JP7056233B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、用紙等の媒体が載置される載置部と、載置部から供給された媒体に記録(印刷)する記録部と、記録後に排出された媒体を受けるスタッカー等の受け部とを備えた記録装置に関する。
特許文献1には、用紙等の媒体を収容するカセットと、媒体を載置(セット)可能な手差し部(載置部の一例)とを備えた記録装置(画像形成装置)が開示されている。カセットは、記録装置の正面から着脱可能に装置本体(筐体)の下部に装着されている。また、手差し部は、装置本体におけるカセットと画像読取部との間に凹設された凹部の底面に設けられている。カセットと手差し部からは共に媒体が水平に給送され、記録部による記録後の媒体は、装置本体の一側面から外側へ延出したスタッカー(受け部の一例)へ排出される。このため、カセット及び手差し部から記録部に向かって水平に供給した媒体を、記録部による記録後にそのまま水平にスタッカーへ排出できる。また、手差し部には、媒体を幅方向に位置決めする紙端規制面(エッジガイド)が設けられている。
特開2004-25588号公報
しかしながら、特許文献1に記載の記録装置では、スタッカーが装置本体の外側へ延出しているため、記録装置を設置する際に外側へ延出するスタッカーのスペースを確保する必要があり、その分、記録装置を設置する際に必要な空間スペースを含む占有スペースが比較的広くなるという課題がある。
本発明の目的は、載置部と受け部とを備えた構成において、占有スペースを小さく抑えられる記録装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する記録装置は、媒体を載置可能な載置面を有し、当該載置面上の前記媒体の供給方向と交差する方向の一方側と、当該媒体の供給方向の上流側との少なくともいずれかが開放されている載置部と、媒体を収容する媒体収容部と、前記載置部に載置された媒体を供給方向に供給する第1供給部と、前記媒体収容部に収容された媒体を供給する第2供給部と、供給された媒体に記録する記録部と、記録後の媒体を受ける受け部と、を備え、前記媒体収容部と前記載置部と前記受け部は、鉛直方向で重なって配置される。
この構成によれば、媒体を載置可能な載置部と、媒体を収容する媒体収容部と、排出口から排出された媒体を受ける受け部とが、鉛直方向で重なって配置されているので、記録装置の鉛直方向と交差する方向のサイズが相対的に小さく抑えられる。よって、載置部と受け部とを備えた構成において、記録装置の占有スペースを小さく抑えることができる。
上記記録装置において、記録された媒体を反転を伴って搬送する反転搬送経路と、
反転された媒体を排出口から前記受け部へ排出する排出部と、を備えることが好ましい。
この構成によれば、載置部又は媒体収容部から供給された媒体は、記録部により記録された後、反転搬送経路を通って反転されて排出口から受け部へ排出される。このため、載置部と受け部は記録部に対して同じ側に配置できるため、鉛直方向に重なる載置部と受け部との重なり量を相対的に多く確保し易い。この結果、記録装置の鉛直方向と交差する方向のサイズを小さくでき、これにより記録装置の占有スペースを小さく抑えることができる。
上記記録装置において、正面から水平視したとき、前記載置部と前記受け部は、前記受け部を前記載置部に対して鉛直方向に投影した場合の当該受け部の投影領域が前記載置部に包含される位置関係に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、載置部と受け部は、記録装置を正面から水平視したとき、載置部が、受け部の投影領域を包含する状態で鉛直方向に重なる。載置部と受け部との重なり量を多く確保できるので、正面から水平視したときの記録装置の横方向のサイズを小さく抑え、これにより記録装置の占有スペースを小さく抑えることができる。
上記記録装置において、前記受け部は前記載置部の上方を覆うことが好ましい。
この構成によれば、載置部の上方は受け部により覆われているので、載置部に媒体が載置されたまま放置されても、媒体に塵埃が堆積しにくい。
上記記録装置において、スキャナーを備え、正面から水平視したとき、前記載置部と前記スキャナーは、前記載置部を前記スキャナーに対して鉛直方向に投影した場合の当該載置部の投影領域が前記スキャナーに包含される位置関係に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、スキャナーと載置部は、記録装置を正面から水平視したとき、スキャナーが載置部の投影領域を包含する状態で鉛直方向に重なる。載置部とスキャナーとの重なり量を多い確保できるので、正面から水平視したときの記録装置の横方向のサイズを小さく抑え、これにより記録装置の占有スペースを小さく抑えることができる。
上記記録装置において、前記載置部は、載置された前記媒体の供給方向における下流端が上流端より鉛直方向の下側となる姿勢に傾いていることが好ましい。
この構成によれば、載置部が載置された媒体の供給方向(給送方向)の下流端側が低くなる向きに傾いているので、媒体を載置部上に先端(下流端)を揃えて整列する状態に載置し易いうえ、媒体の後端(上流端)をガイドするための後端エッジガイドを設ける必要がない。載置部の姿勢が傾くことにより、傾かない場合(例えば水平姿勢をとる場合)に比べ、載置すべき媒体の長さの割に載置部の供給方向の長さを相対的に短くできるので、記録装置の供給方向のサイズを小さく抑え、これにより記録装置の占有スペースを小さく抑えられる。
上記記録装置において、前記鉛直方向から見て、前記媒体収容部に収容された前記媒体の供給方向の下流端位置は、前記載置部に載置された前記媒体の供給方向の下流端位置よりも、前記供給方向において前記記録部側に位置し、前記第1供給部と前記第2供給部は、互いの少なくとも一部が前記鉛直方向に同じ高さに位置する状態に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第1供給部と第2供給部は互いの少なくとも一部が鉛直方向に同じ高さに位置する状態に配置されているため、これらが鉛直方向で同じ高さに配置される部分が全くない構成に比べ、記録装置の鉛直方向のサイズ(高さサイズ)を相対的に小さく抑えることができる。よって、記録装置の高さ方向の占有スペースを小さく抑えられる。
上記記録装置において、前記載置部は、前記媒体を供給方向と交差する幅方向にガイド可能なエッジガイドを備え、前記エッジガイドは、前記媒体を前記幅方向にガイドするときに配置されるガイド位置と、前記ガイド位置から回動又は下方へ変位することにより退避した退避位置とに移動可能に構成されることが好ましい。
この構成によれば、エッジガイドをガイド位置から退避位置に移動させることで、載置部への媒体の載置がし易くなる。媒体を載置した後、エッジガイドをガイド位置に移動させることで、載置部に載置した媒体を幅方向に適切な供給位置に位置決めできる。このため、記録装置の正面側(供給方向と交差する方向側)からでもエッジガイドが邪魔にならず媒体を載置部にセットし易い。よって、ユーザーがエッジガイドを避けて筐体の側方側(供給方向の後端側)から回り込んで媒体をセットする必要がなく、筐体の側方に媒体をセットするための作業スペースを確保する必要がないことから、記録装置の占有スペースの低減に寄与する。
上記記録装置において、前記エッジガイドを前記退避位置に保持する保持機構を有することが好ましい。
この構成によれば、保持機構によりエッジガイドを退避位置に保持しておくことができるため、載置部に媒体を載置する際にエッジガイドが邪魔にならない。そして、媒体を載置部に載置した後、保持機構の保持を解除し、エッジガイドを退避位置からガイド位置に復帰させれば、載置部上の媒体をエッジガイドにより幅方向に位置決めできる。
上記記録装置において、前記エッジガイドは、当該エッジガイドの下端部側又は前記供給方向の一端部側を回動軸として、前記ガイド位置と前記退避位置とに回動可能であり、前記エッジガイドを前記ガイド位置に保持する保持機構を有することが好ましい。
この構成によれば、エッジガイドをガイド位置に保持できるため、ガイド位置にあるエッジガイドが自重や小さな外力を受けて回動してしまうことを回避できる。よって、エッジガイドにより媒体を幅方向により確実にガイドできる。
上記記録装置において、前記エッジガイドは、当該エッジガイドの下端部側又は前記供給方向の一端部側を回動軸として、前記ガイド位置と前記退避位置とに回動可能であり、前記載置部の上面部と前記エッジガイドの底面部とには、前記エッジガイドが前記ガイド位置にある状態で噛み合い可能な凹凸が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、載置部に媒体を載置した後、エッジガイドを退避位置からガイド位置へ回動させたときにエッジガイドの底面部と載置部の上面部との隙間が、凹凸の噛み合いによる凹凸状なので、媒体が隙間に入り込むことを防止できる。
上記記録装置において、前記載置部は、前記載置部に載置された前記媒体を、前記第1供給部を構成するローラーに接触させる給送位置と前記ローラーから離間させる待機位置とに移動可能なホッパーを備え、前記ホッパーが前記給送位置にある状態で前記エッジガイドが前記ガイド位置から前記退避位置に移動すると、前記ホッパーを前記給送位置から前記待機位置に移動させることが好ましい。
この構成によれば、エッジガイドをガイド位置から退避位置に移動させると、そのときホッパーが給送位置にあれば、ホッパーが給送位置から待機位置に移動してローラーから離間するので、ホッパーが給送位置にある場合に比べ、載置部に媒体を載置(セット)し易い。
第1実施形態における複合機からなる記録装置の概略斜視図。 記録装置を示す模式側断面図。 エッジガイドがガイド位置にある状態の供給トレイを示す模式斜視図。 エッジガイドが退避位置にある状態の供給トレイを示す模式斜視図。 供給トレイの構成を示す模式斜視図。 供給トレイの構成を示す模式平面図。 エッジガイドの移動機構を示す斜視図。 ハートカムを示す正面図。 エッジガイドがガイド位置にあるときの模式側面図。 エッジガイドが退避位置にあるときの模式側面図。 エッジガイドが退避位置にロックされた状態にあるときの模式側面図。 エッジガイドの退避位置でのロックが解除されるときの模式側面図。 第2実施形態におけるエッジガイドがガイド位置にある状態の供給トレイを示す模式斜視図。 エッジガイドが退避位置にある状態の供給トレイを示す模式斜視図。 比較例のエッジガイドがガイド位置にある状態の供給トレイを示す模式背面図。 エッジガイドがガイド位置にあるときの模式斜視図。 エッジガイドが退避位置にあるときの模式斜視図。 実施例のエッジガイドがガイド位置にある状態の供給トレイを示す模式背面図。 第3実施形態におけるエッジガイドがガイド位置にある状態の供給トレイを示す模式斜視図。 エッジガイドのガイド位置でのロックが解除された状態を示す模式斜視図。 エッジガイドが退避位置へ回動した状態を示す模式斜視図。 エッジガイドを示す分解斜視図。 エッジガイドを示す模式背面図。 第4実施形態におけるエッジガイドがガイド位置にある状態の供給トレイを示す模式斜視図。 エッジガイドが退避位置にある状態の供給トレイを示す模式斜視図。 エッジガイドがガイド位置にある状態の模式側断面図。 エッジガイドのガイド位置でのロックが解除された状態の模式側断面図。
(第1実施形態)
以下、記録装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1に示す本実施形態の記録装置11は、印刷機能に加え、スキャン機能及びコピー機能等を備えた複合機である。図1に示すように、記録装置11は、媒体Mに記録(印刷)を行う印刷装置20、及び原稿等の読み取り(スキャン)を行うスキャナーの一例としての画像読取装置30を備える。記録装置11は、印刷装置20と画像読取装置30とが鉛直方向Zに積み重ねられて構成される。すなわち、印刷装置20の上側に画像読取装置30が配置されている。記録装置11は、画像読取装置30の本体31を上部に有する筐体12を備えている。筐体12は、図1において手前側の正面と右側の側面との二面に開口する凹部13を有している。凹部13は、筐体12の正面で開口する第1開口131と、筐体12の一方(図1の例では右方)の側面で開口する第2開口132とを有している。本例では、第1開口131と第2開口132とが連続して開放されている。
凹部13は、正面の第1開口131と対向する奥方の部分が閉塞されており、右側面の第2開口132と対向する部分が、印刷装置20を構成する四角柱状の印刷機能部21の壁面(右壁面)により閉塞されている。また、凹部13の上側内壁面は、画像読取装置30を構成する略四角板状の本体31の底面により形成される。つまり、凹部13の上方が、本体31の一部により覆われている。なお、以下では、本体31を「スキャナー本体31」ともいう。
印刷装置20は、筐体12における凹部13の隣(左隣)の部分に、前述した四角柱状の印刷機能部21を有している。筐体12の下部には、複数枚の媒体M(例えば用紙)を積層状態に収容可能な媒体収容部の一例としてのカセット22が着脱可能に挿着されている。カセット22の鉛直方向Zの上側に凹部13は位置する。カセット22は、筐体12における印刷機能部21及び凹部13の下側となる位置に配置されている。カセット22は、その前面に把持部22Aを有する。ユーザーは把持部22Aを用いて筐体12に対してカセット22を着脱する操作が可能になっており、カセット22を手前に引き出すことによりカセット22への媒体Mの補充等が行われる。また、記録装置11における印刷機能部21の上側手前位置には操作部の一例としての操作パネル14が配置されている。印刷機能部21における操作パネル14の下側となる部分には、後述するインク収容部59(図3を参照)を着脱する際に開閉されるカバー21Aが設けられている。なお、記録装置11は、カセット22の下側に1つ又は複数のカセット22の増設が可能になっている。
図1に示すように、筐体12において凹部13の底面に相当する部分には、媒体Mを載置する載置部の一例としての供給トレイ23が配置されている。供給トレイ23は、供給すべき複数の媒体Mを積層状態に載置可能な載置面23Aを有し、載置面23A上の媒体Mの供給方向と交差(例えば直交)する方向(奥行方向)の一方側(手前側)が第1開口131によって開放され、載置面23A上の媒体Mの供給方向の上流側が第2開口132によって開放されている。このため、ユーザーは、開口131,132を介して凹部13の底面に位置する供給トレイ23の載置面23A上への媒体Mの載置が可能である。また、凹部13内における供給トレイ23よりも上方の高さ位置には、印刷機能部21内で印刷(記録)された後に排出口29から排出された媒体(以下「記録媒体M1」ともいう。)を受ける受け部の一例としてのスタッカー24(排出スタッカー)が設けられている。本明細書では、載置面23A上の媒体Mが供給される供給方向を給送方向Y(図1、図2では左方向)といい、給送方向Yと交差(例えば直交)する方向を幅方向Xという。このように筐体12は、凹部13によって幅方向Xの両側のうち正面手前側が第1開口131によって開放され、給送方向Yの上流側が第2開口132によって開放されている。そして、供給トレイ23は、その載置面23A上に媒体Mを積層状態に載置可能な空間、つまり載置面23Aとスタッカー24の底面との間の空間に対し幅方向Xの一方側(正面手前側)が第1開口131によって開放され、給送方向Yの上流側が第2開口132によって開放されている。
図1に示すように、供給トレイ23は、載置面23A上の媒体Mが供給される給送方向Yと交差(例えば直交)する幅方向X(奥行方向)にガイドする一対のエッジガイド25,26とを有している。一対のエッジガイド25,26は、載置面23A上に載置された媒体Mを幅方向Xに位置決めする際にユーザーによって操作される。
一対のエッジガイド25,26は、載置面23Aから上方へ突出するとともに、互いに連動して媒体Mの幅方向Xに移動可能に構成されている。一対のエッジガイド25,26は、載置面23A上の媒体Mを幅方向Xに位置決めする機能を有している。本実施形態における一対のエッジガイド25,26は、供給トレイ23上の媒体Mの幅中心線に対して幅方向Xに対称な位置へ連動して移動し、媒体Mをその幅中心が給送口27の幅中心に一致する位置に位置決め可能なセンター給送方式を採用する。なお、一対のエッジガイド25,26は、センター給送方式の構成に替え、一方のエッジガイドが固定で他方のエッジガイドが可動に構成され、固定側のエッジガイドを基準に他方のエッジガイドを移動させることで、媒体Mを幅方向Xの一端に寄せて位置決めする構成でもよい。
図1に示す記録装置11の例では、供給トレイ23から一対のエッジガイド25,26に幅方向Xに位置決めされた状態で給送口27を介して印刷機能部21内へ給送された媒体Mは、印刷機能部21内で印刷された後、排出口29を介してスタッカー24に排出されその受け面24Aに積載される。
図1に示す記録装置11では、供給トレイ23の上方で媒体Mが載置される空間とスタッカー24の上方で記録媒体M1が積載される空間との手前側正面に開口する第1開口131と、給送方向Yの上流側の側面に開口する第2開口132とが連続して開放されている。このため、供給トレイ23及びスタッカー24が、筐体12の凹部13内に配置された構成であっても、ユーザーは開口131,132を介した供給トレイ23への媒体Mのセット、及びスタッカー24からの記録媒体M1の取出しが容易になっている。すなわち、凹部13の正面と右側面が2つの開口131,132によって連続して開放されているので、ユーザーによる供給トレイ23及びスタッカー24へのアクセスを、記録装置11の正面から容易に行うことが可能である。
図1に示すように、画像読取装置30は、そのスキャナー本体31の上側に原稿を自動で給送する自動給送装置32を備えている。また、画像読取装置30は、自動給送装置32により給送された原稿に記録されている文字や写真などの画像を読み取る読取部(図示略)を備えている。自動給送装置32は、原稿を積層状態に載置可能なトレイ33を有し、トレイ33上に載置された原稿を1枚ずつ給送する。画像読取装置30は、トレイ33から給送された原稿を読取部により読み取り、読み取り後の原稿はトレイ33の下側に設けられた被排出部34へ排出される。自動給送装置32はスキャナー本体31に対して回動可能で、その下部が画像読取装置30の原稿台カバーを兼ねている。自動給送装置32がユーザーにより図1に示す閉状態から開状態へ回動されることにより、スキャナー本体31の上面部に配置された不図示の原稿台(ガラス面)が露出する。なお、スキャナー本体31は、例えば原稿を読み取る読取部および読取部を走査方向に移動させる移動機構を含む構成部品と、これらの構成部品を収容し且つ原稿が載置されるガラス板が上部に組み付けられることで上面部が原稿台を形成するハウジング部とにより構成される。
記録装置11に指示を与えるための各種の操作に用いられる操作パネル14は、画像読取装置30の前側に配置されている。操作パネル14は、操作部15及び表示部16を備える。表示部16は例えばタッチパネルにより構成され、操作部15はタッチパネルのタッチ操作入力機能により構成されている。また、記録装置11には、記録装置11を統括的に制御する制御部100が設けられている。なお、操作部15を操作スイッチ等により構成してもよい。
また、記録装置11では、4つの側面のうち操作パネル14が配置されている側の1つの側面が正面となる。また、記録装置11では、4つの側面のうち筐体12に収容されたカセット22の把持部22Aを含む一部分が露出している側の1つの側面が正面となる。図1においては、記録装置11の手前側の面が正面となる。
図1及び図2に示すように、供給トレイ23は、その上面が記録前の媒体Mを載置可能な載置面23Aとなっており、載置面23A上の媒体Mの給送方向Yの下流端側が上流端側より重力方向(鉛直方向Z)の下側となる斜めに傾く姿勢に配置されている。よって、供給トレイ23に載置したとき媒体Mは、その自重で給送方向Y側へ移動して媒体Mの前端が印刷機能部21の壁面に当たることで前端が揃えられた状態で整列する。このため、媒体Mの給送方向Yの後端をガイドするための後端エッジガイドが不要になる。また、供給トレイ23が傾く姿勢をとることにより、傾かない姿勢(例えば水平姿勢)をとる場合に比べ、載置面23Aに所定長さの媒体Mを載置可能とするために供給トレイ23に必要となる給送方向Yの長さ寸法を相対的に短くできる。つまり、載置すべき媒体Mの長さの割に供給トレイ23の給送方向Yの長さ寸法を短くできる。また、供給トレイ23の姿勢が傾くことにより、比較的長い媒体Mを供給トレイ23に載置した場合に媒体Mの後端部が凹部13から外側へはみ出さずに済むか、はみ出し量を少なくできる。
図1及び図2に示すように、スタッカー24は、その上面が記録後の媒体M1を受ける受け面24Aとなっており、受け面24A上の媒体M1の排出方向-Yの上流端側が下流端側より重力方向(鉛直方向Z)の下側となる斜めに傾く姿勢で配置されている。つまり、供給トレイ23とスタッカー24は、同じ向きに傾いている。スタッカー24上に排出されたとき媒体M1はその自重で排出方向-Yと反対側へ移動して媒体M1の後端が印刷機能部21の壁面に当たることで受け面24A上に後端が揃う状態で整列する。このため、媒体M1の排出方向-Yの前端をガイドするための前端エッジガイドが不要になる。また、スタッカー24の姿勢が傾くことにより、傾かない場合(例えば水平姿勢をとる場合)に比べ、受け面24A上に所定の長さの媒体M1を載置可能とするためにスタッカー24に必要となる排出方向-Yの長さ寸法を相対的に短くできる。このため、スタッカー24が受けることができる媒体M1の長さの割にスタッカー24の排出方向-Yの長さ寸法を短くできる。なお、排出方向-Yは、給送方向Yと反対側の方向である。
また、図1に示すように、凹部13は、供給トレイ23よりも上方に配置されたスタッカー24により、鉛直方向Zに第1空間133と第2空間134とに区画される。第1空間133は、媒体Mが供給トレイ23上に積載される積載空間として用いられ、第2空間134は、排出口29から排出された記録媒体M1がスタッカー24上に積載される積載空間として用いられる。
図1及び図2に示すように、供給トレイ23とスタッカー24は、凹部13内で鉛直方向Zに少なくとも一部が重なる位置に配置されている。図2に示すように、記録装置11を正面から水平視したとき、供給トレイ23とスタッカー24は、スタッカー24の受け面24Aを供給トレイ23の載置面23Aに対して鉛直方向Zに投影した場合の当該受け面24Aの投影領域PA1が、供給トレイ23の載置面23A(つまり載置面23Aの配置領域TA)に包含される位置関係にある。すなわち、記録装置11を正面から水平視したとき、供給トレイ23とスタッカー24は、受け面24Aの投影領域PA1が載置面23Aの配置領域TAに包含される位置関係で、鉛直方向Zに重複している。
図1に示す本例では、供給トレイ23とスタッカー24は共に凹部13内に全部配置され、かつ一方が他方に対して鉛直方向Zに重なる重なり量の割合が8割以上となっている。詳しくは、供給トレイ23とスタッカー24とのうち一方から他方へ鉛直方向Zに投影したとき、給送方向Yの長さで、他方に対する一方の投影部分の占める寸法割合が、例えば8割以上となっている。また、供給トレイ23及びスタッカー24は、筐体12に対して右側面の第2開口132から外側(図1における右側)へ突出していないだけでなく、正面の第1開口131からも外側(図1における手前側)へは突出していない。また、供給トレイ23とスタッカー24とのうち一方から他方へ鉛直方向Zに投影した投影面積においても、一方が他方に対して例えば8割以上を占めている。図1の例では、一方がスタッカー24であり、他方が供給トレイ23である。なお、一方が供給トレイ23であり、他方がスタッカー24である構成でもよい。
図1、図2に示すように、記録装置11では、筐体12におけるカセット22の上方に凹設された凹部13内に供給トレイ23及びスタッカー24を配置する。つまり、カセット22が、供給トレイ23の下方、かつ供給トレイ23とスタッカー24とのそれぞれに対して鉛直方向Zで重なる位置で筐体12に収納される。このようにカセット22、供給トレイ23及びスタッカー24が鉛直方向Zに重なる位置に配置されている。これにより、記録装置11に必要な設置スペースが低減されるだけでなく、ユーザーがカセット22及び供給トレイ23に対して行う媒体Mのセット、及びスタッカー24に対して行う記録媒体M1の取り出し等の作業を行うハンドリング位置を、ユーザーが操作パネル14を操作するときの記録装置11の正面に統一することが可能となる。このため、ユーザーは記録装置11の正面で、操作パネル14の操作、媒体Mのセット及び記録媒体M1の取出し等の各作業を行うことが可能になり、ユーザーが各作業を行うときの使い勝手が良くなっている。また、ユーザーが各作業を行うためのスペースを記録装置11の正面に集約でき、記録装置11の両側の側方に作業スペースを確保する必要がなくなるので、この点からも記録装置11の占有スペースの低減に寄与する。
また、図1、図2に示すように、スキャナー本体31の底面31Aは、凹部13の天面(上側内壁面)を形成している。そして、本体31と供給トレイ23とスタッカー24とは、鉛直方向Zに重複している。図2に示すように、供給トレイ23の載置面23Aをスキャナー本体31の底面31A(底面31Aを含む仮想平面)に対して鉛直方向Zに投影した場合の当該載置面23Aの投影領域をPA2とする。記録装置11を正面から水平視したとき、供給トレイ23とスキャナー本体31は、載置面23Aの投影領域PA2が、スキャナー本体31の底面31A(つまり底面31Aの配置領域SA)に包含される位置関係にある。すなわち、記録装置11を正面から水平視したとき、供給トレイ23とスキャナー本体31は、載置面23Aの投影領域PA2がスキャナー本体31の底面31A(つまり配置領域SA)に包含される位置関係で、鉛直方向Zに重複している。また、記録装置11を正面から水平視したとき、スタッカー24の受け面24Aをスキャナー本体31の底面31Aに対して鉛直方向Zに投影した場合の受け面24Aの投影領域をPA3とする。記録装置11を正面から水平視したとき、供給トレイ23とスタッカー24とスキャナー本体31は、底面31Aの配置領域SAが載置面23Aの投影領域PA2および受け面24Aの投影領域PA3のいずれも包含する位置関係で鉛直方向Zに重複している。さらに、記録装置11を正面から水平視したとき、カセット22とスキャナー本体31は、カセット22をスキャナー本体31の底面31Aに対して鉛直方向Zに投影した場合のカセット22の投影領域(図示略)も、底面31A(つまり底面31Aの配置領域SA)に包含される位置関係で、鉛直方向Zに重複している。
供給トレイ23及びスタッカー24の給送方向Yの全長は、記録装置11が想定する最大サイズの媒体Mの長手方向の寸法(縦寸法)と同じか、それより少し長い値に設定されている。記録装置11が想定する媒体Mの最大サイズが例えばA4判である機種では、供給トレイ23及びスタッカー24の給送方向Yにおける長さが、A4判の媒体Mの縦寸法(297mm)と同じかそれより少し長くなっている。また、記録装置11が想定する媒体Mの最大サイズが例えばA3判である機種では、供給トレイ23及びスタッカー24の給送方向Yにおける長さが、A3判の媒体Mの縦寸法(420mm)と同じかそれより少し長くなっている。
このため、供給トレイ23上の媒体M及びスタッカー24上の記録媒体M1が記録装置11から外側へはみ出さず、かつ伸縮式トレイ又は開閉式トレイのように媒体積載面を展開する必要がない。よって、筐体12の右側方に媒体M,M1のはみ出す部分のスペースや、伸縮式トレイ又は開閉式トレイの展開スペースを確保する必要がない。また、供給トレイ23及びスタッカー24は、凹部13内に配置され、使用・不使用にかかわらず、積載される媒体M及び記録媒体M1を載置可能な状態にあるため、伸縮式トレイ又は開閉式トレイの場合に必要となる使用時の展開作業を必要としない。
また、供給トレイ23に媒体Mをセットしたまま放置されても、その上方はスタッカー24に覆われているため、供給トレイ23上の媒体Mに塵埃が堆積しにくくなっている。もっとも、供給トレイ23の上方はスタッカー24が存在しなくても画像読取装置30に覆われているため、一定の塵埃堆積防止効果はある。しかし、供給トレイ23と画像読取装置30との間の空間に板状のスタッカー24が存在することにより、画像読取装置30のみが覆う構成に比べ、埃堆積防止効果が一層高まる。
ところで、ユーザーが記録装置11の正面から開口131,132を介して供給トレイ23にアクセスする場合、供給トレイ23上の載置面23Aよりも手前側に立設するエッジガイド25が邪魔になる。そのため、エッジガイド25は、媒体Mをガイドする幅方向Xへの移動だけでなく、載置面23Aへ媒体Mを載置するセット作業の邪魔にならない退避位置へ退避可能に構成されている。すなわち、エッジガイド25は、媒体Mを供給方向と交差する幅方向Xにガイド可能な図3に示すガイド位置と、エッジガイド25の第1開口131における突出量をガイド位置よりも小さくする退避位置とに移動可能に構成されている。本実施形態では、エッジガイド25は、載置面23Aと交差する方向(上下方向)にも移動可能に構成され、図3に示すガイド位置と、図4に示す退避位置とにその配置位置の切り替えが可能となっている。ユーザーは媒体Mをセットする際にエッジガイド25をガイド位置(図3)から退避位置(図4)に退避させれば、記録装置11の正面から第1開口131を介して媒体Mを載置面23A上へセットする際のより広い作業通路が確保される。なお、エッジガイド25をガイド位置から退避位置へ移動させる退避機構70(図7参照)の詳細な構成については、後述する。
図1、図3に示すように、印刷機能部21における凹部13と面する壁面(右側面)には、給送口27が開口している。供給トレイ23は、給送口27よりも少し下方に配置されており、その上面には載置面23Aにセットされた媒体Mを押し上げ可能な板状のホッパー28を有している。ホッパー28は、図1に示すように略H字状の板材を有し、その給送方向Yの上流端に位置する回動軸28A(図5を参照)を中心に上下動可能となっている。ホッパー28は、ばね69(図7を参照)の弾性力により上方へ付勢され、給送モーター410(図5を参照)又は専用の電動モーターの動力により不図示の昇降機構を介して、図3に示す待機位置と、ホッパー28上の媒体Mを第1給送部40のピックアップローラー41に当接可能な給送位置(上昇位置)との間において上下動する。
図1~図3に示すように、筐体12における給送口27の近傍位置には、供給トレイ23上の媒体Mを給送口27から印刷機能部21内へ供給する第1供給部の一例としての第1給送部40が設けられている。第1給送部40は、ホッパー28が給送位置へ上昇したときにホッパー28上の媒体Mが押し当てられるピックアップローラー41と、ピックアップローラー41に対して給送方向Yの下流側の隣に位置する分離機構42とを有している。分離機構42は、図2、図3に示す例では、給送ローラー43と分離ローラー44(リタードローラー)とを有している。なお、分離機構は、上述のローラー分離方式に替え、土手分離方式でもよい。土手分離方式の分離機構は、給送方向Yに対して所定の傾斜角で立設する斜状の摩擦面を有する分離部(土手部)を備え、斜状の摩擦面に沿って媒体Mを給送することにより、分離部の摩擦と角度とを利用して、給送すべき一枚の媒体Mを他の媒体から分離する。
図2、図5に示すホッパー28は、動力源の動力により昇降機構の保持機構が解除されると、待機位置からばね69(図7)の付勢力により上昇し、供給トレイ23上の媒体Mをピックアップローラー41に押し当てる給送位置と、動力源の動力によりばね69の付勢力に抗して供給位置から下降し、図3に示す待機位置に復帰する。印刷開始時には、ホッパー28が上昇し、供給トレイ23上の媒体Mがピックアップローラー41に下側から押し当てられ、この状態でピックアップローラー41が回転駆動することにより供給トレイ23上の媒体Mのうち最上位の一枚が給送される。ピックアップローラー41により送り出された媒体Mが仮に複数枚給送(重送)されても、分離機構42を構成する2つのローラー43,44の摩擦力の差を利用して1枚に分離される。
図3に示すように、ピックアップローラー41と給送ローラー43は、それぞれの回転軸41A,43Aに設けられた各ギヤ401を含む動力伝達機構400を介して給送モーター410と動力伝達可能な状態に連結されている。また、エッジガイド25の上端部に設けられた操作部25Aが押し操作されるとエッジガイド25の幅方向Xへの移動が可能になり、操作部25Aの押し操作が解除されると、エッジガイド25がその位置にロックされる。
図1に示すように、印刷機能部21の凹部13と面する壁面には、排出口29が鉛直方向Zに給送口27とは異なる位置(図1の例では上側の位置)に開口している。スタッカー24は、排出口29の位置(詳しくは図3における排出ローラー対57のニップ位置)よりも所定距離だけ下方の高さ位置に配置されている。
図2に示すように、カセット22の給送方向Yの下流側端部の上方近傍位置には、カセット22内に収容された複数枚の媒体Mを最上位のものから順番に1枚ずつ供給する第2供給部の一例としての第2給送部45が配置されている。第2給送部45は、第1給送部40と同様の構成で、媒体Mを給送するピックアップローラー46と、ピックアップローラー46よりも給送方向Y側の隣に位置する分離機構47とを有している。分離機構47は、図2に示す例では、ローラー分離方式で、給送ローラー48と分離ローラー49(リタードローラー)とを有している。なお、分離機構47は、土手分離方式でもよい。
図2に示すように、カセット22内の媒体Mは載置板22Bに載置され、載置板22Bが鉛直方向Zの上側へ付勢されることにより、載置板22B上の媒体Mはピックアップローラー46に押し当てられる。印刷開始時には、第2給送部45の動力源の動力によりピックアップローラー46及び給送ローラー48が回転駆動すると、カセット22内の媒体Mが最上位のものから順番に一枚ずつ給送される。ピックアップローラー46により送り出された媒体Mは、分離機構47を構成する2つのローラー48,49により摩擦力を利用して1枚に分離され、印刷機能部21内へ給送される。なお、2つの給送部40,45の動力源は、給送モーター410(図5を参照)であるが、これに替え、後述する搬送部51の動力源である不図示の搬送モーターを利用し、搬送部51と給送部40,45とが動力源を共通にする構成でもよい。
図2に示すように、印刷機能部21内には、媒体Mの搬送と媒体Mへの印刷(記録)とを行う印刷機構50が収容されている。印刷機構50は、カセット22及び供給トレイ23から給送された媒体Mを、給送口27から排出口29まで図2に示す搬送通路52に沿って搬送する搬送部51を備えている。搬送部51は、複数のローラー対53を有している。
搬送通路52の途中の位置には、供給された媒体Mに印刷(記録)する記録部54が設けられている。記録部54は、媒体Mの幅方向Xに亘ってインクを吐出可能なラインヘッドを有している。なお、記録部54は、ラインヘッドで1行分の幅を一度に記録するライン記録方式に限らず、幅方向Xに移動可能なキャリッジに記録ヘッドが設けられ、1行分の幅の記録をキャリッジの移動過程で記録ヘッドからインクを吐出して行うシリアル記録方式であってもよい。また、記録部54の位置及び配置角度は、図2の例に限定されず適宜変更してよい。
図2に示すように、記録部54に対して搬送通路52を間に挟む反対側の位置には、媒体Mを支持する支持台55が配置されている。支持台55は、媒体Mを記録部54に対して所定の間隔(ギャップ)を隔てた位置に保持する。搬送部51を構成する複数のローラー対53には、記録部54を搬送方向Yに挟む両側(上流側と下流側)の位置で媒体Mを搬送する一組の搬送ローラー対56が含まれる。また、複数のローラー対53には、記録後の記録媒体M1を排出口29から排出する排出ローラー対57が含まれる。また、図2に示す例では、各給送部40,45が媒体Mを送り出す給送方向Yと、支持台55上を搬送される媒体Mのうち記録部54と対向する部分の搬送方向とが同じになっている。このため、本実施形態では、記録部54における記録過程の媒体Mの搬送方向を指して「搬送方向Y」と呼ぶ場合もある。
搬送通路52は、供給トレイ23から媒体Mを記録部54と対向する記録位置まで給送する供給通路521と、カセット22から媒体Mを記録部54と対向する記録位置まで給送する供給通路522とを有している。また、搬送通路52は、記録部54による記録後の記録媒体M1を反転させて排出口29に向かって搬送する反転搬送経路の一例である反転搬送通路523を有している。さらに搬送通路52は、両面記録の場合に片面の記録を終えた媒体Mを逆搬送しつつ反転させて再び記録部54の上流側へ戻し記録部54へ再給送する経路である反転通路524を含む。なお、搬送部51は、例えば媒体Mを搬送する搬送ベルトを含んでもよい。この場合、搬送ベルトは、その外周面に媒体Mを静電吸着によって保持した状態で周回する構成とするのが好ましい。
図2に示すように、供給トレイ23に載置された媒体Mの給送方向Yの下流端位置は、カセット22に収容された媒体Mの給送方向Yの下流端位置よりも、給送方向Yの上流側に位置している。すなわち、鉛直方向Zの上側から鉛直視したとき、カセット22に収容された媒体Mの給送方向Yの下流端位置が、供給トレイ23に載置された媒体Mの給送方向Yの下流端位置よりも、記録部54側に位置している。このため、供給トレイ23用の第1給送部40よりも、カセット22用の第2給送部45が、給送方向Yにおいて記録部54側に位置している。そして、第1給送部40と第2給送部45は、鉛直方向Zにおいて互いの少なくとも一部が同じ高さに位置する状態に配置されている。図2に示す例では、第1給送部40を構成する分離ローラー44と、第2給送部45を構成する給送ローラー48とが、鉛直方向Zにおいてそれぞれ互いの一部が同じ高さに位置する状態に配置されている。つまり、第1給送部40と第2給送部45とが、水平方向に一部重複しており、その重複によってカセット22と供給トレイ23とが相対的に鉛直方向Zに近づけて配置されている。これにより、記録装置11の高さが相対的に低く抑えられている。図2に示すように、給送方向Yにおいて、供給トレイ23上の媒体Mを給送するピックアップローラー41は、排出口29よりも給送方向Yの下流側に位置する。つまり、鉛直視した場合、ピックアップローラー41と排出口29とでは、ピックアップローラー41の方が記録部54に近い。
また、図2に示すように、記録装置11において、供給トレイ23及びカセット22は、それぞれ供給通路521,522を通って媒体Mを反転させることなく記録部54まで供給し、その上面に記録した記録媒体M1(図1参照)を反転搬送通路523で反転させて排出口29から記録面を下向きにしてスタッカー24へ排出する。このため、供給トレイ23及びカセット22は、媒体Mをセットする際の記録面の向きを同じ向き(本例では上向き)にすることで、媒体Mをセットする際に媒体Mの表裏を間違えるミスを低減できる。すなわち、常にセットした向きに対して媒体Mの同じ面(本例では上面)に記録することをユーザーが意識すれば、媒体Mをセットする表裏の向きを間違えにくくなる。よって、この種の媒体Mをセットする向きのミスに起因して記録面を間違える記録ミスが低減される。例えば、ハガキや試行印刷用のプレプリント紙等の媒体Mへの印刷時に誤った面に印刷するミスプリントを低減することが可能である。
図2に示すように、筐体12内における反転搬送通路523と画像読取装置30との間の位置には、インク収容ユニット58が設けられている。インク収容ユニット58には、インクが収容されたインク収容部59(例えばインクカートリッジ又はインクタンク)を着脱可能な状態で複数(図2の例では4つ)取り付けられている。複数のインク収容部59は、それぞれ異なる色のインクを収容している。インク収容部59は、例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を含む複数色のインクがそれぞれ1色ずつ収容されている。図2の例では、4色(KCMY)に対応する4つのインク収容部59が図示されているが、例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトイエロー、グレー、グリーン、バイオレット等の他の色に対応するインク収容部59を追加してもよい。
図2に示すように、筐体12内における搬送通路52のうち給送口27から供給された媒体Mに記録した後の記録媒体M1を排出口29まで反転させつつ搬送する経路の内側となる領域には、インク供給部35及びメンテナンス装置36が鉛直方向Zに並んで配置されている。インク供給部35は、各インク収容部59と記録部54とを接続する不図示のインクチューブの途中に介在し、各インク収容部59からのインクを記録部54へ供給する機能を有する。記録部54は、インク供給部35により各インク収容部59から不図示のインクチューブを通じて供給された各色のインクを吐出して媒体Mに記録する。メンテナンス装置36は、記録部54が有するインク吐出用のノズルの目詰まり等を防止又は解消する目的でノズルのクリーニング等のメンテナンスを行う。
図5、図6に示すように、供給トレイ23は、一対のエッジガイド25,26を幅方向Xにスライド可能に支持する載置機構60を備えている。載置機構60は、ホッパー28の下側に配置され、一対のエッジガイド25,26を幅方向Xに移動可能に支持する四角板状の支持板61を有している。ホッパー28には、一対のエッジガイド25,26の移動可能範囲に亘りエッジガイド25,26との干渉を避ける一対の切欠凹部28Bが形成されている。一対のエッジガイド25,26は、支持板61上をスライド可能な一対のベース部62の上面から垂直にそれぞれ上方へ延出している。一対のベース部62は、エッジガイド25、26を幅方向Xへ移動可能に支持するとともに、その上面の一部に一対のエッジガイド25,26によりガイドされた媒体Mの一部が載置される。一対のベース部62は、支持板61に開口する幅方向Xに長く延びたガイド溝61Aに沿って案内され、支持板61の裏面側に組み付けられた図6に示すスライド機構63を介して幅方向Xに移動可能に設けられている。このため、一対のベース部62に支持されている一対のエッジガイド25,26は、スライド機構63を介して幅方向Xに移動可能となっている。
図6に示すように、スライド機構63は、一対のエッジガイド25,26のそれぞれから互いに対向する方向へ延出する一対のラック64と、一対のラック64にそれぞれの長手方向に形成された歯部が共通に噛合する1つのピニオン65とを有している。一対のラック64はピニオン65を両側から挟むようにその外周の歯部と噛合している。一対のエッジガイド25,26のうち一方を両者の間隔を短くする方向へ移動させると、一対のエッジガイド25,26はラック64とピニオン65との噛み合いを介して連動して互いに接近する方向に同じ距離だけ移動する。また、一対のエッジガイド25,26のうち一方を両者の間隔を長くする方向へ移動させると、一対のエッジガイド25,26はラック64とピニオン65との噛み合いを介して連動して互いに離間する方向に同じ距離だけ移動する。このため、一対のエッジガイド25,26により供給トレイ23上の媒体Mは、そのサイズに依らずその幅中心が供給トレイ23のセンターに一致するセンター位置に位置決めされる。
図5、図6に示すように、支持板61の上面におけるエッジガイド25の近傍の所定領域には、一定ピッチの凹凸状の被係止部61Bが設けられており、エッジガイド25のベース部62の底面には操作部25Aと連動する可動式の不図示の係止部が設けられている。操作部25Aを操作することにより係止部と被係止部61Bとの係止が解除され、一対のエッジガイド25,26の幅を調整した後に、操作部25Aの操作を止めると、係止部と被係止部61Bとが係止され、一対のエッジガイド25,26がその位置にロックされる。
前述のとおり、記録装置11の正面から凹部13内の供給トレイ23及びスタッカー24に媒体Mをセットする際、第1開口131から見て手前側のエッジガイド25が邪魔になる。本実施形態では、エッジガイド25を退避可能に構成することで、記録装置11の正面からの操作性を向上している。以下、エッジガイド25の退避機構70の構成の一例を説明する。
図5、図6に示すように、供給トレイ23を構成する支持板61は、その給送方向Yの下流端部における幅方向Xの両端部に、互いに向かい合う方向に突出する一対の回動軸61Cを有している。支持板61は、筐体12の給送口27よりも少し下方に位置する部分に、一対の回動軸61Cが回動可能に支持されることにより、一対の回動軸61Cを中心に所定角度の範囲内で回動可能となっている。
図6、図9に示すように、支持板61は、給送方向Yの上流側端部とその裏面側(下側)に位置する支持面122との間に介装されたばね66により上方へ付勢された状態にある。このため、支持板61は、給送方向Yの下流側端部の回動軸61C(図6参照)を中心として、その上流側端部が上方へ変位するように付勢されている。このばね66の付勢力により、支持板61に支持された一対のエッジガイド25,26は、媒体Mの幅方向Xへの位置決めが可能にホッパー28の上面から上方へ必要な量だけ突出した図3、図7に示すガイド位置に上昇している。
図5、図7に示すように、支持板61の正面側の側面において給送方向Yの上流側端部には、操作レバー67が水平方向外側に延出している。また、支持板61において操作レバー67よりも給送方向Yの上流側の位置となる上流側端部にはカム軸68が、ホッパー28の回動軸28Aと軸心が平行になる向きに突出している。
図3、図4に示すように、操作レバー67は、筐体12における凹部13の下側となる部分の正面におけるエッジガイド25の下側近傍位置に配置されている。操作レバー67は、筐体12に鉛直方向Zに沿う縦長に凹設された案内凹部121に沿って上下(鉛直方向Z)に移動可能となっている。
操作レバー67は、エッジガイド25をガイド位置と退避位置とに移動させるためにユーザーにより操作される。ユーザーは記録装置11の正面にある操作レバー67を下側へ押し込むことでエッジガイド25を載置面23Aに対して一部没入する退避位置へ移動させることができる。つまり、操作レバー67を下側へ押し込むことで、エッジガイド25は、載置面23Aよりも上方へ突出する部分がガイド位置に比べ小さくなる退避位置に移動する。
ここで、エッジガイド25が図3に示すガイド位置にある状態において、エッジガイド25における載置面23Aよりも上方へ突出した部分を幅方向Xと直交する仮想面に対して幅方向Xに投影した投影面積を第1面積とする。また、エッジガイド25が図4に示す退避位置にある状態において、エッジガイド25における載置面23Aよりも上方へ突出した部分を上記仮想面に対して幅方向Xに投影した投影面積を第2面積とする。エッジガイド25がガイド位置にあるときの投影面積である第1面積よりも、エッジガイド25が退避位置にあるときの投影面積である第2面積の方が小さい(第1面積>第2面積)。このときの投影面積は、ユーザーが記録装置11の正面側から開口131を介して供給トレイ23の載置面23Aに媒体Mを載置(セット)する際に利用可能な開口131の開口面積のうちユーザーが媒体Mをセットする作業通路として利用できないエッジガイド25が占める占有面積に相当する。このため、エッジガイド25を投影面積が第1面積となるガイド位置から下方へ変位させて、第1面積よりも小さな第2面積となる退避位置へ切り替えることにより、凹部13の正面から媒体Mをセットする際にエッジガイド25に妨げられない作業通路を広く確保する。
図7に示すように、退避機構70は、エッジガイド25を退避位置に保持(ロック)可能な保持機構(ロック機構)を備える。本例では、保持機構の一例としてハートカム機構71を採用する。ハートカム機構71により、操作レバー67を用いてエッジガイド25を押し下げると、エッジガイド25が退避位置に保持(ロック)される。
媒体Mの給送は、図7に示す筐体12の支持面122と支持板61との間に介装されたばね69及び給送モーター410(図5参照)又は不図示のモーターの駆動でホッパー28を上昇させ、ホッパー28上の媒体Mをピックアップローラー41から離間する位置からピックアップローラー41に当接する位置へ切り替え制御することにより行われる。ここで、ユーザーが操作レバー67を操作してエッジガイド25を退避位置へ退避させても、ホッパー28が上昇していると、ホッパー28上への媒体Mのセット作業が困難になる。このため、制御部100が、エッジガイド25の退避機構70により変化する位置を不図示のセンサーにより検知し、その検知結果に基づくエッジガイド25の動作に応じてホッパー28の位置を制御する。ユーザーがエッジガイド25を退避位置へ退避させたときに、これを検知してそのときホッパー28が給送位置にあれば、ホッパー28を待機位置へ移動させ、ユーザーによる媒体Mのセット作業をし易くする。詳しくは、制御部100は、エッジガイド25をガイド位置から退避位置へ移動させる退避動作に応じてホッパー28をピックアップローラー41から離間させ、その後、退避したエッジガイド25を元のガイド位置に戻す操作に応じて、ホッパー28を給送位置へ上昇させるか、印刷開始命令まで待機する。ここで後者の印刷開始命令まで待機する理由は、待機状態でホッパー28上の媒体Mがピックアップローラー41と長時間接触していると、ブリード等の不具合があるためである。
図7に示すように、退避機構70は、支持板61の給送方向Yの上流側端部に設けられたカム軸68と、カム軸68と係合するハートカム72とを有している。カム軸68は、支持板61における操作レバー67の近傍位置から給送方向Yの上流側へ延出するとともにその先端部(後端部)から幅方向Xの内側へ突出する円柱状の軸部からなる。ハートカム72には、カム軸68が係入されるカム溝74が、ハートカム72の周縁に沿う全周に亘って形成されている。カム溝74に係入されたカム軸68は、エッジガイド25が退避操作及び復帰操作される過程で、カム溝74に沿って図7における反時計方向に1周移動し、その1周の移動途中の下端近傍位置のロック位置でエッジガイド25を退避位置に保持するカム位置に配置される。
また、図7に示すように、ハートカム機構71は、ハートカム72と、ハートカム72を背面側から幅方向Xの一方側へ付勢するばね73とを有している。ハートカム72がばね73の弾性力により幅方向Xの一方側に押圧されることにより、カム軸68はカム溝74の底面に押し付けられた状態でカム溝74に沿って移動可能となっている。操作レバー67を上下に操作する過程で、エッジガイド25はガイド位置と退避位置との間を上下に変位し、これに伴いカム軸68がハートカム72のカム溝74に沿って案内される。このとき、エッジガイド25の退避位置でカム軸68がロック位置に配置されることでエッジガイド25はロックされる。
次に、図8を参照してハートカム72の構成について詳しく説明する。図8に示すように、ハートカム72は、その背面の中央部に突設された軸部72Aに外挿されたばね73により、幅方向Xにおいてカム軸68側に付勢されている。ハートカム72のばね73側の背面と反対側となる表面に凹設されたカム溝74は、その上端位置がカム軸68の起点となっている。エッジガイド25がガイド位置にあるときに、カム軸68は起点に位置する。ハートカム72には、カム溝74が、起点から図8における反時計方向にハートカム72の周縁に沿って1周する経路で形成されている。カム溝74は、ハートカム72の起点から反時計方向へ下方に延びる第1溝部74Aと、ハートカム72の下端部に沿って山型の経路を形成する第2溝部74B及び第3溝部74Cとを有している。さらにカム溝74は、第1溝部74Aの下端部に対して第2溝部74B及び第3溝部74Cを間に挟んだ反対側(図8では右側)の下端部から起点に向かって上方へ延び、ハートカム72の幅中心線に対して第1溝部74Aと線対称となる経路を形成する第4溝部74Dを有している。第4溝部74Dは、第1溝部74Aの起点より少し下端寄りの位置で第1溝部74Aと接続されている。カム溝74に係入されたカム軸68は、エッジガイド25がガイド位置から退避位置へ至る下降動作と、退避位置からガイド位置へ至る上昇動作との過程で、図8における起点から第1溝部74A、第2溝部74B、第3溝部74C、第4溝部74Dをこの順番で通り、同図における反時計方向の経路を1周する。
図8において、第1溝部74Aよりも第2溝部74Bの方が溝の深さが深くなっており、第1溝部74Aと第2溝部74Bとの境界には、第2溝部74Bから第1溝部74Aへのカム軸68の移動(逆戻り)を規制する規制面75が形成されている。また、第2溝部74Bの底面は第3溝部74Cへ近づくに連れて溝の深さが徐々に浅くなる登り斜面に形成されており、第3溝部74Cの底面は第4溝部74Dへ近づくに連れて徐々に深くなる下り斜面に形成されている。第4溝部74Dの底面は、第3溝部74Cの下流端部が接続される箇所で第3溝部74Cよりも少し深くなっており、両者の境界には、第4溝部74Dから第3溝部74Cへのカム軸68の移動(逆戻り)を規制する規制面76が形成されている。第4溝部74Dの底面は、その下端部から離れるに連れて深さが徐々に浅くなる登り斜面と、登り斜面を終えた位置(稜線)から第1溝部74Aへ近づくに連れて深さが徐々に深くなる下り斜面とを有している。第1溝部74Aの底面は、第4溝部74Dの上端部が接続される箇所で第4溝部74Dよりも少し深くなっており、両者の境界には、第1溝部74Aから第4溝部74Dへのカム軸68の移動(逆戻り)を規制する規制面77が形成されている。
図7、図9に示すように、エッジガイド25がガイド位置にあるとき、操作レバー67は同図に示す第1操作位置にあり、このときカム溝74に係入されたカム軸68がハートカム72の上端部の起点(図8では起点位置P1)に位置する。ユーザーが操作レバー67を第1操作位置から下方へ押し込んで第2操作位置に移動させると、図10に示すように、エッジガイド25が押し下げられ、ガイド位置から退避位置に配置される。このとき、カム軸68が起点から第1溝部74Aに沿って下端の第2溝部74Bへ至り(図8では位置P2)、この過程で図10に示すようにハートカム72がややエッジガイド25側(左側)へ傾動する。ユーザーが操作レバー67から手を放すと、エッジガイド25はばね66の付勢力により上方へ移動しようとするが、図8に示す規制面75により逆戻りが規制されつつ、第2溝部74Bに沿ってロック位置P3まで少しの距離を上昇する。カム軸68はロック位置P3(図8参照)で第2溝部74Bと第3溝部74Cとの境界の山型の凹部に保持され、それ以上の上方への移動が規制される。この結果、図11に示すように、エッジガイド25は退避位置にロックされる。
そして、ユーザーはエッジガイド25を退避位置に退避させて第1開口131に確保された作業通路を介して媒体Mを供給トレイ23上へセットする。このとき、エッジガイド25が退避位置に保持(ロック)されているため、エッジガイド25又は操作レバー67を退避位置に手で押えて保持する必要がない。このため、ユーザーは必要に応じて両手を使って、媒体Mを供給トレイ23にセットするセット作業を行うことができる。
媒体Mのセット作業を終えたユーザーが操作レバー67を再び押し込むと、カム軸68がロック位置P3から第3溝部74Cに沿って第4溝部74Dの下端(図8では位置P4)まで至り、これによりエッジガイド25の退避位置におけるロックが解除される。この過程で、図12に示すようにハートカム72がエッジガイド25と反対側(図12では右側)へ傾動する。次にユーザーが押し込んだ操作レバー67を放すと、カム軸68が規制面76により第4溝部74Dから第3溝部74Cへの逆戻りが規制されつつ、第4溝部74Dに沿って上昇し、第1溝部74Aに至ると、カム軸68は第1溝部74Aに沿ってその上端まで上昇し、図7、図9に示すようにハートカム72の起点位置P1に復帰する。この過程でエッジガイド25は退避位置からガイド位置へ復帰する。
次に、記録装置11の作用を説明する。
ユーザーは記録装置11に印刷させるときは、カセット22又は供給トレイ23に所望サイズの媒体Mをセットする。カセット22には使用頻度の高い種類およびサイズの媒体Mが収容されている。例えばカセット22内の媒体Mと異なる種類又はサイズの媒体Mに印刷させたい場合、ユーザーは供給トレイ23に媒体Mをセットする。まず、ユーザーは、記録装置11の正面で操作レバー67を図3に示すガイド位置から押し下げて図4に示す退避位置に配置する。このとき、操作レバー67を下端エンドまで押し下げると、その押し下げ動作に連動して退避機構70(ハートカム機構71)が、図9に示す位置状態から図10に示す位置状態へ作動し、エッジガイド25は退避位置に保持(ロック)される。
エッジガイド25をガイド位置から退避位置へ移動させたことは不図示のセンサーにより検知される。制御部100はセンサーからの検知信号に基づきエッジガイド25が退避位置にあることを検知し、かつホッパー28が給送位置にあることを検知すると、給送モーター410を駆動させてホッパー28を給送位置から待機位置へ復帰させる。このため、ユーザーが操作レバー67の操作でエッジガイド25を退避位置へ移動させたときには、ホッパー28がピックアップローラー41から離間した待機位置にあるので、供給トレイ23の載置面23A上への媒体Mのセットがし易くなる。
ユーザーは、エッジガイド25が退避位置に保持された状態で、媒体Mを供給トレイ23の載置面23A上へセットする。媒体Mをセットし終わると、ユーザーは操作レバー67を再び押し込んだ後に手を放す。すると、エッジガイド25の退避位置でのロックが解除され、エッジガイド25が退避位置からガイド位置へ復帰する。次にユーザーは一対のエッジガイド25,26を幅方向Xに位置調整し供給トレイ23上の媒体Mを幅方向Xに位置決めする。ユーザーは媒体Mのセットを終えると、ホスト装置から印刷の実行を指示するか、操作パネル14の操作部15を操作して印刷の実行を指示する。
記録装置11は、例えばホスト装置から印刷データを受信する。印刷データにはカセット22と供給トレイ23とのうち一方の給送元を指定する情報が含まれる。例えば給送元として供給トレイ23が指定されているとする。制御部100は、印刷データの受信により印刷開始の指示を受け付けると、給送モーター410を駆動させ、不図示の昇降機構を介してホッパー28を上昇させる。この結果、供給トレイ23上の媒体Mがピックアップローラー41に押し当てられる。その後、制御部100は、給送モーター410及び不図示の搬送モーターを駆動させて第1給送部40及び搬送ローラー対53を駆動させる。供給トレイ23上の媒体Mはピックアップローラー41の回転により最上位のものから1枚ずつ給送される。このとき、分離機構42により1枚に分離された媒体Mは搬送通路52(特に供給通路521)に沿って記録部54まで給送される。記録部54と対向する位置を通る過程で媒体Mに印刷データに基づく画像が記録(印刷)される。記録後の記録媒体M1は搬送通路52(特に反転搬送通路523)に沿って反転されて排出口29から凹部13内のスタッカー24上へ排出される。
また、カセット22から媒体Mが給送される場合は、カセット22から供給通路522を通って記録部54へ媒体Mが給送され、記録後の記録媒体M1は反転搬送通路523に沿って反転されて排出口29から凹部13内のスタッカー24上へ排出される。媒体Mをセットする際は、カセット22も供給トレイ23も常に記録面を上側にして媒体Mをセットすればよいので、記録面を間違えにくい。ユーザーがハガキやプレプリント紙等の媒体Mへの印刷時に誤った面に印刷するミスプリントを低減できる。
記録装置11では、カセット22、供給トレイ23及びスタッカー24が鉛直方向Zに重なって位置するので、記録装置11の給送方向Yの寸法を比較的短くでき、記録装置11の設置スペースを低減できる。また、カセット22、供給トレイ23及びスタッカー24が鉛直方向Zに重なって位置し、かつ記録装置11の正面側にカセット22の把持部22A及び第1開口131が位置するので、ユーザーは媒体Mのセット及び記録媒体M1の取出しを記録装置11の正面から行うことができる。そのため、ユーザーは媒体Mのセットや記録媒体M1の取出しのために記録装置11の側方へ回り込む必要がないので、記録装置11の側方に作業スペースを設けなくて済み、その分、記録装置11の占有スペースの低減に寄与する。
また、供給トレイ23の上方にはスタッカー24が供給トレイ23の上方を覆う状態に配置されているため、供給トレイ23に媒体Mをセットしたまま放置されても、媒体Mに塵埃が堆積しにくい。このため、媒体Mの給送時にその上面に堆積した塵埃が媒体Mと共に給送部40及び記録部54へ侵入する事態が発生しにくい。この結果、侵入した塵埃が原因で、第1給送部40を構成する各ローラー41,43,44等の摩擦係数の低下や、記録部54のノズルの埃に起因する目詰まりを防止できる。よって、媒体Mの重送、スキュー、搬送位置ずれ及びジャムや、ノズルの目詰まりによる吐出不良に起因する印刷ミス等の不具合が発生しにくくなる。
以上詳述した実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)記録装置11は、媒体Mを載置可能な載置面23Aを有し、媒体Mの供給方向と交差する方向の一方側と、媒体Mの供給方向の上流側との少なくともいずれかが開放されている供給トレイ23(載置部の一例)と、媒体Mを収容するカセット22(媒体収容部の一例)とを備える。また、記録装置11は、供給トレイ23に載置された媒体Mを供給方向に供給する第1給送部40(第1供給部の一例)と、カセット22に収容された媒体Mを供給する第2給送部45(第2供給部の一例)と、供給された媒体Mに記録する記録部と、排出口29から排出された記録後の媒体M1を受けるスタッカー24(受け部の一例)とを備える。カセット22と供給トレイ23とスタッカー24は、鉛直方向Zで重なって配置される。よって、記録装置11の鉛直方向Zと交差する方向のサイズが小さく抑えられる。よって、供給トレイ23とスタッカー24とを備えた構成において、記録装置11の占有スペースを小さく抑えることができる。
(2)記録装置11は、記録された媒体M1を反転を伴って搬送する反転搬送通路523(反転搬送経路の一例)と、反転された媒体M1を排出口29からスタッカー24へ排出する排出ローラー対57(排出部の一例)とを備える。よって、供給トレイ23又はカセット22から給送された媒体Mは、記録部54により記録された後、反転搬送通路523を通って反転されて排出口29からスタッカー24へ排出される。このため、供給トレイ23とスタッカー24を、記録部54に対して同じ側に配置できる。この結果、供給トレイ23とスタッカー24との重なり量を多く確保し易くなる。よって、記録装置11の鉛直方向Zと交差する方向のサイズを小さくでき、これにより記録装置11の占有スペースを小さく抑えることができる。
(3)記録装置11を正面から水平視したとき、供給トレイ23とスタッカー24は、スタッカー24を供給トレイ23に対して鉛直方向Zに投影した場合のスタッカー24の投影領域PA1が供給トレイ23に包含される位置関係に配置されている。よって、供給トレイ23とスタッカー24との重なり量を多く確保できるので、記録装置11の正面から水平視したときの横方向のサイズを小さく抑えられる。この結果、記録装置11の占有スペースを小さく抑えることができる。
(4)記録装置11では、スタッカー24は供給トレイ23の上方を覆う。よって、供給トレイ23に媒体Mが載置されたまま放置されても、媒体Mに塵埃が堆積しにくい。このため、塵埃を巻き込んだローラー41,43,44の摩擦係数の低下に起因して発生する、媒体Mの重送、スキュー、搬送位置ずれ及びジャムや、塵埃に起因する記録部54のノズル目詰まりを低減できる。
(5)記録装置11は、スキャナー本体31を有する画像読取装置30(スキャナーの一例)を備える。記録装置11を正面から水平視したとき、供給トレイ23とスキャナー本体31は、供給トレイ23をスキャナー本体31に対して鉛直方向Zに投影した場合の当該供給トレイ23の投影領域PA2がスキャナー本体31に包含される位置関係に配置されている。すなわち、記録装置11を正面から水平視したとき、スキャナー本体31と供給トレイ23は、スキャナー本体31が供給トレイ23の投影領域PA2を包含する状態で鉛直方向Zに重なる。このため、供給トレイ23とスキャナー本体31との重なり量を多く確保できる。よって、記録装置11を正面から水平視したときの横方向のサイズが小さく抑えられ、これにより記録装置11の占有スペースを小さく抑えることができる。
(6)筐体12はカセット22の上方に、供給トレイ23上の媒体Mの給送方向Yと交差する幅方向Xの一方側(本例では正面側)で第1開口131によって開放され、かつ供給トレイ23上の媒体Mの給送方向Yの上流側で第2開口132によって開放される凹部13を有する。そして、凹部13内で供給トレイ23とスタッカー24は鉛直方向Zに重なる。よって、ユーザーは供給トレイ23への媒体Mの載置及びスタッカー24からの記録媒体M1の取り出しを、記録装置11の正面側から行うことができる。このため、記録装置11の正面からユーザーがアクセスし易く使い勝手がよいうえ、筐体12の側方に確保する必要のあるスペースを少なく済ませられる。よって、記録装置11の占有スペースの低減に寄与する。
(7)供給トレイ23の下側には媒体Mを収容可能なカセット22を備え、鉛直方向Zから見て、カセット22に収容された媒体Mの給送方向Yの下流端位置は、供給トレイ23に載置された媒体Mの給送方向Yの下流端位置よりも、給送方向Yにおいて記録部54側に位置している。そして、第1給送部40と第2給送部45とが、鉛直方向Zに少なくとも一部が同じ高さに位置する状態に配置されている。よって、第1給送部40と第2給送部45とが鉛直方向Zで同じ高さに配置される部分が全くない構成に比べ、記録装置11の鉛直方向Zのサイズ(高さサイズ)を相対的に小さく(低く)抑えることができる。よって、記録装置11の高さ方向における占有スペースを小さく抑えられる。
(8)供給トレイ23は、載置面23A上の媒体Mの給送方向Yにおける下流端が上流端より鉛直方向Zの下側となる姿勢に傾けて配置されている。よって、供給トレイ23に媒体Mを載置する際に先端を揃えて整列させ易いうえ、媒体Mの後端をガイドするための後端エッジガイドを設ける必要がない。供給トレイ23の姿勢が傾くことにより、傾かない場合(例えば水平姿勢をとる場合)に比べ、供給トレイ23の水平方向長さの割に載置できる媒体Mの長さを相対的に長く確保できる。よって、記録装置11の給送方向Yにおけるサイズを小さく抑えられる。これにより記録装置11の給送方向Yにおける占有スペースを小さく抑えることができる。また、供給トレイ23の姿勢が傾くことにより、供給トレイ23の給送方向Yの上流側端部がスタッカー24の上流側端部よりも外側へはみ出る量を零又は少なくできるので、仮に供給トレイ23に媒体Mが載置されたまま放置されても媒体Mに塵埃が堆積しにくい。
(9)供給トレイ23(載置部の一例)から記録部54までの搬送と、カセット22から記録部54までの搬送とで、いずれも媒体Mの反転を伴わない。そのため、ユーザーは常に媒体Mの表裏両面のうち一方の面(本例では上面)に印刷することを意識して印刷する面を上にして媒体Mをセットすればよい。よって、ハガキやプレプリント紙への印刷時にセットする向きを間違って、誤った面に印刷するミスプリントを低減できる。
(10)ユーザーが操作パネル14を操作する際の立ち位置である、記録装置11の正面側から見て、奥行方向が媒体Mの幅方向でかつ横方向が媒体Mの給送方向Y(供給方向)となる向きに供給トレイ23を凹部13内にレイアウトした。このため、媒体Mを側方から確認しながらセットでき、セット作業を確実かつ容易に行うことができるうえ、供給トレイ23から給送された媒体Mを記録後に反転させる反転搬送通路523の採用により、記録媒体M1を供給トレイ23と同じ凹部13内に配置されたスタッカー24上へ排出することができる。
(11)供給トレイ23へ媒体Mをセットするセット作業の際に、供給トレイ23の正面手前側に位置するエッジガイド25が邪魔になる。しかし、本実施形態では、エッジガイド25を、媒体Mを幅方向Xにガイドするときに配置されるガイド位置と、ガイド位置から下方へ変位することにより退避した退避位置とに移動可能に構成した。よって、ユーザーが記録装置11の正面から第1開口131を介して供給トレイ23へ媒体Mをセットする際にエッジガイド25がさほど邪魔にならず、媒体Mのセット作業がし易い。このため、ユーザーが筐体12の側方(第2開口132側)に回り込んで媒体Mをセットするための作業スペースを確保する必要がないので、この点からも、記録装置11の占有スペースの低減に寄与する。
(12)供給トレイ23は、媒体Mが載置される載置面23Aと、載置面23A上の媒体Mを、ピックアップローラー41に接触させる給送位置とピックアップローラー41から離間させる待機位置とに移動可能なホッパー28とを備える。ホッパー28が給送位置にある状態の下で、ユーザーがエッジガイド25をガイド位置から退避位置へ移動させる操作をしたときは、制御部100による制御によって、これに連動してホッパー28を給送位置から待機位置に移動させるように構成した。よって、ユーザーがエッジガイド25を手動でガイド位置から退避位置に移動させると、そのときホッパー28が給送位置にあれば、ホッパー28が給送位置から待機位置に移動し、ピックアップローラー41とホッパー28との間に媒体Mをセット可能な空間が確保されるため、供給トレイ23に媒体Mを載置(セット)し易くなる。
(13)退避機構70は、エッジガイド25を退避位置に保持(ロック)することが可能なロック機能を有するハートカム機構71(保持機構の一例)を有する。よって、供給トレイ23に媒体Mを載置するセット作業の際に、ハートカム機構71のロック機能により、エッジガイド25,26を退避位置に保持できる。このため、ユーザーはエッジガイド25を片手で退避側へ押さえながら媒体Mを片手でセットする必要がなく、必要に応じて両手を使って媒体Mのセットできる。そして、ユーザーが操作レバー67を少し押し込めば、ハートカム機構71のロックが解除されてエッジガイド25,26が退避位置からガイド位置へ復帰するので、エッジガイド25,26を幅方向Xに位置調整して供給トレイ23上の媒体Mを幅方向Xに位置決めできる。よって、供給トレイ23への媒体Mのセット作業がし易い。
(第2実施形態)
次に図13~図18を参照して第2実施形態について説明する。なお、以下の第2~第4実施形態では、エッジガイドの退避機構70の構成のみ異なり、記録装置11の他の構成については前記第1実施形態と同様である。以下、エッジガイド25の退避機構70について詳細に説明する。
図13に示すように、供給トレイ23は、エッジガイド25の下端部側を回動軸としてエッジガイド25を回動させる退避機構70を備えている。退避機構70は、エッジガイド25の下端部に設けられた軸部78と、軸部78が挿通された筒状のガイド部79とを含む。軸部78はエッジガイド25の下端部に給送方向Yに沿って延びる状態で一体形成されており、ガイド部79は、ベース部62(図15参照)の上面に突設されている。エッジガイド25は、退避機構70により、媒体Mを給送方向Yと交差する幅方向Xにガイド可能な図13に示すガイド位置と、図14に示すように軸部78を中心に回動して倒れる退避位置との間で移動する。エッジガイド25をガイド位置から退避位置へ手前側に倒すことにより、エッジガイド25がガイド位置にあるときの前述の投影面積第1面積に比べ、エッジガイド25が退避位置にあるときの前述の投影面積である第2面積を小さくでき、記録装置11の正面から開口131を介して供給トレイ23に媒体Mをセットする際に広めの通路が確保される。なお、第1面積と第2面積は、第1実施形態で定義したとおりである。
ところで、エッジガイド25の退避機構70を図13、図14に示す回動方式にすると、例えば図15に示すように、エッジガイド25がガイド位置にあるときに、ベース部62の上面とエッジガイド25の底面との間に、エッジガイド25及びベース部62の部品公差やガタ等が原因で隙間Gができる。一対のエッジガイド25,26により載置面23A上の媒体Mを幅方向Xに位置決めした際、媒体Mのうち少なくとも1枚が、隙間Gに入り込む。この場合、隙間Gに入り込んだ媒体Mは幅方向Xに位置決めされていないまま給送されることになり、媒体Mの印刷位置ずれ、スキュー及びジャムの発生頻度が高くなる。
隙間Gを極めて小さくすれば、媒体Mが入り込みにくくなるが、そのためにはかなり高い加工精度及び組付精度が要求され、供給トレイ23の製造コストが高くなる恐れがある。そこで、本実施形態では、図16、図17に示すように、隙間への媒体の侵入を防止する媒体侵入防止機構80を設けている。媒体侵入防止機構80は、ベース部62の上面に給送方向Yに沿って並んだ状態で上方へ突出する複数の凸部62Aからなる櫛歯部81と、エッジガイド25の底面から給送方向Yに沿って並んだ状態でベース部62側の複数の凸部62Aとの間の凹部と対応する位置に突出する複数の凸部25Bからなる櫛歯部82とからなる。
エッジガイド25を図17に示す退避位置から図16に示すガイド位置に軸部78を中心に回動させると、双方の櫛歯部81,82が図16に示す遊嵌状態に噛み合うことにより、給送方向Yに沿って真っ直ぐ延びる隙間G(図15)が形成されない。このため、図16に示すように、エッジガイド25がガイド位置に配置された状態では、ベース部62の上面とエッジガイド25の底面との間に形成される隙間G1は、双方の櫛歯部81,82の噛み合いにより凹凸状となる。よって、ベース部62とエッジガイド25との間の凹凸状の隙間G1には、1枚の媒体Mも侵入できない。このため、図18に示すように、供給トレイ23の載置面23A上の媒体Mの全てが、一対のエッジガイド25,26により幅方向Xに位置決めされる。この結果、一対のエッジガイド25,26で幅方向Xに位置決めされた媒体Mを供給トレイ23から給送したときに、印刷位置ずれ、スキュー及びジャムの発生頻度が低減される。
この第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)~(12)と同様の効果が得られる他、以下の効果を得ることができる。
(14)エッジガイド25は、エッジガイド25の下端部側を回動軸として、ガイド位置と退避位置とに移動可能である。退避機構70を、エッジガイド25がベース部62に対してその下端部の軸部97Aを中心に回動する回動方式としたので、比較的簡単な構成によりエッジガイド25をガイド位置と退避位置とに移動可能に構成することができる。エッジガイド25の退避機構70を回動方式とした場合、エッジガイド25とベース部62との間にできた隙間に媒体Mが入り込む心配がある。そこで、本実施形態では、エッジガイド25の底面とベース部62の上面との双方に、エッジガイド25がガイド位置にあるときに噛み合い可能な凸部25B,62Aを設けることにより、媒体侵入防止機構80を設けた。よって、エッジガイド25をベース部62に対して回動可能な回動方式を採用した場合でも、一対のエッジガイド25,26により幅方向Xに位置決めした媒体Mは、凸部25B,62Aの噛み合いによりできた凹凸状の隙間G1に侵入することがない。このため、この種の隙間への媒体の侵入に起因する、印刷位置ずれ、スキュー及びジャム等の不具合を防止することができる。
(第3実施形態)
次に図19~図23を参照して第3実施形態について説明する。この第3実施形態のエッジガイド25の退避機構70は、第2実施形態と同様の回動方式を採用するが、エッジガイド25をガイド位置にロックさせる保持機構90(ロック機構)を有している。
図19に示すように、エッジガイド25の下端部には、給送方向Yに沿って延びる一対の軸部と91と、ベース部62(図22参照)の上面端部における一対の軸部91と対応する位置に突出した一対の筒状のガイド部92とを有している。一対の軸部91が一対のガイド部92にそれぞれ挿通された2つの挿通箇所の間に、保持機構90が設けられている。保持機構90は、ベース部62の上面端部から一方のガイド部92に近い位置に突出する1つの板状のばね受け部94と、ばね受け部94とその近い方のガイド部92に挿通された軸部91の端面との間に装着された例えばコイルばねよりなるばね95とを有している。なお、保持機構90の詳細な構成については後述する。
図19に示すように、エッジガイド25がガイド位置にあるとき、軸部91とガイド部92は、ばね95の弾性力により、軸部91がガイド部92に対してばね95と反対側の方向へ相対移動している同図に示す位置関係に配置される。このとき、ばね95は自然長よりも若干縮んだ伸長状態にある。図19に示す状態では、エッジガイド25は、保持機構90によりロックされ、ベース部62(図22参照)に対して立設するガイド位置に保持されている。
図19に示すガイド位置にあるエッジガイド25を給送方向Yの上流側へ手動で移動させると、図20に示すように軸部91がばね95を圧縮させつつガイド部92に対して上流側(図20では右側)へ移動する。これにより保持機構90のロックが解除される。このため、ユーザーはエッジガイド25を図20に示すガイド位置から図21に示す退避位置へ回動させることができる。
図22に示すように、エッジガイド25は各軸部91の軸方向における一端部の近傍位置に規制面93を有している。一方、ベース部62におけるガイド部92はその長手方向の一端部に、その一部を切り欠いて形成された規制面92Aを有している。保持機構90は、前述のばね受け部94及びばね95の他、これら規制面92A,93も含む。
図19、図23に示すようにエッジガイド25がガイド位置にあるとき、給送方向Yにおいてガイド部92に対して軸部91が両者の規制面92A,93を当接させる位置関係にあり、エッジガイド25は規制面92A,93の当接により回動が規制されたロック状態(保持状態)にある。図20に示すようにエッジガイド25を上流側へ少しスライドさせると、ガイド部92に対して軸部91がばね95を圧縮させる方向へ相対移動し、双方の規制面92A,93が当接しないロック解除状態(保持解除状態)となる。このため、ユーザーは、ロック解除状態にあるときのエッジガイド25を、ガイド位置(図20)と退避位置(図21、図23の二点鎖線)との間で回動させることが可能である。また、図22に示すように、ベース部62の上面に形成された凸部62Aと、エッジガイド25の底面周縁に形成された2つの凸部25Bとにより、凸部25B,62Aの噛み合いにより凹凸状の隙間を形成可能な媒体侵入防止機構80が設けられている。
よって、ユーザーは、エッジガイド25を図19に示すガイド位置から給送方向Yの上流側へ少しスライドさせると、保持機構90のロックが外れる(図20)。このロック解除状態の下で、エッジガイド25を下端部の軸部91を中心に手前側へ回動させて倒すと、退避位置へ移動する(図21)。エッジガイド25が退避位置にある状態では、記録装置11の正面から媒体Mをセットするときの通路が広く確保されるうえ、特にガイド位置へ戻す付勢力が働いていないため、エッジガイド25は退避位置に保持される。このため、ユーザーは媒体Mを供給トレイ23の載置面23Aへ載置する載置作業がし易い。
供給トレイ23上へ媒体Mを載置した後、エッジガイド25を退避位置からガイド位置へ回動させれば、ガイド位置に戻した時点でエッジガイド25はばね95の付勢力によりロック位置へ復帰するので、エッジガイド25はガイド位置に保持(ロック)される。エッジガイド25がガイド位置にあるとき、エッジガイド25の底面とベース部62の上面との間に凸部62A,25Bの噛み合いによる凹凸状の隙間が形成される。よって、ベース部62とエッジガイド25との間の隙間には1枚の媒体Mも侵入できない。このため、供給トレイ23の載置面23A上の媒体Mの全てが、一対のエッジガイド25,26により幅方向Xに位置決めされる。この結果、媒体Mを供給トレイ23から給送したときに、印刷位置ずれ、スキュー及びジャムの発生頻度が低減される。
この第3実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)~(12)及び第2実施形態の効果(14)と同様の効果が得られる他、以下の効果を得ることができる。
(15)エッジガイド25を退避させる退避機構70が回動方式である場合、エッジガイド25が自重や小さな外力で回動する心配があるが、エッジガイド25をガイド位置に保持できる保持機構90を設けた。よって、エッジガイド25を退避させて行う媒体Mのセット作業がし易いばかりでなく、ガイド位置にあるエッジガイド25が自重や小さな外力を受けても回動しないため、エッジガイド25による媒体Mの位置決め作業がし易いうえ、媒体を幅方向Xにしっかりガイドできる。また、媒体侵入防止機構80は、エッジガイド25の底面とベース部62の上面との双方に、エッジガイド25がガイド位置にあるときに噛み合い可能に設けられた凸部25B,62Aにより構成される。よって、媒体侵入防止機構80を比較的簡単に構成することができる。
(第4実施形態)
次に図24~図27を参照して第4実施形態について説明する。この第4実施形態のエッジガイド25の退避機構70は回動方式であるが、第2及び第3実施形態と回動方向が異なる。すなわち、退避機構70は、エッジガイド25の給送方向Yの一端部側を回動軸として、エッジガイド25を回動可能とする回動方式である。
図24に示すように、エッジガイド25は、その長手方向でもある給送方向Yの一端部(図24の例では給送方向Yの下流側端部)を支持する鉛直方向Zに延びる軸部97Aを中心に回動可能に設けられている。図26、図27に示すように、軸部97Aは、ベース部62(図5、図6参照)の上面に固定された支持部材97の長手方向の一端部にその上面から上方へほぼ垂直に突設されている。エッジガイド25は、その長手方向の一端部を支持する軸部97Aを中心に回動することにより、図24に示すガイド位置と、図25に示す退避位置との間を移動可能となっている。また、供給トレイ23には、エッジガイド25をガイド位置にロック(保持)する保持機構90が設けられている。なお、筐体12におけるエッジガイド25と対応する部分には、エッジガイド25の回動時に筐体12との干渉を避けるための凹部123が形成されている。
図26、図27に示すように、エッジガイド25の端部には軸部97Aが挿通される挿通孔25Cが形成され、挿通孔25Cには軸部97Aに対してエッジガイド25を鉛直方向Zの下側へ付勢する例えばコイルばねからなるばね98が挿着されている。ばね98は、軸部97Aの上端部とエッジガイド25における挿通孔25Cの底部との間に少し圧縮された状態で挿着されている。支持部材97の上面にはその長手方向に軸部97Aと反対側となる端部に係止突起97Bが形成されている。エッジガイド25の底面には、支持部材97の係止突起97Bと対応する箇所に丸穴状の係止凹部25Dが形成されている。そして、ばね98、係止突起97B及び係止凹部25Dにより、エッジガイド25をガイド位置に保持(ロック)する保持機構90が構成されている。
図25に示すように、エッジガイド25がガイド位置にあるとき、エッジガイド25はばね98の付勢力で軸部97Aに対して相対的に下側へ変位し、係止突起97Bが係止凹部25Dと係合することによりガイド位置に保持(ロック)される。そして、エッジガイド25を図26に白抜き矢印で示す方向へばね98の付勢力に抗して持ち上げると、エッジガイド25は図27に示すロック解除位置に配置される。図27に示すように、エッジガイド25がロック解除位置に持ち上げられた状態では、係止突起97Bと係止凹部25Dとの係合が外れ、エッジガイド25をガイド位置と退避位置との間で移動させることが可能になる。なお、エッジガイド25の底面と支持部材97の上面との双方に、エッジガイド25をガイド位置に移動させた状ときに互いに噛み合う凸部を形成し、ガイド位置にあるときのエッジガイド25と支持部材97との間に凹凸状の隙間を形成可能な媒体侵入防止機構を設けてもよい。
よって、ユーザーは、図24、図26に示すガイド位置にあるエッジガイド25を少し上方へ持ち上げると、保持機構90のロックが外れる(図27)。このロック解除状態の下で、エッジガイド25を、エッジガイド25の給送方向Yの下流端部を回動軸とする軸部97Aを中心に手前側へ回動させることにより図25に示す退避位置へ移動させる。エッジガイド25が退避位置にある状態では、エッジガイド25がガイド位置にあるときの前述の投影面積である第1面積に比べ、エッジガイド25が退避位置にあるときの前述の投影面積である第2面積を小さくすることができる。よって、エッジガイド25をガイド位置から退避位置へ移動させれば、記録装置11の正面から開口131を介して供給トレイ23に媒体Mをセットする際に広めの通路が確保される。
供給トレイ23上へ媒体Mをセットした後、エッジガイド25を少し持ち上げて退避位置からガイド位置へ回動させた後、エッジガイド25を指から放せば、ばね98の付勢力によりエッジガイド25は下降し、係止突起97Bと係止凹部25Dとの係合によりガイド位置でロックされる。また、エッジガイド25がガイド位置にあるとき、不図示の媒体侵入防止機構により、エッジガイド25の底面と支持部材97の上面との間に不図示の凸部の噛み合いによる凹凸状の隙間が形成される。よって、エッジガイド25と支持部材97との隙間に1枚の媒体Mも侵入できないため、供給トレイ23の載置面23A上の媒体Mの全てが、一対のエッジガイド25,26により幅方向Xに位置決めされる。この結果、媒体Mを供給トレイ23から給送したときに、印刷位置ずれ、スキュー及びジャムの発生頻度が低減される。
この第4実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)~(12)と同様の効果が得られる他、以下の効果を得ることができる。
(16)エッジガイド25の退避機構70を、エッジガイド25を給送方向Yの一端部を回動軸として軸部97Aを中心に回動可能な回動方式としたので、比較的簡単な構成によりエッジガイド25をガイド位置と退避位置とに移動可能に構成することができる。また、退避機構70が回動方式である場合、エッジガイド25が自重や小さな外力で回動する心配があるが、エッジガイド25をガイド位置に保持できる保持機構90を設けた。よって、エッジガイド25を退避させて行う媒体Mのセット作業がし易いばかりでなく、ガイド位置にあるエッジガイド25が自重や小さな外力を受けても回動しないため、エッジガイド25による媒体Mの幅方向Xへの位置決め作業がし易いうえ、媒体Mを幅方向Xにしっかりガイドできる。
なお、上記実施形態は以下の形態に変更することもできる。
・第2~第4実施形態において、エッジガイド25を退避位置に保持する保持機構を設けてもよい。
・エッジガイド25を退避位置に保持する保持機構(第1実施形態)又はエッジガイド25をガイド位置に保持する保持機構(第3、第4実施形態)は、マグネットの磁力で保持する構成でもよい。退避位置に保持する保持機構では、エッジガイド25の外側側面と筐体12の凹部123の内底面(上面)との一方にマグネット、他方に強磁性体(例えば強磁性の金属)を設ける。ガイド位置に保持する保持機構では、エッジガイド25とベース部62との対向面にマグネットと強磁性体とを設ける。また、保持機構は、フックやスナップフィットによりエッジガイドを退避位置又はガイド位置に保持する構成でもよい。
・退避機構70は、保持機構を有しない構成でもよい。第1実施形態でロック機構を有しない場合、エッジガイド25を退避位置に手で押さえながら媒体Mのセット作業を行うことはできる。
・エッジガイド25の退避機構70を回動方式とした場合、エッジガイド25がばねの付勢力でガイド位置に復帰する復帰機構を設けてもよい。
・第4実施形態において、エッジガイド25を給送方向Yの上流側端部を回動軸として回動させることで、ガイド位置と退避位置とに移動可能に構成してもよい。
・前記各実施形態において、エッジガイドをガイド位置から退避位置に移動させる退避機構を廃止してもよい。
・供給トレイ23(載置部)とスタッカー24(受け部)は、鉛直方向Zに少なくとも一部重なっていればよい。前記実施形態では、正面視で、鉛直方向Zに重なる載置部と受け部のうち一方に対して他方を鉛直方向Zに投影した際に一方に包含される他方の投影領域の占める割合を8割以上かつ10割以下としたが、8割未満でもよい。また、載置部と受け部のうち一方に対して他方を鉛直方向Zに投影した際に一方に包含される他方の投影領域の占める割合は、給送方向Yと幅方向X共に8割以上でもよい。さらに、載置部と受け部のうち一方に対して他方を鉛直方向Zに投影した投影面積を、一方に対する他方の割合で、8割以上かつ10割未満としたが、8割未満でもよいし10割でもよい。
・載置部(供給トレイ23)と受け部(スタッカー24)のうち少なくとも一方が開口131,132のうち少なくとも一方から外側へ一部突出していてもよい。例えば載置部と受け部との少なくとも一方が正面側の開口131から一部突出していても、その正面側はユーザーが立つスペースを元々確保する必要があるので、記録装置11の占有スペースの増大に繋がらない。また、例えば載置部と受け部との少なくとも一方が側面側の開口132から一部突出していても、載置部と受け部との少なくとも一方がほぼ全部突出している構成に比べ、記録装置11の占有スペースを相対的に小さく抑えることができる。
・載置部の一例である供給トレイ23は、載置面23A上の媒体Mの給送方向Yと交差する方向(例えば幅方向X)の両側又は一方側のみ開放されてもよい。この場合、供給トレイ23は、幅方向Xの一方側のみ開放されていてもよいし、幅方向Xの両側が共に開放されていてもよい。なお、記録装置11の正面側が開放されていることが好ましい。また、供給トレイ23は、媒体Mの給送方向Yの上流側だけ開放されていてもよい。さらに、供給トレイ23は、媒体Mの給送方向Yと交差する方向(例えば幅方向X)と給送方向Yの上流側とが共に開放されてもよい。この場合、幅方向Xについては一方側のみの開放でもよいし、両側開放でもよい。
・筐体12の外側面(側周面)のうち開口により開放される面の数及び面の位置は適宜変更できる。前記各実施形態において、凹部13の背面の部分も開口により開放し筐体12の三側面が開口により開放されてもよい。また、筐体12の二側面が開口により開放される場合、筐体12の正面と背面の二面が開口により開放されたり、筐体12の側面と背面の二面が開口により開放されたりしてもよい。また、印刷機能部21を正面から見て筐体12の右側に配置し、筐体12の正面と左側面が開口により開放される構成でもよい。さらに、筐体12の一側面のみ開口により開放されてもよい。例えば、筐体12の正面のみが開口131により開放されたり、筐体12の左側面又は右側面のみ開口132により開放されたり、筐体12の背面のみ開口により開放されたりしてもよい。なお、複数の開口は、筐体12の開口のある面が隣り合えば連続して開放することが望ましい。また、筐体12の少なくとも正面が開口により開放され、記録装置の正面の開口を介して凹部内の載置部及び受け部にアクセスできることが好ましい。
・供給トレイ23とスタッカー24との鉛直方向Zにおける位置関係を逆にしてもよい。すなわち、供給トレイ23がスタッカー24よりも上方に位置してもよい。この構成でも、記録装置11の占有スペースを小さく抑えることができる。また、供給トレイ23に媒体Mが載置されたまま放置されても、その上方が画像読取装置30に覆われているので、供給トレイ23上の媒体Mに塵埃が堆積しにくい。
・媒体収容部の一例であるカセット22と、載置部の一例である供給トレイ23と、受け部の一例であるスタッカー24との鉛直方向Zの順番は任意に変更できる。例えば、カセット22を一番上に配置し、カセット22の下方に供給トレイ23およびスタッカー24が配置されてもよい。また、鉛直方向Zにおいて、供給トレイ23とスタッカー24との間にカセット22が配置されてもよい。
・載置部を、積載した媒体Mを1枚ずつ給送可能なホッパー28を備えていない手差し部(手差しトレイ)としてもよい。媒体Mを1枚ずつセットする手差し部であっても、記録装置11の占有スペースを小さく抑えることはできる。
・載置部(例えば供給トレイ23)からの媒体Mの供給方向及び受け部(例えばスタッカー24)への記録媒体M1の排出方向は、記録装置11の正面から見て横方向に限定されず、奥行方向であってもよい。この場合、媒体収容部(例えばカセット22)を把持部22Aが正面手前側となる向きに配置して媒体収容部からの媒体Mの供給方向も奥行方向とすることが望ましい。また、媒体収容部の給送方向、載置部の供給方向および受け部の排出方向が、記録装置11の正面視で、横方向と奥行方向の両方に交差する斜め方向であってもよい。これらの構成でも、記録装置11の正面の開口131を介して載置部への媒体Mの載置及び受け部からの記録媒体の取出しを行うことができる。そして、媒体収容部(例えばカセット22)と載置部と受け部とが鉛直方向Zで重なるので、記録装置11の占有スペースを小さく抑えることができる。
・記録装置11は、インクジェットプリンターに限らず、例えばドットインパクトプリンター、熱転写式プリンター及び電子写真式プリンター(例えばレーザープリンター)でもよい。
・記録装置11は、シリアル記録方式やライン記録方式に限らず、記録部を構成する記録ヘッドがキャリッジと共に主走査方向と副走査方向との2方向に移動可能なラテラルスキャン方式でもよい。
・記録装置11は、印刷機能を含む複数の機能を有する複合機に限定されず、画像読取装置を有しない印刷機能のみを備えたプリンターでもよい。この場合、記録装置11は、鉛直方向Zに重なる供給トレイ23とスタッカー24のうち上側に配置される一方の上方を覆う部材または延出部を筐体12が備える構成でもよい。
・記録装置11は、カセット等の媒体収容部を備えない複合機又はプリンターでもよい。
・記録装置11は、用紙やフィルム等の媒体に画像等を記録する記録装置に限らず、印刷技術(インクジェット技術)を用いて、部品、半製品、製品等のシート状物品の製造に使用される工業用の印刷装置でもよい。この種の工業用の印刷装置としては、例えば、液晶、EL(エレクトロルミネッセンス)又は面発光等のディスプレイの製造などに用いられるシート状の基板に電極材や色材(画素材料)などの材料を含む液状体を吐出する液体吐出装置が挙げられる。さらに記録装置は、樹脂液等の液体を吐出してシート状の3次元造形物を製造する3次元用インクジェットプリンターでもよい。
11…記録装置(複合機)、12…筐体、13…凹部、131…開口の一例としての第1開口、132…開口の一例としての第2開口、14…操作パネル、15…操作部、16…表示部、20…記録装置、21…印刷機能部、22…媒体収容部の一例としてのカセット、23…載置部の一例としての供給トレイ、23A…載置面、24…受け部の一例としてのスタッカー(排出スタッカー)、24A…受け面、25…エッジガイド、26…エッジガイド、27…給送口、28…ホッパー、29…排出口、30…画像読取装置、31…本体(スキャナー本体)、32…自動給送装置、40…供給部および第1供給部の一例としての第1給送部、41…供給部を構成するローラーの一例であるピックアップローラー、42…分離機構、43…給送ローラー、44…リタードローラー、45…第2供給部の一例としての第2給送部、46…ピックアップローラー、47…分離機構、48…給送ローラー、49…リタードローラー、50…印刷機構、51…搬送部、52…搬送経路の一例としての搬送通路、523…反転搬送経路の一例としての反転搬送通路、53…ローラー対、54…記録部、55…支持台、56…搬送ローラー対(ローラー対)、57…排出部の一例としての排出ローラー対、62…載置部を構成するベース部、67…操作レバー、70…退避機構、78…軸部、79…ガイド部、80…媒体侵入防止機構、90…保持機構、91…軸部、92…ガイド部、97A…軸部、100…制御部、410…給送モーター、100…制御部、M…媒体、M1…記録後の媒体の一例としての記録媒体、X…供給方向と交差する方向の一例としての幅方向、Y…供給方向の一例としての給送方向、Z…鉛直方向、PA1…載置部に対する受け部の投影領域の一例としての受け面の投影領域、PA2…スキャナーに対する載置部の投影領域の一例としての載置面の投影領域、PA3…スキャナーに対する受け部の投影領域の一例としての受け面の投影領域、TA…供給トレイの配置領域、SA…スキャナー本体の配置領域、G1…凹凸状の隙間。

Claims (16)

  1. 媒体を載置可能な載置面を有し、当該載置面上の媒体の供給方向と交差する方向の一方側と、当該媒体の供給方向の上流側との少なくともいずれかが開放されている載置部と、
    媒体を収容する媒体収容部と、
    前記載置部に載置された媒体を供給方向に供給する第1供給部と、
    前記媒体収容部に収容された媒体を供給する第2供給部と、
    供給された媒体に記録する記録部と、
    記録後の媒体を受ける受け部と、
    記録された媒体を反転させて前記記録部が記録可能な記録位置へ再供給する反転搬送経路と、を備え、
    前記媒体収容部と前記載置部と前記受け部は、鉛直方向で重なって配置され
    前記記録部は、前記媒体収容部に対して、鉛直方向に重ならずかつ前記供給方向の下流側にずれて位置し、
    前記反転搬送経路は、前記記録部の下方に位置し、かつ前記媒体収容部を前記供給方向に投影した投影領域と重なる部分が生じる高さ位置に配置されていることを特徴とする記録装置。
  2. 媒体を載置可能な載置面を有し、当該載置面上の媒体の供給方向と交差する方向の一方側と、当該媒体の供給方向の上流側との少なくともいずれかが開放されている載置部と、
    媒体を収容する媒体収容部と、
    前記載置部に載置された媒体を供給方向に供給する第1供給部と、
    前記媒体収容部に収容された媒体を供給する第2供給部と、
    供給された媒体に記録する記録部と、
    記録後の媒体を受ける受け部と、
    前記載置面に載置された前記媒体を供給方向と交差する幅方向にガイド可能なエッジガイドと、を備え、
    前記媒体収容部と前記載置部と前記受け部は、鉛直方向で重なって配置され
    前記エッジガイドは、前記媒体を前記幅方向にガイドするときに配置されるガイド位置と、前記ガイド位置から回動又は下方へ変位することにより退避した退避位置とに前記載置部に対して移動可能に構成されており、
    前記エッジガイドを前記載置部に対して前記退避位置に移動させた状態でロックするロック機構を有することを特徴とする記録装置。
  3. 媒体を載置可能な載置面を有し、当該載置面上の媒体の供給方向と交差する方向の一方側と、当該媒体の供給方向の上流側との少なくともいずれかが開放されている載置部と、
    媒体を収容する媒体収容部と、
    前記載置部に載置された媒体を供給方向に供給する第1供給部と、
    前記媒体収容部に収容された媒体を供給する第2供給部と、
    供給された媒体に記録する記録部と、
    記録後の媒体を受ける受け部と、
    前記載置面に載置された前記媒体を供給方向と交差する幅方向にガイド可能なエッジガイドと、を備え、
    前記媒体収容部と前記載置部と前記受け部は、鉛直方向で重なって配置され
    前記エッジガイドは、前記媒体を前記幅方向にガイドするときに配置されるガイド位置と、前記ガイド位置から回動又は下方へ変位することにより退避した退避位置とに前記載置部に対して移動可能に構成されており、
    前記エッジガイドは、当該エッジガイドの下端部側又は前記供給方向の一端部側を回動軸として、前記ガイド位置と前記退避位置とに回動可能であり、
    前記エッジガイドを前記ガイド位置にロックするロック機構を有することを特徴とする記録装置。
  4. 媒体を載置可能な載置面を有し、当該載置面上の媒体の供給方向と交差する方向の一方側と、当該媒体の供給方向の上流側との少なくともいずれかが開放されている載置部と、
    媒体を収容する媒体収容部と、
    前記載置部に載置された媒体を供給方向に供給する第1供給部と、
    前記媒体収容部に収容された媒体を供給する第2供給部と、
    供給された媒体に記録する記録部と、
    記録後の媒体を受ける受け部と、
    前記載置面に載置された前記媒体を供給方向と交差する幅方向にガイド可能なエッジガイドと、を備え、
    前記媒体収容部と前記載置部と前記受け部は、鉛直方向で重なって配置され
    前記エッジガイドは、前記媒体を前記幅方向にガイドするときに配置されるガイド位置と、前記ガイド位置から回動又は下方へ変位することにより退避した退避位置とに移動可能に構成されており、
    前記エッジガイドは、当該エッジガイドの下端部側又は前記供給方向の一端部側を回動軸として、前記載置部の上面に対して前記ガイド位置と前記退避位置とに回動可能であり、
    前記載置部の上面に形成された凹凸と、前記エッジガイドの底面部に形成された凹凸とが、前記エッジガイドが前記ガイド位置にある状態で噛み合い可能に構成されていることを特徴とする記録装置。
  5. 媒体を載置可能な載置面を有し、当該載置面上の媒体の供給方向と交差する方向の一方側と、当該媒体の供給方向の上流側との少なくともいずれかが開放されている載置部と、
    媒体を収容する媒体収容部と、
    前記載置部に載置された媒体を供給方向に供給する第1供給部と、
    前記媒体収容部に収容された媒体を供給する第2供給部と、
    供給された媒体に記録する記録部と、
    記録後の媒体を受ける受け部と、
    前記載置面に載置された前記媒体を供給方向と交差する幅方向にガイド可能なエッジガイドと、
    前記載置面に載置された前記媒体を、前記第1供給部を構成するローラーに接触させる給送位置と前記ローラーから離間させる待機位置とに移動可能なホッパーと、を備え、
    前記媒体収容部と前記載置部と前記受け部は、鉛直方向で重なって配置され
    前記エッジガイドは、前記媒体を前記幅方向にガイドするときに配置されるガイド位置と、前記ガイド位置から回動又は下方へ変位することにより退避した退避位置とに移動可能に構成されており、
    前記ホッパーが前記給送位置にある状態で前記エッジガイドが前記ガイド位置から前記退避位置へ移動したことを検知すると、前記ホッパーを前記給送位置から前記待機位置に移動させる制御部を備えることを特徴とする記録装置。
  6. 記録された媒体を反転を伴って搬送する反転搬送経路と、
    反転された媒体を排出口から前記受け部へ排出する排出部と、を備えることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の記録装置。
  7. 正面から水平視したとき、前記載置部と前記受け部は、前記受け部を前記載置部に対して鉛直方向に投影した場合の当該受け部の投影領域が前記載置部に包含される位置関係に配置されていることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の記録装置。
  8. 前記受け部は前記載置部の上方を覆うことを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  9. スキャナーを備え、
    正面から水平視したとき、
    前記載置部と前記スキャナーは、前記載置部を前記スキャナーに対して鉛直方向に投影した場合の当該載置部の投影領域が前記スキャナーに包含される位置関係に配置されていることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか一項に記載の記録装置。
  10. 前記載置部は、載置された前記媒体の供給方向における下流端が上流端より鉛直方向の下側となる姿勢に傾いていることを特徴とする請求項1~請求項のいずれか一項に記載の記録装置。
  11. 前記媒体収容部に収容された媒体の供給方向の下流端位置は、前記載置部に載置された媒体の供給方向の下流端位置よりも、前記供給方向において前記記録部側に位置し、
    前記第1供給部と前記第2供給部は、互いの少なくとも一部が前記鉛直方向に同じ高さに位置する状態に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
  12. 前記載置部は、前記媒体を供給方向と交差する幅方向にガイド可能なエッジガイドを備え、
    前記エッジガイドは、前記媒体を前記幅方向にガイドするときに配置されるガイド位置と、前記ガイド位置から回動又は下方へ変位することにより退避した退避位置とに移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の記録装置。
  13. 前記エッジガイドを前記退避位置に保持する保持機構を有することを特徴とする請求項12に記載の記録装置。
  14. 前記エッジガイドは、当該エッジガイドの下端部側又は前記供給方向の一端部側を回動軸として、前記ガイド位置と前記退避位置とに回動可能であり、
    前記エッジガイドを前記ガイド位置に保持する保持機構を有することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の記録装置。
  15. 前記エッジガイドは、当該エッジガイドの下端部側又は前記供給方向の一端部側を回動軸として、前記ガイド位置と前記退避位置とに回動可能であり、
    前記載置部の上面部と前記エッジガイドの底面部とには、前記エッジガイドが前記ガイド位置にある状態で噛み合い可能な凹凸が形成されていることを特徴とする請求項12~請求項14のいずれか一項に記載の記録装置。
  16. 前記載置部は、前記載置部に載置された前記媒体を、前記第1供給部を構成するローラーに接触させる給送位置と前記ローラーから離間させる待機位置とに移動可能なホッパーを備え、
    前記ホッパーが前記給送位置にある状態で前記エッジガイドが前記ガイド位置から前記退避位置に移動すると、前記ホッパーを前記給送位置から前記待機位置に移動させることを特徴とする請求項12~請求項15のいずれか一項に記載の記録装置。
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