JP6801351B2 - 滑性、耐ブロッキング性の良好な積層フィルム、及び、これを用いた包装材、包装体 - Google Patents
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Description
しかし、配合する微粒子の粒径サイズと添加量の増加に伴い、積層フィルム1の最表層の表面2の微粒子の突出部の占める割合が高くなり過ぎると、ヒートシール性の低下や、フィルム外観のムラに繋がる。また、配合する無機または有機微粒子の粒径と添加量の減少に伴い、積層フィルム1の表面2同士の滑性が低下し、ブロッキングといった問題につながる。
そこで、第一層4には、平均粒径7〜15μmの有機微粒子6を6000〜50000ppm配合することによって、適度な滑性、ブロッキング性を得ることができる。
そこで、第二層5には、平均粒径2〜8μmの無機微粒子7を1000〜10000ppm配合することによって、包装材11にしたときに、基材層との密着性を保ち、ラミ強度を保ちながら、滑性、耐ブロッキング性を良好にすることができる。
また、ポリエチレン樹脂において、一般的に、密度が高密度であると分子の分岐度は低いと考えられることから、密度を高めることによって、引裂性を向上することができる。
そこで、本発明の積層フィルムにおいては、図1に示すように、2層構成とし、第一層4を低密度樹脂、第二層5を中〜高密度樹脂とすることで、耐衝撃性、ヒートシール性が良好で、且つ、剛性、引裂性も良好にすることが可能となる。
また、熱可塑性樹脂の積層フィルム1に添加した無機または有機微粒子が最表層の表面2に突出することにより、加工時の滑性、耐ブロッキング性を向上させることができる。
また、フィルムに圧力がかかった場合に、無機または有機微粒子の突出部が球状であると、突出部が受けた応力は突出部表面全体に分散されるため、突出部の潰れによるフィルム表面同士の接触面積の増大を防ぐことができ、耐ブロッキング性にも効果が期待できる。
また、第一層4に用いる微粒子は有機微粒子であることがより好ましく、第二層5に用いる微粒子は無機微粒子であることがより好ましい。これは、無機微粒子は、無機微粒子が配合された熱可塑性樹脂積層フィルムを成形する際に、熱分解による質量減少を抑えることができるためである。
さらに、有機微粒子もしくは無機微粒子は、熱可塑性樹脂よりも硬いものであることがより好ましい。熱可塑性樹脂よりも硬い粒子を用いれば、熱可塑性樹脂に圧力が付加された際に、表面の突出部が潰されてしまうことを防ぐことができる。その結果、熱可塑性樹脂積層フィルムの間の接触面積が突出部の潰れによって増大することを防ぐことができ、滑り性や耐ブロッキング性を効果的に向上させることが可能となる。
本発明の包装体としては、スタンディングパウチや、包装袋、口栓付きパウチ、ラミチューブ、バックインボックス等が挙げられるが、この他に様々な用途に使用できる。
滑性評価は、東洋精機製作所製の滑り傾斜角測定装置を用いて、傾斜角度を徐々に上げていった際の錘の滑り始める角度から静摩擦係数を算出する傾斜法により、包装材用フィルムの凸形状のある表面2側の面同士の静摩擦係数を評価した。錘は30mm幅×40mm長さ×30mm高さで重量197gの金属性ブロックを使用した。
積層フィルムに関する滑性評価は、製膜後から経時により有機滑剤のブリードアウトが発生するため、製膜直後から経時で同サンプルを測定し、表中には、その最大値と最小値を記している。製膜直後が最大値を示し、その後、数日程度のオーダーで、摩擦係数は低下していく。また、包装材11に関する滑性評価は、ドライラミネート後のエージングから取出してからの経時により、同様に、有機滑剤のブリードアウトが発生するため、同サンプルを経時測定し、表中には、その最大値と最小値を記している。エージング取出し直後が最大値を示し、その後、数日〜数十日のオーダーで徐々に摩擦係数は低下していく。
評価結果は、静摩擦係数がいつでも0.15〜0.90の範囲内に入っているものは〇、〇にはならないがいつでも0.1〜1.2の範囲内に入っているものは△、それ以外のものを×とした。なお、静摩擦係数が1.2を超えるものは測定できていないため、「1.2>」と表記している。
キーエンス製のレーザーマイクロスコープ(型番VK−X200)を用いて、対物レンズの倍率を10倍にし、表面2の測定を行い、算術平均粗さRaを算出した。表面2の算術平均粗さRaは、1mm2の測定範囲内においてJISB0601‘2001に準拠し、算出した。
積層フィルムに関する耐ブロッキング性評価は、積層フィルムを10枚重ね、テスター産業製の圧縮試験装置にて0.3MPaの荷重をかけた状態で2日保持した後に、ブロッキング強度の測定をした。ブロッキング強度の測定は、ブロッキングしたフィルムを30mm×30mmの範囲のみブロッキングされているように30mm幅×100mm長に切出し、チャック間距離を50mm、引張り速度を300mm/minとして島津製作所株式会社製引張試験機(型番AGS−500NX)を用いて、せん断剥離強度を測定し、ブロッキング強度とした。ブロッキング強度が20[N/30mm]以下のものを〇、20[N/15mm]〜30[N/15mm]のものを△、30[N/15mm]以上のものを×とした
包装材に関する耐ブロッキング性評価は、包装材11を10枚重ね、テスター産業製の圧縮試験装置にて0.3MPaの荷重をかけた状態で、50℃環境で2日保持した後に、ブロッキング強度の測定をした。ブロッキング強度の測定方法は同上である。全くブロッキングが観測されなかったものは表中0と記載し、〇判定とした。ブロッキングが観測はされたがブロッキング強度が45[N/15mm]以下のものは△、45[N/15mm]を超えるものを×とした。
ヒートシール性評価は、テスター産業製のヒートシーラー(型番TP−701−B)を用いてシール圧力0.2MPa、シール時間を1秒、シール幅を10mmとし、シール温度を130℃、熱可塑性樹脂積層フィルムの表面2側の面同士を重ね、シールした。シールしたフィルムを15mm幅×100mmに切出し、チャック間距離を50mm、引張り速度を300mm/minとして島津製作所株式会社製引張試験機(型番AGS−500NX)を用いて、T字剥離強度を測定し、シール強度とした。シール強度が17[N/15mm]以上のものを〇、15[N/15mm]〜17[N/15mm]のものを△、15[N/15mm]以下のものを×とした。
ラミ強度は、包装材を15mm幅×100mmに切出し、チャック間距離を50mm、引張り速度を300mm/minとして島津製作所株式会社製引張試験機(型番AGS−500NX)を用いて、T形剥離法で包装材の積層フィルムと、基材層の剥離状態を評価した。積層フィルムと基材層が剥離せず、積層フィルムと基材層のどちらかが先に破断したものを〇、積層フィルムと基材層が剥離したものを×とした。
総合判定として、本発明の積層フィルムにおいて、以下の全て満たすものを○とした。すなわち、総合判定として、滑性、耐ブロッキング性、ヒートシール性の評価結果が○のもの、かつ、包装材に関する滑性、耐ブロッキング性、ラミネート強度の評価結果が○のものを○とし、一つでも△であったものを△、一つでも×であったものを×とした。
各実施例、各比較例の積層フィルム1及び包装材11の評価結果を表1〜5に記載する。
2 …表面
3 …裏面
4 …第一層
5 …第二層
6 …有機微粒子
7 …無機微粒子
8 …第三層
9 …機能層
10 …基材層
11 …包装材
12 …スタンディングパウチ
13 …パウチ表面
14 …パウチ裏面
16 …注出ノズル
17 …開封用切目線
18 …開封つまみ
19 …ハーフカット線
20 …底テープ
21 …折り曲げ部稜線
22 …サイドシール部
23 …ボトムシール部
24 …注出ノズルシール部
25 …注出ノズル先端シール部
26 …エンボス加工部
Claims (4)
- 少なくとも2層からなる積層フィルムにおいて、
最表層である第一層は、平均粒径が7〜15μmの微粒子を6000〜50000pp
m含有しており、前記第一層に隣接する第二層は、平均粒径が2〜8μmの微粒子を1000〜10000ppm含有しており、
前記第一層および前記第二層は、いずれも重量比の70%以上がポリエチレンであり、
前記第一層の平均密度は0.910〜0.930g/cm 3 であり、
前記第二層の平均密度は0.920g〜0.940g/cm 3 であって、かつ、前記第一
層の平均密度よりも高く、
前記第一層からなる最表層同士の静摩擦係数は0.1〜1.2であり、
前記第一層が含有する前記微粒子は、球状の有機微粒子であり、かつ、前記第二層が含
有する前記微粒子は、球状の無機微粒子であり、
前記第一層および前記第二層は、いずれも滑剤を30〜200ppm含有しており、これらの滑剤は、分子量が250〜350の脂肪酸アミドである
ことを特徴とする積層フィルム。 - 前記第一層からなる最表層の表面粗さRaは0.5〜2.0μmであることを特徴とす
る請求項1に記載の積層フィルム。 - 請求項1または2に記載の積層フィルムの前記第二層の前記第一層の反対側の表面に、少なくとも基材層が積層してなることを特徴とする包装材。
- 請求項3に記載の包装材を用いた包装体。
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JP2016199891A JP6801351B2 (ja) | 2016-10-11 | 2016-10-11 | 滑性、耐ブロッキング性の良好な積層フィルム、及び、これを用いた包装材、包装体 |
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