JP7017137B2 - 全固体二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は全固体二次電池の製造方法に関する。
正極活物質としてリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物等の酸化物正極活物質を用い、固体電解質材料として硫化物固体電解質材料を用いた全固体二次電池では、電池内で酸化物正極活物質が硫化物固体電解質材料と接触すると、電池反応に伴い、酸化物正極活物質と硫化物固体電解質材料との界面に高抵抗層が発生し、内部抵抗が増加することで、容量が低下するという問題がある。
そこで、酸化物正極活物質の表面に、LiNbO等のイオン伝導性酸化物から構成されるコート層を形成する技術が提案されている。本出願人は、そのようなコート層を形成する際の酸化物活物質へのダメージが抑制された活物質材料として、特許文献1に、Liと、Ni、Co、およびMnの少なくとも1つと、Oとを含有し、さらにMgを含有する活物質の表面上に、イオン伝導性酸化物から構成されるコート層を有する活物質材料を開示している。
一方、本出願人は、固体二次電池が充放電を繰り返すことにより内部抵抗が増加し、出力特性が低下するという問題に対し、一旦低下した出力特性を回復させるためには、積極的に過放電を行うことが有効であるとの知見を得た。本出願人は、更に、過放電によって負極が劣化するという問題を見出し、負極を劣化することなく、リチウム固体二次電池の出力特定の低下を回復できる電池システムとして、特許文献2に、特定の負極を有するリチウム固体二次電池と、過放電処理部とを有するリチウム固体二次電池システムを開示している。
また、本出願人は、特許文献3に、初期抵抗が低い固体二次電池を得ることができる製造方法として、酸化物活物質と、当該酸化物活物質に接触した硫化物固体電解質材料とを含有する、初期状態のリチウム固体二次電池を作製する電池作製工程と、前記初期状態のリチウム固体二次電池を、電池電圧を0.8V以下まで放電する過放電処理工程とを有するリチウム固体二次電池の製造方法を開示している。特許文献3の製造方法において、過放電処理により初期抵抗を低減できるのは、活物質と固体電解質材料との界面等の固体/固体界面に生じる高抵抗の皮膜を、過放電処理を行うことで除去できるため、又は、過放電処理を行うことで、固体/固体界面の状態が改質され、初期抵抗を低減できると考えられる。
特許文献2、3の技術で行われる過放電処理は、典型的には電池電圧が0V程度までの放電である。特許文献2、3には、過放電処理を、正極電位が0V(vs.Li/Li)以下となるまで行うことは記載されておらず、また、過放電処理により酸化物正極活物質の表面に自己生成的に保護層を形成して、容量の低下を抑制することも、記載も示唆もされていない。
また、本出願人は、特許文献4に、反応抵抗の増加を抑制可能な電池システムとして、正極活物質の電位が5.0V(vs.Li/Li)以下となるように制御する充電制御部を備えるリチウム電池システムを開示している。特許文献4の電池システムでは、正極活物質の電位を5.0V(vs.Li/Li)以下に制御することにより、硫化物固体電解質材料の酸化分解を抑制することで、反応抵抗の増加を抑制できると考えられる。特許文献4には、過放電処理を行うことは一切記載されていない。
電解液を用いたリチウム二次電池の技術としては、例えば、特許文献5に、電池の充放電に伴い正極側及び/又は負極側において酸化還元反応により分解し、該正極側及び/又は負極側の活物質の表面に被膜を生成する添加剤を含有する非水電解液を用い、正極活物質層と負極活物質層の少なくともいずれか一方において自己犠牲型補助物質を含んでおり、自己犠牲型補助物質は、電池の充放電に伴った酸化還元反応により分解される前記添加剤と反応する物質であって、該反応によって正極側及び/又は負極側の活物質の表面に生成する被膜生成量の調節を可能とすることを特徴とする、リチウム二次電池が開示されている。しかし、全固体二次電池において、酸化物正極活物質の表面に自己生成的に適量の被膜を形成する手段は開示されていない。
特開2014-49310号公報 特許第5673826号公報 特許第5609773号公報 特開2014-157666号公報 特開2011-90876号公報
特許文献1のような、電池の組み立て前に、酸化物正極活物質の表面にコート層を形成する手段は、製造コストが高いという問題があり、製造コストの削減が求められている。
しかし、全固体二次電池において、電池の組み立て前に、酸化物正極活物質の表面にコート層を形成しない場合、製造コストは抑えられるが、前述したように、内部抵抗が増加したり、容量が低下したりするという問題がある。
本開示では、酸化物正極活物質の表面にコート層を形成しない場合に、特に初期充電による容量の低下が大きいことに着目し、製造コストを抑えながら、初期充電による容量の低下を抑制することが可能な全固体二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の全固体二次電池の製造方法は、酸化物正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置された固体電解質層とを有し、前記正極活物質層及び前記固体電解質層の少なくともいずれかが、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有する初期充電前の全固体二次電池を作製する工程と、
前記初期充電前の全固体二次電池を、前記正極活物質層の電位が0V(vs.Li/Li)以下-4V(vs.Li/Li)以上となるまで放電する工程と
を有することを特徴とする。
本開示によれば、酸化物正極活物質と、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料とを含有する全固体二次電池において、初期充電前に、酸化物正極活物質を含有する正極活物質層の電位が、0V(vs.Li/Li)以下-4V(vs.Li/Li)以上となるまで放電する工程を行うことにより、製造コストを抑えながら、初期充電による容量の低下を抑制することが可能な全固体二次電池を製造することができる。
本開示の製造方法に用いる初期充電前の全固体二次電池の一例を示す断面模式図である。
本開示の全固体二次電池の製造方法は、酸化物正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置された固体電解質層とを有し、前記正極活物質層及び前記固体電解質層の少なくともいずれかが、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有する初期充電前の全固体二次電池を作製する工程(以下、初期充電前の電池作製工程という場合がある)と、
前記初期充電前の全固体二次電池を、前記正極活物質層の電位が0V(vs.Li/Li)以下-4V(vs.Li/Li)以上となるまで放電する工程(以下、初期充電前の過放電工程という場合がある)とを有する。
本開示の方法で作製する初期充電前の全固体二次電池は、酸化物正極活物質を含有する正極活物質層及び固体電解質層の少なくともいずれかが、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有するものであるため、典型的に、酸化物正極活物質と、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料とが、互いに接触している部分を有する。酸化物正極活物質と硫化物固体電解質材料との界面では、初期充電の際に、硫化物固体電解質材料が酸化分解して、イオン伝導性を示さない若しくは極めて低い高抵抗層が形成され、その結果、反応抵抗が増加し、電池の容量が低下すると考えられる。特許文献1では、このような高抵抗層の形成を抑制するため、電池の組み立て前に、酸化物正極活物質の表面にイオン伝導性のコート層を形成しているが、製造コストが高いという問題がある。
本開示の製造方法では、初期充電前の全固体二次電池を、前記正極活物質層の電位が0V(vs.Li/Li)以下-4V(vs.Li/Li)以上となるまで放電する工程を有することにより、初期充電による容量の低下を抑制することが可能であり、電池の組み立て前に酸化物正極活物質の表面にコート層を形成する必要がないため、製造コストを抑えることができる。本開示の製造方法では、初期充電前に、特許文献2、3の技術で行われている過放電処理よりも、正極活物質層の電位が更に低くなるまで過放電処理を行うことにより、前記正極活物質層では、前記酸化物正極活物質と接触している前記硫化物固体電解質材料が還元され、その後、酸化物正極活物質中の酸素と反応して、当該酸化物正極活物質の表面にPOxが生成し、自己生成的に適量の被膜が形成されて、当該酸化物正極活物質の保護層となることで、初期充電による容量の低下が抑制されると考えられる。
以下、本開示の全固体二次電池の製造方法について、工程ごとに説明する。
1.初期充電前の電池作製工程
本開示の製造方法では、まず、酸化物正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置された固体電解質層とを有し、前記正極活物質層及び前記固体電解質層の少なくともいずれかが、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有する初期充電前の全固体二次電池を作製する。このような初期充電前の全固体二次電池の一例について、以下に説明する。
図1は、本開示の製造方法に用いる初期充電前の全固体二次電池の一例を示す断面模式図である。
図1に示す初期充電前の全固体二次電池100は、正極活物質層12と、負極活物質層13と、正極活物質層12と負極活物質層13との間に配置された固体電解質層11とを有し、更に、正極活物質層12の集電を行う正極集電体14と、負極活物質層13の集電を行う負極集電体15とを有する。
(1)正極活物質層
正極活物質層は、少なくとも酸化物正極活物質を含有し、必要に応じて、固体電解質材料、導電材及び結着剤等を更に含有していてもよい。
酸化物正極活物質としては、例えば、酸素を含有し、更に、Co、Mn、Ni、V、Cr及びFeの少なくとも1つの遷移金属と、Liとを含有する正極活物質を用いることができる。そのような酸化物正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiVO、LiCrO等の層状正極活物質、LiMn、Li(Ni0.25Mn0.75、LiCoMnO、LiNiMn等のスピネル型正極活物質、LiCoPO、LiMnPO、LiFePO等のオリビン型正極活物質、Li12等のNASICON型正極活物質等を挙げることができる。
前記酸化物正極活物質の形状は、特に限定はされず、例えば粒子状、薄膜状等を挙げることができる。
前記酸化物正極活物質の平均粒径(D50)は、特に限定はされないが、例えば1nm以上100μm以下の範囲内とすることができる。なお、本開示において平均粒径(D50)とは、レーザー回折光散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、粒径が小さい粒子側からの累積頻度50体積%に相当する粒径である。
前記正極活物質層は、効果を損なわない範囲において、前記酸化物正極活物質以外の正極活物質を含有していてもよいが、初期充電後の容量の低下を抑制する効果が高い点及び電池特性の点から、正極活物質の総量100体積%に対する前記酸化物正極活物質の割合が、50体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましく、中でも全ての正極活物質が前記酸化物正極活物質であることが好ましい。
また、前記正極活物質層における前記酸化物正極活物質の含有量は、特に限定されるものではないが、初期充電後の容量の低下を抑制する効果が高い点及び電池特性の点から、前記正極活物質層の総量100体積%に対する前記酸化物正極活物質の割合が、50体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがより好ましい。
前記正極活物質層は、イオン伝導性を向上する点から、固体電解質材料を含有することが好ましい。前記正極活物質層が含有していても良い固体電解質材料としては、例えば、後述する固体電解質層に用いられる固体電解質材料と同様のものを挙げることができる。初期充電後の容量の低下を抑制する効果を向上する点から、前記正極活物質層は、硫化物固体電解質材料を含有することが好ましく、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有することがより好ましく、更に、前記正極活物質層において、前記酸化物正極活物質の少なくとも一部が、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料の少なくとも一部と接触していることが、本開示の製造方法の効果が発揮されやすい点から好ましい。前記正極活物質層が、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有する場合は、後述する初期充電前の過放電工程で、正極活物質層内で、前記硫化物固体電解質材料と接触する酸化物正極活物質の表面にPOxが生成し、自己生成的に適度な厚みの保護層が形成されて、初期充電による容量の低下が抑制されると考えられる。なお、後述する固体電解質層が、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有しない場合は、前記正極活物質層が、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有する。固体電解質層と前記正極活物質層の両方が、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有する形態も、初期充電後の容量の低下を抑制する効果が得られやすい点から好ましい。
リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料としては、例えば、後述する固体電解質層に用いられるものと同様のものを挙げることができる。
前記正極活物質層における前記固体電解質材料の含有量は、特に限定されるものではないが、イオン伝導性を向上する点から、前記正極活物質層の総量100体積%に対する前記固体電解質材料の割合が、20体積%以上であることが好ましく、30体積%以上であることがより好ましく、一方で、電池特性の点から、50体積%以下であることが好ましく、40体積%以下であることがより好ましい。
また、初期充電後の容量の低下を抑制する効果が得られやすい点から、前記正極活物質層は、前記酸化物正極活物質と、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料とを、体積比(酸化物正極活物質:硫化物固体電解質材料)が70:30~40:60の範囲内となるように含有することが好ましく、60:40~45:55の範囲内となるように含有することがより好ましい。
前記正極活物質層は、電子伝導性を向上させるために、導電材を含有していても良い。導電材としては、公知のものを用いることができ、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー、VGCF(気相法炭素繊維)等を挙げることができる。
前記正極活物質層は、可撓性を向上するために、結着剤を含有していても良い。結着剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素含有結着剤等を挙げることができる。
また、前記正極活物質層は、前記正極活物質層の総量100体積%に対し、イオン伝導性酸化物の含有量が、10体積%以下であることが好ましく、5体積%以下であることがより好ましい。前記正極活物質層においてイオン伝導性酸化物の含有量が少ない程、後述する初期充電前の過放電工程で、前記酸化物正極活物質の表面に形成される保護層が適度な厚みになりやすく、初期充電による容量の低下が抑制されやすいと考えられる。また、同様の理由により、前記正極活物質層において、前記酸化物正極活物質は、イオン伝導性酸化物で被覆されていないことが好ましい。
イオン伝導性酸化物としては、例えば、一般式LiAO(ただし、Aは、B、C、Al、Si、P、S、Ti、Zr、Nb、Mo、TaまたはWであり、xおよびyは正の数である。)で表されるLiイオン伝導性酸化物を挙げることができ、具体的には、LiBO、LiBO、LiCO、LiAlO、LiSiO、LiSiO、LiPO、LiSO、LiTiO、LiTi12、LiTi、LiZrO、LiNbO、LiMoO、LiWO等を挙げることができる。
前記正極活物質層の厚さは、特に限定はされないが、例えば、0.1μm以上1000μm以下の範囲内であってよく、1μm以上100μm以下の範囲内であってもよい。
(2)負極活物質層
負極活物質層としては、従来、全固体二次電池に用いられている負極活物質層を用いることができ、特に限定はされない。負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有し、必要に応じて、固体電解質材料、導電材及び結着剤等を更に含有していても良い。
負極活物質は、金属イオンを吸蔵放出できるものであれば特に限定はされず、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料;LiTi12等の金属酸化物;Si、Sn等を挙げることができる。
負極活物質層が含有していても良い固体電解質材料、導電材及び結着剤としては、各々前記正極活物質層が含有していても良い固体電解質材料、導電材及び結着剤と同様のものを挙げることができる。
前記負極活物質層の厚さは、特に限定はされないが、例えば、0.1μm以上1000μm以下の範囲内であってよく、1μm以上100μm以下の範囲内であってもよい。
(3)固体電解質層
固体電解質層は、少なくとも固体電解質材料を含有する。前記固体電解質層が含有する固体電解質材料としては、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料等の無機固体電解質材料を挙げることができ、中でもイオン伝導性が高い点から、硫化物固体電解質材料を好ましく用いることができる。本開示の製造方法では、イオン伝導性が高い点、及び初期充電後の容量の低下を抑制する効果が向上する点から、前記固体電解質層が、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有することが好ましく、更に、前記固体電解質中のリチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料の少なくとも一部が、前記正極活物質層中の前記酸化物正極活物質の少なくとも一部と接触していることが、本開示の製造方法の効果が発揮されやすい点から好ましい。前記固体電解質層がリチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有する場合は、後述する初期充電前の過放電工程で、前記固体電解質層と前記正極活物質層との界面において、前記正極活物質層中の酸化物正極活物質の表面にPOxが生成し、自己生成的に適度な厚みの保護層が形成されて、初期充電による容量の低下が抑制されると考えられる。なお、前記正極活物質層が、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有しない場合は、前記固体電解質層が、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有する。
リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料としては、例えば、LiS-P、LiS-P-LiI、LiS-P-Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)等が挙げられる。なお、上記「LiS-P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる硫化物固体電解質材料を意味し、他の記載についても同様である。
前記固体電解質材料の形状は、特に限定はされず、例えば粒子状、薄膜状等を挙げることができる。
前記固体電解質材料の平均粒径(D50)は、特に限定はされず、例えば1nm以上100μm以下の範囲内とすることができる。
前記固体電解質層は、必要に応じて結着剤を含有していてもよい。前記固体電解質層が含有していてもよい結着剤としては、例えば、前記正極活物質層が含有していても良い結着剤と同様のものが挙げられる。
前記固体電解質層は、固体電解質材料のみから構成されていても良いが、固体電解質材料以外の成分を含有する場合は、イオン伝導性を向上する点から、前記固体電解質層の総量100体積%に対する前記固体電解質材料の割合が、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましい。
前記固体電解質層の厚さは、電池の構成によって適宜調整され、特に限定はされないが、例えば、0.1μm以上1000μm以下の範囲内とすることができ、1μm以上100μm以下の範囲内であってもよい。
(4)その他の構成
前記初期充電前の全固体二次電池は、前述した正極活物質層、負極活物質層及び固体電解質層の他に、正極活物質層の集電を行う正極集電体、負極活物質層の集電を行う負極集電体等のその他の構成を有していてもよい。
正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。
負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。
また、前記初期充電前の全固体二次電池の形状は、特に限定はされず、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型及び角型等を挙げることができる。
(5)初期充電前の全固体二次電池の製造方法
本開示の初期充電前の電池作製工程において、前述した初期充電前の全固体二次電池を製造する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、プレス法、塗工法、蒸着法、スプレー法等の公知の方法を用いて製造することができる。
プレス法では、例えば、前記固体電解質材料をプレスすることで前記固体電解質層を形成した後、形成した固体電解質層の一方の表面に、前記正極活物質層を構成する各成分を混合した正極合材をプレスして、前記正極活物質層を形成し、固体電解質層のもう一方の表面に、前記負極活物質層を構成する各成分を混合した負極合材をプレスして、前記負極活物質層を形成することで、初期充電前の全固体二次電池を製造することができる。前記正極活物質層を形成する際は、前記正極合材を正極集電体とともにプレスして、前記正極活物質層上に正極集電体を形成してもよい。前記負極活物質層を形成する際は、前記負極合材を負極集電体とともにプレスして、前記負極活物質層上に負極集電体を形成してもよい。
2.初期充電前の過放電工程
本開示の製造方法では、前記初期充電前の全固体二次電池を、前記正極活物質層の電位が0V(vs.Li/Li)以下-4V(vs.Li/Li)以上となるまで放電する工程を有する。このような初期充電前の過放電工程を有することにより、本開示の製造方法で得られる全固体二次電池は、初期充電による容量の低下が抑制される。本開示の製造方法では、初期充電前の過放電工程において、全固体二次電池が含有する酸化物正極活物質の表面に自己生成的に保護層が形成されることにより、初期充電による容量の低下が抑制されると考えられる。
本開示の製造方法で行う初期充電前の過放電工程では、中でも、初期充電による容量の低下が抑制されやすい点から、前記正極活物質層の電位が-2V(vs.Li/Li)以下-4V(vs.Li/Li)以上となるまで放電することが好ましい。
前記初期充電前の過放電工程における電池電圧は、前記負極活物質層中の負極活物質の種類によって異なり、特に限定はされない。例えば、前記負極活物質層中の負極活物質が黒鉛(グラファイト)の場合は、前記初期充電前の過放電工程は、電池電圧が-2V以下-6V以上となるまで放電することが好ましく、電池電圧が-4V以下-6V以上となるまで放電することがより好ましい。
前記初期充電前の過放電工程は、一般的な充放電装置を用いて行うことができる。前記過放電工程における放電処理は、定電流-定電圧放電(CCCV放電)とすることが、初期充電による容量の低下が抑制されやすい点から好ましい。CCCV放電での電流値は、放電に時間がかかりすぎず、且つ過電圧が大きくなりすぎないように適宜調整され、特に限定はされない。
また、前記過放電工程は、例えば室温で行うことができ、具体的には23±3℃の温度環境下で行うことが、初期充電による容量の低下が抑制されやすい点から好ましい。
[実施例1~3、比較例1~4]
1.初期充電前の電池作製工程
酸化物正極活物質としてコート層無しのLiCoOと、硫化物固体電解質材料としてLiS-Pとを、体積比50:50で混合し、正極合材を作製した。
負極活物質として天然黒鉛と、硫化物固体電解質材料としてLiS-Pとを、体積比50:50で混合し、負極合材を作製した。
LiS-P 50mgを用いて硫化物固体電解質層を形成し、硫化物固体電解質層の一方の表面に、前記正極合材20mgを用いて正極活物質層を形成し、硫化物固体電解質層のもう一方の表面に、前記負極合材20mgを用いて負極活物質層を形成することで、初期充電前の全固体二次電池を作製した。
2.初期充電前の過放電工程
前記で得られた初期充電前の全固体二次電池を、25℃にて、表1に示す初期放電印加電圧まで定電流定電圧放電(CCCV放電)させることにより過放電処理を行い、実施例1~3及び比較例1~4の全固体二次電池を得た。なお、比較例1では、初期充電前の過放電工程を行わなかった。過放電処理後の正極活物質層の電位を表1に示す。なお、負極活物質層の電位は、各実施例及び各比較例のいずれにおいても2V(vsLi/Li)であった。
[評価]
各実施例及び各比較例で得られた全固体二次電池を、25℃にて、0.1Cで、4.9VまでCC充電し、その後、3.5VまでCC放電を行い、セル容量(放電容量)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007017137000001
表1より、初期充電前に正極活物質層の電位が0V(vs.Li/Li)以下-4V(vs.Li/Li)以上となるまで放電させた実施例1~3では、初期充電前の過放電工程を行わなかった比較例1に比べ、初期充電後のセル容量が増加していた。一方、初期充電前に正極活物質層の電位が4V(vs.Li/Li)又は2V(vs.Li/Li)となるまで放電させた比較例2、3は、比較例1と同程度のセル容量であった。初期充電前に正極活物質層の電位が-6V(vs.Li/Li)となるまで放電させた比較例4は、比較例1に比べ、初期充電後のセル容量が減少していた。実施例1~3では、初期充電前の過放電工程により、酸化物正極活物質の表面に自己生成的に適度な厚みの保護層が形成されたため、初期充電後のセル容量の低下が抑制された結果、比較例1よりもセル容量が大きかったと考えられる。比較例2、3では、初期充電前の過放電工程において、正極活物質層の電位が4V(vs.Li/Li)又は2V(vs.Li/Li)となるまでしか放電を行わなかったため、酸化物正極活物質の表面に十分な保護層が形成されなかったことにより、比較例1と同程度のセル容量であったと考えられる。比較例4では、初期充電前の過放電工程において、正極活物質層の電位が-6V(vs.Li/Li)となるまで放電を行うことによって、副反応が生じ、抵抗層が生成したことにより、セル容量が減少したと考えられる。
11 固体電解質層
12 正極活物質層
13 負極活物質層
14 正極集電体
15 負極集電体
100 全固体二次電池

Claims (1)

  1. 酸化物正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置された固体電解質層とを有し、前記正極活物質層及び前記固体電解質層の少なくともいずれかが、リチウム(Li)、硫黄(S)及びリン(P)を含む硫化物固体電解質材料を含有する初期充電前の全固体二次電池を作製する工程と、
    前記初期充電前の全固体二次電池を、前記正極活物質層の電位が0V(vs.Li/Li)以下-4V(vs.Li/Li)以上となるまで放電する工程と
    を有する、全固体二次電池の製造方法。
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