JP7113412B1 - 保護膜、保護膜を有する筐体およびそれを用いてなる電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、最適な光沢感と光輝感を有し、かつ、摩耗性や耐溶剤性などの耐久性も有し、電子部品を収容するための筐体に好適な保護膜を提供することを目的とする。【解決手段】電子部品を収容するための筐体の保護膜であって、膜厚が3μm以上であり、Flop Index(FI)が9~13、60°光沢度が10~50である保護膜により解決することできる。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品を収容するための筐体の保護膜に関する。
従来、半導体装置のような電子部品を収容する外殻筐体としては、熱可塑性樹脂を射出成形して製造したものが多く使用されてきた。
近年ではスマートフォンやタブレット、携帯型ノートパソコンのような電子機器の市場が拡大しているが、このような用途においては、小型化・軽量化・薄型化が飛躍的に進んでおり、従来の成形樹脂筐体では対応できなくなってきている。何故なら、従来の樹脂筐体で肉厚を薄くすると、強度が弱いからである。そこで、強度を確保することが可能であるとともに、電磁波シールド性や放熱性等の要求を満足することが可能なマグネシウムやアルミニウム等の金属製筐体が増えている。又、金属製筐体はリサイクルが容易である。
最近では耐摩耗性や耐溶剤性といった耐久性に加え、より外観を良くする目的で光輝感と艶消し感の両立といった高度な意匠性を要求されることが多くなっており、筐体を保護するコート剤で対策をしていることが多い。
特許文献1には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂のいずれかよりなり、かつ、アクリル樹脂又はフッ素樹脂よりなる樹脂ビーズを用いて耐傷付性に優れた筐体用プレコートアルミニウム合金板が開示されている。
特許文献2には、樹脂皮膜中にシリカのような硬質の無機系骨材を添加することにより、耐摩耗性や耐傷付性に優れた、ノートパソコン等の電気電子機器筐体に用いられるプレコートアルミニウム合金板が開示されている。
特開2004-98624号公報 特開2010-228279号公報
しかしながら、従来のプレコート合金板では、最適な光沢感と光輝感を得ることと、保護膜の性能、即ち耐摩耗性や耐溶剤性などの耐久性等を全て満足させることとの両立が困難であった。
また、従来、グロスメーターなどを用いて光沢感を測定し、光沢度の良し悪しを判断できたが、光輝感は人間の目視で判断せざるを得なかった。しかしながら近年は、X-rite社製の製品やBYK社製BYK-mac iなどによって光輝感を定量化することができるようになって来ている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、最適な光沢感と光輝感を有し、かつ、摩耗性や耐溶剤性などの耐久性も有し、電子部品を収容するための筐体に好適な保護膜を提供することを目的とする。
本発明は、電子部品を収容するための筐体の保護膜であって、その膜厚が3μm以上であり、Flop Index(FI)が9~13、60°光沢度が10~50である。
本発明により、最適な光沢感と光輝感を有し、かつ、摩耗性や耐溶剤性などの耐久性も有し、電子部品を収容するための筐体に好適な保護膜を提供することができた。
本実施形態に係る電子機器の模式的な断面図である。 本実施形態に係るFlop Index(FI)を説明した図である。
以下に本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
[保護膜]
本発明の保護膜は、電子部品を収容するための筐体の保護膜である。保護膜は筐体の、電子部品を収納する側、すなわち内面側とは反対の面である、外面側の最表面に位置する。
[膜厚]
保護膜の膜厚は、3μm以上であって、4μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましい。保護膜の膜厚が3μm以上であれば耐摩耗性、および耐溶剤性を向上させることができる。
一方、保護膜の膜厚は20μm以下であることが好ましい。20μmを超える膜厚の保護膜を形成する場合、保護膜形成用塗料を塗装して焼き付ける際に、塗工面に泡残りしやすく、硬化塗膜の外観不良となりやすいため、好ましくない。
<Flop Index(FI)>
保護膜のFIは、光輝感を示す指標として使用される。FIが高い程、光輝感は高く、FIが低い程、光輝感は低下する。本発明の保護膜のFIは、9~13であって、10~13が好ましく、12~13がより好ましい。保護膜のFIがかかる範囲内であれば、所望する保護膜の光輝感と耐摩耗性および耐溶剤性といった性能を、効果的に最適化することができる。
尚、FIは、BYK Instruments社製多角度測色器「BYK-mac i」を用い、塗膜表面に対して測定する。FIすなわちFlop Indexは下記式(1)によって計算される。

Figure 0007113412000002
FI測定系を図2に示す。FIは、測定対象表面の垂線方向に対して45°の入射角で光(入射光)を照射し、一定の角度で反射された光(正反射光)を検出器によって検出し、数値化した明度Lを用いて算出される。LはJIS Z8729で規定されるL表色系における明度Lであり、L 15°、L 45°、L 110°は、それぞれ、測定対象表面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光からのオフセット角15°、45°、110°で観測されるLである。
<60°光沢度>
本発明の保護膜の60°光沢度は10~50であって、10~20が好ましく、11~17がより好ましく、14~15がさらに好ましい。60°光沢度が10~50であれば保護膜の光沢感が向上し、且つ耐摩耗性および耐溶剤性が良化する。
FIおよび60°光沢度は保護膜中のワックスや無機フィラーの添加量によって調整できる。具体的にはワックスや無機フィラーの添加量を増やすとFIおよび60°光沢度が低下し、ワックスや無機フィラーの添加量を減らすとFIおよび60°光沢度が向上する。また保護膜の厚みによっても調整できる。具体的には保護膜の厚みを厚くするとFIは上昇し、60°光沢度は低下する。保護膜の厚みを薄くするとその逆の傾向となる。
加えて、ワックスや無機フィラーの平均粒子径を調整することによってもFIおよび60°光沢度を調整することができる。
<保護膜の製造方法>
本発明の保護膜は、保護膜形成用塗料を筐体基材に塗布し、オーブンなどで液状媒体を揮発、乾燥させ、硬化塗膜として形成される。
<保護膜形成用塗料>
保護膜形成用塗料としては、一般的な溶剤型塗料や水性型塗料、無溶剤型塗料のような熱硬化型塗料に加え、UV硬化型塗料などがあり、特に制限するものではないが、近年の環境規制、特にVOC規制を考慮すると、水性型塗料や無溶剤型塗料、UV硬化型塗料が好ましい。しかし一方で無溶剤型塗料やUV硬化型塗料は構成する材料の分子量が低いがゆえ、硬化塗膜としての皮膜強度が弱く、強い耐久性の求められる筐体の保護膜としては満足する性能が得られにくい。一方で水性型塗料は水溶性型や水分散型の塗料があり、特に後者は主にエマルジョン型と呼ばれる。エマルジョン型塗料は、構成する材料の分子量を高くすることが可能であり、耐久性の優れた保護膜を得ることができる。
(保護膜形成用塗料の構成)
次に保護膜形成用塗料の構成と材料について述べる。塗料の構成物として、主剤、硬化剤、溶剤、ワックス、無機フィラーなどが挙げられる。
(主剤)
主剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などがあり、特に耐摩耗性をはじめとする耐久性が必要な保護膜にはエポキシ樹脂が好ましい。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂はビスフェノール型、ノボラック型、ナフタレン型、ビフェニル型等のエポキシ樹脂が好ましい。これらの中でも、保護膜にした後の加工性、耐摩耗性、筐体との密着性を考慮すると、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。エポキシ樹脂は、重量平均分子量が2500~70000であるものが好ましい。重量平均分子量が2500に満たない場合は、ビスフェノールA等の未反応物の残存量が多くなり、耐久性などの物性が十分に得られない場合がある。一方、重量平均分子量が70000を超えると、筐体との密着性が十分に得られない場合がある。本発明においてビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、三菱ケミカル(株)製のJER1007、JER1009、JER1010等が挙げられる。
(アクリル変性エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂単独では水に溶解もしくは分散ができないため、カルボキシル基を有するアクリル樹脂もしくはアクリルモノマーによる変性を行うことで、安定した水性塗料を得ることができる。アクリル変性エポキシ樹脂は、エチレン性不飽和モノマーとエポキシ樹脂とを使用して得られた複合樹脂であり、その製造方法の例として、(ア)グラフト重合法、(イ)エステル化法、(ウ)直接重合法等が挙げられる。即ち、
(ア)グラフト重合法:エポキシ樹脂の存在下でラジカル重合開始剤を用いて、(メタ)アクリル酸〔「アクリル酸」と「メタクリル酸」とを併せて「(メタ)アクリル酸」と表記する。以下同様。〕等のカルボキシル基含有モノマーを必須成分とするエチレン性不飽和モノマーを重合することにより、アクリル重合体がエポキシ樹脂にグラフトしたアクリル変性エポキシ樹脂を得る方法である。
(イ)エステル化法:(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーを必須成分とするエチレン性不飽和モノマーを重合してカルボキシル基を有するアクリル重合体を得、このカルボキシル基の一部と、エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部とを、触媒としての塩基性化合物の存在下にエステル化反応することによりアクリル変性エポキシ樹脂を得る方法である。
(ウ)直接重合法:エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部を、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーのカルボキシル基とエステル化反応させ、この反応生成物とカルボキシル基含有モノマーを必須成分とするエチレン性不飽和モノマーとを共重合することによってアクリル変性エポキシ樹脂を得る方法である。
また、アクリル変性エポキシ樹脂は上記の手法を組み合わせても得ることが可能である。例えば、エポキシ樹脂の存在下でエチレン性不飽和モノマーを重合してグラフト重合をおこなった後、塩基性化合物を加えてエステル化反応する方法や、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等との反応生成物の存在下、エチレン性不飽和モノマーを重合して直接重合を行い、次いで、エステル化反応する方法等が挙げられる。
(エチレン性不飽和モノマー)
本発明において用いるエチレン性不飽和モノマーは、カルボキシル基含有モノマー、及び他のエチレン性不飽和モノマーを使用することが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。
その他のエチレン性不飽和モノマーとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー;
スチレン、メチルスチレン等の芳香族系モノマー;
N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;
N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-(n-,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-(n-、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド;
及び(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
エチレン性不飽和モノマーは、アクリル変性エポキシ樹脂の溶液安定性、塗料の塗装適性、塗膜を形成した際の加工性や筐体との密着性を考慮すると、そのカルボキシル基濃度が2.7~7.1mmol/gとなるように配合することが好ましい。カルボキシル基濃度が2.7mmol/g未満であると、水分散性が低下して水性塗料としての保存安定性が損なわれることがある。一方、カルボキシル基濃度が7.1mmol/gより大きいと保護膜を形成した際の加工性、金属密着性、耐久性が得にくい場合がある。尚、本発明におけるカルボキシル基濃度は、エチレン性不飽和モノマーの配合組成中に含まれるカルボキシル基含有モノマー量から求められる理論値であり、単位重量当たりに存在するカルボキシル基のモル数を指すものである。
エチレン性不飽和モノマーは、エポキシ樹脂との重量比にして、エチレン性不飽和モノマー/エポキシ樹脂=10/90~50/50となるように使用することが好ましい。エチレン性不飽和モノマーの重量比が10よりも小さいと、溶液安定性が低下したり、塗装性が劣ったりすることがある。また、エチレン性不飽和モノマーの重量比が50よりも大きいと、保護膜を形成した際の加工性、筐体との密着性、耐久性が劣ることがある。
エチレン性不飽和モノマーを重合する際に使用するラジカル重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、過硫酸塩、アゾビス化合物、及びこれらと還元剤とを組み合わせたレドックス系を用いることが好ましい。本発明においては、過酸化物系開始剤が好ましく、特に過酸化ベンゾイルが好ましい。
ラジカル重合開始剤は、エチレン性不飽和モノマーの合計100重量部に対して1~10重量部用いることが好ましく、1~6重量部がより好ましい。尚、重合時の温度、時間等の反応条件は特別なものではなく、公知の条件を用いることができる。水性塗料とした時の粘度特性が最適なものとなるよう適宜反応条件を調整し、アクリル変性エポキシ樹脂を得ることが肝要である。
また、上記方法において、エステル化反応の際に触媒として用いる塩基性化合物としては、ジメチルエタノールアミン(ジメチルアミノエタノール)、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアルコールアミン類や、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類、モルホリン、アンモニア等が挙げられる。
塩基性化合物は、カルボキシル基含有モノマー100モルに対して、1~80モル、より好ましくは5~60モルの割合で反応に使用することが好ましい。尚、エステル化反応時の温度、時間等の反応条件は特別なものではなく、公知の条件を用いて行うことができるが、得られる水性塗料の流動性を最適なものとするように適宜反応条件を調整し、アクリル変性エポキシ樹脂を得ることが重要である。
得られたアクリル変性エポキシ樹脂を水分散体とするには、常法の手法と同様にして得ることができる。詳しくは、アクリル変性エポキシ樹脂中に存在するカルボキシル基を、塩基性化合物等で中和し、親水性を付与する方法である。さらに詳しくは、アクリル変性エポキシ樹脂に塩基性化合物を加えた後、水等の水性媒体を添加して水分散体とする方法や、アクリル変性エポキシ樹脂に、塩基性化合物を含有する水等の水性媒体を添加して水分散体とする方法等が例示できる。
(有機溶剤)
本発明の保護膜形成に使用する水性塗料は、塗装性を向上させる目的で有機溶剤を5~30重量%含むことが好ましい。
有機溶剤は、アクリル変性エポキシ樹脂を得る際、反応工程にて使用したものをそのまま含有していても良いし、別途、必要に応じて添加しても良い。
有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、下記に示すような比較的親水性の高い溶剤が好ましい。具体的には、例えば、
メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、iso-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、iso-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、n-アミルアルコール、sec-アミルアルコール、n-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、トリデカノール等のアルコール類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール等のグリコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルプロピレングリコール、メチルプロピレンジグリコール、プロピルプロピレングリコール、プロピルプロピレンジグリコール、ブチルプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトシブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート等のアセテート類等が例示できる。
本発明では、水性塗料の保存安定性、塗装時の溶剤揮発速度の観点から、用いられる有機溶剤は、アルキル基の炭素数が1~6であるアルキレングリコールモノアルキルエーテル、またはアルキル基の炭素数が1~10であるアルキルアルコールが好ましく、両者を併用することがより好ましい。
(硬化剤)
保護膜形成用塗料には、さらに、必要に応じて塗膜の硬化性や金属密着性を向上させる目的で、フェノール樹脂等の硬化剤を1種または2種以上添加することができる。
フェノール樹脂は自己架橋反応する他、アクリル変性エポキシ樹脂中のカルボキシル基と反応し得る。また、アクリル変性エポキシ樹脂が水酸基を有する場合には、フェノール樹脂は、それらの水酸基とも反応し得る。さらに、エチレン性不飽和モノマーがアミド系モノマーを含み、アクリル変性エポキシ樹脂がこのアミド系モノマーに由来する架橋性官能基を有する場合は、これらの架橋性官能基とも反応し得る。
本発明において用いられるフェノール樹脂としては、フェノール、m-クレゾール、3,5-キシレノール等の3官能フェノール化合物や、o-クレゾール、p-クレゾール、p-tert-ブチルフェノール等の2官能フェノール化合物と、ホルムアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で反応させたもの等を挙げることができる。この場合、前記のフェノール化合物は単独あるいは2種以上の組み合わせにて使用される。
上記フェノール樹脂は、ホルムアルデヒドの付加により生成したメチロール基の一部ないし全部を、炭素数が1~12なるアルコール類によってエーテル化した形のものも好適に用いられる。
硬化剤を用いる場合には、主剤、例えばアクリル変性エポキシ樹脂100重量部に対して、0.5~20重量部使用することが好ましく、1~10重量部使用することがより好ましい。
(ワックス)
本発明で使用するワックスは、耐摩耗性を確保するために使用する。ワックスは保護膜形成用塗料中に分散して存在する。
このようなワックスとしては、ラノリン、カルナバ等の動植物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、白色ワセリン等のペトロラタム、及び、合成ワックス系のポリエチレンワックス等を用いることができる。高い耐摩耗性を得るためには粒状ワックスが好ましく、本実施形態としては、融点が高く乾燥・硬化後の塗膜中で粒子として存在できるポリエチレンワックスを用いることが好ましい。
ポリエチレンワックスの粒子径は、平均粒子径3~6μm程度が良い。粒子径が大きすぎると、硬化塗膜自体がブツ状となり、塗膜外観と触感が悪化し、保護膜として使用できない。一方、小さすぎると塗膜の中に埋め込まれてしまい、耐摩耗性を発揮できず、好ましくない。
なお、前記平均粒子径とは体積平均粒子径であり、レーザー回折等の従来公知の方法により測定することができる。
ポリエチレンワックスの使用量は、主剤と硬化剤との合計100重量部に対して4~25重量部であることが好ましい。4重量部未満では、保護膜の耐摩耗性が十分に得られにくく、一方、25重量部よりも多いと、保護膜の強度が低下しやすい。
(無機フィラー)
本発明で使用する無機フィラーは、保護膜のFIや光沢度を調整するために保護膜形成用塗料中へ添加される。
無機フィラーの種類としては、各種無機物などが挙げられ、特に制限されるものではないが、シリカ微粒子が好ましい。前記シリカ微粒子の形状には特に限定はなく、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、又は不定形状のものを用いることができるが、中でも水性塗料中で容易に分散が可能なものが好ましい。
上記シリカ微粒子として使用できる市販品としては、例えば、富士シリシア社製のサイリシアシリーズ(「サイリシア250N」、「サイリシア350」、「サイリシア370」、「サイリシア380」、「サイリシア420」、「サイリシア440」等)、サイロホービックシリーズ(「サイロホービック100」、「サイロホービック200」、「サイロホービック702」、「サイロホービック4004」等)、サイロスフェアシリーズ(「サイロスフェア1504」、「サイロスフェア1510」等)、グレースジャパン社製のSYLOIDシリーズ(「サイロイドW300」、「サイロイドW500」等)、エボニックデグサジャパン社製のACEMATTシリーズ(「ACEMATT HK460」、「ACEMATT HK400」、「ACEMATT OK412」、「ACEMATT OK520」、「ACEMATT OK607」、「ACEMATT TS100」、「ACEMATT 3200」、「ACEMATT 3300」、「ACEMATT 3600」等)、日本シリカ工業社製のNIPGELシリーズ(「NIPGEL AZ-200」等)、NIPSILシリーズ(「NIPSIL E-200A」、「NIPSIL SS-50B」、「NIPSIL SS-178B」等)、水澤化学社製のミズカシルシリーズ(「ミズカシルP-73」、「ミズカシルP-526」等)、日本アエロジル社製のAEROSILシリーズ(「AEROSIL 200」、「AEROSIL R805」及び「AEROSIL R972」等)、等が挙げられる。
シリカ微粒子の平均粒子径は特に限定されるものではないが、2~9μmが好ましく、3~7μmがより好ましい。平均粒子径が2μmよりも小さいと、艶消し機能が不十分となりやすく、9μmよりも大きいと、塗料乾燥時にブツ状となって保護膜上に残りやすくなる。
なお、前記平均粒子径は、体積平均粒子径である。
シリカ微粒子の使用量は、主剤と硬化剤との合計100重量部に対して1~25重量部であることが好ましい。1重量部よりも少ないと、艶消し機能が不十分となりやすく、一方、25重量部よりも多いと塗料の粘度が高くなりすぎ、流動性が低下して塗装が困難になりやすい。さらにはフィラーの分散が不十分となって、塗料乾燥時にブツ状となって保護膜上に残りやすくなる。
上述の無機フィラーと同様にポリマー微粒子を用いて、FIや光沢度を調整することもできる。添加量及び平均粒子径は無機フィラーと同様の範囲が好適である。無機フィラーとポリマー微粒子は併用してもよい。
(その他の成分)
本発明における保護膜形成用塗料には、必要に応じて塗装性を改善するための溶剤や、界面活性剤、消泡剤等を加えてもよい。
(塗装方法)
塗装方法については、ロールコート、スプレーコート、カーテンコート、スピンコート、ダイコート、ディップコートなどが挙げられ、特に制限を受けるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(焼付条件)
本発明の保護膜を得るためには、塗装された塗料を焼き付ける必要がある。焼き付けの方法としては、電気オーブン、赤外オーブン、ガスオーブンなどを、適宜使用することができる。
焼付温度としては、180~220℃が好ましく、190~200℃がより好ましい。焼付時間は40~120秒が好ましく、50秒~80秒がより好ましい。焼付温度が220℃を超えたり、焼付時間が120秒よりも長くなると、塗膜が黄色味を帯びて着色しやすく、筐体の外観として不適切である。また、焼付温度が180℃よりも低い、もしくは焼付時間が40秒よりも短いと、塗料の乾燥性および硬化性が不十分となりやすく、保護膜としての耐摩耗性や耐溶剤性といった性能が低下する。
[筐体]
筐体の基材の素材としては、アルミニウムやマグネシウム、チタンといった各種金属や、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂との複合樹脂系などが用いられるが、強度や携帯性、コストとのバランスが重視されるノート型パソコンやスマートフォンではアルミニウムやマグネシウムがより好ましい。筐体基材の厚みとしては、特に限定はされないが、強度や携帯性を両立させる必要があるため、0.2mm~0.8mmが好ましい。
筐体のコート層は単一の層から形成されても良く、複数の層から形成されても良い。複数の層から形成される例としては、所望する光沢感、艶消し感に応じて筐体基材の表面にパール調の顔料や着色顔料が配合された樹脂層(下塗り層)を設け、その上に、透明感のある樹脂層(上塗り層)を形成する積層構成でも良い。この場合、保護膜は上塗り層の表面に形成される。
単一の層で形成される例としては、着色を必要としない樹脂層を形成させたい場合に用いられ、且つ透明感を付与するべくフィラーを含有しない、もしくは無機フィラーを含有する単一の樹脂層で形成される。
[電子機器]
本発明の電子機器は、電子部品が本発明の保護膜で被覆された筐体の内部に収納されたものである。その形状、構造、大きさ等については適宜選択することができる。
収納される電子部品とは、回路基板、トランジスタ、IC、CPU等があげられる。
前記電子機器としては、特に制限はなく、例えばパソコン(ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン)、電話機、スマートフォン、コピー機、ファクシミリ、各種プリンター、デジタルカメラ、テレビ、ビデオ、CD装置、DVD装置、などが挙げられる。これらの中でも、携帯して使用する点でノート型パソコン、スマートフォンが特に好ましい。
本発明に係る実施例および比較例について説明する。特に明記しない限り、配合量の単位として、「部」は「重量部」を意味し、「%」は「重量%」を意味する。実施例の項および表中に記載の原料(溶剤を除く)の配合量は、特に明記しない限り、不揮発分換算値である。
[製造例1]
<フェノール樹脂(A)溶液の製造>
(1) イオン交換水 48部
(2) 25% 水酸化ナトリウム水溶液 31部
(3) ビスフェノールA 68部
(4) ホルマリン 145部
(5) n-ブタノール 26部
(6) 酢酸ブチル 26部
(7) 20% 塩酸水溶液 36部
(8) イオン交換水 1回の水洗につき、120部使用。水洗は4回。
(9) n-ブタノール 52部
4ツ口フラスコに(1)~(4)を仕込み、窒素気流下で60℃にて3時間反応させた後、(5)、(6)を添加して冷却する。55℃以下に冷却後、(7)を用いてpH=5に調整する。30分程度放置して水相を捨てた後、(8)で水洗する。水洗は(8)を添加して15分攪拌し、15分静置した後、水相を捨てることを4回繰り返すことによって行われる。水洗終了後、(9)を仕込み脱水反応をさせ、不揮発分濃度50%のフェノール樹脂(A)溶液を得た。
[製造例2]
<ベース塗料の作製>
(1) ジエチレングリコールモノブチルエーテル 40部
(2) エチレングリコールモノブチルエーテル 32部
(3) JER1009(三菱ケミカル(株)製) 170部
(4) 25% 水酸化ナトリウム水溶液 0.12部
(5) メタクリル酸 0.6部
(6) ハイドロキノン 0.01部
(7) ジエチレングリコールモノブチルエーテル 34部
(8) n-ブタノール 16部
(9) メタクリル酸 23部
(10)スチレン 29部
(11)アクリル酸エチル 6部
(12)過酸化ベンゾイル 3.7部
(13)過酸化ベンゾイル 0.31部
(14)過酸化ベンゾイル 0.31部
(15)過酸化ベンゾイル 0.31部
(16)ジメチルアミノエタノール 9部
(17)イオン交換水 164部
(18)イオン交換水 348部
(19)表面調整剤 10部
(20)製造例1で得られたフェノール樹脂(A)溶液 21部
4ツ口フラスコに(1)~(6)を仕込み、内温を125℃まで上昇させ、窒素気流下で反応を進め、酸価が0.2mgKOH/g以下になった時点で冷却し、115℃にて(7)、(8)を添加する。滴下漏斗に予め混合しておいた(9)~(12)の混合液を117℃~123℃で1時間かけて滴下する。滴下終了後、内温を117℃~120℃に保ちながら45分毎に(13)、(14)、(15)を添加する。(15)を添加した45分後に冷却を開始し、80℃になったら予め混合した(16)と(17)を30分かけて滴下し、更に(18)を50分かけて滴下する。一昼夜放置後、(19)として日信化学工業株式会社製サーフィノール104Aを添加、攪拌する。(20)を添加、攪拌し、不揮発分濃度24%のベース塗料を得た。
[材料]
以下の材料を用意した。
シリカ微粒子1:富士シリシア化学製非晶質シリカ微粒子
「サイリシア420」平均粒子径2.7μm
シリカ微粒子2:富士シリシア化学製非晶質シリカ微粒子
「サイリシア350」平均粒子径3.9μm
シリカ微粒子3:富士シリシア化学製非晶質シリカ微粒子
「サイリシア250N」平均粒子径5.0μm
シリカ微粒子4:富士シリシア化学製非晶質シリカ微粒子
「サイリシア370」平均粒子径6.4μm
シリカ微粒子5:富士シリシア化学製非晶質シリカ微粒子
「サイリシア380」平均粒子径9.0μm
ポリエチレンワックス:MicroPowders社製「MPP-611AL」平均粒子径4.5μm、融点112℃
[実施例、比較例]
製造例2で作製したベース塗料(不揮発分濃度24%)416.7部(樹脂分として100部)に上記のポリエチレンワックスを添加し、ミキサーで10分間攪拌する。続いて、シリカ微粒子を添加し、ミキサーで10分間攪拌する。
得られた塗料について、ワイヤーバーコーターを用いて厚さ0.24mmのアルミニウム板へ塗布し、190℃に設定したオーブンで1分間焼き付け、表に記載の膜厚の保護膜を得た。比較例についても、表に記載の配合および同様の塗布、焼き付け条件で実施した。
[保護膜の物性評価]
実施例および比較例で得られた塗装板について、下記に示す項目における保護膜の諸物性を評価した。
[FI]
BYK Instruments社製多角度測色器「BYK-mac i」を用い、塗膜表面に対して測定する。
[60°光沢度]
日本電色工業株式会社製「VG7000」グロスメーターを用い、塗膜表面に対して測定する。
[耐摩耗性の評価方法]
NORMAN TOOL社製 MODEL7 RCA Abrasion Wear TESTERを用い、下地素材が見え始めた時の摩耗回数を記録、評価する。
<評価基準>
◎(優良):30回以上
○(良):10回~29回
×:(実用不可)9回以下
[耐溶剤性の評価方法]
2ポンドハンマーに4つ折りにしたガーゼを固定し、溶剤としてメチルエチルケトンを染み込ませて保護膜を擦る。下地素材が見え始めた時のハンマー往復回数を記録、評価する。
<評価基準>
◎(優良):200回以上
〇(良):50回~199回
×:(実用不可)49回以下
評価結果を表1、表2に示す。
Figure 0007113412000003
Figure 0007113412000004
[結果のまとめ]
実施例1はシリカ微粒子2の添加量を、主剤と硬化剤との合計100重量部に対して10重量部、ポリエチレンワックスを4重量部添加しており、FI、60°光沢度、耐摩耗性、耐溶剤性いずれも良好であった。
実施例2~5はシリカ微粒子の粒子径を変動させているが、粒子径が大きくなるにつれてFIは低下するが、耐摩耗性、耐溶剤性いずれも合格レベルであった。
実施例6~11はポリエチレンワックスの添加量を変動させているが、添加量が増えるにつれてFI、60°光沢度いずれも低下するが、耐溶剤性、耐摩耗性いずれも合格レベルであり、特に耐摩耗性の非常に優れた保護膜を得ることができた。
実施例12~17は保護膜の膜厚を変動させているが、膜厚が高くなるにつれて耐摩耗性、耐溶剤性共に良化傾向にあり、特に8μm以上でいずれも非常に優れた保護膜を得ることができた。
比較例1は保護膜中にポリエチレンワックス、シリカ微粒子いずれも含有しないが、60°光沢度が高すぎる上に耐摩耗性が非常に悪く、不合格であった。
比較例2は保護膜中にポリエチレンワックスを含有しないが、耐摩耗性が悪く、不合格であった。
比較例3はポリエチレンワックスの添加量を30部まで増やしたが、耐摩耗性は非常に優れていた一方で、耐溶剤性が低下しており、不合格であった。
比較例4は膜厚を1μmにしたが、60°光沢度が高すぎる上に耐摩耗性、耐溶剤性いずれも非常に悪く、不合格であった。
比較例5はシリカ微粒子の粒子径が最も小さい2.7μmまで変動させているが、物性やFIは合格レベルであるが、60°光沢度が高過ぎて不合格であった。
比較例6、7は実施例1のシリカ微粒子2の添加量を、主剤と硬化剤との合計100重量部に対してそれぞれ12.5重量部、15重量部と変動させており、
FI、耐摩耗性、耐溶剤性いずれも合格であったが、60°光沢度が不十分であった。
本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更が可能である。
1:電子機器
2:保護膜
3:筐体基材
4:電子部品

Claims (6)

  1. 電子部品を収容するための筐体の保護膜であって、
    膜厚が3μm以上であり、Flop Index(FI)が9~13、60°光沢度が10~50であり、
    主剤がアクリル変性エポキシ樹脂である保護膜形成用塗料から形成されることを特徴とする保護膜。
  2. 保護膜形成用塗料が水性型塗料である、請求項1に記載の保護膜。
  3. 保護膜形成用塗料に含まれる主剤と硬化剤との合計100重量部に対して、シリカ微粒子を1~25重量部含む、請求項に記載の保護膜。
  4. 保護膜形成用塗料に含まれる主剤と硬化剤との合計100重量部に対して、ポリエチレンワックスを4~25重量部含む、請求項に記載の保護膜。
  5. 請求項1~4いずれかに記載の保護膜を有する筐体。
  6. 請求項5に記載の筐体の内部に電子部品が収納された電子機器。
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