以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両右側を示し、矢印Lは車両左側を示し、矢印Uは車両上方を示すものとし、矢印outは車幅方向外側を示し、矢印inは車幅方向内側を示すものとする。
図1、図2は、本発明の本実施形態の後部車体構造Vを示し、まず、本実施形態の後部車体構造Vの前提構造について主に図1、図2を用いて説明する。
図2に示すように、自動車の車体においては、車室の床面を形成するフロアパネル1を設け、このフロアパネル1の両サイドには、サイドシルインナ2aとサイドシルアウタ(図示省略)とを備えて車両前後方向に延びる閉断面2sが構成される車体強度部材としてのサイドシル2を接合固定している。
図1、図2に示すように、上述のフロアパネル1の後部には、上方に立ち上がるキックアップ部3を介して車体後部フロアを構成するリヤフロアパネル4を一体的に連設しており、該リヤフロアパネル4の両サイドには、車両前後方向に延びるリヤサイドフレーム6(以下、「フレーム部材6」と称する)が設けられている。
図2に示すように、リヤフロアパネル4の前部4F(以下、「リヤフロア前部4F」と称する)には、下方に燃料タンク5が配置されている。この燃料タンク5は図示しないインシュレータで保護されている。
同図に示すように、燃料タンク5には、車体後部の左側面に設けられたフィラーリッド内部(図示省略)の燃料供給口(図示省略)から燃料タンク5へ燃料を給油するための燃料パイプ5a(フィラーパイプ5a)や蒸発燃料の通路となるブリーザパイプ5bがリヤフロアパネル4の下方から車両左側のフレーム部材6を横切るようにして車両左側に配管されている。
図1に示すように、リヤフロアパネル4の後部4R(以下、「リヤフロア後部4R」と称する)には、その車幅方向中間部に下方に窪むスペアタイヤパン又は他の部品を兼ねる凹部4aが一体形成されている。
上述したフレーム部材6は、キックアップ部3からリヤフロアパネル4の後端まで内部に車両前後方向に延びる閉断面6sが形成された車体側部剛性部材として構成しており、前端がサイドシル2の後部に接続されている。
図1、図2に示すように、フレーム部材6は、車両前後方向全体に渡って上方へ凸の断面ハット形状のフレーム部材アッパ61(図1参照)と、下方へ凸の断面ハット形状のフレーム部材ロア62(図2参照)等を備えている。これらフレーム部材アッパ61とフレーム部材ロア62とは、夫々の車幅方向内端にフランジ部61a,62aが形成されており(図5、図6参照)、これらフランジ部61a,62aによってリヤフロアパネル4の車幅方向外側端部4bを挟み込んだ状態で溶接にて3重接合されている(同図参照)。
図1、図2に示すように、フレーム部材6の車幅方向外側には、リヤホイールハウス7が設けられている。リヤホイールハウス7は、不図示のリヤホイールハウスアウタとリヤホイールハウスインナ7a(以下、「ホイールハウスインナ7a」と称する)とを接合して構成されている。
図1に示すように、ホイールハウスインナ7aには、該ホイールハウスインナ7aを補強する前後各側のサイドブレース8,9が車幅方向内面側から接合されている。これら前後各側のサイドブレース8,9とホイールハウスインナ7aとの間には閉断面8s,9sが夫々形成されている。
同図に示すように、前後両側のサイドブレース8,9は、夫々車両側面視アーチ状に形成したホイールハウスインナ7aのアーチ部71における頂部71aに対して前後各側部位に配設されており、共にホイールハウスインナ7aの縦壁部72の上下方向中間位置から上方へと延びている。
また、図1、図2に示すように、リヤフロア前部4Fとリヤフロア後部4Rとの境界部においてリヤフロアパネル4の上下両部には、リヤクロスメンバアッパ11(図1参照)とリヤクロスメンバロア12(図2参照)とをスポット溶接等により夫々接合固定している。これら両者11,12は何れも車幅方向に延びて両サイドのフレーム部材6を車幅方向に連結するリヤクロスメンバ(いわゆるNo.4クロスメンバ)であって、リヤクロスメンバアッパ11とリヤフロアパネル4との間、並びに、リヤクロスメンバロア12とリヤフロアパネル4との間には、上下方向にオーバーラップする閉断面11s,12sが形成されている。
さらに、図2に示すように、リヤフロア後部4Rには、リヤフロア後部4Rの凹部4aを横切るように車幅方向に延びて両サイドのフレーム部材6を車幅方向に連結する後側リヤクロスメンバ13(いわゆるNo.5クロスメンバ)をリヤフロア後部4Rの下面側から接合固定している。これら後側リヤクロスメンバ13とリヤフロアパネル4との間には車幅方向に延びる閉断面13sが形成されている。
続いて本実施形態の後部車体構造Vの詳細について説明する。
なお、本実施形態の後部車体構造Vは、左右対称であるため、図1、図2に加えて図3~図7を用いて車体左側の構成に基づいて説明する。
図2に示すように、本実施形態のフレーム部材6は、その車両前後方向の中間位置(不図示のリヤサスペンションに対応する位置)に、サスペンション部品取付部14,(15),16が設けられている。
図2、図3に示すように、サスペンション部品取付部14,(15),16は、フレーム部材6の車両前後方向の中間位置において、車両前後方向に沿って、前側サスペンション部品取付部14、ダンパ支持部(15)、後側サスペンション部品取付部16を備えている。
前側サスペンション部品取付部14は、フレーム部材6の車両前後方向の中間位置の前側位置に、例えば、不図示のサスペンションクロスメンバやトレーリングアーム等のリヤサスペンション部品をサスペンション装着用ボルト(図示省略)を介して取り付け支持可能にボルト挿通孔14aを有して台座状に下方へ迫り出して形成される。
後側サスペンション部品取付部16は、フレーム部材6の車両前後方向の前側サスペンション部品取付部14より後側位置に、例えば、サスペンションクロスメンバ等のリヤサスペンション部品をサスペンション装着用ボルト(図示省略)を介して取り付け支持可能にボルト挿通孔16aを有して台座状に下方へ迫り出して形成される。
上述したリヤクロスメンバ11,12は、両サイドのフレーム部材6の車両前後方向の前側サスペンション部品取付部14に相当する位置にて車幅方向内側から接合されるとともに(図2、図3参照)、上述した後側リヤクロスメンバ13は、両サイドのフレーム部材6の車両前後方向の後側サスペンション部品取付部16に相当する位置にて車幅方向内側から接合されている(同図参照)。
一方、図2、図3、図5に示すように、フレーム部材6の前後各側のサスペンション部品取付部14,16の間、換言すると、フレーム部材6の車両前後方向のホイールハウスインナ7aの車両前後方向の中間位置(頂部71a(図3参照)に相当する位置)において、フレーム部材6の下面の車幅方向中央を上方に窪ませた窪み部15が形成されている。
なお、図5は、図2中のA-A線断面図を示し、詳しくは、フレーム部材6の車両前後方向の窪み部相当位置Pにおける直交断面を示す。
この窪み部15は、フレーム部材6の下面の車幅方向中央部に上下方向に向けて開口する開口部15aを備えており(図5参照)、その開口部15aから不図示のリヤサスペンションに備えたダンパD(図5参照)を挿入して固定する上記ダンパ支持部(15)として形成されている。
すなわち、図2に示すように、本実施形態のダンパ支持部(15)は、フレーム部材6に窪み部15を設けることによって構成されており、フレーム部材6に窪み部15を設けることによって該フレーム部材6の車両前後方向の該窪み部15に相当する位置P(窪み部相当位置P)は、他の部位と比較して車幅方向外側に幅広となる幅広部6Aを形成している(図2、図3参照)。
これにより、図5に示すように、フレーム部材6の車両前後方向に延びる閉断面6sは、該フレーム部材6の車両前後方向の窪み部相当位置Pにて窪み部15に挿入固定されたダンパDに対して車幅方向内側の閉断面6sa(車幅内側閉断面6sa)と、車幅方向外側の閉断面6sb(車幅外側閉断面6sb)とで二股状に形成される。
このため、図2に示すように、後突時にフレーム部材6の窪み部相当位置Pを通過して車両前方へ伝達される後突荷重のロードパスは、窪み部相当位置Pにおいて車幅内側閉断面6saと車幅外側閉断面6sbとの夫々に対応する2つのロードパスL1,L2が構成されることになる。
また、本実施形態の後部車体構造Vにおいては、上述したように、フレーム部材6にダンパ支持機能を持たせるために、上述したように、該フレーム部材6に窪み部15を設けたものである。
これに伴って、車体後部の両サイドにおいて、フレーム部材6は、従来のように、フレーム部材とダンパ支持部とホイールハウスインナとを車幅方向の内側から外側に別々に配設した構成(例えば、図13参照)と比して全体的に(すなわち、車両前後方向に平行に延びる部分を)、車幅方向内側へオフセットした位置に配設される。
つまり、本実施形態においては、フレーム部材6は、その長手方向(車両前後方向)に沿った軸心6x(図2参照)が上述した従来の構成と比して車幅方向内側に寄せさせた位置に配設されるため、これに起因して、サイドシル2に対する車幅方向内側へのオフセット量も従来の構成と比して大きく設定される。
そして、図2、図3に示すように、本実施形態のフレーム部材6は、その車両前後方向の前部を除く部位が車両前後方向と略平行に延びているのに対して、該フレーム部材6の前部は前方ほど車幅方向外側に位置するよう斜め方向に延びる傾斜部6Fを形成しており、この傾斜部6Fの前端(つまりフレーム部材6の前端)は、サイドシル2の後部に接合されている(同図参照)。
このように、フレーム部材6の前部に傾斜部6Fを形成したうえで前端をサイドシル2に接続することで、上述したように、フレーム部材6に窪み部15を設けることに起因してフレーム部材6がサイドシル2に対して車幅方向内側へオフセットした位置に配設された本実施形態のような構成においても、フレーム部材6の前端をサイドシル2の後部に滑らかに接続することができるため、後突時に該フレーム部材6からサイドシル2へ後突荷重を効率よく伝達することが可能となる。
なお、本実施形態では傾斜部6Fは、フレーム部材6の車両前後方向の窪み部相当位置Pと前側サスペンション部品取付部14との間の位置(換言すると、幅広部6Aの前端相当位置)から該フレーム部材6の前端にかけての部分に相当する。
また、図2、図3に示すように、傾斜部6Fの前部は、サイドシルインナ2aの後部、すなわち、該サイドシルインナ2aの後端からキックアップ部3の後方手前まで車両前後方向のオーバーラップしている。このオーバーラップ部分において、傾斜部6Fの前部は、サイドシルインナ2aの後部に車幅方向内側から接合されている。
さらに、本実施形態のフレーム部材6は、上述したように、ダンパ支持部(15)としての窪み部15を設けることに起因して窪み部相当位置Pに幅広部6Aを設けたが、特に、この幅広部6Aは、車幅方向外側に拡幅して形成したものである(同図参照)。
フレーム部材6は、窪み部相当位置P(幅広部6A)において、幅広部6Aを形成しない場合と比して車幅方向外側(車幅方向におけるサイドシル2の側)へ軸心6x(図2参照)を寄せることができ、結果的に、フレーム部材6に窪み部15を設けることによる弊害を是正することができる。
具体的には、フレーム部材6に窪み部15を設けることにより、該フレーム部材6がサイドシル2に対して車幅方向内側へのオフセット量が大きくなることで、後突時に、フレーム部材6からサイドシル2への後突荷重のスムーズな伝達が阻害され、フレーム部材6の前部とサイドシル2の後部との車両前後方向の重複量(オーバーラップ量)が大きくなるように、すなわち、フレーム部材とサイドシル部材とが平面視でZ字状になるように変形するおそれがあるという弊害を抑制することができる。
上述した幅広部6Aについて詳述すると、幅広部6Aは、フレーム部材6の後側サスペンション部品取付部16よりも後方位置から前側サスペンション部品取付部14の後側直近位置にかけて、窪み部相当位置Pが最も車幅方向外側へ幅広となるようにフレーム部材6の車幅方向外縁辺6oを車幅方向外側へ緩やかに拡幅して形成している(図2参照)。
一方、フレーム部材6の車幅方向内縁辺6iは、車両前後方向における、幅広部6A、すなわち、窪み部相当位置Pを含めて車幅方向内側へ拡幅せずに該フレーム部材6の後端からリヤクロスメンバロア12との接合部にかけて、車両前後方向に沿って略直線状に形成されている(図2参照)。
すなわち、幅広部6Aは、フレーム部材6の車幅方向外縁辺6oのみを車両前後方向の窪み部相当位置Pを中心としてホイールハウスインナ7aに向けて迫り出すように膨出することによって形成している。そして、窪み部15は、底面視で長軸が車両前後方向に一致する楕円形状に形成しており、その軸心65aa(図5参照)は、フレーム部材6の幅広に形成した幅広部6A(窪み部相当位置P)の車幅方向中央部に設けたものである。
これにより、図2に示すように、後突時にフレーム部材6の窪み部相当位置Pを通過するロードパスL1,L2のうち、車幅外側閉断面6sbを通過する後突荷重のロードパスL2は、フレーム部材6の窪み部相当位置Pにおいて車幅方向外側へ窪み部15を迂回するように前方へ伝達する一方で、車幅内側閉断面6saを通過する後突荷重のロードパスL1は、窪み部相当位置Pにおいて車幅方向内側へ窪み部15を迂回することなく該フレーム部材6の長手方向(車両前後方向)に沿って直線状に前方に伝達される。
また、図2、図3、図6に示すように、フレーム部材6の下面部における、窪み部相当位置Pよりも前方部分には、フレーム部材6の長手方向(車両前後方向)に連続して延びる稜線17が形成されている。
図2、図3に示すように、この稜線17は、フレーム部材6の車両前後方向のおける窪み部15の前下端(窪み部15の下方に有する開口部15aの前端)からリヤクロスメンバロア12に相当する位置を越えるまで前方にへ延びている。
より詳しくは、稜線17は、フレーム部材6の車両前後方向における窪み部15の前下端からリヤクロスメンバロア12の車幅方向に沿って延びる軸心12x(図2参照)に相当する位置よりも前方へ延びている。
さらに、図2に示すように、稜線17の前部(幅広部6Aの前端相当位置よりも前側部分)は、フレーム部材6の前部(傾斜部6F)の傾斜形状に応じて前方ほど車幅方向外側へ前側サスペンション部品取付部14の車幅方向外縁に沿って延び、サイドシルインナ2aに達する手前にて前端がフレーム部材6の車幅方向外縁辺6oへ合流している。
図2、図3、図6に示すように、フレーム部材6の下面に稜線17を設けることによって、フレーム部材6の車両前後方向の窪み部相当位置Pの前側部位の車幅方向外側下部コーナー部には、車幅方向内側上方に向けて凹んだ凹部18が形成されている。この凹部18によってフレーム部材6の稜線17に対して車幅方向外側下方には、凹状空間18sを形成することができる。
換言すると、図2、図3に示すように、フレーム部材6の下面に稜線17を設けることによって、フレーム部材6の下部は、稜線17に対して車幅方向内側部分が車幅方向外側部分(凹部18)に対して下方へ突出するように車両前後方向の直交断面が段状に形成されており、車幅方向における稜線17に相当する位置には上下方向に延びる段差面18aが稜線17に沿って形成される。
ここで、図3、図6に示すように、フレーム部材6の下面における、稜線17に対して車幅方向内側部分を下方突出部19とすると、該下方突出部19には、該下方突出部19を横切るように車幅方向に沿って配索したブリーザパイプ5bを挿通するためのパイプ挿通部19aが設けられている。
これにより、燃料タンク5から延出される燃料パイプ5aとブリーザパイプ5bは、共にフレーム部材6を横切るように車幅方向内側から外側へ配索されるが、燃料パイプ5aはフレーム部材6の傾斜部6Fの下方を横切るように配索されるのに対して(図2参照)、ブリーザパイプ5bは、パイプ挿通部19aに挿通した状態でフレーム部材6の下方突出部19を横切るように配索される(図2、図6参照)。
なお、本実施形態では、ブリーザパイプ5bのみをパイプ挿通部19aに挿通した状態でフレーム部材6の下方突出部19を横切るように配索したが、本発明はこの構成に限らず、図示省略するが、フレーム部材6の下方突出部19に、燃料パイプ5aや他のパイプを挿通可能なパイプ挿通部を設けた構成も排除しない。
上述したように、ブリーザパイプ5bは、フレーム部材6の下方突出部19に設けたパイプ挿通部19aに車幅方向内側から挿通して該フレーム部材6の車幅方向外側へ延出されるが、このブリーザパイプ5bの延出部分を、フレーム部材6の車幅方向外側下部に位置する凹状空間18sに配置することができる。
すなわち、凹部18によって形成される凹状空間18sに、ブリーザパイプ5bにおける、フレーム部材6(下方突出部19)に対して車幅方向外側への延出部分を配置することで、該延出部分のレイアウト性(取り回し性)を高めることができる。
よって、ブリーザパイプ5bを、パイプ挿通部19aに挿通することでフレーム部材6(下方突出部19)によって保持しつつ、凹状空間18sによってブリーザパイプ5bにおける、下方突出部19に対して車幅方向外側への延出部分がフレーム部材6に対して車幅方向外側に密接して又は直近に設けられたホイールハウスインナ7aと干渉することなく、該延出部分のレイアウト性(取り回し性)を高めることができる。
また、図2に示すように、フレーム部材6は車両前後方向において複数の構成部材6a,6b,6m,6cを接続して一体に構成されており、特に、フレーム部材6の車両前後方向の窪み部相当位置Pにおいて、フレーム部材アッパ61は中間部材61mによって構成されるとともに、フレーム部材ロア62は中間部材62mによって構成されている。
ここで、図7は、フレーム部材アッパ61の中間部材61mを取り外してフレーム部材6の車両前後方向の窪み部相当位置Pを車幅方向外側上方から視た斜視図である。図8はフレーム部材6の窪み部15の分解図を示す。
図5~図8に示すように、フレーム部材6は、その車両前後方向の窪み部相当位置Pにおいて、フレーム部材アッパ61の中間部材61mに相当するフレームアッパ中間部材61m(図5、図9参照)と、フレーム部材ロア62の中間部材62mに相当するフレームロア中間部材62mと、窪み部15の凹底にてダンパDを取り付ける天板部材65と、車幅方向外側面を構成するアウタパネル66(図3、図5参照)と、で構成されている。
さらに、図5、図7、図8に示すように、フレームロア中間部材62mは、フレームロア車幅内側中間部材63とフレームロア車幅外側中間部材64とから構成される。
フレームロア車幅内側中間部材63は、底面視楕円形状の窪み部15の車幅方向内側半分の側面を構成するように車幅方向内側に迫り出した窪み車幅内側面部63aと、該窪み車幅内側面部63aの前縁から前方へ延出する前側フランジ部63b(図7、図8参照)と、該窪み車幅内側面部63aの後縁から後方へ延出する後側フランジ部63c(同図参照)と、窪み車幅内側面部63aの下端部に対して車幅方向内側かつ車両前後方向に延びて車幅内側閉断面6saの下面(底面)を構成する下面部63dと、該下面部63dの車幅方向内端から縦壁状に立ち上がる車幅内側面部63eと、車幅内側面部63eの上端から車幅方向内側へ延出する接合フランジ部62aとで成形により一体に形成されている。
ここで、図5に示すように、接合フランジ部62aは、上述したようにリヤフロアパネル4の車幅方向外側端部4bに下面側から接合される。
また、図8に示すように、フレームロア車幅内側中間部材63は、下面部63dの車幅方向外端が、窪み車幅内側面部63aの半楕円形状の下端部全体に接合されることに加えて、前側フランジ部63bおよび後側フランジ部63c(厳密には後述する後端相当部分63g(図8参照))の各下端部にも一体に接合されている。
さらにまた、図3、図8に示すように、窪み車幅内側面部63aの上下方向に延びる前縁の下部には、フレーム部材6の窪み部15の前側に有する段差面18a(図3、図6参照)の後端相当部分63gが設けられている。すなわち、図8に示すように、この後端相当部分63gは、前側フランジ部63bの下部に備えたものであり、前側フランジ部63bは、後端相当部分63gを含めて窪み車幅内側面部63aの前部に上下方向に一体に形成されている。一方、後側フランジ部63cについても、窪み車幅内側面部63aの後縁の上下方向の全体に渡って形成されている。
図5、図7、図8に示すように、フレームロア車幅外側中間部材64は、底面視楕円形状の窪み部15の車幅方向外側半分の側面を構成するように車幅方向外側に迫り出した窪み車幅外側面部64aと、該窪み車幅外側面部64aの前縁から前方へ延出する前側フランジ部64b(図7、図8参照)と、該窪み車幅外側面部64aの後縁から後方へ延出する後側フランジ部64c(同図参照)と、窪み車幅外側面部64aの下端部に対して車幅方向外側かつ車両前後方向に延びて車幅外側閉断面6sbの下面(底面)を構成する下面部64dと、該下面部64dの車幅方向外端から縦壁状に立ち上がる接合フランジ部64eとで成形により一体に形成されている。
ここで、窪み部15の前側の車幅方向外側に凹部18を設けることによって図7、図8に示すように、フレームロア車幅外側中間部材64は、車両の後方から前方へ窪み車幅外側面部64aの上下方向長さが徐々に小さくなるように形成している。
さらに、フレームロア車幅内側中間部材63と同様に、フレームロア車幅外側中間部材64は、その下面部64dの車幅方向内端が、窪み車幅外側面部64aの半楕円形状の下端部全体に接合されることに加えて前側フランジ部64bおよび後側フランジ部64cの各下端部にも一体に接合されている。
また、図5に示すように、フレームロア車幅外側中間部材64の接合フランジ部64eは、アウタパネル66の下端部に接合される。
図5、図7、図8に示すように、天板部材65は、平面視楕円形をした平板状のダンパ取付部65aと、ダンパ取付部65aの前後両端を除く周縁から下方へ延出する接合フランジ部65fとで成形により一体形成している。
ダンパ取付部65aは、平面視中央部にダンパDを挿通するダンパ挿通孔65bが貫通形成されており、ダンパ挿通孔65bに対して前後各側には、ボルト挿通孔65c,65dが形成されている(図7、図8参照)。そしてダンパ取付部65aには、ダンパDを下方からダンパ挿通孔65bに挿通させて、該ダンパ側に設けたフランジ状の取付け部Da(図5参照)を該ダンパ取付部65aの下面から当接した状態でボルト挿通孔65c,65dにてボルト締結することでダンパDが取付け固定される。
上述した窪み部15は、フレームロア車幅内側中間部材63とフレームロア車幅外側中間部材64との各前側フランジ部63b,64b同士を接合するとともに、各後側フランジ部63c,64c同士を接合する(図7参照)。さらに、図5に示すように、天板部材65の接合フランジ部65fを、フレームロア車幅内側中間部材63とフレームロア車幅外側中間部材64の各上部63h,64hに窪み部15の内面側から接合することによって形成される。
ここで、図5、図6に示すように、フレームアッパ中間部材61mは、上述したように一体に接合したフレームロア中間部材62mと天板部材65とを上方から覆うように配設されており、特に図5に示すように、平面視でダンパ取付部65aに対応する部位において、該ダンパ取付部65aの上面に接合されている。
さらに、フレームアッパ中間部材61mの平面視でダンパ取付部65aのダンパ挿通孔65b、前後各側のボルト挿通孔65c,65dに対応する部位には、夫々該ダンパ挿通孔65bと連通するダンパ挿通孔61ma(図5、図9参照)、前後各側のボルト挿通孔65c,65dと連通する前後各側のボルト挿通孔61mb,61mdが形成されている(図9参照)。
図5に示すように、アウタパネル66は、その下端部66aが上述したように、フレームロア車幅外側中間部材64の接合フランジ部64eに接合されている。さらに、アウタパネル66は、フレーム部材6の車両前後方向の少なくとも窪み部相当位置Pの車幅方向外側面を構成する本体部分66bからさらに上方に延出する上端フランジ部66cが形成されている(図5参照)。
一方、図5、図6に示すように、フレームアッパ中間部材61mには、その車幅方向外端から縦壁状に立ち上がる車幅方向外側フランジ部61mcが形成されている。
そして、同図に示すように、アウタパネル66の上端フランジ部66cとフレームアッパ中間部材61mの車幅方向外側フランジ部61mcとホイールハウスインナ7aの下端部7bと後述する補強部材30の上方フランジ部37とは、上端フランジ部66cと車幅方向外側フランジ部61mcとをホイールハウスインナ7aの下端部7bと上方フランジ部37とによって挟み込むようにしてリベット(図示省略)等により接合されている。
以上により図5に示すように、車幅内側閉断面6saは主にフレームロア車幅内側中間部材63とフレームアッパ中間部材61mとによって形成される一方で、車幅外側閉断面6sbは主にフレームロア車幅外側中間部材64とフレームアッパ中間部材61mとアウタパネル66とによって形成されている。
また、図3、図5、図6に示すように、アウタパネル66は、フレーム部材6の車両前後方向における、後側サスペンション部品取付部16に相当する位置から窪み部相当位置Pを通過して車両前方へ連続して延びている。
図3に示すように、アウタパネル66は、フレーム部材6の車両前後方向における、窪み部相当位置Pの車幅方向外面のみならず傾斜部6Fに相当する部位の車幅方向外面も形成するように傾斜部6Fの傾斜形状に沿ってサイドシルインナ2aの後端に達するまで延びている。
そして、アウタパネル66の前端はサイドシルインナ2aの後端に接合されている。
具体的には、ホイールハウスインナ7aの下端部7bと、アウタパネル66の前端と、サイドシルインナ2aの後端とは、車幅方向において該前端を下端部7bと該後端とによって挟み込むようにしてリベット等により3重接合されている(図示省略)。
さらに、図3、図6に示すように、アウタパネル66には、車幅方向外側へ突出する稜線67が形成されている。この稜線67は、窪み部相当位置Pからサイドシル2との上記接合部に渡って該アウタパネル66の長手方向(車両前後方向)に連続して延びており、傾斜部6Fの傾斜形状に沿って延びるアウタパネル66の強度を高めている。
さらに、本実施形態においては、図1、図4~図6、図9、図10に示すように、フレーム部材6の車両前後方向の特に窪み部相当位置Pを補強する補強部材30をフレーム部材6の上部に備えている。
補強部材30は、フレーム部材6の車両前後方向の窪み部相当位置Pの前側位置にて前側サイドブレース8とリヤクロスメンバアッパ11とに連結する連結メンバ部31(図1、図4、図9参照)と、連結メンバ部31の後方に位置する補強部材本体部33とでアルミダイカストにより一体に形成されている。
図1、図4、図9に示すように、連結メンバ部31は、フレーム部材6の上方にて該フレーム部材6を横切るように車幅方向に延びており、車幅方向外端が前側サイドブレース8の下端に連結されるとともに、車幅方向内端がリヤクロスメンバアッパ11の車幅方向外端に上方から連結される。これにより、前側サイドブレース8とリヤクロスメンバアッパ11とは、連結メンバ部31を介して連続して延びている(図1、図4参照)。
連結メンバ部31は、ホイールハウスインナ7aの縦壁部72の車幅方向内面とフレーム部材6の上面とのコーナー部に閉断面31s(図10参照)が構成されるように、これらフレーム部材6とホイールハウスインナ7aとに接合されている。
図1、図4、図10に示すように、補強部材本体部33は、フレーム部材6の車両前後方向の少なくとも窪み部相当位置Pを通過する車両前後長さを有しており、図4~図6に示すように、上壁部34と車幅内壁部35と後壁部36(図4参照)等によって一体に形成されている。
図4に示すように、上壁部34は、フレーム部材6の上面に対して一段高い段状に形成されており、図4~図6に示すように、フレーム部材6の幅広部6Aに相当する幅(車幅方向長さ)を有している。さらに、図4、図5、図9に示すように、上壁部34は、平面視でフレーム部材6のダンパ挿通孔61maに対応する部位には、該ダンパ挿通孔61maと上下方向に連通するダンパ挿通孔34aが貫通形成されている。
さらにまた、上壁部34のダンパ挿通孔34aに対して前後両側には、図4、図10、図11(a)に示すように、それぞれ前側ダンパ取付凹部34b、後側ダンパ取付凹部34cが形成されており、共に上壁部34の上面から下方へ凹状に形成されている。そして、前後各側のダンパ取付凹部34b,34cの凹底の中心部には、図4、図9、図11(a)(b)に示すように、ダンパ締結用のボルト挿通孔34d,34eが前後各側のボルト挿通孔61mc,61mbに上下方向に連通するように貫通形成されている。
図4、図6、図10に示すように、上壁部34の車幅方向外端には、該車幅方向外端から上方に延びる上方フランジ部37が一体に形成されている。
なお、図1、図4、図10に示すように、補強部材本体部33の車両前後方向における、後側ダンパ取付凹部34cが形成された位置の車幅方向外側端部には、該車幅方向外側端部から上方フランジ部37よりもさらに上方へ延する上方延出部38が形成されており、上方延出部38の上端は後側サイドブレース9の下端部に接合される(図1、図4参照)。さらに、上方延出部38は、ホイールハウスインナ7aにも接合されており、両者の間には、上下方向に延びる閉断面38sを構成する。
図4~図6、図11(a)(b)に示すように、車幅内壁部35は、上壁部34の車幅方向内端から下方程車幅方向内側へ延びており、その下部には下方程車幅方向内側へさらに延出する側方フランジ部35aが一体に形成されている。
図4、図10、図11(a)(b)に示すように、後壁部36は、上壁部34の後端から下方へ延びており、その下端部には該下端部から後方へ延出する後方フランジ部36aが一体に形成されている。
そして、補強部材本体部33の上方フランジ部37をホイールハウスインナ7aの縦壁部72(図4~図6、図10参照)に、上述したように、上端フランジ部66cと車幅方向外側フランジ部61mcとを介してリベット(図示省略)等により接合されている(図5参照)。さらに、補強部材本体部33の側方フランジ部35aをフレームアッパ中間部材61mの車幅方向内側面部61md(図4~図6参照)に、補強部材本体部33の後方フランジ部36aをフレーム部材6の上面部61me(図4、図10参照)に、夫々リベット接合することにより、補強部材本体部33はフレーム部材6に対して上壁部34が上方に***するように取り付けられている。なお、図4中の●印はリベット部分を示し、×印はスポット溶接部分を示す。
これにより、図5、図6に示すように、補強部材本体部33(特に上壁部34と車幅内壁部35)とフレーム部材6の上面部61meとフレーム部材6の車幅方向外側フランジ部61mcとによって、車両前後方向に延びる閉断面33sを構成している。
同図に示すように、閉断面33sは、フレーム部材6の上方において該フレーム部材6の上面部61meとホイールハウスインナ7aの縦壁部72とのコーナー部のみならず、該フレーム部材6の車幅方向の全体に渡って形成されている。
また図4、図5、図10、図11(a)(b)に示すように、補強部材30には、車幅方向および上下方向に延びる面を有するリブ50~55を備えている。
リブ50~55は、補強部材本体部33の上壁部34に対して上下各側において補強部材本体部33の車両前後方向に間隔を隔てて複数配設されている(図4、図10、図11(a)(b)参照)。
具体的に図10、図11(b)に示すように、補強部材本体部33の上壁部34の下面側から下側に形成された下リブ50,51(51a,51b,51c),52,53(53a,53b,53c)は、車両前方から後方へ順に前端下リブ50、前側下第1リブ51a、前側下第2リブ51b(図11(b)参照)、前側下第3リブ51c、中間下リブ52(図5、図11(b)参照)、後側下第1リブ53a、後側下第2リブ53b(図11(b)参照)、後側下第3リブ53cを備えている。これら下リブ50~53は、いずれも閉断面33sに配設されており、車幅方向内端が補強部材本体部33の車幅内壁部35に接合されている。
図10、図11(b)に示すように、前端下リブ50は、補強部材本体部33の前端(補強部材本体部33と連結メンバ部31部との結合部)において補強部材本体部33の閉断面33s(図10参照)と連結メンバ部31部の閉断面31s(同図参照)とを仕切るように配設されている。
同図に示すように、前側下第1リブ51a、前側下第2リブ51b(図11(b)参照)、前側下第3リブ51cは、夫々上壁部34の車両前後方向の凹状の前側ダンパ取付凹部34bの前縁、ボルト挿通孔34dの中心、後縁に対応する位置に配設されている。
図5、図11(b)に示すように、中間下リブ52は、上壁部34の車両前後方向のダンパ挿通孔34aの中心に対応する位置にて車幅内壁部35とダンパ挿通孔34aの車幅方向内端とを車幅方向に連結するように配設されている。
図10、図11(b)に示すように、後側下第1リブ53a、後側下第2リブ53b(図11(b)参照)、後側下第3リブ53cは、夫々上壁部34の車両前後方向の凹状の後側ダンパ取付凹部34c部の前縁、ボルト挿通孔34eの中心、後縁に対応する位置に配設されている。
一方、図4、図10、図11(a)に示すように、補強部材本体部33の上壁部34の上面から上側に形成された上リブ54(54a,54b),55(55a,55b)は、車両前方から後方へ順に、前側上第1リブ54a、前側上第2リブ54b、後側上第1リブ55a、後側上第2リブ55bが配設されおり、いずれも車幅方向外端が上方フランジ部37に接合されている。
前側上第1リブ54a、前側上第2リブ54bは、夫々上壁部34の車両前後方向の凹状の前側ダンパ取付凹部34bの前縁、後縁に対応する位置に配設されている(同図参照)。
後側上第1リブ55a、後側上第2リブ55bは、夫々上壁部34の車両前後方向の凹状の後側ダンパ取付凹部34cの前縁、後縁に対応する位置に配設されている(同図参照)。
すなわち、図10に示すように、前側上第1リブ54aと前側下第1リブ51a、前側上第2リブ54bと前側下第3リブ51c、後側上第1リブ55aと後側下第1リブ53a、後側上第2リブ55bと後側下第3リブ53cは、共に上壁部34を隔てて上下方向に連続するように延びいている。
上述したように、本実施形態の後部車体構造Vは、車体後部に車両前後方向に延びる閉断面6sが内部に構成されたフレーム部材6を有し(図1、図2参照)、フレーム部材6には、該フレーム部材6の下面の車幅方向中央を上方に窪ませることにより、リヤサスペンションに備えたダンパD(図5参照)を下方から挿入固定する窪み部15が形成されており(図2、図3参照)、フレーム部材6の車両前後方向の窪み部15に相当する窪み部相当位置Pにて、ダンパDに対して車幅方向内外各側に閉断面6sを分岐する分岐状の閉断面6sa,6sbを形成した後部車体構造であって(図5参照)、窪み部相当位置PのダンパDに対して車幅方向の少なくとも一方に、分岐状の閉断面6sa,6sbとは別に車両前後方向に延びる閉断面33s(補強閉断面)を構成する補強部材30を備えたものである(図1、図4、図5、図10参照)。
上記構成によれば、フレーム部材6の車両前後方向における、窪み部相当位置Pは、該窪み部15が形成されることによって、フレーム部材6の内部に有する閉断面6sが車幅方向内外両側に分岐状に構成される(図5参照)。このため、フレーム部材6の窪み部相当位置Pは、窪み部15が形成されていない部位と比較して閉断面6s(断面係数)が小さくなるが、フレーム部材6に補強部材30を備えることにより、これらフレーム部材6と補強部材30との間に車両前後方向に延びる閉断面33sを構成することができる。
従って、フレーム部材6の窪み部相当位置Pを補強部材30によって補強することができ、窪み部相当位置Pの車両前後方向(長手方向)の曲げ剛性(断面係数)を高めることができる。
この発明の態様として、閉断面33sは、フレーム部材6の車両前後方向における、窪み部相当位置Pを車両前後方向に通過するように連続して延びている(図5、図6、図10参照)。
上記構成によれば、閉断面33sによって、フレーム部材6の車両前後方向における、窪み部相当位置Pに対して前後各側の周辺部分を含めて曲げ剛性を高めることができる。
この発明の態様として、窪み部15には、ダンパDの上部を挿通するダンパ挿通孔65bが設けられており、閉断面33sは、窪み部相当位置Pの車幅方向における、上記ダンパ挿通孔65bに対応するダンパ挿通孔34aを除く略全体に渡って設けられたものである(図1、図4、図5参照)。
上記窪み部相当位置Pのダンパ挿通孔34aを除く車幅方向の略全体に渡って閉断面33sを構成できるため、窪み部15を設けることで分岐状の閉断面6sa,6sbが形成されたフレーム部材6の窪み部相当位置Pを効果的に補強することができる。
この発明の態様として、図1、図4、図9に示すように、フレーム部材6に対して車幅方向外側に備えたホイールハウスインナ7aを補強するサイドブレースとしての前側サイドブレース8と、車体後部の両サイドに備えたフレーム部材6を車幅方向に連結するリヤクロスメンバとしてのリヤクロスメンバアッパ11とを備え、補強部材30は、内部に閉断面33s(図5、図6、図10参照)を構成する補強部材本体部33を備えるとともに、車両上下方向に延びる前側サイドブレース8の下端と、車幅方向に延びるリヤクロスメンバアッパ11の車幅外端とを連結する、車幅方向に延びる連結メンバ部31を備え、補強部材本体部33と連結メンバ部31とは結合されたものである。
上記構成によれば、補強部材本体部33を連結メンバ部31に結合することで該補強部材本体部33の強度を高めることができ、結果的にフレーム部材6の長手方向の曲げ剛性をさらに高めることができる。
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
例えば、補強部材30は、フレーム部材6の車両前後方向の窪み部相当位置Pにて、これらフレーム部材6とホイールハウスインナ7aとのコーナー部に閉断面33sを形成するように、ホイールハウスインナ7aとフレーム部材6とに接合した構成であれば特に限定せず、例えば、図12(a)(b)に示すように構成してもよい。
図12(a)(b)は、上述した補強部材30とは異なる本発明の他の実施の補強部材30Aを備えた他の実施形態の後部車体構造VAの要部拡大図であって図12(a)、図12(b)は夫々他の実施形態の後部車体構造VAの図4対応図、図1の要部対応図である。
以下、他の実施の補強部材30Aを中心に他の実施形態の後部車体構造VAについて説明するが、上述した補強部材30と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図12(a)(b)に示すように、ここでの後部車体構造VAは、ホイールハウスインナ7aの後部を補強する後側サイドブレース9(図1参照)を備えずに形成しているため、該後側サイドブレース9に連結する上方延出部38を備えずに構成している。
さらに、上述した補強部材30は、閉断面33sを補強部材本体部33の車両前後方向の全体に渡って形成しているのに対して、補強部材30Aは、閉断面33sを、フレーム部材6の車幅方向全体に形成せずに、車幅方向外側のみ、すなわち、フレーム部材6とホイールハウスインナ7aとのコーナー部側にのみ形成している。
具体的に図12(a)に示すように、補強部材30Aに備えた補強部材本体部33Aを、該補強部材本体部33Aの車両前後方向における、天板部材65のダンパ取付部65a(図10参照)に対応する部位、および該対応する部位よりも前後各側を、それぞれ本体中間部33Ab、本体前側部33Aa、本体後側部33Acに便宜上区分けして夫々について説明する。
図12(a)(b)に示すように、補強部材本体部33Aは、本体前側部33Aaおよび本体後側部33Acにおいて、フレーム部材6の車幅方向全体に渡って形成していないが、該フレーム部材6の車幅方向外端からダンパ挿通孔34aの中心(前後各側のボルト挿通孔34d,34e)よりも車幅方向内側に延びており、閉断面33sがフレーム部材6の上面の車幅方向の内側を除いた部位に至まで形成されている。
一方、図12(a)(b)に示すように、閉断面33sは、本体中間部33Abにおいて、ダンパ挿通孔34aおよび前後各側のボルト挿通孔34d,34eを車幅方向外側へ迂回するように本体前側部33Aaおよび本体後側部33Acよりも幅小にフレーム部材6の車幅方向外側のみに形成している。
そして、補強部材本体部33A(閉断面33s)は、本体前側部33Aa、本体中間部33Ab、および本体後側部33Acに渡って車両前後方向に連続(連通)している。
これにより、他の実施形態の後部車体構造VAは、フレーム部材6のダンパDに対して車幅方向の少なくとも一方(当例では車幅方向外側)に、窪み部相当位置Pを通過するように閉断面6sとは別に車両前後方向に延びる閉断面33sを構成する補強部材30Aを備えたものである。
また、図12(a)(b)に示すように、車幅内壁部35の本体中間部33Abにおける下端部には該下端から車幅方向内側へ延出するフランジ部39が台座状に形成されている。
上述した補強部材本体部33Aの本体中間部33Abにおける車幅方向内端に形成されたフランジ部39は、フレーム部材6の上面に接合されており、平面視で天板部材65のダンパ取付部65aに相当する部位全体に渡ってフレーム部材6(フレームアッパ中間部材61m)の上面に接合されている。
これにより、フランジ部39を、ダンパ取付部65aを補強するダンパ支持補強部として形成している。
なお、このダンパ支持補強部としてのフランジ部39については、ダンパ取付部65aに形成したダンパ挿通孔65bおよびこの前後各側のボルト挿通孔65c,65dの夫々に対応してダンパ挿通孔34a、前後各側のボルト挿通孔34d,34eが形成されている。
また、補強部材本体部33Aにも上壁部34に対して上下各側に複数のリブ56が形成されている(図12(a)(b)参照)。
また、他の実施形態として、図5中の仮想線で示すように、車幅内側閉断面6saには、フレームロア車幅内側中間部材63を補強する車幅内側補強パネル63iを備えてもよく、同様に、車幅外側閉断面6sbには、フレームロア車幅外側中間部材64を補強する車幅外側補強パネル64iを備えてもよい。
ここで本実施形態においては、上述したように、窪み部15を、その側面部に相当するフレームロア中間部材62m(63,64)と、ダンパ支持部(15)に相当する天板部材65とで別部材に形成することで(図5、図7、図8参照)、各部材62m,65を、それぞれに要求されるダンパ支持強度に応じた板厚で形成することができる。具体的に本実施形態においては、フレーム部材6の上部に補強部材30,30Aを備えることで、ダンパ支持部(15)を側面部よりも薄い板厚で形成することができることから、上述したように、車幅内側補強パネル63iおよび車幅外側補強パネル64iを備えても、結果的に窪み部15全体を軽量化することができる。