JP2022152796A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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拓巳 前田
Takumi Maeda
友哉 服部
Yuya Hattori
慎治 小池
Shinji Koike
貴史 小西
Takashi Konishi
敬太 神野
Keita Jinno
詩織 山本
Shiori Yamamoto
杏実 藤原
Ami Fujiwara
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Abstract

【課題】スクロール型圧縮機の圧縮効率を向上させること。【解決手段】オイル戻し孔55は、凹部52の内側に開口する開口55hを有し、開口55hは、旋回スクロール26の公転時に旋回渦巻壁26bによって閉塞されない。これによれば、オイル戻し孔55から圧縮室27へ戻されるオイルが、圧縮室27に向けて効率良く流れる。このため、固定スクロール25と旋回スクロール26との間がオイルによってシールされることで、圧縮室27の密閉性が良好なものとなる。【選択図】図4

Description

本発明は、スクロール型圧縮機に関する。
スクロール型圧縮機は、固定スクロールと、旋回スクロールと、を備えている。固定スクロールは、固定基板、固定渦巻壁、及び固定外周壁を有している。固定渦巻壁は、固定基板から起立している。固定外周壁は、固定基板から起立するとともに固定渦巻壁を囲繞している。旋回スクロールは、旋回基板、及び旋回渦巻壁を有している。旋回基板は、固定基板に対向している。旋回渦巻壁は、旋回基板から起立して固定渦巻壁と噛み合っている。旋回渦巻壁は、固定外周壁の内側で公転する。そして、固定渦巻壁と旋回渦巻壁との噛み合わせによって吸入された冷媒を圧縮する圧縮室が形成されている。
また、スクロール型圧縮機は、例えば特許文献1に開示されているように、圧縮室で圧縮された冷媒から油分離器によって分離されたオイルが貯留される貯油室と、貯油室に貯留されたオイルを絞りを介して圧縮室へ戻すオイル通路と、を備えている。
特開2020-165362号公報
ところで、このようなスクロール型圧縮機においては、固定スクロールと旋回スクロールとの間がオイルによってシールされることで、圧縮室の密閉性が良好なものとなり、結果として、スクロール型圧縮機の圧縮効率が向上する。しかしながら、例えば、オイル通路が旋回渦巻壁に閉塞されて、オイル通路から圧縮室へ戻されるオイルが、圧縮室に向けて効率良く流れないと、固定スクロールと旋回スクロールとの間がオイルによってシールされ難くなり、圧縮室の密閉性が低下してしまう。その結果として、スクロール型圧縮機の圧縮効率が低下してしまう。
上記課題を解決するスクロール型圧縮機は、冷媒を吸入する吸入口及び冷媒を吐出する吐出口を備えるハウジングと、前記ハウジング内に収容され、回転軸心周りで回転可能に前記ハウジングに支承された回転軸と、前記ハウジングに固定された固定スクロール、及び前記回転軸の回転によって公転する旋回スクロールを有する圧縮機構と、を備え、前記固定スクロールは、固定基板、前記固定基板から起立する固定渦巻壁、及び前記固定基板から起立するとともに前記固定渦巻壁を囲繞する固定外周壁を有し、前記旋回スクロールは、前記固定基板に対向する旋回基板、及び前記旋回基板から起立して前記固定外周壁の内側で公転する旋回渦巻壁を有し、前記圧縮機構には、前記固定基板、前記固定渦巻壁、前記旋回基板、及び前記旋回渦巻壁によって区画され、前記固定渦巻壁と前記旋回渦巻壁との噛み合わせによって吸入された冷媒を圧縮する圧縮室が形成され、前記ハウジングには、前記圧縮室で圧縮された冷媒から油分離器によって分離されたオイルが貯留される貯油室が形成され、前記貯油室と前記圧縮室とは、前記貯油室に貯留されたオイルを絞りを介して前記圧縮室へ戻すオイル通路によって接続されているスクロール型圧縮機であって、前記固定渦巻壁における前記固定外周壁側に繋がる巻き終わり部には、前記圧縮室を区画する内周面に凹部が形成されており、前記固定スクロールには、前記オイル通路の一部をなすオイル戻し孔が設けられ、前記オイル戻し孔は、前記凹部の内側に開口する開口を有し、前記開口は、前記旋回スクロールの公転時に前記旋回渦巻壁によって閉塞されない。
これによれば、オイル戻し孔の開口が、旋回スクロールの公転時に旋回渦巻壁によって閉塞されないため、オイル戻し孔から圧縮室へ戻されるオイルが、圧縮室に向けて効率良く流れる。したがって、固定スクロールと旋回スクロールとの間がオイルによってシールされることで、圧縮室の密閉性が良好なものとなる。その結果、スクロール型圧縮機の圧縮効率を向上させることができる。
上記スクロール型圧縮機において、前記オイル戻し孔は、前記固定基板を貫通して前記凹部の内側に開口しているとよい。オイル戻し孔が、固定基板を貫通して凹部の内側に開口している構成は、貯油室と凹部の内側とを繋ぐようにオイル戻し孔を形成する上で好適である。
上記スクロール型圧縮機において、前記凹部における前記固定基板側の面が、前記固定基板における前記固定渦巻壁が起立している面よりも前記固定渦巻壁の先端よりに位置しているとよい。
これによれば、例えば、凹部における固定基板側の面が、固定基板における固定渦巻壁が起立している面と同一面上に位置している場合に比べると、凹部の内側のスペースを小さくすることができる。したがって、例えば、オイル戻し孔から凹部の内側に戻されるオイルの量が少ない場合であっても、凹部の内側にオイルが溜まり易くなる。その結果、凹部の内側に溜まっていたオイルが、圧縮室に向けて効率良く流れるため、固定スクロールと旋回スクロールとの間がオイルによってシールされることで、圧縮室の密閉性がさらに良好なものとなる。したがって、スクロール型圧縮機の圧縮効率をさらに向上させることができる。
上記スクロール型圧縮機において、前記凹部は、重力方向の下方に配置されているとよい。
これによれば、オイルが自重により重力方向の下方へ移動して、凹部の内側に溜まり易くなる。その結果、スクロール型圧縮機が起動したときに、凹部の内側に溜まっていたオイルが、圧縮室に向けて効率良く流れるため、固定スクロールと旋回スクロールとの間がオイルによってシールされることで、圧縮室の密閉性がさらに良好なものとなる。したがって、スクロール型圧縮機の圧縮効率をさらに向上させることができる。
上記スクロール型圧縮機において、前記固定外周壁には吸入ポートが形成され、前記圧縮機構には、前記吸入ポートと連通する吸入室が形成され、前記巻き終わり部は、前記凹部よりも巻き終わり側の第1部分と、前記凹部に対して前記第1部分とは反対側の第2部分と、を有し、前記旋回渦巻壁が前記第1部分と前記第2部分とのうちの前記第1部分と共に前記圧縮室を含む閉空間を形成している場合に前記オイル戻し孔から前記圧縮室にオイルを供給し、前記旋回渦巻壁が前記第1部分と前記第2部分とのうちの前記第2部分と共に前記圧縮室を形成している場合に前記オイル戻し孔から前記吸入室にオイルを供給し、前記旋回渦巻壁が前記第1部分と共に前記閉空間を形成しておらず、且つ前記旋回渦巻壁が前記第2部分と共に前記圧縮室を形成していない場合に、前記吸入室のうち、前記旋回渦巻壁と前記第1部分との間を介して前記凹部と連通する第1室、及び前記旋回渦巻壁と前記第2部分との間を介して前記凹部と連通する第2室それぞれに前記オイル戻し孔からオイルを供給するとよい。
これによれば、オイル戻し孔から圧縮室へ戻されるオイルを、圧縮室に向けて効率良く流しつつも、吸入室へも効率良くオイルを供給することができる。
この発明によれば、スクロール型圧縮機の圧縮効率を向上させることができる。
実施形態におけるスクロール型圧縮機を示す側断面図。 固定スクロール及び旋回スクロールを示す断面図。 凹部の周辺を拡大して示す斜視図。 固定スクロール及び旋回スクロールの一部分を示す断面図。 固定スクロール及び旋回スクロールの一部分を示す断面図。 固定スクロール及び旋回スクロールの一部分を示す断面図。 別の実施形態におけるオイル戻し孔の周辺を拡大して示す平面図。 別の実施形態における凹部の周辺を拡大して示す斜視図。
以下、スクロール型圧縮機を具体化した一実施形態を図1~図6にしたがって説明する。本実施形態のスクロール型圧縮機は、例えば、車両空調装置に用いられる。
(スクロール型圧縮機10の全体構成)
図1に示すように、スクロール型圧縮機10は、筒状のハウジング11を備えている。ハウジング11は、モータハウジング12と、軸支ハウジング13と、吐出ハウジング14と、を有している。モータハウジング12、軸支ハウジング13、及び吐出ハウジング14は金属材料製であり、例えば、アルミニウム製である。また、スクロール型圧縮機10は、回転軸15を備えている。回転軸15は、ハウジング11内に収容されている。回転軸15は、回転軸心周りで回転可能にハウジング11に支承されている。
モータハウジング12は、板状の端壁12aと、端壁12aの外周部から筒状に延びる周壁12bと、を有している。周壁12bの軸線方向は、回転軸15の軸線方向に一致している。周壁12bの開口端には、雌ねじ孔12cが形成されている。また、モータハウジング12は、冷媒ガスを吸入する吸入口12hを備えている。吸入口12hは、周壁12bにおける端壁12a側に位置する部分に形成されている。吸入口12hは、モータハウジング12内外を連通している。
端壁12aの内面には、円筒状のボス部12dが突設されている。回転軸15の軸線方向の一方の端部である第1端部は、ボス部12d内に挿入されている。ボス部12dの内周面と回転軸15の第1端部の外周面との間には、転がり軸受16が設けられている。そして、回転軸15の第1端部は、転がり軸受16を介してモータハウジング12に回転可能に支持されている。
軸支ハウジング13は、板状の端壁17と、端壁17の外周部から筒状に延びる周壁18と、を有している。周壁18の軸線方向は、回転軸15の軸線方向に一致している。また、軸支ハウジング13は、周壁18の外周面における端壁17とは反対側の端部から回転軸15の径方向外側に向けて延びる円環状のフランジ壁19を有している。フランジ壁19の外周部は、モータハウジング12の周壁12bの開口端に接触している。フランジ壁19の外周部には、ボルト挿通孔19aが形成されている。ボルト挿通孔19aは、フランジ壁19を厚み方向に貫通している。フランジ壁19のボルト挿通孔19aは、モータハウジング12の雌ねじ孔12cに連通している。モータハウジング12及び軸支ハウジング13は、ハウジング11内に形成されるモータ室20を区画している。モータ室20内には、吸入口12hからの冷媒ガスが吸入される。
端壁17の中央部には、円孔状の挿通孔17aが形成されている。挿通孔17aは、端壁17を厚み方向に貫通している。挿通孔17aには、回転軸15が挿通されている。回転軸15の軸線方向の他方の端部である第2端部側に位置する端面15eは、周壁18の内側に位置している。周壁18の内周面と回転軸15の外周面との間には、転がり軸受21が設けられている。そして、回転軸15は、転がり軸受21を介して軸支ハウジング13に回転可能に支持されている。したがって、回転軸15は、ハウジング11に回転可能に支持されている。
モータ室20内には、電動モータ22が収容されている。電動モータ22は、筒状のステータ23と、ステータ23の内側に配置されるロータ24とから構成されている。ロータ24は、回転軸15と一体的に回転する。ステータ23は、ロータ24を取り囲んでいる。ロータ24は、回転軸15に止着されたロータコア24aと、ロータコア24aに設けられた図示しない複数の永久磁石と、を有している。ステータ23は、モータハウジング12の周壁12bの内周面に固定された筒状のステータコア23aと、ステータコア23aに巻回されたコイル23bと、を有している。そして、図示しない駆動回路によって制御された電力がコイル23bに供給されることによりロータ24が回転し、回転軸15がロータ24と一体的に回転する。
吐出ハウジング14は、板状の端壁14aと、端壁14aの外周部から筒状に延びる周壁14bと、を有している。周壁14bの軸線方向は、回転軸15の軸線方向に一致している。周壁14bの開口端は、フランジ壁19の外周部に接触している。周壁14bには、フランジ壁19のボルト挿通孔19aに連通するボルト挿通孔14cが形成されている。
そして、フランジ壁19の外周部がモータハウジング12の周壁12bの開口端に接触し、吐出ハウジング14の周壁14bの開口端がフランジ壁19の外周部に接触する。この状態で、各ボルト挿通孔14c,19aを通過するボルトB1が、モータハウジング12の雌ねじ孔12cにねじ込まれる。これにより、軸支ハウジング13がモータハウジング12の周壁12bに連結されるとともに、吐出ハウジング14が軸支ハウジング13のフランジ壁19に連結されている。したがって、モータハウジング12、軸支ハウジング13、及び吐出ハウジング14は、この順序で、回転軸15の軸線方向に並んで配置されている。
(固定スクロール25及び旋回スクロール26について)
スクロール型圧縮機10は、圧縮機構C1を備えている。圧縮機構C1は、固定スクロール25、及び旋回スクロール26を有している。固定スクロール25は、ハウジング11に固定されている。旋回スクロール26は、回転軸15の回転によって公転する。固定スクロール25及び旋回スクロール26は、吐出ハウジング14の周壁14bの内側に配置されている。固定スクロール25は、回転軸15の軸線方向において、旋回スクロール26よりも吐出ハウジング14の端壁14a側に位置している。
図1及び図2に示すように、固定スクロール25は、固定基板25a、固定渦巻壁25b、及び固定外周壁25cを有している。固定基板25aは、円板状である。固定基板25aの中央には、吐出ポート25hが形成されている。吐出ポート25hは、円孔状である。吐出ポート25hは、固定基板25aを厚み方向に貫通している。固定渦巻壁25bは、固定基板25aから端壁14aとは反対側に向けて起立している。固定外周壁25cは、固定基板25aの外周部から円筒状に起立している。固定外周壁25cは、固定渦巻壁25bを囲繞している。固定外周壁25cの開口端面は、固定渦巻壁25bの先端面よりも固定基板25aとは反対側に位置している。
図1に示すように、旋回スクロール26は、旋回基板26a、及び旋回渦巻壁26bを有している。旋回基板26aは、円板状である。旋回基板26aは、固定基板25aに対向している。旋回渦巻壁26bは、旋回基板26aから固定基板25aに向けて起立している。旋回渦巻壁26bは、固定渦巻壁25bと噛み合っている。旋回渦巻壁26bは、固定外周壁25cの内側に位置している。旋回渦巻壁26bは、固定外周壁25cの内側で公転する。固定渦巻壁25bの先端面は旋回基板26aに接触しているとともに、旋回渦巻壁26bの先端面は固定基板25aに接触している。そして、固定基板25a、固定渦巻壁25b、旋回基板26a、及び旋回渦巻壁26bによって、冷媒ガスを圧縮する圧縮室27が区画されている。したがって、圧縮機構C1には、固定渦巻壁25bと旋回渦巻壁26bとの噛み合わせによって吸入された冷媒ガスを圧縮する圧縮室27が形成されている。
旋回基板26aは、円筒状のボス部26cを有している。ボス部26cは、旋回基板26aにおける固定基板25aとは反対側の端面26eから突出している。ボス部26cの軸線方向は、回転軸15の軸線方向に一致している。また、旋回基板26aは、溝部26dを複数有している。複数の溝部26dは、旋回基板26aの端面26eにおけるボス部26cの周囲にそれぞれ形成されている。複数の溝部26dは、回転軸15の周方向に所定の間隔をあけて配置されている。各溝部26d内には、円環状のリング部材28が嵌着されている。各リング部材28内には、ピン29が挿入されている。各ピン29は、軸支ハウジング13における吐出ハウジング14側の端面13eに突設されている。
スクロール型圧縮機10は、弁機構25vを備えている。弁機構25vは、固定基板25aにおける旋回スクロール26とは反対側の面に取り付けられている。弁機構25vは、吐出ポート25hを開閉可能に構成されている。
スクロール型圧縮機10は、弾性プレート30を備えている。弾性プレート30は、環状である。弾性プレート30は、軸支ハウジング13の端面13eと固定外周壁25cの開口端面との間に挟持されている。そして、弾性プレート30は、旋回スクロール26を固定スクロール25に向けて常に押圧している。
固定外周壁25cの開口端面には、位置決め凹部25dが複数形成されている。軸支ハウジング13の端面13eには、各位置決め凹部25d内に挿入される位置決めピン13fが突設されている。各位置決めピン13fは、弾性プレート30を貫通して各位置決め凹部25d内に挿入される。固定スクロール25は、各位置決めピン13fが各位置決め凹部25d内に挿入されることで、吐出ハウジング14の周壁14bの内側での回転軸15の軸線L1を回転中心とした回転が規制された状態で、軸支ハウジング13に対して位置決めされている。固定スクロール25は、軸支ハウジング13の端面13eと吐出ハウジング14の端壁14aとによって挟み込まれている。したがって、吐出ハウジング14の周壁14bの内側に配置されている。
回転軸15の端面15eには、回転軸15の軸線L1に対して偏心した位置から旋回スクロール26に向けて突出する偏心軸31が一体形成されている。偏心軸31の軸線方向は、回転軸15の軸線方向に一致している。偏心軸31は、ボス部26c内に挿入されている。偏心軸31の外周面には、バランスウェイト32が一体化されたブッシュ33が嵌合されている。バランスウェイト32は、ブッシュ33に一体形成されている。バランスウェイト32は、軸支ハウジング13の周壁18内に収容されている。旋回スクロール26は、ブッシュ33及び転がり軸受34を介して偏心軸31と相対回転可能に偏心軸31に支持されている。
回転軸15の回転は、偏心軸31、ブッシュ33、及び転がり軸受34を介して旋回スクロール26に伝達され、旋回スクロール26は自転する。そして、各ピン29と各リング部材28の内周面とが接触することにより、旋回スクロール26の自転が阻止されて、旋回スクロール26の公転運動のみが許容される。これにより、旋回スクロール26は、旋回渦巻壁26bが固定渦巻壁25bに接触しながら公転運動し、圧縮室27の容積が減少することにより冷媒ガスが圧縮される。旋回スクロール26は、回転軸15の回転に伴い、固定外周壁25cの内側で公転する。バランスウェイト32は、旋回スクロール26が公転運動する際に旋回スクロール26に作用する遠心力を相殺して、旋回スクロール26のアンバランス量を低減する。
モータハウジング12の周壁12bの内周面の一部には、第1溝35が複数形成されている。各第1溝35は、周壁12bの開口端に開口している。また、軸支ハウジング13のフランジ壁19の外周部には、各第1溝35にそれぞれ連通する第1孔36が形成されている。各第1孔36は、フランジ壁19を厚み方向に貫通する。さらに、吐出ハウジング14の周壁14bの内周面の一部には、各第1孔36にそれぞれ連通する第2溝37が形成されている。なお、図1では、図示の都合上、第1溝35、第1孔36、及び第2溝37をそれぞれ1つずつ図示している。
図1及び図2に示すように、固定スクロール25の固定外周壁25cには、各第2溝37にそれぞれ連通する吸入ポート50が形成されている。本実施形態のスクロール型圧縮機10は、吸入ポート50を一対備えている。一対の吸入ポート50は、吐出ポート25hを挟んで位置している。各吸入ポート50は、固定外周壁25cを厚み方向に貫通している。
一対の吸入ポート50の一方は、吐出ポート25hに対して重力方向の上方に位置している。なお、図2では、重力方向を矢印Z1で示している。一対の吸入ポート50の他方は、吐出ポート25hに対して重力方向の下方に位置している。一対の吸入ポート50は、固定外周壁25cの径方向で互いに対向する位置にそれぞれ配置されている。なお、固定外周壁25cの径方向は、回転軸15の径方向に一致している。
図2に示すように、圧縮機構C1には、一対の吸入ポート50とそれぞれ連通する吸入室51が形成されている。吸入室51は、固定外周壁25cの内側に形成されている。吸入室51は、固定外周壁25cの内側の空間のうち、旋回スクロール26の公転に伴って、一対の吸入ポート50に連通している空間である。
図1に示すように、モータ室20内の冷媒ガスは、各第1溝35、各第1孔36、各第2溝37、及び各吸入ポート50を通過して、吸入室51に吸入される。吸入室51に吸入された冷媒ガスは、旋回スクロール26の公転運動により圧縮室27内で圧縮される。
(吐出室41及び貯留室42について)
スクロール型圧縮機10は、吐出室41を備えている。吐出室41は、ハウジング11内に区画されている。吐出室41は、吐出ハウジング14と固定スクロール25とによって区画されている。吐出室41は、吐出ポート25hと連通している。そして、吐出室41には、圧縮室27で圧縮された冷媒ガスが吐出ポート25hを介して吐出される。
吐出ハウジング14と固定スクロール25との間には、環状のガスケット39が介在されている。ガスケット39は、金属製の薄板状である。ガスケット39の外周部は、固定基板25aの外周部に沿って延びている。そして、吐出ハウジング14と固定スクロール25との間は、ガスケット39によってシールされている。
吐出ハウジング14は、冷媒ガスを吐出する吐出口14hを備えている。吐出口14hは、吐出ハウジング14の端壁14aに形成されている。吐出ハウジング14内には、油分離室43が形成されている。油分離室43は、吐出ハウジング14の端壁14aの一部である細長筒状の外筒44内に形成されている。外筒44の軸線方向の一方の端部である第1端部は、吐出口14hに連通している。吐出口14hと吸入口12hとは外部冷媒回路49を介して接続されている。外部冷媒回路49は、凝縮器49a、膨張弁49b、及び蒸発器49cを有している。スクロール型圧縮機10及び外部冷媒回路49は、車両空調装置を構成している。
スクロール型圧縮機10は、油分離器45を備えている。油分離器45は、圧縮室27で圧縮された冷媒ガスからオイルを分離する。油分離器45は、筒状である。油分離器45は、油分離器45の軸線方向が外筒44の軸線方向と一致した状態で外筒44の内周面に嵌め込まれることにより、外筒44内に取り付けられている。
吐出ハウジング14は、吐出室41と油分離室43と連通する導入孔47を有している。導入孔47は、吐出室41に吐出された後の冷媒ガスを油分離室43に導入する。また、スクロール型圧縮機10は、貯油室42を備えている。貯油室42は、吐出ハウジング14の下部に形成されている。貯油室42には、油分離器45によって冷媒ガスから分離されたオイルが貯留される。したがって、貯油室42には、圧縮室27で圧縮された冷媒ガスから油分離器45によって分離されたオイルが貯留される。
(巻き終わり部25eについて)
図2に示すように、固定渦巻壁25bは、巻き始め部25sと、巻き終わり部25eと、を有している。巻き始め部25sは、固定渦巻壁25bにおける渦巻の中心側に位置する端部である。巻き終わり部25eは、固定渦巻壁25bにおける渦巻の外周側に位置する端部である。したがって、固定渦巻壁25bは、巻き始め部25sから巻き終わり部25eに向かって渦巻状に延びている。固定渦巻壁25bは、インボリュート曲線に基づいて形成されている。
図2及び図3に示すように、固定渦巻壁25bの巻き終わり部25eは、固定外周壁25cに連続している。したがって、巻き終わり部25eは、固定渦巻壁25bにおける固定外周壁25c側の端部である。巻き終わり部25eは、固定渦巻壁25bにおける固定外周壁25c側に繋がる部位である。巻き終わり部25eの内側面251eは、固定外周壁25cの内周面に連続している。巻き終わり部25eは、固定外周壁25cにおける重力方向の下方に位置する部位に連続している。したがって、巻き終わり部25eは、重力方向の下方に位置している。巻き終わり部25eは、一対の吸入ポート50のうち、吐出ポート25hに対して重力方向の下方に位置する吸入ポート50に対して、固定外周壁25cの周方向で隣り合っている。
(凹部52について)
巻き終わり部25eの内側面251eには、凹部52が形成されている。巻き終わり部25eの内側面251eは、圧縮室27を区画する内周面である。凹部52は、重力方向の下方に配置されている。凹部52の内側面52aは、巻き終わり部25eの内側面251eに連続している。凹部52の内側面52aは、半円弧形状である。凹部52における固定基板25a側の面である底面52bは、固定基板25aにおける固定渦巻壁25bが起立している面と同一面上に位置している。凹部52の内側面52aは、底面52bから起立している。
(オイル戻し孔55について)
図1に示すように、スクロール型圧縮機10は、オイル通路53を備えている。オイル通路53は、貯油室42に貯留されたオイルを固定外周壁25cの内側へ戻す。オイル通路53は、ガスケット39の外周部に形成されるとともに貯油室42に連通する連通部54と、固定スクロール25に設けられるとともに連通部54に連通するオイル戻し孔55と、を有している。オイル戻し孔55には、絞り55aが設けられている。絞り55aは、オイル戻し孔55の内側に配置される絞り部材である。貯油室42と圧縮室27とは、貯油室42に貯留されたオイルを絞り55aを介して圧縮室27へ戻すオイル通路53によって接続されている。オイル戻し孔55は、貯油室42に貯留されたオイルを固定外周壁25cの内側へ戻す。オイル戻し孔55は、オイル通路53の一部をなす。オイル戻し孔55の第1端はガスケット39の連通部54に連通している。
図3及び図4に示すように、オイル戻し孔55の第2端は、凹部52の内側に開口している。したがって、オイル戻し孔55は、凹部52の内側に開口する開口55hを有している。具体的には、オイル戻し孔55は、固定基板25aを貫通して凹部52の内側に開口している。オイル戻し孔55は、凹部52の底面52bに開口している。オイル戻し孔55は、円孔状である。オイル戻し孔55の開口55hは、旋回スクロール26の公転時に旋回渦巻壁26bによって閉塞されない。
(閉空間56について)
図4に示すように、巻き終わり部25eは、凹部52よりも巻き終わり側の第1部分25Aと、凹部52に対して第1部分とは反対側の第2部分25Bと、を有している。巻き終わり部25eの第1部分25Aは、旋回スクロール26の公転運動に伴い旋回渦巻壁26bが接近して圧縮室27を含む閉空間56を区画形成する閉じ込み点P1を有している。閉じ込み点P1は、巻き終わり部25eの第1部分25Aにおける凹部52とは反対側の端部である。巻き終わり部25eの第1部分25Aにおける凹部52とは反対側の端部は、巻き終わり部25eの先端部である。巻き終わり部25eの先端部は、巻き終わり部25eにおける凹部52よりも固定外周壁25cとの接続箇所に近い部位である。したがって、閉じ込み点P1は、巻き終わり部25eにおける凹部52よりも固定外周壁25cとの接続箇所に近い部位である。凹部52の内側は、固定外周壁25cの内側において旋回スクロール26の公転運動に伴い閉空間56となる領域の一部である。したがって、オイル戻し孔55は、固定外周壁25cの内側において旋回スクロール26の公転運動に伴い閉空間56となる領域に開口している。
旋回渦巻壁26bが、巻き終わり部25eの内側面251eにおける凹部52よりも巻き終わり部25eの先端部側に位置する壁面に沿って移動している状態では、旋回スクロール26の公転運動に伴い閉空間56が区画形成された状態となる。ここで、凹部52の内側面52aにおけるオイル戻し孔55よりも巻き終わり部25eの先端部寄りに位置する部位を第1壁面521aとする。また、巻き終わり部25eの内側面251eにおける第1部分25Aに位置する壁面を第2壁面252eとする。このとき、第1壁面521a及び第2壁面252eは、巻き終わり部25eにおける閉じ込み点P1を含んで圧縮室27に向けて延びる壁面である。巻き終わり部25eにおける閉じ込み点P1を含んで圧縮室27に向けて延びる壁面は、旋回渦巻壁26bと共に閉空間56を区画形成したタイミングで、オイル戻し孔55から閉空間56に戻されたオイルを圧縮室27に向けて案内する案内壁57となる。オイル戻し孔55から閉空間56に戻されたオイルは、閉空間56から旋回渦巻壁26bと第1部分25Aの第2壁面252eとの間の隙間58を介して吸入室51へ流れることが規制されている。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
圧縮室27内で圧縮されて吐出ポート25hを介して吐出室41内に吐出された冷媒ガスは、導入孔47を介して油分離室43内に導入される。油分離室43内に導入された冷媒ガスは、油分離器45の周囲を旋回する。これにより、冷媒ガスに含まれているオイルに遠心力が付与され、油分離室43内でオイルが冷媒ガスから分離される。オイルが分離された冷媒ガスは、油分離器45の下部開口から油分離器45内に流入するとともに油分離器45内を通過して、外筒44及び吐出口14hを介して外部冷媒回路49に流出する。
外部冷媒回路49へ流出した冷媒ガスは、外部冷媒回路49の凝縮器49a、膨張弁49b、及び蒸発器49cを通過する。凝縮器49aや蒸発器49cを通過する冷媒ガスは、油分離室43によってオイルが分離された後の冷媒ガスであるため、凝縮器49aや蒸発器49cにオイルが付着してしまうことが抑制されている。したがって、凝縮器49aや蒸発器49cの熱交換効率が低下してしまうことが抑制されている。そして、冷媒ガスは、凝縮器49a、膨張弁49b、及び蒸発器49cを通過して、吸入口12hを介してモータ室20内に還流する。
油分離室43内で冷媒ガスから分離されたオイルは、貯油室42に貯留される。貯油室42に貯留されたオイルは、オイル通路53に流入し、オイル通路53の絞り55aによって絞られ、オイル戻し孔55から固定外周壁25cの内側に戻される。
図4に示すように、巻き終わり部25eの案内壁57が、旋回渦巻壁26bと共に閉空間56を区画形成したタイミングでは、圧縮室27の圧力が圧縮開始段階で低いため、オイル戻し孔55から閉空間56に戻されたオイルを圧縮室27に向けて案内する。したがって、オイル戻し孔55から閉空間56に戻されたオイルが、圧縮室27に向けて効率良く流れるため、固定スクロール25と旋回スクロール26との間がオイルによってシールされることで、圧縮室27の密閉性が良好なものとなる。よって、スクロール型圧縮機10においては、旋回渦巻壁26bが第1部分25Aと第2部分25Bとのうちの第1部分25Aと共に圧縮室27を含む閉空間56を形成している場合にオイル戻し孔55から圧縮室27にオイルを供給する。
図5に示すように、旋回スクロール26の公転運動に伴い旋回渦巻壁26bが、巻き終わり部25eの第2壁面252eに沿って移動する。そして、旋回スクロール26の公転運動に伴い旋回渦巻壁26bが、巻き終わり部25eの第2壁面252e上を通過すると、旋回渦巻壁26bが、巻き終わり部25eの第2壁面252eから離間する。これにより、圧縮室27を含む閉空間56が区画形成された状態が解除され、凹部52の内側の圧力が吸入室51の圧力と同等になる。このとき、巻き終わり部25eの第2壁面252e上を通過していた旋回渦巻壁26bの部分が、図5において一点鎖線で示すインボリュート曲線L10上を通過する。旋回渦巻壁26bは、図5において点P2で示すように、インボリュート曲線L10に対して点接触するように、インボリュート曲線L10上を通過する。
このとき、旋回渦巻壁26bが第1部分25Aと共に閉空間56を形成しておらず、且つ旋回渦巻壁26bが第2部分25Bと共に圧縮室27を形成していない。この場合、吸入室51のうち、旋回渦巻壁26bと第1部分25Aとの間を介して凹部52と連通する第1室511、及び旋回渦巻壁26bと第2部分25Bとの間を介して凹部52と連通する第2室512それぞれにオイル戻し孔55からオイルが供給される。そして、第1室511に供給されたオイルが、例えば、旋回スクロール26と弾性プレート30との間に供給され、旋回スクロール26と弾性プレート30との間の潤滑が良好なものとなる。また、第2室512に供給されたオイルが、その後に区画形成される圧縮室27に供給される。したがって、スクロール型圧縮機10においては、閉空間56を形成しておらず、且つ圧縮室27を形成していない場合に、吸入室51のうち、第1室511、及び第2室512それぞれにオイル戻し孔55からオイルを供給する。
図6に示すように、続いて、旋回スクロール26の公転運動に伴い旋回渦巻壁26bが、巻き終わり部25eの内側面251eにおける第2部分25Bの壁面に接近すると、圧縮室27が区画形成される。これにより、圧縮室27での冷媒ガスの圧縮行程が開始される。したがって、巻き終わり部25eの内側面251eにおける第2部分25Bでの凹部52との境界部分は、圧縮室27での冷媒ガスの圧縮行程が開始される圧縮開始点P3である。そして、旋回スクロール26の公転運動に伴い、圧縮室27の容積が減少することにより冷媒ガスが圧縮される。スクロール型圧縮機10においては、旋回渦巻壁26bが第1部分25Aと第2部分25Bとのうちの第2部分25Bと共に圧縮室27を形成している場合にオイル戻し孔55から吸入室51にオイルを供給する。そして、吸入室51に供給されたオイルが、例えば、旋回スクロール26と弾性プレート30との間に供給され、旋回スクロール26と弾性プレート30との間の潤滑が良好なものとなる。
(効果)
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)オイル戻し孔55は、凹部52の内側に開口する開口55hを有し、開口55hは、旋回スクロール26の公転時に旋回渦巻壁26bによって閉塞されない。これによれば、オイル戻し孔55から圧縮室27へ戻されるオイルが、圧縮室27に向けて効率良く流れる。したがって、固定スクロール25と旋回スクロール26との間がオイルによってシールされることで、圧縮室27の密閉性が良好なものとなる。その結果、スクロール型圧縮機10の圧縮効率を向上させることができる。
(2)オイル戻し孔55が、固定基板25aを貫通して凹部52の内側に開口している構成は、貯油室42と凹部52の内側とを繋ぐようにオイル戻し孔55を形成する上で好適である。
(3)凹部52は、重力方向の下方に配置されている。例えば、巻き終わり部25eにおける閉じ込み点P1を含んで圧縮室27に向けて延びる壁面が、旋回渦巻壁26bと共に閉空間56を区画形成したタイミングで、スクロール型圧縮機10の運転が停止したときを考える。このとき、閉空間56に存在するオイルが自重により重力方向の下方へ移動して、凹部52の内側に溜まり易くなる。その結果、スクロール型圧縮機10が起動したときに、凹部52の内側に溜まっていたオイルが、圧縮室27に向けて効率良く流れる。このため、固定スクロール25と旋回スクロール26との間がオイルによってシールされることで、圧縮室27の密閉性がさらに良好なものとなる。したがって、スクロール型圧縮機10の圧縮効率をさらに向上させることができる。
(4)旋回渦巻壁26bが第1部分25Aと第2部分25Bとのうちの第1部分25Aと共に圧縮室27を含む閉空間56を形成している場合にオイル戻し孔55から圧縮室27にオイルを供給する。旋回渦巻壁26bが第1部分25Aと第2部分25Bとのうちの第2部分25Bと共に圧縮室27を形成している場合にオイル戻し孔55から吸入室51にオイルを供給する。旋回渦巻壁26bが第1部分25Aと共に閉空間56を形成しておらず、且つ旋回渦巻壁26bが第2部分25Bと共に圧縮室27を形成していない場合に、吸入室51のうち、第1室511、及び第2室512それぞれにオイル戻し孔55からオイルを供給する。これによれば、オイル戻し孔55から圧縮室27へ戻されるオイルを、圧縮室27に向けて効率良く流しつつも、吸入室51へも効率良くオイルを供給することができる。
(5)凹部52における固定基板25a側の面である底面52bは、固定基板25aにおける固定渦巻壁25bが起立している面と同一面上に位置している。これによれば、例えば、凹部52における固定基板25a側の面である底面52bが、固定基板25aにおける固定渦巻壁25bが起立している面よりも固定渦巻壁25bの先端よりに位置している場合に比べて、凹部52の内側のスペースを大きくできる。その結果、例えば、オイル戻し孔55から凹部52の内側に戻されるオイルの量が過多であったとしても、凹部52の内側にオイルを溜め易くすることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 図7に示すように、オイル戻し孔55が、巻き終わり部25eを貫通するように形成されていてもよい。この場合、オイル戻し孔55の一部は、巻き終わり部25eの内側面251eの一部に開口している。
○ 図8に示すように、凹部52における固定基板25a側の面である底面52bが、固定基板25aにおける固定渦巻壁25bが起立している面よりも固定渦巻壁25bの先端よりに位置していてもよい。これによれば、例えば、凹部52の底面52bが、固定基板25aにおける固定渦巻壁25bが起立している面と同一面上に位置している場合に比べると、凹部52の内側のスペースを小さくすることができる。したがって、例えば、オイル戻し孔55から凹部52の内側に戻されるオイルの量が少ない場合であっても、凹部52の内側にオイルが溜まり易くなる。その結果、凹部52の内側に溜まっていたオイルが、圧縮室27に向けて効率良く流れるため、固定スクロール25と旋回スクロール26との間がオイルによってシールされることで、圧縮室27の密閉性がさらに良好なものとなる。したがって、スクロール型圧縮機10の圧縮効率をさらに向上させることができる。
○ 実施形態において、オイル戻し孔55が、固定外周壁25cを貫通して凹部52の内側に開口していてもよい。
○ 実施形態において、凹部52が、重力方向の下方に配置されていなくてもよく、例えば、凹部52が、重力方向の上方に配置されていてもよい。
○ 実施形態において、凹部52が、巻き終わり部25eの先端に連続するように巻き終わり部25eの内側面251eに形成されていてもよい。この場合、凹部52における巻き終わり部25eの先端側に位置する縁部が、旋回スクロール26の公転運動に伴い旋回渦巻壁26bが接近して圧縮室27を含む閉空間56を区画形成する閉じ込み点P1となる。また、凹部52の内側面52aにおけるオイル戻し孔55よりも巻き終わり部25eの先端部寄りに位置する部位である第1壁面521aは、巻き終わり部25eにおける閉じ込み点P1を含んで圧縮室27に向けて延びる壁面である。そして、第1壁面521aが、旋回渦巻壁26bと共に閉空間56を区画形成したタイミングで、オイル戻し孔55から閉空間56に戻されたオイルを圧縮室27に向けて案内する案内壁57となる。
○ 実施形態において、凹部52の内側面52aは、例えば、三角溝形状であってもよく、凹部52の形状は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、オイル戻し孔55は、例えば、四角孔状であってもよく、オイル戻し孔55の形状は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、スクロール型圧縮機10は、固定スクロール25の固定外周壁25cに、一対の吸入ポート50に加えて、吸入ポートがさらに形成されている構成であってもよい。
○ 実施形態において、固定スクロール25の固定外周壁25cに形成される吸入ポート50は1つであってもよい。
○ 実施形態において、絞り55aが、オイル戻し孔55の内側に配置される絞り部材でなくてもよい。要は、オイル通路53の一部に絞りが設けられていればよく、絞りの具体的な構成は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、スクロール型圧縮機10は、電動モータ22によって駆動されるタイプでなくてもよく、例えば、車両のエンジンによって駆動されるタイプであってもよい。
10…スクロール型圧縮機、11…ハウジング、12h…吸入口、14h…吐出口、15…回転軸、25…固定スクロール、25a…固定基板、25A…第1部分、25b…固定渦巻壁、25B…第2部分、25c…固定外周壁、25e…巻き終わり部、26…旋回スクロール、26a…旋回基板、26b…旋回渦巻壁、27…圧縮室、42…貯油室、45…油分離器、50…吸入ポート、51…吸入室、52…凹部、53…オイル通路、55…オイル戻し孔、55a…絞り、55h…開口、56…閉空間、511…第1室、512…第2室、C1…圧縮機構。

Claims (5)

  1. 冷媒を吸入する吸入口及び冷媒を吐出する吐出口を備えるハウジングと、
    前記ハウジング内に収容され、回転軸心周りで回転可能に前記ハウジングに支承された回転軸と、
    前記ハウジングに固定された固定スクロール、及び前記回転軸の回転によって公転する旋回スクロールを有する圧縮機構と、を備え、
    前記固定スクロールは、固定基板、前記固定基板から起立する固定渦巻壁、及び前記固定基板から起立するとともに前記固定渦巻壁を囲繞する固定外周壁を有し、
    前記旋回スクロールは、前記固定基板に対向する旋回基板、及び前記旋回基板から起立して前記固定外周壁の内側で公転する旋回渦巻壁を有し、
    前記圧縮機構には、前記固定基板、前記固定渦巻壁、前記旋回基板、及び前記旋回渦巻壁によって区画され、前記固定渦巻壁と前記旋回渦巻壁との噛み合わせによって吸入された冷媒を圧縮する圧縮室が形成され、
    前記ハウジングには、前記圧縮室で圧縮された冷媒から油分離器によって分離されたオイルが貯留される貯油室が形成され、
    前記貯油室と前記圧縮室とは、前記貯油室に貯留されたオイルを絞りを介して前記圧縮室へ戻すオイル通路によって接続されているスクロール型圧縮機であって、
    前記固定渦巻壁における前記固定外周壁側に繋がる巻き終わり部には、前記圧縮室を区画する内周面に凹部が形成されており、
    前記固定スクロールには、前記オイル通路の一部をなすオイル戻し孔が設けられ、
    前記オイル戻し孔は、前記凹部の内側に開口する開口を有し、
    前記開口は、前記旋回スクロールの公転時に前記旋回渦巻壁によって閉塞されないことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 前記オイル戻し孔は、前記固定基板を貫通して前記凹部の内側に開口していることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  3. 前記凹部における前記固定基板側の面が、前記固定基板における前記固定渦巻壁が起立している面よりも前記固定渦巻壁の先端よりに位置していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  4. 前記凹部は、重力方向の下方に配置されていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のスクロール型圧縮機。
  5. 前記固定外周壁には吸入ポートが形成され、
    前記圧縮機構には、前記吸入ポートと連通する吸入室が形成され、
    前記巻き終わり部は、前記凹部よりも巻き終わり側の第1部分と、前記凹部に対して前記第1部分とは反対側の第2部分と、を有し、
    前記旋回渦巻壁が前記第1部分と前記第2部分とのうちの前記第1部分と共に前記圧縮室を含む閉空間を形成している場合に前記オイル戻し孔から前記圧縮室にオイルを供給し、
    前記旋回渦巻壁が前記第1部分と前記第2部分とのうちの前記第2部分と共に前記圧縮室を形成している場合に前記オイル戻し孔から前記吸入室にオイルを供給し、
    前記旋回渦巻壁が前記第1部分と共に前記閉空間を形成しておらず、且つ前記旋回渦巻壁が前記第2部分と共に前記圧縮室を形成していない場合に、前記吸入室のうち、前記旋回渦巻壁と前記第1部分との間を介して前記凹部と連通する第1室、及び前記旋回渦巻壁と前記第2部分との間を介して前記凹部と連通する第2室それぞれに前記オイル戻し孔からオイルを供給することを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のスクロール型圧縮機。
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