JP7092970B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子に関する。
近年、電子回路における駆動電力が非常に少なくなり、微弱な電力(μWオーダー)でもセンサ等の様々な電子部品を駆動することができるようになっている。また、センサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立電源として環境発電素子への応用が期待されている。これらの中でも、光電変換素子の一種である太陽電池は、光があれば、微弱光であっても、どこでも発電できる素子として注目を集めている。
微弱光の代表としてはLED(light emitting diode;発光ダイオード)ライトや蛍光灯などが挙げられる。これらは主に室内で用いられるので室内光と呼ばれている。それらの光の照度は20ルクスから1,000ルクス程度であり、太陽の直射光(約100,000ルクス)と比べて非常に微弱な光である。環境発電素子においては、特に蛍光灯やLEDランプなどの室内光で効率よく発電できる素子が求められている。
前記光電変換素子は、一般的に、透明電極、電子輸送層、ホール輸送層、及び対向電極から構成される。前記透明電極の材料としては、高い透過率、低い抵抗値を両立する材料である、インジウム・スズ酸化物(以下、「ITO」と称する)が用いられている。
しかし、色素増感型太陽電池の場合、前記光電変換素子の電子輸送層として用いられる電子輸送性半導体の多孔質層形成においては、例えば、空気中500℃で30分間の焼成を行う必要があり、第一の透明電極としてITOを用いた場合、その抵抗値が大きく増加することで太陽電池の発電特性を悪化させてしまう。これを回避する方法として、ITOに耐熱性に優れたフッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称する)やアンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称する)によりITO電極表面をキャップする方法が挙げられる(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。
また、色素増感型太陽電池において、前記透明電極と前記電子輸送層の間に設けられるホールブロッキング層を本来の逆電子移動低減機能だけでなく、ITO表面のキャップ層としても利用することで、高い透過率を確保しつつ、電子輸送層の多孔質層形成における焼成温度環境においてITO電極の抵抗値増加を抑制することが可能となる(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、光電変換特性を低下させることなく、電気抵抗の低い出力取り出しが可能となる光電変換素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の光電変換素子は、第一の基板と、
前記第一の基板上に配置された第一の透明電極と、
前記第一の透明電極上に配置されたホールブロッキング層と、
前記ホールブロッキング層上に配置された電子輸送性半導体からなる電子輸送層と、
前記電子輸送層上に配置されたホール輸送材料からなるホール輸送層と、
前記ホール輸送層上に配置された第二の電極と、
前記ホールブロッキング層の、前記電子輸送層、前記ホール輸送層及び前記第二の電極が配置されない端部領域に、該ホールブロッキング層を貫通する複数の微細孔を形成してなり、該複数の微細孔を通じて前記第一の透明電極から外部に電力を取り出すための出力取り出し端子部と、を有し、
前記複数の微細孔の開口が円形状であって、隣接する円形状微細孔間の最小距離の平均値(平均ピッチ)に対する円形状微細孔の平均径の比率が40%以上60%以下であり、前記平均ピッチが20μm以上60μm以下であり、前記第一の透明電極の膜厚は10nm以上であることを特徴とする。
本発明によると、光電変換特性を低下させることなく、電気抵抗の低い出力取り出しが可能となる光電変換素子を提供することができる。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略図である。 図3は、出力取り出し端子部に加工された円形状微細孔のピッチと径の概念図である。 図4は、出力取り出し端子部に加工されたライン状微細孔のピッチと幅の概念図である。 図5は、2端子法による出力取り出し端子部の抵抗値計測の概念図である。 図6は、出力取り出し部の微細孔に導電材料を埋め込んだ場合の抵抗値計測の概念図である。
(光電変換素子)
本発明の光電変換素子は、第一の基板と、
前記第一の基板上に配置された第一の透明電極と、
前記第一の透明電極上に配置されたホールブロッキング層と、
前記ホールブロッキング層上に配置され、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体からなる電子輸送層と、
前記電子輸送層と接続し、ホール輸送材料からなるホール輸送層と、
前記ホール輸送層上に配置された第二の電極と、を有し、
前記ホールブロッキング層を貫通する複数の微細孔により、外部に電力を取り出すための出力取り出し端子部が形成されており、更に必要に応じてその他の部材を有する。
本発明の光電変換素子は、従来のホールブロッキング層を第一の透明電極であるITO表面のキャップ層としても利用する技術では、太陽電池の出力取り出し端子部も抵抗値の高いホールブロッキング層によりキャップすることになるため、電子輸送性半導体の多孔質層形成における焼成の後に出力取り出し端子部のホールブロッキング層を剥離し、ITO電極を露出させる必要がある。しかし、フォトレジスト等を用いて出力取り出し端子部のみホールブロッキング層を選択的エッチングする場合、焼成した電子輸送性半導体の多孔質層、又は積層した光電変換素子にレジストを塗布することとなり、レジスト剥離工程、清浄化工程が必要となり工程が煩雑化するだけでなく、素子特性劣化、歩留り低下を引き起こす可能性が高くなるという知見に基づくものである。
本明細書において、前記光電変換素子とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子あるいは電気エネルギーを光エネルギーに変換する素子を表し、具体的には、太陽電池、又はフォトダイオードなどが挙げられる。
本発明の光電変換素子においては、第一の透明電極材料であるITOの抵抗値増加抑制機能を併せ持つホールブロッキング層において、出力取り出し端子部を簡便なレーザー加工等で微細剥離し第一の透明電極を露出させることで、電気抵抗の低い出力取り出しが可能となる。
<第一の基板>
前記第一の基板としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
前記第一の基板は、透明な材質のものが好ましく、例えば、ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが挙げられる。
<第一の透明電極>
前記第一の透明電極としては、可視光に対して透明な導電性物質であれば特に制限されるものではなく、通常の光電変換素子、又は液晶パネル等に用いられる公知のものを使用でき、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物、グラフェンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高い透過率、及び低い電気抵抗値を両立できる点から、ITOが好ましい。
前記第一の透明電極の平均厚みは、高い透過率、及び低効率の観点から、10nm以上1,000μm以下が好ましい。
前記第一の透明電極は、一定の硬性を維持するため、可視光に透明な材質からなる前記第一の基板上に設けることが好ましい。前記第一の透明電極と前記第一の基板とが一体となっている公知のものを用いることもでき、例えば、ITOコートガラス、ITOコート透明プラスチック膜などが挙げられる。
また、抵抗を下げる目的で、金属リード線等を併用してもよい。前記金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。前記金属リード線は、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOを設ける方法により形成することができる。
<ホールブロッキング層>
前記ホールブロッキング層は、電解質が電極と接して、電解質中のホールと電極表面の電子が再結合(いわゆる逆電子移動)することによる電力低下を抑制するために設けられる。前記ホールブロッキング層の効果は、固体型色素増感型太陽電池において特に顕著である。これは、電解液を用いた湿式色素増感太陽電池と比較し、有機ホール輸送材料等を用いた固体型色素増感型太陽電池はホール輸送材料中のホールと電極表面の電子の再結合(逆電子移動)速度が速いことに起因している。
前記ホールブロッキング層の材料としては、可視光に対して透明であり、かつ電子輸送性材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ホールブロッキング層の製膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、室内光における損失電流を抑制するためには、高い内部抵抗が必要であり、製膜方法も重要である。一般的には、湿式製膜となるゾルゲル法が挙げられるが、膜密度が低く十分に損失電流を抑制できない。そのため、より好ましくは、スパッタリング法などの乾式製膜であり、膜密度が十分に高く損失電流を抑制できる。
前記ホールブロッキング層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、透過率及び逆電子移動抑制の観点から、5nm以上1,000nm以下が好ましく、湿式製膜では500nm以上700nm以下がより好ましく、乾式製膜では10nm以上30nm以下がより好ましい。
<電子輸送層>
前記電子輸送層は、前記ホールブロッキング層上に配置され、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体からなり、前記電子輸送層は単層であっても多層であってもよい。
前記電子輸送性半導体としては、電子輸送性半導体微粒子が好ましく用いられる。
多層の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。
なお、一度の塗布で膜厚が不足する場合には、前記多層塗布は有効な手段である。
一般的に、前記電子輸送層の平均厚みが増大するほど単位投影面積当たりの担持光増感材料量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため、電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。したがって、前記電子輸送層の平均厚みは、100nm以上100μm以下が好ましい。
前記半導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体;金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物;カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物などが挙げられる。
他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム砒素、銅-インジウム-セレン化物、銅-インジウム-硫化物などが挙げられる。
前記ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
前記半導体の中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブがより好ましい。
前記半導体の結晶型については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、単結晶、多結晶、及び非晶質のいずれでも構わない。
前記半導体微粒子のサイズとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一次粒子の平均粒径は1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。
また、より大きい平均粒径の半導体微粒子を混合又は積層して入射光を散乱させる効果により、効率を向上させることも可能である。この場合、前記半導体微粒子の平均粒径は50nm以上500nm以下が好ましい。
前記電子輸送層の作製方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コスト等を考慮した場合、湿式製膜法が好ましく、半導体微粒子又はゾルを分散したペーストを調製し、電子集電電極基板上に塗布する方法が特に好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
前記半導体微粒子の分散液を機械的粉砕、又はミルを使用して作製する場合、少なくとも半導体微粒子単独、又は半導体微粒子と樹脂の混合物を水又は有機溶剤に分散して形成される。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α-テルピネオール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記半導体微粒子の分散液、又はゾルゲル法等によって得られた半導体微粒子のペーストは、半導体微粒子の再凝集を防ぐため、塩酸、硝酸、酢酸等の酸;ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル等の界面活性剤、アセチルアセトン、2-アミノエタノール、エチレンジアミン等のキレート化剤などを添加することができる。
また、製膜性を向上させる目的で増粘剤を添加することも有効な手段である。
前記増粘剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の高分子;エチルセルロースなどが挙げられる。
前記半導体微粒子は、塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性を向上させるために焼成、マイクロ波照射、電子線照射、レーザー光照射を行うことが好ましい。これらの処理は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
前記焼成する場合、焼成温度については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることがあるため、30℃以上700℃以下が好ましく、100℃以上600℃以下がより好ましい。焼成時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上10時間以下が好ましい。
前記マイクロ波照射は、電子輸送層形成側から照射しても、裏側から照射しても構わない。前記マイクロ波の照射時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以内で行うことが好ましい。
焼成後、半導体微粒子の表面積の増大や、光増感化合物から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
直径が数十nmの半導体微粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を持ち、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。
前記ラフネスファクターは、基板に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表す数値である。したがって、前記ラフネスファクターは大きいほど好ましいが、電子輸送層の膜厚との関係から、20以上が好ましい。
-光増感化合物-
本発明においては、変換効率の更なる向上のため、光増感化合物を電子輸送層の電子輸送性半導体の表面に吸着させることが好ましい。
前記光増感化合物は、使用される励起光により光励起される化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特表平7-500630号公報、特開平10-233238号公報、特開2000-26487号公報、特開2000-323191号公報、特開2001-59062号公報等に記載の金属錯体化合物;特開平10-93118号公報、特開2002-164089号公報、特開2004-95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物;特開2004-95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物;特開2003-264010号公報、特開2004-63274号公報、特開2004-115636号公報、特開2004-200068号、特開2004-235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物;J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物;特開平11-86916号公報、特開平11-214730号公報、特開2000-106224号公報、特開2001-76773号公報、特開2003-7359号公報等に記載のシアニン色素;特開平11-214731号公報、特開平11-238905号公報、特開2001-52766号公報、特開2001-76775号公報、特開2003-7360号等に記載メロシアニン色素;特開平10-92477号公報、特開平11-273754号公報、特開平11-273755号公報、特開2003-31273号等に記載の9-アリールキサンテン化合物;特開平10-93118号公報、特開2003-31273号等に記載のトリアリールメタン化合物;特開平9-199744号公報、特開平10-233238号公報、特開平11-204821号公報、特開平11-265738号、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006-032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物などが挙げられる。これらの中でも、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物が好ましく、三菱製紙株式会社製の下記構造式(1)で表されるD131、下記構造式(2)で表されるD102、下記構造式(3)で表されるD358がより好ましい。
[D131]
Figure 0007092970000001
[D102]
Figure 0007092970000002
[D358]
Figure 0007092970000003
前記電子輸送性半導体に前記光増感化合物を吸着させる方法としては、例えば、光増感化合物溶液中又は分散液中に電子輸送性半導体微粒子を含有する電子集電電極を浸漬する方法、光増感化合物溶液又は分散液を電子輸送性半導体に塗布して吸着させる方法などが挙げられる。
前記光増感化合物溶液中又は分散液中に電子輸送性半導体微粒子を含有する電子集電電極を浸漬する方法としては、例えば、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法などが挙げられる。
前記光増感化合物溶液又は分散液を電子輸送性半導体に塗布して吸着させる方法としては、例えば、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法などが挙げられる。
また、二酸化炭素等を用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
前記光増感化合物を吸着させる際には、縮合剤を併用してもよい。
前記縮合剤は、電子輸送性半導体表面に物理的又は化学的に光増感化合物を結合させるような触媒的作用をするもの、及び化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるものの何れであってもよい。
更に、縮合助剤として、チオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
前記光増感化合物を溶解又は分散する溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用しても構わない。
前記凝集解離剤としては、特に制限はなく、用いる色素に応じて適宜選択することができ、例えば、コール酸、ケノデオキシコール酸等のステロイド化合物;長鎖アルキルカルボン酸又は長鎖アルキルホスホン酸などが挙げられる。
前記凝集解離剤の添加量は、前記光増感化合物1質量部に対して、0.01質量部以上500質量部以下が好ましく、0.1質量部以上100質量部以下がより好ましい。
これらを用い、前記光増感化合物又は前記光増感化合物と前記凝集解離剤を吸着する際の温度としては、-50℃以上200℃以下が好ましい。
なお、前記吸着は静置しても攪拌しながら行っても構わない。
前記攪拌する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、超音波分散などが挙げられる。
前記吸着に要する時間は、5秒間以上1,000時間以下が好ましく、10秒間以上500時間以下がより好ましく、1分間以上150時間が更に好ましい。
なお、前記吸着は暗所で行うことが好ましい。
<ホール輸送層>
前記ホール輸送層としては、酸化還元対を有機溶媒に溶解した電解液、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸したゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩、固体電解質、無機ホール輸送材料、有機ホール輸送材料などが挙げられる。これらの中でも、有機ホール輸送材料が好ましい。なお、以下、有機ホール輸送材料を例として説明する箇所があるが、これに限られるものではない。
前記ホール輸送層は、単一材料からなる単層構造でもあっても、複数の化合物からなる積層構造でも構わない。前記積層構造の場合、第二の電極に近いホール輸送層に高分子材料を用いることが好ましい。製膜性に優れる高分子材料を用いることで多孔質状の電子輸送層の表面をより平滑化することができ、光電変換特性を向上することができる。
また、高分子材料は多孔質状の電子輸送層内部へ浸透しにくいことから、多孔質状の電子輸送層表面の被覆に優れ、電極を設ける際の短絡防止にも効果を発揮するため、より高い性能を得ることが可能となる。
前記単一材料で用いられる単層構造で用いられる有機ホール輸送材料としては、例えば、特公昭34-5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物;特公昭45-555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物;特公昭52-4188号公報等に示されているピラゾリン化合物;特公昭55-42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物;特開昭56-123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物;特開昭54-58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物;特開昭58-65440号公報又は特開昭60-98437号公報に示されているスチルベン化合物などが挙げられる。
これらの中でも、Adv.Mater.,813,vol.17,(2005)記載のホール輸送材料(2,2’,7,7’-tetrakis(N,N-di-p-methoxyphenylamino)-9,9’-spirobifluorene:「spiro-OMeTAD」と称することがある)が特に好ましい。
前記「spiro-OMeTAD」は、高いホール移動度を有している他に、2つのベンジジン骨格分子が捻れて結合している。そのため、球状に近い電子雲を形成しており、分子間におけるホッピング伝導性が良好であることにより優れた光電変換特性を示す。また、可溶性も高く各種有機溶媒に溶解し、アモルファス(結晶構造をもたない無定形物質)であるため、多孔質状の電子輸送層に密に充填されやすく、固体型色素増感型太陽電池にとって有用な特性を有している。更に、450nm以上の光吸収特性を有さないために、光増感化合物に効率的に光吸収をさせることができ、固体型色素増感型太陽電池にとって有用な特性を有している。
前記「spiro-OMeTAD」からなるホール輸送層の平均厚みについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多孔質状の電子輸送層の細孔に入り込んだ構造を有することが好ましく、前記電子輸送層上に0.01μm以上がより好ましく、0.1μm以上10μm以下が更に好ましい。
前記積層構造において用いられる第二の電極に近いホール輸送層に用いられる高分子材料としては、例えば、ポリ(3-n-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-n-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’-ジオクチル-フルオレン-コ-ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’-ジドデシル-クォーターチオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(2,5-ビス(3-デシルチオフェン-2-イル)チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,4-ジデシルチオフェン-コ-チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-チオフェン)、ポリ(3.6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-ビチオフェン)等のポリチオフェン化合物;ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ[2-メトキシー5-(3,7-ジメチルオクチルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ[(2-メトキシ-5-(2-エチルフェキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン)-コ-(4,4’-ビフェニレン-ビニレン)]等のポリフェニレンビニレン化合物;ポリ(9,9’-ジドデシルフルオレニル-2,7-ジイル)、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(9,10-アントラセン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(4,4’-ビフェニレン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジイル)-コ-(1,4-(2,5-ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]等のポリフルオレン化合物;ポリ[2,5-ジオクチルオキシ-1,4-フェニレン]、ポリ[2,5-ジ(2-エチルヘキシルオキシー1,4-フェニレン]等のポリフェニレン化合物;ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(N,N’-ジフェニル)-N,N’-ジ(p-ヘキシルフェニル)-1,4-ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(N,N’-ビス(4-オクチルオキシフェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’-ビス(4-オクチルオキシフェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’-ビス(4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ-1,4-フェニレンビニレン-2,5-ジオクチルオキシ-1,4-フェニレンビニレン-1,4-フェニレン]、ポリ[p-トリルイミノ-1,4-フェニレンビニレン-2,5-ジ(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン-1,4-フェニレン]、ポリ[4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ-1,4-ビフェニレン]等のポリアリールアミン化合物;ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(1,4-ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4-ジデシルチオフェン-コ-(1,4-ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)等のポリチアジアゾール化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、キャリア移動度及びイオン化ポテンシャルの点から、ポリチオフェン化合物とポリアリールアミン化合物が特に好ましい。
前記有機ホール輸送材料には、添加剤を添加しても構わない。
前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヨウ素、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化銀等の金属ヨウ化物;ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウム等の4級アンモニウム塩;臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の金属臭化物;臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩;塩化銅、塩化銀等の金属塩化物;酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウム等の酢酸金属塩;硫酸銅、硫酸亜鉛等の金属硫酸塩;フェロシアン酸塩-フェリシアン酸塩、フェロセン-フェリシニウムイオン等の金属錯体;ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール-アルキルジスルフィド等のイオウ化合物;ビオロゲン色素、ヒドロキノン等、ヨウ化1,2-ジメチル-3-n-プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1-メチル-3-n-ヘキシルイミダゾリニウム塩、1,2-ジメチル-3-エチルイミダゾリウムトリフロオロメタンスルホン酸塩、1-メチル-3-ブチルイミダゾリウムノナフルオロブチルスルホン酸塩、1-メチル-3-エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミド等のInorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体;ピリジン、4-t-ブチルピリジン、ベンズイミダゾール等の塩基性化合物;リチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド、リチウムジイソプロピルイミド等のリチウム化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、イオン液体が好ましく、イオン液体がイミダゾリウム化合物であることがより好ましい。
また、導電性を向上させる目的で、有機ホール輸送材料の一部をラジカルカチオンにするための酸化剤を添加しても構わない。
前記酸化剤としては、例えば、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4-ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、コバルト錯体系化合物などが挙げられる。
前記酸化剤の添加によって全ての有機ホール輸送材料が酸化される必要はなく、一部のみが酸化されていればよい。また、添加した酸化剤は添加した後、系外に取り出しても、取り出さなくてもよい。
前記ホール輸送層は、前記光増感化合物が含まれる電子輸送層上に直接形成することができる。
前記ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コスト等を考慮した場合、湿式製膜法が好ましく、電子輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。また、超臨界流体又は臨界点より低い温度・圧力の亜臨界流体中で製膜してもよい。
前記超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上、かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。
前記超臨界流体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、n-ブタノール等のエルコール系溶媒;エタン、プロパン、2,3-ジメチルブタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;塩化メチレン、クロロトリフロロメタン等のハロゲン系溶媒;ジメチルエーテル等のエーテル系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、二酸化炭素が好ましい。前記二酸化炭素は、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態を作り出せると共に、不燃性で取扱いが容易である点で特に好ましい。
前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記超臨界流体として挙げられる化合物は、亜臨界流体としても好適に使用することができる。
前記超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記臨界温度としては、-273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下がより好ましい。
更に、前記超臨界流体及び亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーを併用することもできる。前記有機溶媒及びエントレーナーの添加により、超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル系溶媒;ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、光増感化合物を吸着した電子輸送性材料が含まれる電子輸送層上に、有機ホール輸送材料を設けた後、プレス処理を施しても構わない。前記プレス処理を施すことによって、有機ホール輸送材料がより多孔質電極(電子輸送層)と密着するため効率が改善すると考えている。
前記プレス処理方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、IR錠剤整形器に代表されるような平板を用いたプレス成型法、ローラなどを用いたロールプレス法などが挙げられる。
圧力としては、10kgf/cm以上が好ましく、30kgf/cm以上がより好ましい。プレス処理する時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以内で行うことが好ましい。また、プレス処理時に熱を加えても構わない。
また、前記プレス処理の際、プレス機と電極との間に離型材を挟んでも構わない。
前記離型材に用いられる材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記プレス処理工程を行った後、第二の電極を設ける前に、有機ホール輸送材料と第二の電極の間に金属酸化物を設けてもよい。前記金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどが挙げられる。これらの中でも、酸化モリブデンが好ましい。
前記金属酸化物をホール輸送層上に設ける方法としては。特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリングや真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法が挙げることができる。
前記湿式製膜法においては、金属酸化物の粉末又はゾルを分散したペーストを調製し、前記ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
前記ホール輸送層の平均厚みとしては、0.1nm以上50nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。
<第二の電極>
前記第二の電極は、前記ホール輸送層上に、又は前記ホール輸送層における金属酸化物上に形成することができる。
前記第二の電極は、通常前記第一の透明電極と同様のものを用いることができ、強度や密封性が充分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要ではない。
前記第二の電極の材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム等の金属;グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン等の炭素系化合物;ITO、FTO、ATO等の導電性金属酸化物;ポリチオフェン、ポリアニリン等の導電性高分子などが挙げられる。
前記第二の電極の膜厚としては、特に制限はなく、また1種単独あるいは2種以上の混合で用いても構わない。
前記第二の電極の塗設については、用いられる材料の種類やホール輸送層の種類により、適宜ホール輸送層上に塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせ等の手法により形成可能である。
本発明においては、第一の透明電極側が透明であり、入射光を第一の透明電極側から入射させる。この場合、第二の電極側には光を反射させる材料を使用することが好ましく、金属、導電性酸化物を蒸着したガラス、プラスチック、又は金属薄膜が好ましく用いられる。また、入射光側に反射防止層を設けることも有効な手段である。
<出力取り出し端子部>
前記出力取り出し端子部は、ホールブロッキング層に第一の透明電極にまで達する複数の微細孔により形成される。前記出力取り出し端子部は、第一の透明電極を貫通し、第一の基板まで到達してもよい。
前記出力取り出し端子部の形成方法としては、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨紙、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。この理由の一つが、微細な孔をサンドやエッチャント、レジスト等を使うことなく形成できるからであり、より清浄に再現性よく加工が可能となる。
-微細孔-
前記微細孔の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ライン状、テーパー状、円形状などが挙げられる。これらの中でも、円形状が好ましい。この場合の円形とは、中心点からの距離が等しい点の集合でできる曲線のことであるが、必ずしも真円である必要はなく、真円を押しつぶしたような楕円形状も含まれる。
前記微細孔の最小開口長さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上400μm以下が好ましく、5μm以上85μm以下がより好ましい。
隣接する前記微細孔間の最小距離の平均値(平均ピッチ)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上500μm以下が好ましく、20μm以上100μm以下がより好ましい。
前記複数の微細孔の開口が円形状であって、隣接する円形状微細孔の平均ピッチに対する前記円形状微細孔の平均径の比率は、25%以上85%以下が好ましく、40%以上60%以下がより好ましく、前記平均ピッチは20μm以上90μm以下であることがより好ましい。
前記複数の微細孔の開口がライン状であって、隣接するライン状微細孔の平均ピッチに対する前記ライン状微細孔の平均幅の比率は、15%以上45%以下が好ましく、20%以上25%以下がより好ましく、前記平均ピッチは40μm以上100μm以下であることがより好ましい。
前記出力取り出し端子部を第一の透明電極を貫通し、第一の基板まで到達する複数の微細孔とした場合、前記出力取り出し端子部の面積に対して複数の微細孔の開口面積の合計が大きくなりすぎると、第一の透明電極の膜断面積が減少することで抵抗値が増大してしまい光電変換効率の低下を引き起こす。したがって、前記出力取り出し端子部の面積に対する、前記複数の微細孔の開口面積の合計の比率は、5%以上60%以下が好ましく、15%以上25%以下がより好ましい。
前記出力取り出し端子部の形成工程は、素子(第二の電極まで)構築前、素子構築途中、及び素子構築後のいずれの工程でもよいが、本発明においては、素子構築後が好ましい。これは、出力取り出し端子部の形成を素子構築前や素子構築途中に行ってしまうと基板が出力取り出し端子部形成時に発生した粉塵などにより汚染されてしまい、その上に構築することとなるため粉塵などの影響により電極等との接続が阻害され光電変換効率の低下を引き起こすためである。
本発明においては、レーザー加工法によって出力取り出し端子部を形成するとき、ホールブロッキング層、電子輸送層、ホール輸送層、及び第二の電極のうちの少なくとも一つ、場合によっては全てをレーザー加工法による衝撃剥離によって除去することができる。これが、本発明においてレーザー加工法が好ましい理由の二つ目である。これにより、積層時にマスクを設ける必要がなく、また、除去と微細な出力取り出し端子部の形成を簡易的に一度に行うことができる。
前記出力取り出し端子部上の少なくとも一部に導電材料膜を形成し、前記複数の微細孔に導電材料を埋め込むことにより出力取り出を行うことが好ましい。
前記導電材料としては、低い抵抗値特性を示すものであれば特に制限はなく、充分な導電性と膜厚をもつ金属蒸着膜や金属ペーストなどが挙げられる。
微細孔を導電材料で埋め込むことにより、デジタルメータのテストリードピンと微細孔におけるITO露出部分との接触抵抗が低減されるため、優れた抵抗値特性を示した。出力取り出し端子部におけるリードラインとの接触補助として有効な方法の1つである。
ここで、本発明の光電変換素子の構成について図1及び図2に基づいて説明する。なお、図1及び図2は、光電変換素子の一例を示す概略断面図であり、図1では出力取り出し端子部8、9においてホールブロッキング層3を貫通する複数の微細孔が形成され、図2ではその微細孔が第一の基板1にまで達している。
図1及び図2に示す態様においては、第一の基板1と、前記第一の基板1上に配置された第一の透明電極2と、前記第一の透明電極2上に配置されたホールブロッキング層3と、前記ホールブロッキング層3上に配置され、表面に光増感化合物5を吸着させた電子輸送性半導体からなる電子輸送層4と、前記電子輸送層4と接続し、ホール輸送材料からなるホール輸送層6と、前記ホール輸送層6上に配置された第二の電極7とを有する光電変換素子の構成の例が図示されている。また、第一の透明電極2及び第二の電極7は、それぞれの出力取り出し端子部8、9を介してリードライン10、11に導通している。
<用途>
本発明の光電変換素子は、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより電源装置に応用できる。このような電源装置を利用している機器類として、例えば、電子卓上計算機や腕時計などが挙げられる。その他、携帯電話、電子手帳、電子ペーパー等に本発明の光電変換素子を有する電源装置を適用することができる。また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として本発明の光電変換素子を有する電源装置を用いることもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
ITO(平均膜厚:300nm)ガラス基板上に、金属チタンからなるターゲットを用いた酸素ガスによる反応性スパッタにより、酸化チタンの緻密なホールブロッキング層を平均厚み100nmに形成した。
<円形状微細孔による出力取り出し端子部の形成>
次に、前記ITO上に酸化チタンを形成したガラス基板を面内方向に稼動可能なステージ上に搭載し、レーザー波長λ=349nmのパルスレーザを1パルス当りのエネルギー8.0μJ、パルスピッチ50μmとなるように調整して、前記ステージ上のガラス基板へ垂直入射した。レーザー加工範囲は10mm×10mmとした。この条件において得られた微細孔は、表1に示すように、平均径が25.1μm、平均ピッチが50μmであった。図3に、円形状微細孔20のピッチと孔径の概念図を示した。図3中21は円形状微細孔20のピッチ、22は円形状微細孔20の径を示す。
<開口面積比率>
前記微細孔の開口面積比率は、光学顕微鏡を用いて、微細孔の径、平均ピッチを計測し、前記出力取り出し端子部の単位面積当たりの微細孔の開口面積比率を算出することにより求めた。
<出力取り出し端子部の評価>
得られた出力取り出し端子部における抵抗値を2端子法により測定した。抵抗値の測定には、カイセ株式会社製のデジタルマルチメータKU-2608(テストリード100-50)を用い、テストリードはピン先(2端子)間距離が5mmになるように設置した。図5に、2端子法による出力取り出し端子部の抵抗値計測の概念図を示した。図5中41は出力取り出し端子部(ホールブロッキング層への複数の微細孔)、42は2端子法テストリード、43はデジタルマルチメータへ接続するリードライン、44はテストリードのピン先間距離を示す。測定の結果、抵抗値は14.6Ωという優れた抵抗値特性を示した。
(製造例2~7)
製造例1において、表1に示すように、1パルス当りのエネルギーを変更して微細孔の平均径を変えた以外は、製造例1と同様にして、製造例2~7の出力取り出し端子部を形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
製造例2~7は、微細孔の平均ピッチに対して平均径が小さくなると接触抵抗が増加し、平均径が大きくなるとITOの膜断面積が減少することで電気抵抗が増加する傾向がある。出力取り出し端子部として低い抵抗値を得るためには、平均ピッチを50μmとした場合には、微細孔開口面積比率を5%以上60%以下とすることが好ましく、15%以上25%以下とすることがより好ましい。平均ピッチに対する平均径比率は、25%以上85%以下が好ましく、40%以上60%以下がより好ましい。
(製造例8~11)
製造例1において、表1に示すように、パルスピッチを変更して近接する微細孔の平均ピッチを変えた以外は、製造例1と同様にして、製造例8~11の出力取り出し端子部形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
製造例8~11は、製造例2~7と同様に、微細孔の平均径に対して平均ピッチが大きくなると接触抵抗が増加し、平均ピッチが小さくなるとITOの膜断面積が減少することで電気抵抗が増加する傾向がある。出力取り出し端子部として低い抵抗値を得るためには、平均径を25μm程度とした場合には、微細孔開口面積比率を20%程度、平均ピッチに対する平均径比率を50%程度とすることがより好ましい。
(製造例12~15)
製造例1において、1パルス当りのエネルギーとパルスピッチを変更して近接する微細孔の平均径と平均ピッチを変えるか、製造例1と同程度の微細孔の開口面積比率、平均ピッチに対する平均径の比とした以外は、製造例1と同様にして、製造例12~15の出力取り出し端子部を形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
製造例12~15は、微細孔開口面積比率を20%程度、平均ピッチに対する平均径比率を50%程度と固定した場合でも、平均径、平均ピッチが大きくなると接触抵抗が増加する傾向があるため、平均径の上限を25μm、平均ピッチの上限を50μm程度とすることがより好ましい。
(製造例16及び17)
製造例1において、ITO膜厚を8nm、1,100nmとした以外は、製造例1と同様にして、製造例16及び17の出力取り出し端子部を形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
製造例16及び17のように、ITO膜厚が薄い場合、第一の透明電極の断面積が小さくなることで抵抗値が増加し、3.8kΩという特性を示した。ITO膜厚が厚い場合、第一の透明電極の断面積が大きくなることにより、抵抗値は12.6Ωという優れた抵抗値を示したが、透過率の観点から、ITO膜厚は薄い方がよいため、前述のようにITO膜厚は10nm以上1,000nm以下が好ましい。
(製造例18及び19)
製造例1において、酸化チタンの緻密なホールブロッキング層の平均厚みを2.5nm、1,100nmとした以外は、製造例1と同様にして、製造例18及び19の出力取り出し端子部を形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
製造例18及び19は、ホールブロッキング層の平均厚みを2.5nmとした場合、高い抵抗値を示す表面層が薄いために、微細孔がない場合(比較製造例2参照)と同程度の8.6Ωという低い抵抗値を示した。また、ホールブロッキング層の平均厚みが厚い場合でも、製造例1と同様の微細孔を形成することにより、19.3Ωという優れた抵抗値特性を示したが、均一な膜形成を実現し、高い透過率を確保しつつ、電子輸送層の多孔質層形成における焼成温度環境においてITO電極の抵抗値増加を抑制するという観点から、前述のようにホールブロッキング層の平均厚みは、5nm以上1,000nm以下が好ましい。
(製造例20)
製造例1において、パルスレーザにより微細孔形成後、図6に示すように導電材料を微細孔に埋め込む以外は、製造例1と同様にして、製造例20の出力取り出し端子部を形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
図6は、出力取り出し部の微細孔に導電材料を埋め込んだ場合の抵抗値計測の概念図である。図6中51は出力取り出し端子部(ホールブロッキング層への複数の微細孔)、52は2端子法テストリード、53はデジタルマルチメータへ接続するリードライン、54は導電材料部、55は導電材料部間距離を示す。
製造例20は、導電材料としては、低い抵抗値特性を示すものであれば特に制限はなく、充分な導電性と膜厚をもつ金属蒸着膜や金属ペースト等が挙げられる。導電材料部間距離は5mmとし、デジタルメータのテストリードピン先は導電材料上に設置した。
微細孔を導電材料で埋め込むことにより、デジタルメータのテストリードピンと微細孔におけるITO露出部分との接触抵抗が低減されるため、13.0Ωという優れた抵抗値特性を示した。出力取り出し端子部におけるリードラインとの接触補助として有効な方法の1つである。
(製造例21)
ITO膜上に酸化チタンを形成したガラス基板は、製造例1と同様にして作製した。
次に、前記ITO膜上に酸化チタンを形成したガラス基板を面内方向に稼動可能なステージ上に搭載し、レーザー波長λ=349nmのパルスレーザを1パルス当りのエネルギー3.5μJ、ライン状となるように走査速度を調整して前記ガラス基板へ垂直入射した。ラインピッチは60μmとし、レーザー加工範囲は10mm×10mmとした。この条件において得られたライン状微細孔は、表1に示すように平均幅が15.9μm、平均ピッチが60μmであった。図4に、ライン状微細孔30のピッチと孔径の概念図を示した。図4中31はライン状微細孔30のピッチ、32はライン状微細孔30の径を示す。
<出力取り出し端子部の評価>
出力取り出し端子部の評価は、製造例1と同様にして抵抗値測定を行った。その結果、抵抗値は円形状の製造例1には及ばないが、57.7Ωという優れた抵抗値特性を示した。
(製造例22~26)
製造例21において、表1に示すように、1パルス当りのエネルギーを変更してライン状微細孔の平均幅を変えた以外は、製造例21と同様にして、製造例22~26の出力取り出し端子部形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
表1の結果から、製造例22~26は、ライン状微細孔の平均ピッチに対して平均幅が大きくなるとITOの膜断面積が減少することで電気抵抗が増加する傾向がある。出力取り出し端子部として低い抵抗値を得るためには、平均ピッチを60μmとした場合には、平均ピッチに対するライン状微細孔の平均幅比率を15%以上45%以下とすることが好ましく、20%以上25%以下(ライン状微細孔の平均幅10μm~15μm程度)とすることがより好ましい。
(製造例27~31)
製造例21において、表1に示すように、パルスピッチを変更して近接するライン状微細孔の平均ピッチを変えた以外は、製造例21と同様にして、製造例27~31の出力取り出し端子部を形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
表1の結果から、製造例27~31は、上記製造例22~26と同様に、ライン状微細孔の平均幅に対して平均ピッチが大きくなると接触抵抗が増加し、平均ピッチが小さくなるとITOの膜断面積が減少することで電気抵抗が増加する傾向がある。出力取り出し端子部として低い抵抗値を得るためには、平均幅を15μm程度とした場合には、平均ピッチに対するライン状微細孔平均幅の比率を25%(平均ピッチ60μm)程度とすることがより好ましい。
(比較製造例1)
製造例1において、ITO上に酸化チタンを形成したガラス基板へ微細孔を形成しない以外は、製造例1と同様にして、比較製造例1の出力取り出し端子部を形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
表1の結果から、比較製造例1は、32kΩという高い抵抗値を示した。これは、最表面にあるホールブロッキング層の抵抗値が高く、デジタルマルチメータのテストリードピンが第一の透明電極であるITO膜と直接接していないからである。
(比較製造例2)
製造例1において、ITOガラス基板上に酸化チタンの緻密なホールブロッキング層を形成しない以外は、製造例1と同様にして、比較製造例2の出力取り出し端子部を形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
表1の結果から、比較製造例2は、8.3Ωという非常に低い抵抗値特性を示した。これは、最表面にある抵抗値の高いホールブロッキング層を形成していないために、デジタルマルチメータのテストリードピンが第一の透明電極であるITO膜に直接接しているからであるが、前述のように、高い透過率を確保しつつ、電子輸送層の多孔質層形成における焼成温度環境においてITO電極の抵抗値増加を抑制するためには、ホールブロッキング層をキャップ層として活用し、光電変換素子を形成後に簡便なレーザー加工等で出力取り出し端子部のホールブロッキング層を剥離してITO電極を露出させることが好ましい。
(比較製造例3)
製造例1において、1パルス当りのエネルギーとパルスピッチを変更して近接する微細孔同士を重複させる(平均ピッチに対する円形状微細孔の平均径の比率が100%以上)以外は、製造例1と同様にして、比較製造例3の出力取り出し端子部を形成し、抵抗値測定を行った。結果を表1に示した。
表1の結果から、比較製造例3は、抵抗値は非常に大きくなり絶縁状態となった。これは、ホールブロッキング層とともに下層のITO膜も剥離し、導電性がなくなったためである。
Figure 0007092970000004
以上明らかなように、本発明は、ホールブロッキング層への複数微細孔形成及びその形状により、電気抵抗の低い優れた出力取り出しが可能となる光電変換素子を提供できることがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 第一の基板と、
前記第一の基板上に配置された第一の透明電極と、
前記第一の透明電極上に配置されたホールブロッキング層と、
前記ホールブロッキング層上に配置され、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体からなる電子輸送層と、
前記電子輸送層と接続し、ホール輸送材料からなるホール輸送層と、
前記ホール輸送層上に配置された第二の電極と、を有し、
前記ホールブロッキング層を貫通する複数の微細孔により、外部に電力を取り出すための出力取り出し端子部が形成されていることを特徴とする光電変換素子である。
<2> 前記ホールブロッキング層に形成されている前記複数の微細孔が、前記第一の透明電極を貫通し、前記第一の基板にまで達している前記<1>に記載の光電変換素子である。
<3> 前記第一の透明電極が、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明膜である前記<1>から<2>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<4> 前記第一の透明電極の平均厚みが10nm以上1,000nm以下であり、
前記ホールブロッキング層が、平均厚み5nm以上1,000nm以下の金属酸化物透明膜である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<5> 前記出力取り出し端子部の面積に対する、前記複数の微細孔の開口面積合計の比率が、5%以上60%以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<6> 前記出力取り出し端子部の面積に対する、前記複数の微細孔の開口面積合計の比率が、15%以上25%以下である前記<5>に記載の光電変換素子である。
<7> 前記複数の微細孔の開口が円形状であって、隣接する円形状微細孔間の最小距離の平均値(平均ピッチ)に対する円形状微細孔の平均径の比率が25%以上85%以下であり、前記平均ピッチが20μm以上90μm以下である前記<5>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<8> 前記隣接する円形状微細孔間の最小距離の平均値(平均ピッチ)に対する円形状微細孔の平均径の比率が40%以上60%以下である前記<7>に記載の光電変換素子である。
<9> 前記複数の微細孔の開口がライン状であって、隣接するライン状微細孔間の最小距離の平均値(平均ピッチ)に対するライン状微細孔の平均幅の比率が15%以上45%以下であり、前記平均ピッチが40μm以上100μm以下である前記<5>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<10> 前記隣接するライン状微細孔の平均ピッチに対するライン状微細孔の平均幅の比率が20%以上25%以下である前記<9>に記載の光電変換素子である。
<11> 前記出力取り出し端子部上の少なくとも一部に導電材料膜を形成し、前記複数の微細孔に導電材料を埋め込むことにより出力取り出しを行う前記<1>から<10>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<12> 前記ホールブロッキング層が、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、及び酸化スズから選択される少なくとも1種を含む金属酸化物半導体である前記<1>から<11>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<13> 前記<1>から<12>のいずれかに記載の光電変換素子が、直列又は並列で複数個接続されていることを特徴とする太陽電池モジュールである。
前記<1>から<12>のいずれかに記載の光電変換素子、及び前記<13>に記載の太陽電池モジュールによると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 第一の基板
2 第一の透明電極
3 ホールブロッキング層
4 電子輸送層
5 光増感化合物
6 ホール輸送層
7 第二の電極
8、9 出力取り出し端子部
10、11 リードライン
特許第4260494号公報 特開2004-103374号公報
フジクラ技報、第106号(2004)57

Claims (5)

  1. 第一の基板と、
    前記第一の基板上に配置された第一の透明電極と、
    前記第一の透明電極上に配置されたホールブロッキング層と、
    前記ホールブロッキング層上に配置された電子輸送性半導体からなる電子輸送層と、
    前記電子輸送層上に配置されたホール輸送材料からなるホール輸送層と、
    前記ホール輸送層上に配置された第二の電極と、
    前記ホールブロッキング層の、前記電子輸送層、前記ホール輸送層及び前記第二の電極が配置されない端部領域に、該ホールブロッキング層を貫通する複数の微細孔を形成してなり、該複数の微細孔を通じて前記第一の透明電極から外部に電力を取り出すための出力取り出し端子部と、を有し、
    前記複数の微細孔の開口が円形状であって、隣接する円形状微細孔間の最小距離の平均値(平均ピッチ)に対する円形状微細孔の平均径の比率が40%以上60%以下であり、前記平均ピッチが20μm以上60μm以下であり、前記第一の透明電極の膜厚は10nm以上であることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記微細孔が、前記第一の透明電極を貫通し、前記第一の基板にまで達している請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第一の透明電極が、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明膜である請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記第一の透明電極の平均厚みが1,000nm以下であり、
    前記ホールブロッキング層が、平均厚み5nm以上1,000nm以下の金属酸化物透明膜である請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記微細孔に埋め込まれた導電材料を通じて出力の取り出しを行う請求項1から4のいずれかに記載の光電変換素子。
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