JP7040025B2 - 紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム、包装材、及び包装体 - Google Patents

紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム、包装材、及び包装体 Download PDF

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Description

本発明は、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム、包装材、及び包装体に関する。
包装体は食品、医薬品等の包装に使用されるが、包装体内の被包装物が紫外線の影響を受けて変質、変色、劣化することを防ぐために、包装体には種々の対策がなされている。例えば、包装体の内面を金属薄膜でコーティングする方法や、包装体に紫外線遮蔽剤を含有させる方法や、包装体を構成する包装材に紫外線遮蔽性を有する機能層を設ける方法が知られている。
しかしながら、内面が金属薄膜でコーティングされた包装体は、X線検査ができないし、被包装物を可視化することもできないため、異物検査を十分に行うことができないおそれがあった。したがって、包装体としては、紫外線を遮蔽する紫外線遮蔽性と可視光を透過する透明性とを併せ持つものが求められていた。
例えば特許文献1、2には、金属酸化物微粒子を液状媒体に分散させたコーティング剤をガラスやプラスチックに塗布し紫外線遮蔽層を形成することにより、紫外線遮蔽性を付与する技術が開示されている。
また、特許文献3には、プラスチックフィルムに平均一次粒径0.03μm以下の酸化亜鉛微粒子を練り込むことにより、透明性を担保したまま紫外線遮蔽性を付与する技術が開示されている。
特開平2-75683号公報 特許第5533283号公報 特開2002-309100号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示の技術を利用して包装材用シーラントフィルムを製造する場合には、プラスチックフィルムを加工した後にコーティング剤をコーティングする工程が必要となるため、包装材用シーラントフィルムの生産効率が低くなる場合があった。また、コーティング剤の乾燥工程で加熱した際に、プラスチックフィルムの変形や変質が生じるおそれがあった。
また、密度の低い樹脂材料でシール面を構成しなければ低温でのヒートシール性が得られないおそれがあるので、特許文献3に開示の技術を利用して包装体を製造する場合には、包装材を加工して包装体を製造する工程でヒートシール性が不十分となるおそれがあった。さらに、密度の低い樹脂材料でシール面を構成した場合であっても、表面自由エネルギーの関係から、包装材を加工して包装体を製造する工程での良好な滑性、巻取り性が期待しにくい。
本発明は、生産性が良好で且つ紫外線遮蔽性及び可視光透過性を有する紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム、包装材、及び包装体を提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムは、複数の層が積層された積層フィルムからなる包装材用シーラントフィルムであって、熱可塑性樹脂を含有し且つヒートシール性を有するシール層と、熱可塑性樹脂を含有し且つ紫外線を遮蔽する紫外線遮蔽層と、を備え、紫外線遮蔽層は、熱可塑性樹脂と酸化亜鉛粒子とを含有する樹脂組成物で形成されていることを要旨とする。
本発明の他の態様に係る包装材は、上記一態様に係る紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムの一方の面に、基材を積層したことを要旨とする。
本発明のさらに他の態様に係る包装体は、上記他の態様に係る包装材を備えることを要旨とする。
本発明に係る紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム、包装材、及び包装体は、生産性が良好で且つ紫外線遮蔽性及び可視光透過性を有する。
本発明に係る紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムの第一実施形態を示す模式的斜視図である。 第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムの変形例を示す模式的斜視図である。 第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムを用いて製造した包装材を示す模式的斜視図である。 紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムの表面に存在する有機滑剤の量を測定する方法を説明する図である。 本発明に係る包装体の一実施形態を示す断面図であり、第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムを用いて製造したスタンディングパウチの断面図である。 図5のスタンディングパウチの製造方法を説明する模式図である。
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図は模式的に示したものであり、各部の大きさや形状等は理解を容易にするために適宜誇張して示してある。また、各図においては、説明の便宜上、同一又は相当する部分には、同一の符号を付してある。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
〔第一実施形態〕
第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1は、図1に示すように、複数の層(図1の例では2層)が積層された積層フィルムからなり、熱可塑性樹脂を含有し且つヒートシール性を有するシール層5と、熱可塑性樹脂を含有し且つ紫外線を遮蔽する紫外線遮蔽層4と、を備えている。そして、紫外線遮蔽層4は、熱可塑性樹脂と酸化亜鉛粒子とを含有する樹脂組成物で形成されている。
このような構成の第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1は、生産性が良好で且つ紫外線遮蔽性及び可視光透過性(すなわち透明性)を有する。すなわち、紫外線遮蔽層を形成するためにコーティング剤をコーティングする工程が不要であるので、製造工程の簡略化が可能であり、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の生産効率が高い。また、コーティング剤の乾燥のために加熱する必要がないので、製造中に変形や変質が生じるおそれがない。さらに、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムと基材とを積層して包装材を製造する際に、コーティング剤をコーティングして形成した紫外線遮蔽層と基材とが積層されることがないので、適用可能な基材の種類が限定されることがない。
さらに、第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1は、シール層5を備えているため、優れたヒートシール性、特に低温での優れたヒートシール性を有している。そのため、第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を用いて包装材6や包装体10を製造する際の生産性が優れている。例えば、包装体10に被包装物を充填する際の充填適性(充填作業の作業性)が優れている。
なお、詳細は後述するが、本実施形態の包装材6は、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の一方の面に基材7を積層したものである。また、包装体10は、該包装材6を加工して製造したものであり、被包装物を包装するためのものである。
第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を用いて製造した本実施形態の包装体10は、優れた紫外線遮蔽性を有しているので、紫外線の影響を受けやすい食品、医薬品、機密機器等が被包装物である場合でも、包装体10により紫外線が遮蔽されて被包装物に変質、変色、劣化等が生じにくい。
包装体10が包装する被包装物の種類は特に限定されるものではなく、本実施形態の包装体10は、例えば、食品、医薬品、化粧品、精密機器、衣服、書籍、文房具、玩具、雑貨等を包装する用途に使用することができる。また、本実施形態の包装体10の形態は特に限定されるものではなく、例えば、フィルム状、袋状、箱状等とすることができる。さらに、被包装物の性状は特に限定されるものではなく、液状、粉体状、ペースト状、固形状等とすることができる。
紫外線遮蔽層4を形成する樹脂組成物に含有される酸化亜鉛粒子の種類は特に限定されるものではないが、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって直径が0.4μm以下とされる粒子の割合が80個数%以上とすることができる。なお、樹脂組成物中に含有される酸化亜鉛粒子の含有量は、例えば1.0質量%以上5.0質量%以下とすることができる。
紫外線遮蔽層4に添加される酸化亜鉛粒子のうち、直径0.4μm以下の粒子の割合が80個数%未満であると(すなわち、直径0.4μm超過の粒子の割合が20個数%を超えると)、光の波長の関係から、可視光領域に大きな影響を与える光分散が生じるおそれがある。その結果、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1のヘイズ値が25%よりも大きくなり、透明性が失われるおそれがある。
紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1中の酸化亜鉛粒子の直径及び存在量の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)等による撮影画像を用いた形態観察手法で行うことができる。つまり、得られた撮影画像データの画像処理で得られる各粒子の面積について、撮影倍率を考慮して規定粒径における単位面積との比較、換算処理を行ない、各粒子の粒径を算出して、その粒度分布を得る。この場合の粒径は、一次粒子だけの粒径ではなく、一次粒子同士が凝集した二次粒子や、それらが凝集して生じた凝集物を含む凝集体としての粒径を表している。
なお、粒度分布の測定は、紫外線遮蔽層4の酸化亜鉛粒子が含まれた表面に対して行ってもよいし、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を切断して得られる紫外線遮蔽層4の断面に対して行ってもよい。あるいは、それら測定面をO2プラズマ等でアッシング処理して、熱可塑性樹脂を除去した後に露出される酸化亜鉛粒子の粒度分布を測定してもよい。酸化亜鉛粒子の直径及び存在量の測定は、SEMを用いる上記の測定手法以外の測定手法、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)、レーザー顕微鏡、光学顕微鏡等の装置を用いた測定手法により行っても何ら問題ない。
以下に、本実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1、包装材6、及び包装体10について、さらに詳細に説明する。
[熱可塑性樹脂について]
第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の紫外線遮蔽層4やシール層5に含有される熱可塑性樹脂は、適度な柔軟性を有するとともに、例えば押出機による加工適性を有する等、良好な加工性を備えることが好ましい。押出機による加工適性を有していれば、上記樹脂組成物を押出成形により製膜して紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を製造することができる。
こうした熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、α-オレフィンとエチレンとを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)や、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーを持つポリプロピレンが挙げられる。また、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンとオレフィンを共重合したシクロオレフィンコポリマーや、上記オレフィンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン酢酸ビニルコポリマーが挙げられる。さらに、オレフィンの側鎖を変性して得られるエチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、これらのうちの複数種を組み合わせて用いてもよい。
例えば、紫外線遮蔽層4の熱可塑性樹脂とシール層5の熱可塑性樹脂は、いずれも主にポリエチレン又はその誘導体であってもよい。このとき、紫外線遮蔽層4の平均密度は0.910g/cm3以上0.940g/cm3以下であり、シール層5の平均密度は0.890g/cm3以上0.930g/cm3以下で且つ紫外線遮蔽層4の平均密度よりも低いことが好ましい。ここで、「主に」とは、熱可塑性樹脂のうち質量割合で70%以上であることを表すとする。また、平均密度は、JIS K7112:1999に準拠した測定方法、又は、これと比較できる測定方法により測定する。
紫外線遮蔽層4の平均密度が0.910g/cm3未満という低密度である場合は、引裂き性や剛性が低下するおそれがあり、紫外線遮蔽層4の平均密度が0.940g/cm3超過という高密度である場合には、引裂き性や剛性には問題がないものの、耐衝撃性が低下し、さらには結晶性が向上して透明性が失われるおそれがある。
一方、シール層5の平均密度が0.890g/cm3未満という低密度である場合は、引裂き性や剛性が低下する上、耐ブロッキング性が悪化するおそれがあり、0.930g/cm3超過という高密度である場合には、低温でのヒートシール性が低下するおそれがある。
つまり、紫外線遮蔽層4とシール層5とにおいて平均密度に適切な差をつけることで、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の透明性、低温ヒートシール性等の物性を良好に保つことが可能となる。
一般に、熱可塑性樹脂として低密度樹脂を用いることで、耐衝撃性、ヒートシール性を良好とすることができる。その一方で、剛性、引裂き性、加工時の滑性、耐ブロッキング性は低下してしまう。しかし、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を図1に示すように2層構造とし、紫外線遮蔽層4を中~高密度樹脂、シール層5を低~中密度樹脂とすることで、耐衝撃性、ヒートシール性を良好としたまま、曲げ剛性、引裂き性を良好にすることができる。
また、例えば、紫外線遮蔽層4の熱可塑性樹脂とシール層5の熱可塑性樹脂は、いずれも直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを混合したものとしてもよい。直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを混合することにより、上記各種物性とネックイン(Tダイによるフィルムの成形において,ダイの有効幅よりも押し出されたフィルムの幅の方がかなり小さくなる現象)などの加工性とを両立させることができる。直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合割合は、質量比で99:1~70:30の割合が好ましい。
このとき、紫外線遮蔽層4の厚さは10μm以上100μm以下であり、シール層5の厚さは1μm以上30μm以下で且つ紫外線遮蔽層4の厚さよりも小さいことが好ましい。すなわち、紫外線遮蔽層4とシール層5の厚さに差を設けている。紫外線遮蔽層4の厚さが10μm未満である場合には、引裂き性や剛性の低下を引き起こすおそれがあり、100μm超過である場合には、耐衝撃性が低下するだけでなく、必要以上の膜厚となるためにコストが高くなる場合がある。
一方、シール層5の厚さが1μm未満である場合には、低温でのヒートシール性が低下するおそれがあり、30μm超過である場合には、引裂き性や剛性が低下するおそれがある。さらに、紫外線遮蔽層4よりもシール層5の方が厚いと、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1における紫外線遮蔽剤の濃度が低くなってしまうため、十分な紫外線遮蔽性が得られないおそれがある。
さらに、図1の例では、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を2層構造としたが、3層以上の複数の層を積層した構造とすることにより、所望の物性を補完することができる。例えば、図2に示すように4層構造としてもよい。図2について詳述すると、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の剛性をより高めるために、紫外線遮蔽層4、シール層5の熱可塑性樹脂よりも高密度な樹脂からなる樹脂層を、第三層44、第四層55として紫外線遮蔽層4上に積層してもよい。あるいは、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の熱収縮によるカールを抑えるために、紫外線遮蔽層4と同程度の密度の樹脂層を第三層44として紫外線遮蔽層4上に積層してもよい。
[紫外線遮蔽剤について]
紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1が透明性と紫外線遮蔽性を兼ね備えるために、紫外線遮蔽層4は無機系の紫外線遮蔽剤を含有している必要がある。無機系の紫外線遮蔽剤としては酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子等が挙げられるが、コスト面、衛生面から酸化亜鉛粒子を選択することが好ましい。なお、酸化亜鉛粒子をはじめとする紫外線を遮蔽又は吸収する特性を有する材料は、紫外線遮蔽剤又は紫外線吸収剤とも呼ばれるが、本発明においては紫外線遮蔽剤と記す。
紫外線遮蔽剤として無機系材料を選択した理由は、以下の通りである。従来、無機系の紫外線遮蔽剤の他に、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の有機系紫外線遮蔽剤が知られている。有機系紫外線遮蔽剤が配合された包装材用シーラントフィルムは、透明性を有する紫外線遮蔽性シーラントフィルムに容易になり得る一方で、経時変化により有機系紫外線遮蔽剤がフィルム表面へブリードアウトしやすいため、被包装物の汚染や紫外線遮蔽性の低下が懸念されている。
紫外線遮蔽層4を形成する樹脂組成物中に含有される酸化亜鉛粒子の含有量は、例えば1.0質量%以上5.0質量%以下とすることができる。ただし、酸化亜鉛粒子の含有量は目的に応じて変化させることができ、例えば、400nm以下の紫外線領域の光を80%以下に遮蔽したい場合には、1.0質量%以上3.0質量%以下とすることが好ましく、400nm以下の紫外線領域の光を50%以下に遮蔽した場合には、0.1質量%以上2.0質量%以下とすることが好ましい。酸化亜鉛粒子の含有量は、被包装物に応じて必要となる紫外線遮蔽性によって変化させることが一般的である。
酸化亜鉛粒子の粒径については、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の透明性のために、可視光線の波長よりも小さくすることが好ましい(例えば0.4μm以下)。ただし、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1に紫外線遮蔽性を担保させつつ良好な透明性を保持させるためには、使用する原料としての酸化亜鉛粒子の粒径よりも、加工された後の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1における酸化亜鉛粒子の粒径に注目すべきである。
そのため、本実施形態において、酸化亜鉛粒子の粒度分布は、以下のようにして得る。すなわち、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の紫外線遮蔽層4に対してアッシング処理を行ない、樹脂成分を除去して酸化亜鉛粒子を露出させた状態で、SEMを用いて1000倍以上の高倍率で撮像し、得られた画像について二値化処理を行ない、各粒子の面積を得る。そして、撮影倍率を考慮して規定粒径における単位面積との比較、換算処理を行なうことにより、各粒子の粒径を算出して、その粒度分布を得る。こうして得られた粒径は、一次粒子だけでなく、一次粒子同士が凝集した二次粒子、それらが凝集した凝集物を含む凝集体の粒径を表したものとなっている。
また、透明性が良好となるようにヘイズ値を25%以下とするためには、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1中の酸化亜鉛粒子の直径は0.4μm以下であることが好ましい。酸化亜鉛粒子の直径が0.4μmを超過すると、可視光領域への光分散の影響が目立つこととなる。直径0.01μm~0.03μm程度の微細な酸化亜鉛粒子を混在させることで高い透明性が得られることは言うまでもないが、酸化亜鉛粒子の微細領域における粒子サイズは、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の透明性に対して、影響が非常に小さい。詳述すると、熱可塑性樹脂と酸化亜鉛粒子の屈折率比を用い散乱断面積と吸収断面積によって求められる減光効率と、粒径パラメータの関係から、酸化亜鉛粒子の微細領域におけるサイズは、透明性(すなわち、可視光領域への光の分散及び拡散)に対して、影響は非常に小さいことが分かる。
すなわち、原料として用いる酸化亜鉛粒子の平均一次粒径は不問であり、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の透明性を過度に悪化させないために、最終的に紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1中に存在する全ての酸化亜鉛粒子のうちの80%以上が直径0.4μm以下であることが望ましい。
[滑剤について]
紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の表面に適度な滑性を付与するために、シール層5及び紫外線遮蔽層4に有機滑剤を含有させてもよい。表面に適度な滑性を有していれば、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を用いて包装材6を製造する工程や、包装材6を加工して包装体10を製造する工程において、良好な滑性、巻取り性などの特性が発現されるため、包装体10の生産性が良好となる。シール層5の表面2に存在する有機滑剤の量は特に限定されるものではないが、5mg/m2以下であることが好ましく、3mg/m2以下であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂の種類、接着剤の有無・種類、温度条件などによって異なるが、有機滑剤は、成形後や温度変更後の経時変化によってブリードアウトしてくる。そのため、条件によって、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の表面2に存在する有機滑剤の量は変化し、その結果、滑性が変化する。さらに加えて、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の表面2に接触した他の面に有機滑剤が転移し、その面の滑性を変化させてしまうという問題も生じるおそれがある。
一般に、滑りやすくするためには有機滑剤を多量に使用する必要があるが、シール層5の表面2に適切な凹凸形状を付加することで、滑性を適度にすることが可能であり、シール層5の表面2に存在する有機滑剤の量は、5mg/m2以下という少量で十分である。これにより、どのような条件においても、適切な滑性で、変化のない紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を得ることができる。
シール層5及び紫外線遮蔽層4中の有機滑剤の含有量は、特に限定されるものではないが、いずれも100ppm以上500ppm以下で十分である。
シール層5の表面2に存在する有機滑剤の量は、例えば図4に示す方法により評価することができる。すなわち、シール層5の表面2に、例えば円筒状の有機滑剤表面抽出用治具241を固定し、有機滑剤が可溶の有機溶媒242を有機滑剤表面抽出用治具241の中に注入する。
有機溶媒242を注入して数秒から数分ほど経過したところで、有機滑剤表面抽出用治具241から有機溶媒242を取り出す。取り出した有機溶媒242には、シール層5の表面2に存在した有機滑剤が溶け込んでいるため、この有機溶媒242に例えばガスクロマトグラフやFT-IRなどの分析方法を適用することにより、シール層5の表面2に存在する有機滑剤の量を評価することができる。
有機滑剤表面抽出用治具241は有機溶媒242を留めておくための筒であり、有機溶媒242の蒸発を防ぐため、上部には開口部がないことが好ましい。有機溶媒242としては、例えば、クロロホルム、アセトン、エタノール、メタノールなどが挙げられる。また、シール層5の表面2に存在する有機滑剤の量の測定方法は、上記測定方法に限定されるものではない。シール層5の表面2に存在する有機滑剤を有機溶媒242で洗浄できればよいので、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を有機溶媒242に数秒から数分間浸漬する方法なども採用可能である。
有機滑剤の種類は特に限定されるものではないが、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル系滑剤や、流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤や、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸系滑剤や、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等の脂肪酸アミド系滑剤や、ステアリルアルコールが挙げられる。
これらの中でも、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド等の分子量250以上350以下の脂肪酸アミドが好ましい。これらの有機滑剤は、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の表面へのブリードアウトが速く、成膜直後から滑性効果を発揮することができるためである。特に、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1の滑性が悪いと、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1に伸びやシワが発生しやすい。
なお、紫外線遮蔽層4やシール層5は、各種特性を付与するために、その他の各種添加剤を含有していてもよい。例えば、加工安定性を付与するために酸化防止剤等を適宜添加することが可能である。
[製造方法について]
本実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を作製する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。例えば、熱可塑性樹脂に有機系粒子又は無機系粒子及び有機滑剤を添加し、例えば340℃まで加温可能な押出機を用いてフィルム製膜することで、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を作製することができる。フィルム製膜方法としても、公知の方法を用いることができる。例えば、エアチャンバー、エアナイフ、バキュームチャンバー、又は、それらのうち複数を組み合わせて用いて製膜することが可能である。
[包装材について]
図3に示すように、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1と基材7を積層することにより、包装材6を得ることができる。その際には、ヒートシールされるシール層5の表面2とは反対側の面である裏面3(図1、3の例では、紫外線遮蔽層4の表面側)に、基材7を積層する。
紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1に基材7とともに他の層を積層して、包装材6としてもよい。例えば、図3に示すように、印刷層、バリア層といった機能層8を紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1と基材7との間に介在させてもよい。
図3の包装材6は、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1、基材7、機能層8の三層構造であるが、包装材6を構成する層の数は特に限定されるものではなく、二層としてもよいし四層以上としてもよい。例えば、包装材6は、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1と基材7の二層構造でもよいし、図3の包装材6の基材7上にさらに紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を積層した四層構造でもよい。
[基材について]
基材7は、包装材6の支持体として機能する層である。基材7の種類は、被包装物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件によって適宜選択される。例えば、プラスチック等の樹脂を主とするフィルムが挙げられる。樹脂の種類は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(6ナイロン、66ナイロン等)などが使用される。さらに、基材7は、上記材料のうちの1つの材料からなる単層であってもよいし、こうした単層の積層によって上記材料の複数の材料が組み合わされた層であってもよい。
[機能層について]
機能層8としては、例えば印刷層やバリア層が挙げられる。バリア層は、空気中に含まれる酸素等の気体や水蒸気、封入した被包装物等から包装材6を保護するためのバリア性を高める機能を有する層である。バリア層の材料としては、例えば、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂)やフィラーなどが挙げられる。
[包装体について]
本実施形態の包装材6の互いに向かい合う紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1同士の周縁部をヒートシール等によって溶着することで、上述した本発明の効果を備えた包装体10を得ることができる。
本実施形態の包装体10としては、スタンディングパウチ、包装袋、口栓付きパウチ、ラミチューブ、バックインボックス等が挙げられるが、この他にも様々な用途に適用可能である。
[スタンディングパウチについて]
包装体10の一例として、図5、図6を参照し、本実施形態の包装材6をスタンディングパウチ11に加工した場合の構造及び製造方法を説明する。スタンディングパウチとは、液体洗剤、柔軟剤、シャンプー、リンスなどのトイレタリー用品や、食用油、インスタントコーヒー、酒などの食品等、液体、粉体、固体を問わず収納可能な容器の一種である。
また、スタンディングパウチ11は、上述の包装体10と同様の製袋方法で製造可能であることに加えて、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を底テープとし且つ本体表面と本体裏面の間に挿入して周縁部をシールすることで、容易に自立可能である。図5はスタンディングパウチ11の断面図であり、図6は、スタンディングパウチ11形成前の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1のウェブ搬送時の状態を示した模式図である。
以下、本実施形態のスタンディングパウチ11について詳細に説明する。図5に示すように、スタンディングパウチ11は、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1を内側にして本実施形態の包装材6を折り曲げることで、パウチ表面12、パウチ裏面13を有する。その際には、図6中でハッチングを付して表示した左右のサイドシール部22とボトムシール部23からなる周縁シール部をヒートシールして、包装体を形成する。
さらに、底テープ20を別途形成し、パウチ表面12とパウチ裏面13の間に挿入して周縁部をシールすることで、自立性を付与することができる。
また、スタンディングパウチ11の上部(底テープ20とは反対側)には、パウチ表面12、パウチ裏面13、及び注出ノズルシール部24によって、液体状、粉体状の被包装物を注ぎ出すための注出ノズル16が形成されている。注出ノズルシール部24は、サイドシール部22に連続して設けられたシール部であり、注出ノズル16の下側に設けられる。
注出ノズル16には、先端をヒートシールした注出ノズル先端シール部25が形成されており、注出ノズルシール部24に設けられた開封用切目線17によって分離形成された開封つまみ18として機能する。すなわち、スタンディングパウチ11の使用者は、開封つまみ18を持ち、予め形成されたハーフカット線19に沿って切り離すことにより注出口(図示せず)を形成することができる。なお、本方法に限らず、樹脂等で形成された口栓付キャップを別途設けておき、口栓を開閉することによって抽出口の機能を付与してもかまわない。
ハーフカット線19は、パウチ表面12及びパウチ裏面13の表面それぞれに設けられている。ハーフカット線19の形成方法は、刃物によって形成する方法や、レーザー加工によって形成する方法が一般に用いられているが、レーザー加工による方法が均一で安定した切れ目を形成できるため好ましい。レーザー加工に用いられるレーザーの種類としては、特に限定されないが、炭酸ガスレーザーが加工安定性の面からより好ましい。
スタンディングパウチ11の製造方法の一例としては、図6に示すように、スタンディングパウチ11を自立させた際の高さの約2倍強の幅を持った包装材6をウェブ状に繰り出し、ハーフカット線19を形成する。その後、包装材6を折り曲げ部稜線21で折り曲げて、パウチ表面12とパウチ裏面13を形成すると共に底テープ20を挿入して周縁部のヒートシールを行い、所定の形状に打ち抜くことにより、スタンディングパウチ11を形成することができる。
なお、その他にも、注出ノズル16に、折り曲げ部稜線21を経由してパウチ表面12からパウチ裏面13に至る一繋がりのエンボス加工部26を形成する等の他の特徴を備えていてもよい。すなわち、本実施形態の包装材6を使用して包装体10を製造することで、上述した効果を備えたスタンディングパウチ11を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態を例示したが、本発明は第一実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の技術的思想を逸脱しない限り、包材としての用途を考慮し、要求されるその他の物性である剛性、強度、衝撃性等を向上する目的で、他の層や構造を任意に形成できることは言うまでもない。
〔第一実施形態の実施例〕
以下、第一実施形態の実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の包装材用シーラントフィルムの構成は、第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1とほぼ同様であるが、二層積層フィルムとした。
紫外線遮蔽層の熱可塑性樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.931g/cm3、MFR(メルトフローレイト)3.2)と低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR1.0)を質量比で8:2の割合で混合したものを用いた。
紫外線遮蔽層の紫外線遮蔽剤としては、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって平均粒径が0.04μmとされる酸化亜鉛粒子を用いた。この酸化亜鉛粒子については、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって直径が0.4μm以下とされる粒子の割合は90個数%である。熱可塑性樹脂と酸化亜鉛粒子からなる樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の含有量は、2.0質量%である。さらに、紫外線遮蔽層には滑剤としてエルカ酸アミドを100ppm添加した。
シール層の熱可塑性樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.913g/cm3、MFR3.8)と低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR1.0)を質量比で8:2の割合で混合したものを用いた。
シール層には、アンチブロッキング(AB)剤として平均粒径10μmの有機系粒子(アクリル架橋体)を35000ppm、滑剤としてエルカ酸アミドを100ppm添加した。
紫外線遮蔽層用の樹脂組成物とのシール層用の樹脂組成物とを、それぞれ260℃に加熱溶融し、単軸共押出機を用いてTダイキャスト法にて、二層が積層された積層フィルムからなる厚さ100μmの包装材用シーラントフィルムを製膜した。この包装材用シーラントフィルムの紫外線遮蔽層の厚さは90μm、シール層の厚さは10μmである。
(実施例2)
紫外線遮蔽層に添加する酸化亜鉛粒子の平均粒径が0.06μmである点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。なお、この酸化亜鉛粒子については、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって直径が0.4μm以下とされる粒子の割合は80個数%である。
(実施例3)
紫外線遮蔽層に添加する酸化亜鉛粒子を、平均粒径0.04μmの酸化亜鉛粒子と平均粒径0.06μmの酸化亜鉛粒子を1:1で混合したものとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。なお、これら酸化亜鉛粒子を1:1で混合したものについては、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって直径が0.4μm以下とされる粒子の割合は85個数%である。
(実施例4)
紫外線遮蔽層の厚さを70μm、シール層の厚さを30μmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例5)
紫外線遮蔽層の厚さを95μm、シール層の厚さを5μmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例6)
紫外線遮蔽層の主樹脂である直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.920g/cm3とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例7)
紫外線遮蔽層の主樹脂である直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.940g/cm3とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例8)
シール層の主樹脂である直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.920g/cm3とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例9)
紫外線遮蔽層の熱可塑性樹脂を、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂を質量比で9:1の割合で混合したものとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例10)
シール層の熱可塑性樹脂を、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂を質量比で9:1の割合で混合したものとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例11)
紫外線遮蔽層の熱可塑性樹脂を、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂を質量比で9:1の割合で混合したものとした点と、シール層の熱可塑性樹脂を、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂を質量比で9:1の割合で混合したものとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例12)
紫外線遮蔽層に添加する滑剤の添加量を500ppmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例13)
シール層に添加する滑剤の添加量を500ppmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例1)
紫外線遮蔽層に添加する酸化亜鉛粒子の平均粒径を2.0μmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。なお、この酸化亜鉛粒子については、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって直径が0.4μm以下とされる粒子の割合は5個数%である。
(比較例2)
紫外線遮蔽層の厚さを10μm、シール層の厚さを90μmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例3)
紫外線遮蔽層の厚さを100μm、シール層の厚さを0μmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例4)
シール層の主樹脂である直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.931g/cm3とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例5)
シール層の主樹脂である直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.940g/cm3とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例6)
紫外線遮蔽層の熱可塑性樹脂における直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との質量比を10:0とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例7)
紫外線遮蔽層の熱可塑性樹脂における直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との質量比を0:10とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例8)
シール層の熱可塑性樹脂における直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との質量比を10:0とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例9)
シール層の熱可塑性樹脂における直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との質量比を0:10とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例10)
シール層に添加する滑剤の添加量を0ppmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例11)
紫外線遮蔽層に添加する滑剤の添加量を0ppmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例12)
シール層に添加する滑剤の添加量を2000ppmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例13)
紫外線遮蔽層に添加する滑剤の添加量を2000ppmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
次に、各実施例及び各比較例の包装材用シーラントフィルムに対して、各種包装材に求められる性能を評価するために、フィルム成形性評価実験、曲げ剛性評価実験、引裂き性評価実験、ヒートシール性評価実験、耐衝撃性評価実験、滑性評価実験、滑剤表面存在量評価実験、透明性評価実験、及びUV遮蔽率評価実験を実施した。また、紫外線遮蔽層中の酸化亜鉛粒子の存在状態確認として、SEM観察を実施した。さらに、各実施例及び各比較例の包装材用シーラントフィルムを包装材に加工した際の、ヒートシール性評価も併せて実施した。評価結果を表1、2に示す。
Figure 0007040025000001
Figure 0007040025000002
(フィルム成形性評価実験)
フィルム成形性は、厚さ100μmを狙いとして成形した包装材用シーラントフィルムの幅を測定し、Tダイの幅と比較することにより評価した。具体的には、Tダイの幅と包装材用シーラントフィルムの幅が同じ場合を100%としたときに、包装材用シーラントフィルムの幅がTダイの幅の75%以上の場合はフィルム成形性が非常に良好と評価し、表1、2においては「○」印で示した。また、包装材用シーラントフィルムの幅がTダイの幅の70%以上75%未満の場合はフィルム成形性が良好と評価し、表1、2においては「△」印で示した。さらに、包装材用シーラントフィルムの幅がTダイの幅の70%未満の場合はフィルム成形性が不十分と評価し、表1、2においては「×」印で示した。
(曲げ剛性評価実験)
曲げ剛性評価は、株式会社東洋精機製作所製のループステフネステスタを用いて、曲げ応力を測定することにより行った。このとき、曲げ応力は、包装材用シーラントフィルムのMD(Machine Direction)方向に対してそれぞれ3回測定し、それらの平均値を測定結果とした。曲げ応力の測定条件は、圧縮速度3.3mm/sec、サンプル幅15mm、ループ長85mmである。
曲げ応力の測定結果が15g以上であった場合は、曲げ剛性が非常に良好と評価し、表1、2においては「○」印で示した。また、曲げ応力の測定結果が10g以上15g未満であった場合は曲げ剛性が良好と評価し、表1、2においては「△」印で示した。さらに、曲げ応力の測定結果が10g未満であった場合は曲げ剛性が不十分と評価し、表1、2においては「×」印で示した。
(引裂き性評価試験)
引裂き性評価は、JIS K7128-2に規定されているエルメンドルフによる引裂法により行った。このとき、引裂き性は、包装材用シーラントフィルムのMD方向に対してそれぞれ3回測定し、それらの平均値を測定結果とした。
引裂き性の測定結果が5N以下であった場合は、引裂き性が非常に良好と評価し、表1、2においては「○」印で示した。また、引裂き性の測定結果が5N超過10N以下であった場合は引裂き性が良好と評価し、表1、2においては「△」印で示した。さらに、引裂き性の測定結果が10N超過の場合は引裂き性が不十分と評価し、表1、2においては「×」印で示した。
(ヒートシール性評価実験)
ヒートシール性評価は、テスター産業株式会社製のヒートシーラー(型番TP-701-B)を用いて、2枚の包装材用シーラントフィルムをシールすることにより行った。具体的には、シール層同士が接するように2枚の包装材用シーラントフィルムを重ね、シール圧力0.2MPa、シール時間1sec、シール幅10mm、シール温度100℃以上としてシールを行った。シール温度については、100℃から10℃間隔で上昇させながら複数の温度においてシールを行った。
シールした包装材用シーラントフィルムを幅15mm、長さ100mmの長方形状に切出し、株式会社島津製作所製の引張試験機(型番AGS-500NX)を用いてT字剥離強度を測定して、その測定結果をシール強度とした。そして、シール強度が10N以上になる最低シール温度をヒートシール発現温度として、ヒートシール発現温度によりヒートシール性評価を行った。なお、引張試験の条件は、チャック間距離50mm、引張り速度300mm/minとした。
ヒートシール発現温度が120℃以下であった場合は、ヒートシール性が非常に良好と評価し、表1、2においては「○」印で示した。また、ヒートシール発現温度が120℃超過140℃以下であった場合はヒートシール性が良好と評価し、表1、2においては「△」印で示した。さらに、ヒートシール発現温度が140℃超過であった場合はヒートシール性が不十分と評価し、表1、2においては「×」印で示した。
(耐衝撃性評価実験)
耐衝撃性は、テスター産業株式会社製のダートインパクトテスター(型番IM-302)を用いて、JIS K7124-1に規定の自由落下のダート法、第1部ステアケース法のA法による衝撃試験方法により評価した。
測定された50%破壊重量が350g以上であった場合は、耐衝撃性が非常に良好と評価し、表1、2においては「○」印で示した。また、50%破壊重量が250g以上350g未満であった場合は耐衝撃性が良好と評価し、表1、2においては「△」印で示した。さらに、50%破壊重量が250g未満であった場合は耐衝撃性が不十分と評価し、表1、2においては「×」印で示した。
(滑性評価実験)
滑性は、株式会社東洋精機製作所製の滑り傾斜角測定装置を用い、傾斜角測定法で静摩擦係数を測定することにより評価した。
実施例及び比較例の包装材用シーラントフィルムを幅100mm、長さ240mmの長方形状、及び、幅30mm、長さ80mmの長方形状に切出した。
幅100mm、長さ240mmに切出した包装材用シーラントフィルムを滑り傾斜角測定装置に撓みがないように固定するとともに、幅30mm、長さ80mmに切出した包装材用シーラントフィルムを幅30mm、長さ40mm、高さ30mm、質量197gの錘に対して、測定面を全て被覆するように固定した。
静摩擦係数をそれぞれ3回測定し、それらの平均値を測定結果とした。なお、静摩擦係数が1.2を超えるものは測定不可であった。
静摩擦係数の測定結果が0.1未満であった場合は、滑性は不良と評価し、表1、2においては「×」印で示した。また、静摩擦係数の測定結果が0.1以上0.15未満又は0.90超過1.2以下であった場合は、滑性は良好と評価し、表1、2においては「△」印で示した。さらに、静摩擦係数の測定結果が0.15以上0.90以下であった場合は、滑性は非常に良好と評価し、表1、2においては「○」印で示した。
(滑剤表面存在量評価実験)
包装材用シーラントフィルムのシール層の表面に存在する有機滑剤の量を、有機滑剤表面抽出用治具を用いる前述の方法により測定した(図4を参照)。有機溶媒としてはクロロホルムを用いた。
クロロホルムを有機滑剤表面抽出用治具に注入後1分間経過したところで、有機滑剤表面抽出用治具からクロロホルムを取り出し、アジレントテクノロジー株式会社製のガスクロマトグラフ/水素炎イオン化検出器を用いてクロロホルムの分析を行い、シール層の表面に存在する有機滑剤の量を測定した。ガスクロマトグラフのカラムはHP-5MSを使用した。
なお、濃度の異なるエルカ酸アミドのクロロホルム溶液を数種類用意し、これらを標準液として上記の測定を行い、ピーク面積とクロロホルム溶液のエルカ酸アミド濃度との関係を示す検量線を作成した。そして、得られた検量線を用いて、シール層の表面に存在する有機滑剤の量を算出した。
シール層の表面に存在する有機滑剤の量が5mg/m2以下であった場合は、滑剤の表面存在量が良好と評価し、表1、2においては「○」印で示した。また、シール層の表面に存在する有機滑剤の量が5mg/m2超過であった場合は、滑剤の表面存在量が不良と評価し、表1、2においては「×」印で示した。
(酸化亜鉛粒子の存在状態観察)
酸化亜鉛粒子の存在状態観察は、包装材用シーラントフィルムの紫外線遮蔽層の表面をO2プラズマ処理することにより酸化亜鉛粒子を露出させた後に、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の走査型電子顕微鏡(型番S-4800)を用いて10000倍に拡大して表面観察することにより行った。得られた形態画像を、画像処理ソフトを用いて二値化処理し、酸化亜鉛粒子のアウトラインを引いた。そして、面積値によって、全ての酸化亜鉛粒子のうち直径が0.4μm以下の粒子の割合を算出した。
全ての酸化亜鉛粒子のうち直径が0.4μm以下の粒子の割合が95個数%以上である場合は、酸化亜鉛粒子の存在状態が非常に良好と評価し、表1、2においては「○」印で示した。また、全ての酸化亜鉛粒子のうち直径が0.4μm以下の粒子の割合が80個数%以上95個数%未満である場合は、酸化亜鉛粒子の存在状態が良好と評価し、表1、2においては「△」印で示した。さらに、全ての酸化亜鉛粒子のうち直径が0.4μm以下の粒子の割合が80個数%未満である場合は、酸化亜鉛粒子の存在状態が不良と評価し、表1、2においては「×」印で示した。
(透明性評価実験)
包装材用シーラントフィルムの透明性は、JIS K7136:2000に規定されているヘイズ値の測定方法に則り、株式会社村上色彩技術研究所製のヘイズメーター(型番HM-150)を用いて測定したヘイズ値によって評価した。
測定されたヘイズ値が20%以下であった場合は、透明性が非常に良好と評価し、表1、2においては「○」印で示した。また、ヘイズ値が20%超過25%以下であった場合は、透明性が良好と評価し、表1、2においては「△」印で示した。さらに、ヘイズ値が25%超過であった場合は、透明性が不十分と評価し、表1、2においては「×」印で示した。
(UV遮蔽率評価実験)
包装材用シーラントフィルムのUV遮蔽率は、株式会社島津製作所製の分光光度計(型番UV-2450)を用いて評価した。
実施例及び比較例の包装材用シーラントフィルムを幅50mm、長さ100mmの長方形状に切出した。切出した包装材用シーラントフィルムを分光光度計に撓みがないように固定して、800nm~200nmの測定波長領域でUV透過率の測定を行った。そして、400nm~200nmの領域のUV透過率(%)を100(%)から差し引くことにより、UV遮蔽率(%)に変換した。
得られたUV遮蔽率が80%以上であった場合は、UV遮蔽率が非常に良好と評価し、表1、2においては「○」印で示した。また、UV遮蔽率が60%以上80%未満であった場合は、UV遮蔽率が良好と評価し、表1、2においては「△」印で示した。さらに、UV遮蔽率が60%未満であった場合は、UV遮蔽率が不良と評価し、表1、2においては「×」印で示した。
(総合評価)
上記の各評価の結果、以下の6つ全てを満たす包装材用シーラントフィルムを、特性が総合的に非常に優れていると評価し、表1、2においては「○」印で示した。すなわち、フィルム成形性が「○」であること、ヒートシール性が「△」又は「○」であること、滑性が「△」又は「○」であること、酸化亜鉛粒子の存在状態が「△」又は「○」であること、透明性が「△」又は「○」であること、UV遮蔽率が「△」又は「○」であること、である。
ただし、6つの評価項目のうち2つ以上に「△」評価があった場合には、本発明の効果が得られており、特性が総合的に優れていると言えるものの、特性が若干劣ると評価して、表1、2においては「△」印で示した。
また、これら6つの評価項目のうち1つでも×であった場合は、特性が総合的に不良であると評価し、表1、2においては「×」印で示した。
(評価結果)
各実施例、各比較例について上述の評価試験を実施した結果を、表1から表7に示す。なお、表3、4、5、6、7は、表1、2の評価結果を比較しやすいように一部の結果を抜き出して示したものである。すなわち、表3は酸化亜鉛粒子のサイズを変化させたものを示しており、表4は紫外線遮蔽層及びシール層の厚さを変化させたものを示しており、表5は紫外線遮蔽層及びシール層の樹脂(LLDPE)の密度を変化させたものを示している。また、表6は紫外線遮蔽層及びシール層のLLDPE:LDPEの混合比を変化させたものを示しており、表7は紫外線遮蔽層及びシール層の滑剤の添加量を変化させたものを示している。
Figure 0007040025000003
Figure 0007040025000004
Figure 0007040025000005
Figure 0007040025000006
Figure 0007040025000007
表3より、包装材用シーラントフィルム中に存在する酸化亜鉛粒子のうち直径が0.4μm以下である粒子の割合が低い場合、透明性だけでなくUV遮蔽率にも影響が出てくる傾向があることが分かる。包装材用シーラントフィルム中に存在する酸化亜鉛粒子のうち直径が0.4μm以下である粒子の割合が80個数%以上であれば、本発明の効果が奏され、良好な透明性とUV遮蔽率を両立できることが分かる。
表4より、紫外線遮蔽層の厚さがシール層よりも小さい場合には、曲げ剛性などの物性が劣るとともに、包装材用シーラントフィルム全体濃度でみた場合の紫外線遮蔽剤の量が少ないために、十分なUV遮蔽効果が得られないことが分かる。一方で、シール層の厚さが0μmの場合は、低温ヒートシール性を担保できなくなる傾向にあることが分かる。
ここで、紫外線遮蔽層の厚さが10~100μmの範囲であって、シール層の厚さが1μm~30μmの範囲にあり、さらにシール層の厚さが紫外線遮蔽層の厚さよりも小さい場合は、本発明の効果が奏され、評価したそれぞれの物性が良好になることが分かる。
表5より、シール層の主樹脂の密度が紫外線遮蔽層の主樹脂の密度と同等又は高いと、包装材用シーラントフィルム及び包装材のヒートシール性に影響が出る傾向があることが分かる。ここで、紫外線遮蔽層の主樹脂の密度がシール層の主樹脂の密度よりも低い場合は、本発明の効果が奏され、特に紫外線遮蔽層の主樹脂の密度が0.930g/cm3以上、シール層の主樹脂密度が0.920g/cm3以下の場合に、最も評価結果が良好になることが分かる。
表6より、紫外線遮蔽層とシール層の熱可塑性樹脂をLLDPEとLDPEの混合物としないと、加工性をはじめ、曲げ剛性が低下する傾向にあることが分かる。ここで各層の熱可塑性樹脂の混合比を8:2~9:1の範囲で行うことで、本発明の効果が奏され、良好な加工性が得られることが分かる。
表7より、紫外線遮蔽層及びシール層に滑剤を添加しないと、滑性が低下する傾向がみられることが分かり、その一方で、滑剤の添加量を過剰にしても、良好な滑性が得られていないことが分かる。また、滑剤を全く加えない場合でも過剰に加えた場合でも、滑性が低下する傾向にあることが分かる。滑剤の添加量は100ppm程度であれば、本発明の効果が奏され、良好な滑性を担保できることが分かる。
〔第二実施形態〕
第二実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム、包装材、及び包装体の構成及び効果は、第一実施形態の場合とほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明し、同様の部分については説明を省略する。
第二実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム(図示せず)は、第一実施形態の場合と同様に、複数の層が積層された積層フィルムからなり、熱可塑性樹脂を含有し且つヒートシール性を有するシール層と、熱可塑性樹脂を含有し且つ紫外線を遮蔽する紫外線遮蔽層と、を備えている。そして、紫外線遮蔽層は、熱可塑性樹脂と酸化亜鉛粒子とを含有する樹脂組成物で形成されている。
紫外線遮蔽層を形成する樹脂組成物に含有される酸化亜鉛粒子の種類は特に限定されるものではないが、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって平均粒径が0.2μm以下とされるものを用いることができる。また、樹脂組成物中に含有される酸化亜鉛粒子の含有量は、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して1質量部以上5質量部以下とすることができる。
このような構成の第二実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムは、第一実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム1と同様の効果を有する。
シール層、紫外線遮蔽層、基材に使用される樹脂の種類は特に限定されるものではなく、前述した樹脂から適宜選択して組み合わせることが可能であるが、より好ましい組み合わせ例を以下に示す。
<組合せ例1>
シール層 :直鎖状低密度ポリエチレン、密度0.92g/cm3以下
紫外線遮蔽層:直鎖状低密度ポリエチレン、密度0.92g/cm3以上
基材 :直鎖状低密度ポリエチレン、密度0.92g/cm3以上
<組合せ例2>
シール層 :直鎖状低密度ポリエチレン、密度0.92g/cm3以下
紫外線遮蔽層:高密度ポリエチレン、密度0.95g/cm3以上
基材 :高密度ポリエチレン、密度0.95g/cm3以上
<組合せ例3>
シール層 :ランダムコポリマーポリプロピレン、密度0.91g/cm3以下
紫外線遮蔽層:ランダムコポリマーポリプロピレン、密度0.90g/cm3以上
基材 :ランダムコポリマーポリプロピレン、密度0.90g/cm3以上
第二実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム、シール層、紫外線遮蔽層、基材の厚さは特に限定されるものではないが、好ましい厚さは以下の通りである。第二実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムの厚さは、コスト上昇を抑制する点から、200μm以下とすることが好ましい。シール層の厚さは、10μm以上100μm以下であることがより好ましく、15μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。
紫外線遮蔽層の好適な厚さは、用いる材料により異なるが、薄すぎると紫外線遮蔽剤の添加量が制限され、紫外線遮蔽性が不十分になるおそれがある。そのため、紫外線遮蔽層の厚さは、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。基材の厚さは、ラミネート加工などの二次加工の際のハンドリング性の観点から、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
紫外線遮蔽剤である酸化亜鉛粒子は、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって平均粒径が0.2μm以下とされるものであることが好ましい。平均粒径が0.2μmを超えると、紫外線遮蔽層の透明性が低下して濁度を表すヘイズ値が高くなるおそれがある。なお、酸化亜鉛粒子の樹脂への分散性を向上させるために、シランカップリング剤又はシリコーンで表面処理された酸化亜鉛粒子を使用してもよい。
紫外線遮蔽層を形成する樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の含有量は、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して1質量部以上10質量部以下とすることが好ましく、1質量部以上5質量部以下とすることがより好ましい。酸化亜鉛粒子の含有量が1質量部未満であると、紫外線遮蔽層の紫外線遮蔽性が不十分となるおそれがあり、10質量部を超えると、含有量が多すぎるため紫外線遮蔽層の透明性が低下して濁度を表すヘイズ値が高くなるおそれがある。
そのため、必要な紫外線遮蔽性に合わせて酸化亜鉛粒子の含有量を設定することが好ましく、実用性から、酸化亜鉛粒子の含有量は、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して1質量部以上5質量部以下とすることがより好ましい。そうすれば、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムの紫外線透過率(波長250nm以上380nm以下の帯域の光の透過率)を10%以下とすることができる。また、酸化亜鉛粒子の含有量を、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して1質量部以上5質量部以下とすれば、濁度を表すヘイズ値を20%以下とすることができ、酸化亜鉛粒子を添加した際に低下する透明性を確保できる。
第二実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムを作製する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用することが可能である。例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法や、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等を用いることができる。
作業性を考慮した場合は、単軸スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機を使用することが特に好ましい。単軸スクリュー押出機を用いる場合には、そのスクリューの形状は特に限定されるものではなく、例えば、フルフライトスクリュー、ミキシングエレメントを持つスクリュー、バリアフライトスクリュー、フルーテッドスクリュー等を使用することが可能である。
2軸スクリュー押出機の種類は特に限定されるものではなく、例えば、同方向回転の2軸スクリュー押出機や異方向回転の2軸スクリュー押出機を使用することができる。また、スクリューの形状は特に限定されるものではなく、例えば、フルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプのスクリュー等を使用することが可能である。
上記のような紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムを作製する方法においては、例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機等により基材を構成する熱可塑性樹脂を溶融して形成した層と、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機等により基材を構成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂を溶融し酸化亜鉛粒子と混練して形成した紫外線遮蔽層と、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機等によりシール層を構成する熱可塑性樹脂を溶融して形成した層とを、フィードブロック又はマルチマニホールドを介してTダイに送り、積層して製膜する方法を用いることが可能である。
第二実施形態の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムは、単体フィルムとして使用することもできるし、基材と積層して包装材とすることもできる。また、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム又は包装材を例えば袋状に加工して包装体とすることもできる。紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム又は包装材は、シール層が内側となるようにして(すなわち、シール層の表面が、被包装物と接触する面となるようにして)、三方袋、合掌袋、ガゼット袋、スタンディングパウチ、スパウト付きパウチ、ビーク付きパウチ等の袋状の包装体に加工することが可能である。
紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム、包装材のいずれに対しても、後加工工程への適性を向上するための表面改質処理を施してもよい。例えば、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムを単体フィルムとして使用する場合には、印刷適性の向上のために、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムに表面改質処理を施してもよい。また、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムと基材を積層して包装材とする場合には、ラミネート適性の向上のために、紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムの基材と接触する面に対して表面改質処理を施してもよい。
この表面改質処理としては、表面を酸化させることにより官能基を発現させる処理があげられ、その具体例としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理があげられる。また、表面改質処理として、ウェットプロセスによる改質処理を用いることも可能であり、その具体例としては、易接着層のコーティングがあげられる。
〔第二実施形態の実施例〕
以下、第二実施形態の実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例21)
実施例21の包装材用シーラントフィルムは3層構造であり、基材の上に紫外線遮蔽層が積層され、さらにその上にシール層が積層された構造を有している。
紫外線遮蔽層は、熱可塑性樹脂である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(平均密度0.931g/cm3、MFR3.2)及び低密度ポリエチレン樹脂(平均密度0.924g/cm3、MFR1.0)を80:20の質量比で混合した樹脂に酸化亜鉛粒子を配合した樹脂組成物からなる。この酸化亜鉛粒子は、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって平均粒径が0.2μm以下とされるものである。樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の含有量は、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して1質量部である。
また、基材は、上記紫外線遮蔽層と同様のポリエチレン樹脂からなる。さらに、シール層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(平均密度0.913g/cm3、MFR3.8)及び低密度ポリエチレン樹脂(平均密度0.924g/cm3、MFR1.0)を80:20の質量比で混合した樹脂からなる。
実施例21の包装材用シーラントフィルムは、単軸スクリュー押出機を用いてフィードブロック法により作製した。すなわち、紫外線遮蔽層の材料である樹脂組成物、基材の材料である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(平均密度0.931g/cm3、MFR3.2)及び低密度ポリエチレン樹脂(平均密度0.924g/cm3、MFR1.0)を80:20の質量比で混合した樹脂、及びシール層の材料である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(平均密度0.913g/cm3、MFR3.8)及び低密度ポリエチレン樹脂(平均密度0.924g/cm3、MFR1.0)を80:20の質量比で混合した樹脂を、単軸スクリュー押出機を用いて220℃に加温して溶融した後に、フィードブロック法により、シール層を第一層(表面層)、紫外線遮蔽層を第二層(中間層)、基材を第三層(裏面層)とする積層体を形成した。
そして、シール層の厚さが15μm、紫外線遮蔽層の厚さが20μm、基材の厚さが65μmとなるように調整して、実施例21の包装材用シーラントフィルムを得た。
(実施例22)
樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の含有量を、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して2質量部とした点以外は、実施例21と同様にして、実施例22の包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例23)
樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の含有量を、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して3質量部とした点以外は、実施例21と同様にして、実施例23の包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例24)
樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の含有量を、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して4質量部とした点以外は、実施例21と同様にして、実施例24の包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例25)
樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の含有量を、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して5質量部とした点以外は、実施例21と同様にして、実施例25の包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例21)
樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の含有量を、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して0質量部とした点以外は、実施例21と同様にして、比較例21の包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例22)
樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の含有量を、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して0.5質量部とした点以外は、実施例21と同様にして、比較例22の包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例23)
樹脂組成物中の酸化亜鉛粒子の含有量を、熱可塑性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対して10質量部とした点以外は、実施例21と同様にして、比較例23の包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例24)
紫外線遮蔽層を第一層、シール層を第二層、基材を第三層とした点以外は、実施例21と同様にして、比較例24の包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例25)
シール層を第一層、基材を第二層、紫外線遮蔽層を第三層とした点以外は、実施例21と同様にして、比較例25の包装材用シーラントフィルムを作製した。
これらの実施例及び比較例の包装材用シーラントフィルムについて、紫外線透過率、ヘイズ、ラミネート強度、ヒートシール強度を測定した。
紫外線透過率は、株式会社島津製作所製の分光光度計(型番UV-2450)を用いて測定した、波長250~380nmの帯域の光の透過率である。なお、測定は5点行い、それらの平均値を測定値とした。
ヘイズは、JIS K7136:2000に規定の方法に準じ、日本電色工業株式会社製のNDH2000を用いて測定した。なお、測定は3点行い、それらの平均値を測定値とした。
ラミネート強度は、以下のようにして評価した。まず、包装材用シーラントフィルムの第三層とナイロンフィルム/ポリエチレンテレフタレートからなるフィルム状部材とを、ナイロンフィルム/ポリエチレンテレフタレート/包装材用シーラントフィルムの順となるようにラミネートしたラミネートフィルムを作製し、温度40℃の環境下で一ヶ月間保管した。このラミネートフィルムから幅15mm、長さ100mmの長方形状の試験片を切り出し、株式会社島津製作所製の引張試験機(型番AGS-500NX)を用いて第三層とフィルム状部材との間の剥離強度を測定して包装材用シーラントフィルムのラミネート強度とした。引張試験の条件は、チャック間距離20mm、引張り速度300mm/minとした。
ラミネート強度の測定は、ラミネート直後と一ヶ月間保管後にそれぞれ行い、40℃で一ヶ月間保管することによるラミネート強度の低下率によって、経時によるラミネート強度の安定性を評価した。なお、測定は5点行い、それらの平均値を測定値とした。
ヒートシール強度は、以下のようにして評価した。まず、2枚の包装材用シーラントフィルムを用意し、それらの第一層同士が対向するように重ね合わせた。そして、テスター産業株式会社製のヒートシーラー(型番TP-701-B)を用いて、それらの第一層同士をヒートシールした。ヒートシールの条件は、シール圧力0.2MPa、シール時間1sec、シール幅10mm、シール温度150℃である。
得られたヒートシール物から幅15mm、長さ80mmの長方形状の試験片を切り出し、株式会社島津製作所製の引張試験機(型番AGS-500NX)を用いて、シールされた第一層と第一層との間の剥離強度を測定して、ヒートシール強度とした。引張試験の条件は、チャック間距離20mm、引張り速度300mm/minとした。なお、測定は5点行い、それらの平均値を測定値とした。
実施例21~25及び比較例21~25の上記各評価結果を、表8にまとめて示す。なお、紫外線透過率の評価は、波長250~380nmの帯域の光の透過率が10%以下であることを合格判定の基準とした。また、ヘイズの評価は、20%以下であることを合格判定の基準とした。ラミネート強度の評価は、40℃で一ヶ月間保管することによるラミネート強度の低下率が10%未満であることを合格判定の基準とし、表8においては合格である場合は「○」印で示し、不合格である場合は「×」印で示した。ヒートシール強度の評価は、10N/15mm以上であることを合格判定の基準とした。
Figure 0007040025000008
表8から分かるように、実施例21~25は、上記の合格判定基準を全て満たしていた。これに対して、比較例21は、紫外線遮蔽層に酸化亜鉛粒子が添加されていないため、紫外線透過率が高く不合格であった。比較例22は、紫外線遮蔽層への酸化亜鉛粒子の添加量が少ないため、比較例21と同様に紫外線透過率が高く不合格であった。比較例23は、紫外線遮蔽層への酸化亜鉛粒子の添加量が多いため、ヘイズ値が基準の20%を超えており不合格であった。
また、比較例24は、酸化亜鉛粒子が添加された紫外線遮蔽層が第一層(表面層)に配されているため、酸化亜鉛粒子によるヒートシール阻害が生じてヒートシール強度が低かった。比較例25は、酸化亜鉛粒子が添加された紫外線遮蔽層が第三層(裏面層)に配されているため、酸化亜鉛粒子によるラミネート阻害が生じてラミネート強度が不安定であった。
1 ・・・紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム
2 ・・・表面
3 ・・・裏面
4 ・・・紫外線遮蔽層
5 ・・・シール層
6 ・・・包装材
7 ・・・基材
8 ・・・機能層
10 ・・・包装体
11 ・・・スタンディングパウチ
12 ・・・パウチ表面
13 ・・・パウチ裏面
16 ・・・注出ノズル
17 ・・・開封用切目線
18 ・・・開封つまみ
19 ・・・ハーフカット線
20 ・・・底テープ
21 ・・・折り曲げ部稜線
22 ・・・サイドシール部
23 ・・・ボトムシール部
24 ・・・注出ノズルシール部
25 ・・・注出ノズル先端シール部
26 ・・・エンボス加工部
241 ・・・有機滑剤表面抽出用治具
242 ・・・有機溶媒

Claims (7)

  1. 複数の層が積層された積層フィルムからなる包装材用シーラントフィルムであって、
    熱可塑性樹脂を含有し且つヒートシール性を有するシール層と、熱可塑性樹脂を含有し且つ紫外線を遮蔽する紫外線遮蔽層と、を備え、
    前記紫外線遮蔽層は、前記熱可塑性樹脂と酸化亜鉛粒子とを含有する樹脂組成物で形成されており、
    ヘイズ値が25%以下であり、
    前記酸化亜鉛粒子は、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって直径が0.4μm以下とされる粒子の割合が80個数%以上であり、
    前記シール層の熱可塑性樹脂と前記紫外線遮蔽層の熱可塑性樹脂は、いずれもポリエチレン又はその誘導体を含有し、
    前記紫外線遮蔽層の平均密度は0.910g/cm 3 以上0.940g/cm 3 以下であり、前記シール層の平均密度は0.890g/cm 3 以上0.930g/cm 3 以下で且つ前記紫外線遮蔽層の平均密度よりも低い紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム。
  2. 複数の層が積層された積層フィルムからなる包装材用シーラントフィルムであって、
    熱可塑性樹脂を含有し且つヒートシール性を有するシール層と、熱可塑性樹脂を含有し且つ紫外線を遮蔽する紫外線遮蔽層と、を備え、
    前記紫外線遮蔽層は、前記熱可塑性樹脂と酸化亜鉛粒子とを含有する樹脂組成物で形成されており、
    ヘイズ値が25%以下であり、
    前記酸化亜鉛粒子は、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって直径が0.4μm以下とされる粒子の割合が80個数%以上であり、
    前記シール層の熱可塑性樹脂と前記紫外線遮蔽層の熱可塑性樹脂は、いずれも直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを質量比で99:1~70:30の割合で混合したものであり、
    前記紫外線遮蔽層の厚さは10μm以上100μm以下であり、前記シール層の厚さは1μm以上30μm以下で且つ前記紫外線遮蔽層の厚さよりも小さい紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム。
  3. 前記シール層の熱可塑性樹脂と前記紫外線遮蔽層の熱可塑性樹脂は、いずれも直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを質量比で99:1~70:30の割合で混合したものであり、
    前記紫外線遮蔽層の厚さは10μm以上100μm以下であり、前記シール層の厚さは1μm以上30μm以下で且つ前記紫外線遮蔽層の厚さよりも小さい請求項1に記載の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム。
  4. 前記シール層及び前記紫外線遮蔽層は有機滑剤を含有し、前記シール層の表面に存在する前記有機滑剤の量は5mg/m2以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム。
  5. 前記有機滑剤は分子量250以上350以下の脂肪酸アミドであり、前記シール層及び前記紫外線遮蔽層中の前記有機滑剤の含有量は、いずれも100ppm以上500ppm以下である請求項4に記載の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルム。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の紫外線遮蔽性包装材用シーラントフィルムの一方の面に、基材を積層した包装材。
  7. 請求項6に記載の包装材を備える包装体。
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