花崗岩劈開面等の微細な
凹凸を有しているものでもよい。基材1の材料として
は、天然木からなる各種単板又は合板、及びチップボー
ド、ハードボード、パーチクルボード、インフレーショ
ンボード、中密度繊維板(MDF)の木質板、或いはパ
ルプセメント板、軽量気泡コンクリート板(ALC)、
硝子繊維強化コンクリート板(GRC)、石綿珪酸カル
シウム板、スレート板、陶磁器板等の各種無機板、アル
ミニウム板、鉄板等の金属板等を使用することができ
る。
【0013】ベースコート層2を形成する下地塗料とし
ては、天然樹脂及び合成樹脂類、具体的にはアルキッド
樹脂(所謂不飽和ポリエステル樹脂も包含する)、ブチ
ル化アルミアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、フタル酸
系樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニルブチラー
ル樹脂等の如き合成樹脂類、ニトロセルロース、アセチ
ルセルロース、アセチルブチロール等の如きセルロース
誘導体、ゴム誘導体等をビヒクルとし、必要に応じ更に
着色剤として有機顔料、無機顔料、染料、体質顔料(充
填剤)等を混練してなる塗料を使用することができる。
【0014】接着層4を形成する湿気硬化型ホットメル
ト系接着剤は、ポリオール(多価アルコール類)に過剰
にポリイソシアネートを反応させた末端にイソシアネー
ト基(NCO基)を有するウレタンプレポリマーを必須
成分としている。このプレポリマーは未硬化状態では熱
可塑性であり、通常のホットメルト型接着剤と同様の挙
動を示す。このプレポリマーが湿気(水)と反応するこ
とにより三次元架橋構造をとり、耐熱性や耐クリープ性
が付与される。すなわち、塗布された湿気硬化型ホット
メルト系接着剤のNCO基が空気中や被着体の水分と反
応し尿素結合により鎖延長し、さらにプレポリマー構成
分のウレタン結合や尿素結合の活性水素とNCO基が反
応し、分岐−架橋反応となり三次元架橋構造となる。こ
の状態においては通常の2液硬化型接着剤の硬化物と同
等の物性となる。これらの反応はもちろん温度と湿度に
影響され、温度及び湿度が高い方が反応は速くなる。
【0015】ポリオールの具体例としては下記のものが
挙げられる。 特開平2−305882号公報等に開示されるような
ポリカーボネート系ポリオール。例えば、1,6−ヘキ
サンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタ
ンジオール等の平均分子量が500〜10,000の範
囲のポリオールと、ホスゲン、クロル蟻酸エステル、ジ
アリルカーボネート等との縮合によって得られるもの。 特開昭64−14287号公報等に開示されるよう
な、(A)ポリエステルポリオールと(B)ポリブタジ
エン骨格を有するポリオールとの混合系(両者をイソシ
アネートと付加反応させる)からなるもの。例えば、
(A)のポリエステルポリオールとして、偶数個の炭素
原子を有する直鎖状アルキレングリコールと偶数個の炭
素原子を有する直鎖状アルキレンジカルボン酸の各々一
種以上を適宜組み合わせて、好ましくは酸価が2以下に
なるまで反応させてなる、平均分子量1,000〜3
0,000のものを用い、また(B)のポリブタジエン
骨格を有するポリオールとして、ポリブタジエンの両末
端に水酸基を付加させた平均分子量が500〜10,0
00のものを用い、(A)/(B)=95/5〜60/
40の当量比で配合させたもの。 ポリエーテルポリオール アクリールポリオール
【0016】イソシアネートとしては、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水
添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族乃至は
脂環式イソシアネート等が用いられる。
【0017】湿気硬化型ホットメルト系接着剤に色々な
特性を付与するため、上記のようなプレポリマーに通常
熱可塑性樹脂、粘着性付与剤、可塑剤、充填剤などが加
えられる。熱可塑性樹脂としてエチレン−酢酸ビニル樹
脂、粘着性付与剤としてテルぺン−フェノール樹脂、ア
ビエチン酸ロジンエステル等が用いられる。そのほか各
種の被着体への接着性を上げる目的で熱可塑性樹脂とし
て低分子量ポリエチレン、変性ポリオレフィン(EVA
も含む)、アタクチックポリプロピレン、線状ポリエス
テル樹脂、EAAを用いたものが提案されている。これ
らの湿気硬化型ホットメルト系接着剤は殆ど粘着性付与
剤を含んでいる。これらはイソシアネート基と反応する
官能基(−OH,−COOH,−NHなど)が完全には
消去されていないため、このまま添加すると湿気硬化型
ホットメルト系接着剤の熱安定性に欠けることがある。
これを改良するために、粘着性付与剤をイソシアネート
で前処理して添加する方法も提案されている。
【0018】湿気硬化型ホットメルト系接着剤が硬化完
了(接着力が飽和する)までに要する時間は、温度、湿
度、接着剤の種類にもよるが、標準的には20℃、60
%RHの条件で10時間程度である。そして、温度及び
湿度が高いほど、硬化完了に要する時間は短くなる。一
般的には2液硬化型ポリウレタンよりも短い。この湿気
硬化型ホットメルト系接着剤は被転写基材側へ塗工す
る。塗布量は10〜300g/m2 程度である。
【0019】転写シート8の支持体シート5としては、
例えば、薄葉紙、ロール紙、上質紙、クラフト紙、コー
ト紙等の各種の紙類、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビ
ニル、ナイロン等各種の樹脂のフィルム又はシート、ア
ルミニウム等の金属箔、その他、上記の紙と樹脂のフィ
ルム又はシートと金属箔の二種以上を任意にラミネート
したラミネーションフィルム等を使用することができ
る。なお、支持体シート5の表面には、例えば、シリコ
ーン系樹脂、ポリアミド樹脂、アミノアルキッド樹脂又
はエポキシ樹脂等で変性した変性シリコーン樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂又
は高級脂肪酸の金属醋塩等の離型剤を支持体にロールコ
ート、グラビアコート、フローコート、スプレー、エク
ストルージョンコート等の手段でコートすることによっ
て離型層を形成してもよい。この離型層(図示せず)は
転写時に支持体シートと共に剥離除去される。
【0020】転写シート8の装飾層6形成用の熱接着性
インキとしては、例えば、アマニ油、大豆油、合成乾性
油等の各種の油脂類、ロジン、コパール、ダンマル、硬
化ロジン、ロジンエステル又は重合ロジン等の天然樹脂
及び加工樹脂類、ロジン変性フェノール樹脂、100%
フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキッド樹脂(所謂
不飽和ポリエステル樹脂も包含する)、酢酸ビニル系樹
脂、ブチラール樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド樹脂等の合成樹
脂類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、環化ゴム等
のゴム誘導体等をビヒクルの構成材料とし、ビヒクルに
有機顔料、無機顔料、染料などの着色剤を添加し、さら
に例えば可塑剤、安定剤、乾燥剤、補助乾燥剤等の公知
の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤等で充分に混練
してなるインキを使用することができる。このインキを
用いて支持体シート上に転写すべき絵柄を形成するの
は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷
法、オフセット印刷法等の公知の印刷方法によればよ
い。
【0021】上記の製造方法において、接着層4上に転
写層を転移させる際の加熱加圧処理の条件としては、ロ
ールの表面温度が約100〜250℃、圧力が1〜50
kg/cm2 、ロール送り速さが5〜20m/minで
あることが好ましい。熱ロール9としては、鉄等からな
る剛体の軸芯の周囲をゴムで被覆したものを用いる。こ
のゴムとしては耐熱性の有るもの、例えば、シリコンゴ
ム、ネオプレンゴム、SBR(スチレン・ブタジエンゴ
ム)、弗素ゴム、バイトンゴム等公知のものが用いられ
るが、耐熱性に加えて耐久性を有する材質が望ましい。
このうちシリコンゴムロールが本発明では良好である。
ゴム硬度は60°〜70°の範囲が好ましい。ゴム硬度
が70°より硬くなると凹凸基材の凸部の微細な凹凸へ
転写シートが追従しにくく転写抜けしやすい。また逆に
60°より柔らかくなると凹凸基材の凹部にまでゴムロ
ールが押され、所望の意匠が得られなくなってしまう。
特にゴム硬度65°のシリコンロールが良好な結果が得
られた。
【0022】特に、転写すべき基材凸部上に更に微細な
凹凸模様を有する場合には、転写層をその微細な凹凸に
追従させて密着せしめるために、先ず支持体シート5上
から熱ロール9で加熱加圧し、次いで支持体シート5の
みを剥離除去し、しかる後に再度熱ロールで加熱加圧す
ることが好ましい。再度の加熱加圧に用いる熱ロール
は、最初の加熱加圧時と同じ熱ロールでも良いが、特に
微細凹凸内への転写層の密着を確実にするためには、ゴ
ム硬度60°以下の軟質のゴムを用いた熱ロールがより
好ましい。
【0023】表面保護層10形成用の塗料としては、例
えば、天然樹脂及び合成樹脂類、アルキッド樹脂、シリ
コン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン
系樹脂、弗素樹脂等の如き合成樹脂類、ニトロセルロー
ス等の如きセルロース誘導体等を主成分としたものを使
用できる。これらの樹脂は単独で或いは2種以上混合し
て用いる。更に必要に応じ、塗料中には、ベンゾトリア
ゾール、微粒子酸化セリウム等の紫外線吸収剤、ヒンダ
ードアミン系ラジカル補捉剤等の光安定剤、蝋、ポリエ
チレンワックス等のワックス類、着色剤等を添加する。
【0024】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0025】(実施例1)基材として目地部分が凹部を
なすシーラ処理済みの煉瓦積み模様を有する珪酸カルシ
ウム系窯業パネルを準備した。但し、凸部表面は平坦に
仕上げたものを用いた。そして、顔料として酸化チタン
を用いた白色の2液硬化型ウレタン塗料を用い、基材の
凹凸面全面に50g/m2 で塗工して硬化させ、ベース
コート層を形成した。次いで、末端に余剰のイソシアネ
ート基を有する線状ウレタンプレポリマーを成分とする
湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤をロールコ
ーターにより大柄な凹凸の凸部にのみ50g/m2 で塗
工して接着層を設けた。
【0026】一方、厚さ50μmのポリプロピレンフィ
ルムを支持体シートに使用し、これにカーボンブラッ
ク、酸化鉄、チタン白、キナクリドン、イソインドリド
ンからなる顔料と、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂との重量比8:2の混合物のバインダ
ーとからなるインキで、装飾層として煉瓦調の絵柄を印
刷して転写シートを作製した。
【0027】そして、上記転写シートをその装飾層面が
基材の凹凸面に向くように設置し、表面温度130℃、
ゴム硬度65°のシリコンゴム熱ロールにて裏面から加
圧した。圧力は線圧で10kg/cm、熱ロールの送り
速度は15m/minとした。加圧後、室温まで冷却さ
せてから支持体シートを剥離した。これにより基材の凸
部にのみ装飾層の転写された化粧板ができた。さらに、
装飾層上にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有す
るポリフッ化ビニリデン塗料を厚さ10μ塗布し、透明
保護層を形成した。
【0028】(実施例2)基材として、実施例1で用い
たものにおいて凸部表面(煉瓦部分)に更に細線溝によ
る花柄の彫刻模様(微細な凹凸)を施したものを用い
た。実施例1と同様にして装飾層の転写までを行い、す
なわち支持体シートの剥離工程までを行った後、表面温
度130℃、ゴム硬度65℃のシリコンゴム熱ロールに
て装飾層表面を再度加圧した。そして、表面全体に実施
例1と同様のポリフッ化ビニリデン塗料を厚さ10μ塗
布し、透明保護層を形成して化粧板を得た。
【0029】(比較例1)実施例1において、接着剤と
して酢酸ビニル系樹脂からなるホットメルト型接着剤を
用い、その他は同じ条件で化粧板を作製した。
【0030】(比較例2)実施例1において、接着剤と
してアクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネ
ートの反応当量混合物からなる2液硬化型ポリウレタン
接着剤を用い、その他は同じ条件で化粧板を作製した。
【0031】(比較例3)実施例2において、装飾層の
再度の加圧工程を省き、その他は同じ条件で化粧板を作
製した。
【0032】(性能評価)上記の各実施例及び各比較例
で得た化粧板を25℃、60%RH雰囲気中に1日間放
置した後、透明保護層側から接着層にまで達する切込み
を縦11本、横11本ずつ直交させて入れ、計100個
の碁盤目状の枡目を刻んだ。次いで、その枡目の表面に
25mm幅のセロハン粘着テープ(ニチバン製セロテー
プ(登録商標)、工業用)の粘着面を貼着して剥離する
試験を5回繰り返し、剥脱せずに基材側に残留した装飾
層の枡目の数がN個(0≦N≦100,100−Nは剥
脱した枡目の数)である時の評価結果をN/100とし
て評価した。このセロハンテープ剥離試験の数値が10
0/100に近いほど装飾層と基材との接着力は良好で
あると見做すことができる。なお、硬化時間の比較のた
め、比較例2の化粧板については、40℃、60%RH
雰囲気中で試験片を3日間養生したものについても同様
の試験をした。また、凸部に転写された装飾層の欠落
(抜け)及び転写領域(凸部)の端部のバリの発生を、
剥離試験を行った部分以外の箇所で評価した。この評価
結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】この表1から分かるように、実施例のもの
では、装飾層の抜けやバリの発生を生じることがなく、
しかも剥離試験の結果も良好であった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
表面に凹凸形状を有する化粧板の凸部に装飾層を転写す
るのに使用した湿気硬化型ホットメルト系接着剤の初期
接着力が高いため、転写時における柄抜けやバリの発生
を伴うことがない。また、時間が充分に経過した後に
は、接着力が大幅に向上するため、装飾層の密着力(接
着力)、耐摩耗性等の表面物性も良好である。また、完
全硬化までに要する時間も2液硬化ポリウレタンより短
くて済む。
【0036】そして、転写シートの支持体シートを剥離
した後、さらにロールにて押圧する工程を行うことによ
り、表面に大柄な凹凸形状を有する基材の凸部が微細な
凹凸面を有する部分に装飾層の浮きや接着不良を生じる
ことなく良好に転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】凹凸形状を有する基材の表面にベースコート層
を形成した状態を示す断面図である。
【図2】凹凸の凸部にのみ接着層を設けた状態を示す断
面図である。
【図3】転写シートの断面図である。
【図4】基材に転写シートを押圧する工程を示す断面図
である。
【図5】表面保護層を設けた化粧板の断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 ベースコート層 3 凸部 4 接着層 5 支持体シート 6 装飾層 7 剥離層 8 転写シート 9 熱ロール 10 表面保護層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸形状を有する基材に転写シー
    トにより所望の装飾層を転写してなる化粧板の製造方法
    において、凹凸の凸部にのみ湿気硬化型ホットメルト系
    接着剤からなる接着層を設ける工程と、その上に転写シ
    ートを設置して熱ロールにより加熱しながら押圧する工
    程と、転写シートの支持体シートを剥離して基材表面の
    凸部のみに所望の装飾層を転写する工程とからなること
    を特徴とする化粧板の製造方法。
  2. 【請求項2】 転写シートの支持体シートを剥離した
    後、さらにロールにて押圧するようにした請求項1に記
    載の化粧板の製造方法。
  3. 【請求項3】 表面に凹凸を有する基材の凸部上に湿気
    硬化型ホットメルト系接着剤の硬化層、さらに該硬化層
    上に装飾層が積層されてなることを特徴とする化粧板。
  4. 【請求項4】 凸部が微細な凹凸面を有する請求項3に
    記載の化粧板。
JP26038396A 1996-10-01 1996-10-01 化粧板の製造方法及びそれにより製造される化粧板 Pending JPH10100596A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10305549A (ja) * 1997-05-07 1998-11-17 Sekisui Chem Co Ltd 化粧シート被覆材料の製造方法
JP2013121709A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Konica Minolta Business Technologies Inc 箔画像形成方法及び箔画像形成装置
JP2013193397A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Toyoda Gosei Co Ltd 樹脂部材の表面装飾方法
JP2018114661A (ja) * 2017-01-18 2018-07-26 株式会社フジシール ラベル基材の製造方法及びラベル
JP2019152090A (ja) * 2018-02-28 2019-09-12 壽工業株式会社 多面体鏡面外装板材及びその製造方法

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