JP7074962B2 - ロボットの教示システム - Google Patents

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Description

本発明は、ロボットを教示する教示システムに関する。
従来、多関節型のロボットを教示する際には、ティーチングペンダント等の教示装置を用いる手法が採用されていた。しかし、教示装置による教示ではロボットに対して直観的に指示を行うことができず、不慣れな作業者が教示を行うと所望の動作を教示するためには非常に時間がかかるという問題があった。そのため、近年では、教示対象のロボットを作業者が直接触って教示するいわゆるダイレクトティーチングと呼ばれる手法が採用されつつある(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-74669号公報
しかしながら、ダイレクトティーチングの場合には作業者がロボットを直接が触る必要があるものの、高温や多粉塵あるいは高所等、作業し難い場所にロボットが設置されている場合には、教示することが困難になるという問題がある。また、作業し易い場所であっても、対象が例えば大型のロボットである場合には、大きなロボットアームを直接動かす必要があり、作業性が悪いという問題もある。
さらに、ダイレクトティーチングの場合、高精度の位置決めが困難であるという大きな問題がある。これは、作業者がロボットアームを直接触って教示する場合には、作業者の手の微少な振動等が反映されてしまわないようにある程度の不感帯を設ける必要があり、細かな調整ができないためである。また、ロボットの仕様にもよるものの、例えば数十μmといった精度での位置決めを作業者が手動行うことはそもそも困難である。
また、ダイレクトティーチングの場合には、作業者がロボットアームを仮に真横方向に動かそうとしても、手がぶれて方向がずれてしまうことが想定され、作業者の意図する方向にロボットアームを移動できないおそれがある。このように、ダイレクトティーチングの場合には、アームを移動させる際の距離だけでなく、アームを移動させる際の方向においても、高精度な位置決めを行うことが困難になる重大な要因が存在している。また、教示対象となるロボットがダイレクトティーチング機能に対応している必要もある。
そのため、大まかな位置決めは作業者が手動で行うとしても、最終的な高精度の位置決めを行う際には、例えば特許文献1のように微調整用に別途ティーチングペンダント等を用いて行う必要があり、ロボットからティーチングペンダントへの持ち替えや操作の切り替え等が必要になって作業性が低下するという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者が手動によりロボットを操作して教示する場合であっても高精度で位置決めを行うことができるロボットの教示システムを提供することにある。
請求項1記載の発明では、教示システムは、教示する対象である対象ロボットと、作業者による手動での操作によって姿勢を変更可能に設けられている操作ロボットと、を備えている。つまり、実際の教示対象である対象ロボットとは別に、作業者が操作可能な操作ロボットを設けている。ここで、作業者による手動での操作によって姿勢を変更可能であるとは、操作ロボットの形状や大きさだけでなく、安全且つ容易に作業者が触れることができる環境に操作ロボットが設置されていることも含んでいる。
そして、教示システムは、作業者が操作した操作ロボットの姿勢に一致するように対象ロボットの姿勢を制御する直接制御モードと、操作ロボットに加わる外力の大きさおよび方向を検出し、検出した外力の大きさが予め設定されている閾値を超えた場合に検出した外力の方向に予め設定されている動作単位で対象ロボットの姿勢を制御する詳細制御モードとを切り替えることで、操作ロボットに対する作業者の操作に基づいて対象ロボットを教示する。
詳細制御モードでは、操作ロボットに対する作業者の操作は、外力の大きさが閾値を超えていれば、予め設定されている動作単位として扱われる。つまり、詳細制御モードでは、操作ロボットは、作業者によって外力が加えられた方向を示す方向キーのように作動する。そのため、作業者が手動で操作ロボットを操作する際の力の大きさによらず、対象ロボットを一定の動作単位で姿勢を制御することが可能となる。
このとき、動作単位を、例えば対象ロボットで制御可能な最小分解能に対応付けて設定しておけば、対象ロボットの姿勢を最小分解能で制御することができる。あるいは、最小分解能での制御までは必要ない場合には、動作単位を例えば最小分解能の整数倍等、必要な位置決め精度を出すことができる値に対応付けて設定しておけば、教示作業に必要とされる精度で位置決めを行うことができる。
これにより、作業者が手動によりロボットを操作して教示する場合であっても、高精度で位置決めを行うことができる。また、対象ロボットとは別に操作ロボットを設けていることから、操作ロボットから手を離すことなく、また、教示すること自体が困難になる状況や、大きなロボットアームを対象とする場合に作業性が悪くなる状況を回避することができる。
また、操作ロボットを操作して教示作業を行うことから、教示作業に不慣れな作業者であっても直感的に操作することができるというダイレクトティーチングのメリットを損なうこともない。したがって、教示作業中の作業者の安全の確保と作業性の向上とを両立させることができる。
また、アームを移動させる際の距離だけでなく、アームを移動させる際の方向においても、高精度な位置決めを行うことができる。さらに、対象ロボットについては、必ずしもダイレクトティーチング機能に対応している必要はなく、より広範囲のロボットに適用することができる。
請求項3記載の発明では、詳細制御モードにおいて、操作ロボットの姿勢と対象ロボットの姿勢とが乖離している場合、操作ロボットの姿勢と対象ロボットの姿勢とを一致させる。
詳細制御モードにおいて作業者が操作ロボットを操作した場合、力加減によっては操作ロボットの姿勢が変化することが予想される。このとき、操作ロボットの姿勢を変化したままにすると、対象ロボットの姿勢と乖離していることから、例えば手先の位置関係が操作ロボットと対象ロボットとで異なることで操作時に違和感を覚えたり、操作ロボット側で所望の方向に力を加えても、対象ロボット側では方向が微妙にずれたりするおそれがある。
そこで、操作ロボットの姿勢と対象ロボットの姿勢とを一致させることにより、操作時に違和感を覚えたり、対象ロボットが意図しない方向に移動したりするおそれを低減することができる。
請求項4記載の発明では、操作ロボットの姿勢を、外力に基づく姿勢の制御が行われた対象ロボットの姿勢に一致させる。
これにより、作業者の操作により操作ロボットが行き過ぎた位置まで移動しても、その位置から対象ロボットの姿勢に一致するように移動するため、姿勢を一致させるのに要する時間を短縮することができる。
請求項5記載の発明では、操作ロボットの姿勢を、外力が検出される前の姿勢に一旦戻した後に、対象ロボットの姿勢に一致させる。
これにより、若干の時間は掛かるものの、基準位置からの姿勢の変化を作業者が目視にて確認することができるため、操作ロボットの姿勢の変化を観察することにより、所望の調整が行われたか否かを容易に把握することができる。なお、詳細制御モードでは微調整を行うことから、操作ロボットの姿勢が大きく変化することは少ないと考えられるため、実質的には時間的な無駄はごく僅かであると予想され、教示作業に大きく影響することは無いと考えられる。
一方、対象ロボットが必ずしも作業者の目の届くところにばかりあるとは限らないこと、また、操作ロボットと対象ロボットを位置を調整する教示作業中に同時に見続けることも容易ではないことに鑑みれば、このように時間差ではあるものの作業者自身が行った対象ロボットへの教示作業の妥当性を作業者自身がチェックする事ができるようにすることは、作業の品質向上や作業効率改善に大きく役立つ。
請求項6記載の発明では、操作ロボットの姿勢を、外力に基づく姿勢の制御が行われたと仮定した状態の対象ロボットの姿勢に一致させた後に、対象ロボットの姿勢を制御する。
これにより、操作ロボットの姿勢が変化した後に対象ロボットの姿勢が制御されるようになり、作業者は、対象ロボットの姿勢の変化を目視にて確認することができ、所望の微調整が行われたか否かを容易に把握することができる。また、操作ロボットの姿勢の制御と対象ロボットの姿勢の制御とを個別に確認できるため、正しい距離や方向への制御が行われているか否かも確認することができる。
請求項7記載の発明では、制御部は、外力が閾値を超えている最中に、操作ロボットの姿勢を対象ロボットの姿勢に一致させる。
この場合、作業者が操作ロボットに力を加えている状態で、操作ロボットの姿勢が変化することになる。これにより、操作ロボットの姿勢変化によっていわゆるクリック感のように制御が行われていることを作業者が感覚的に把握することができ、微小距離で位置決めを行う際に、正しく微調整が行われていることを把握することができる。また、操作ロボットと対象ロボットとがほぼ同時期に姿勢が制御されるため、教示作業全体として見た場合において、作業時間の短縮化を図ることもできる。
請求項2記載の発明では、教示する対象である対象ロボットを用い、対象ロボットを作業者の操作に応じて直接的に教示点を設定する直接制御モードと、検出部で検出した外力の大きさが予め設定されている閾値を超えた場合に、予め設定されている動作単位で検出した外力の方向に対象ロボットの姿勢を制御する詳細制御モードとを切り替えて、作業者の操作に基づいて対象ロボットを教示する。
これにより、作業者が手動で操作ロボットを操作する際の力の大きさによらず、対象ロボットを一定の動作単位での姿勢の制御が可能となり、動作単位を例えば最小分解能に対応付けて設定しておけば対象ロボットの姿勢を最小分解能で制御することができる。したがって、作業者が手動により教示する場合であっても、高精度で位置決めを行うことができる。
他の発明では、詳細制御モードにおいて、検出された外力が閾値を超えている時間に応じて、動作単位での制御回数を増加させる。
これにより、例えば詳細制御モードに切り替えた時点での姿勢と目標姿勢とのずれが若干大きく、動作単位での制御を複数回実施する必要がある場合であっても、力を加え続けることにより制御回数を増加させることができる。したがって、操作性を向上させることができるとともに、ロボットから手を離す必要が無いことから入力方向が変わってしまうおそれを低減することもできる。
さらに、請求項1、2記載の発明では、詳細制御モードにおいて、検出された外力が閾値を超えている時間に関わらず、動作単位での制御回数を1回とする。
ロボットの姿勢を例えば最小分解能だけ制御したい場合等には、ロボットに触れたままの状態で意図せずに力が加わってしまうおそれがある。そのため、検出された外力が閾値を超えている時間に関わらず動作単位での制御回数を1回とすることにより、ロボットに触れたままであっても意図しない姿勢の制御が行われることを防止できる。
第1実施形態における教示システムの構成を模式的に示す図 教示作業の全体的な流れを示す図 対象ロボット側の処理の流れを示す図 詳細制御モードにおける操作ロボット側の処理の流れを示す図 詳細制御モードから直接制御モードに復帰する処理の流れを示す図 操作ロボットに加わる外力の一例を示す図 第2実施形態における教示システムの構成を模式的に示す図 詳細制御モードにおける処理の流れを示す図
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に共通する部位については同一符号を付して説明する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について、図1から図6を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態のロボットの教示システム100は、教示する対象である対象ロボット1、対象ロボット1を制御する主体となる対象側コントローラ9、作業者による手動での操作によって姿勢を変更可能な操作ロボット11、操作ロボット11を制御する主体である操作側コントローラ19を備えている。以下、対象ロボット1を便宜的にスレーブ側とも称し、操作ロボット11を便宜的にマスター側とも称する。
対象ロボット1は、実際に稼動する場所に設置されており、いわゆる垂直多関節型ロボットとして周知の構成のものである。具体的には、この対象ロボット1は、ベース2上に、設置面に垂直な回転軸である第1軸(J1)を介してショルダ3が水平方向に回転可能に連結されている。ショルダ3には、設置面に平行な回転軸である第2軸(J2)を介して上方に延びる下アーム4の下端部が垂直方向に回転可能に連結されている。下アーム4の先端部には、設置面に平行な回転軸である第3軸(J3)を介して第一上アーム5が垂直方向に回転可能に連結されている。
第一上アーム5の先端部には、第3軸と直交する回転軸である第4軸(J4)を介して第二上アーム6が捻り回転可能に連結されている。第二上アーム6の先端部には、設置面に平行な回転軸である第5軸(J5)を介して手首7が垂直方向に回転可能に連結されている。手首7には、第5軸と直交する回転軸である第6軸(J6)を介してフランジ8が捻り回転可能に連結されている。
対象ロボット1におけるアームの最先端となるフランジ8には、図示は省略するが、ワークを把持したり加工を施したりするハンドあるいはエンドエフェクタと称される治具が取り付けられる。また、対象ロボット1の各間接部には、図示は省略するが、アームを駆動するモータ、モータの駆動力を伝達する減速機等の伝達機構、および、モータの回転角度を検出するエンコーダ等が設けられている。
対象側コントローラ9は、マイクロコンピュータ等で構成された制御部9aを備えており、予め組み込まれているプログラムを制御部9aにて実行することにより、対象ロボット1の動作つまりは対象ロボット1の姿勢を制御する。また、対象側コントローラ9は、詳細は後述するが、本実施形態に関連して、操作側コントローラ19から送信される教示情報基づいて対象ロボット1の姿勢を制御する。
操作ロボット11は、本実施形態では対象ロボット1と同一構成の垂直多関節型ロボットを採用しており、ベース12、ショルダ13、下アーム14、第一上アーム15、第二上アーム16、手首17、フランジ18を備えている。また、操作ロボット11の各間接部には、図示は省略するが、アームを駆動するモータ、モータの駆動力を伝達する減速機等の伝達機構、および、モータの回転角度を検出するエンコーダ等が設けられている。
この操作ロボット11は、本実施形態では対象ロボット1とは異なる位置に、作業者が直接触れて操作可能に設けられている。ここで、作業者が直接触れて操作可能であるとは、操作ロボット11が作業者による操作が可能な形状や大きさであることに加えて、操作ロボット11に触れる作業者の安全が確保されている状態も含んでいる。
この場合、操作ロボット11は、例えば、操作ロボット11を操作する作業者が対象ロボット1を視認可能な位置、対象ロボット1が作業者の意図しない姿勢になってもロボットアームが作業者にあたらない距離だけ離れた位置、対象ロボット1との間に防護柵等が存在する位置、あるいは、これらの条件が複数成立する位置に設けることが考えられる。
操作側コントローラ19は、マイクロコンピュータ等で構成された制御部19a、および、作業者の操作によって操作ロボット11に加わる外力を検出する検出部19bを備えている。操作側コントローラ19は、予め組み込まれているプログラムを制御部19aにて実行することにより、操作ロボット11の動作つまりは姿勢の変更を制御する。
制御部19aは、詳細は後述するが、作業者が変更した操作ロボット11の姿勢に一致するように対象ロボット1の姿勢を制御する直接制御モードと、検出部19bで検出した外力に基づいて予め設定されている動作単位で対象ロボット1の姿勢を制御する詳細制御モードとを切り替え、操作ロボット11に対する作業者の操作に基づいて対象ロボット1を教示する処理を実行する。
検出部19bは、作業者の操作によって操作ロボット11に加わる外力を検出する。より具体的には、検出部19bは、操作ロボット11に加わる外力の大きさおよび方向を検出する。本実施形態では、検出部19bは、モータの電流値を測定し、電流値に比例するトルクを算出することにより、外力の大きさと方向とを検出している。
ただし、操作ロボット11に加わる外力の大きさおよび方向は、モータの電流値を測定する以外にも、モータにトルクセンサを設け、トルクセンサの値から取得する方法、制御モデルと実際の姿勢との差分から取得する方法等を適宜採用することができる。なお、制御モデルとは、制御入力を加えた際に各軸の回転角度、角速度、角加速度、トルク等のパラメータを特定可能なように動力学に基づいて設計されたモデルであり、ロボットをセンサレス制御する際に利用される。
次に、上記した構成の作用について説明する。
ロボットの教示は、基本的には通過する位置(以下、教示点と称する)を設定することによって行われる。しかし、対象ロボット1のように複数の関節部を備えるロボットの場合、前述したように、不慣れな作業者にとってはティーチングペンダントを用いて教示することが困難になったり、大きなロボットでは作業性が悪くなったりする問題がある。
また、ダイレクトティーチングの手法を採用したとしても、前述のように、高精度の位置決めはそもそも困難であるという大きな問題もある。
そこで、教示システム100では、以下のようにして、作業者が手動により教示する場合であってもロボットの動作単位レベルでの位置決めを行うことができるようにしている。
まず、教示システム100全体における教示作業の流れについて、図2および図3を参照しながら説明する。なお、図2の処理が開始される時点では、操作ロボット11は動作サイクルの起点となる初期位置の姿勢が既に設定されているものとする。
対象ロボット1を教示する際、作業者は、教示システム100を直接制御モードに設定する。ここで、直接制御モードに設定する操作、あるいは後述する詳細制御モードに切り替える操作、詳細制御モードから復帰する操作、教示点として設定する操作等は、操作ロボット11あるいは操作側コントローラ19に設けられているスイッチ等の入力部から入力される。また、操作ロボット11の姿勢の変化、例えば、急激に比較的大きな動きを検出したことや、一端変化した姿勢が元の姿勢に戻ったことを検出したことを、上記の設定や切替の操作として判断する構成とすることもできる。
この場合、作業者の操作を入力する入力部としては、タッチパネルのように動作機構が無く、操作時に余分な力が発生し難いものを採用することで、操作ロボット11に余分な振動等を与えることなく操作を入力することができる。また、操作ロボット11から指を放す際や入力部を操作する際に意図せずに姿勢が変更されて教示点がずれてしまうことも防止することができる。
これは、操作性を向上させるために最も触れる頻度が多く且つ意図せずロボットアームを揺らしてしまう可能性が高い手先位置付近に入力部を配置する場合に特に有意である。また、操作した感覚を作業者が把握できるようにプッシュボタン等の動作機構を含む入力部を設ける場合には、手先位置に影響を及ぼすことがないように、ベース2等に入力部を設けることができる。
さて、教示システム100では、マスター側となる操作側コントローラ19を直接制御モードに設定した後(S1)、作業者の手によって操作ロボット11を目標姿勢まで移動する(S2)。つまり、操作ロボット11は、作業者が触れることによって、その姿勢が変更されながら目標姿勢まで各ロボットアームが移動する。ここで、目標姿勢とは、フランジ18の中心位置が設定対象の教示点に到達した状態、あるいは、設定対象の教示点の近傍に到達した状態における操作ロボット11の姿勢を意味する。以下、フランジ18の中心位置を便宜的に手先位置とも称する。
このとき、操作側コントローラ19は、作業者の手によって操作ロボット11の姿勢が変更された場合、操作ロボット11の姿勢を特定可能な各モータの回転角度等の情報を教示情報として対象側コントローラ9に適宜送信する。このとき送信される教示情報には、直接制御モードで教示中であることを示す情報も含まれている。
一方、スレーブ側となる対象側コントローラ9は、マスター側で教示が開始されると、図3に示すように、マスター側から教示情報を受信したか否かを判定する(S11)。対象側コントローラ9は、教示情報を受信していなければ(S11:NO)、教示が完了したか否かを判定し(S13)、マスター側から完了の指令が通知されていない状態つまりは教示が完了していなければ(S13:NO)、ステップS11に移行して待機する。
これに対して、対象側コントローラ9は、マスター側から教示情報を受信した場合には(S11:YES)、教示情報に基づいて対象ロボット1の姿勢を制御する(S12)。このとき、マスター側が直接制御モードで動作している場合には、作業者によって操作ロボット11の姿勢が変更されるごとに教示情報を受信することから、対象側コントローラ9は、操作ロボット11の姿勢の変化に追従するように、対象ロボット1の姿勢を変更することになる。
操作ロボット11を目標姿勢あるいはその近傍まで移動させると、作業者は、現在の操作ロボット11の姿勢で十分であるか、微調整つまりは詳細な位置決めが必要であるかを判断する。そして、作業者は、微調整が必要ないと判断した場合には、現在の操作ロボット11の姿勢を教示点として設定する。以下、現在の操作ロボット11の姿勢を、便宜的に現姿勢と称する。
このため、教示システム100は、作業者によって現姿勢を教示点に設定する旨の操作が入力された場合等、図2において微調整が必要ないと判定される場合には(S3:NO)、現姿勢を教示する(S4)。すなわち、操作ロボット11の現姿勢における手先位置が教示点として設定される。このとき、操作側コントローラ19からは、操作ロボット11の現姿勢、および現姿勢を教示点とする旨の情報が教示情報として対象側コントローラ9に送信される。
このように作業者が手動でロボットを操作して教示点を設定する作業が、ダイレクトティーチングの主な流れとなる。このダイレクトティーチングは、作業者が直接的にロボットの姿勢を調整できることから教示作業を簡略化することができるとともに、例えば障害物を避けるような軌跡を教示する場合等、教示点を大まかに設定できればよい場合に特に有意である。
その一方で、ダイレクトティーチングは、作業者がロボットアームに触れて移動させることから、高精度な位置決めやロボットの最小分解能レベルでの微調整は困難である。そのため、教示システム100は、図2に示すように、目標位置まで作業者が手動で移動させた後(S2)、作業者によって詳細制御モードへの切り替え操作が入力された場合等、微調整が必要となった場合には(S3:YES)、操作側コントローラ19において詳細制御モードの処理を実行する(S4)。
詳細制御モードの場合、教示システム100は、検出部19bで検出した操作ロボット11に加えられた外力の大きさおよび方向を検出し、加えられた外力が予め設定されている閾値を超えた場合に、検出された外力の方向に対象ロボット1の姿勢を動作単位で制御する。
つまり、直接制御モードでは操作ロボット11に対する操作を対象ロボット1に対する操作とみなして直接的に対象ロボット1の姿勢を制御していたのに対して、詳細制御モードでは操作ロボット11に対する操作を動作単位に変換して間接的に対象ロボット1の姿勢を制御することになる。より平易に言えば、詳細制御モードは、操作ロボット11に加えられた外力の大きさと方向とから作業者が望む姿勢の変化を特定し、操作ロボット11を方向キーのように扱うことにより、対象ロボット1の姿勢を微小単位で制御可能にするモードである。
以下、詳細制御モードにおける処理の流れについて図4から図6を参照しながら説明する。これら図4および図5に示す処理は操作側コントローラ19にて実行されるものであり、このとき対象側コントローラ9は図3に示す処理を実行している。そのため、以下では、操作側コントローラ19を主体として説明する。
操作側コントローラ19は、作業者によって詳細制御モードへの切り替え操作が入力された場合、操作ロボット11に加わる外力の検出を開始する。このとき、操作側コントローラ19は、予め定められたサンプリング周期(ts。図6参照)で外力の検出を繰り返し行う。
さて、詳細教示モードは微調整を行うためのモードであることから、作業者は、比較的弱い力で所望の方向に微小距離だけ移動させたり、所望の方向に向かって軽く叩いたりするような操作をすると考えられる。そのため、詳細制御モードにおける操作ロボット11には、図6に示すように、横軸を時間、縦軸を外力の大きさとすると、比較的短期間のうちにピークを迎える外力が加えられると考えられる、また、外力がピーク後に小さくなった時点あるいは無くなった時点で、1回の操作が終了したと考えられる。
ただし、作業者が操作ロボット11に触れている場合には、手の微妙な揺れも外力として検出されるおそれがある。そのため、操作側コントローラ19は、詳細制御モードにおいては、図4に示すように外力が閾値を超えたか否かを判定し(S21)、外力が閾値を超え廷内場合には(S21:NO)待機する。なお、外力が閾値を超えたとは、検出された外力の大きさが閾値を超えたことを意味し、後述する外力が閾値を下回ったとは、一旦閾値を超えた外力の大きさが閾値を下回ったことを意味する。
このように閾値を設定することにより、作業者が操作ロボット11に触れている状態であっても、意図しない揺れを外力の印加として誤検出してしまうことを抑制できる。換言すると、作業者は、直接制御モードから詳細制御モードに切り替えたとしても、操作ロボット11から手を離すことなく教示作業を継続することができる。
さて、図6に示すような外力が加えられた場合、操作側コントローラ19は、時刻(T0)において外力が閾値を超えると(S21:YES)、外力が閾値を下回ったか否かを判定する(S22)。このとき、外力が閾値を超えた直後であれば閾値を下回ることはないため(S22:NO)、カウント値を加算するとともに、外力の入力方向を記憶する(S23)。
このカウント値は、微調整の操作が入力された回数、すなわち、作業者が動作単位での制御回数を何回希望しているかを示すものであり、詳細制御モードの開始時に初期化される。そのため、最初に外力が閾値を超えた場合には、1が記憶されることになる。また、カウント値は、外力の閾値を超えている状態においてサンプリング周期(ts)が経過するごとに加算される。すなわち、本実施形態では、検出された外力が閾値を超えている時間に応じて、動作単位での制御回数を増加させている。
また、入力方向は、外力が加えられた方向つまりは作業者が希望する移動方向を示すものである。この入力方向は、作業者が手で操作していることから、例えば手先位置を上方に操作したとしても若干斜めになるおそれがある。また、最初は上方に移動させていても、その途中で斜めにずれたりするおそれもある。換言すると、操作側コントローラ19で検出した入力方向が、必ずしも作業者の意図する方向ではないおそれがある。
そのため、操作側コントローラ19は、以下に示す幾つかの手法を用いて入力方向を決定する。なお、上記したサンプリング周期(ts)は操作が行われた回数を判定するために設けられているものであり、作業者が回数を正しく入力できるように例えば0.5秒~1秒程度に設定されている。一方、以下の手法において外力の方向を検出する周期は、外力が閾値を超えている最中に複数回の大きさおよび方向の検出が可能とするために、少なくともサンプリング周期(ts)よりも小さい値に設定されている。
手法A:カウント値=1となる最初に検出した外力の方向を入力方向とする。
手法B:最後に検出した外力の方向を入力方向とする。
手法C:複数回検出した外力の方向を平均化して入力方向とする。
手法D:検出した外力の方向をある程度の分解能を持たせて区分けしてヒストグラムを作成し、最も投票数が多かった方向を入力方向とする。
手法E:検出した外力が最も大きかった方向を入力方向とする。
手法F:検出した外力を操作ロボット11のXYZ方向とXYZ軸回転方向とに分解し、それぞれの最も入力時間の長かった方向を入力方向とする。
さて、操作側コントローラ19は、外力が閾値を超えてからサンプリング周期(ts)が経過した時点で閾値を下回っていない場合には(S22:NO)、カウント値を加算し、入力方向を記憶つまりは更新する(S23)。
一方、操作側コントローラ19は、外力が閾値を下回った場合には(S22:YES)、記憶しているカウント値と入力方向を教示情報としてスレーブ側つまりは対象側コントローラ9に送信する(S24)。そして、教示情報を受信した対象側コントローラ9は、カウント値によって示される回数分、入力方向によって示される方向に対象ロボット1を制御する。このように、外力の大きさと方向とに基づいて対象ロボット1の姿勢を制御することが、外力に基づく姿勢の制御である。
本実施形態では、詳細制御モードで対象ロボット1を制御する際の動作単位として、外力の方向において対象ロボット1が姿勢を制御可能な最小分解能が予め対応付けられている。つまり、対象ロボット1に対して1回の動作単位での制御を行った場合には、対象ロボット1の姿勢は外力の方向に最小分解能分だけ変化することになる。なお、最小分解能は、姿勢を変更する方向によって、つまりは、何れの関節部を駆動するかによって異なることがある。
この動作単位との対応付けは、例えば操作側コントローラ19から作業者が任意に設定および変更可能に構成されている。そのため、1回の動作単位に対して最小分解能分の整数倍を対応付けることもできるし、教示作業の途中で対応付けを変更することもできる。ただし、安全性の観点から、対応付けを例えば大中小の3段階程度で予め用意しておき、その中から選択させるようにすることもできる。また、対応付けることができる倍率の上限値を設定することもできる。
教示情報を送信すると、操作側コントローラ19は、カウント値と入力方向とを初期化した後(S25)、本実施形態では、操作ロボット11と対象ロボット1との姿勢の乖離があるかを判定し(S26)、姿勢の乖離があれば(S26:YES)、操作ロボット11の姿勢を対象ロボット1の姿勢に一致させた後(S27)、ステップS21に移行して次の外力の検出を待機する。
一方、操作側コントローラ19は、姿勢の乖離がなければ(S26:NO)、そのままステップS21に移行して次の外力の検出を待機する。このように操作ロボット11の姿勢を対象ロボット1の姿勢に一致させることにより、姿勢が異なることに起因する違和感を抑制することができる。また、操作ロボット11に所望の方向に力を加えても対象ロボット1では方向が微妙にずれたりすることも防止できる。
操作側コントローラ19は、直接制御モードに復帰する旨の操作が入力されると、図5に示す復帰割り込みを実行し、操作ロボット11と対象ロボット1との姿勢の乖離があれば(S31:YES)、操作ロボット11の姿勢を対象ロボット1の姿勢に一致させた後(S32)、直接制御モードに復帰する。一方、操作側コントローラ19は、姿勢の乖離がなければ(S31:NO)そのまま直接制御モードに復帰して、図2に示すように現姿勢を教示する(S5)。
そして、教示システム100は、全ての教示が完了するまでの間は(S6:NO)、直接制御モードや詳細制御モードを実行して教示を繰り返し、全ての教示が完了すると(S6:YES)、処理を終了する。このとき、操作側コントローラ19からは、全ての教示が完了したことを示す情報が対象側コントローラ9に送信され、対象側コントローラ9は、教示が完了したことから(S13:YES)、処理を終了する。
このように、教示システム100では、操作ロボット11に加えられた外力に基づいて、操作ロボット11に対する操作を対象ロボット1における動作単位の回数および方向に変換することにより、作業者が手動により操作ロボット11を操作しながらも、高精度な位置決めを可能としている。
以上説明した教示システム100によれば、次のような効果をことができる。
教示システム100は、対象ロボット1と、操作ロボット11と、操作ロボット11に加わる外力の大きさおよび方向を検出する検出部19bと、上記した直接制御モードおよび詳細制御モードを切り替え可能であり、操作ロボット11に対する作業者の操作に基づいた対象ロボット1の姿勢の制御を行う制御部19aと、を備える。
この詳細制御モードでは、操作ロボット11に対する作業者の操作は、外力の大きさが閾値を超えていれば、予め設定されている動作単位として扱われる。つまり、詳細制御モードでは、操作ロボット11は、あたかも方向キーのように作動するため、作業者が手動で操作ロボット11を操作する際の力の大きさによらず、対象ロボット1を一定の動作単位で姿勢を制御することが可能となる。
そして、動作単位を例えば最小分解能に対応付けて設定しておけば対象ロボット1の姿勢を最小分解能で制御することができる。したがって、作業者が手動によりロボットを操作して教示する場合であっても、高精度で位置決めを行うことができる。
また、対象ロボット1とは別に操作ロボット11を設けているので、作業者の安全を確保した状態で、また、作業者が作業をし易い環境で教示作業を行うことができる。また、対象ロボット1が大型のロボットであっても、操作ロボット11を小型のものとすれば、作業性を改善することができる。
また、操作ロボット11を操作して教示作業を行うことから、教示作業に不慣れな作業者であっても直感的に操作することができるというダイレクトティーチングのメリットを損なうこともない。したがって、教示作業中の作業者の安全の確保と作業性の向上とを両立させることができる。
また、教示システム100は、詳細制御モードにおいて、操作ロボット11の姿勢と対象ロボット1の姿勢とが乖離している場合、操作ロボット11の姿勢と対象ロボット1の姿勢とを一致させる。これにより、操作ロボット11が対象ロボット1と同じ姿勢となり、操作する際の違和感を抑制することができる。
さらに、対象ロボット1については、必ずしもダイレクトティーチング機能に対応している必要はなく、より広範囲のロボットに適用することができる。
また、教示システム100は、詳細制御モードにおいて、検出された外力が閾値を超えている時間に応じて、動作単位での制御回数を増加させる。これにより、例えば詳細制御モードに切り替えた時点での姿勢と目標姿勢とがずれており、複数回の微調整が必要な場合であっても、力を加え続けることにより制御回数を増加させることができることから、操作性を向上させることができる。また、手を離す必要が無いことから、入力方向が変わってしまうおそれを低減することができる。
その一方で、対象ロボット1の姿勢を最小分解能だけ制御したい場合には、対象ロボット1を見ながら操作ロボット11を操作すると、操作ロボット11に触れたままの状態で意図せずに力が加わってしまうおそれがある。そのため、上記した実施形態とは異なり、詳細制御モードにおいて、検出された外力が閾値を超えている時間に関わらず動作単位での制御回数を1回とすることもできる。これにより、対象ロボット1を意図しない姿勢に制御してしまうおそれを低減することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、詳細制御モードにおいて操作ロボット11の姿勢と対象ロボット1の姿勢とを一致させる際の複数の態様について説明する。
第1実施形態では、詳細制御モードにおいて操作ロボット11の姿勢と対象ロボット1の姿勢とが乖離している場合に単に両者を一致させると説明した(図4のステップS26、S27参照)。このとき、操作ロボット11の姿勢と対象ロボット1の姿勢とを一致させる場合には、使い勝手等を考慮すると幾つかの異なる態様が考えられる。以下、それぞれの態様について説明する。なお、第1実施形態は態様Aを採用している。
<態様A>
態様Aの場合、教示システム100は、現在の操作ロボット11の姿勢を直接的に対象ロボット1の姿勢に一致させる。つまり、操作ロボット11の姿勢を、動作単位での制御が行われた状態の対象ロボット1の姿勢に一致させる。
この場合、1回の制御が完了したことが明示的に作業者に示されること、また、余計な経路を通らずに直接的に対象ロボット1の姿勢に一致させることができることから、短時間で一致させることができる。
<態様B>
態様Bでは、教示システム100は、現在の操作ロボット11の姿勢を、外力が検出される前の姿勢に一旦戻した後に、対象ロボット1の姿勢に一致させる。つまり、外力が検出される前の操作ロボット11の姿勢を基準姿勢として、対象ロボット1の姿勢を一旦基準姿勢に戻した後に対象ロボット1の姿勢に一致させる。
この場合、多少の時間の増加が想定されるものの、基準位置からの姿勢の変化を作業者が目視にて確認することができるため、操作ロボット11の姿勢の変化に基づいて所望の微調整が行われたか否かを容易に把握することができる。また、詳細制御モードでは微調整を行うことから、操作ロボット11の姿勢が大きく変化することは少ないと考えられるため、実質的には時間的なロスはごく僅かであると予想され、教示作業に大きく影響することは無いと考えられる。
<態様C>
態様Cでは、教示システム100は、操作ロボット11の姿勢を外力に基づく制御が行われと仮定した状態における対象ロボット1の姿勢に一致させた後に、対象ロボット1の姿勢を制御する。この態様Cは、図4のステップS26、S27の処理を、ステップS22とステップS24との間に実行する流れに相当する。なお、対象ロボット1の姿勢を制御するまでの間には若干の待機時間を設けることができる。
この場合、操作ロボット11の姿勢が変化した後に対象ロボット1の姿勢が制御されることから、作業者は、目視にて対象ロボット1の姿勢の変化を確認することができ、所望の微調整が行われたか否かを容易に把握することができる。また、操作ロボット11の制御と対象ロボット1の制御を個別に把握できるため、正しい制御が行われているかを確認することができる。
<態様D>
態様Dでは、教示システム100は、外力が閾値を超えている最中に、操作ロボット11の姿勢を対象ロボット1の姿勢に一致させる。この態様Dは、図4のステップS26、S27の処理を、ステップS22とS23のループ中に挿入した流れに相当する。
この場合、作業者が操作ロボット11に力を加えている状態で操作ロボット11の姿勢が変化することから、いわゆるクリック感のように動作していることを感覚的に把握することができる。また、操作ロボット11と対象ロボット1とがほぼ同時期に姿勢の制御が行われるため、全体として作業時間の短縮化を図ることができる。また、態様Bあるいは態様Cと組み合わせることもできる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、図7および図8を参照しながら説明する。第3実施形態では、対象ロボット1を直接制御モードと詳細制御モードとで制御することにより、対象ロボット1単体での教示を可能にしている点において第1実施形態と異なっている。なお、教示作業の主な流れは第1実施形態と共通するので、図2、図4および図5も参照しながら説明する。
図7に示すように、本実施形態の教示システム100は、対象ロボット1と、対象側コントローラ9とを備えている。対象ロボット1の基本的な構成は第1実施形態と共通するため詳細な説明は省略する。
対象側コントローラ9は、制御部9aと検出部9bとを備えている。制御部9aは、対象ロボット1を作業者の操作に応じて直接的に教示点を設定する直接制御モードと、検出部9bで検出した外力の大きさが予め設定されている閾値を超えた場合に、予め設定されている動作単位で検出した外力の方向に対象ロボット1の姿勢を制御する詳細制御モードとを切り替えて、作業者の操作に基づいて対象ロボット1を教示する処理を実行する。
検出部9bは、対象ロボット1に加わる外力の大きさおよび方向を検出する。このとき、検出部9bは、第1実施形態の検出部19bと同様にモータの電流値を測定し、電流値に比例するトルクを算出することにより、外力の大きさと方向とを検出している。ただし、検出部9bは、第1実施形態と同様に、トルクセンサで構成したり、制御モデルを使用する構成としたりすることができる。
さて、教示システム100は、図4に示したように、直接教示モードが設定されると(S1)、作業者が対象ロボット1を手動で操作することにより、目標姿勢まで移動させる(S2)。そして、教示システム100は、微調整が必要なければ現姿勢を教示する一方(S3:NO、S5)、微調整が必要であれば詳細教示モードに切り替える(S3:YES、S4)。
さて、本実施形態の場合、作業者は対象ロボット1を操作することから、詳細制御モードにおいて作業者が触れることにより、位置決めの対象となっている対象ロボット1の姿勢が変化してしまうおそれがある。その際、また、対象ロボット1の姿勢が変化しないように気をつかって作業することは、作業者の負担の増加を招くおそれがある。
そのため、教示システム100は、図8に示すように、詳細教示モードに切り替えられたとき、まず、対象ロボット1の現姿勢を基準姿勢として記憶した後(S41)、対象ロボット1に加えられた外力が閾値を超えたかを判定する(S42)。なお、外力が閾値を超えたか否かの判定、および、以下の外力が閾値を下回ったか否かの判定は、第1実施形態で示したいずれかの手法を採用することで実施できる。また、詳細教示モードにおける動作単位は、第1実施形態と同様に、対象ロボット1が姿勢を制御可能な最小分解能、あるいは最小分解能の整数倍といった対応付けが予め行われている。
教示システム100は、外力が閾値を下回るまでの期間において、サンプリング周期(ts)ごとにカウント値の加算および入力方向の記憶を繰り返し(S44)、外力が閾値を下回った場合には(S43:YES)、基準姿勢から姿勢を変更する(S45)。つまり、教示システム100は、カウント値と入力方向とに基づいて、換言すると検出部9bで検出した外力の大きさと方向とに基づいて基準姿勢から移動させるべき距離と方向とを特定し、対象ロボット1の姿勢を制御する。
このとき、対象ロボット1の姿勢は予め設定されている動作単位で制御されることから、詳細制御モード中に作業者が対象ロボット1の姿勢を基準姿勢からずらしてしまっても、対象ロボット1は、作業者が意図したように基準姿勢から姿勢が変化することになる。すなわち、対象ロボット1単体で、且つ、作業者が手動で操作して教示する場合であっても、対象ロボット1の最小分解能レベルでの高精度な位置決めを行うことができる。
続いて、教示システム100は、詳細教示モードを終了するか否かを判定し(S47)、作業者が詳細教示モードを終了する旨の操作が入力されず、詳細教示モードを終了しない場合には(S47:NO)、ステップS41に移行して、姿勢が瀬領された後の現姿勢を新たな基準姿勢として記憶し、上記した処理を繰り返す。一方、教示システム100は、詳細教示モードを終了する場合には(S47:YES)、直接教示モードにリターンする。
以上説明した教示システム100によれば、次のような効果を得ることができる。
教示システム100は、対象ロボット1と、対象ロボット1に加わる外力の大きさおよび方向を検出する検出部9bと、対象ロボット1を作業者の操作に応じて直接的に教示点を設定する直接制御モード、および、検出部9bで検出した外力の大きさが予め設定されている閾値を超えた場合に、予め設定されている動作単位で検出した外力の方向に対象ロボット1の姿勢を制御する詳細制御モードを切り替えて、作業者の操作に基づいて対象ロボット1を教示する制御部9aと、を備える。
これにより、作業者が手動で対象ロボット1を操作する際の力の大きさによらず、対象ロボット1を一定の動作単位での姿勢の制御が可能となり、動作単位を例えば最小分解能に対応付けて設定しておけば対象ロボット1の姿勢を最小分解能で制御することができる。したがって、作業者が手動により教示する場合であっても、高精度で位置決めを行うことができる。
また、実際の稼動場所に設置されている対象ロボット1を用いて教示作業を行うため、教示作業中に障害物に接触したり無理な姿勢を教示したりするおそれを低減することができる。
この場合、教示システム100は、外力が閾値を超えている最中に、対象ロボット1の姿勢を制御することもできる。これにより、閾値を超える毎、あるいは、サンプリング周期(ts)が経過する毎に対象ロボット1が姿勢を変更してクリック感を得ることができ、微調整が動作していることを把握することができ、動作単位での制御を必要な回数分だけ容易に行うことができる。
また、教示システム100では、詳細制御モードを開始したときの姿勢を基準姿勢として記憶し、検出部9bで検出した外力の大きさおよび方向に基づいて変更すべき距離と方向とを特定しているので、基準姿勢に対して姿勢を制御することができ、正確に所望の手先位置を位置決めすることができる。
また、教示システム100は、詳細制御モードにおいて、検出された外力が閾値を超えている時間に応じて、動作単位での制御回数を増加させるため、第1実施形態と同様に、操作性を向上させることができるとともに、入力方向が変わってしまうおそれを低減することができる。
また、第1実施形態と同様に、詳細制御モードにおいて、検出された外力が閾値を超えている時間に関わらず動作単位での制御回数を1回とすることもできる。これにより、対象ロボット1を意図しない姿勢に制御してしまうおそれを低減することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、各実施形態にて例示したものに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変形あるいは拡張することができる。
各実施形態では6軸の垂直多関節型ロボットを例示したが、7軸の垂直多関節型ロボットや4軸の水平多関節型ロボットであっても各実施形態で示した構成を適用できるとともに、各実施形態と同様の効果を得ることができる。
第1実施形態では操作ロボット11を制御する操作側コントローラ19と、対象ロボット1を制御する対象側コントローラ9とを設ける構成を示したが、1つのコントローラにより操作ロボット11と対象ロボット1とを制御する構成とすることができる。また、操作ロボット11としては、対象ロボット1と同じロボットに限らず、外力の検出を可能に設計された教示作業専用のロボットを採用することができる。
実施形態ではカウント値と方向とを教示情報として対象側コントローラ9に送信する例を示したが、操作側コントローラ19にて対象ロボット1が到達すべき姿勢を決定し、その姿勢を取ることができる情報を対象側コントローラ9に教示情報として送信する構成とすることもできる。
実施形態では外力を閾値で判定する例を示したが、この閾値は、作業者により任意に設定および変更可能な構成とすることができる。このように閾値を可変とする構成にすることにより、作業者によって力加減が異なっていたとしても、自身に適切な閾値に設定することにより、意図しない操作を受け付けないようにすることや、より繊細な操作をすることが可能となり、作業性をさらに向上させることができる。
図面中、1は対象ロボット、9は対象側コントローラ(制御部、検出部)、9aは制御部、9bは検出部、11は操作ロボット、19は操作側コントローラ(制御部、検出部)、19aは制御部、19bは検出部、100は教示システムを示す。

Claims (7)

  1. 教示する対象である対象ロボットと、
    作業者による手動での操作によって姿勢を変更可能に設けられている操作ロボットと、
    前記操作ロボットに加わる外力の大きさおよび方向を検出する検出部と、
    作業者が操作した前記操作ロボットの姿勢に一致するように前記対象ロボットの姿勢を制御する直接制御モードと、前記検出部で検出した外力の大きさが予め設定されている閾値を超えた場合に、検出した外力の方向に予め設定されている動作単位で前記対象ロボットの姿勢を制御する詳細制御モードとを切り替え、前記操作ロボットに対する作業者の操作に基づいて前記対象ロボットを教示する処理を実行する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記詳細制御モードにおいて、検出された外力が前記閾値を超えている時間に関わらず、前記動作単位での制御回数を1回とするロボットの教示システム。
  2. 教示する対象である対象ロボットと、
    前記対象ロボットに加わる外力の大きさおよび方向を検出する検出部と、
    前記対象ロボットを作業者の操作に応じて直接的に教示点を設定する直接制御モードと、前記検出部で検出した外力の大きさが予め設定されている閾値を超えた場合に、予め設定されている動作単位で検出した外力の方向に前記対象ロボットの姿勢を制御する詳細制御モードとを切り替えて、作業者の操作に基づいて前記対象ロボットを教示する処理を実行する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記詳細制御モードにおいて、検出された外力が前記閾値を超えている時間に関わらず、前記動作単位での制御回数を1回とするロボットの教示システム。
  3. 前記制御部は、前記詳細制御モードにおいて、前記操作ロボットの姿勢と前記対象ロボットの姿勢とが乖離している場合、前記操作ロボットの姿勢と前記対象ロボットの姿勢とを一致させる請求項1または2記載のロボットの教示システム。
  4. 前記制御部は、前記操作ロボットの姿勢を、外力に基づく姿勢の制御が行われた前記対象ロボットの姿勢に一致させる請求項3記載のロボットの教示システム。
  5. 前記制御部は、前記操作ロボットの姿勢を、外力が検出される前の姿勢に一旦戻した後に、前記対象ロボットの姿勢に一致させる請求項3記載のロボットの教示システム。
  6. 前記制御部は、前記操作ロボットの姿勢を、外力に基づく姿勢の制御が行われたと仮定した状態の前記対象ロボットの姿勢に一致させた後に、前記対象ロボットの姿勢を制御する請求項3記載のロボットの教示システム。
  7. 前記制御部は、外力が前記閾値を超えている最中に、前記操作ロボットの姿勢を前記対象ロボットの姿勢に一致させることを特徴とする請求項3記載のロボットの教示システム。
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