JP7087421B2 - 電子時計 - Google Patents
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Description
本発明では、巻真は、ツバ部に接触する第1当接部と第2当接部との間に配置されるので、例えば、落下等で衝撃が加わったとしても、巻真の軸方向と交差する方向における弾性部の移動は、第1当接部および第2当接部と巻真とで規制される。そのため、弾性部がツバ部から離れてしまうことを防止することができて、りゅうずから巻真に侵入した静電気をより確実に逃がすことができる。
本発明では、延出部は板状部から文字板側に向けて延出する。そして、第1当接部および第2当接部は、延出部の先端側から文字板側に向けて延設され、先端が巻真の軸の中心よりも文字板側に位置する。そのため、例えば、落下等で衝撃が加わった際に、弾性部に対して巻真が文字板側に移動したとしても、その移動量が少なくとも巻真の半径以下であれば、巻真は第1当接部および第2当接部間に位置しており、巻真が各当接部間から外れてしまうことがない。このため、弾性部および巻真が時計の厚さ方向に相対的に移動した場合に、第1当接部および第2当接部とツバ部との接触状態を維持しやすくすることができる。そのため、りゅうずから巻真に侵入した静電気をより確実に逃がすことができる。
本発明では、ツバ部は、巻真の軸方向の移動を規制するため、巻真の位置決め部としても機能する。そのため、当該ツバ部と位置決め部とを別々に設ける場合に比べて、巻真を加工しやすくすることができる。したがって、生産効率を向上でき、生産コストを低減することができる。
本発明では、巻真を電子モジュールから引き出した状態、すなわち、りゅうずを回転操作する状態において、弾性部はツバ部から離れるので、りゅうずを回転させる際に、弾性部とツバ部とが接触することがなく、りゅうずをスムーズに操作することができる。また、巻真を電子モジュールに押し込む際に、弾性部を電子モジュール側に大きく弾性変形させる必要がない。そのため、ツバ部が弾性部から受ける弾性力を、巻真を引き出すために必要な力に対して十分に小さくすることができ、弾性部の弾性力によって巻真が誤って引き出されることを防止することができる。
なお、巻真を引き出した状態では、操作者がりゅうずに触れているので、りゅうずに侵入する静電気は操作者側に逃げる。そのため、弾性部がツバ部から離れていても、静電気が巻真を経由して電子モジュールに侵入するおそれは少ない。
本発明では、導電アース部材が回路押さえ板であり、当該回路押さえ板に外装ケースと導通する導通部が設けられるので、弾性部から板状部に誘導された静電気を外装ケースに逃がすための部品を別途設ける必要がなく、部品種類を少なくすることができる。そのため、生産効率を向上でき、生産コストを低減することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子時計1の正面図であり、図2は電子時計1の裏面側を上とした分解斜視図であり、図3はムーブメント4の要部を示す分解斜視図である。なお、本実施形態では、電子時計1のカバーガラス130側を表面側とし、裏蓋120側を裏面側として説明する。
電子時計1は、図1、2に示すように、導電性材料で形成された外装ケース100を備え、外装ケース100の内周側には、円盤状の文字板2が配置されている。
なお、本実施形態では、外装ケース本体110と裏蓋120とは別部品にて構成されているが、これに限らず、外装ケース本体110および裏蓋120が一体化されたワンピースケースでもよい。
文字板2は、プラスチックなどの非導電性の材料で形成されており、ムーブメント4を挟んで、裏蓋120とは反対側に配置されている。文字板2の表面側には、秒針21、分針22、時針23と、各種情報等を支持する指針24、25、26が配置されている。各指針21~26は、ムーブメント4の指針軸に取り付けられており、ムーブメント4により駆動される。
ムーブメント4には、従来から電子時計に用いられているものが利用できる。本実施形態では、ムーブメント4に、太陽電池の発電電力を充電する二次電池と、二次電池の電力で駆動されるステップモーターと、ステップモーターによって駆動される輪列とを備えたムーブメントが利用される。
図2、3に示すように、ムーブメント4は、回路押さえ板41と、耐磁体43と、回路基板44と、地板45とを備えている。回路基板44には、図示略のステップモーターを駆動させるための電子回路等が組み込まれている。
また、ムーブメント4には、ムーブメント4から外装ケース100に向けて突出した金属製の巻真42が設けられており、巻真42の周囲には、おしどり等の図示略のスイッチ機構(切換機構)が配置されている。
図4は、りゅうず3が0段位置の状態における巻真42近傍の概略断面図である。
図2~4に示すように、巻真42には、りゅうず3が取り付けられており、りゅうず3を引き出すことで軸方向に移動する。すなわち、巻真42は、通常は0段位置にあり、りゅうず3を引き出すことで、1段位置、または、2段位置に移動する。
また、巻真42には、ムーブメント4と外装ケース100との間に配置されるツバ部421が設けられている。ツバ部421は、巻真42の軸直交方向に突出して形成され、ムーブメント4側の面422は巻真42の軸に直交する平面であり、外装ケース100側の面はテーパ面とされている。そして、ツバ部421は、例えば、電子時計1が落下した際の衝撃などにより、巻真42が電子時計1の中心に向かって押し込まれた際に、ツバ部421が地板45に直接あるいは弾性部414を介して接触することで、巻真42が0段位置を超えて移動することを規制する。すなわち、ツバ部421は、巻真42の軸方向の移動を規制する位置決め部の一例である。なお、ツバ部421は、本実施形態の形状に限られるものではなく、例えば、外装ケース100側もテーパ面ではなく平面としてもよいし、逆に、ムーブメント4側の面をテーパ面としてもよい。特に、ムーブメント4側の面は、後述する弾性部414との接触状態を維持しやすい形状とすることが好ましい。
回路押さえ板41は、平板状の金属で形成されており、図3に示すように、耐磁体43および回路基板44を覆うように配置される板状部410を有している。また、回路押さえ板41には、板状部410から裏蓋120側に傾斜するように曲げられた金属バネとしての導通部411~413が設けられている。
図4、5に示すように、延出部415は、板状部410から文字板2側、すなわち電子時計1の表面側に向けて延出している。
第1当接部416および第2当接部417は、内側にU字状に形成された溝部の幅寸法Mが巻真42の直径Lよりも大きくなるように形成される。そして、巻真42は、第1当接部416と第2当接部417との間に配置される。そのため、第1当接部416および第2当接部417は、巻真42の外周面と直接接触しない。
また、第1当接部416および第2当接部417は、延出部415の先端側から文字板2側に延設される。この際、第1当接部416および第2当接部417は、内側にU字状に形成された溝部の深さ寸法Nが巻真42の直径Lよりも大きくなるように形成され、その先端は巻真42の断面中心(軸の中心)Pよりも文字板側に位置している。
これにより、りゅうず3から巻真42に侵入した静電気を、弾性部414、板状部410および導通部411~413を経由して、裏蓋120へと逃がすことができる。すなわち、本実施形態では、回路押さえ板41が本発明の導電アース部材の一例である。
図6に示すように、りゅうず3が1段位置にある状態、すなわち、巻真42をムーブメント4から引き出した状態において、第1当接部416および第2当接部417は、ツバ部421から離れている。そのため、1段位置にてりゅうず3を回転操作する際に、ツバ部421と第1当接部416および第2当接部417とが接触しない。
なお、当然、りゅうず3が2段位置にある状態においても、第1当接部416および第2当接部417は、ツバ部421から離れている。
このような本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、弾性部414は、巻真42をムーブメント4に押し込んだ状態において、ツバ部421の面422に接触する。そのため、弾性部414は、巻真42の軸方向に対して弾性変形した状態でツバ部421と接触するので、弾性部414を平面方向に緩やかに傾斜させて配置する必要がない。したがって、巻真42の裏蓋120側において、弾性部414を配置するための大きな空間を確保する必要がなく、電子時計1を小型化することができる。また、りゅうず3から巻真42に侵入した静電気を、弾性部414、板状部410および導通部411~413を経由して外装ケース100の裏蓋120に逃がすことができるため、静電気による電子回路への影響を防止することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、回路押さえ板41に裏蓋120と導通する導通部411~413が設けられていたが、静電気を外装ケースに逃がすための部品が別途設けられていてもよい。ただし、この場合、部品種類が増加してしまうため、回路押さえ板41に導通部411~413が設けられることが好ましい。
また、導通部411~413は裏蓋120に接触するように設けられていたが、アースとして機能する部品に接触するように設けられていればよく、例えば、外装ケースのケース本体に接触するように設けられていてもよい。
本発明の電子モジュールは、指針を駆動するステップモーターを有するムーブメントに限定されず、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示部を駆動する電子モジュールでもよい。
Claims (5)
- 外装ケースと、
前記外装ケースに収納される電子モジュールと、
前記電子モジュールから前記外装ケースに向けて突出した巻真と、
導電アース部材と、を有し、
前記巻真は、前記電子モジュールと前記外装ケースとの間に配置されるツバ部を有し、
前記導電アース部材は、板状部と、前記板状部から前記巻真に向けて延出する弾性部とを有し、
前記巻真を前記電子モジュールに押し込んだ状態において、前記弾性部は前記ツバ部の前記電子モジュール側の面に接触し、
前記巻真を前記電子モジュールから引き出した状態において、前記弾性部は前記ツバ部から離れる
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記弾性部は、前記板状部から前記巻真に向けて延出する延出部と、前記延出部の先端側に連続して設けられて前記ツバ部に接触する第1当接部および第2当接部と、を有し、
前記巻真は、前記第1当接部と前記第2当接部との間に配置される
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項2に記載の電子時計において、
前記外装ケースは、開口部を備えた外装ケース本体と、前記外装ケース本体の開口部を封鎖する蓋部材とを有し、
前記外装ケース本体には、前記電子モジュールを挟んで前記蓋部材とは反対側に文字板が配置され、
前記板状部は、前記電子モジュールと前記蓋部材との間に配置され、
前記延出部は、前記板状部から前記文字板側に向けて延出し、
前記第1当接部および前記第2当接部は、前記延出部の先端側から前記文字板側に向けて延設され、前記第1当接部および前記第2当接部の先端は、前記巻真の軸の中心よりも前記文字板側に位置している
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記ツバ部は、前記巻真の軸方向の移動を規制する
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子時計において、
前記導電アース部材は、前記外装ケースと前記電子モジュールとの間に配置される回路押さえ板であり、
前記回路押さえ板には、前記外装ケースと導通する導通部が設けられている
ことを特徴とする電子時計。
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