JP2017011066A - 光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
Description
上記課題2に対する提案は何れも光電変換層内に光反射層を設けることで光電変換効率を向上させる手法であるが、有機ホール輸送材料を用いるような固体型色素増感型太陽電池の場合、電解液を用いる場合と比較しホールの拡散移動距離が短いため、光電変換層内に反射粒子層を設けることによるホール拡散移動距離の増加により電流損失が大きくなる。そのため、固体型色素増感型太陽電池において光電変換層内に反射粒子層を設けることと、良好な光電変換効率を両立することは困難である。
以上のように、これまで検討されてきた光散乱技術では、いずれも満足できるものが得られていないのが現状である。
そこで、本発明は上記課題を鑑み、透光性を有する対向電極(第二の電極)を用いても良好な光電変換効率が得られる光電変換素子を提供することを目的とする。
(1)第一の基板と、前記第一の基板上に配置された透光性を有する第一の電極と、前記第一の電極上に配置された光電変換層と、前記光電変換層上に配置された透光性を有する第二の電極と、前記第二の電極上に配置された多孔質層と、前記多孔質層上に配置された第二の基板とを有し、前記多孔質層は金属酸化物からなる光散乱粒子を含むことを特徴とする光電変換素子
である。
本発明は、前記(1)の「光電変換素子」に係るものであるが、以下の(2)〜(6)に記載の「光電変換素子」に係るものでもあるので、これらについても併せて詳細に説明する。
(2)前記光電変換層が、前記第一の電極上に配置されたホールブロッキング層と、前記ホールブロッキング層上に配置され、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体からなる電子輸送層と、前記電子輸送層と接続し、ホール輸送性材料からなるホール輸送層とから構成されることを特徴とする(1)に記載の光電変換素子。
(3)前記光散乱粒子が、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化イットリウム、及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする(1)又は(2)に記載の光電変換素子。
(4)前記第二の電極が、下記A及びBの少なくとも一種から構成されることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の光電変換素子。
A:ポリチオフェン、及びその誘導体よりなる群から選ばれる導電性高分子化合物
B:第11属金属元素からなるナノワイヤ
(5)前記第一の電極と前記第二の電極が、それぞれ分割された複数の電極からなることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の光電変換素子。
(6)太陽電池として用いることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の光電変換素子。
前記多孔質層は、第二の電極と第二の基板の間に設けられ、光散乱粒子を含み、第一の基板から入射した透過光を光電変換層に戻すものである。これにより、透光性を有する第二の電極を用いても良好な光電変換効率が得られることを見出し、本発明に至った。ここで、ガラス基板や高屈折ポリマー等の平滑な表面を有した光散乱基材を用いた場合、例えば85℃以上の高温環境下において、導電性高分子化合物電極が反射基材に熱転写されてしまい、光電変換層との電気的コンタクトが悪化し、接触抵抗が増加してしまう場合がある。そのため、光散乱層を多孔質とし、上記導電性高分子化合物電極との接触面積を低下させることで、上記懸念点を低減できる。
本発明の光電変換素子は、複数のセルから構成されるモジュール形態をとる場合においては、モジュールを構成する太陽電池セルの電極間に照射された光を散乱させることができるので、良好な光電変換効率が得られる。
また、多孔質層を第二の電極と第二の基板の間に設けることにより、光電変換層が有機ホール輸送性材料を用いた固体型色素増感型であっても、ホール拡散移動距離が増加することがなく、電流損失を低減できる。
なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
光電変換素子の構成について図1に基づいて説明する。なお、図1は光電変換素子の断面の概略図である。
以下、詳細を説明する。
本発明に用いられる第一の基板1としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができる。第一の基板1は透明な材質のものが好ましく、例えばガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体等が挙げられる。
本発明に用いられる第一の電極2としては、可視光に対して透明な導電性物質であれば特に限定されるものではなく、通常の光電変換素子、あるいは液晶パネル等に用いられる公知のものを使用できる。
第一の電極の材料としては、例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、ITOと称す)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、FTOと称す)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、ATOと称す)、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物、グラフェン等が挙げられ、これらが単独あるいは複数積層されていてもよい。
第一の電極2の厚さは5nm〜100μmが好ましく、50nm〜10μmがより好ましい。
また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状等、光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものでもよい。
これらは単独あるいは2種以上の混合又は積層したものでも構わない。また抵抗を下げる目的で、金属リード線等を併用してもよい。
前記金属リード線の材質は、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。金属リード線は、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法により形成できる。
一般的に、ホールブロッキング層3は、電解質が電極と接して、電解質中のホールと電極表面の電子が再結合(いわゆる逆電子移動)することによる電力低下を抑制するために設けられる。このホールブロッキング層3の効果は、固体型色素増感型太陽電池において特に顕著である。これは、電解液を用いた湿式色素増感太陽電池と比較し、有機ホール輸送材料等を用いた固体型色素増感型太陽電池はホール輸送材料中のホールと電極表面の電子の再結合(逆電子移動)速度が速いことに起因している。
本発明で用いられるホールブロッキング層3の材料としては、可視光に対して透明であり、かつ電子輸送性材料であれば特に限定されるものではない。材料としては、例えば、
酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズ等が挙げられ、これらが単独あるいは積層、あるいは混合されていてもよい。
本発明の光電変換素子は、上記のホールブロッキング層3上に電子輸送層4を形成するものが好ましく、一般的に多孔質状の層として構成される。電子輸送層4は、半導体微粒子などの電子輸送性材料を含み、電子輸送性材料は後述する光増感化合物5が吸着されていることが好ましい。電子輸送性材料としては特に限定されるものでなく、ロッド状やチューブ状等の半導体材料でもよい。以下、半導体微粒子を例として挙げて説明する箇所があるが、これに限られるわけではない。
また、電子輸送層4は単層であっても多層であってもよい。多層の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。一度の塗布で膜厚が不足する場合には、多層塗布は有効な手段である。
金属のカルコゲニドとしてはチタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、あるいはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。
他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、等のリン化物、ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等が好ましい。
また、ペロブスカイト構造を有する化合物としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等が好ましい。
これらの中でも、電子輸送性材料としては、酸化物半導体が好ましく、特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。そのため、これらは単独、あるいは2種以上の混合で使用しても構わない。また、これらの半導体の結晶型は特に限定されるものではなく、単結晶でも多結晶でも、あるいは非晶質でも構わない。
一般的に、電子輸送層4の膜厚が増大するほど単位投影面積当たりの担持光増感化合物5の量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。そのため、電子輸送層の膜厚は100nm〜100μmが好ましく、100nm〜50μmがより好ましく、100nm〜10μmがさらに好ましい。
この湿式製膜法を用いた場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
このときに用いられる樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で増粘剤を添加することも有効な手段である。
このとき加える増粘剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の高分子、エチルセルロース等の増粘剤等が挙げられる。
焼成する場合、焼成温度の範囲に特に制限はないが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることもあるため、30〜700℃が好ましく、100〜600℃がより好ましい。また、焼成時間にも特に制限はないが、10分〜10時間が好ましい。
前記マイクロ波照射は、電子輸送層形成側から照射しても、裏側から照射しても構わない。照射時間には特に制限がないが、1時間以内で行うことが好ましい。
直径が数十nmの半導体微粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を持ち、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。
このラフネスファクターは、基板に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表わす数値である。したがって、ラフネスファクターは大きいほど好ましいが、電子輸送層4の膜厚との関係もあり、本発明においては20以上が好ましい。
本発明では変換効率のさらなる向上のため、光増感化合物5を電子輸送性半導体の表面に吸着させる。
光増感化合物5は、使用される励起光により光励起される化合物であれば特に限定されるものでないが、具体的には以下の化合物が挙げられる。
特表平7−500630号公報、特開平10−233238号公報、特開2000−26487号公報、特開2000−323191号公報、特開2001−59062号公報等に記載の金属錯体化合物、特開平10−93118号公報、特開2002−164089号公報、特開2004−95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物、同特開2004−95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物、特開2003−264010号公報、特開2004−63274号公報、特開2004−115636号公報、特開2004−200068号、特開2004−235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物、J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物、特開平11−86916号公報、特開平11−214730号公報、特開2000−106224号公報、特開2001−76773号公報、特開2003−7359号公報等に記載のシアニン色素、特開平11−214731号公報、特開平11−238905号公報、特開2001−52766号公報、特開2001−76775号公報、特開2003−7360号等に記載メロシアニン色素、特開平10−92477号公報、特開平11−273754号公報、特開平11−273755号公報、特開2003−31273号等に記載の9−アリールキサンテン化合物、特開平10−93118号公報、特開2003−31273号等に記載のトリアリールメタン化合物、特開平9−199744号公報、特開平10−233238号公報、特開平11−204821号公報、特開平11−265738号、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006−032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物等を挙げることができる。特にこの中で、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物を用いることが好ましい。
前者の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等を用いることができる。
後者の場合は、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等を用いることができる。
また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
前記縮合剤は、電子輸送性半導体表面に物理的あるいは化学的に光増感化合物5を結合させるような触媒的作用をするもの、または化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるものの何れであってもよい。
さらに、縮合助剤としてチオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、
ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒を挙げることができ、これらは単独、あるいは2種以上の混合として用いることができる。
前記凝集解離剤としてはコール酸、ケノデオキシコール酸などのステロイド化合物、長鎖アルキルカルボン酸または長鎖アルキルホスホン酸が好ましく、用いる色素に対して適宜選ばれる。
これら凝集解離剤の添加量は、光増感化合物1質量部に対して0.01〜500質量部が好ましく、0.1〜100質量部がより好ましい。
これらを用い、光増感化合物5、あるいは光増感化合物5と凝集解離剤を吸着する際の温度としては、−50℃以上、200℃以下が好ましい。
前記攪拌する場合の方法としては、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、あるいは超音波分散等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
吸着に要する時間は、5秒以上、1000時間以下が好ましく、10秒以上、500時間以下がより好ましく、1分以上、150時間以下がさらに好ましい。
また、吸着は暗所で行なうことが好ましい。
ホール輸送層6には、酸化還元対を有機溶媒に溶解した電解液、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸したゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩、固体電解質、無機ホール輸送材料、有機ホール輸送材料等が用いられる。これらの中でも、有機ホール輸送材料が好ましい。なお、以下、有機ホール輸送材料を例として説明する箇所があるが、これに限られるものではない。
本発明におけるホール輸送層6は、単一材料からなる単層構造でも、複数の化合物からなる積層構造でも構わない。積層構造の場合、第二の電極7に近いホール輸送層6に高分子材料を用いることが好ましい。製膜性に優れる高分子材料を用いることで多孔質状の電子輸送層4の表面をより平滑化することができ、光電変換特性を向上することができる。
単一で用いられる単層構造において用いられる有機ホール輸送材料としては、公知の有機ホール輸送性化合物が用いられる。
その具体例としては特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン化合物、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特開昭54−58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物、特開昭58−65440号公報あるいは特開昭60−98437号公報に示されているスチルベン化合物等を挙げることができる。
その具体例としては、ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−n−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’−ジオクチル−フルオレン−コ−ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’−ジドデシル−クォーターチオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(2,5−ビス(3−デシルチオフェン−2−イル)チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チオフェン)、ポリ(3.6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−ビチオフェン)等のポリチオフェン化合物、ポリ[2−メトキシー5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシー5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[(2−メトキシ−5−(2−エチルフェキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)−コ−(4,4’−ビフェニレンービニレン)]等のポリフェニレンビニレン化合物、ポリ(9,9’−ジドデシルフルオレニル−2,7−ジイル)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(9,10−アントラセン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(4,4’−ビフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジイル)−コ−(1,4−(2,5−ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]等のポリフルオレン化合物、ポリ[2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレン]、ポリ[2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ−1,4−フェニレン]等のポリフェニレン化合物、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ジフェニル)−N,N’−ジ(p−ヘキシルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[p−トリルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ−1,4−ビフェニレン]等のポリアリールアミン化合物、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)等のポリチアジアゾール化合物等を挙げることができる。
この中で、キャリア移動度やイオン化ポテンシャルを考慮するとポリチオフェン化合物とポリアリールアミン化合物が特に好ましい。
添加剤としては、ヨウ素、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化銀等の金属ヨウ化物、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウム等の4級アンモニウム塩、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の金属臭化物、臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、塩化銅、塩化銀等の金属塩化物、酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウム等の酢酸金属塩、硫酸銅、硫酸亜鉛等の金属硫酸塩、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン等、ヨウ化1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1−メチル−3−n−ヘキシルイミダゾリニウム塩、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムトリフロオロメタンスルホン酸塩、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムノナフルオロブチルスルホン酸塩、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミド等のInorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ベンズイミダゾール等の塩基性化合物、リチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド、リチウムジイソプロピルイミド等のリチウム化合物等を挙げることができる。
本発明においてホール輸送層は、有機ホール輸送性材料を用いることが好ましい。有機ホール輸送性材料を用いた固体型色素増感型太陽電池において前記塩基性化合物を用いると、短絡電流密度の低下量が少なく、高い開放電圧が得られることで、優れた光電変換特性を得ることができる。さらに、報告例が少ない室内光等の微弱光における光電変換において、特に際立って優位性が現れる。
その酸化剤としては、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4−ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、コバルト錯体系化合物等が挙げられる。
この酸化剤の添加によって全ての有機ホール輸送材料が酸化される必要はなく、一部のみが酸化されていればよい。また添加した酸化剤は添加した後、系外に取り出しても、取り出さなくてもよい。
この湿式製膜法を用いた場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。また、超臨界流体あるいは臨界点より低い温度・圧力の亜臨界流体中で製膜してもよい。
超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、n−ブタノールなどのエルコール系溶媒、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどのハロゲン系溶媒、ジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒が好適である。これらの中でも、二酸化炭素は、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態をつくり出せるとともに、不燃性で取扱いが容易であり、特に好ましい。
また、これらの流体は、単独であっても二種以上の混合であっても構わない。
前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上述した超臨界流体として挙げられる化合物は、亜臨界流体としても好適に使用することができる。
このような有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、
ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。
圧力としては10kgf/cm2以上が好ましく、30kgf/cm2以上がより好ましい。プレス処理する時間に特に制限はないが、1時間以内で行うことが好ましい。また、プレス処理時に熱を加えても構わない。
また、上述のプレス処理の際、プレス機と電極間に離型材を挟んでも構わない。
これら金属酸化物をホール輸送層6上に設ける方法としては特に制限はなく、スパッタリングや真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式成膜法が挙げることができる。
湿式製膜法においては、金属酸化物の粉末あるいはゾルを分散したペーストを調製し、ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。
この湿式成膜法を用いた場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。
例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。膜厚としては0.1〜50nmが好ましく、1〜10nmがより好ましい。
第二の電極7は、ホール輸送層6上に、又はホール輸送層6における金属酸化物上に形成することができる。また、第二の電極7は、通常前記第一の電極2と同様のものを用いることができ、強度や密封性が充分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要ではない。
第二の電極7の材料の具体例としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム等の金属、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン等の炭素系化合物、ITO、FTO、ATO等の導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールおよびそれらの誘導体等の導電性高分子化合物が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上の混合で用いても構わない。
第二の電極7の膜厚には特に制限はなく、塗設については、用いられる材料の種類やホール輸送層6の種類により、適宜ホール輸送層6上に塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせ等の手法により形成可能である。
本発明において多孔質層8は、第二の電極7と第二の基板9の間に設けられ、金属酸化物からなる光散乱粒子を含み、第一の基板1から入射した透過光を光電変換層に戻すものである。これにより、安価で透光性を有する第二の電極7を用いても良好な光電変換効率が得られる。
光散乱粒子の粒径は、散乱する光の波長によって選択される。特開2012−181983号公報によれば、光を散乱させる粒径は散乱される光の波長に比例し、粒径は入射光の波長を複数の経験式に代入することで決定される(住友大阪セメント株式会社テクニカルレポート,色素増感太陽電池用酸化チタン(2005)36−40)。特に可視光領域に高い感度を持つ色素増感型太陽電池においては、可視光領域の波長に合わせた散乱粒子を適宜選択することが好ましく、400nmから800nmの波長に対しては粒径0.15μmから0.45μmが好ましいと報告されている。
光散乱粒子の粒径は、一次粒子の平均径であり、粒子径の測定は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。
このときに用いられる樹脂としては特に限定されるものでない。例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で増粘剤を添加することも有効な手段である。
このとき加える増粘剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の高分子、エチルセルロース等の増粘剤等が挙げられる。
本発明に用いられる第二の基板9としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができる。例えばガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体等が挙げられる。
本発明の光電変換素子は、太陽電池として用いることができる。また、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより電源装置に応用できる。このような電源装置を利用している機器類として、例えば、電子卓上計算機や腕時計が挙げられる。この他、携帯電話、電子手帳、電子ペーパー等に本発明の光電変換素子を有する電源装置を適用することができる。また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として本発明の光電変換素子を有する電源装置を用いることもできる。
<酸化チタン半導体電極の作製>
金属チタンからなるターゲットを用いた酸素ガスによる反応性スパッタにより、ITO系ガラス基板上に酸化チタンの緻密なホールブロッキング層を形成した。
次に、酸化チタン(日本エアロジル社製P90)3g、アセチルアセトン0.2g、界面活性剤(和光純薬社製ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)0.3gを水5.5g、エタノール1.0gと共にビーズミル処理を12時間施した。得られた分散液にポリエチレングリコール(#20,000)1.2gを加えてペーストを作製した。このペーストを、上記基板上に膜厚1.5μmになるように塗布し、室温で乾燥後、空気中500℃で30分間焼成し、多孔質状の電子輸送層を形成した。本実施例においては、ここまで形成されたものを便宜上、酸化チタン半導体電極と称する。
上記酸化チタン半導体電極を、増感色素として前記構造式(3)で表される三菱製紙社製D358(0.5mM、アセトニトリル/t-ブタノール(体積比1:1)溶液)に浸漬し、1時間暗所にて静置し光増感材料を吸着させた。
光増感材料を担持した半導体電極上に、下記の構造式(5)で表される有機ホール輸送材料(メルク株式会社製、銘柄:2,2’,7,7’-tetrakis(N,N-di-p-methoxyphenylamino)-9,9’-spirobifluorene、品番:SHT-263、CAS番号207739-72-8)のクロロベンゼン(固形分14質量%)溶液に、関東化学社製リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(次の構造式(6)で表される化合物)(固形分1質量%)、前記一般式(4)で表される例示塩基性化合物No.4−3(固形分1.4質量%)を加えて得た溶液を、スピンコートにて塗布し、ホール輸送層6を成膜した。ここまで形成されたものを便宜上、固体型の光電変換層と称する。この上に、PEDOT/PSS(poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/ポリスチレンスルホン酸)(アルドリッチ社製)ペーストをスクリーン印刷し、100℃で30分乾燥して第二の電極を作製した。
上記により得られた光電変換素子について、白色LED照射下(1000Lux:0.24mW/cm2)における光電変換効率を測定した。白色LEDはコスモテクノ社製デスクランプCDS−90α(スタディーモード)、評価機器はNF回路設計ブロック社製太陽電池評価システムAs−510−PV03にて測定した。測定結果を表1に示す。
その結果、第二の電極を透過した光を光散乱することにより光電変換層に戻したため、高い電流値が得られ、優れた特性を示した。
実施例1において、光散乱粒子を表1に記載した光散乱粒子に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、同様に評価した。その結果、酸化チタンと比較し屈折率が小さいため、光散乱効果は比較的小さいが、高い電流値が得られ、優れた特性を示した。
実施例1において、レーザー装置により、第一の電極をレーザーエッチングし、4セル直列基板とし、また、4セル直列となるようにパターニングされたマスクを用い、PEDOT/PSS(アルドリッチ社製)ペーストをスクリーン印刷し、100℃で30分乾燥して第二の電極を作製した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、同様に評価した(構成については図2に表記する。なお、図2は光電変換素子の断面の概略図である)。その結果、第二の電極を透過した光、および電極間を透過した光を光散乱することにより光電変換層に戻したため、高い電流値が得られ、優れた特性を示した。
実施例1において、PEDOT/PSS電極上に銀ナノワイヤペーストをスクリーン印刷し、100℃で30分乾燥した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、同様に評価した。その結果、光散乱効果により高い電流値が得られるとともに、低抵抗な銀ナノワイヤにより高いFF(曲線因子)が得られ、優れた特性を示した。
実施例1において、ホール輸送層をヨウ素電解液(ヨウ化リチウム(0.1M)、ヨウ素(0.05M)、1,2-dimethyl-3-propylimidazolium iodide(0.6M)、4-tert-butylpyridine(0.5M)をアセトニトリルに溶かした溶液)とし(便宜上、液体型の光電変換層と称する)、カバーガラスに形成した多孔質層上にPEDOT/PSS(アルドリッチ社製)ペーストをスクリーン印刷し、100℃で30分乾燥して第二の電極を作製し、上記多孔質層および第二の電極を具備したカバーガラスを、増感色素を吸着させた酸化チタン半導体電極基板と合わせ、電極間を上記ヨウ素電解液で満たすことで光電変換素子を作製した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、同様に評価した。その結果、第二の電極を透過した光を光散乱することにより光電変換層に戻したため、高い電流値が得られ、優れた特性を示したが、多くの光がヨウ素電解液に吸収されてしまったため、その効果は小さかった。
実施例1において、光散乱粒子含む多孔質層を設けなかった以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、同様に評価した。その結果、実施例1と比較し、低い電流値を示し、低い性能に留まった。これは、第二の電極を透過した光を十分に利用できなかったためである。
実施例1において、光散乱粒子を含む多孔質層を酸化チタン半導体電極上に製膜し、室温で乾燥後、空気中500℃で30分間焼成し、第二の電極上には光散乱粒子を含む多孔質層を設けなかった以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、同様に評価した。その結果、ホール輸送層中のホール拡散移動距離が長くなり、電力損失が大きくなったため、低い性能に留まった。
実施例11において、光散乱粒子含む多孔質層を設けなかった以外は実施例11と同様にして光電変換素子を作製し、同様に評価した。その結果、実施例11と比較し低い電流値を示し、低い性能に留まった。これは、第二の電極を透過した光を十分に利用できなかったためである。
実施例11において、光散乱粒子を含む多孔質層を酸化チタン半導体電極上に製膜し、室温で乾燥後、空気中500℃で30分間焼成し、第二の電極上には光散乱粒子を含む多孔質層を設けなかった以外は実施例11と同様にして光電変換素子を作製し、同様に評価した。その結果、実施例11と比較し低い性能に留まった。これは、光電変換層内に多孔質層を設けたことにより、電解液のイオン拡散が阻害され、抵抗が高くなったためである。
実施例1において、PEDOT/PSS電極上に銀ナノワイヤペーストをスクリーン印刷し、100℃で30分乾燥し、光散乱粒子含む多孔質層を設けなかった以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、同様に評価した。その結果、実施例1と比較し、低い電流値を示し、低い性能に留まった。これは、第二の電極を透過した光を十分に利用できなかったためである。
以上明らかなように、本発明の光電変換素子は優れた光電変換特性を示すことがわかる。
2 第一の電極
3 ホールブロッキング層
4 電子輸送層
5 光増感化合物
6 ホール輸送層
7 第二の電極
8 多孔質層
9 第二の基板
Claims (6)
- 第一の基板と、前記第一の基板上に配置された透光性を有する第一の電極と、前記第一の電極上に配置された光電変換層と、前記光電変換層上に配置された透光性を有する第二の電極と、前記第二の電極上に配置された多孔質層と、前記多孔質層上に配置された第二の基板とを有し、前記多孔質層は金属酸化物からなる光散乱粒子を含むことを特徴とする光電変換素子。
- 前記光電変換層が、前記第一の電極上に配置されたホールブロッキング層と、前記ホールブロッキング層上に配置され、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体からなる電子輸送層と、前記電子輸送層と接続し、ホール輸送性材料からなるホール輸送層とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記光散乱粒子が、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化イットリウム、及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
- 前記第二の電極が、下記A及びBの少なくとも一種から構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光電変換素子。
A:ポリチオフェン、及びその誘導体よりなる群から選ばれる導電性高分子化合物
B:第11属金属元素からなるナノワイヤ - 前記第一の電極と前記第二の電極が、それぞれ分割された複数の電極からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光電変換素子。
- 太陽電池として用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光電変換素子。
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