JP7008493B2 - 容器蓋、及び容器蓋付き容器 - Google Patents
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Description
すなわち二重容器に適用される容器蓋としては、上記したとおりまず容器の復元を阻害せず密封性を確保する機能が要求されるが、さらに利便性を向上させるため連続した内容物の吐出を可能ならしめる程度の早い容器復元性が望まれる。
他方で、環状弁板30の剛性を高めた場合には口頚部9に対する環状弁板30の密接力も強まってしまい、内容物を吐出した後における容器の復元(上記した外気の導入)が遅くなるため、上記の連続した内容物の吐出は到底困難となってしまう。
また、上記課題を解決するため、本発明の他の一形態における容器蓋は、(2)外側容器層と内側容器層との間に外気を導入するための導入手段と容器蓋嵌合部と環状突出部とが口頸部に形成された、スクイズにより内容物を排出可能な容器に対し、該容器の口頸部に嵌合される容器蓋であって、前記容器蓋は、前記容器の内容物が通過する排出開口が形成されると共に、該排出開口を閉じる弁体が配設される閉塞壁と、前記閉塞壁の外周縁部から垂下し、内面に容器嵌合部を有する装着壁と、前記装着壁に形成されて当該装着壁の内周面から半径方向内方に延出するとともに、周方向において相対的に厚みが増大した厚肉部を有する環状可撓性シール片と、を具備し、前記口頸部に前記容器蓋が嵌合され、前記外側容器層のうち前記導入手段よりも下方に形成された前記環状突出部の上面と前記環状可撓性シール片の下面とが密接するとき、前記厚肉部の終端付近において前記環状突出部と前記環状可撓性シール片との間に外気導通隙間が形成され、前記環状可撓性シール片は、前記装着壁の内周面に一体に形成されていると共に前記半径方向内方に向かって且つ下方に傾斜して延出することを特徴とする。
なお、上記した(1)又は(2)に記載の容器蓋においては、(3)前記外気導通隙間は、前記容器をスクイズする際において、該外側容器層と該内側容器層との間の内気の流出を許容しない隙間であることが好ましい。
また、上記した(1)~(3)のいずれかに記載の容器蓋においては、(4)前記外気導通隙間は、容器をスクイズ解除後において、該外側容器層と該内側容器層との間の圧力が外気の圧力よりも所定値以上小さくなった場合にのみ外気の流入を許容する隙間であることが好ましい。
このとき(6)に記載の容器蓋においては、(7)複数の前記厚肉部は、前記周方向に関して互いに近接しないように形成されていることがより好ましい。
なお本実施形態においては、説明の便宜上、容器蓋18が嵌合される容器2は口頸部8を中心にして図示しているが、この容器2のうち不図示の部分における構造は公知の容器における種々の構造を適用してもよい。また、図を用いた説明において、X、Y及びZ方向を適宜設定したが、説明の便宜上であって本発明を何ら過度に限定するものではない。
<容器蓋>
図1は、第1実施形態に係る容器蓋18が容器2と嵌合した状態を示す部分断面図である。
本実施形態における容器蓋18は、外側容器層4と内側容器層6との間に外気を導入するための導入手段10と環状係止突条12(容器蓋嵌合部)と環状突出部14とが口頸部8に形成された、スクイズにより内容物を排出可能な容器2に対し、該容器の口頸部8に嵌合される容器蓋18であって、容器の内容物が通過する排出開口26が形成されると共に、該排出開口26を閉じる弁体70が配設される閉塞壁22と、この閉塞壁22の外周縁部から垂下し、内面に弧状被係止突条40(容器嵌合部)を有する装着壁24と、この装着壁24に形成されて該装着壁24の内周面から半径方向内方に延出するとともに、周方向において相対的に厚みが増大した厚肉部を有する環状可撓性シール片42と、を具備している。
以下、本実施形態に係る容器蓋18及び容器2についてさらに詳述する。
内側容器層6は、上端(口頸部8側)が開放された袋状であり、その外周面上端部は外側容器層4の内周面上端部と強固に密着している。必要に応じて、内側容器層6の上端部に半径方向外方に突出する環状突出部を設け、この環状突出部が外側容器層4の上端よりも上方に位置すると共にこれに係合されるようにし、容器2の口頸部8が外側容器層4の上端部と共に内側容器層6の環状突出部から構成されると共に導入手段10が内側容器層6に形成されるようにしてもよい。
蓋本体20は、閉塞壁22とこの閉塞壁22の外周縁部から垂下する円筒形の装着壁24とを有する。閉塞壁22は、円形中央領域22aと、この中央領域22aよりも下方に位置する円環状外周領域22bと、中央領域22aと外周領域22bとを接続し上面が半径方向外方に向かって下方に傾斜している円環状接続領域22cとを有する。中央領域22aの中央には、円形の排出開口26が形成されている。また、中央領域22aの上面には、排出開口26の外周縁を囲繞して上方に延びる案内壁28が形成されている。
外周領域22bの上面には、略円筒形状の係止壁30が形成されている。この係止壁30は外周領域22bの半径方向略中間位置において上方に延出せしめられており、その外周面上端には、半径方向外方に突出した環状係止突起32が形成されている。
接続領域22cの下面には、略円筒形状の環状保持壁36が形成されている。この環状保持壁36の内周面下端には、半径方向内方に突出した環状保持突条38が形成されている。
上記構成とすることによって、容器蓋18の射出成形における所謂金型離型(補足すると、装着壁24の内周面を成形する金型は、装着壁24の上側から下側へ抜かれる。)の際、環状突条46が半径方向外方に強制せしめられ、装着壁24の下部が一時的に拡径される。すなわち、捨てアンダーカット44の存在に起因して蓋本体20の装着壁24における環状可撓性シール片42が存在する部位が半径方向外方に強制され、これによって環状可撓性シール片42の所謂無理抜きが軽減され、環状可撓性シール片42が損傷されることが可及的に回避される。
外蓋52は、天面壁54とこの天面壁54の外周縁部から垂下するスカート壁56とを有する。天面壁54の内面には、その中央において下方に延出する閉塞栓58と、この閉塞栓58の外側において下方に垂下する略円筒形状の外側筒片60が形成されている。本実施形態の閉塞栓58は、図示のとおり中実棒状の形状を有しており、その付け根には案内壁シール部62が形成されている。
スカート壁56の内周面の下端部には、環状被係止突起66が形成されている。ヒンジ手段50と直径方向反対側において、スカート壁56の外周面下端部には、外蓋52を旋回動せしめる際に指を掛けることができる鍔部68が形成されている。
図示のとおり、本実施形態における弁体70はいわゆる逆止弁が適用されており、以下では弁体70の一例として逆止弁70を例にして説明する。この逆止弁70は、弁部材72と保持部材74とから構成される。
逆止弁70が閉塞壁22に装着された後に、外蓋52が蓋本体20に対して閉位置にせしめられる。
これにより、シールリング34の外周面が内側容器層6の上端部内周面と密着し、内容物がシールリング34の外側を通過して内側容器層6(即ち容器2)の外部に流出することが阻止される。かくして、容器蓋18は容器2の口頸部8に装着される。
なお本実施形態における「厚肉部の終端付近」とは、厚肉部の周方向端部と隣接する通常肉厚厚部との厚み差から生じる空間に近接する境界領域を言う。
このとき図2に示す例では、複数の厚肉部42a及び42bは、環状可撓性シール片42の中心を基準として互いに対向するように配置されていることが好ましい。また、複数の厚肉部42a及び42bは、周方向に関して互いに近接しないように形成されていることが好ましい。
さらに複数の厚肉部は実質的に同じ幅を有していてもよく、図4に示すように、厚肉部42aの幅W1と厚肉部42bの幅W2は、周方向に関して互いに等しくなるように形成されている。なお厚肉部42aの幅W1と厚肉部42bの幅W2は、互いに異なる値としてもよい。
ここで、図5(a)は環状可撓性シール片42における厚肉部以外の部位を示し、図5(b)は環状可撓性シール片42における厚肉部を示している。
このとき、厚肉部以外の部位における厚みE1は、厚肉部における厚みE2よりも小さくなるように設計されている。一例として、本実施形態では、例えば厚みE1は0.3mmであり、厚みE2は0.35mmとなっている。したがって、装着壁24の底面から環状可撓性シール片42(非厚肉部)までの高さH1は、装着壁24の底面から環状可撓性シール片42(厚肉部)までの高さH2よりも若干高くなっている。
一方で装着壁24の内面から径方向内側に突出する環状可撓性シール片42(非厚肉部)の突出量D1と、装着壁24の内面から径方向内側に突出する環状可撓性シール片42(厚肉部)の突出量D2は、ほぼ等しくなるように設定されている。
図6(a)は環状可撓性シール片42のうち厚肉部42aが環状突出部14の上面と接触した状態を示し、図6(b)は環状可撓性シール片42のうち厚肉部42aの終端付近で外気導通隙間AHが形成されている状態を示し、図6(c)では環状可撓性シール片42のうち非厚肉部が環状突出部14の上面と接触した状態を示している。なお図6(b)においては、説明の便宜上、実線をさらに付加して外気導通隙間AHを誇張して明瞭化することとした。
上記から明らかなとおり、本実施形態では、容器蓋18が容器2の口頸部8に嵌合された際、換言すれば環状突出部14の上面と環状可撓性シール片42の下面とが密接するとき、厚肉部の終端付近で外気導通隙間AHが常時形成された状態となる。
また、外気導通隙間AHは厚肉部の終端付近においてだけ形成されるため、内容物を吐出する際に当該外気導通隙間AHから過剰に空気が漏れることなく安定した量の内容物を吐出することが可能となっている。
この際には、弁部76の下面に主部85aと凸部85bとから構成される空間部85が形成されていることに起因して、内側容器層6内の圧力によって弁部76を上方へ移動させようとする応力が弁部76の下面に効率的に作用し、弁部76は円滑に上方へ移動せしめられる。逆止弁70が開放されると、内側容器層6内に充填された内容物が連通開口92、逆止弁70(更に詳しくは弁部材72と保持部材74との間)、そして排出開口26を順次通過した後に案内壁28から排出される。
以下、本発明の第2実施形態について説明するが、第1実施形態と機能・作用が共通する構成は同じ参照番号を付してその説明や図示を適宜省略する(後述する変形例においても同様)。
図8は、第2実施形態に係る容器蓋18を底面の側から見た底面図である。
上記した第1実施形態では、環状可撓性シール片42の周方向において複数の厚肉部が形成されていた。これに対して本実施形態では、環状可撓性シール片42の周方向において単一の厚肉部が形成されている点に主とした特徴がある。
本実施形態においても、容器蓋18が容器2の口頸部8に嵌合された際、換言すれば環状突出部14の上面と環状可撓性シール片42の下面とが密接するとき、1つの厚肉部における終端付近でそれぞれ外気導通隙間AHが常時形成された状態となる。なお、第1実施形態では2つの厚肉部42a及び42bによって合計4つの外気導通隙間AHが常時形成された状態であったが、本実施形態では1つの厚肉部42cで2つの外気導通隙間AHが常時形成された状態となっている。
例えば、厚肉部における終端両側付近で外気導通隙間AHを常時形成する例を説明したが、外気導通隙間AHの大きさを調整する(換言すれば上記した段差の大きさを調整する)ことで厚肉部の終端うち少なくとも一方で外気導通隙間AHが常時形成される形態であってもよい。このとき、厚肉部の終端付近のうち外気導通隙間AHを形成しない側は、厚肉部と非厚肉部との境界で略垂直の段差を形成せずに徐々に厚みが変化するスロープ状としてもよい。
また、容器2に保存される内容物として醤油を例にして説明したが、これに限られず酸化を嫌う嫌酸化性の他の調味料などの液体であってもよい。
また、第2実施形態では、厚肉部の終端うち外気導通隙間AHを形成しない側はスロープ状でもよいとしたが、容器蓋18として用いる材料として比較的高い剛性のものを用いるなどすれば、厚肉部の終端付近のうち外気導通隙間AHを形成する側をスロープ状としてもよい。
また、上記した各実施形態では、弁体70の一例として逆止弁を例にして説明したが、密封可能な弁構造であれば他の公知の弁構造を用いてもよい。
また、上記した各実施形態では、環状可撓性シール片42は装着壁24に一体として形成されていたが、この例に限られず別途形成した環状可撓性シール片42を装着壁24に固着(接着または融着)してもよい。
この場合における容器2´は、外側容器層4と内側容器層6とを有してスクイズにより内容物を排出可能な容器2´であって、この容器2´の口頸部8には、内容物が通過する排出開口26が形成される閉塞壁22と当該閉塞壁22の外周縁部から垂下する装着壁24と当該装着壁24の内周面から半径方向内方に延出する環状可撓性シール片42とを有する容器蓋18が嵌合可能である。
なお、環状突出部14に形成される厚肉部の大きさや厚み又は数は、上記各実施形態で説明した厚肉部と同様とすることができる。
このように、本発明の厚肉部は、環状可撓性シール片42の側に形成されていてもよく、環状突出部14の側に形成されていてもよく、あるいはその両方に形成されていてもよい。換言すれば、本発明の厚肉部は、環状可撓性シール片42と環状突出部14の少なくとも一方の側に形成されていればよい。
4 外側容器層
6 内側容器層
8 口頸部
10 孔(導入手段)
18 容器蓋
20 蓋本体
22 閉塞壁
24 装着壁
26 排出開口
42 環状可撓性シール片
42a、42b 厚肉部
44 捨てアンダーカット
52 外蓋
70 弁体(逆止弁)
Claims (9)
- 外側容器層と内側容器層との間に外気を導入するための導入手段と容器蓋嵌合部と環状突出部とが口頸部に形成された、スクイズにより内容物を排出可能な容器に対し、該容器の口頸部に嵌合される容器蓋であって、
前記容器蓋は、前記容器の内容物が通過する排出開口が形成されると共に、該排出開口を閉じる弁体が配設される閉塞壁と、
前記閉塞壁の外周縁部から垂下し、内面に容器嵌合部を有する装着壁と、
前記装着壁に形成されて当該装着壁の内周面から半径方向内方に延出するとともに、周方向において相対的に厚みが増大した厚肉部を有する環状可撓性シール片と、を具備し、
前記口頸部に前記容器蓋が嵌合され、前記外側容器層のうち前記導入手段よりも下方に形成された前記環状突出部の上面と前記環状可撓性シール片の下面とが密接するとき、前記厚肉部の終端付近において前記環状突出部と前記環状可撓性シール片との間に外気導通隙間が形成され、
前記装着壁の内周面には、前記環状可撓性シール片が一体に形成されていると共に前記環状可撓性シール片の上方に位置する捨てアンダーカットが形成されていることを特徴とする容器蓋。 - 外側容器層と内側容器層との間に外気を導入するための導入手段と容器蓋嵌合部と環状突出部とが口頸部に形成された、スクイズにより内容物を排出可能な容器に対し、該容器の口頸部に嵌合される容器蓋であって、
前記容器蓋は、前記容器の内容物が通過する排出開口が形成されると共に、該排出開口を閉じる弁体が配設される閉塞壁と、
前記閉塞壁の外周縁部から垂下し、内面に容器嵌合部を有する装着壁と、
前記装着壁に形成されて当該装着壁の内周面から半径方向内方に延出するとともに、周方向において相対的に厚みが増大した厚肉部を有する環状可撓性シール片と、を具備し、
前記口頸部に前記容器蓋が嵌合され、前記外側容器層のうち前記導入手段よりも下方に形成された前記環状突出部の上面と前記環状可撓性シール片の下面とが密接するとき、前記厚肉部の終端付近において前記環状突出部と前記環状可撓性シール片との間に外気導通隙間が形成され、
前記環状可撓性シール片は、前記装着壁の内周面に一体に形成されていると共に前記半径方向内方に向かって且つ下方に傾斜して延出することを特徴とする容器蓋。 - 前記外気導通隙間は、前記容器をスクイズする際において、該外側容器層と該内側容器層との間の内気の流出を許容しない隙間である請求項1又は2に記載の容器蓋。
- 前記外気導通隙間は、容器をスクイズ解除後において、該外側容器層と該内側容器層との間の圧力が外気の圧力よりも所定値以上小さくなった場合にのみ外気の流入を許容する隙間である請求項1~3のいずれか一項に記載の容器蓋。
- 前記厚肉部は、前記環状可撓性シール片のうち前記外側容器層の環状突出部と接触する側に形成されている請求項1~4のいずれか一項に記載の容器蓋。
- 前記厚肉部は、前記環状可撓性シール片の周方向に関して複数形成されている請求項1~5のいずれか一項に記載の容器蓋。
- 複数の前記厚肉部は、前記周方向に関して互いに近接しないように形成されている請求項6に記載の容器蓋。
- 複数の前記厚肉部は前記周方向に関してそれぞれ実質的に等しい幅を有し、前記環状可撓性シール片の中心を基準として互いに対向するように配置されている請求項6又は7に記載の容器蓋。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の容器蓋と、
外側容器層と内側容器層との間に外気を導入するための導入手段が形成されると共に前記容器蓋が嵌合される口頸部、前記口頸部を通過した内容物が充填される内側容器層、及び前記内側容器層の外側に積層されて当該内側容器層との間に外気を導入可能な外側容器層を含む容器と、
を有する容器蓋付き容器。
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