JP7043098B2 - キナーゼ活性を阻害するためのジアニリノピリミジン系化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬分野に属する。具体的には、本発明は、プロテインチロシンキナーゼに対して阻害活性を有するジアニリノピリミジン系化合物、それらを含む医薬組成物、ならびにそれらの調製方法および使用に関する。
退形成性リンパ腫キナーゼ(Anaplastic lymphoma kinase,ALK)は、インスリン受容体スーパーファミリーに属する受容体型プロテインチロシンキナーゼである。それは、1994年、MorrisとShiotaらによって、分化大細胞型リンパ腫(Anaplastic large cell lymphoma,ALCL)における染色体再構成の産物として発見された。最もよく見られる融合方式は、第5染色体のNPM(Nucleophosmin)遺伝子が第2染色体のALK遺伝子と融合する。ALK陽性のALCL患者のほぼ75%は、NPM-ALK融合タンパク質が検出された。
その後の研究より、炎症性筋線維芽細胞腫やびまん性大細胞型B細胞リンパ腫などのさまざまな癌に、異なるALK融合方式が存在することが分かった。それにもかかわらず、抗腫瘍薬の有効な標的としてのALKキナーゼの重要性は、完全に認識されていなかった。2007年にSodaらは、非小細胞肺癌(non-small-cell lung cancer,NSCLC)におけるEML4-ALK融合タンパク質の発生率が5%であることを判明することまでに、ALKキナーゼは、抗腫瘍薬のターゲットとしての重要性が強調された。これは、世界中の癌患者の中で、肺癌が第1位にランクされているためである。米国では毎年8,000件を超える新しいALK陽性肺癌の症例があり、中国では毎年新しい症例が65,000件を超え、且つ世界中の肺癌の5年生存率はわずか15%である。EML4-ALK遺伝子陽性の患者が一般に上皮成長因子受容体(Epidermal growth factor receptor,EGFR)またはKirstenラット肉腫ウイルス(Kirsten rat sarcoma virus,KRAS)変異を持たないため、EML4-ALK融合遺伝子が非小細胞肺癌のユニークな分子標的になることは、注目されている。そのほか、ALK遺伝子の増幅または点突然変異は、神経芽細胞腫(Neuroblastomas)、未分化甲状腺癌(anaplastic thyroid cancer)および卵巣癌(ovarian cancer)で発見された。
ALK融合遺伝子を標的とする世界初の小分子阻害剤クリゾチニブ(Crizotinib,Xalkori)は、ファイザーによって開発された第一世代のALK阻害剤である。しかしながら、クリゾチニブはALK+NSCLCの患者で60~74%の客観的応答率および良好な無増悪生存期間の中央値(8-11ヶ月)を達成したが、ほとんどの患者は治療の1年後に再発し、つまり、獲得耐性が生じた。ALK融合遺伝子の強化、シグナル伝達バイパスの活性化、ALKキナーゼ領域の二次変異、およびその他のメカニズムを含む、クリゾチニブに対する獲得耐性のメカニズムは特定されている。ALK陽性患者の約40%は、クリゾチニブ治療を受けた当初、客観的な応答がなく、クリゾチニブ耐性患者の3分の1は、二次変異が発生し、二次耐性(secondary resistance)を誘発する。
セリチニブ(Ceritinib,Zykadia,ノバルティス社)やアレクチニブ(Alectinib,Alecensa,ロシュ社)などの複数の第2世代のALK阻害剤は、クリゾチニブ治療に対する薬剤耐性の欠点を効果的に克服できる。しかし、これらの第2世代の阻害剤は、ほとんどのクリゾチニブ耐性変異を効果的に克服できるが、一部の変異にはまだ効果がない。例えば、セリチニブはF1174C/Vに治療効果がなく、アレクチニブはI1171N/T/Sに治療効果がなく、またどちらもG1202Rに治療効果がない。したがって、より効果的で安全な新規ALK阻害剤の開発が切望されている。
本発明は、より良好なALKキナーゼ阻害活性、および薬剤耐性変異L1196Mに対する高い選択性を有し、ALKキナーゼによる疾患の治療、予防および緩和に用いられる新規ジアニリノピリミジン系化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物、調製方法及び使用を提供する。
これに関して、本発明は、以下の技術構成を採用する。
本発明の第1の態様では、式(I)で表れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体を提供する。
Figure 0007043098000001
ただし、
およびRは、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、RおよびRは、それらが結合している原子とともに5~7員の縮合環を形成していてもよく;
連結基Wは、以下の1)~2)から選択され、
1)C-Cアルキレン、C-Cアルケニレン、C-Cアルキニレン、C-Cカルボシクリレン、3~10員ヘテロシクリレン、C-C14アリーレンまたは5~10員のヘテロアリーレン;ここで、Wがベンゼン環に結合している原子はCである必要があり;ここで、上記の基は、1つまたは複数のRで置換されていてもよく;
2)-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)N(R)-;
は、H、ハロゲン、-CN、-NO、オキソ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cアルコキシからなる群から選択され;
は、H、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルからなる群から選択され;
およびRは、独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルを形成し;
は、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-Cハロアルコキシ、置換されていてもよいC-Cアルケニルオキシ、または置換されていてもよい3~7員シクロアルキルオキシからなる群から選択され;
は、化学的に許容される限り、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-R、-CN、-NO、-OH、-SH、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NRR、-NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)NRR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)NRR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)NRR、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NRR、-S(=O)R、-S(=O)OR、-S(=O)NRR、-S(=O)R、-S(=O)OR、-S(=O)NRR、-SC(=O)R、-SC(=O)OR、または-SC(=O)NRRからなる群から選択され;ここで、Rは独立して、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-C10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C-C14アリール、または5~10員ヘテロアリールであり;2つの隣接するRはともに、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、置換されていてもよい5~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC-C14アリール、または置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールを形成していてもよい。
別の態様では、本発明は、本発明の化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、有効量で前記の医薬組成物に提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、治療有効量で提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、予防有効量で提供される。
別の態様では、本発明は、薬学的に許容される賦形剤を本発明の化合物と混合して医薬組成物を形成することを含む上記の医薬組成物を調製する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、本発明の化合物ならびに薬学的に許容される賦形剤を含み、さらに他の治療剤を含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、被験者に有効量の本発明の化合物を投与することを含む、それを必要とする被験者におけるALK変異による癌関連病症を治療する方法を提供する。特定の実施形態において、前記の癌は、非小細胞肺癌、乳癌、神経腫瘍(例えば、膠芽細胞腫および神経芽細胞腫);食道癌、軟部組織癌(例えば、横紋筋肉腫など);未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)として知られている非ホジキンリンパ腫(NHL)のようなさまざまな形態のリンパ腫;さまざまな形態の白血病からなる群から選択される。好ましい実施形態において、非小細胞肺癌は、ALK陽性非小細胞肺癌である。特定の実施形態において、経口、皮下、静脈内、または筋肉内で前記の化合物を投与される。特定の実施形態において、前記の化合物は長期間投与される。
本発明の他の目的および利点は、以下の特定の実施形態、実施例および特許請求の範囲から当業者に明らかになるである
定義
化学定義
以下、具体的な官能基と化学用語の定義についてより詳細に説明する。
数値の範囲が挙げられる場合、その範囲内の各値および部分範囲を含む。例えば、「C-Cアルキル基」は、C、C、C、C、C、C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、およびC-Cのアルキル基を含む。
本明細書中に記載される場合、以下に定義される基のいずれかは、種々の置換基で置換され得ること、およびそれぞれの定義は、以下に記載されるようなそれらの範囲内の置換された基を含むことが、理解されるべきである。他に記載されない限り、用語「置換」は、以下に記載されるように定義される。
「C-Cアルキル基」とは、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝の飽和炭化水素基を指し、本明細書中では「低級アルキル基」とも称される。一部の実施形態において、C-Cアルキル基は特に好ましい。前記のアルキル基の例として、メチル(C)、エチル(C)、n-プロピル(C)、イソプロピル(C)、n-ブチル(C)、tert-ブチル(C)、sec-ブチル(C)、iso-ブチル(C)、n-ペンチル(C)、3-ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3-メチル-2-ブタニル(C)、第3級アミル(C)、およびn-ヘキシル(C)が挙げられるが、これらに限定されない。別段特定されない限り、各アルキル基は、独立して、置換されてもよく、すなわち、置換されない(「非置換アルキル基」)か、または、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基のような1個以上の置換基で置換されている(「置換アルキル基」)。一部の実施形態において、アルキル基は、非置換C-Cアルキル(例えば、-CH)である。一部の実施形態において、アルキル基は、置換C-Cアルキル基である。
「C-Cアルケニル基」とは、2~6個の炭素原子と1個以上の炭素-炭素二重結合(例えば、1個、2個または3個の炭素-炭素二重結合)を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を指す。1個以上の炭素-炭素二重結合は、内部に存在し得る(例えば、2-ブテニル)か、または末端に存在し得る(例えば、1-ブテニル)。一部の実施形態において、C2-4アルケニル基は特に好ましい。前記のアルケニル基の例として、エテニル(C)、1-プロペニル(C)、2-プロペニル(C)、1-ブテニル(C)、2-ブテニル(C)、ブタジエニル(C)、ペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)等が挙げられるが、これらに限定されない。別段特定されない限り、各アルケニル基は、独立して、置換されてもよく、すなわち、置換されない(「非置換アルケニル基」)か、または、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基のような1個以上の置換基で置換されている(「置換アルケニル基」)。一部の実施形態において、アルケニル基は、非置換C2-6アルケニル基である。一部の実施形態において、アルケニル基は、置換C2-6アルケニル基である。
「C-Cアルキニル基」とは、2~6個の炭素原子、1個以上の炭素-炭素三重結合(例えば、1個、2個または3個の炭素-炭素三重結合)、および必要に応じて、1個以上の炭素-炭素二重結合(例えば、1個、2個または3個の炭素-炭素二重結合)を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を指す。一部の実施形態において、C2-4アルキニル基は特に好ましい。一部の実施形態において、アルキニル基は、二重結合を全く含まない。1個以上の炭素-炭素三重結合は、内部に存在し得る(例えば、2-ブチニル)か、または末端に存在し得る(例えば、1-ブチニル)。前記のアルキニル基の例として、エチニル(C)、1-プロピニル(C)、2-プロピニル(C)、1-ブチニル(C)、2-ブチニル(C)、ペンチニル(C)、3-メチルブト-1-イニル(C)、ヘキシニル(C)等が挙げられるが、これらに限定されない。別段特定されない限り、各アルキニル基は、独立して、置換されてもよく、すなわち、置換されない(「非置換アルキニル基」)か、または、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基のような1個以上の置換基で置換されている(「置換アルキニル基」)。一部の実施形態において、アルキニル基は、非置換C2-6アルキニル基である。一部の実施形態において、アルキニル基は、置換C2-6アルキニル基である。
「C-Cアルコキシ基」とは、-OR基を指し、ここで、Rは、置換もしくは非置換C-Cアルキル基である。一部の実施形態において、C-Cアルコキシ基は特に好ましい。具体的に、前記のアルコキシ基として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、および1,2-ジメチルブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
「C-Cアルキルチオ基」とは、-SR基を指し、ここで、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル基である。一部の実施形態において、C-Cアルキルチオ基は特に好ましい。具体的に、前記のC-Cアルキルチオ基として、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、および1,2-ジメチルブチルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
「C-Cアルキルアミノ基」とは、-NHRまたは-NR基を指し、ここで、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル基である。一部の実施形態において、C-Cアルキルアミノ基は特に好ましい。具体的に、前記のC-Cアルキルアミノ基として、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、およびジエチルアミノが挙げられるが、これらに限定されない。
「C-Cアルカノイル基」とは、-(=O)R基を指し、ここで、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル基である。一部の実施形態において、C-Cアルカノイル基は特に好ましい。例示的な前記のC-Cアルカノイル基として、-(=O)CH、-(=O)CHCH、-(=O)CHCHCH、および-(=O)CH(CHが挙げられるが、これらに限定されない。
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)を指す。一部の実施形態において、ハロゲン含有基は、F、-ClまたはBrである。一部の実施形態において、ハロゲン含有基は、FまたはClである。一部の実施形態において、ハロゲン含有基は、Fである。
したがって、「C-Cハロアルキル基」と「C-Cハロアルコキシ基」とは、1個以上のハロゲン基に置換された前記の「C-Cアルキル基」と「C-Cアルコキシ基」を指す。一部の実施形態において、C-Cハロアルキル基は特に好ましく、C-Cハロアルキル基はより好ましい。一部の実施形態において、C1-4ハロアルコキシ基は特に好ましく、C-Cハロアルコキシ基はより好ましい。例示的な前記のハロアルキル基として、-CF、-CHF、-CHF、-CHFCHF、-CHCHF、-CFCF、-CCl、-CHCl、-CHCl、2,2,2-トリフルオロ-1,1-エチル-エチル等が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な前記のハロアルコキシ基として、-OCHF、-OCHF、-OCF等が挙げられるが、これらに限定されない。
「C-C炭素環基」または「3~8員炭素環基」とは、3~8個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基を指す。一部の実施形態において、5~8個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基であるC-C炭素環基は好ましい。一部の実施形態において、3~6個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基であるC-C炭素環基は好ましい。一部の実施形態において、5個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基である5員炭素環基は好ましい。炭素環基は、上記の炭素環基環が1つ以上のアリール基またはヘテロアリール基とともに縮合した環系も含み、ここで、結合点は、炭素環基環上に存在し、そのような場合、炭素の数は、引き続き炭素環系内の炭素の数を示す。例示的な前記の炭素環基として、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロペンタジエニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)、ならびにシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)等が挙げられるが、これらに限定されない。別段特定されない限り、各炭素環基は、独立して、置換されてもよく、すなわち、置換されない(「非置換炭素環基」)か、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換炭素環基」)。一部の実施形態において、炭素環基は非置換C-C炭素環基である。一部の実施形態において、炭素環基は置換C-C炭素環基である。
「3~8員ヘテロシクリル」とは、環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する3~8員の非芳香環系を指し、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素から選択される。その中には、炭素、窒素、硫黄およびリン原子もそれらの酸化状態で存在してもよく、例えばC(O)、S(O)、S(O)、P(O)などである。1個以上の窒素原子を含むヘテロシクリルにおいて、結合価が許容される限り、結合点は、炭素または窒素原子であり得る。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する4~7員非芳香環系である4~7員ヘテロシクリルは好ましい。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する5~8員非芳香環系である5~8員ヘテロシクリルは好ましい。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する4~6員非芳香環系である4~6員ヘテロシクリルは好ましい。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する5~6員非芳香環系である5~6員ヘテロシクリルは好ましい。一部の実施形態において、環炭素原子和1~3個の環ヘテロ原子を有する5員非芳香環系である5員ヘテロシクリルはより好ましい。一部の実施形態において、上述した3~8員ヘテロシクリル、4~7員ヘテロシクリル、5~8員ヘテロシクリル、4~6員ヘテロシクリル、5~6員ヘテロシクリル、および5員ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄(好ましくは窒素または酸素)から選択される環ヘテロ原子を1~3個(より好ましくは1個または2個)含む。別段特定されない限り、各ヘテロシクリルは、独立して、置換されていてもよい、すなわち、置換されない(「非置換ヘテロシクリル」)か、または1個以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。一部の実施形態において、ヘテロシクリルは、非置換3~8員ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、ヘテロシクリルは、置換3~8員ヘテロシクリルである。ヘテロシクリルには、結合点が炭素環基の環上に存在する上記のヘテロシクリル環が1つ以上の炭素環基とともに縮合した環系、或いは、結合点がヘテロシクリルの環上に存在する上記のヘテロシクリルが1つ以上のアリール基またはヘテロアリール基とともに縮合した環系も含み、このような場合、環の員数は、引き続き複素環系内の環の員数を示す。1個のヘテロ原子を含む例示的な3員ヘテロシクリルとして、アジリジニル、オキシラニル、チオレニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な4員ヘテロシクリルとして、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリルとして、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル-2,5-ジオンが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリルとして、ジオキソラニル、オキサスルフラニル(oxasulfuranyl)、オキサチオラニル(oxathiolanyl)(1,2-オキサチオラニル、1,3-オキサチオラニル)、ジスルフラニル(disulfuranyl)、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、およびオキサゾリジン-2-オンが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリルとして、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリルとして、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、およびチアニル(thianyl)が挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリルとして、ジヒドロピラジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリルとして、トリアジナニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個または2個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロシクリルとして、アゼパニル、ジアゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個または2個のヘテロ原子を含む例示的な8員のヘテロシクリル基として、アゾカニル(azocanyl)、オキセカニル(oxecanyl)、チオカニル(thiocanyl)、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、およびオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロリルが挙げられるが、これらに限定されない。6員のアリール環に縮合された例示的な5員ヘテロシクリル(本明細書中で5,6-二環式ヘテロシクリルとも称される)として、インドリニル、イソインドリニル、インドリニルジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。Cアリール環に縮合された例示的な6員のヘテロシクリル(本明細書中で6,6-二環式ヘテロシクリルとも称される)として、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「C-C14アリール基」または「6~14員アリール基」とは、6~14個の環炭素原子および0個のヘテロ原子が芳香環系に提供されている単環式または多環式(例えば、二環式もしくは三環式)の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列において共有される6、10または14個のπ電子を有する)の基(「C14アリール基」)を指す。一部の実施形態において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「Cアリール基」;例えば、フェニル)。一部の実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール基」;例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。一部の実施形態において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール基」;例えば、アントリル)。「C-C14アリール基」は、上記のアリール環が1つ以上の炭素環基または複素環基と縮合した環系も含み、ここで、原子団または結合点は、上記のアリール環上に存在し、このような場合、炭素原子の数は、引き続き上記のアリール環系内の炭素原子の数を示す。典型的なアリール基として、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン(acephenanthrylene)、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレンおよびトリナフタレンから得られる基が挙げられるが、これらに限定されない。具体的に、アリール基は、フェニル、ナフチル、インデニル、およびテトラヒドロナフチルを含む。別段特定されない限り、各アリール基は、独立して、置換されてもよく、すなわち、置換されない(「非置換アリール基」)か、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換アリール基」)。一部の実施形態において、アリール基は非置換C6-14アリール基である。一部の実施形態において、アリール基は置換C6-14アリール基である。
「5~10員ヘテロアリール基」とは、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の単環式または二環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有される6または10個のπ電子を有する)の基を指し、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される。一部の実施形態において、環炭素原子および1~4个環ヘテロ原子を有する5員の単環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有される6個のπ電子を有する)の基である5員ヘテロアリール基は好ましく、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される。1個以上の窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合価が許容される限り、結合点は、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。ヘテロアリール基は、上記のヘテロアリール環が1つ以上の炭素環基または複素環基と縮合した環系を含み、ここで、結合点は、上記のヘテロアリール環上に存在し、このような場合、環員数は、引き続きヘテロアリール環系内の環の員数を示す。別段特定されない限り、各ヘテロアリール基は、独立して、置換されてもよく、すなわち、置換されない(「非置換ヘテロアリール基」)か、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール基」)。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は非置換5~10員ヘテロアリール基である。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は置換5~10員ヘテロアリール基である。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。4個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、テトラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。3または4個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロアリール基として、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基として、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基として、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で定義されるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、炭素環基、複素環基、アリール基、およびヘテロアリール基などは、置換されていてもよい。一般に、用語「置換される」は、用語「されていてもよい」があるかまたはないかに関係なく、ある基(例えば、炭素または窒素原子)に存在する少なくとも1つの水素が、許容される置換基、例えば、置換されたときに、安定した化合物、例えば、自発的に変換(例えば、転位、環化、脱離または他の反応によるもの)を起こさない化合物を生じる置換基で置き換えられることを意味する。特に明記しない限り、「置換された」基は、その基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、任意の所定の構造内の2つ以上の位置が置換されるとき、置換基は、各位置において同じであるかまたは異なる。用語「置換される」は、有機化合物の許容され得るすべての置換基(安定した化合物を形成する本明細書中に記載される任意の置換基)による置換を含む。本発明では、窒素などのヘテロ原子は、そのヘテロ原子の結合価を満たし、且つ安定した部分を形成する、本明細書中に記載される水素置換基および/または任意の好適な置換基を有し得る。
例示的な炭素原子置換基としては、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORaa、-ON(Rbb、-N(Rbb、-N(Rbb 、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-COH、-CHO、-C(ORcc、-COaa、-OC(=O)Raa、-OCOaa、-C(=O)N(Rbb、-OC(=O)N(Rbb、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCOaa、-NRbbC(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-OC(=NRbb)N(Rbb、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb、-C(=O)NRbbSOaa、-NRbbSOaa、-SON(Rbb、-SOaa、-SOORaa、-OSOaa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa、-OSi(Raa、-C(=S)N(Rbb、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)aa、-OP(=O)aa、-P(=O)(Raa、-OP(=O)(Raa、-OP(=O)(ORcc、-P(=O)N(Rbb、-OP(=O)N(Rbb、-P(=O)(NRbb、-OP(=O)(NRbb、-NRbbP(=O)(ORcc、-NRbbP(=O)(NRbb、-P(Rcc、-P(Rcc、-OP(Rcc、-OP(Rcc、-B(Raa、-B(ORcc、-BRaa(ORcc)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
または、炭素原子上の2つのジェミナル水素は、=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbbもしくは=NORcc基で置換される;
各Raaは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rbbは、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa、-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rccは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rddは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORee、-ON(Rff、-N(Rff、-N(Rff 、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-COH、-COee、-OC(=O)Ree、-OCOee、-C(=O)N(Rff、-OC(=O)N(Rff、-NRffC(=O)Ree、-NRffCOee、-NRffC(=O)N(Rff、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff、-OC(=NRff)N(Rff、-NRffC(=NRff)N(Rff、-NRffSOee、-SON(Rff、-SOee、-SOORee、-OSOee、-S(=O)Ree、-Si(Ree、-OSi(Ree、-C(=S)N(Rff、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)ee、-P(=O)(Ree、-OP(=O)(Ree、-OP(=O)(ORee、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換されるか、または2つのジェミナルRdd置換基が連結して、=Oもしくは=Sを形成し得る;
各Reeは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、アリール、複素環基、およびヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換される;
各Rffは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が連結して、複素環基またはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換される;
各Rggは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-OC1-6アルキル基、-ON(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基) 、-NH(C1-6アルキル基) 、-NH(C1-6アルキル基)、-NH 、-N(OC1-6アルキル基)(C1-6アルキル基)、-N(OH)(C1-6アルキル基)、-NH(OH)、-SH、-SC1-6アルキル基、-SS(C1-6アルキル基)、-C(=O)(C1-6アルキル基)、-COH、-CO(C1-6アルキル基)、-OC(=O)(C1-6アルキル基)、-OCO(C1-6アルキル基)、-C(=O)NH、-C(=O)N(C1-6アルキル基)、-OC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基)C(=O)(C1-6アルキル基)、-NHCO(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)N(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)NH、-C(=NH)O(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)OC1-6アルキル基、-C(=NH)N(C1-6アルキル基)、-C(=NH)NH(C1-6アルキル基)、-C(=NH)NH、-OC(=NH)N(C1-6アルキル基)、-OC(NH)NH(C1-6アルキル基)、-OC(NH)NH、-NHC(NH)N(C1-6アルキル基)、-NHC(=NH)NH、-NHSO(C1-6アルキル基)、-SON(C1-6アルキル基)、-SONH(C1-6アルキル基)、-SONH、-SO1-6アルキル基、-SOOC1-6アルキル基、-OSO1-6アルキル基、-SOC1-6アルキル基、-Si(C1-6アルキル基)、-OSi(C1-6アルキル基)、-C(=S)N(C1-6アルキル基)、C(=S)NH(C1-6アルキル基)、C(=S)NH、-C(=O)S(C1-6アルキル基)、-C(=S)SC1-6アルキル基、-SC(=S)SC1-6アルキル基、-P(=O)(C1-6アルキル基)、-P(=O)(C1-6アルキル基)、-OP(=O)(C1-6アルキル基)、-OP(=O)(OC1-6アルキル基)、C1-6アルキル基、C1-6ペルハロアルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10炭素環基、C6-10アリール基、3~10員複素環基、5~10員ヘテロアリール基であるか;または2つのジェミナルRgg置換基が連結して、=Oもしくは=Sを形成してもよく;ここで、Xは、対イオンである。
例示的な窒素原子上の置換基としては、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa、-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されないか、または窒素原子に結合した2つのRcc基は、連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され、ここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上記の通りである。
他の定義
用語「薬学的に許容される塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、およびアレルギー応答などなしで、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するために適切であり、そして合理的な利益/危険比に釣り合う、塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該分野において周知である。例えば、Bergeらは、薬学的に許容される塩を、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩としては、適切な無機と有機の酸および塩基から誘導される塩が挙げられる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、アミノ基と無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸)と形成された塩であるか、あるいはイオン交換などの当該分野における慣用の方法で形成された塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、および吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される薬学的に許容される塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1-4アルキル)塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムなどが挙げられる。他の薬学的に許容される塩は、適切である場合、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオン、およびアリールスルホン酸イオンなどの対イオンを使用して形成された、無毒のアンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、およびアミン陽イオンを含む。
投与される「被験者」としては、ヒト(すなわち、任意の年齢群、例えば、小児被験者(例えば、乳児、小児、青年)または成人被験者(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人)の男性または女性)および/または非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコおよび/またはイヌ)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、被験者は、ヒトである。一部の実施形態において、被験者は、非ヒト動物である。
「疾患」、「障害」および「病状」は、本明細書中で交換可能に使用される。
他に特定されない限り、本明細書中で使用される用語「治療」は、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患している間に行われ、その疾患、障害または病状の重篤度を低下させるか、あるいは疾患、障害または病状の進行を遅延させるかまたは遅くする行為(「治療性治療」)を想定し、そしてまた、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患し始める前に行われる行為(「予防性治療」)を想定する。
一般に、化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答を惹起するために充分な量を指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的目標、化合物の薬物動態学、治療される疾患、投与様式、ならびに被験者の年齢、健康状態、および病状などの要因に依存して、変わり得る。有効量とは、治療有効量および予防性治療有効量を含む。
他に特定されない限り、本明細書中で使用される化合物の「治療有効量」とは、疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供するか、あるいはその疾患、障害または病状に関連する1つまたは複数の症状を遅延させるかまたは最小にするために充分な量である。化合物の治療有効量とは、その疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供する、単独でまたは他の治療法と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善させる量、疾患または病状の症状または原因を減少させるかまたは回避する量、あるいは別の治療剤の治療効果を増強する量を含む。
他に特定されない限り、本明細書中で使用される化合物の「予防有効量」とは、疾患、障害もしくは病状、またはその疾患、障害もしくは病状に関連する1つもしくは複数の症状を予防するため、あるいはその再発を予防するために充分な量である。化合物の予防有効量とは、その疾患、障害または病状の予防において予防上の利点を提供する、単独でまたは他の薬剤と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、予防全体を改善させる量、または別の予防剤の予防効果を増強する量を含む。
「組み合わせ」及び関連用語は、本発明の治療剤を同時に又は順次に投与することを意味する。例えば、本発明の化合物は、別々の単位製剤で他の治療剤と同時に又は順次に投与したり、単一の単位製剤で他の治療剤と同時に投与したりすることができる。
化合物
本明細書において、「本発明の化合物」とは、以下の式(I)で表れる化合物、その薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体を指す。
一実施形態において、本発明は、式(I)で表れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体に関する。
Figure 0007043098000002
ただし、
およびRは、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、RおよびRは、それらが結合している原子とともに5~7員の縮合環を形成していてもよく;
連結基Wは、以下の1)~2)から選択され、
1)C-Cアルキレン、C-Cアルケニレン、C-Cアルキニレン、C-Cカルボシクリレン、3~10員ヘテロシクリレン、C-C14アリーレンまたは5~10員のヘテロアリーレン;ここで、Wがベンゼン環に結合している原子はCである必要があり;ここで、上記の基は、1つまたは複数のRで置換されていてもよく;
2)-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)N(R)-;
は、H、ハロゲン、-CN、-NO、オキソ、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cアルコキシからなる群から選択され;
は、H、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルからなる群から選択され;
およびRは、独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルを形成し;
は、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-Cハロアルコキシ、置換されていてもよいC-Cアルケニルオキシ、または置換されていてもよい3~7員シクロアルキルオキシからなる群から選択され;
は、化学的に許容される限り、それぞれ独立して、H、ハロゲン、-R、-CN、-NO、-OH、-SH、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NRR、-NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)NRR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)NRR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)NRR、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NRR、-S(=O)R、-S(=O)OR、-S(=O)NRR、-S(=O)R、-S(=O)OR、-S(=O)NRR、-SC(=O)R、-SC(=O)OR、または-SC(=O)NRRからなる群から選択され;ここで、Rは独立して、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-C10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C-C14アリール、または5~10員ヘテロアリールであり;2つの隣接するRはともに、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、置換されていてもよい5~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC-C14アリール、または置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールを形成していてもよい。
当該実施形態において、好ましくは、Rは、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;好ましくは、Rは、H、ハロゲン、-CN、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;好ましくは、Rは、H、F、Cl、Br、メチル、エチル、イソプロピル、-CHF、-CHF、メトキシ、イソプロポキシ、シクロプロピル、またはオキシラニルからなる群から選択され;より好ましくは、Rは、H、F、Cl、メチル、イソプロピル、またはシクロプロピルからなる群から選択され;より好ましくは、RはClである。
当該実施形態において、好ましくは、Rは、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;好ましくは、Rは、H、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシからなる群から選択され;好ましくは、Rは、H、F、Cl、Br、-CN、-NO、-OH、またはメチルからなる群から選択され;より好ましくは、RはHである。
当該実施形態において、好ましくは、RおよびRは、それらが結合している原子とともに5~7員の縮合環を形成していてもよく;好ましくは、RおよびRは、それらが結合している炭素原子とともに、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子を0~2個含む5~7員縮合芳香環を形成し;好ましくは、RおよびRは、それらが結合している炭素原子とともに、NおよびSから選択されるヘテロ原子を0~2個含む5員縮合芳香環を形成し;好ましくは、RおよびRは、それらが結合している炭素原子とともに、縮合したピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、チオフェン環またはフラン環を形成する。
当該実施形態において、好ましくは、連結基Wは、以下の1)~2)から選択され、
1)C-Cアルキレン、C-Cアルケニレン、C-Cアルキニレン、C-Cカルボシクリレン、3~10員ヘテロシクリレン、C-C14アリーレンまたは5~10員のヘテロアリーレン;ここで、Wがベンゼン環に結合している原子はCである必要があり;ここで、上記の基は、1つまたは複数のRで置換されていてもよく;
2)-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)N(R)-;
好ましくは、Wは、以下の1)~2)から選択され、
1)C-Cアルキレン、C-C10カルボシクリレン、3~10員カルボシクリレン、ここで、Wがベンゼン環に結合している原子はCである必要があり、ここで、上記の基は、1つまたは複数のRで置換されていてもよく;
2)-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)N(R)-;
より好ましくは、Wは、以下の1)~2)から選択され、
1)-CH-、-CHCH-、-C(CH)H-、-C(CH-、-C(CH)HCH-、-C(CHCH-、-C(CH)HC(CH)H-、-C(CHC(CH-、
Figure 0007043098000003
;ここで、*はベンゼン環に結合することを表し、#はN原子に結合することを表し;
2)-C(=O)-。
当該実施形態において、好ましくは、RおよびRは、独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルを形成し;好ましくは、RおよびRは、独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルを形成し;より好ましくは、RおよびRは、独立して、H、メチル、またはエチルからなる群から選択され、或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3員、4員、5員または6員のヘテロシクリルを形成する。
当該実施形態において、好ましくは、-W-NRは、以下の構造から選択され、
Figure 0007043098000004

Figure 0007043098000005

好ましくは、-W-NRは、以下の構造から選択され、
Figure 0007043098000006
当該実施形態において、好ましくは、Rは、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-Cハロアルコキシ、置換されていてもよいC-Cアルケニルオキシ、または置換されていてもよい3~7員シクロアルキルオキシからなる群から選択され;好ましくは、Rは、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-Cハロアルコキシからなる群から選択され;好ましくは、Rは、-OCH、-OCHCH、-OCHCHCH、-OCH(CH、-OCF、-OCHF、-OCHF、または-OCHCFからなる群から選択され;より好ましくは、Rは、-OCH、-OCH(CH、または-OCHCFからなる群から選択され;最も好ましくは、Rは-OCHである。
当該実施形態において、好ましくは、Rは、化学的に許容される限り、H、ハロゲン、-R、-CN、-NO、-OH、-SH、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NRR、-NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)NRR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)NRR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)NRR、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NRR、-S(=O)R、-S(=O)OR、-S(=O)NRR、-S(=O)R、-S(=O)OR、-S(=O)NRR、-SC(=O)R、-SC(=O)OR、または-SC(=O)NRRからなる群から選択され;ここで、Rは独立して、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-C10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C-C14アリールまたは5~10員のヘテロアリールであり;2つの隣接するRはともに、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、置換されていてもよい5~8員のヘテロシクリル、置換されていてもよいC-C14アリール、または置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールを形成していてもよく;Rは、化学的に許容される限り、H、R、ハロゲン、-CN、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NRR、-NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)NRR、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NRRからなる群から選択され;ここで、Rは独立して、H、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-C10カルボシクリル、または3~10員ヘテロシクリルであり;2つの隣接するRはともに、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、置換されていてもよい5~8員ヘテロシクリルを形成していてもよく;好ましくは、Rは、H、F、Cl、Br、メチル、-C(=O)CH、-C(=O)OCH、-C(=O)N(CH、-N(CH、-N(CH)C(=O)(CH=CH)、または-OC(=O)N(CHからなる群から選択され;より好ましくは、Rは、H、またはメチルから選択される。
他の実施形態において、本発明は、式(IIa)-(IIm)で表われる化合物に関する。
Figure 0007043098000007
ここで、R、R、R、RおよびWは、上記で定義した通りである。
他の好ましい実施形態において、本発明は、式(IIa)-(IIm)で表われる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体に関する。
Figure 0007043098000008
ここで、
Wは、C-Cアルキレン、C-C10カルボシクリレン、3~10員カルボシクリレンからなる群から選択され、ここで、Wがベンゼン環に結合している原子はCである必要があり;ここで、上記の基は、1つまたは複数のRで置換されていてもよく;
は、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC1-6アルコキシからなる群から選択され;
およびRは、独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルを形成し;
は、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-Cハロアルコキシ、または置換されていてもよい3~7員シクロアルキルオキシからなる群から選択され;
は、H、ハロゲン、またはC-Cアルキルからなる群から選択される。
一部の実施形態において、Wは、C-Cアルキレン、C-C10カルボシクリレン、3~10員カルボシクリレンからなる群から選択され、ここで、Wがベンゼン環に結合している原子はCである必要があり;ここで、上記の基は、1つまたは複数のRで置換されていてもよく;ここで、Rは、H、またはC-Cアルキルから選択され;
好ましくは、Wは、1つまたは複数のRで置換されていてもよいC-Cアルキレンから選択され;ここで、Rは、H、またはC-Cアルキルから選択され;好ましくは、Wは、-CH-、-CHCH-、-C(CH)H-、-C(CH-、-C(CH)HCH-、-C(CHCH-、-C(CH)HC(CH)H-、または-C(CHC(CH-からなる群から選択され;
好ましくは、Wは、1つまたは複数のRで置換されていてもよいC-C10カルボシクリレンから選択され;ここで、Rは、H、またはC-Cアルキルから選択され;好ましくは、Wは、
Figure 0007043098000009
から選択され;
好ましくは、Wは、1つまたは複数のRで置換されていてもよい3~10員カルボシクリレンから選択され、且つWがベンゼン環に結合している原子はCである必要があり;ここで、Rは、H、またはC-Cアルキルから選択され;好ましくは、Wは、
Figure 0007043098000010
から選択され;ここで、*はベンゼン環に結合することを表し、#はN原子に結合することを表す。
一部の実施形態において、好ましくは、RおよびRは、独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルを形成し;
好ましくは、RおよびRは、独立して、H、または置換されていてもよいC-Cアルキルから選択され;或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルを形成し;
一部の実施形態において、好ましくは、-W-NRは、以下の構造から選択され、
Figure 0007043098000011

Figure 0007043098000012
好ましくは、-W-NRは、以下の構造から選択され、
Figure 0007043098000013
一部の実施形態において、好ましくは、Rは、置換されていてもよいC-Cアルコキシから選択され;好ましくは、Rは-OCHである。
一部の実施形態において、好ましくは、Rは、H、またはC-Cアルキルから選択され;好ましくは、Rは、H、またはメチルから選択され。
他の好ましい実施形態において、本発明は、式(IIa)で表われる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体に関する。
Figure 0007043098000014
ただし、
WはC-Cアルキレンから選択され;ここで、上記の基は、1つまたは複数のRで置換されていてもよく;
は、H、またはC-Cアルキルから選択され;
およびRは、独立して、H、または置換されていてもよいC-Cアルキルから選択され;或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリルを形成し;
は、置換されていてもよいC-Cアルコキシから選択され;
は、H、またはC-Cアルキルから選択される。
一部の実施形態において、好ましくは、Wは、-CH-、-CHCH-、-C(CH)H-、-C(CH-、-C(CH)HCH-、-C(CHCH-、-C(CH)HC(CH)H-、または-C(CHC(CH-からなる群から選択され;
一部の実施形態において、好ましくは、RおよびRは、独立して、H、または置換されていてもよいC-Cアルキルから選択され;好ましくは、RおよびRは、独立して、H、またはメチルから選択され;好ましくは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリルを形成し;好ましくは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよいピペリジン環、ピペラジン環またはモルホリン環を形成する。
一部の実施形態において、好ましくは、-W-NRは、以下の構造から選択され、
Figure 0007043098000015
一部の実施形態において、好ましくは、Rは、置換されていてもよいC-Cアルコキシ造から選択され;好ましくは、Rは-OCHである。
一部の実施形態において、好ましくは、Rは、H、またはC-Cアルキルから選択され;好ましくは、Rは、H、またはメチルから選択される。
最も好ましい実施形態において、上記の式(I)、(IIa)-(IIm)で表れる化合物は、以下の化合物である。
Figure 0007043098000016
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得るので、様々な立体異性体、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーとして存在し得る。例えば、本発明の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)の形態であり得るか、または立体異性体の混合物(ラセミ混合物、および1つ以上の立体異性体に富んだ混合物を含む)の形態であり得る。異性体は、当業者に公知の方法(キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む)によって混合物から単離され得るか;または好ましい異性体が、不斉合成によって調製され得る。
本発明には、本発明の化合物のすべての適切な同位体誘導体も含む。本発明化合物の同位体誘導体は、少なくとも一つの原子が、同じ原子番号を有するが原子質量において天然に典型的に見られる原子質量と異なる原子によって置換されていると定義される。本発明の化合物に導入できる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、および塩素の同位体、例えばそれぞれH、H、13C、14C、15N、17O、18O、18F、31P、32P、35Sおよび36Clが挙げる。例えばHまたは14Cなどの放射性同位体を導入したものなどの本発明の化合物の一部の同位体誘導体は、薬物および/または基質の組織分布に関する研究に用いることができる。トリチウム化(即ち、H)と炭素-14(即ち、14C)の同位体は、その製造と検出が容易であるため特に好ましい。また、同位体(例えば、重水素、すなわちH)で置換されることは、体内の半減期の増加または投与量の減少など、代謝の安定性が高くなることにより得られる治療上の利点を提供することができるため、好ましい場合がある。本発明の化合物の同位体誘導体は、通常、通常のプロセス、例えば例示した方法や、以下の実施例で説明するような、同位体を含む適切な試薬を用いる方法により調製することができる。
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、非晶質または結晶質のいずれでもよい。また、本発明の化合物は、1種または複数の結晶形として存在してもよい。したがって、本発明は、本発明の化合物のすべての非晶質または結晶形をその範囲に含む。「結晶形」という用語は、特定の結晶が積み重なって配列する化合物の結晶形(またはその塩、水和物または溶媒和物)を指す。すべての結晶形は同じ元素組成を持つ。通常、異なる結晶形は、X線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光電特性、安定性、および溶解度も異なる。再結晶溶媒、結晶化速度、保存温度、およびその他の要因により、1つの結晶形が支配的になる可能性がある。化合物の様々な結晶形は、異なる条件下での結晶化によって調製することができる。
当業者は、多くの有機化合物が、溶媒中で反応するか、または溶媒から沈殿あるいは結晶化して、当該溶媒と複合体を形成し得ることを理解できる。これらの複合体を「溶媒和物」と呼ばれる。溶媒が水である場合、複合体は「水和物」と呼ばれる。本発明は、本発明の化合物のすべての溶媒和物を含む。
さらに、プロドラッグも本発明の明細書に含まれる。本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、インビボで、例えば血液中での加水分解によって医学的な効果を有する活性形態に変換される化合物を指す。薬学的に許容されるプロドラッグは、T. HiguchiとV. Stella、Prodrugs as Novel Delivery Systems,A.C.S. Symposium Series,Vol. 14,Edward B. Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987、およびD. Fleisher、S. RamonとH. Barbra、“Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs”、Advanced Drug Delivery Reviews(1996) 19(2) 115-130に記載されたが、それらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる。
プロドラッグは、患者に投与されると、インビボで式(I)で表れる化合物を放出する任意の共有結合の担体である。プロドラッグは、典型的には、通常の操作、或いはインビボで切断させて母体化合物を生じるように官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグには、例えば、水酸基、アミンまたはメルカプト基が任意の基に結合している本発明化合物が含まれ、それらを患者に投与すると、切断されて、水酸基、アミンまたはメルカプト基を形成することができる。したがって、プロドラッグの代表例としては、式(I)で表れる化合物のアルコール、メルカプト基およびアミン官能基のアセテート、ホルメート、およびベンゾエート誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。また、カルボン酸(-COOH)の場合は、メチルエステル、エチルエステル等のエステルを用いることができる。エステル自体は活性を有してもよく、および/またはヒトの体内の条件下で加水分解してもよい。適切な薬学的に許容されるインビボで加水分解可能なエステルには、人体中で容易に分解して母体酸またはその塩を放出する基が含まれる。
医薬組成物、製剤およびキット
他の様態では、本発明は、本発明の化合物(「活性成分」とも呼ばれる)および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、有効量の活性成分を含む。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、治療有効量の活性成分を含む。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、予防有効量の活性成分を含む。
本発明の薬学的に許容される賦形剤とは、配合される化合物の薬理学的活性を無効にしない非毒性担体、アジュバントまたは媒体を指す。本発明の組成物で使用できる薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、キット(例えば、医薬パック)も含む。提供されるキットは、本発明の化合物、ほかの治療剤、ならびに本発明の化合物、他の治療剤を含有する第1および第2の容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/または分散パッケージ、あるいは他の適切な容器)を含む。一部の実施形態において、提供されるキットは、また、本発明の化合物および/または他の治療薬を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第3の容器も有しても良い。一部の実施形態において、第1の容器および第2の容器内の本発明の化合物を他の治療薬と組み合わせて単位製剤を形成して提供する。
以下の製剤の実施例は、本発明に従って調製され得る代表的な医薬組成物を例証している。しかしながら、本発明は、以下の医薬組成物に限定されない。
例示的な製剤1-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で0.3~30mgの錠剤(錠剤1つあたり0.1~10mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤2-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で30~90mgの錠剤(錠剤1つあたり10~30mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤3-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で90~150mgの錠剤(錠剤1つあたり30~50mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤4-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で150~240mgの錠剤(錠剤1つあたり50~80mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤5-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で240~270mgの錠剤(錠剤1つあたり80~90mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤6-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で270~450mgの錠剤(錠剤1つあたり90~150mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤7-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で450~900mgの錠剤(錠剤1つあたり150~300mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤8-カプセル:本発明の化合物を、乾燥粉末としてデンプン希釈剤とおおよそ1:1重量比で混合し得る。その混合物を250mgのカプセル(カプセル1つあたり125mgの活性な化合物)に充填する。
例示的な製剤9-液体:本発明の化合物(125mg)を、スクロース(1.75g)およびキサンタンガム(4mg)と混合し、得られた混合物を混ぜて、No.10メッシュU.S.シーブに通過させ、次いで、微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89,50mg)の事前に調製された水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム(10mg)、香料および着色料を水で希釈し、撹拌しながら加える。次いで、充分な水を加えることにより、総体積を5mLにする。
例示的な製剤10-注射剤:本発明の化合物を、滅菌された緩衝食塩水の注射可能な水性媒質に、おおよそ5mg/mLの濃度に溶解または懸濁する。
投与
本発明によって提供される医薬組成物は、経口投与、非経口投与、吸入投与、局所投与、直腸内投与、鼻腔投与、口腔投与、膣内投与、インプラントによる投与または他の投与方法などの様々な方式によって投与することができるが、これらに限定されない。例えば、本発明で用いた非経口投与には、皮下投与、皮内投与、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、動脈内投与、滑膜腔内投与、胸骨内投与、脳脊髄膜内投与、病巣内投与、頭蓋内の注射や輸液技術がある。
通常、有効量で本発明によって提供される化合物を投与する。治療される病状、選択される投与方式、実際に投与される化合物、患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重篤度などを含む状況に応じて、実際に投与される化合物の量は医師によって決定される。
本明細書に記載した病状を予防するために使用される場合、本発明によって提供される化合物は、前記の病状を発症するリスクのある被験者に投与され、典型的には、医師の推奨に基づいて上記の用量レベルで投与される。特定の病状を発症するリスクのある被験者には、典型的には、前記の病状の家族歴史を有する被験者、または遺伝子検査もしくはスクリーニングによって前記の病状を発症しやすい被験者が含まれる。
本発明によって提供される医薬組成物(「長期投与」)は長期的に投与することもできる。長期投与とは、例えば3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年などの長期間にわたって化合物またはその医薬組成物を投与できるか、または、例えば被験者の余生において無期限に連続的に投与できることを指す。たとえば、一部の実施形態において、長期投与は、例えば治療ウィンドウ内で、長期間にわたって血液中に一定レベルの前記の化合物を提供することを意図している。
本発明の医薬組成物は、様々な投与方式を用いてさらに送達することができる。例えば、一部の実施形態において、医薬組成物は、例えば、血液中の化合物の濃度を有効レベルまで増加させるために、ボーラス注射によって投与することができる。ボーラス用量の配置は、身体を通過する活性成分の目的の全身レベルに依存し、例えば、筋肉内または皮下のボーラス用量は、活性成分のゆっくりとした放出を可能にし、一方で、静脈に直接送達されるボーラス(例えば、IV滴注による)は、より速い送達を可能にし、これは、血液中の活性成分の濃度を有効レベルまで迅速に上昇させる。他の実施形態において、この薬学的組成物は、連続注入として、例えば、IV滴注によって投与されて、被験者の身体内での、活性成分の定常状態濃度の維持を提供し得る。
経口投与用の組成物は、バルクの液体の溶液もしくは懸濁液またはバルクの粉末の形態をとり得る。しかしながら、一般的に、組成物を、精確な投薬量で投与できるために、単位投与量で提供される。用語「単位製剤」とは、ヒト被験者および他の哺乳動物に対する単位投与量として好適な物理的に不連続の単位を指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤とともに所望の治療効果をもたらすと計算される所定量の活性な材料を含む。典型的な単位製剤としては、液体組成物の予め測定され予め充填されたアンプルもしくは注射器、または固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。そのような組成物では、化合物は、通常、少量の成分(約0.1~約50重量%または好ましくは約1~約40重量%)であり、残りは、所望の投薬形態を形成するのに役立つ様々な担体または賦形剤および加工助剤である。
経口投与の場合、1日あたり1~5回、特に2~4回、典型的には3回の経口投与量が、代表的なレジメンである。これらの投薬パターンを使用するとき、各用量は、約0.01~約20mg/kgの本発明の化合物を提供し、好ましい用量は、それぞれ約0.1~約10mg/kg、特に、約1~約5mg/kgを提供する。
経皮用量は一般に、注射用量を使用して達成されるレベルと類似であるかまたはより低い血液中レベルを提供するように選択され、一般に、約0.01重量%~約20重量%、好ましくは、約0.1重量%~約20重量%、好ましくは、約0.1重量%~約10重量%、そしてより好ましくは、約0.5重量%~約15重量%の範囲の量である。
注射剤の用量レベルは、約0.1mg/kg/時間~少なくとも10mg/kg/時間の範囲であり、すべて約1~約120時間、特に、24~96時間にわたる。約0.1mg/kg~約10mg/kgまたはそれ以上の前負荷ボーラス(preloading bolus)も、適切な定常状態レベルを達成するために投与されてもよい。最大総用量は、40~80kgのヒト患者にとって約2g/日を越えない。
経口投与に適した液体の形態は、緩衝剤、懸濁剤および予製剤(dispensing agents)、着色剤、香料などを含む好適な水性または非水性のビヒクルを含み得る。固体の形態は、例えば、以下の成分または同様の性質の化合物のいずれかを含み得る:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogelまたはトウモロコシデンプン);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);滑剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);または香味料(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジフレーバー)。
注射可能な組成物は、典型的には、注射可能な滅菌された食塩水もしくはリン酸緩衝食塩水または当該分野で公知の他の注射可能な賦形剤に基づくものである。従来どおり、そのような組成物における活性な化合物は、典型的には、しばしば約0.05~10重量%である微量の成分であり、残りは、注射可能な賦形剤などである。
経皮の組成物は、典型的には、活性成分(単数または複数)を含む局所用軟膏またはクリームとして製剤化される。軟膏として製剤化されるとき、活性成分は、典型的には、パラフィン軟膏基剤または水混合性軟膏基剤と混合される。あるいは、活性成分は、例えば、水中油型クリーム基剤を含む、クリームとして製剤化され得る。そのような経皮的製剤は、当該分野で周知であり、一般に、活性成分または製剤の皮膚浸透力または安定性を高めるさらなる成分を含む。そのような既知の経皮の製剤および成分のすべてが、本発明に提供される範囲内に含まれる。
本発明の化合物は、経皮的デバイスによっても投与され得る。従って、経皮的投与は、レザバー(reservoir)タイプもしくは多孔質膜タイプまたは固体マトリックス種類のパッチを用いて達成され得る。
経口的に投与可能な、注射可能な、または局所的に投与可能な組成物において、上に記載された構成要素は、単に代表的なものである。他の材料ならびに加工手法などは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,1985,Mack Publishing Company,Easton,PennsylvaniaのPart8(参照により本明細書中に援用される)に示されている。
本発明の化合物はまた、徐放形態でまたは徐放薬物送達系から投与され得る。代表的な徐放材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容される製剤にも関する。1つの実施形態において、その製剤は、水を含む。別の実施形態において、その製剤は、シクロデキストリン誘導体を含む。最も一般的なシクロデキストリンは、連結される糖部分上に必要に応じて1つ以上の置換基(それらとしては、メチル化、ヒドロキシアルキル化、アシル化およびスルホアルキルエーテル置換が挙げられるが、これらに限定されない)を含む、それぞれ6、7および8個のα-1,4-結合グルコース単位からなるα-、β-およびγ-シクロデキストリンである。ある具体的な実施形態において、シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテルβ-シクロデキストリン、例えば、Captisolとしても知られるスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンである。例えば、米国特許第5,376,645号を参照する。一部の実施形態において、上記製剤は、ヘキサプロピル-β-シクロデキストリン(例えば、水において10~50%)を含む。
治療法
本発明は、癌の治療に使用するための、治療を必要とする対象への本発明の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体、若しくは本発明の前記の医薬組成物の投与を提供する。一部の実施形態において、癌は、ALKによる癌である。一部の実施形態において、癌は非小細胞肺癌である。
「治療有効量」は、癌細胞の増殖または拡散、腫瘍のサイズまたは数、或いは癌のレベル、病期、進行または重症度などの他の尺度の検出可能な死滅または阻害に有効な量である。必要とされる正確な量は、対象に応じて異なり、対象の種族、年齢、および全体的な健康状態、疾患の重症度、特定の抗癌剤、その投与方法、他の治療法との併用治療などによって確定される。
本明細書は、キナーゼ関連疾患、このような疾患の症状、またはキナーゼによって媒介される他の生理学的事象の影響を治療または調節するための生物学的特性を有する化合物が開示される。例えば、本明細書に開示される多くの化合物は、ALK、fakおよびc-metのチロシンキナーゼ活性を阻害することができ、特に、癌の成長、進行および/または転移を媒介すると考えられるチロシンキナーゼを阻害することができる。また、本明細書に開示される多くの化合物は、癌細胞株に対して有効なインビトロ活性を有することが見出された。したがって、このような化合物は、癌(固形腫瘍およびリンパ腫ならびに他の治療法に耐性のある癌を含む)を治療する目的で使用される。
一部の実施形態において、癌は、ALK駆動の癌である。一部の実施形態において、癌は非小細胞肺癌(NSCLC)である。一部の実施形態において、癌はALK陽性NSCLCである。一部の実施形態において、癌は局所進行性または転移性のALK陽性NSCLCである。一部の実施形態において、癌/患者は、以前にクリゾチニブまたは別のチロシンキナーゼ阻害剤で治療されたことがある。一部の実施形態において、癌/患者は、以前にALK阻害剤で治療されたことがない。
このような癌には、乳癌、非小細胞肺癌、神経腫瘍(例えば、膠芽細胞腫および神経芽細胞腫);食道癌、軟部組織癌(例えば、横紋筋肉腫など);未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)として知られる非ホジキンリンパ腫(NHL)などのさまざまな形態のリンパ腫;さまざまな形態の白血病;およびALKまたはc-metに媒介される癌が含まれるが、これらに限定されない。
未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)は、インスリン受容体サブファミリーに属する細胞膜貫通受容体チロシンキナーゼである。ALK受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)として知られているヒト非ホジキンリンパ腫サブタイプに関与することにより、最初に同定された。通常、ALKは、哺乳類細胞での分布が制限されており、胚発生時の神経系のみに顕著なレベルで見られ、脳発生におけるALKの役割の可能性を示す。
正常発生におけるその役割に加えて、神経芽細胞腫、神経外胚葉腫瘍および膠芽細胞腫ならびに乳癌および黒色腫などの様々な腫瘍に由来する細胞株で全長の正常ALKの発現を検出した。
他のRTKと同様に、転座はALK遺伝子に影響を及ぼし、その結果、発癌性融合キナーゼの発現をもたらし、最も一般的に見られるのはNPM-ALKである。例えば、未分化大型細胞リンパ腫(ALCL)の約60%は、ヌクレオホスミン(NMP)とALKの細胞内ドメインからなる融合タンパク質を生成する染色体変異に関連する。このような変異タンパク質、NPM-ALKは、下流のエフェクターの活性化を介してその発癌特性を発揮する恒常的活性チロシンキナーゼドメインを有する。実験データは、恒常的活性ALKの異常な発現がALCLの発病に直接関係すること、およびこのようなALKの阻害がALK陽性リンパ腫細胞の増殖を著しく阻害する可能性があることを示した。また、恒常的に活性化されたキメラALKは、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(IMT)(主に子供および若い成人に影響を与えるゆっくりと成長する肉腫である)の約60%に存在することが実証された。さらに、最近の報告では、食道の扁平上皮癌(SCC)の症例の場合、バリアントALK融合体TPM4-ALKが発生したことを記載した。したがって、ALKは、非造血系および造血系の両方の悪性腫瘍における発癌に関係するRTKの数少ない例の1つである。最近、染色体2p内の反転により、非小細胞肺癌細胞において棘皮動物微小管関連タンパク質様4(EML4)遺伝子および未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子の一部を含む融合遺伝子を形成することが報告された。
一部の実施形態において、ALK阻害剤は、単一の治療剤として、または現在の化学療法と組み合わせて、ALCL、IMT、増殖性病症、膠芽細胞腫および本明細書で引用される他の可能性のある固形腫瘍に用いられる場合、耐久性のある治療法を作り出すことができ、または単一の治療剤としてそのような治療を必要とする患者の再発を予防する維持作用に使用することができる。
本明細書に開示される化合物は、化合物が唯一の活性薬剤である治療レジメンの一部として投与するか、または併用療法の一部として1つ以上の他の治療剤と組み合わせて使用することができる。併用療法の1つの成分として投与される場合、投与される治療薬は、異なる時点(例えば、互いに72時間、48時間、または24時間以内に)で同時または順次に投与される別個の組成物として調製され、或いは、治療剤は、一緒に単一の医薬組成物として調製され、同時に投与される。
したがって、本発明の化合物の投与は、癌を予防または治療する少なくとも1つ当業者に知られている別の治療剤(例えば、放射線療法または細胞増殖抑制剤、細胞毒性剤、他の抗癌剤、およびほかの薬物)と併用して、癌の症状またはいずれかの薬物の副作用を改善することができる。別の治療剤の例としては、免疫療法用薬剤(例えば、PD-1またはPDL-1阻害剤)、抗血管新生薬剤(例えば、ベバシズマブ)、および/または化学療法剤が挙げられるが、これらに限定されない。
固定用量として調製される場合、このような組み合わせ製品は、許容される用量範囲内で本明細書に開示される化合物を使用することができる。また、組み合わせ製剤が適切である場合、本明細書に開示される化合物は、他の抗癌剤または細胞毒性剤と順次に投与することができる。本明細書に開示される化合物は、他の抗癌剤または細胞毒性剤の投与の前に、同時に、または後に投与することができる。
現在、原発腫瘍の標準的な治療は、手術切除、その後の適切な時期の放射線療法または化学療法からなり、一般的に静脈内投与される。典型的な化学療法レジメンは、DNAアルキル化剤、DNA挿入剤、CDK阻害剤、または微小管阻害薬からなる。使用される化学療法剤の用量は、最大許容用量をわずかに下回るので、用量制限毒性には、通常、悪心、嘔吐、下痢、脱毛、好中球減少症などが含まれる。
商業的使用、臨床評価、および前臨床開発において利用可能な抗腫瘍剤は多く存在し、それらを選択して併用薬物の化学療法によって癌の治療に用いられる。また、このような抗腫瘍剤として、数種類の主要な抗腫瘍薬、すなわち、抗生物質タイプの薬剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗ホルモン剤、免疫学的薬剤、インターフェロンタイプの薬剤、および混合薬剤がある。
他の治療剤の例としは、抗癌性アルキル化剤または挿入剤(例えば、メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、およびイホスファミド);代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート);プリン拮抗薬またはピリミジン拮抗薬(例えば、5-フルオロウラシル、シタラビール、およびゲムシタビン);紡錘体阻害剤(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビンおよびパクリタキセル);ポドフィロトキシン(例えば、エトポシド、イリノテカン、トポテカン);抗生物質(例えば、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン);ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン);無機イオン(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンまたはオキシプラチン(oxiplatin));酵素(例えば、アスパラギナーゼ);ホルモン(例えば、タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミドまたはメゲストロール);mTOR阻害剤(例えば、シロリムス(ラパマイシン)、テムシロリムス(CCI779)、エベロリムス(RAD001)、AP23573、または米国特許第7091213号に開示されている他の化合物);プロテアソーム阻害剤((例えば、ベルケイド)、他のプロテアソーム阻害剤(例えば、Src、Bcr/Abl、kdr、flt3、aurora-2、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK-3)、EGFRキナーゼ(例えば、イレッサ、タルセバなど)、VEGF-Rキナーゼ、PDGF-Rキナーゼなどの阻害剤);抗体、可溶性受容体、癌に関する受容体またはホルモンに対する他の受容体拮抗薬(EGFR、ErbB2、VEGFR、PDGFR、およびIGF-Rなどの受容体;およびハーセプチン、アバスチン、アービタックスなどの薬剤を含む)などの1つまたは複数の薬物が挙げられるが、これらに限定されない。他の治療剤の例としては、ジロプリム、アレムツズマブ、アルトレタミン、アミフォスチン、ナストロゾール、前立腺特異的膜抗原に対する抗体(例えば、MLN-591、MLN591RLおよびMLN2704)、三酸化ヒ素、ベキサロテン、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、グリアデル・ウェファー(Giadel Wafer)、セレコキシブ、クロラムブシル、シスプラチン-エピネフリンゲル、クラドリビン、シタラビンリポソーム、ダウノルビシンリポソーム、ダウノルビシン、ダウノマイシン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、Elliott’sB溶液、エピルビシン、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エキセメスタン、フルダラビン、5-FU、フルベストラント、ゲムシタビン、ゲムツズマブ-オゾガマイシン、酢酸ゴセレリン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イダマイシン、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、イリノテカン(または、MLN576(XRl1576)などの抗体を含む他のトポイソメラーゼ阻害剤)、レトロゾール、ロイコボリン、ロイコボリンレバミゾール、リポソームダウノルビシン、メルファラン、L-PAM、メスナ、メトトレキサート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、MLN518またはMLN608(または、flt-3受容体チロシンキナーゼ、PDFG-Rまたはc-kitの他の阻害剤)、イトキサントロン(itoxantrone)、パクリタキセル、ペガデマーゼ、ペントスタチン、リツキシマブ、タルク、タモキシフェン、テモゾラミド(temozolamide)、テニポシド、VM-26、トポテカン、トレミフェン、2C4(または、HER2を介したシグナル伝達を妨害する他の抗体)、トレチノイン、ATRA、バルルビシン、ビノレルビン、またはパミドロネート、ゾレドロネートまたは他のビスホスホネートが挙げられるが、これらに限定されない。
実施例
以下、具体的な実施形態によって本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明を例示するためのみに使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。以下の実施例において、特定の条件を明記しない実験方法は、一般に、通常の条件または製造業者が推奨する条件に従う。特に明記しない限り、部およびパーセンテージは、重量部および重量パーセントである。
一般に、調製プロセスにおいて、各反応は、通常、不活性溶媒中、室温から還流温度(例えば、0℃~100℃、好ましくは0℃~80℃)で行われる。通常、反応時間は0.1~60時間、好ましくは0.5~24時間である。
実施例1 (2-((5-クロロ-2-((6-(4-(ジメチルアミノ)メチル)-2-メトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-1)の調製。
Figure 0007043098000017
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000018
工程1 化合物2の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物1(0.6g,3.0mmol)およびメタノール(15mL)を順次に加え、攪拌して溶液を形成し、濃硫酸(1mL)をゆっくり滴下した後、昇温して還流させ、窒素雰囲気下でこの温度を保持して攪拌しながら3時間反応させた。室温まで冷却し、水(40mL)を加えて反応をクエンチし、ジクロロメタン(40mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、82.1%の収率で0.52gの無色液体を得た。LC-MS(APCI):m/z=212.1(M+1)
工程2 化合物3の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物2(0.5g,2.37mmol)および無水THF(15mL)を順次に加え、攪拌して溶液を形成し、氷水浴で冷却し、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH,90mg,2.37mmol)をゆっくり添加し、窒素雰囲気下でこの温度を保持して攪拌しながら1時間反応させた。硫酸ナトリウム十水和物(10g)で反応をクエンチし、5分間攪拌し、ジクロロメタン(40mL)で希釈し、濾過し、ジクロロメタン(10mL)で濾過ケーキを洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、92.2%の収率で白色固体0.4gを得た。LC-MS(APCI):m/z=184.1(M+1)
工程3 化合物4の合成
マグネチックスターラーを備えた100mLの一つ口フラスコに、化合物3(400mg,2.18mmol)およびジクロロメタン(DCM,10mL)を順次に加え、攪拌して溶液を形成し、Dess-Martin酸化剤(904mg,2.18mmol)を添加し、窒素雰囲気下、室温で反応混合物を攪拌して1時間反応させた。水(20mL)で反応をクエンチし、精製した固体を濾過し、水相をジクロロメタン(20mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、シリカゲルカラムによって精製し、74.9%の収率で白色固体300mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=182.1(M+1)
工程4 化合物5の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物4(181mg,1.0mmol)およびメタノール(5mL)を順次に加え、攪拌して溶液を形成し、ジメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液(1mL,2.0mmol,2M)および氷酢酸(1滴)を滴下し、窒素雰囲気下、室温で攪拌して10分間反応させ、NaBHCN(150mg,2.5mmol)をゆっくり滴下し、室温で攪拌して1時間反応させた。水(5mL)で反応をクエンチし、酢酸エチル(15mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、60.0%の収率で白色固体126mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=211.1(M+1)
工程5 化合物6の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物5(126mg,0.6mmol)およびエタノール/水(8mL,3/1)を加え、攪拌して溶液を形成し、還元鉄粉(3.6mmol,202mg)および塩化アンモニウム(0.6mmol,32mg)を加え、窒素雰囲気下で加熱還流し、この温度を保持して1時間反応させた。室温まで冷却し、濾過し、エタノール(5mL)で濾過ケーキを洗浄し、濃縮して有機溶媒を除去し、ジクロロメタン(10mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、74.1%の収率で褐色固体80mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=181.1(M+1)
工程6 化合物T-1の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた25mLの一つ口フラスコに、化合物6(80mg,0.44mmol)、化合物7(138mg,0.44mmol)およびエチレングリコールモノメチルエーテル(3mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、塩化水素のイソプロパノール溶液(0.66mmol,0.13mL,5M)を滴下し、窒素雰囲気下で120℃に昇温し、この温度を保持して攪拌しながら一晩反応させた。室温まで冷却し、水(10mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(5mL)を添加し、ジクロロメタン(15mLx3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、49.5%の収率で白色固体100mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=460.2(M+1)H NMR(400mHz,DMSO-D)δ/ppm:11.17(s,1H),8.47-8.43(m,1H),8.14(s,1H),8.12(s,1H),7.71(d,J=8.0Hz,1H),7.58-7.53(m,1H),7.39(t,J=8.0Hz,1H),7.13(t,J=8.0Hz,1H),6.97(s,1H),6.81(d,J=8.0Hz,1H),3.80(s,3H),2.17(s,6H),1.78(s,3H),1.75(s,3H).
実施例2 (2-((2-((4-(2-アミノエチル)-2-メトキシフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-2)の調製。
Figure 0007043098000019
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000020
工程1 化合物10の合成
マグネチックスターラーを備えた250mLの一つ口フラスコに、化合物8(5.1g,30mmol)および無水DMSO(40mL)を順次に加え、窒素雰囲気下で攪拌して溶液を形成し、0℃まで冷却し、NaH(3.6g,90mmol,60%)をゆっくり添加し、0℃で攪拌して30分間反応させ、化合物9(11.6g,90mmol)のDMSO溶液(10mL)をゆっくり滴下した後、氷浴を取り外し、反応混合物を100℃に昇温し、この温度を保持して攪拌しながら3時間反応させた。室温まで冷却し、水(50mL)を添加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、水(60mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、シリカゲルカラムによって精製し、98.1%の収率で白色固体8.3gを得た。LC-MS(APCI):m/z=282.1(M-1)
工程2 化合物11の合成
マグネチックスターラーを備えた250mLの一つ口フラスコに、化合物10(2.83g,10mmol)およびDMSO(50mL)を順次に加え、攪拌して溶液を形成し、NaCl(1.17g,20mmol)および水(0.18g,10mmol)を添加し、反応混合物を120℃に昇温し、この温度を保持して攪拌しながら3時間反応させた。室温まで冷却し、水(80mL)を添加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、水(60mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、シリカゲルカラムによって精製し、84.1%の収率で白色固体1.9gを得た。LC-MS(APCI):m/z=224.1(M-1)
工程3 化合物12の合成
マグネチックスターラーを備えた250mLの一つ口フラスコに、化合物11(1.9g,8.4mmol)および無水THF(50mL)を順次に加え、攪拌して溶液を形成し、氷水浴で冷却し、LiAlH(320mg,8.4mmol)をゆっくり添加し、窒素雰囲気下でこの温度を保持して攪拌しながら1時間反応させた。硫酸ナトリウム十水和物(20g)で反応をクエンチし、5分間攪拌し、ジクロロメタン(60mL)で希釈し、濾過し、ジクロロメタン(10mL)で濾過ケーキを洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、79.0%の収率で白色固体1.3gを得た。LC-MS(APCI):m/z=198.1(M+1)
工程4 化合物13の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた100mLの一つ口フラスコに、化合物12(1.3g,6.6mmol)およびエタノール/水(40mL,3/1)を加え、攪拌して溶液を形成し、還元鉄粉(39.6mmol,2.23g)および塩化アンモニウム(6.6mmol,350mg)を添加し、窒素雰囲気下で加熱還流し、この温度を保持して1時間反応させた。室温まで冷却し、濾過し、エタノール(10mL)で濾過ケーキを洗浄し、濃縮して有機溶媒を除去し、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、77.1%の収率で褐色固体850mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=168.1(M+1)
工程6 化合物14の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物13(850mg,5.09mmol)、化合物7(1.6g,5.09mmol)およびエチレングリコールモノメチルエーテル(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、塩化水素のイソプロパノール溶液(7.64mmol,1.53mL,5M)を滴下し、窒素雰囲気下で120℃に昇温し、この温度を保持して攪拌しながら一晩反応させた。室温まで冷却し、水(30mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)を添加し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、52.9%の収率で白色固体1.2gを得た。LC-MS(APCI):m/z=447.2(M+1)H NMR(400mHz,DMSO-D) δ/ppm:11.16(s,1H),8.46-8.43(m,1H),8.11(s,1H),8.07(s,1H),7.62(d,J=8.0Hz,1H),7.58-7.51(m,1H),7.39(t,J=8.0Hz,1H),7.12(t,J=8.0Hz,1H),6.90(s,1H),6.73(d,J=8.0Hz,1H),4.62(t,J=4.8Hz,1H),3.77(s,3H),3.61(q,J=4.8Hz,2H),2.71(t,J=5.6Hz,2H),1.77(s,3H),1.74(s,3H).
工程7 化合物15の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた100mLの一つ口フラスコに、化合物14(1.7g,3.8mmol)および無水ジクロロメタン(20mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、CBr(4.1mmol,1.36g)を添加し、窒素雰囲気下で0℃まで冷却し、トリフェニルホスフィン(TPP,1.08g,4.1mmol)を加えた後、氷浴を取り外し、室温で攪拌して1h反応させた。減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、49.5%の収率で白色固体960mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=509.1,511.1(M+1)
工程8 化合物T-2の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物15(102mg,0.2mmol)およびアセトニトリル(2mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、アンモニア水(3mL)を加え、窒素雰囲気下、室温で撹拌して一晩反応させた。減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、67.4%の収率で白色固体60mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=446.1(M+1)H NMR(400mHz,DMSO-D)δ/ppm:11.19(s,1H),8.49-8.46(m,1H),8.15(s,1H),8.10(s,1H),7.96(br s,2H),7.77(d,J=8.0Hz,1H),7.61-7.55(m,1H),7.45(t,J=8.0Hz,1H),7.16(t,J=8.0Hz,1H),6.97(s,1H),6.78(d,J=8.0Hz,1H),3.84(s,3H),3.06(t,J=8.0Hz,2H),2.88(t,J=8.0Hz,2H),1.80(s,3H),1.76(s,3H).
実施例3 (2-((5-クロロ-2-((4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-2-メトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-3)の調製。
Figure 0007043098000021
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000022
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物15(102mg,0.2mmol)およびアセトニトリル(2mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、ジメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液(5mL)を添加し、窒素雰囲気下、室温で撹拌して一晩反応させた。減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、63.4%の収率で白色固体60mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=474.2(M+1)H NMR(400mHz,DMSO-D)δ/ppm:11.19(s,1H),8.48-8.45(m,1H),8.14(s,1H),8.12(s,1H),7.71(d,J=8.0Hz,1H),7.60-7.56(m,1H),7.44(t,J=8.0Hz,1H),7.15(t,J=8.0Hz,1H),6.99(s,1H),6.79(d,J=8.0Hz,1H),3.82(s,3H),3.04-3.00(m,2H),2.95-2.89(m,2H),2.60(s,6H),1.80(s,3H),1.76(s,3H).
実施例4 (2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-4)の調製。
Figure 0007043098000023
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000024
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物15(102mg,0.2mmol)およびアセトニトリル(2mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、ピペリジン(51mg,0.6mmol)を添加し、窒素雰囲気下、室温で撹拌して一晩反応させた。減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、58.5%の収率で白色固体60mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=514.2(M+1)H NMR(400mHz,DMSO-D)δ/ppm:11.19(s,1H),8.48-8.45(m,1H),8.14(s,1H),8.12(s,1H),7.69(d,J=8.0Hz,1H),7.60-7.56(m,1H),7.43(t,J=8.0Hz,1H),7.15(t,J=8.0Hz,1H),6.97(s,1H),6.78(d,J=8.0Hz,1H),3.81(s,3H),3.38-3.36(m,2H),2.91-2.62(m,6H),1.80(s,3H),1.76(s,3H),1.69-1.62(m,4H),1.49-1.45(m,2H).
実施例5 (2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-5)の調製。
Figure 0007043098000025
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000026
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物15(102mg,0.2mmol)およびアセトニトリル(2mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、N-メチルピペラジン(60mg,0.6mmol)を添加し、窒素雰囲気下、室温で撹拌して一晩反応させた。減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、56.8%の収率で白色固体60mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=514.2(M+1)H NMR(400mHz,DMSO-D)δ/ppm:11.18(s,1H),8.48-8.45(m,1H),8.13(s,1H),8.10(s,1H),7.64(d,J=8.0Hz,1H),7.59-7.54(m,1H),7.41(t,J=8.0Hz,1H),7.14(t,J=8.0Hz,1H),6.96(s,1H),6.76(d,J=8.0Hz,1H),3.80(s,3H),3.38-3.30(m,4H),2.74(t,J=8.0Hz,2H),2.59-2.52(m,4H),2.50-2.47(m,2H),2.26(s,3H),1.79(s,3H),1.76(s,3H).
実施例6 (2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(2-モルホリノエチル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-6)の調製。
Figure 0007043098000027
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000028
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物15(102mg,0.2mmol)およびアセトニトリル(2mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、モルホリン(52mg,0.6mmol)を添加し、窒素雰囲気下、室温で撹拌して一晩反応させた。減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、58.2%の収率で白色固体60mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=516.2(M+1)H NMR(400MHz,DMSO-D)δ/ppm:11.18(s,1H),8.48-8.45(m,1H),8.13(s,1H),8.10(s,1H),7.64(d,J=8.0Hz,1H),7.59-7.54(m,1H),7.41(t,J=8.0Hz,1H),7.14(t,J=8.0Hz,1H),6.96(s,1H),6.76(d,J=8.0Hz,1H),3.80(s,3H),3.60(t,J=8.4Hz,4H),2.74(t,J=8.0Hz,2H),2.54(t,J=8.0Hz,2H),2.45(t,J=8.0Hz,4H),1.79(s,3H),1.76(s,3H).
実施例7 (2-((2-((4-(1-アミノエチル)-2-メトキシフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-7)の調製。
Figure 0007043098000029
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000030
工程1 化合物17の合成
マグネチックスターラーを備えた100mLの3つ口フラスコに、化合物1(2.75g,13.95mmol)および無水THF(20mL)を加え、窒素雰囲気下で攪拌して溶液を形成し、0℃まで冷却し、無水DMF(3滴)を添加した後、塩化オキサリルのジクロロメタン溶液(16.74mmol,8.37mL,2M)をゆっくり滴下し、その後、氷浴を取り外し、室温で攪拌して1時間反応させた。減圧下で溶媒を留去し、トルエン(40mL)に溶解し、攪拌して窒素雰囲気下でMgCl(927mg,9.74mmol)およびトリエチルアミン(3.38g,334.4mmol)を加え、さらに化合物9(2.21g,16.7mmol)をゆっくり添加し、反応混合物を室温で攪拌して一晩反応させた。減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、61.7%の収率で淡黄色固体1.68gを得た。LC-MS(APCI):m/z=196.1(M+1)
工程2 化合物18の合成
マグネチックスターラーを備えた20mLのマイクロ波反応チューブに、化合物17(500mg,2.56mmol)およびエタノール(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、酢酸アンモニウム(1.97g,25.62mmol)およびNaBHCN(322mg,5.12mmol)を添加し、反応混合物をマイクロ波反応装置に設置し、120℃に昇温し、攪拌して10分間反応させた。室温まで冷却し、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、99.5%の収率で無色油状物500mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=197.1(M+1)
工程3 化合物19の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物18(500mg,2.55mmol)およびジクロロメタン(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、トリエチルアミン(1.29g,12.74mmol)を添加し、氷水浴で冷却して無水トリフルオロ酢酸(TFAA,1.07g,5.1mmol)を滴下した後、氷浴を取り外し、窒素雰囲気下、室温で攪拌して30分間反応させた。減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、30.9%の収率で淡黄色固体230mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=293.2(M+1)H NMR(300mHz,CDCl)δ(ppm):7.88(d,J=6.3Hz,1H),7.04(d,J=1.2Hz,1H),6.99(dd,J=6.6Hz,J=1.2Hz,1H),5.16(t,J=5.4Hz,1H),3.99(s,3H),1.63(t,J=5.4Hz,3H).
工程4 化合物20の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物19(230mg,0.79mmol)およびメタノール(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、Pd/C(50mg,60%)を添加し、真空にして水素で3回置換し、水素ガスのバルーン下、室温で攪拌して一晩反応させた。触媒を濾別し、メタノール(5mL)で濾過ケーキを洗浄し、溶媒を留去し、87.2%の収率で黄色固体180mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=263.2(M+1)
工程5 化合物21の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物20(180mg,0.69mmol)、化合物7(239mg,0.75mmol)およびエチレングリコールモノメチルエーテル(3mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、塩化水素のイソプロパノール溶液(1.03mmol,0.21mL,5M)を滴下し、窒素雰囲気下で120℃に昇温し、この温度を保持して攪拌しながら一晩反応させた。室温まで冷却し、水(10mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(5mL)を添加し、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、80.6%の収率で白色固体0.3gを得た。LC-MS(APCI):m/z=542.2(M+1)
工程6 化合物T-7の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物21(300mg,0.55mmol)およびTHF/MeOH/HO(2mL/1mL/1mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO,116mg,2.77mmol)を添加し、反応混合物を室温で攪拌して一晩反応させた。水(10mL)を添加してジクロロメタン(15mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、81.0%の収率で白色固体0.2gを得た。LC-MS(APCI):m/z=446.3(M+1)H NMR(300mHz,DMSO-d)δ(ppm):11.19(s,1H),8.47(dd,J=6.3Hz,J=3.3Hz,1H),8.15(s,2H),8.03(br s,2H),7.84(d,J=6.3Hz,1H),7.56(dd,J=10.2Hz,J=5.7Hz,1H),7.48(t,J=5.7Hz,1H),7.26(s,1H),7.15(t,J=5.4Hz,1H),6.399(d,J=6.0Hz,1H),4.33(d,J=5.1Hz,1H),3.84(s,3H),1.76(d,J=9.9Hz,6H),1.50(d,J=5.1Hz,3H).
実施例8および実施例9 (2-((5-クロロ-2-((4-(1-(ジメチルアミノ)エチル)-2-メトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-8)および(2-((5-クロロ-2-((4-(1-(メチルアミノ)エチル)-2-メトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-9)の調製。
Figure 0007043098000031
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000032
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物T-7(110mg,0.25mmol)およびメタノール(5mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、ホルムアルデヒド(14mg,0.17mmol)および氷酢酸(1滴)を添加し、窒素雰囲気下で攪拌して10分間反応させた。0℃まで冷却し、NaBHCN(15mg,0.25mmol)を添加し、反応混合物を室温で攪拌して1時間反応させた。水(10mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(15mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、25.7%の収率で白色固体として30mgのT-8を得た。LC-MS(APCI):m/z=474.2(M+1)H NMR(300mHz,CDCl)δ(ppm):10.87(s,1H),8.58(dd,J=6.6Hz,J=3.3Hz,1H),8.41(d,J=6.3Hz,1H),8.15(s,1H),7.61-7.55(m,2H),7.34-7.31(m,2H),7.18(t,J=5.4Hz,1H),6.87(d,J=6.3Hz,1H),4.00(s,3H),3.87(s,1H),2.59(s,6H),1.85(s,J=9.9Hz,6H),1.68(s,3H);
残留物をシリカゲルカラムによって精製し、15%の収率で白色固体として17mgのT-9を得た。LC-MS(APCI):m/z=460.2(M+1)H NMR(300mHz,CDCl)δ(ppm):10.84(s,1H),8.56(dd,J=6.3z,J=3.0z,1H),8.42(d,J=6.3Hz,1H),8.14(s,1H),7.62-7.58(m,2H),7.36-7.27(m,2H),7.19(dd,J1=5.4Hz,J2=0.9Hz,1H),6.91(d,J=6.3Hz,1H),4.08(d,J=5.1Hz,1H),4.01(s,3H),2.45(s,3H),1.87-1.83(m,9H).
実施例10 (2-((2-((4-(1-アミノ-2-メチルプロパン-2-イル)-2-メトキシフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-10)の調製。
Figure 0007043098000033
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000034
工程1 化合物23の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物22(2g,13.6mmol)およびTHF(40mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、0℃まで冷却し、カリウムtert-ブトキシド(4.7g,40.8mmol)を添加し、10分間攪拌し、ヨードメタン(5.8g,40.8mmol)を滴下した後、氷浴を取り外し、窒素雰囲気下で室温で攪拌して一晩反応させた。水(60mL)で反応をクエンチし、酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、77.3%の収率で白色固体1.84gを得た。LC-MS(APCI):m/z=176.2(M+1)
工程2 化合物24の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、硝酸テトラブチルアンモニウム(6.7g,21.94mmol)、18-クラウン-6(845mg,3.2mmol)およびジクロロメタン(30mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、0℃まで冷却し、窒素雰囲気下でTFAA(13mL)を滴下し、15分間攪拌し、化合物23(4.0g,22.86mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を滴下した後、氷浴を取り外し、室温で攪拌して2時間反応させた。水(30mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水液(30mL)で反応をクエンチし、5分間攪拌し、有機層を分離し、水相をジクロロメタン(40mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、61.6%の収率で無水油状物3.1gを得た。LC-MS(APCI):m/z=221.1(M+1)H NMR(400mHz,CDCl)δ(ppm):7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.23(d,J=2.0Hz,1H),7.09(dd,J=8.8Hz,J=2.0Hz,1H),4.00(s,3H),1.76(s,6H).
工程3 化合物25の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた100mLの一つ口フラスコに、化合物24(3.2g,14.9mmol)およびエタノール/水(60mL,3/1)を加え、攪拌して溶液を形成し、還元鉄粉(70.5mmol,3.2g)および塩化アンモニウム(14.9mmol,790mg)を添加し、窒素雰囲気下で加熱還流し、この温度を保持して1時間反応させた。室温まで冷却し、濾過し、エタノール(10mL)で濾過ケーキを洗浄し、濃縮して有機溶媒を除去し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、91.8%の収率で褐色固体2.6gを得た。LC-MS(APCI):m/z=191.1(M+1)
工程4 化合物26の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物25(1.5g,7.9mmol)、化合物7(2.5g,7.9mmol)およびエチレングリコールモノメチルエーテル(15mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、塩化水素のイソプロパノール溶液(11.8mmol,2.4mL,5M)を滴下し、窒素雰囲気下で120℃に昇温し、この温度を保持して攪拌しながら一晩反応させた。室温まで冷却し、水(30mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)を添加し、ジクロロメタン(40mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、32.4%の収率で白色固体1.2gを得た。LC-MS(APCI):m/z=470.1(M+1)
工程5 化合物T-10の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物26(1.2g,2.56mmol)およびTHF(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、ボランテトラヒドロフラン溶液(8mL,8.0mmol,1M)を滴下し、窒素雰囲気下で加熱還流し、この温度を保持して攪拌しながら4時間反応させた。室温まで冷却し、減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、38.0%の収率で白色固体460mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=474.2(M+1)H NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):10.82(s,1H),8.59-8.55(m,1H),8.29(d,J=8.4Hz,1H),8.08(s,1H),7.58(t,J=8.4Hz,1H),7.50(s,1H),7.33-7.30(m,1H),7.17-7.14(m,1H),6.88-6.85(m,2H),3.91(s,3H),3.05(s,2H),1.85(s,3H),1.82(s,3H),1.45(s,6H).
実施例11および実施例12 (2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(2-メチル-1-(メチルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-11)および(2-((5-クロロ-2-((4-(1-(ジメチルアミノ)-2-メチルプロパン-2-イル)-2-メトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-12)の調製。
Figure 0007043098000035
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000036
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物T-10(300mg,0.63mmol)およびメタノール(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、ホルムアルデヒド(15mg,0.5mmol)および氷酢酸(1滴)を添加し、窒素雰囲気下で攪拌して10分間反応させた。0℃まで冷却し、NaBHCN(40mg,0.63mmol)を添加し、反応混合物を室温で攪拌して1時間反応させた。水(20mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、16.3%の収率で白色固体として50mgのT-11を得た。LC-MS(APCI):m/z=488.2(M+1)H NMR(400mHz,CDCl)δ(ppm):10.87(s,1H),8.61-8.58(m,1H),8.40(d,J=8.4Hz,1H),8.14(s,1H),7.59-7.55(m,2H),7.35-7.30(m,1H),7.22-7.17(m,1H),7.03(d,J=2.0Hz,1H),6.93(dd,J=8.0Hz,J=2.0Hz,1H),4.00(s,3H),3.15(s,2H),2.50(s,3H),1.87(s,3H),1.84(s,3H),1.61(s,6H);
残留物をシリカゲルカラムによって精製し、30.0%の収率で白色固体として150mgのT-12を得た。LC-MS(APCI):m/z=502.2(M+1)H NMR(400mHz,CDCl)δ(ppm):10.87(s,1H),8.61-8.58(m,1H),8.40(d,J=8.4Hz,1H),8.14(s,1H),7.59-7.55(m,2H),7.35-7.30(m,1H),7.22-7.17(m,1H),7.03(d,J=2.0Hz,1H),6.93(dd,J=8.0Hz,J=2.0Hz,1H),4.00(s,3H),3.15(s,2H),2.50(s,6H),1.87(s,3H),1.84(s,3H),1.61(s,6H).
実施例13 (2-((2-((4-(2-アミノプロパン-2-イル)-2-メトキシフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-13)の調製。
Figure 0007043098000037
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000038
工程1 化合物27の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物26(1.6g,3.41mmol)および水(10mL)を加え、攪拌しながら濃硫酸(10mL)を添加し、窒素雰囲気下で反応液を100に昇温し、この温度を保持して攪拌しながら一晩反応させた。室温まで冷却し、NaOH水溶液(2M)でpH~5に調整し、ジクロロメタン(40mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、51.1%の収率で白色固体850mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=487.2(M-1)
工程2 化合物T-13の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物27(200mg,0.41mmol)およびジクロロメタン(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、トリエチルアミン(0.53mL,0.53mmol)を添加し、窒素雰囲気下で攪拌して15分間反応させ、ジフェニルリン酸アジド(DPPA,147mg,0.53mmol)を添加し、室温でさらに攪拌して3時間反応させた。減圧下で溶媒を留去し、トルエン(10mL)に溶解し、2時間加熱還流し、室温まで冷却し、塩酸(20mL,6M)を加え、さらに還流して3時間反応させた。室温まで冷却し、アンモニウム水でpH~10に調整し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、58.4%の収率で白色固体110mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=460.2(M+1)H NMR(400mHz,DMSO-D)δ(ppm):11.20(s,1H),8.50-8.47(m,1H),8.25-8.15(m,4H),7.83(d,J=8.8Hz,1H),7.60-7.55(m,1H),7.50(t,J=8.0Hz,1H),7.30(s,1H),7.15(t,J=8.0Hz,1H),7.03(dd,J=8.8Hz.J=2.0Hz,1H),3.87(s,3H),1.79(s,3H),1.75(s,3H),1.63(s,6H).
実施例14および実施例15 (2-((5-クロロ-2-((4-(2-(ジメチルアミノ)プロパン-2-イル)-2-メトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-14)および(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(2-(メチルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-15)の調製。
Figure 0007043098000039
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000040
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物T-13(300mg,0.65mmol)およびメタノール(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、ホルムアルデヒド(15mg,0.5mmol)および氷酢酸(1滴)を添加し、窒素雰囲気下で攪拌して10分間反応させた。0℃まで冷却し、NaBHCN(42mg,0.65mmol)を加え、反応混合物を室温で攪拌して1時間反応させた。水(20mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、30.0%の収率で白色固体として150mgのT-14を得た。LC-MS(APCI):m/z=488.2(M+1)H NMR(400mHz,CDCl)δ(ppm):10.87(s,1H),8.58-8.57(m,1H),8.42(d,J=8.4Hz,1H),8.14(s,1H),7.82(br s,1H),7.61(s,1H),7.56(t,J=8.0Hz,1H),7.31-7.28(m,1H),7.17(t,J=8.0Hz,1H),6.98(dd,J=8.4Hz,J=2.0Hz,1H),4.08(s,3H),2.62(s,6H),1.85(s,3H),1.82(s,3H),1.81(s,6H);
残留物をシリカゲルカラムによって精製し、15.0%の収率で白色固体として50mgのT-15を得た。LC-MS(APCI):m/z=474.2(M+1)H NMR(400mHz,DMSO-D)δ(ppm):11.20(s,1H),9.53(br s,1H),8.47-8.44(m,1H),8.21(s,1H),8.18(s,1H),7.88(d,J=8.4Hz,1H),7.60-7.55(m,1H),7.51(t,J=8.0Hz,1H),7.42(s,1H),7.16(t,J=8.0Hz,1H),7.07(dd,J=8.8Hz.J=2.0Hz,1H),3.89(s,3H),2.22(s,3H),1.79(s,3H),1.75(s,3H),1.69(s,6H).
実施例16 (2-((2-((4-(1-アミノプロパン-2-イル)-2-メトキシフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-16)の調製。
Figure 0007043098000041
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000042
工程1 化合物28の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物22(4g,27.2mmol)およびTHF(40mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、-10℃に冷却し、LiHMDS(29.92mL,29.92mmol,1M)を滴下し、10分間攪拌し、ヨードメタン(4.3g,29.92mmol)を滴下した後、0℃で窒素雰囲気下で室温で攪拌して一晩反応させた。水(60mL)で反応をクエンチし、酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、73.5%の収率で白色固体3.2gを得た。LC-MS(APCI):m/z=176.2(M+1)H NMR(400MHz,CDCl3) δ (ppm):7.33-7.28(m,1H),6.96-6.87(m,3H),3.89(q,J=7.2Hz,1H),3.84(s,3H),1.87(d,J=7.2Hz,3H).
工程2 化合物29の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、硝酸テトラブチルアンモニウム(6.7g,21.94mmol)、18-クラウン-6(845mg,3.2mmol)およびジクロロメタン(30mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、0℃まで冷却し、窒素雰囲気下でTFAA(13mL)を滴下し、15分間攪拌し、化合物28(3.7g,22.86mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を滴下した後、氷浴を取り外し、室温で攪拌して2時間反応させた。水(30mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水液(30mL)で反応をクエンチし、5分間攪拌し、有機層を分離し、水相をジクロロメタン(40mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、68.6%の収率で3.1gの無水油状物を得た。LC-MS(APCI):m/z=207.1(M+1)
工程3 化合物30の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた100mLの一つ口フラスコに、化合物29(3.1g,14.9mmol)およびエタノール/水(60mL,3/1)を加え、攪拌して溶液を形成し、還元鉄粉(70.5mmol,3.2g)および塩化アンモニウム(14.9mmol,790mg)を添加し、窒素雰囲気下で加熱還流し、この温度を保持して1時間反応させた。室温まで冷却し、濾過し、エタノール(10mL)で濾過ケーキを洗浄し、濃縮して有機溶媒を除去し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、91.5%の収率で褐色固体2.4gを得た。LC-MS(APCI):m/z=177.1(M+1)
工程4 化合物31の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物30(1.4g,7.9mmol)、化合物7(2.5g,7.9mmol)およびエチレングリコールモノメチルエーテル(15mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、塩化水素のイソプロパノール溶液(11.8mmol,2.4mL,5M)を滴下し、窒素雰囲気下で120℃に昇温し、この温度を保持して攪拌しながら一晩反応させた。室温まで冷却し、水(30mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)を添加し、ジクロロメタン(40mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、33.4%の収率で白色固体1.2gを得た。LC-MS(APCI):m/z=456.1(M+1)
工程5 化合物T-16の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物31(1.2g,2.64mmol)およびTHF(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、ボランテトラヒドロフラン溶液(8mL,8.0mmol,1M)を滴下し、窒素雰囲気下で加熱還流し、この温度を保持して攪拌しながら4時間反応させた。室温まで冷却し、減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、37.8%の収率で白色固体460mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=460.2(M+1)H NMR(400mHz,CDCl)δ(ppm):10.77(s,1H),8.55-8.52(m,1H),8.19(d,J=8.8Hz,1H),8.02(s,1H),7.53(t,J=8.0Hz,1H),7.42(s,1H),7.29-7.25(m,1H),7.16-7.14(m,1H),6.79-6.77(m,2H),3.89(s,3H),3.18-3.15(m,2H),3.05-3.02(m,1H),1.84(d,J=1.6Hz,3H),1.80(d,J=1.6Hz,3H),1.36(d,J=6.4Hz,3H).
実施例17および実施例18 (2-((5-クロロ-2-((4-(1-(ジメチルアミノ)プロパン-2-イル)-2-メトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-17)および(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(1-(メチルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-18)の調製。
Figure 0007043098000043
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000044
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物T-16(300mg,0.65mmol)およびメタノール(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、ホルムアルデヒド(15mg,0.5mmol)および氷酢酸(1滴)を添加し、窒素雰囲気下で攪拌して10分間反応させた。0℃まで冷却し、NaBHCN(42mg,0.65mmol)を加え、反応混合物を室温で攪拌して1時間反応させた。水(20mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、30.0%の収率で白色固体として150mgのT-17を得た。LC-MS(APCI):m/z=488.2(M+1)H NMR(400mHz,CDCl)δ(ppm):10.85(s,1H),8.60-8.58(m,1H),8.34(d,J=8.4Hz,1H),8.13(s,1H),7.56(t,J=8.0Hz,1H),7.52(s,1H),7.35-7.29(m,1H),7.21-7.16(m,1H),6.87(s,1H),6.82-6.79(m,1H),3.94(s,3H),3.37-3.32(m,1H),3.10-3.02(m,1H),2.96-2.94(m,1H),2.59(s,6H),1.87(s,3H),1.84(s,3H),1.41(d,J=6.4Hz,3H);
残留物をシリカゲルカラムによって精製し、15.0%の収率で白色固体として50mgのT-18を得た。LC-MS(APCI):m/z=474.2(M+1)H NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):10.85(s,1H),8.60-8.58(m,1H),8.34(d,J=8.4Hz,1H),8.13(s,1H),7.56(t,J=8.0Hz,1H),7.52(s,1H),7.35-7.29(m,1H),7.21-7.16(m,1H),6.87(s,1H),6.82-6.79(m,1H),3.94(s,3H),3.37-3.32(m,1H),3.10-3.02(m,1H),2.96-2.94(m,1H),2.59(s,3H),1.87(s,3H),1.84(s,3H),1.41(d,J=6.4Hz,3H).
実施例19 (2-((2-((4-(2-アミノエチル)-2-メトキシ-5-メチルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-19)の調製。
Figure 0007043098000045
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000046
工程1 化合物34の合成
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、NaOH(2.7g,67.1mmol)およびDMSO(10mL)を加え、0℃まで冷却し、化合物32(1.12g,6.71mmol)および化合物33(1.0g,6.71mmol)のDMSO(10mL)を滴下した後、反応混合物を窒素雰囲気下でさらに攪拌して2時間反応させた。水(50mL)を添加して反応をクエンチし、酢酸エチル(40mL×3)で抽出し、水(60mL×2)で洗浄し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、94.2%の収率で白色固体1.3gを得た。LC-MS(APCI):m/z=207.1(M+1)
工程2 化合物35の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた100mLの一つ口フラスコに、化合物34(3.1g,14.9mmol)およびエタノール/水(60mL,3/1)を加え、攪拌して溶液を形成し、還元鉄粉(70.5mmol,3.2g)および塩化アンモニウム(14.9mmol,790mg)を添加し、窒素雰囲気下で加熱還流し、この温度を保持して1時間反応させた。室温まで冷却し、濾過し、エタノール(10mL)で濾過ケーキを洗浄し、濃縮して有機溶媒を除去し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、91.5%の収率で褐色固体2.4gを得た。LC-MS(APCI):m/z=177.1(M+1)
工程3 化合物36の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物35(1.4g,7.9mmol)、化合物7(2.5g,7.9mmol)およびエチレングリコールモノメチルエーテル(15mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、塩化水素のイソプロパノール溶液(11.8mmol,2.4mL,5M)を滴下し、窒素雰囲気下で120℃に昇温し、この温度を保持して攪拌しながら一晩反応させた。室温まで冷却し、水(30mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)を添加し、ジクロロメタン(40mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、33.4%の収率で白色固体1.2gを得た。LC-MS(APCI):m/z=456.1(M+1)
工程4 化合物T-19の合成
マグネチックスターラーおよび冷却管を備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物31(1.2g,2.64mmol)およびTHF(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、ボランテトラヒドロフラン溶液(8mL,8.0mmol,1M)を滴下し、窒素雰囲気下で加熱還流し、この温度を保持して攪拌しながら4時間反応させた。室温まで冷却し、減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、37.8%の収率で白色固体460mgを得た。LC-MS(APCI):m/z=460.2(M+1)H NMR(400mHz,DMSO-D)δ(ppm):8.47-8.44(m,1H),8.14(s,1H),8.04(s,1H),7.60-7.55(m,2H),7.41(t,J=8.0Hz,1H),7.16-7.13(m,2H),6.86(s,1H),3.80(s,3H),2.94(t,J=8.4Hz,2H),2.81(t,J=8.4Hz,2H),2.17(s,3H),1.79(s,3H),1.76(s,3H).
実施例20および実施例21 (2-((5-クロロ-2-((4-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-2-メトキシ-5-メチルフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-20)および(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-5-メチル-4-(2-(メチルアミノ)エチル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(化合物T-21)の調製。
Figure 0007043098000047
以下の経路によって合成された。
Figure 0007043098000048
マグネチックスターラーを備えた50mLの一つ口フラスコに、化合物T-19(300mg,0.65mmol)およびメタノール(10mL)を加え、攪拌して溶液を形成し、ホルムアルデヒド(15mg,0.5mmol)および氷酢酸(1滴)を添加し、窒素雰囲気下で攪拌して10分間反応させた。0℃まで冷却し、NaBHCN(42mg,0.65mmol)を加え、反応混合物を室温下で攪拌して1時間反応させた。水(20mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物をシリカゲルカラムによって精製し、30.0%の収率で白色固体として150mgのT-20を得た。LC-MS(APCI):m/z=488.2(M+1)H NMR(400mHz,CDCl3)δ(ppm):10.79(s,1H),8.59-8.56(m,1H),8.09-8.08(m,2H),7.48(t,J=8.0Hz,1H),7.43(s,1H),7.30-7.27(m,1H),7.14-7.10(m,1H),6.68(s,1H),6.82-6.79(m,1H),3.84(s,3H),2.98-2.94(m,2H),2.80-2.73(m,2H),2.58(s,6H),2.20(s,3H),1.83(s,3H),1.81(s,3H);
残留物をシリカゲルカラムによって精製し、15.0%の収率で白色固体として50mgのT-21を得た。LC-MS(APCI):m/z=474.2(M+1).10.76(s,1H),8.59-8.56(m,1H),8.09-8.08(m,2H),7.48(t,J=8.0Hz,1H),7.43(s,1H),7.30-7.27(m,1H),7.14-7.10(m,1H),6.68(s,1H),6.82-6.79(m,1H),3.84(s,3H),2.98-2.94(m,2H),2.80-2.73(m,2H),2.55(s,3H),2.20(s,3H),1.83(s,3H),1.81(s,3H).
実施例22 化合物の生物学的評価
本発明の化合物は、複数の試験で評価を行い、それらの生物学的活性を決定する。例えば、本発明の化合物は、注目されている様々なプロテインキナーゼを阻害する能力について試験される。試験された一部の化合物は、ALKキナーゼに対して強力な阻害活性を示す。
(1)キナーゼ阻害効果の評価
化合物の調製:試験化合物をDMSOに溶解して、20mMの原液を調製した。使用前に化合物をDMSOで0.1mM(100倍の最終濃度の希釈液)に希釈し、3倍の勾配で11個の濃度に連続希釈した。投与時に緩衝液で希釈して4倍の最終濃度の希釈液を調製した。
キナーゼアッセイ:緩衝液を調製した後、酵素を、異なる濃度で事前に希釈された化合物と混合し、各濃度2つのウェルで、室温下、30分間置いた。対応する基質およびATPを加え、室温で60分間反応させた(陰性対照および陽性対照を設置した)。反応完了後、抗体を加えて検出し、室温で60分間インキュベートした後、Evnvision検出を行い、データを収集した。XLfit5ソフトウェアによってデータを分析し、プロットグした。IC50値は次の式で算出した。(IC50=[(ABS試験-ABS開始)/(ABS対照-ABS開始)]×100)。ここで、AはIC50≦2nMを表し、BはIC50が2~5nMであることを表し、CはIC50が5~10nMであることを表す。
本発明の化合物は、上記のキナーゼ阻害アッセイで測定された結果、ALKおよびALK[L1196M]に対して強力な活性を有することが見出された。代表的な実施例化合物の結果を以下の表1に示す。
Figure 0007043098000049
(2)細胞毒性実験
CellTiter-Glo法により、本発明の化合物のインビトロで培養した3つの細胞に対するインビトロ抗増殖活性を検出した。実験結果は、本発明の化合物が、インビトロで培養したEML4-ALKおよびEML4-ALK L1196M変異細胞のインビトロ増殖に対して強力な阻害効果を有することを示す。
細胞株:Ba/F3 parental;Ba/F3[EML4-ALK](WuXi PharmaTechから入手)およびBa/F3[EML4-ALK L1196M](WuXi PharmaTechから入手);ここで、Ba/F3 parentalは、10ng/mlのIL-3、0%のウシ胎児血清、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンを含むRPMI1640培地で培養し;Ba/F3[EML4-ALK]およびBa/F3[EML4-ALK L1196M]は、10%のウシ胎児血清、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンを含むRPMI1640培地で培養した。
試薬および材料:RPMI-1640(GIBCO、カタログ番号A10491-01);ウシ胎児血清(GIBCO、カタログ番号10099141);0.25%トリプシン-EDTA(GIBCO、カタログ番号25200);ペニシリン-ストレプトマイシン、液体(GIBCO、カタログ番号15140-122);DMSO(Sigma、カタログ番号D2650);CellTiter-Gloアッセイキット(Promega、カタログ番号G7572)、96ウェルプレート(Corning、カタログ番号3365)。
具体的な実験方法:
1.試験化合物をDMSOに溶解してストック溶液を作製し、勾配希釈を行い、10倍の作業濃度の溶液を得た。
2.対数増殖期の細胞を培養液で希釈して特定の細胞濃度に調整し、96ウェルプレートに90μlの細胞懸濁液を加えて、細胞密度を所定の濃度にした。プレートを37℃、5%COのインキュベーターで、一晩インキュベートした。
3.細胞を接種した96ウェルプレートの各ウェルに10μlの薬物溶液を加えた。試験化合物は、最高濃度が20μMで、10個の濃度で3倍勾配希釈し、2つのウェルで繰り返して測定した。
4.72時間連続培養した後、CellTiter-Gloで細胞生存率を検出した。GraphPad Prismソフトウェアを使用して用量反応曲線を作成して、IC50を算出した。
本発明の化合物は、上記の細胞毒性実験で測定された。本発明の化合物が、Ba/F3 ALKおよびBa/F3 ALK[L1196M]に対して強力な活性を有し、且つBa/F3 parental細胞よりも優れた選択性を有することを見出した。インビトロでの癌細胞の増殖に対する本発明の代表的な実施例の化合物の阻害効果の結果を以下の表2に示す。ここで、AはIC50≦25nMを表し、BはIC50が25~50nMであることを表し、CはIC50が50~100nMであることを表し、DはIC50が100~200nMであることを表し、EはIC50が200~1000nMであることを表し、且つEはIC50≧1000nMを表す。
Figure 0007043098000050
(3)代謝安定性評価。
ミクロソーム実験:ヒト肝臓ミクロソーム:0.5mg/mL,Xenotech;ラット肝臓ミクロソーム:0.5mg/mL,Xenotech;補酵素(NADPH/NADH):1mM,Sigma Life Science;塩化マグネシウム:5mM、100mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)。
ストック溶液の調製:一定量の実施例化合物の粉末を正確に秤量し、それぞれDMSOで5mMに溶解した。
リン酸塩緩衝液(100mM,pH7.4)の調製:予め調製された0.5Mのリン酸二水素カリウム150mLと0.5Mのリン酸水素二カリウム溶液700mLとを混合し、更に0.5Mのリン酸水素二カリウム溶液で混合液のpHを7.4に調整し、使用前に超純水で5倍に希釈し、塩化マグネシウムを加えて、100mMのリン酸カリウム、3.3mMの塩化マグネシウムを含む、pHが7.4であるリン酸塩緩衝液(100mM)を得た。
NADPH再生系溶液(6.5mMのNADP、16.5mMのG-6-P、3U/mLのG-6-P D、3.3mMの塩化マグネシウムを含む)を調製し、使用前に湿った氷上に置いた。
停止液の調製:50ng/mLの塩酸プロプラノロールと200ng/mLのトルブタミド(内部標準)を含むアセトニトリル溶液である。25057.5μLのリン酸塩緩衝液(pH7.4)を50mL遠心管に入れ、ヒト肝臓ミクロソーム812.5μLをそれぞれ添加し、均一に混合して、タンパク質濃度が0.625mg/mLである肝臓ミクロソーム希釈液を得た。25057.5μLのリン酸塩緩衝液(pH7.4)を50mL遠心管に入れ、SDラット肝臓ミクロソーム812.5μLをそれぞれ添加し、均一に混合して、タンパク質濃度が0.625mg/mLの肝臓ミクロソーム希釈液を得た。
サンプルのインキュベーション:対応する化合物のストック溶液を、70%アセトニトリルを含む水溶液でそれぞれ0.25mMに希釈し、作業溶液として使用した。398μLのヒト肝臓ミクロソーム或いはラット肝臓ミクロソームの希釈液を96ウェルインキュベーションプレート(N=2)にそれぞれ加え、0.25mMの作業溶液2μLにそれぞれ添加して均一に混合した。
代謝安定性アッセイ:予め冷却した停止液300μLを96ウェルディープウェルプレートの各ウェルに添加し、氷上に置いて停止プレートとした。96ウェルインキュベーションプレートおよびNADPH再生系を37℃の水浴に置いて、100rpmで振とうし、5分間プレインキュベートした。インキュベーションプレートの各ウェルから80μLのインキュベーション溶液を取出し、停止プレートに加え、均一に混合し、NADPH再生系溶液20μLを補充して0分間サンプルとした。インキュベーションプレートの各ウェルに80μLのNADPH再生系溶液を更に添加し、反応を開始し、時間を計り始めた。対応する化合物の反応濃度は1μMで、タンパク濃度は0.5mg/mLである。反応の10分間、30分間、90分間に、それぞれ100μLの反応液を採取し、停止プレートに加え、3分間ボルテックス操作を行い、反応を停止させた。5000×g、4℃の条件下で停止プレートを10分間遠心分離した。予め100μLの蒸留水を入れた96ウェルプレートに、100μLの上清を加え、均一に混合し、LC-MS/MSを用いてサンプルを分析した。
データ分析:LC-MS/MSシステムによって対応する化合物および内部標準のピーク面積を検出し、化合物と内部標準のピーク面積の比を計算した。時間に対する化合物残存量の百分率の自然対数をプロットすることによって、傾きを測定して、以下の式に従ってt1/2及びCLintを計算した。ここで、V/Mは1/タンパク濃度に等しい。
Figure 0007043098000051
1/2(min);CLint(μL/min/mg)
ヒトおよびラットの肝臓ミクロソームにおける本発明の化合物の代謝安定性を評価した。代謝安定性の指標としての半減期および肝固有クリアランスを以下の表3に示す。本発明の化合物は、代謝安定性を著しく改善することができる。
Figure 0007043098000052
(4)ラットにおける薬物動態実験
6匹のSprague-Dawleyラット(オス、7-8週齢、体重約210g)を2つの群に分け、各群3匹ずつ、経静脈または経口で単回投与量の化合物(経口10mg/kg)を投与し、その薬物動態学の差異を比較した。
標準飼料でラットを飼育し、水を与えた。試験の16時間前から絶食させた。薬物をPEG400およびジメチルスルホキシドで溶解した。投与した後の0.083時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間および24時間の時点で眼窩採血を行った。
ラットにエーテルを吸入させて一時麻酔を行い、眼窩から300μLの血液サンプルを採取して試験管に入れた。試験管中には1%のヘパリン塩溶液30μLがある。使用前に、試験管を60℃で一晩乾燥させた。最後の時点の血液サンプルの採取が完了した後、エーテルで麻酔した後にラットを殺処分した。
血液サンプルを採取した直後に、穏やかに試験管を少なくとも5回転倒させ、十分に混合し、氷上に置いた。血液サンプルを4℃、5000rpmで5分間遠心分離して、赤血球と血漿を分離した。100μLの血漿をピペットで清潔なプラスチック遠心管に入れ、化合物の名称および時点を示した。分析まで血漿を-80℃で保存した。血漿中の本発明の化合物濃度をLC-MS/MSにより測定した。薬物動態パラメーターは、異なる時点における各動物の血中濃度に基づいて計算した。
実験は、本発明の化合物が動物の体内でもより優れた薬物動態特性を有し、したがってより優れた薬力学および治療効果を有することを示した。
上記の内容は、特定の好ましい実施形態を参照して本発明に対するさらなる詳細な説明であるが、本発明の実施形態がこれらの記載に限定されない。当業者にとって明らかであるように、本発明の精神から逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、すべてが本発明の保護範囲内にあるとみなされるべきである。
[請求項1]
式(I)で表れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体であって、
[化1]
Figure 0007043098000053
ただし、
およびR は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO 、-OH、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C ハロアルキル、置換されていてもよいC -C アルコキシ、置換されていてもよいC -C 10 カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、R およびR は、それらが結合している原子とともに5~7員の縮合環を形成していてもよく;
連結基Wは、以下の1)~2)から選択され、
1)C -C アルキレン、C -C アルケニレン、C -C アルキニレン、C -C カルボシクリレン、3~10員ヘテロシクリレン、C -C 14 アリーレンまたは5~10員のヘテロアリーレン;ここで、Wがベンゼン環に結合している原子はCである必要があり;ここで、上記の基は、1つまたは複数のR で置換されていてもよく;
2)-C(=O)-、-C(=O)O-、-C(=O)N(R )-;
は、H、ハロゲン、-CN、-NO 、オキソ、C -C アルキル、C -C ハロアルキル、またはC -C アルコキシからなる群から選択され;
は、H、C -C アルキル、またはC -C ハロアルキルからなる群から選択され;
およびR は、独立して、H、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C ハロアルキル、置換されていてもよいC -C アルコキシ、置換されていてもよいC -C 10 カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、R およびR は、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルを形成し;
は、置換されていてもよいC -C アルコキシ、置換されていてもよいC -C ハロアルコキシ、置換されていてもよいC -C アルケニルオキシ、または置換されていてもよい3~7員シクロアルキルオキシからなる群から選択され;
は、化学的に許容される限り、H、ハロゲン、-R、-CN、-NO 、-OH、-SH、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NRR、-NR 、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、-NRC(=O)NRR、-NRS(=O)R、-NRS(=O)NRR、-NRS(=O) R、-NRS(=O) NRR、-OR、-OC(=O)R、-OC(=O)NRR、-S(=O)R、-S(=O)OR、-S(=O)NRR、-S(=O) R、-S(=O) OR、-S(=O) NRR、-SC(=O)R、-SC(=O)OR、または-SC(=O)NRRからなる群から選択され;ここで、Rは独立して、H、ハロゲン、C -C アルキル、C -C ハロアルキル、C -C アルコキシ、C -C ハロアルコキシ、C -C アルケニル、C -C アルキニル、C -C 10 カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C -C 14 アリールまたは5~10員のヘテロアリールであり;2つの隣接するRはともに、置換されていてもよいC -C 10 カルボシクリル、置換されていてもよい5~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC -C 14 アリール、または置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールを形成していてもよい、
式(I)で表れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
[請求項2]
は、H、ハロゲン、-CN、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C ハロアルキル、置換されていてもよいC -C アルコキシ、置換されていてもよいC -C 10 カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;好ましくは、R は、H、F、Cl、Br、メチル、エチル、イソプロピル、-CH F、-CHF 、メトキシ、イソプロポキシ、シクロプロピル、またはオキシラニルからなる群から選択され;より好ましくは、R は、H、F、Cl、メチル、イソプロピル、またはシクロプロピルからなる群から選択され;より好ましくは、R はClであり;
は、H、ハロゲン、-CN、-NO 、-OH、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C アルコキシからなる群から選択され;好ましくは、R は、H、F、Cl、Br、-CN、-NO 、-OH、またはメチルからなる群から選択され;より好ましくは、R はHであり;
或いは、R およびR は、それらが結合している炭素原子とともに、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子を0~2個含む5~7員縮合芳香環を形成し;好ましくは、R およびR は、それらが結合している炭素原子とともに、NおよびSから選択されるヘテロ原子を0~2個含む5員縮合芳香環を形成する、
請求項1に記載の化合物。
[請求項3]
前記の化合物は、
[化2]
Figure 0007043098000054
からなる群から選択され、
ここで、
Wは、C -C アルキレン、C -C 10 カルボシクリレン、3~10員カルボシクリレンからなる群から選択され、ここで、Wがベンゼン環に結合している原子はCである必要があり;ここで、上記の基は、1つまたは複数のR で置換されていてもよく;
は、H、C -C アルキル、C -C ハロアルキル、またはC 1-6 アルコキシからなる群から選択され;
およびR は、独立して、H、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C ハロアルキル、置換されていてもよいC -C アルコキシ、置換されていてもよいC -C 10 カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、R およびR は、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルを形成し;
は、置換されていてもよいC -C アルコキシ、置換されていてもよいC -C ハロアルコキシ、または置換されていてもよい3~7員シクロアルキルオキシからなる群から選択され;
は、H、ハロゲン、またはC -C アルキルから選択される、
請求項2に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
[請求項4]
Wは、-CH -、-CH CH -、-C(CH )H-、-C(CH -、-C(CH )HCH -、-C(CH CH -、-C(CH )HC(CH )H-、-C(CH C(CH -、
[化3]
Figure 0007043098000055
からなる群から選択され;ここで、*はベンゼン環に結合することを表し、#はN原子に結合することを表す、
請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
[請求項5]
およびR は、独立して、H、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C 10 カルボシクリル、または置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、R およびR は、それらが結合している窒素原子とともに、置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルを形成する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
[請求項6]
-W-NR は、
[化4]
Figure 0007043098000056
[化5]
Figure 0007043098000057
からなる群から選択され;
好ましくは、-W-NR は、
[化6]
Figure 0007043098000058
からなる群から選択される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
[請求項7]
は、-OCH 、-OCH CH 、-OCH CH CH 、-OCH(CH 、-OCF 、-OCHF 、-OCH F、または-OCH CF からなる群から選択され;好ましくは、R は、-OCH 、-OCH(CH 、または-OCH CF からなる群から選択され;好ましくは、R は-OCH である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
[請求項8]
は、H、またはC -C アルキルからなる群から選択され;
好ましくは、R は、H、またはメチルから選択される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
[請求項9]
前記の化合物は、
[化7]
Figure 0007043098000059
からなる群から選択される、
請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
[請求項10]
請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体と、
薬学的に許容される賦形剤と
を含む、医薬組成物。
[請求項11]
ALKに媒介される癌関連病症を治療するための薬物の調製における、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、プロドラッグ、代謝物、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体、若しくは請求項10に記載の医薬組成物の使用。
[請求項12]
前記の癌は、非小細胞肺癌、乳癌、神経腫、食道癌、軟部組織癌、リンパ腫または白血病から選択される、請求項11に記載の使用。
[請求項13]
前記の非小細胞肺癌はALK陽性非小細胞肺癌であり、前記のリンパ腫は未分化大細胞型リンパ腫である、請求項12に記載の使用。

Claims (14)

  1. 式(I):
    Figure 0007043098000060
    ただし、
    およびRは、独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、および置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;或いは、RおよびRは、それらが結合している原子とともに5~7員の縮合環を形成していてもよく;
    連結基Wは、C -Cアルキレンであって、1つまたは複数のRで置換されていてもよく
    は、H、ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、および-Cハロアルキルからなる群から選択され
    およびRは、独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、および置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され
    は、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-Cハロアルコキシ、置換されていてもよいC-Cアルケニルオキシ、および置換されていてもよい3~7員シクロアルキルオキシからなる群から選択され;
    は、H、ハロゲン、またはC -C アルキルから選択される、
    れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
  2. は、H、ハロゲン、-CN、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、および置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され
    は、H、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、置換されていてもよいC-Cアルキル、および置換されていてもよいC-Cアルコキシからなる群から選択され
    いは、RおよびRは、それらが結合している炭素原子とともに、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子を0~2個含む5~7員縮合芳香環を形成する、
    請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
  3. 前記の化合物は、
    Figure 0007043098000061
    からなる群から選択され、
    ここで、
    Wは、C-Cアルキレンであって、1つまたは複数のRで置換されていてもよく;
    は、H、C-Cアルキル、および-Cハロアルキルからなる群から選択され;
    およびRは、独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cハロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、および置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され
    は、置換されていてもよいC-Cアルコキシ、置換されていてもよいC-Cハロアルコキシ、および置換されていてもよい3~7員シクロアルキルオキシからなる群から選択され;
    は、H、ハロゲン、またはC-Cアルキルから選択される、
    請求項2に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
  4. Wは、-CH-、-CHCH-、-C(CH)H-、-C(CH-、-C(CH)HCH-、-C(CHCH-、-C(CH)HC(CH)H-、および-C(CHC(CH -からなる群から選択される、
    求項1~3のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
  5. およびRは、独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-C10カルボシクリル、および置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルからなる群から選択される、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
  6. -W-NRは、
    Figure 0007043098000062
    からなる群から選択される、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
  7. は、-OCH、-OCHCH、-OCHCHCH、-OCH(CH、-OCF、-OCHF、-OCHF、および-OCHCFからなる群から選択される、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
  8. は、H、および-Cアルキルからなる群から選択される、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
  9. 前記の化合物は、
    Figure 0007043098000063
    からなる群から選択される、
    請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
  10. Figure 0007043098000064
    からなる群から選択される化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体と、
    薬学的に許容される賦形剤と
    を含む、医薬組成物。
  12. ALKに媒介される癌関連病症を治療するための医薬の調製における、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、結晶形、水和物、溶媒和物、立体異性体または同位体誘導体、若しくは請求項11に記載の医薬組成物の使用。
  13. 前記の癌は、非小細胞肺癌、乳癌、神経腫、食道癌、軟部組織癌、リンパ腫または白血病から選択される、請求項12に記載の使用。
  14. 前記の非小細胞肺癌はALK陽性非小細胞肺癌であり、前記のリンパ腫は未分化大細胞型リンパ腫である、請求項13に記載の使用。
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