JP7028626B2 - 焙煎コーヒー豆の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焙煎コーヒー豆の製造方法に関する。
生理活性機能を有する素材として様々な素材が提案されており、中でも、抗酸化作用、血圧降下作用、肝機能改善作用等の生理活性機能を有するものとしてポリフェノール類がある。ポリフェノール類のひとつであるクロロゲン酸類は、血圧降下作用が高いという報告がなされている。そして、クロロゲン酸類を多く含む素材として、生コーヒー豆がある。生コーヒー豆は、含水率が高いため粉砕し難いだけでなく相当数の細菌が生存し、また特有の生豆臭を有するため、加工性、抗菌性、風味の観点から、焙煎コーヒー豆が一般に好まれる。
従来の生コーヒー豆の焙煎方法は、生コーヒー豆を高温で加熱することが主流であった。例えば、特許文献1の実施例では、生コーヒー豆を最終到達温度230℃まで焙煎している。
特開2003-289805号公報
上記特許文献のような方法で焙煎すると、豆中の含水率や細菌の生存数が減少するものの、クロロゲン酸類が分解してクロロゲン酸類の含有量の減少が避けられない。一方、焙煎条件を緩和すると、クロロゲン酸類の分解による減少を抑制できるものの、含水率や細菌の生存数の低減が不十分となる。このように、含水率及び細菌の生存数の低減と、クロロゲン酸類の分解抑制とはトレードオフの関係にあり、両者を両立させることが難しかった。
本発明の課題は、含水率及び細菌の生存数の低減と、クロロゲン酸類の分解抑制とを両立させ、クロロゲン酸類量を維持しなから、含水率及び細菌の生存数を低減した焙煎コーヒー豆の製造方法を提供することにある。
本発明者らは種々検討した結果、焙煎途中における焙煎コーヒー豆の温度に着目し、焙煎途中における焙煎コーヒー豆の温度に基づいて特定の経時的積算プロファイルを満たす条件にて生コーヒー豆を焙煎することにより、含水率及び細菌の生存数の低減と、クロロゲン酸類の分解抑制とを両立でき、クロロゲン酸類量を維持しながら、含水率及び細菌の生存数を低減した焙煎コーヒー豆が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、焙煎装置内で生コーヒー豆を焙煎する工程を含む焙煎コーヒー豆の製造方法であって、焙煎工程が、焙煎開始時点をSs、焙煎終了時点をSf、焙煎開始時点Ssからs(min)経過時点におけるコーヒー豆の温度をTs(℃)としたときに、下記の(1)及び(2)の条件を満たす、焙煎コーヒー豆の製造方法を提供するものである。
Figure 0007028626000001
本発明によれば、含水率及び細菌の生存数の低減と、クロロゲン酸類の分解抑制とを両立できるため、クロロゲン酸類を豊富に含み、含水率及び細菌の生存数を低減させた焙煎コーヒー豆を簡便な操作で製造することができる。
本発明の製造方法においては、先ず焙煎装置内に生コーヒー豆を収容する。
(生コーヒー豆)
生コーヒー豆の豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種及びアラブスタ種のいずれでもよい。また、コーヒー豆の産地は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジャロ、マンデリン、ブルーマウンテン、グアテマラ、ベトナム等が挙げられる。生コーヒー豆は、1種又は2種以上を使用することができる。2種以上の生コーヒー豆を使用する場合、豆種や産地の異なるコーヒー豆を適宜選択し、任意に組み合わせて使用することができる。
また、生コーヒー豆は、脱カフェイン処理が施されていてもよい。脱カフェイン処理は、公知の方法を採用することが可能であり、例えば、ウォーター法、超臨界二酸化炭素抽出法、有機溶媒抽出法等を挙げることができる。中でも、安全性、風味の観点から、ウォーター法、超臨界二酸化炭素抽出法が好ましい。
生コーヒー豆の粒度は、未粉砕(全粒)でも、粉砕物でも、これらの混合物であっても構わないが、焙煎度制御の容易さの観点から、未粉砕(全粒)が好ましい。生コーヒー豆の粉砕方法は特に限定されず、公知の方法及び装置を用いることができるが、例えば、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル、インパクトミル、ウィレー粉砕機等の粉砕装置や、ロールグラインダー、フラットカッター、コニカルカッター、グレードグラインダー等のカッターミルを使用することができる。粉砕生コーヒー豆の粒度は、粗挽き、中挽き及び細挽きのいずれでもよい。
(焙煎装置)
焙煎装置としては特に限定されないが、例えば、焙煎豆静置型、焙煎豆移送型、焙煎豆攪拌型等の装置を使用できる。より具体的には、例えば、棚式乾燥機、コンベア式乾燥機、回転ドラム型乾燥機、回転V型乾燥機等が挙げられる。加熱方式としては、例えば、直火式、熱風式、半熱風式、遠赤外線式、赤外線式、マイクロ波式、過熱水蒸気式等が挙げられる。
(焙煎工程)
次に、焙煎工程を実施する。
焙煎工程は、焙煎開始時点Ss、焙煎終了時点Sf(min)を管理し、焙煎開始時点Ssからs(min)経過時点におけるコーヒー豆の温度Ts(℃)を計測する。ここで、本明細書において「焙煎開始時点Ss」とは、焙煎装置内に生コーヒー豆を収容した時点をいう。また、「焙煎終了時点Sf」とは、焙煎装置内でコーヒー豆が加熱に供された後、焙煎装置内からコーヒー豆を取り出した時点である。焙煎開始時点Ssからs(min)経過時点におけるコーヒー豆の温度Tsは、例えば、焙煎装置内に熱電対を挿入して測定することができる。なお、焙煎装置内のコーヒー豆の温度を計測できれば、この方法に限定されない。
コーヒー豆の温度Tsは、通常、焙煎開始時点Ssから焙煎終了時点Sfまで、時間的温度プロファイルを観察するように経時的に計測されるが、時間的温度プロファイルを作成できれば一定時間ごとに計測しても構わない。そして、焙煎開始時点Ssからの経過時間を横軸とし、その経過時点でのコーヒー豆の温度を縦軸としたときに、経過時間sと豆温度Tsとを乗じて算出される面積を積算し定量化する。具体的には、下記式(i)で表される経時的積算プロファイルにより求める。
Figure 0007028626000002
前記式(i)により算出される値は、1500以上であるが、含水率及び細菌の生存数の低減の観点から、1600以上が好ましく、1700以上がより好ましく、1800以上が更に好ましく、1900以上が殊更に好ましい。なお、前記式(i)により算出される値の上限値は後述の式(ii)を同時に満たせば特に限定されないが、クロロゲン酸類量の維持の観点から、3600以下が好ましく、3000以下がより好ましく、2600以下が更に好ましく、2200以下が殊更に好ましい。かかる式(i)により算出される値の範囲としては、好ましくは1500以上3600以下、より好ましくは1600以上3000以下、更に好ましくは1700以上2600以下、より更に好ましくは1800以上2600以下、殊更に好ましくは1900以上2200以下である。
また、焙煎工程においてコーヒー豆に与えられる加熱量として、焙煎開始時点Ssからs(min)経過時点におけるコーヒー豆の温度Tsを経時的に計測してF0値を算出し、それを下記式(ii)で表される経時的積算プロファイルにより積算して求める。なお、「F0値」とは、豆温度ごとの殺菌加熱量を、121℃での殺菌時間の長さに換算した値をいう。
Figure 0007028626000003
前記式(ii)により算出される値は、7000以上3500000以下であるが、含水率及び細菌の生存数の低減の観点から、10000以上が好ましく、20000以上がより好ましく、40000以上が更に好ましく、60000以上がより更に好ましく、80000以上が殊更に好ましく、またクロロゲン酸類量の維持の観点から、3000000以下が好ましく、2000000以下がより好ましく、1000000以下が更に好ましく、400000以下が殊更に好ましい。かかる式(ii)により算出される値の範囲としては、好ましくは10000以上3000000以下、より好ましくは20000以上2000000以下、更に好ましくは40000以上1000000以下、より更に好ましくは60000以上400000以下、殊更に好ましくは80000以上400000以下である。
焙煎時間Sf-Ssは、前記式(i)及び(ii)を満たせば特に限定されないが、クロロゲン酸類量の維持の観点から、25分以下が好ましく、24分以下がより好ましく、23分以下がより好ましく、22分以下が更に好ましく、21分以下が殊更に好ましい。また、含水率及び細菌の生存数の低減の観点から、5分以上が好ましく、9分以上がより好ましく、11分以上が更に好ましく、13分以上が殊更に好ましい。かかる焙煎時間の範囲としては、好ましくは5分以上25分以下、より好ましくは5分以上24分以下、更に好ましくは9分以上23分以下、より更に好ましくは11分以上22分以下、殊更に好ましくは13分以上21分以下である。
焙煎装置は、前記式(i)及び(ii)を満たすように加熱すればよい。例えば、焙煎装置の加熱温度を、通常300~550℃、好ましくは350~550℃、更に好ましくは400~500℃とすることが好ましい。また、焙煎装置は、生コーヒー豆を収容後に昇温してもよいが、生産効率の観点から、焙煎装置を予め昇温しておくことが好ましい。焙煎装置の予備加熱温度は、焙煎時の加熱温度と同一又は異なる温度に設定することが可能であり、例えば、焙煎時の加熱温度に対して、好ましくは100~300℃、更に好ましくは150~250℃程度の低い温度に設定することができる。
また、焙煎工程は、生コーヒー豆中の水分除去速度が0.7kg/min以上となるように制御して行うことが好ましい。これにより、コーヒー豆の焙煎ムラが減少するため、焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類量のバラツキを抑制することができる。より一層の焙煎ムラの抑制の観点から、かかる水分除去速度は、0.8kg/min以上が好ましく、0.9kg/min以上がより好ましく、1.0kg/min以上が更に好ましい。なお、水分除去速度の上限値は特に限定されないが、生産安定性の観点から、2.0kg/min以下が好ましく、1.9kg/min以下がより好ましく、1.8kg/min以下が更に好ましく、1.7kg/min以下が殊更に好ましい。水分除去速度の範囲としては、好ましくは0.7~2.0kg/min、より好ましくは0.8~1.9kg/min、更に好ましくは0.9~1.8kg/min、殊更に好ましくは1.0~1.7kg/minである。なお、かかる水分除去速度は、後掲の実施例に記載の方法にしたがって測定することができる。
焙煎装置内の雰囲気は、空気下でも、不活性ガス下でもよい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられる。
また、焙煎装置内の圧力条件は、大気圧でも、減圧、加圧のいずれでも構わないが、通常大気圧である。
このようにして、本発明の焙煎コーヒー豆を製造することができるが、得られた焙煎コーヒー豆は、以下の特性を具備することができる。
(i)焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類の含有量は、通常4質量%以上、好ましくは5質量%以上、更に好ましくは6質量%以上である。なお、かかるクロロゲン酸類の含有量の上限値は特に限定されないが、通常10質量%以下、好ましくは8質量%以下である。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸及び5-カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3-フェルロイルキナ酸、4-フェルロイルキナ酸及び5-フェルロイルキナ酸のモノフェルロイルキナ酸を併せての総称であり、クロロゲン酸類の含有量は上記6種の合計量に基づいて定義される。なお、焙煎コーヒー豆のクロロゲン酸類の含有量は、後掲の実施例に記載の方法にしたがって測定することができる。
(ii)焙煎コーヒー豆の含水率は4質量%以下であるが、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。なお、かかる含水率の下限値は特に限定されず、0質量%であっても構わない。なお、焙煎コーヒー豆の含水率は、後掲の実施例に記載の方法にしたがって測定することができる。
(iii)焙煎コーヒー豆1g当たりの細菌数は、通常3000個以下、好ましくは300個以下、更に好ましくは30個以下である。なお、焙煎コーヒー豆中の細菌としては、例えば、A. niger, A. tubingensis, A. carbonarius等が挙げられる。また、焙煎コーヒー豆中の細菌数は、後掲の実施例に記載の方法にしたがって測定することができる。
(iv)焙煎コーヒー豆のL値は、通常35~60、好ましくは38~58、更に好ましくは40~55である。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。
(v)焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類の含有量の標準偏差が、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.08以下である。なお、かかる標準偏差は、後掲の実施例に記載の方法にしたがって測定するものとする。
1.焙煎コーヒー豆の分析
焙煎コーヒー豆を粉砕し、粉砕焙煎コーヒー豆0.5gに抽出用水(リン酸1gと1-ヒドロキシ1,1-ジスホン酸0.03gをイオン交換水1Lに溶解した液)を80g加え、95~99℃の間に保持しながら10分間浸漬抽出を行い、上清を採取し、コーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液に基づいて、焙煎コーヒー豆のクロロゲン酸類の含有量の分析を行った。
(1)クロロゲン酸類の分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV-VIS検出器:L-2420((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラムオーブン:L-2300((株)日立ハイテクノロジーズ)
・ポンプ:L-2130((株)日立ハイテクノロジーズ)
・オートサンプラー:L-2200((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラム:Cadenza CD-C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV-VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:アセトニトリルを水で希釈してアセトニトリル濃度を5(V/V)%とした溶液であって、0.05M 酢酸、0.1mM 1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、及び10mM 酢酸ナトリウムを含む溶液
・溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)6種のクロロゲン酸類
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
・モノフェルロイルキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
ここで求めた6種のクロロゲン酸類の面積値から5-カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
(2)細菌数の分析
細菌数の分析は、一般財団法人日本食品分析センターに依頼した。焙煎コーヒー豆をストマッカー処理して希釈液を作製し、分析に供した。分析は標準寒天平板培養法にて行った。
2.含水率の分析
冷却後の焙煎コーヒー豆を100℃の電気炉にて6時間保持し、乾燥処理を行った。乾燥前後の焙煎コーヒー豆の質量から、下記式(iii)より含水率を算出した。
Figure 0007028626000004
〔式(iii)中、Aは乾燥前の焙煎コーヒー豆の質量(g)を示し、Bは乾燥後の焙煎コーヒー豆の質量(g)を示す。〕
3.焙煎工程における生コーヒー豆中の水分除去速度の測定
焙煎工程における生コーヒー豆中の水分除去速度は、下記式(iv)より算出した。
Figure 0007028626000005
〔式(iv)中、Cは焙煎前の生コーヒー豆の含水率(%)を示し、Dは焙煎後のコーヒー豆の含水率(%)を示し、Eは焙煎前の生コーヒー豆の質量(kg)を示し、Fは焙煎時間(min)を示す。〕
4.クロロゲン酸の標準偏差の測定
焙煎終了後、焙煎装置内の異なる箇所から焙煎コーヒー豆を100gずつ20点サンプリングした。各サンプルについて焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類の含有量を分析し、20点間における焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類の含有量の標準偏差を算出した。
実施例1
焙煎装置として熱風式焙煎機(Probat社製)を用いた。バーナー温度を450℃とし、槽内温度が215℃になるまで装置を予熱した。その後、未粉砕の生コーヒー豆(ベトナム産ロブスタ種)を焙煎装置内に250kg投入し、12分間焙煎を行った。焙煎中の品温を測定し、前記式(i)及び前記式(ii)に基づいて積算値を計算した。更に、得られた焙煎コーヒー豆について、クロロゲン酸類の含有量、含水率及び菌数を分析し、前記(iv)に基づいて水分除去速度を計算した。その結果を表1に示す。
実施例2
表1に示す焙煎時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により焙煎を行った。焙煎中の品温を測定し、前記式(i)及び前記式(ii)に基づいて積算値を計算した。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様に、クロロゲン酸類の含有量、含水率及び菌数を分析し、水分除去速度を計算した。その結果を表1に併せて示す。
実施例3
表1に示す焙煎時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により焙煎を行った。焙煎中の品温を測定し、前記式(i)及び前記式(ii)に基づいて積算値を計算した。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様に、クロロゲン酸類の含有量、含水率及び菌数を分析し、水分除去速度を計算した。その結果を表1に併せて示す。
比較例1
表1に示す焙煎時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により焙煎を行った。焙煎中の品温を測定し、前記式(i)及び前記式(ii)に基づいて積算値を計算した。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様に、クロロゲン酸類の含有量、含水率及び菌数を分析し、水分除去速度を計算した。その結果を表1に併せて示す。
比較例2
表1に示す、バーナー温度、仕込み量及び焙煎時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により焙煎を行った。焙煎中の品温を測定し、前記式(i)及び前記式(ii)に基づいて積算値を計算した。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様に、クロロゲン酸類の含有量、含水率及び菌数を分析し、水分除去速度を計算した。その結果を表1に併せて示す。
比較例3
表1に示す焙煎時間に変更したこと以外は、比較例2と同様の操作により焙煎を行った。焙煎中の品温を測定し、前記式(i)及び前記式(ii)に基づいて積算値を計算した。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様に、クロロゲン酸類の含有量、含水率及び菌数を分析し、水分除去速度を計算した。その結果を表1に併せて示す。
比較例4
表1に示す焙煎時間に変更したこと以外は、比較例2と同様の操作により焙煎を行った。焙煎中の品温を測定し、前記式(i)及び前記式(ii)に基づいて積算値を計算した。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様に、クロロゲン酸類の含有量、含水率及び菌数を分析し、水分除去速度を計算した。その結果を表1に併せて示す。
Figure 0007028626000006
表1から、生コーヒー豆を、前記(1)及び(2)を満たす条件にて焙煎することにより、含水率及び細菌の生存数の低減と、クロロゲン酸類の分解抑制とが両立され、クロロゲン酸類量を維持しなから、含水率及び細菌の生存数を低減した焙煎コーヒー豆が得られることがわかる。
実施例4
焙煎装置として熱風式焙煎機(Probat社製)を用いた。バーナー温度を450℃、ダンパー閉度60%とし、槽内温度が190℃になるまで装置を予熱した。その後、未粉砕の生コーヒー豆(ベトナム産ロブスタ種)を焙煎装置内に250kg投入し、14.7分間焙煎を行った。焙煎中の品温を測定し、前記式(i)及び前記式(ii)に基づいて積算値を計算した。更に、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様に、クロロゲン酸類の含有量、含水率及び菌数を分析し、水分除去速度及び20点サンプルのクロロゲン酸類の標準偏差を計算した。その結果を表2に示す。
実施例5
表2に示す、ダンパー閉度及び焙煎時間に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作により焙煎を行った。焙煎中の品温を測定し、前記式(i)及び前記式(ii)に基づいて積算値を計算した。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、実施例4と同様に、クロロゲン酸類の含有量、含水率及び菌数を分析し、水分除去速度及び20点サンプルのクロロゲン酸類の標準偏差を計算した。その結果を表2に併せて示す。
Figure 0007028626000007
表2から、前記(1)及び(2)を満たす条件で焙煎する際に、生コーヒー豆中の水分除去速度が0.7kg/min以上となるように制御することで、コーヒー豆の焙煎ムラが減少し、クロロゲン酸類を豊富に含みながら、クロロゲン酸類量のバラツキの少ない焙煎コーヒー豆が得られることがわかる。

Claims (6)

  1. 焙煎装置内で生コーヒー豆を焙煎する工程を含む焙煎コーヒー豆の製造方法であって、
    焙煎工程が、焙煎開始時点をSs、焙煎終了時点をSf、焙煎開始時点Ssからs(min)経過時点におけるコーヒー豆の温度をTs(℃)としたときに、下記の(1)及び(2)の条件を満たす、焙煎コーヒー豆の製造方法。
    Figure 0007028626000008
  2. 焙煎工程が、更に生コーヒー豆中の水分除去速度が0.7kg/min以上となるように制御される、請求項1記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
  3. 焙煎コーヒー豆の含水率が4質量%以下である、請求項1又は2記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
  4. 前記(2)に示す不等式が10000以上2000000以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
  5. 焙煎工程が、更に下記の(3)の条件を満たす、請求項1~のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
    (3)Sf-Ss≦25
  6. 焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類の含有量が5質量%以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
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