JP7117497B2 - 電磁石装置、及び電磁リレー - Google Patents

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Description

本開示は、一般に、電磁石装置、及び電磁リレーに関する。本開示は、より詳細には、電磁石の励磁に応じて移動する接極子を備えた電磁石装置、及び当該電磁石装置と接点部とを備えた電磁リレーに関する。
特許文献1には、電磁リレーが記載されている。この電磁リレーは、ベース、多極型の接点機構、接点切換え用の移動体としてのカード、電磁石ブロック、ベースに回動自在に支持されて電磁石ブロックに対向配備されたカード駆動用の可動ブロック、及び、カバーケース等から構成されている。
可動ブロックは、樹脂成形されたブロック本体、ブロック本体の前面に嵌入止着される鉄片(接極子)、鉄片の前面中央に吸着固定された永久磁石、及び、金属製の支点軸等から構成されている。電磁石ブロックの励磁、非励磁に応じて、鉄片が電磁石ブロックのヨーク(継鉄)に吸引、離反されることで、接点切換えが行われる。
特開2005-63940号公報
ところで、接極子、永久磁石、及び継鉄によって形成される磁気回路においては、磁束の漏れが増加すると、磁気効率が低下する可能性がある。したがって、漏れ磁束の低減が望まれる。
本開示は上記事由に鑑みてなされ、漏れ磁束の低減を図ることができる電磁石装置、及び電磁リレーを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る電磁石装置は、電磁石と、接極子と、永久磁石と、補助ヨークと、を備える。前記電磁石は、コイル及び継鉄を有する。前記永久磁石において、一方の磁極が前記接極子に対向する。前記補助ヨークは、第1面及び第2面を有する。前記第1面は、前記永久磁石の他方の磁極と対向しかつ前記永久磁石の磁極方向と交差する。前記第2面は、前記継鉄の側を向く。前記接極子は、前記電磁石が励磁されると、前記継鉄に近づく向き又は遠ざかる向きに移動する。前記補助ヨークの前記第2面は、前記接極子が前記励磁に応じて移動する可動範囲のうち少なくとも一部の範囲において、前記継鉄と対向する。
本開示の一態様に係る電磁リレーは、上記の電磁石装置と、接点部と、を備える。前記接点部は、固定接点、及び、前記接極子の移動に伴って前記固定接点に対して接触する閉位置と前記固定接点から離れる開位置との間で変位する可動接点、を有する。
本開示によれば、漏れ磁束の低減を図ることができる、という利点がある。
図1は、一実施形態に係る電磁石装置を備えた電磁リレーの斜視図である。 図2は、同上の電磁リレーの平面図である。 図3は、同上の電磁石装置の接極子ユニットの上から見た斜視図である。 図4は、同上の接極子ユニットの下から見た斜視図である。 図5は、同上の接極子ユニットの分解斜視図である。 図6は、同上の電磁石装置の電磁石の斜視図である。 図7A及び図7Bは、同上の電磁リレーの右側面図であり、図7Aは、非励磁状態、図7Bは、励磁状態における図である。 図8A及び図8Bは、同上の電磁リレーの左側面図であり、図8Aは、非励磁状態、図8Bは、励磁状態における図である。 図9A及び図9Bは、図2におけるA-A線断面図であり、図9Aは、非励磁状態、図9Bは、励磁状態における図である。 図10Aは、比較例の電磁石装置における磁気回路の説明図であり、図10Bは、同上の電磁リレーの電磁石装置における磁気回路の説明図である。 図11A及び図11Bは、同上の電磁リレーの要部の斜視図である。 図12は、同上の接極子ユニットの変形例の下から見た斜視図である。 図13A~図13Cは、同上の電磁リレーが複数で近接配置される場合の概念図である。
(1)概要
以下の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。以下の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の実施形態において説明する図1~図13Cは、模式的な図であり、図1~図13C中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
以下では、本実施形態の電磁石装置3、及び電磁リレー1の上下、左右、前後の方向を、図1、図3、図4及び図6に図示されている上下、左右、前後の矢印を用いて規定して説明する。これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、これらの方向は、電磁石装置3、及び電磁リレー1の使用方向を限定する趣旨ではない。
本実施形態の電磁石装置3は、図1に示すように、電磁石5と、接極子ユニット6と、を備えている。接極子ユニット6は、図3~図5に示すように、接極子7と、永久磁石9と、補助ヨークY1と、保持部8と、を備えている。
電磁石5は、図6に示すように、コイル50及び継鉄52を有している。永久磁石9において、一方の磁極(図9Aの例ではN極)が接極子7に対向する。補助ヨークY1は、図9A及び図9Bに示すように、第1面Y11(上面)及び第2面Y12(左側面)を有している。第1面Y11は、永久磁石9の他方の磁極(図9Aの例ではS極)と対向し、かつ、永久磁石9の磁極方向と交差する。ここでは、磁極方向とは、永久磁石9におけるN極の磁極面とS極の磁極面との並び方向であり、概ね上下方向に沿う方向である。第2面Y12は、継鉄52の側を向いている。
接極子7は、図9A及び図9Bに示すように、電磁石5が励磁されると、継鉄52に近づく向き又は遠ざかる向きに移動する。そして、補助ヨークY1の第2面Y12は、接極子7が電磁石5の励磁に応じて移動する可動範囲のうち少なくとも一部の範囲において、継鉄52と対向する。ここでは、一例として、電磁石5が非励磁の状態にあり接極子7の左端が図9Aに示すように上位置に持ち上がった状態にあるとき、第2面Y12の一部の領域D1が、継鉄52の突出部520の右面のうち一部の領域D2と対向する。
本実施形態の電磁リレー1は、例えば、上記の電磁石装置3と、2つの接点部2と、を備えている。各接点部2は、固定接点21、及び、接極子7の移動に伴って固定接点21に対して接触する閉位置と固定接点21から離れる開位置との間で変位する可動接点26、を有している。
この構成によれば、補助ヨークY1の第2面Y12は、接極子7が電磁石5の励磁に応じて移動する可動範囲のうち少なくとも一部の範囲において、継鉄52と対向する。そのため、継鉄52、補助ヨークY1の第2面Y12(左側面)、補助ヨークY1の第1面Y11(上面)、永久磁石9の他方の磁極の磁極面、及び永久磁石9の一方の磁極の磁極面という磁気回路ができる。したがって、例えば補助ヨークY1が設けられていない場合(図10A参照)に比べて、永久磁石9の両磁極面を通る磁極方向(縦方向)の磁束の流れに対して、横方向の磁束の流れが支配的になるように変換できる(図10B参照)。その結果、永久磁石9の他方の磁極面(図9Aでは永久磁石9の下側にあるS極の磁極面)における磁束の漏れの低減を図ることができる。
なお、本実施形態の電磁リレー1は、一例として、電磁石5の励磁時に接点が閉じる常開接点、及び電磁石5の非励磁時に接点が閉じる常閉接点を有し、接点溶着等の異常の発生を検出可能な、いわゆる安全リレーとして構成されることを想定する。そのため、接点部2の数は、常開接点に相当する第1接点部2Aと、常閉接点に相当する第2接点部2Bの、2つである。しかし、電磁リレー1は、安全リレーに限定されず、接点部2の数も、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態の電磁リレー1について、図1~図11Bを参照して詳しく説明する。電磁リレー1は、図1に示すように、2つの接点部2(第1接点部2A、第2接点部2B)と、電磁石装置3と、カバー4A及びベース4Bからなる器体4と、を備えている。上の「(1)概要」の欄で説明したように、電磁リレー1は、例えば安全リレーとして適用される。具体的には、電磁リレー1は、常開接点である第1接点部2Aが溶着した場合、電磁石5が非励磁状態であっても、常閉接点である第2接点部2B間は、0.5mm以上離れるように構成されていることが好ましい。また、電磁リレー1は、常閉接点である第2接点部2Bが溶着した場合、電磁石5が励磁状態であっても、常開接点である第1接点部2A間は、0.5mm以上離れるように構成されていることが好ましい。つまり、第1接点部2Aが溶着した場合、第2接点部2Bにより溶着を検出可能である。第2接点部2Bが溶着した場合、第1接点部2Aにより溶着を検出可能である。電磁リレー1は、図1に示すように、全体として、扁平な略直方体形状に形成されている。
(2.2)接点部
(2.2.1)接点部の構成
2つの接点部2は、図1に示すように、第1接点部2A、及び第2接点部2Bから構成されている。第1接点部2Aは、常開接点に相当し、器体4のベース4Bの一面40(上面)において右端に配置されている。第2接点部2Bは、常閉接点に相当し、器体4のベース4Bの一面40(上面)において左端に配置されている。
(2.2.2)第1接点部
まず、第1接点部2Aについて、主に図7A、及び図7Bを参照しながら説明する。なお、図7Aは、電磁石5が非励磁状態における電磁リレー1の右側面図であり、図7Bは、電磁石5が励磁状態における電磁リレー1の右側面図である。
第1接点部2Aは、図7Aに示すように、固定接点21を有する固定端子20と、可動接点26(以下、第1可動接点26Aと呼ぶこともある)を有する可動ばね25と、可動ばね25を支持する支持端子27と、を有している。固定端子20は、左右方向から見て全体として略L字板状に形成されている。また、可動ばね25及び支持端子27は、可動端子を構成し、左右方向から見て全体として略L字板状に形成されている。
具体的には、第1接点部2Aの固定端子20は、導電性材料により形成されている。固定端子20は、固定接点21と、立設部22と、上壁部23と、端子片24と、を有している。立設部22、上壁部23、及び端子片24は、一枚の板状の部材(例えば銅合金等)に対して折り曲げ加工を施すことにより形成されている。つまり、立設部22、上壁部23、及び端子片24は、一体となって形成されている。
立設部22は、略矩形板状に形成され、その厚み方向が前後方向に沿うように配置される。上壁部23は、略矩形板状に形成され、立設部22の上部の右端から後方に突き出ている。ただし、上壁部23は、水平方向に対して僅かに傾斜している。具体的には、第1可動接点26Aと固定接点21とが離れた開位置のとき、上壁部23は、前方に行くほど可動接点26から離れる方向に、僅かに傾斜している。また、上壁部23の下面には、図7A及び7Bに示すように、適宜の取付方法(例えば、かしめ固定や溶接等)によって固定接点21が取り付けられている。固定接点21は、例えば銀合金等で形成されている。端子片24は、上下方向に細長い帯板状に形成され、立設部22の下部から下方に向かって延びており、器体4から外部に導出される。
本実施形態では、一例として、固定接点21は、上壁部23とは別体となっており、かしめ固定等により固着されているが、上壁部23と一体となって構成されていてもよい。
第1接点部2Aの可動ばね25は、導電性薄板からなる板ばねであり、左右方向から見た形状が略L字状となるように形成されている。
可動ばね25は、図7Aに示すように、第1可動接点26Aと、横片251と、突片253(図11A参照)とから構成されている。横片251、突片253、及び支持端子27は、例えば一枚の板部材に対して折り曲げ加工を施すことにより形成されている。つまり、可動ばね25及び支持端子27は、一体となって形成されている。
横片251は、前後方向に長尺の略矩形板状に形成され、その厚み方向が上下方向に対して僅かに傾斜するように配置される。ここでは、横片251は、設計上の形状も支持端子27に対して僅かに傾斜している。第1可動接点26Aと固定接点21とが離れた開位置のとき、横片251は、前方に行くほど固定接点21から離れる方向に、僅かに傾斜している。
更に、横片251は、第1可動接点26Aの近傍に段部254を有している。すなわち、横片251は、支持端子27の上端から下方へ傾斜しながら前方に真っ直ぐ延びている第1部251Aと、一度上方へ傾斜しながら前方に延びている第2部251Bと、再び下方へ傾斜しながら前方に延びている第3部251Cとから構成されている。第1部251Aと第3部251Cとは、略平行に傾斜している。更に、第3部251Cは、第1可動接点26Aと固定接点21とが接触した閉位置のとき、固定接点21が取り付けられている上壁部23とも平行に傾斜している。つまり、段部254は、第2部251Bによる、第1部251Aと第3部251Cとの高低差により形成されている。このような段部254は、後述する合成樹脂製の保持部8の第1押圧部80Aが幾度となく可動ばね25に接触することで生じ得る摩耗粉が第1可動接点26Aに向かわないように遮蔽し、摩耗粉の飛散を抑制することができる。
横片251の上面(一面250の一部)における先端、すなわち、第3部251Cの上面には、図7A及び7Bに示すように、適宜の取付方法(例えば、かしめ固定や溶接等)によって第1可動接点26Aが取り付けられている。第1可動接点26Aは、例えば銀合金等で形成されており、上下方向において、固定接点21と対向するように配置されている。ただし、第1可動接点26Aと固定接点21との互いの位置関係は、第1可動接点26Aが下側に、固定接点21が上側となっている。第1可動接点26Aと固定接点21とが接触した閉位置のとき、第1可動接点26Aが取り付けられている第3部251Cが、固定接点21が取り付けられている上壁部23と平行に傾斜しているため、一方の接点の端(角)が、他方の接点に当たるような事態の発生を防止できる。要するに接触面積を増加させて接触信頼性の向上が図られる。
突片253は、横片251の先端(第1部251Aの先端)寄りの左縁から左方に突出している。突片253は、矩形板状に形成され、その厚み方向は、上下方向に沿うように配置されている。なお、突片253は、後述する保持部8の第1押圧部80Aの第2突起802が上方から接触する部位となる。
本実施形態では、一例として、第1可動接点26Aは、横片251とは別体となっており、かしめ固定等により固着されているが、横片251と一体となって構成されていてもよい。
第1接点部2Aの支持端子27は、可動ばね25を支持するように構成されている。支持端子27は、器体4から外部に導出されるための端子片270を有している。端子片270は、上下方向に細長い帯板状に形成されている。
なお、固定端子20の厚み寸法は、図7Aに示すように、可動ばね25及び支持端子27の厚み寸法よりも大きい(例えば略2倍程度)。ただし、支持端子27の端子片270の厚み寸法は、支持端子27を構成する板状の部材の一部に折り曲げ加工を施すことにより、可動ばね25の厚み寸法の略2倍としており、また固定端子20を構成する板状の部材の厚み寸法と略等しい。ここでは、端子片270は、図11Aに示すように、下方から見たときに、左側が開放された略U字状となるように折り曲げられている。
このように構成された第1接点部2Aにおいては、電磁石5が非励磁状態のとき、図7Aに示すように、可動ばね25の一面250(上面)が保持部8の第1押圧部80Aから押圧を受け続けている。そのため、可動ばね25の先端部は、弾性変形により下方に撓み、第1可動接点26Aが固定接点21から離れた開位置にある。
また、第1接点部2Aにおいては、電磁石5が励磁状態のとき、図7Bに示すように、保持部8の第1押圧部80Aからの押圧が消失されている。そのため、可動ばね25の先端部は、上方に弾性復帰し、第1可動接点26Aは、固定接点21に接触した閉位置にある。なお、本実施形態では、図7Bに示すように、電磁石5が励磁状態のとき、保持部8の第1押圧部80Aが可動ばね25の一面250と接触しないように、寸法関係が規定されている。つまり、電磁石5が励磁状態のとき、第1押圧部80Aと可動ばね25の一面250との間に、僅かな空隙が形成されていて、第1押圧部80Aからの押圧は、消失されている。
(2.2.3)第2接点部
次に、第2接点部2Bについて、主に図8A、及び図8Bを参照しながら説明する。なお、図8Aは、電磁石5が非励磁状態における電磁リレー1の左側面図であり、図8Bは、電磁石5が励磁状態における電磁リレー1の左側面図である。
本実施形態では、第2接点部2Bは、その構造が概ね第1接点部2Aと共通である。したがって、以下では、説明の簡略化のために、共通する構造については共通の参照符号を付与して適宜に説明を省略する。
第2接点部2Bは、図8Aに示すように、固定接点21を有する固定端子20と、可動接点26(以下、第2可動接点26Bと呼ぶこともある)を有する可動ばね25と、可動ばね25を支持する支持端子27と、を有している。可動ばね25及び支持端子27は、可動端子を構成している。第2接点部2Bにおいても、可動ばね25及び支持端子27は、一体となって形成されている。
具体的には、第2接点部2Bの固定端子20は、導電性材料により形成されている。固定端子20は、固定接点21と、立設部22と、上壁部23と、端子片24と、を有している。第2接点部2Bの固定端子20は、図2に示すように、第1接点部2Aの固定端子20と、左右方向において面対称となる構成を採用している。第2接点部2Bにおいても、上壁部23は、水平方向に対して僅かに傾斜している。具体的には、第1可動接点26Bと固定接点21とが離れた開位置のとき、上壁部23は、前方に行くほど可動接点26から離れる方向に、僅かに傾斜している。
第2接点部2Bの可動ばね25は、導電性薄板からなる板ばねであり、左右方向から見た形状が略L字状となるように形成されている。可動ばね25は、図8Aに示すように、第2可動接点26Bと、横片251と、から構成されている。つまり、第2接点部2Bの可動ばね25は、第1接点部2Aの可動ばね25と異なり、突片253を有していない。
ここでは、第1接点部2A及び第2接点部2Bの各々の可動接点26は、固定接点21に対して1つの接点で接触するように構成されている。第1接点部2Aは、常開接点に相当し、例えば負荷が接続されている電路に挿入されることを想定しているため、通電抵抗を出来るだけ小さくするように、1つの接点で接触することが望ましい。しかし、第2接点部2Bの可動接点26Bは、固定接点21に対して2つの接点で接触するように構成されてもよい。第2接点部2Bは、常閉接点に相当し、例えば接点溶着等の異常を検知するための検知回路に接続されることを想定している。そのため、仮に第2接点部2Bの可動接点26Bの数を2つにしておけば、一対の第2可動接点26Bの一方に異物等が付着しても、その他方が固定接点21に接触するため、接触信頼性が高められ、検知回路は、より確実に異常を検知することができる。
第2接点部2Bにおいても、第1接点部2Aと同様に、第2可動接点26Bは、上下方向において、固定接点21と対向するように配置されている。第2可動接点26Bと固定接点21との互いの位置関係は、第2可動接点26Bが下側に、固定接点21が上側となっている。
また第2接点部2Bも、横片251は、設計上の形状も支持端子27に対して僅かに傾斜している。第1可動接点26Bと固定接点21とが離れた開位置のとき、横片251は、前方に行くほど固定接点21から離れる方向に、僅かに傾斜している。横片251は、第2可動接点26Bの近傍に段部254を有している。
なお、本実施形態では、一例として、第2接点部2Bの固定接点21は、上壁部23とは別体となっており、かしめ固定等により固着されているが、上壁部23と一体となって構成されていてもよい。また、第2接点部2Bの第2可動接点26Bは、横片251とは別体となっており、かしめ固定等により固着されているが、横片251と一体となって構成されていてもよい。
このように構成された第2接点部2Bにおいては、電磁石5が励磁状態のとき、図8Bに示すように、可動ばね25の一面250(上面)が、後述する保持部8の第2押圧部80Bから押圧を受け続けている。そのため、可動ばね25の先端部は、弾性変形により下方に撓み、第2可動接点26Bが固定接点21から離れた開位置にある。
また、第2接点部2Bにおいては、電磁石5が非励磁状態のとき、図8Aに示すように、保持部8の第2押圧部80Bからの押圧が消失されている。そのため、可動ばね25の先端部は、上方に弾性復帰し、第2可動接点26Bは、固定接点21に接触した閉位置にある。なお、本実施形態では、図8Aに示すように、電磁石5が非励磁状態のとき、保持部8の第2押圧部80Bが可動ばね25の一面250と接触しないように、寸法関係が規定されている。つまり、電磁石5が非励磁状態のとき、第2押圧部80Bと可動ばね25の一面250との間に、僅かな空隙が形成されていて、第2押圧部80Bからの押圧は、消失されている。
(2.3)電磁石装置
(2.3.1)電磁石装置の構成
電磁石装置3は、図1に示すように、電磁石5と、接極子ユニット6とから構成されている。電磁石装置3においては、電磁石5の励磁/非励磁に応じて、接極子ユニット6の接極子7が移動し、第1接点部2A及び第2接点部2Bの開閉状態が切り替わるように構成されている。本実施形態では、接極子ユニット6の接極子7は、一例として、電磁石5の励磁/非励磁に応じて、回転軸A1(図1参照)を中心に可動範囲内で回転(揺動)する。なお、本実施形態で言う「搖動」とは、長尺の接極子ユニット6における長手方向の両端部(左右両端部)が、その長手方向における中央部(厳密に中央でなくてもよい)を支点として、互い違いに上下に変位するように動くことを意味する。つまり、接極子ユニット6は、一例として、いわゆるシーソー型の接極子ユニットである。ただし、接極子ユニット6は、シーソー型に限定されない。
なお、図1中の一点鎖線で図示された回転軸A1は、説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。本実施形態では、接極子ユニット6の(後述する)保持部8の軸部813の中心軸が、回転軸A1に一致する。接極子ユニット6は、小型化(特に低背化)を図りつつ接極子ユニット6のストロークを大きくするために、電磁石5の励磁/非励磁に応じて器体4のベース4Bに対して回転軸A1を中心に揺動して可動接点26を変位させる。
(2.3.2)電磁石
まず、電磁石5について、主に図2及び図6を参照しながら説明する。電磁石5は、図6に示すように、コイル50と、継鉄52と、一対のコイル端子53と、を有している。
継鉄52は、磁性体であり、磁束が通る磁路を形成する。継鉄52は、全体として左右方向に長尺の略U字の板状に形成されている。
コイル50は、コイルボビン51に、導線が巻回されて構成されている。コイルボビン51は、例えば合成樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料により形成されている。また、コイルボビン51は、左右方向に長尺の略円筒状に形成されている。コイルボビン51は、その軸方向が左右方向と一致するように配置されている。コイルボビン51の軸方向は、コイル50の軸方向A2(図2参照)に相当する。
コイルボビン51は、図6に示すように、左右方向に貫通する貫通孔510しており、継鉄52の左右方向に延びる胴部がその貫通孔510を貫くようにして、継鉄52を保持している。そして、継鉄52の胴部の左右両端からは、一対の突出部520が前方に延び出ている(図6参照)。要するに、継鉄52は、コイル50より突出して設けられている。一対の突出部520は、コイル50における軸方向A2の両端から軸方向A2と交差する方向(ここでは略直交する前方)に突出する。
コイルボビン51は、その左右方向の両端部において、一対の突出部520の下方に設けられた、略矩形板状の保持台511を有している。各保持台511は、その上面が貫通孔510内の底面と面一となるように、貫通孔510の下縁から連続して形成されている。保持台511は一対の突出部520を支持することが好ましい。
一対のコイル端子53は、コイルボビン51に保持されてコイル50に接続される。具体的には、コイルボビン51に巻回されている導線の一端に、一対のコイル端子53の一方が電気的に接続され、当該導線の他端に、一対のコイル端子53の他方が電気的に接続されている。さらに、コイルボビン51の各保持台511の前端部の下面に設けられた直方体形状の端子保持ブロック512が、コイル端子53を保持している。
各コイル端子53は、対応する端子保持ブロック512を前後方向に貫いた状態で保持されている、前後方向に長尺の第1端子片531を有している。第1端子片531の後端は、下方に折り曲げられて端子保持ブロック512から突出しており、コイルボビン51に巻回されている導線が端子保持ブロック512から表出した導線端部に接続されている。各コイル端子53は、更に、第1端子片531の前端から下方に延び出ている第2端子片532を有している。第2端子片532は、器体4から外部に導出される部位である。
このように構成された電磁石5において、コイル50の両端間、すなわち一対のコイル端子53に電圧が印加されると、コイル50に電流(コイル電流)が流れて、電磁石5が励磁される。コイル電流が流れていないときは、電磁石5は、非励磁状態にある。
本実施形態では、一対のコイル端子53と継鉄52とが、コイルボビン51に対して一体的に成形された一体成形品である。したがって、器体4のベース4Bに対する電磁石5の組立作業時の作業性に優れている。
(2.3.3)接極子ユニット
次に、接極子ユニット6について、主に図3~図5を参照しながら説明する。接極子ユニット6は、電磁石5の励磁/非励磁に応じて、可動接点26が固定接点21に接触する閉位置と固定接点21から離れる開位置との間で変位するように、移動(本実施形態では揺動)する部位である。接極子ユニット6は、図5に示すように、接極子7と、保持部8と、永久磁石9と、補助ヨークY1と、を有している。
接極子7(アーマチュア)は、例えば軟鉄製の部材である。接極子7は、保持部8によって保持されている。接極子7は、全体として、左右方向に長尺の、略U字の板状に形成されている。具体的には、接極子7は、図5に示すように、左右方向に長尺の胴片73と、胴片73の左右方向の両端にそれぞれ一体となって形成されている一対の脚片70と、を有している。
胴片73は、保持部8内に収容されている。胴片73は、矩形板状であり、その厚み方向が上下方向に沿うように配置される。一対の脚片70は、胴片73の両端からそれぞれ後方へ延び出るように形成されている。一対の脚片70は、矩形板状であり、その厚み方向が上下方向に沿うように配置される。各脚片70の後端部は、保持部8から突出するように配置されている。また、各脚片70の下面は、保持部8から概ね露出される。
ところで、接極子7は、少なくとも一部の領域が継鉄52と対向するように配置される。本実施形態では、保持部8から露出している各脚片70の下面が、継鉄52(の突出部520)と対向する領域である。以下では、一対の脚片70のうち右側の脚片70を第1脚片70Aと呼び、継鉄52の右側の突出部520と対向する領域を第1領域71(図4参照)と呼ぶこともある。また、一対の脚片70のうち左側の脚片70を第2脚片70Bと呼び、継鉄52の左側の突出部520と対向する領域を第2領域72と呼ぶこともある。第1領域71及び第2領域72は、接極子ユニット6における回転軸A1から互いに離れる方向(左右方向)に延びている先の両側に、それぞれ設けられている。
永久磁石9は、上下方向において扁平な直方体形状に形成されている。永久磁石9は、保持部8によって保持されている。永久磁石9は、上下方向における両側の極性が互いに異なるように配置されている。本実施形態では、一例として、永久磁石9は、図9A及び図9Bに示すように、N極が上側に、S極が下側になるように配置されている。以下、N極の側の磁極面を、第1磁極面(上面)91と呼び、S極の側の磁極面を、第2磁極面(下面)92と呼ぶこともある(図5参照)。永久磁石9においては、N極が接極子7に対向する。すなわち、第1磁極面91が、接極子7の胴片73と対向する。
補助ヨークY1は、上下方向において厚みが小さい扁平な直方体形状に形成されている。補助ヨークY1は、例えばJIS C 2504に規定される電磁軟鉄によって形成された板材である。補助ヨークY1は、第1面Y11(上面)及び第2面Y12(左側面)を有している。第1面Y11は、永久磁石9のS極の側の第2磁極面92と対向し、かつ永久磁石9の磁極方向と交差する面である。第2面Y12は、継鉄52の左側の突出部520の側を向く面である。
ここでは補助ヨークY1は、永久磁石9と略同形で、かつ略同寸法である。具体的には、補助ヨークY1の厚み寸法は、永久磁石9の厚み寸法と略等しくなるように寸法関係が規定されている。また補助ヨークY1の上下両端面の各々の面積は、永久磁石9の上下両端面の各々の面積と略等しくなるように寸法関係が規定されている。
補助ヨークY1は、永久磁石9の下側に配置されている。補助ヨークY1は、その上面が永久磁石9の下面と概ね面接触した状態で、永久磁石9と共に保持部8に保持されている。補助ヨークY1及び永久磁石9は、永久磁石9の上側から見たときに補助ヨークY1が隠れるように、互いに重ねて配置されている。要するに、永久磁石9は、補助ヨークY1の第1面Y11を覆うように配置される。補助ヨークY1は、接極子ユニット6の製造時において、永久磁石9の着磁工程を経て永久磁石9が磁力を持つまでは、接着剤等により永久磁石9の下面に固定されることが好ましい。
保持部8は、左右方向に長尺で、扁平な略角筒状に形成されている。保持部8は、例えば、合成樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料により形成されている。保持部8は、接極子7、永久磁石9及び補助ヨークY1を一体に保持するように構成されている。具体的には、保持部8は、接極子7を保持するための第1保持ブロック81と、永久磁石9及び補助ヨークY1を保持するための第2保持ブロック82と、一対の押圧部80と、を有している。第1保持ブロック81、第2保持ブロック82、及び一対の押圧部80は、一体となって形成されている。なお、接極子7及び永久磁石9は、保持部8の内部において、互いに接触している(図9A及び9B参照)。このように保持部8が接極子7、永久磁石9及び補助ヨークY1を一体に保持することで、永久磁石9及び補助ヨークY1の位置ずれを抑制しつつ、接極子7と一体となって回転(揺動)させることができる。
第1保持ブロック81は、左右方向に長尺の扁平な角筒状に形成されている。第1保持ブロック81は、図4に示すように、その底部の左右両端が下方に開放されていて、接極子7の胴片73の周面を覆いつつ、接極子7の一対の脚片70の後端部が第1保持ブロック81から突出するように、接極子7を保持している。特に、接極子7の第1領域71及び第2領域72は、第1保持ブロック81の底部の右端の第1開口811及び左端の第2開口812を通じて、それぞれ露出している(図4参照)。
第1保持ブロック81は、その左右両端部の各々に、下方へ突き出ている第1差込片810が設けられている。また、第1保持ブロック81は、その底部における左右方向の中心に、外方(前方及び後方)へ突出する軸部813を有している。軸部813の中心軸は、接極子ユニット6が電磁石5の励磁/非励磁に応じて電磁石5に対して揺動する回転軸A1に相当する。言い換えると、軸部813は、接極子ユニット6が器体4のベース4Bに対して揺動可能となるように軸支される。
更に、第1保持ブロック81は、接極子7が継鉄52に近づいたとき、継鉄52と対向する接極子7の領域のうち、少なくとも一部を継鉄52から離間させる離間部85(図4、図9A、及び9B参照)を有している。離間部85は、接極子7が継鉄52に近づいたとき、継鉄52に当接する。離間部85は、保持部8が成形により形成されるときに一体に連続して形成され、合成樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料で構成される。この離間部85は、磁気ギャップを形成するために設けられている。
具体的には、離間部85は、第2開口812の左縁から右方向に突出し、前後方向に沿って長く延びている突出片として形成されている。言い換えると、離間部85は、接極子7の第2領域72に対して下方に段差を形成するように構成されている。
このように構成された離間部85は、電磁石5が励磁状態から非励磁状態へ切り替わったときに、接極子7の第2領域72と継鉄52の左側の突出部520とが、残留磁化で離隔し難くなって電磁リレー1の開放特性が劣化することを抑制する。
第2保持ブロック82は、第1保持ブロック81の底部と一体となっている。第2保持ブロック82は、下面が開放された略矩形箱状に形成されている。第2保持ブロック82は、その内部に永久磁石9及び補助ヨークY1を収容して保持している。第2保持ブロック82は、図4に示すように、開放された下面を通じて、補助ヨークY1の下面を露出している。
第2保持ブロック82は、その左壁及び後壁のそれぞれにおける内側の表面に、複数の圧入突起(不図示)を有している。各圧入突起は、上下方向に沿って延びたリブ状に形成されている。圧入突起は、接極子ユニット6の製造時において、下方から第2保持ブロック82内に挿入される永久磁石9及び補助ヨークY1の側面に接触して、圧入固定をなし得る。したがって、永久磁石9及び補助ヨークY1が第2保持ブロック82から安易に脱落することが抑制されている。
また第2保持ブロック82は、その前壁において、前後方向に貫通する窓孔820を有している。窓孔820は、正面から見て、矩形状の開口を有している。窓孔820は、永久磁石9及び補助ヨークY1が互いに接触する境界面を横から目視できる位置に配置されている。窓孔820を通じて、例えば接極子ユニット6の製造時や電磁石装置3の製造時(使用時でもよい)等において、永久磁石9及び補助ヨークY1の外観状態を目視にて確認することができる。例えば、第2保持ブロック82内における永久磁石9及び補助ヨークY1の配置状態や、永久磁石9及び補助ヨークY1の部材の表面状態を確認することができる。
ところで、第2保持ブロック82は、第1保持ブロック81の軸部813よりも左側に偏って配置されている。そのため、第2保持ブロック82の内部に収容されている永久磁石9及び補助ヨークY1の各々の重心は、回転軸A1に対して左側に偏った位置にある。そのため、例えば、永久磁石9及び補助ヨークY1の各々の重心が回転軸A1と重なるようなほぼ同じ位置にある場合に比べて、電磁石5の励磁/非励磁に応じた接極子ユニット6の揺動を、永久磁石9及び補助ヨークY1を通じてより精度良く行うことができる。また、例えば永久磁石9及び補助ヨークY1の組が2つ設けられ、2組が回転軸A1に対して左右対称となるようにそれぞれ配置される場合に比べて、部材点数の削減を図りつつ、接極子ユニット6の揺動をより精度良く行うことができる。
一対の押圧部80は、それぞれ、第1保持ブロック81の左右両端部と一体となって設けられている。各押圧部80は、可動ばね25における一面250に押圧を与えて可動接点26を変位させる部位である。以下、第1保持ブロック81の右端部から右方に突出する押圧部80を、第1押圧部80Aと呼ぶこともある。また、第1保持ブロック81の左端部から左方に突出する押圧部80を、第2押圧部80Bと呼ぶこともある。
各押圧部80は、細長い直方体形状に形成されている。第1押圧部80Aは、図3及び図4に示すように、その下面において、下方に凸状の第1突起801及び第2突起802を有している。第1突起801は、図7A及び図7Bに示すように、第1接点部2Aの可動ばね25における横片251と対向する。第2突起802は、図11Aに示すように、第1接点部2Aの可動ばね25における突片253と対向する。要するに、第1押圧部80Aは、第1突起801及び第2突起802を介して、可動ばね25と接触して押圧を与え、第1可動接点26Aを変位させる。なお、上述の通り第1接点部2Aは常開接点に相当するため、第1押圧部80Aは、電磁石5が非励磁状態のとき、可動ばね25と接触して押圧を与えている(図7A参照)。
一方、第2押圧部80Bは、図3及び図4に示すように、その下面において、下方に凸状の第3突起803を有している。第3突起803は、図8A及び図8Bに示すように、第2接点部2Bの可動ばね25における横片251と対向する。要するに、第2押圧部80Bは、第3突起803を介して、可動ばね25と接触して押圧を与え、第2可動接点26Bを変位させる。なお、上述の通り第2接点部2Bは常閉接点に相当するため、第2押圧部80Bは、電磁石5が励磁状態のとき、可動ばね25と接触して押圧を与えている(図8B参照)。
また、各押圧部80は、第1保持ブロック81から所定の距離を開けた位置に、矩形板状の第2差込片804を有している。第2差込片804は、その厚み方向が左右方向に沿うように配置されている。
また各押圧部80は、図11A及び図11Bに示すように、下方から見て、その下面に略L字状に突出しているL字突起805を、更に有している。各L字突起805は、対応する押圧部80の第2差込片804よりも、左右方向における外側に配置されている。各L字突起805は、対応する押圧部80の下面における前縁と、左右方向における外側の縁とに沿って形成されている。
L字突起805の突出量は、第1~第3突起801~803と可動ばね25との接触を阻害しないように、これらの突起の各々の突出量よりも少ない。L字突起805における上記前縁に沿っている部位は、可動ばね25にある段部254と概ね対向するように配置されている。L字突起805は、段部254と共に、押圧部80の動作によって生じる摩耗粉が可動接点26に向かわないように遮蔽し、摩耗粉の飛散を抑制することができる。
このように構成された接極子ユニット6においては、各押圧部80は、対応する可動ばね25の一面250に対して押圧を与えることで、可動接点26を開位置へ変位させる。また、各押圧部80は、対応する可動ばね25の一面250に対する押圧を消失させることで、可動接点26を閉位置へ変位させる。特に、接極子ユニット6はシーソー型であるため、第1押圧部80A及び第2押圧部80Bのうちの一方が、対応する可動ばね25の一面250に近づく向きに移動すると、その他方は、対応する可動ばね25の一面250から離れる向きに移動する。
ここで、本実施形態においては、補助ヨークY1は、接極子7が励磁/非励磁に応じて移動する可動範囲のうち少なくとも一部の範囲において、第2面Y12が継鉄52と対向するように配置される。可動範囲とは、例えば、図9Aに示す接極子7の左端が持ち上がった位置から、図9Bに示す接極子7の左端が下方に沈んだ位置までにおける接極子7の回転(揺動)可能な範囲である。
補助ヨークY1の第2面Y12は、電磁石5が非励磁のとき、継鉄52と対向する。具体的には、電磁石5の非励磁に応じて接極子7の左端が図9Aに示すように上位置に持ち上がった状態にあるとき、第2面Y12の一部の領域D1が、継鉄52の左側の突出部520の右面のうち一部の領域D2と対向する。第2面Y12は、電磁石5が非励磁のときに最も広い範囲の領域D1でもって、左側の突出部520と対向する。電磁石5が非励磁から励磁に切り替わり、接極子7の左端が下方に沈んでいく動作の中で、左側の突出部520と対向する第2面Y12の領域が漸減することになる。そして、電磁石5が励磁に切り替わり、接極子7の揺動が安定化した状態(図9B参照)においては、第2面Y12は、突出部520の側(つまり左側)を向いているものの、突出部520と対向する範囲から外れる。
(2.4)器体
器体4は、例えば合成樹脂材料等の電気絶縁性を有する材料により形成されている。器体4は、図1に示すように、全体として左右方向に長尺で、比較的低背化された略矩形箱状に形成されている。器体4は、カバー4A及びベース4Bから構成されている。なお、図1では、カバー4Aは、電磁リレー1の内部構成を理解し易くするために、二点鎖線でのみ示されている。カバー4Aは、下面が開放された矩形箱状であり、接点部2及び電磁石装置3が組み付けられたベース4Bを上方から覆うように取り付けられる。器体4は、接点部2及び電磁石装置3を収納する。
ベース4Bは、図1及び図2に示すように、全体として扁平な略矩形の板状となっている。ベース4Bは、その一面40(上面)側で、接点部2及び電磁石装置3を保持するように構成されている。ベース4Bの一面40は、図1において、前後方向及び左右方向を含む平面に延設され、上下方向から見て略矩形状の外形を有している。すなわち、ベース4Bの一面40が延設された平面は、上下方向と直交している。なお、ここで言う「直交」は、幾何学上の「直交」よりも広い意味であり、厳密な「直交」でなくてもよく、略直交(互いに交わる角度が例えば90°±10°)でもよい。
具体的には、ベース4Bは、図2に示すように、その一面40側において、一対の接点部2及び電磁石装置3を、それぞれ一対一で収容するための3つの収容部401~403を有している。以下、第1接点部2Aが収容される収容部を第1収容部401と呼び、第2接点部2Bが収容される収容部を第2収容部402と呼ぶ。また、電磁石装置3が収容される収容部を第3収容部403と呼ぶ。これらの収容部は、それぞれ凹部空間として形成されている。
第1収容部401は、ベース4Bの一面40において右端に配置されている。第2収容部402は、ベース4Bの一面40において左端に配置されている。第3収容部403は、ベース4Bの一面40において第1収容部401と第2収容部402との間に配置されている。第3収容部403においては、電磁石装置3の接極子ユニット6が前側に、電磁石装置3の電磁石5が後側に、互いに並ぶように収容される。
したがって、第1収容部401に収容される第1接点部2Aと、第3収容部403に収容される電磁石5とは、ベース4Bの一面40側において上下方向と交差する平面上(ここでは一面40上)に並んでいる。また、同じく、第2収容部402に収容される第2接点部2Bと、第3収容部403に収容される電磁石5とは、ベース4Bの一面40側において上下方向と交差する平面上(ここでは一面40上)に並んでいる。そのため、電磁リレー1の小型化(特に低背化)が図られている。
更に、第3収容部403に収容される電磁石5は、第1接点部2Aと第2接点部2Bとの間に配置されている。そのため、電磁リレー1の小型化(特に低背化)が更に図られている。
特に、第1接点部2Aは、図2に示すように、コイル50の軸方向A2におけるコイル50の両端部の一方側(右側)に配置されている。また、第2接点部2Bは、図2に示すように、コイル50の軸方向A2におけるコイル50の両端部の他方側(左側)に配置されている。このような配置により、電磁石5の励磁/非励磁における接極子ユニット6のストロークを大きくすることができる。コイル50の軸方向A2は、図2に示すように、ベース4Bの一面40が延設された平面に略沿って配置されている。
第1収容部401と第3収容部403との間には、略矩形板状の第1仕切壁41が、ベース4Bの一面40から立設されている。また、第2収容部402と第3収容部403との間には、略矩形板状の第2仕切壁42が、ベース4Bの一面40から立設されている。第1仕切壁41及び第2仕切壁42は、それらの厚み方向が左右方向に沿うように配置されている。また、第1仕切壁41及び第2仕切壁42は、図1に示すように、それぞれ対応する押圧部80が挿入されるための切欠部410、420を有している。
第3収容部403には、電磁石5と接極子ユニット6とを仕切るための略矩形板状の第3仕切壁43が、ベース4Bの一面40から立設されている。第3仕切壁43は、その厚み方向が前後方向に沿うように配置されている。第3仕切壁43は、図2に示すように、上下及び左右方向の中央において、厚み方向に貫通する軸受け孔430を有している。一方、ベース4Bは、その前縁の左右方向における略中央に、接極子ユニット6を介して第3仕切壁43と対向する前壁44を有している。前壁44は、厚み方向に貫通する軸受け孔440を有している。軸受け孔440は、第3仕切壁43の軸受け孔430と共に保持部8の軸部813を受けるように構成されている。なお、前壁44の左右両横の各々には、切り欠き441を介して前壁45が設けられている。
第1収容部401及び第2収容部402の各々は、図2に示すように、その前端に、固定端子20の立設部22が挿入されるための第1スロット部46を有している。第1スロット部46は、上記前端に形成された所定の肉厚のリブ4010の上面に設けられている。第1スロット部46内の底には、固定端子20の端子片24が挿入されて器体4の外部に導出されるための導出口(不図示)が形成されている。
また、第1収容部401及び第2収容部402の各々は、図2に示すように、その後端に、可動ばね25を支持する支持端子27が挿入されるための第2スロット部47を有している。第2スロット部47は、上記後端に形成された所定の肉厚のリブ4011の上面に設けられている。第2スロット部47内の底には、支持端子27の端子片270が挿入されて器体4の外部に導出されるための導出口(不図示)が形成されている。
第3収容部403は、第3仕切壁43よりやや前における左右両端に、電磁石5の一対のコイル端子53の第2端子片532が挿入されて器体4の外部に導出されるための導出口(不図示)を有している。
ところで、本実施形態のコイル端子53は、図9A及び9Bに示すように、継鉄52に対して接極子7とは反対側に設けられている。さらに、コイル端子53は、接極子7から離れる方向(下方向)に延びている第2端子片532を有している。そして、第2端子片532が上記導出口を通じて、器体4の外部に導出されるため、電磁石装置3の小型化が図られている。特に、各コイル端子53は、電磁石5を上下方向に沿って見たときに、継鉄52の突出部520の投影領域内に収まるように設けられている。したがって、電磁石装置3の更なる小型化が図られている。
(3)動作説明
以下、本実施形態の電磁リレー1の動作について、図9A、9B及び図10A、10Bを参照しながら説明する。なお、永久磁石9について、上述したように、一例として上側の極性がN極で、下側の極性がS極であることを想定する(図9A及び9B参照)。
まず、電磁石5が非励磁状態にあるときの磁気経路について説明する。永久磁石9のN極から発生する磁束は、接極子7を通り、接極子7の右端から継鉄52の右側の突出部520に落ちている(図9A中の点線矢印B1で示す磁気経路を参照)。そして、磁束は、U字状の継鉄52を通り、継鉄52の左側の突出部520に到達する(図9A中の点線矢印B2で示す磁気経路を参照)。ここで、左側の突出部520の右面のうち一部の領域D2は、図9Aに示すように、補助ヨークY1の第2面Y12のうち一部の領域D1と対向している。したがって、突出部520を通る磁束のうち、第2面Y12の領域D1を通る磁束が、増加する。そして、磁束は、補助ヨークY1内を弧状に曲がりながら補助ヨークY1の第1面Y11に向かい、第1面Y11から永久磁石9のS極側の第2磁極面92へ向かう。
その結果、補助ヨークY1が左側の突出部520に引き寄せられる(図9A中の実線矢印B3で示す磁気経路を参照)。そして、接極子7を含む接極子ユニット6全体は、回転軸A1(図1参照)を中心に右端が沈んだ傾斜状態(以下、第1傾斜状態と呼ぶ)にある。
第1傾斜状態では、図9Aに示すように、接極子7の第2領域72は、対向する継鉄52(の左側の突出部520)から離れた位置にある。一方、接極子7の第1領域71は、対向する継鉄52(の右側の突出部520)と接触している。そして、第1傾斜状態では、右側の第1押圧部80Aが、第1接点部2Aの可動ばね25に接触しかつ押圧を与えている。そのため、第1可動接点26Aは、固定接点21から離れた開位置にある。一方、左側の第2押圧部80Bは、第2接点部2Bの可動ばね25から上方に離れて非接触の状態にある。そのため、第2可動接点26Bは、固定接点21に接触した閉位置にある。
電磁石5の非励磁状態から、例えばコイル50に直列に接続されているスイッチ(不図示)がオフ状態からオン状態に切り替えられると、一対のコイル端子53に電圧が印加されてコイル50にコイル電流が流れる。すると、電磁石5が励磁されて、図9Bに示すように、継鉄52の左側の突出部520の極性がN極からS極に反転する。その結果、永久磁石9のN極である上部と接触する接極子7の左端部が、左側の突出部520に引き寄せられる(図9B中の点線矢印B4で示す磁気経路を参照)。つまり、接極子7は、電磁石5の励磁により継鉄52から吸着力を受けて第2領域72が継鉄52に近づく向きに移動(揺動)する。言い換えれば、接極子7を含む接極子ユニット6全体は、第1傾斜状態から、回転軸A1(図1参照)を中心に揺動して左端が沈んだ傾斜状態(以下、第2傾斜状態と呼ぶ)に切り替わる。
第2傾斜状態では、接極子7の第2領域72は、第1傾斜状態と比較すれば、対向する継鉄52(の左側の突出部520)に近い位置にあるが、突出部520とは非接触な状態である。これは、保持部8の離間部85が、第2領域72と突出部520との接触を阻害しているからである(図9B参照)。一方、接極子7の第1領域71は、対向する継鉄52(の右側の突出部520)から離れた位置にある。そして、第2傾斜状態では、第1傾斜状態とは逆に、右側の第1押圧部80Aは、第1接点部2Aの可動ばね25から上方に離れて非接触の状態にある。そのため、第1可動接点26Aは、固定接点21に接触した閉位置にある。一方、左側の第2押圧部80Bは、第2接点部2Bの可動ばね25に接触しかつ押圧を与えている。そのため、第2可動接点26Bは、固定接点21から離れた開位置にある。
ここで、図10Aと10Bとを比較する。図10Aは、補助ヨークY1が設けられていない比較例の接極子ユニット6Xと、継鉄52における磁気回路の概念図を示す。比較例の接極子ユニット6Xは、補助ヨークY1の代わりに、本実施形態の永久磁石9の約2倍の厚み寸法を有した永久磁石9Xを備えている。一方、図10Bは、本実施形態の接極子ユニット6と、継鉄52における磁気回路の概念図を示す。図10A及び10Bでは、保持部8等の図示を省略している。図10A及び10Bでは、いずれも、電磁石5が非励磁状態にあるときの磁束の一部を矢印線で図示している。図中の矢印線の本数及び長さは、単に模式的なものである。比較例を示す図10Aに比べて、本実施形態の接極子ユニット6を示す図10Bの方が、永久磁石9のS極側の磁極面を通る磁束のうち、突出部520を通る磁束の割合が大きくなる。
このように本実施形態においては、補助ヨークY1が設けられていることで、永久磁石9の他方の磁極(図9AではS極)の側における磁束の漏れの低減を図ることができる。特に、少なくとも非励磁時において、補助ヨークY1の第2面Y12が突出部520と対向する構成であるため、突出部520及び第2面Y12間における磁束が増加し、磁束の漏れの低減を図ることができる。
また、永久磁石9の大きさは、図10Aの比較例における永久磁石9Xに比べて小さいため(ここでは一例として略半分)であるため、製造コストを抑えることができる。特に永久磁石9の大きさが略半分になることで全体としての総磁束は略半分に減るとはいえ、永久磁石9及び補助ヨークY1の左側における磁束密度が増加しており、永久磁石9及び継鉄52の間の吸引力は、図10Aの比較例と略同等に提供され得る。
また永久磁石9及び補助ヨークY1が、回転軸A1に対して偏った位置にあるため、励磁/非励磁に応じた接極子7の回転(揺動)を、永久磁石9及び補助ヨークY1を通じて、より精度良く行いつつ、磁束の漏れの低減を図ることができる。
(4)変形例
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
(4.1)変形例1
基本例の接極子ユニット6では、保持部8は、永久磁石9及び補助ヨークY1を、下方からの圧入により保持する構成を有している。しかし、保持部8の構成は、圧入により保持する構成に限定されない。例えば、図12は、接極子ユニット6の変形例(変形例1)を示す。本変形例の接極子ユニット6では、永久磁石9と補助ヨークY1とが保持部8に対して一体的に成形された一体成形品である。具体的には、本変形例の保持部8は、基本例の第2保持ブロック82とは異なる構造を有した第2保持ブロック82Aを備えている。
第2保持ブロック82Aは、永久磁石9及び補助ヨークY1の前後及び左右の面だけでなく補助ヨークY1の下面も包むように、直方体の箱状に形成されている。第2保持ブロック82Aは、その四隅の各々に、永久磁石9及び補助ヨークY1を露出する窓孔821を有している。また第2保持ブロック82Aは、その下面に、円形の窓孔822を有している。窓孔821は、永久磁石9及び補助ヨークY1が互いに接触する境界面を横から目視できる位置に配置されている。窓孔821を通じて、例えば接極子ユニット6の製造時や電磁石装置3の製造時(使用時でもよい)等において、永久磁石9及び補助ヨークY1の外観状態を目視にて確認することができる。
この構成によれば、永久磁石9と補助ヨークY1と保持部8とが一体成形品であることで、接極子ユニット6の組立作業時の作業性に優れている。
なお、本変形例の保持部8は、更に、基本例の保持部8における摩耗粉の飛散を抑制するためのL字突起805とは異なる構造を有したL字突起805A,805Bを備えている。本変形例のL字突起805A,805Bは、位置によって、押圧部80の下面から突出している突出量が異なるように構成されている。
具体的には、右側の第1押圧部80Aに形成されているL字突起805Aは、3つの部位を有している。すなわち、右側のL字突起805Aは、第1突起801と前後方向において対向する第1壁W1と、第2突起802と前後方向において対向する第2壁W2と、右端の壁に相当する第3壁W3と、を有している。第1壁W1の突出量は、例えば、第1突起801の突出量より僅かに少ない。一方、第2壁W2及び第3壁W3の突出量は、互いに略等しく、いずれも第1壁W1の突出量よりも多い。一例として、第2壁W2及び第3壁W3の上下方向の寸法は、いずれも第1壁W1の上下方向の寸法の約3倍である。
一方、左側の第2押圧部80Bに形成されているL字突起805Bは、第3突起803と前後方向において対向する第4壁W4と、左端の壁に相当する第5壁W5と、を有している。第4壁W4の突出量は、例えば、第1壁W1の突出量と略等しい。第5壁W5の突出量は、第2壁W2や第3壁W3の突出量と略等しい。
要するに、本変形例の右側のL字突起805Aは、第1~第3壁W1~W3によって形成された凹所を有し、左側のL字突起805Bは、第4壁W4及び第5壁W5によって形成された凹所を有している。そして、L字突起805A,805Bは、これらの凹所で可動ばね25との接触を回避しつつ、押圧部80の動作によって生じる摩耗粉の飛散を、より効率良く抑制することができる。
(4.2)変形例2
基本例では、電磁リレー1単体の構造について説明してきた。電磁リレー1は、複数で適用される場合がある。例えば、図13A~図13Cに示すように、電磁リレー1を複数備えたリレーシステム100A~100Cが構成されてもよい。
図13Aは、リレーシステム100Aを示す。リレーシステム100Aは、2つの電磁リレー1(1A,1B)を備える。図13Aは、2つの電磁リレー1を上側から見た模式図である。2つの電磁リレー1は、設置環境(電磁リレー1の実装基板の寸法等)や要望等に応じて、互いに近接して配置される(横並び)。図示例では、2つの電磁リレー1は、一方の電磁リレー1Aの前面が他方の電磁リレー1Bの背面と近接して対向するように配置される。
図13Bは、リレーシステム100Bを示す。リレーシステム100Bは、3つの電磁リレー1(1A,1B,1C)を備える。図13Bは、3つの電磁リレー1を上側から見た模式図である。3つの電磁リレー1は、設置環境や要望等に応じて、互いに近接して配置される(横並び)。図示例では、3つの電磁リレー1は、電磁リレー1Aの前面が電磁リレー1Bの背面と近接して対向し、電磁リレー1Bの前面が電磁リレー1Cの背面と近接して対向するように配置される。
図13Cは、リレーシステム100Cを示す。リレーシステム100Cは、リレーシステム100Aと同様に、2つの電磁リレー1(1A,1B)を備える。図13Cは、2つの電磁リレー1を側方から見た模式図である。図示例では、2つの電磁リレー1は、電磁リレー1Aの上面と電磁リレー1Bの上面とが近接して対向するように配置される(上面合わせ)。
ところで、複数の電磁リレー1が近接配置される場合、電磁リレー1が単体で使用される場合に比べて、各電磁リレー1の永久磁石9の磁力が、近接する他の電磁リレー1に少なからず影響を及ぼす可能性がある。これは、永久磁石9からの漏れ磁束が原因と考えられる。横並び配置のリレーシステム100Bの中央に配置された電磁リレー1Bにおいては、特に漏れ磁束の影響を受ける可能性が高い。具体的には、永久磁石9及び継鉄52の間の吸引力が低下して、接極子7の揺動が適切に行われない可能性がある。
一方で、基本例で説明したように、各電磁リレー1が補助ヨークY1を備えることにより、漏れ磁束の低減を図ることができ、その結果、図13A~図13Cに示すような近接配置が適用される場合に、吸引力の低下を抑制できる。
(4.3)その他の変形例
基本例では、永久磁石9は、図9A及び図9B、図10Bに示すように、N極が上側に、S極が下側となるように配置されている。しかし、永久磁石9は、N極が下側に、S極が上側となるように配置されてもよい。
基本例では、補助ヨークY1は、永久磁石9と略同形で、かつ略同寸法であるが、特に限定されない。例えば、補助ヨークY1の厚み寸法が、永久磁石9の厚み寸法と異なるように寸法関係が規定されてもよい。例えば、補助ヨークY1は、中央に貫通孔を有したドーナツ型の形状を有してもよい。また、補助ヨークY1の上下両端面の各々の面積は、永久磁石9の上下両端面の各々の面積と異なるように寸法関係が規定されてもよい。ただし、漏れ磁束を効率良く低減すること、及び電磁石装置3全体の低背化等を考慮すると、補助ヨークY1は、基本例の構造が望ましい。
基本例では、永久磁石9は、補助ヨークY1の第1面Y11の全体の領域を覆うように配置されるが、第1面Y11の一部の領域だけを覆ってもよい。ただし、漏れ磁束を効率良く低減することを考慮すれば、基本例が望ましい。
基本例では、補助ヨークY1の第2面Y12は、電磁石5が励磁のとき、継鉄52と対向する範囲から外れるように構成されている。しかし、電磁石5が非励磁のときだけでなく励磁のときも、補助ヨークY1の第2面Y12は、少なくとも一部の領域が継鉄52と対向してもよい。ただし、この場合、励磁から非励磁に切り替えたときに、残留磁化により、接極子7が継鉄52から離隔しにくくなる可能性があるため、基本例の構成が望ましい。
基本例では、各可動ばね25にある、摩耗粉の飛散を抑制するための段部254が、第3部251Cに対して下方へ窪んだ構造を有している。しかし、例えば、段部254は、第3部251Cに対して上方へ凸となる構造を有してもよい。
基本例では、第1押圧部80Aは、第1突起801及び第2突起802の2つを有し、これらの突起で可動ばね25に接触するように構成されている。しかし、このような構成に限定されず、第1押圧部80Aは、第2押圧部80Bと同様に、1つの突起のみを有し、当該突起で可動ばね25に接触するように構成されていてもよい。
基本例では、接極子ユニット6は、保持部8の軸部813がベース4Bの軸受け孔430、440に嵌入して、ベース4Bに対して揺動可能に軸支されているが、この限りではない。保持部8に軸受け孔が設けられ、ベース4Bに保持部8の当該軸受け孔に嵌入する軸部が設けられていてもよい。
(5)利点
以上説明したように、第1の態様に係る電磁石装置(3)は、電磁石(5)と、接極子(7)と、永久磁石(9)と、補助ヨーク(Y1)と、を備える。電磁石(5)は、コイル(50)及び継鉄(52)を有する。永久磁石(9)において、一方の磁極(S極及びN極のうちの一方)が接極子(7)に対向する。補助ヨーク(Y1)は、第1面(Y11)及び第2面(Y12)を有する。第1面(Y11)は、永久磁石(9)の他方の磁極(S極及びN極のうちの他方)と対向しかつ永久磁石(9)の磁極方向と交差する。第2面(Y12)は、継鉄(52)の側を向く。接極子(7)は、電磁石(5)が励磁されると、継鉄(52)に近づく向き又は遠ざかる向きに移動する。補助ヨーク(Y1)の第2面(Y12)は、接極子(7)が上記励磁に応じて移動する可動範囲のうち少なくとも一部の範囲において、継鉄(52)と対向する。第1の態様によれば、永久磁石(9)の他方の磁極の側における磁束の漏れの低減を図ることができる。
第2の態様に係る電磁石装置(3)に関して、第1の態様において、継鉄(52)は、コイル(50)における軸方向(A2)の一端から軸方向(A2)と交差する方向に突出する突出部(520)を有することが好ましい。補助ヨーク(Y1)の第2面(Y12)は、上記少なくとも一部の範囲において、突出部(520)と対向することが好ましい。第2の態様によれば、突出部(520)及び補助ヨーク(Y1)の第2面(Y12)間における磁束の流れが支配的になるため、更に磁束の漏れの低減を図ることができる。
第3の態様に係る電磁石装置(3)に関して、第1又は第2の態様において、接極子(7)は、上記励磁に応じて電磁石(5)に対して回転軸(A1)を中心に可動範囲内で回転することが好ましい。永久磁石(9)は、回転軸(A1)に対して偏った位置にあることが好ましい。第3の態様によれば、電磁石(5)の励磁に応じた接極子(7)の回転(揺動)を、永久磁石(9)及び補助ヨーク(Y1)を通じてより精度良く行うことができる。
第4の態様に係る電磁石装置(3)に関して、第3の態様において、補助ヨーク(Y1)は、回転軸(A1)に対して偏った位置にあることが好ましい。第4の態様によれば、電磁石(5)の励磁に応じた接極子(7)の回転(揺動)を、永久磁石(9)及び補助ヨーク(Y1)を通じてより精度良く行いつつ、磁束の漏れの低減を図ることができる。
第5の態様に係る電磁石装置(3)は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、保持部(8)を、更に備えることが好ましい。保持部(8)は、接極子(7)、永久磁石(9)、及び補助ヨーク(Y1)を一体に保持することが好ましい。第5の態様によれば、永久磁石(9)及び補助ヨーク(Y1)の位置ずれを抑制しつつ、接極子(7)と一体となって回転(揺動)させることができる。
第6の態様に係る電磁石装置(3)に関して、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、永久磁石(9)は、補助ヨーク(Y1)の第1面(Y11)を覆うように配置されることが好ましい。第6の態様によれば、永久磁石(9)の他方の磁極の側における磁束の漏れの低減を、更に効果的に図ることができる。
第7の態様に係る電磁石装置(3)に関して、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、補助ヨーク(Y1)の第2面(Y12)は、電磁石(5)が少なくとも非励磁のとき、継鉄(52)と対向することが好ましい。第7の態様によれば、非励磁時における磁束の漏れの低減を図ることができる。
第8の態様に係る電磁石装置(3)に関して、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、補助ヨーク(Y1)の第2面(Y12)は、電磁石(5)が励磁のとき、継鉄(52)と対向する範囲から外れることが好ましい。第8の態様によれば、例えば、励磁から非励磁に切り替えたときに、接極子(7)が継鉄(52)から離隔しにくくなることを抑制できる。
第9の態様に係る電磁リレー(1)は、第1~第8の態様のいずれか1つにおける電磁石装置(3)と、接点部(2)と、を備える。接点部(2)は、固定接点(21)、及び、接極子(7)の移動に伴って固定接点(21)に対して接触する閉位置と固定接点(21)から離れる開位置との間で変位する可動接点(26)、を有する。第9の態様によれば、磁束の漏れの低減を図ることが可能な電磁石装置(3)を備えた電磁リレー(1)を提供できる。
第2~8の態様に係る構成については、電磁石装置(3)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 電磁リレー
2 接点部
21 固定接点
26 可動接点
3 電磁石装置
5 電磁石
50 コイル
52 継鉄
520 突出部
7 接極子
8 保持部
9 永久磁石
A1 回転軸
A2 軸方向
Y1 補助ヨーク
Y11 第1面
Y12 第2面

Claims (9)

  1. コイル及び継鉄を有する電磁石と、
    接極子と、
    一方の磁極が前記接極子に対向した永久磁石と、
    前記永久磁石の他方の磁極と対向しかつ前記永久磁石の磁極方向と交差する第1面、及び、前記継鉄の側を向く第2面を有した補助ヨークと、
    を備え、
    前記接極子は、前記電磁石が励磁されると、前記継鉄に近づく向き又は遠ざかる向きに移動し、
    前記補助ヨークの前記第2面は、前記接極子が前記励磁に応じて移動する可動範囲のうち少なくとも一部の範囲において、前記継鉄と対向する、
    電磁石装置。
  2. 前記継鉄は、前記コイルにおける軸方向の一端から前記軸方向と交差する方向に突出する突出部を有し、
    前記補助ヨークの前記第2面は、前記少なくとも一部の範囲において、前記突出部と対向する、
    請求項1に記載の電磁石装置。
  3. 前記接極子は、前記励磁に応じて前記電磁石に対して回転軸を中心に前記可動範囲内で回転し、
    前記永久磁石は、前記回転軸に対して偏った位置にある、
    請求項1又は請求項2に記載の電磁石装置。
  4. 前記補助ヨークは、前記回転軸に対して偏った位置にある、
    請求項3に記載の電磁石装置。
  5. 前記接極子、前記永久磁石、及び前記補助ヨークを一体に保持する保持部を、更に備える、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の電磁石装置。
  6. 前記永久磁石は、前記補助ヨークの前記第1面を覆うように配置される、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の電磁石装置。
  7. 前記補助ヨークの前記第2面は、前記電磁石が少なくとも非励磁のとき、前記継鉄と対向する、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の電磁石装置。
  8. 前記補助ヨークの前記第2面は、前記電磁石が前記励磁のとき、前記継鉄と対向する範囲から外れる、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の電磁石装置。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の電磁石装置と、
    固定接点、及び、前記接極子の移動に伴って前記固定接点に対して接触する閉位置と前記固定接点から離れる開位置との間で変位する可動接点、を有する接点部と、
    を備える、
    電磁リレー。
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