JP7004076B2 - 操舵制御方法及び操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵制御方法及び操舵制御装置に関する。
特許文献1には、操舵角速度に応じた摩擦トルクと、操舵角速度に応じた粘性トルクと、セルフアライニングトルクとを加算して算出した目標反力トルクを付与する操舵装置が記載されている。操舵角センサから出力される所定数のパルス信号をキャンセルして摩擦トルクを「0」に設定することにより、ステアリングホイールの微小な振動に伴う変動を解消してスムーズに変化する目標反力トルクを付与する。
特開2007‐137287号公報
ステアバイワイヤ式の転舵機構を採用する車両では、ステアリングホイールと転舵輪との間が機械的に分離されている。このため、アクチュエータで疑似的に操舵反力を発生させて操舵フィーリングを向上することができる。
しかしながら、自動操舵制御によってステアリングホイールの操舵角を制御して、そのステアリングホイールの操舵角に応じて転舵輪を制御する場合に、アクチュエータで発生させた操舵反力によって操舵角が変動し、自動操舵制御によるスムーズな操舵を阻害することがある。
本発明は、自動操舵制御によるスムーズな操舵を可能にする操舵反力をステアリングホイールに付与することを目的とする。
本発明の一態様によれば、ステアリングホイールと転舵輪との間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構を備える車両の操舵制御方法が与えられる。操舵制御方法では、ステアリングホイールの操舵角を基準角度へ復帰させる復元成分と、ステアリングホイールの操舵角速度に応じた粘性成分と、操舵角速度に応じた摩擦成分と、を含んだ操舵反力を設定し、ステアリングホイールに操舵反力が発生するように、ステアリングホイールに回転トルクを付与するアクチュエータを制御し、操舵角に応じて転舵輪の転舵角を制御し、運転者がステアリングホイールを操作しているか否かを判断し、運転者がステアリングホイールを操作していない場合に、車両が走行する目標走行軌道を設定し、ステアリングホイールの操舵角が、目標走行軌道に沿って車両を走行するための目標操舵角となるようにアクチュエータを制御し、操舵反力に含まれる摩擦成分を抑制する。
本発明の一態様によれば、自動操舵制御によるスムーズな操舵を可能にする操舵反力をステアリングホイールに付与できる。
本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示した要素及びその組合せを用いて具現化され達成される。前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方は、単なる例示及び説明であり、特許請求の範囲のように本発明を限定するものでないと解するべきである。
実施形態の車両制御装置の一例の概略構成図である。 車両制御装置を搭載した車両の操舵系の一例の概略構成図である。 図2の反力制御部の構成例を示すブロック図である。 復元トルク特性曲線の一例の説明図である。 目標操舵角に基づいてオフセットされた復元トルク特性曲線の説明図である。 粘性トルクの特性の一例を示す図である。 摩擦トルクの特性の一例を示す図である。 操舵角速度に応じた係数αの第1例の説明図である。 操舵角速度に応じた係数αの第2例の説明図である。 実施形態の操舵制御方法の一例のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1を参照する。車両制御装置1を搭載する車両(以下、「自車両」と表記する)は、ステアリングホイールと転舵輪との間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構を備える。車両制御装置1は、転舵輪の転舵角と、ステアリングホイールに与える操舵反力を制御する。
また、車両制御装置1は、自車両の周囲の走行環境に基づいて、運転者が関与せずに自車両を自動で運転する自動運転制御や、運転者による自車両の運転を支援する運転支援制御を行う。
例えば、運転支援制御には、車線維持制御や、先行車追従制御、自動ブレーキ制御、定速走行制御などが含まれる。
車両制御装置1は、外部センサ2と、内部センサ3と、測位装置4と、地図データベース5と、通信装置6と、ナビゲーションシステム7と、走行コントローラ8と、アクセル開度アクチュエータ9と、ブレーキ制御アクチュエータ10と、コントローラ11と、反力アクチュエータ12と、第1駆動回路13と、転舵アクチュエータ14と、第2駆動回路15を備える。添付する図面において地図データベースを「地図DB」と表記する。
外部センサ2は、自車両の周囲環境、例えば自車両の周囲の物体を検出するセンサである。外部センサ2は、例えばカメラ16と測距装置17を含んでよい。
カメラ16と測距装置17は、自車両の周囲に存在する物体(例えば、他車両、歩行者、車線境界線や車線区分線などの白線、道路上又は道路周辺に設けられた信号機、停止線、標識、建物、電柱、縁石、横断歩道等の地物)、自車両に対する物体の相対位置、自車両と物体との間の相対距離等の自車両の周囲環境を検出する。
カメラ16は、例えばステレオカメラであってよい。カメラ16は、単眼カメラであってもよく、単眼カメラにより複数の視点で同一の物体を撮影して、物体までの距離を計算してもよい。また、単眼カメラによる撮像画像から検出された物体の接地位置に基づいて、物体までの距離を計算してもよい。
測距装置17は、例えば、レーザレンジファインダ(LRF:Laser Range-Finder)、レーダユニット、レーザスキャナユニットであってよい。
カメラ16と測距装置17は、検出した周囲環境の情報である周囲環境情報をナビゲーションシステム7、走行コントローラ8及びコントローラ11へ出力する。
内部センサ3は、自車両の走行状態を検出するセンサである。内部センサ3は、例えば車速センサ18や操舵角センサ19を備えてよい。
車速センサ18は、自車両の車速を検出する。操舵角センサ19は、コラムシャフト回転角、すなわち、ステアリングホイールの操舵角θs(ハンドル角度)を検出する。
内部センサ3は、例えば自車両に発生する加速度を検出する加速度センサや、自車両の角速度を検出するジャイロセンサを備えてもよい。
内部センサ3は、検出した走行状態の情報である走行状態情報をナビゲーションシステム7、走行コントローラ8及びコントローラ11へ出力する。
測位装置4は、複数の航法衛星から電波を受信して自車両の現在位置を取得し、取得した自車両の現在位置を、ナビゲーションシステム7、及び走行コントローラ8へ出力する。測位装置4は、例えばGPS(地球測位システム:Global Positioning System)受信機や、GPS受信機以外の他の全地球型測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)受信機を有していてもよい。
地図データベース5は、道路地図データを記憶している。
道路地図データは、車線境界線や車線区分線などの白線の形状(車線形状)や座標情報、道路や白線の高度、道路上又は道路周辺に設けられた信号機、停止線、標識、建物、電柱、縁石、横断歩道等の地物の座標情報を含む。
道路地図データは、さらに道路種別、道路の勾配、車線数、制限速度(法定速度)、道幅、合流地点の有無等に関する情報を含んでもよい。道路種別には、例えば一般道路と高速道路が含んでよい。
地図データベース5は、ナビゲーションシステム7、及び走行コントローラ8から参照される。
通信装置6は、自車両の外部の通信装置との間で無線通信を行う。通信装置6による通信方式は、例えば公衆携帯電話網による無線通信や、車車間通信、路車間通信、又は衛星通信であってよい。
ナビゲーションシステム7、走行コントローラ8及びコントローラ11は、地図データベース5に代えて又は加えて外部の情報処理装置から、通信装置6によって道路地図データを取得してもよい。
ナビゲーションシステム7は、自車両の運転者によって地図上に設定された目的地までの経路案内を自車両の乗員に対して行う。ナビゲーションシステム7は、外部センサ2、内部センサ3、測位装置4から入力された各種情報を用いて自車両の現在位置を推定し、目的地までの経路を生成し、乗員に経路案内を行う。ナビゲーションシステム7は、その経路情報を走行コントローラ8へ出力する。
走行コントローラ8は、車線維持制御や、先行車追従制御、自動ブレーキ制御、定速走行制御などの運転支援制御や、運転者が関与せずに自車両を自動で運転する自動運転制御を行う。
例えば運転支援制御では、走行コントローラ8は、測位装置4による測位結果と、外部センサ2が検出した周囲環境と、地図データベース5の道路地図データと、内部センサ3が検出した自車両の走行状態に基づいて、自車両が走行すべき目標走行軌道を設定する。
自動運転制御では、走行コントローラ8は、ナビゲーションシステム7から出力された経路情報と、周囲環境と、道路地図データと、自車両の走行状態に基づいて、自車両が走行すべき目標走行軌道を設定する。
走行コントローラ8は、自車両が目標走行軌道に沿って走行するように、アクセル開度アクチュエータ9及びブレーキ制御アクチュエータ10を駆動して、自車両の駆動力及び制動力を制御する。
アクセル開度アクチュエータ9は、車両のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータ10は、車両のブレーキ装置の制動動作を制御する。
また走行コントローラ8は、運転支援制御や自動運転制御が自動操舵制御を含む場合に、目標走行軌道に沿って自車両を走行させるためのステアリングホイールの目標操舵角θtを決定する。走行コントローラ8は、目標操舵角θtをコントローラ11に出力する。
コントローラ11は、転舵輪の転舵制御とステアリングホイールの反力制御を行う電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。
コントローラ11は、プロセッサ20と記憶装置21等の周辺部品とを含む。プロセッサ20は、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
コントローラ11は、走行コントローラ8と一体の電子制御ユニットであってもよく、別個の電子制御ユニットであってもよい。
記憶装置21は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置を備えてよい。記憶装置21は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
なお、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路でコントローラ11を実現してもよい。例えば、コントローラ11はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
コントローラ11は、ステアリングホイールの操舵角θsと、操舵角速度Δθsと、自車両の車速と、走行コントローラ8が決定した目標操舵角θtに応じて、ステアリングホイールへ付与する回転トルクの指令値である指令操舵トルクTrを決定する。
このとき、コントローラ11は運転者がステアリングホイールを操作したか否かを判断し、運転者がステアリングホイールを操作していない場合には、操舵角θsが目標操舵角θtとなるように操舵角制御トルクを決定する。
コントローラ11は、決定した回転トルクを反力アクチュエータ12に発生させる制御信号を第1駆動回路13へ出力し、反力アクチュエータ12を駆動することにより、決定した操舵反力トルクや操舵角制御トルクをステアリングホイールへ付与する。
コントローラ11は、運転者又は反力アクチュエータ12により操作されたステアリングホイールの操舵角θs及び操舵角速度Δθsに応じて、転舵輪の転舵角の指令値である指令転舵角を決定する。
コントローラ11は、決定した指令転舵角を第2駆動回路15に出力し、実際の転舵角が指令転舵角となるように転舵アクチュエータ14を駆動する。
図2を参照して、ステアバイワイヤ式の転舵機構を備える自車両の操舵系を説明する。
自車両は、操舵部31と、転舵部32と、バックアップクラッチ33を備える。バックアップクラッチ33が開放状態になると、運転者の操舵入力を受け付ける操舵部31と、転舵輪である左右前輪34FL、34FRを転舵する転舵部32と、が機械的に分離される。
操舵部31は、ステアリングホイール31aと、コラムシャフト31bと、電流センサ31cと、反力アクチュエータ12と、第1駆動回路13と、操舵角センサ19とを備える。
転舵部32は、ピニオンシャフト32aと、ステアリングギア32bと、ラックギア32cと、ステアリングラック32dと、転舵アクチュエータ14と、第2駆動回路15と、転舵角センサ35を備える。
また、コントローラ11は、ステアリングホイール31aの操舵角θs及び操舵角速度Δθsに応じて、指令転舵角を決定する転舵制御部36と、操舵角θsと、操舵角速度Δθsと、車速と、走行コントローラ8が決定した目標操舵角θtに応じて、指令操舵トルクTrを決定する反力制御部37を備える。
転舵制御部36及び反力制御部37の機能は、例えばコントローラ11の記憶装置21に格納されたコンピュータプログラムを、プロセッサ20が実行することによって実現されてよい。
反力アクチュエータ12と、第1駆動回路13と、コントローラ11は、操舵制御装置を形成する。
操舵部31のステアリングホイール31aは、運転者の操舵入力を受けて回転する。
コラムシャフト31bは、ステアリングホイール31aと一体に回転する。
反力アクチュエータ12は、例えば電動モータであってよい。反力アクチュエータ12は、コラムシャフト31bと同軸上に配置された出力軸を有する。
反力アクチュエータ12は、第1駆動回路13から出力される指令電流に応じて、ステアリングホイール31aに付与する回転トルクをコラムシャフト31bに出力する。回転トルクを付与することによって、ステアリングホイール31aに操舵反力トルクや操舵角制御トルクを発生させる。
第1駆動回路13は、電流センサ31cが検出した反力アクチュエータ12の駆動電流から推定される実際の操舵反力トルクと、反力制御部37から出力される制御信号が示す指令操舵トルクTrとを一致させるトルクフィードバックにより、反力アクチュエータ12へ出力する指令電流を制御する。
操舵角センサ19は、コラムシャフト31bの回転角、すなわち、ステアリングホイール31aの操舵角(ハンドル角度)θsを検出する。
一方で、転舵部32のステアリングギア32bは、ピニオンシャフト32aの回転に応じて、左右前輪34FL、34FRを転舵する。ステアリングギア32bとして、例えば、ラック・アンド・ピニオン式のステアリングギア等を採用してよい。
転舵アクチュエータ14は、例えばブラシレスモータ等の電動モータであってよい。転舵アクチュエータ14の出力軸は、減速機を介してラックギア32cと接続される。
転舵アクチュエータ14は、第2駆動回路15から出力される指令電流に応じて、左右前輪34FL、34FRを転舵するための転舵トルクをステアリングラック32dに出力する。
転舵角センサ35は、転舵アクチュエータ14の出力軸の回転角を検出し、検出した回転角に基づいて左右前輪34FL、34FRの転舵角を検出する。
第2駆動回路15は、転舵角センサ35により検出される実際の転舵角と転舵制御部36からの制御信号が示す指令転舵角とを一致させる角度フィードバックにより、転舵アクチュエータ14への指令電流を制御する。
バックアップクラッチ33は、コラムシャフト31bとピニオンシャフト32aとの間に設けられる。そして、バックアップクラッチ33は、解放状態になると操舵部31と転舵部32とを機械的に切り離し、締結状態になると操舵部31と転舵部32とを機械的に接続する。
図3を参照して、反力制御部37の機能構成を説明する。
反力制御部37は、ステアリングホイール31aの操舵角θsを所定の基準角度へ復帰させる復元成分である復元トルクTsと、操舵角速度Δθsに応じた粘性成分である粘性トルクTvと、操舵角速度Δθsに応じた摩擦成分である摩擦トルクTfと、を含んだ指令操舵トルクTrを算出する。
復元トルクTsは、セルフアライニングトルク(SAT)により操舵角θsを所定の基準角度に復帰させる操舵反力トルクである。
走行コントローラ8による自動操舵制御により操舵角θsを制御しない場合には、反力制御部37は、基準角度をステアリングホイール31aの中立位置に設定し、操舵角θsを中立位置へ復帰させる復元トルクTsを算出する。
図4Aを参照して、自動操舵制御により操舵角θsを制御しない場合の復元トルクTs特性を説明する。操舵角θsを示し縦軸は復元トルクTsを示す。
ここでは、右に旋回する操舵角θs、すなわち時計回りの操舵角θsの符号をプラスとし、左に旋回する操舵角θs、すなわち反時計回りの操舵角θsの符号をマイナスとする。また、反時計回りの方向の復元トルクTsの符号をプラスとし、時計回りの方向の復元トルクTsの符号をマイナスとする。
自動操舵制御により操舵角θsを制御しない場合には、操舵角θsがゼロのときに復元トルクTsがゼロになり、ゼロから時計回り方向に操舵角θsが増大したとき反時計回りの復元トルクTsが発生し、ゼロから反時計回り方向に操舵角θsが増大したとき時計回りの復元トルクTsが発生する。ことため、復元トルクTsは、ステアリングホイール31aを中立位置に復帰させるように働く。
一方で、走行コントローラ8による自動操舵制御により操舵角θsを制御する場合には、反力制御部37は、基準角度を目標操舵角θtに設定し、操舵角θsを目標操舵角θtへ復帰させる復元トルクTsを算出する。
図4Bを参照して、自動操舵制御により操舵角θsを制御する場合の復元トルクTs特性を説明する。
この場合には、操舵角θsが目標操舵角θtであるときに復元トルクTsがゼロになるように復元トルクTsの特性曲線がオフセットされている。このため、復元トルクTsは、操舵角θsを目標操舵角θtへ復帰させるように働く。言い換えると、操舵角θsが目標操舵角θtとなるように反力アクチュエータ12に回転トルクが付与され、ステアリングホイール31aに操舵角制御トルクが発生する。
これにより、運転者がステアリングホイール31aを操作しなければ、操舵角θsが目標操舵角θtに一致するように反力アクチュエータ12はサーボ制御される。操舵角θsは走行コントローラ8が決定した目標操舵角θtとなり、自車両が目標走行軌道に沿って走行するように操舵角θsが制御される。
次に、粘性トルクTvは、操舵角速度Δθsに応じてステアリングホイール31aに働く操舵反力トルクの粘性成分(ダンピング成分)を模したトルクである。
粘性トルクTvは、例えば図5に示すような特性を有し、操舵角速度Δθsに応じて変化する。
また、摩擦トルクTfは、操舵角速度Δθsに応じてステアリングホイール31aに働く操舵反力の摩擦成分を模した操舵トルクである。摩擦トルクTfを操舵反力トルクに加えることにより、運転者からの僅かな操舵入力がステアリングホイール31aに加わってもステアリングホイール31aが動きにくくなり、ステアリングホイール31aを安定させることができる。
摩擦トルクTfは、例えば図6に示すような特性を有していてよい。操舵角速度Δθsの絶対値が0からΔθ1まで増加すると、摩擦トルクTfの絶対値はピーク値Tpまで増大する。操舵角速度Δθsがピーク値Tpを超えると静摩擦が動摩擦に切り替わるために摩擦トルクTfの絶対値は急速に減少し、その後は、操舵角速度Δθsの絶対値が増大してもほぼ一定値となる。このように摩擦トルクTfは、ステアリングホイール31aに作用する摩擦が、静摩擦と動摩擦との間で切り替わる特性を有していてよい。
図3を参照する。図4A及び図4Bを参照して説明したように、反力制御部37は、自動操舵制御により操舵角θsを制御するか否かに応じて、復元トルクTsの特性を切り替える。
このため、反力制御部37は、運転者がステアリングホイール31aを手動で操作しているか否かを判定する操舵判定部40を備える。
操舵判定部40は、ステアリングホイール31aが手動で操作されているか否かを示す第1ゲインKを出力する。ステアリングホイール31aを手動で操作されている場合の第1ゲインKの値は「0」であり、ステアリングホイール31aが手動で操作されていない場合の第1ゲインKの値は「1」である。
例えば、操舵判定部40は、反力アクチュエータ12の出力と、操舵角速度Δθsに基づいて、ステアリングホイール31aが手動で操作さているか否かを判定してよい。
操舵判定部40は、電流センサ31cが検出した反力アクチュエータ12の駆動電流に基づいて反力アクチュエータ12の出力が「0」であるかを判断してよい。また、操舵判定部40は、操舵角θsを微分する角速度演算部41が出力する操舵角速度Δθsを取得してよい。
例えば、反力アクチュエータ12の出力及び操舵角速度Δθsの両方が「0」である場合に、操舵判定部40はステアリングホイール31aが手動で操作されていないと判断してよい。また、反力アクチュエータ12の出力及び操舵角速度Δθsの両方が「0」でない場合に、操舵判定部40はステアリングホイール31aが手動で操作されていないと判断してよい。
一方、反力アクチュエータ12の出力及び操舵角速度Δθsの一方が「0」で、他方が「0」でない場合に、操舵判定部40はステアリングホイール31aが手動で操作されていると判断してよい。
また例えば操舵判定部40は、ステアリングホイール31aと反力アクチュエータ12の力学モデルに基づいてステアリングホイール31aが手動で操作されているか否かを判定してよい。
例えば、ステアリングホイール31aと反力アクチュエータ12の慣性をJとし、反力アクチュエータ12のトルクをTmとし、運転者がステアリングホイール31aに加える操舵トルクをTdとすると、操舵トルクTdは、Td=Js-Tmによって算出できる。sはラプラス演算子である。
操舵判定部40は、操舵トルクTdが閾値未満のときステアリングホイール31aが手動で操作されていないと判断し、操舵トルクTdが閾値以上のときステアリングホイール31aが手動で操作されていると判断してよい。
また、操舵判定部40は、ステアリングホイール31aに設けたタッチセンサや、車内カメラで撮像した運転者の映像に基づいて、ステアリングホイール31aが手動で操作されているか否かを判定してよい。
例えば操舵判定部40は、運転者がステアリングホイール31aを把持している場合に、操舵トルクTdが閾値以上のとき、ステアリングホイール31aが手動で操作されていると判断してよい。
操舵判定部40は、これらの判断処理を組み合わせて第1ゲインKの値を決定してもよい。例えば操舵判定部40は、操舵角速度や反力アクチュエータ12の出力、上記力学モデルによってステアリングホイール31aが手動で操作されていないと判断しても、タッチセンサや車内カメラにより運転者がステアリングホイール31aを手動で操作していないと判断した場合に、第1ゲインKの値を「0」に設定してよい。
反力制御部37は、復元トルクTsを算出するために、乗算器42と、減算器43と、軸力算出部44と、SAT算出部45と、サーボ制御部46と、乗算器47と、加算器48を備える。
乗算器42は、走行コントローラ8から出力される目標操舵角θtに第1ゲインKを乗じる。乗算器42は、目標操舵角θtと第1ゲインKの積(K×θt)を減算器43へ入力する。減算器43は、操舵角θsから積(K×θt)を減じた差分(θs-(K×θt))を軸力算出部44へ入力する。
これにより、ステアリングホイール31aが手動で操作されている場合(K=0)には、操舵角θsがそのまま軸力算出部44へ入力される。
ステアリングホイール31aが手動で操作されていない場合(K=1)には、操舵角θsから目標操舵角θtを減じた差分(すなわち、操舵角θsを目標操舵角θtでオフセットした角度(θs-θt))が軸力算出部44へ入力される。
軸力算出部44は、差分(θs-(K×θt))と自車両の車速に基づき、操舵角-軸力変換マップ(MAP)を参照してラック軸力を推定する。
例えば、操舵角-軸力変換マップは、予め実験等で算出したコンベンショナルな操舵装置における車速毎の操舵角とラック軸力との関係を表すマップである。
軸力算出部44は、算出結果をSAT算出部45へ出力する。SAT算出部45は、軸力算出部44が推定したラック軸力と自車両の車速に基づいてセルフアライニングトルクを算出する。
ステアリングホイール31aが手動で操作されている場合(K=0)には、操舵角θsを用いてラック軸力が推定されるので、セルフアライニングトルクは、図4Aに示すようにステアリングホイール31aを中立位置に復帰させる操舵反力トルクとなる。
ステアリングホイール31aが手動で操作されていない場合(K=1)には、操舵角θsを目標操舵角θtでオフセットした角度(θs-θt)を用いてラック軸力が推定されるので、セルフアライニングトルクは、図4Bに示すように操舵角θsを目標操舵角θtに復帰させる操舵反力トルクとなる。
サーボ制御部46は、SAT算出部45により目標操舵角θtに復帰するように操舵された操舵角θsと、目標操舵角θtとの間に差が残っている場合に、操舵角θsが目標操舵角θtに一致するように反力アクチュエータ12をサーボ制御する。
乗算器47は、サーボ制御部46が算出したサーボ信号と第1ゲインKとを乗じ、その積を加算器48へ出力する。
加算器48は、サーボ信号と第1ゲインKとの積と、セルフアライニングトルクの和を、復元トルクTsとして出力する。
このため、ステアリングホイール31aが手動で操作された場合(K=0)には、復元トルクTsは、サーボ制御部46が算出したサーボ信号を含まない。
反力制御部37は、粘性トルクTvを算出する粘性トルク算出部49と、摩擦トルクTfを算出する摩擦トルク算出部50を備える。
粘性トルク算出部49は、操舵角速度Δθsに基づいて、例えば図5に示す特性を有する変換マップを用いて粘性トルクTvを算出してよい。
摩擦トルク算出部50は、操舵角速度Δθsに基づいて、例えば図6に示す特性を有する変換マップを用いて摩擦トルクTfを算出してよい。
自動操舵制御により操舵角θsが制御されている状態(例えばステアリングホイール31aが手動で操作されていない状態)では、摩擦トルクTfによりステアリングホイール31aの動きがカクカクしたものとなり、運転者に違和感を与えてしまうことがある。またカクカクした動きが大きいと自車両の挙動に表れることがある。
これは、例えば反力アクチュエータ12によるステアリングホイール31aの回転時に、滑り速度の増加とともに急激に摩擦係数が減少するときや、静摩擦から動摩擦に移る際の不連続的な摩擦低下が発生した場合に生じる。この結果、自動操舵制御によるスムーズな操舵が、摩擦トルクTfにより阻害されることがある。
そこで、反力制御部37は、ステアリングホイール31aが手動で操作されていない場合に摩擦トルクTfを抑制する第2ゲイン(1-α×K)を算出する。
具体的には、反力制御部37は、係数算出部51と、乗算器52と、減算器53を備える。
係数算出部51は、操舵角速度Δθsに応じた係数αを算出する。係数αは、操舵角速度Δθsが閾値より高い場合に「0」となる。
例えば、係数αは図7Aに示す特性を有していてよい。操舵角速度Δθsが第1閾値Δθ2以下の範囲では係数αは「1」であり、第1閾値Δθ2以上第2閾値Δθ3以下の範囲では係数αは「1」から「0」まで減少し、第2閾値Δθ3以上の範囲では係数αは「0」である。
係数αは図7Bに示す特性を有していてよい。操舵角速度Δθsが第3閾値Δθ4未満の範囲では係数αは「1」であり、第3閾値Δθ4以上の範囲では係数αは「0」である。
乗算器52は、第1ゲインKと係数αの積(α×K)を算出し、減算器53は第2ゲイン(1-α×K)を算出する。第2ゲイン(1-α×K)は、乗算器54によって摩擦トルクTfに乗算される。
ステアリングホイール31aが手動で操作されていると操舵判定部40が判断した場合(K=0)には第2ゲイン(1-α×K)は「1」に設定される。この結果、乗算器54から摩擦トルクTfが出力される。
また、操舵角速度Δθsが高く係数αが「0」になれば、第2ゲイン(1-α×K)は「1」にセットされる。自動操舵制御では、操舵角速度Δθsに上限が設けてられているため、操舵角速度Δθsが自動操舵制御の上限より高い場合には、ステアリングホイール31aが手動で操作されていると判断できるからである。
ステアリングホイール31aが手動で操作されると操舵角速度Δθsは早期に増加する。このため、迅速に手動操作を検出できる。これにより、操舵判定部40による判定に遅れがあったり、手動操作の検出を失敗しても、運転者による手動操作時に適切に摩擦トルクTfを付与できる。
一方で、ステアリングホイール31aが手動で操作されていないと操舵判定部40が判断し(K=1)、操舵角速度Δθsが低く係数αが「0」でなければ、(α×K)が「0」にならず、乗算器54から出力される摩擦トルクTfが抑制される。例えば、係数αが「1」である場合には第2ゲイン(1-α×K)は「0」に設定されるため、乗算器54の出力は「0」になり、摩擦トルクTfは完全にキャンセルされる。
これにより、ステアリングホイール31aが手動で操作されておらず、自動操舵制御により操舵角θsを制御する状況において、ステアリングホイール31aに働く摩擦トルクTfを抑制できる。このため、自動操舵制御において、摩擦トルクTfによりステアリングホイール31aの動きがカクカクするのを抑制することができ、スムーズな転舵を可能にする操舵反力トルクを付与できる。
ここで、図7AのΔθ2からΔθ3までの範囲のように、操舵角速度Δθsが高くなるほど係数αをより小さくすることにより、操舵角速度Δθsが高いほど摩擦トルクTfの抑制度合いがより小さくなるように徐変できる。これにより、急に摩擦トルクTfの抑制が切り替わることにより操舵フィーリングの低下が損なわれるのを防止できる。
なお、ステアリングホイール31aの手動操作に応じて摩擦トルクTfの抑制を切り替える場合には第1ゲインKに係数αを乗じたゲイン(α×K)を用い、復元トルクTsの切り替えには係数αを乗じない第1ゲインKを使用するのは以下の理由による。
例えば、カーブ路を走行中に自動操舵制御でステアリングホイール31aが操舵され、復元トルクTsが、図4Bに示すように目標操舵角θtでオフセットされている状況を想定する。
この状況で、運転者が誤ってステアリングホイール31aに触れて操舵角速度Δθsが発生したり、一時的に自動操舵制御中に操舵角速度Δθsが高くなったと、操舵角速度Δθsの発生により係数αが0になることが考えられる。
第1ゲインKに、係数αを乗じたゲイン(α×K)を用いていると、上記のような操舵角速度Δθsの発生によって第1ゲインK(α×K)が0になった場合に、ステアリングホイール31aを手動で操作されているとの判定がなされ、カーブ路の走行中に自動操舵制御が停止してしまう虞がある。
このため、復元トルクTsの切り替えには係数αを乗じない第1ゲインKを使用することで、操舵角速度Δθsの発生では、ステアリングホイール31aを手動で操作されているとは判定されないようすることによって自動操舵制御が停止しないようにしている。
反力制御部37は、復元トルクTsと、摩擦トルクTfと、粘性トルクTvを合計して指令操舵トルクTr=(Ts+(1-α×K)×Tf+Tv)を算出する加算器55及び56を備える。
加算器55は、乗算器54の出力((1-α×K)×Tf)と粘性トルクTvの和((1-α×K)×Tf+Tv)を算出する。加算器56は、加算器55の出力と復元トルクTsとの和(Ts+(1-α×K)×Tf+Tv)を指令操舵トルクTrとして第1駆動回路13へ出力する。
(動作)
次に、図8を参照して実施形態の操舵制御方法の一例を説明する。
ステップS1において走行コントローラ8は、運転支援制御又は自動運転制御の自動操舵制御において設定した目標走行軌道に沿って自車両を走行させるための目標操舵角θtを決定する。
ステップS2において操舵判定部40は、ステアリングホイール31aが手動で操作されているか否かを判定する。ステアリングホイール31aが手動で操作されている場合(ステップS2=Y)に処理はステップS3へ進む。ステアリングホイール31aが手動で操作されていない場合(ステップS2=N)に処理はステップS4へ進む。
ステップS3において操舵判定部40は、第1ゲインKを「0」に設定する。その後に処理はステップS5へ進む。
ステップS4において操舵判定部40は、第1ゲインKを「1」に設定する。その後に処理はステップS5へ進む。
ステップS5において乗算器42と、減算器43と、軸力算出部44と、SAT算出部45と、サーボ制御部46と、乗算器47と、加算器48は、セルフアライニングメントトルクによる復元トルクTsを算出する。
ステアリングホイール31aが手動で操作されている場合(K=0)には、軸力算出部44は操舵角θsに基づいてラック軸力を推定する。このため、セルフアライニングトルクは、ステアリングホイール31aを中立位置に復帰させる操舵反力トルクとなる。
ステアリングホイール31aが手動で操作されていない場合(K=1)には、軸力算出部44は、操舵角θsを目標操舵角θtでオフセットした角度(θs-θt)を用いてラック軸力を推定する。このため、セルフアライニングトルクは、操舵角θsを目標操舵角θtに復帰させる操舵反力トルクとなる。
サーボ制御部46は、操舵角θsが目標操舵角θtに一致するように反力アクチュエータ12をサーボ制御する。乗算器47及び加算器48は、サーボ制御部46のサーボ信号と第1ゲインKとの積と、セルフアライニングトルクとの和を復元トルクTsとして算出する。
このため、ステアリングホイール31aが手動で操作されていない場合(K=1)の復元トルクTsは、サーボ制御部46のサーボ信号を含み、ステアリングホイール31aが手動で操作されている場合(K=0)の復元トルクTsは、サーボ制御部46のサーボ信号を含まない。
ステップS6において粘性トルク算出部49は、操舵角速度Δθsに基づいて粘性トルクTvを算出する。また、摩擦トルク算出部50は、操舵角速度Δθsに基づいて摩擦トルクTfを算出する。
ステップS7において係数算出部51は、操舵角速度Δθsに応じた係数αを算出する。
ステップS8において乗算器52及び減算器53は、ステアリングホイール31aが手動で操作されていない場合に摩擦トルクTfを抑制する第2ゲイン(1-α×K)を算出する。
ステップS9において加算器55及び56は、復元トルクTsと、摩擦トルクTfと、粘性トルクTvを合計して指令操舵トルクTr=(Ts+(1-α×K)×Tf+Tv)を算出する。
ステップS10において第1駆動回路13は、反力アクチュエータ12の駆動電流から推定される実際の操舵反力トルクと、指令操舵トルクTrとを一致させるトルクフィードバックにより、反力アクチュエータ12へ出力する指令電流を制御して、反力アクチュエータ12を駆動する。
ステップS11において、転舵制御部36は、ステアリングホイール31aの操舵角θs及び操舵角速度Δθsに応じて指令転舵角を決定する。第2駆動回路15は、転舵角センサ35により検出される実際の転舵角と指令転舵角とを一致させる角度フィードバックにより、転舵アクチュエータ14への指令電流を制御して、転舵アクチュエータ14を駆動する。その後に処理は終了する。
(実施形態の効果)
(1)自車両は、ステアリングホイール31aと転舵輪34FL及び34FRとの間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構を備える。反力制御部37は、ステアリングホイール31aの操舵角θsを基準角度へ復帰させる復元トルクTsと、ステアリングホイール31aの操舵角速度Δθsに応じた粘性トルクTvと、操舵角速度Δθsに応じた摩擦トルクTfと、を含んだ操舵反力を設定し、ステアリングホイール31aに操舵反力が発生するように、ステアリングホイール31aに回転トルクを付与する反力アクチュエータ12を制御する。
転舵制御部36は、操舵角θsに応じて転舵輪の転舵角34FL及び34FRを制御する。操舵判定部40は、運転者がステアリングホイール31aを操作しているか否かを判断する。
運転者がステアリングホイール31aを操作してない場合に、走行コントローラ8は、自車両が走行する目標走行軌道を設定し、反力制御部37は、ステアリングホイール31aの操舵角θsが、目標走行軌道に沿って自車両を走行するための目標操舵角となるように反力アクチュエータ12を制御し、乗算器54は、指令操舵トルクTrに含まれる摩擦トルクTfを抑制する。
これにより、自動操舵制御において、ステアリングホイール31aの動きが摩擦トルクTfのためにカクカクするのを抑制でき、スムーズな転舵を可能にする操舵反力トルクを付与できる。
(2)乗算器54は、第2ゲイン(1-α×K)を摩擦トルクTfに乗じることにより、摩擦トルクTfを抑制する。係数αは、操舵角速度Δθsが閾値より高い場合に「0」に設定されるため、操舵角速度Δθsが閾値より高い場合に第2ゲイン(1-α×K)は「1」となり、摩擦トルクTfは抑制されない。
操舵角速度Δθsが高い場合には、ステアリングホイール31aが手動で操作されていると考えられるので、手動による操舵フィーリングが摩擦トルクTfの抑制により損なわれるのを回避できる。
(3)係数算出部51は、操舵角速度Δθsが速いほど小さくなるように係数αを設定する。このため、操舵角速度Δθsが速いほど、摩擦トルクTfの抑制度合いはより小さくように徐変する。これにより、急に摩擦トルクTfの抑制が切り替わることにより操舵フィーリングの低下が損なわれるのを防止できる。
(4)操舵判定部40は、運転者がステアリングホイールを操作せずにステアリングホイールを把持している場合には第1ゲインKを「0」に設定する。したがって摩擦トルクTfは抑制されない。これにより、ステアリングホイールを把持している状態から操舵が開始された時に適切に摩擦トルクTfを付与することができ、摩擦トルクTfの抑制により操舵フィーリングが損なわれるのを回避できる。
ここに記載されている全ての例及び条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものであり、具体的に記載されている上記の例及び条件、並びに本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく解釈されるべきものである。本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
1…車両制御装置、2…外部センサ、3…内部センサ、4…測位装置、5…地図データベース、6…通信装置、7…ナビゲーションシステム、8…走行コントローラ、9…アクセル開度アクチュエータ、10…ブレーキ制御アクチュエータ、11…コントローラ、12…反力アクチュエータ、13…第1駆動回路、14…転舵アクチュエータ、15…第2駆動回路、16…カメラ、17…測距装置、18…車速センサ、19…操舵角センサ、20…プロセッサ、21…記憶装置、31…操舵部、31a…ステアリングホイール、31b…コラムシャフト、31c…電流センサ、32…転舵部、32a…ピニオンシャフト、32b…ステアリングギア、32c…ラックギア、32d…ステアリングラック、33…バックアップクラッチ、34FR、34FL…左右前輪、35…転舵角センサ、36…転舵制御部、37…反力制御部、40…操舵判定部、41…角速度演算部、42、47、52、54…乗算器、43、53…減算器、44…軸力算出部、45…SAT算出部、46…サーボ制御部、48、55、56…加算器、49…粘性トルク算出部、50…摩擦トルク算出部、51…係数算出部

Claims (5)

  1. ステアリングホイールと転舵輪との間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構を備える車両の操舵制御方法であって、
    前記ステアリングホイールの操舵角を基準角度へ復帰させる復元成分と、前記ステアリングホイールの操舵角速度に応じた粘性成分と、前記操舵角速度に応じた摩擦成分と、を含んだ操舵反力を設定し、前記ステアリングホイールに前記操舵反力が発生するように、ステアリングホイールに回転トルクを付与するアクチュエータを制御し、
    前記操舵角に応じて前記転舵輪の転舵角を制御し、
    運転者が前記ステアリングホイールを操作しているか否かを判断し、
    前記運転者が前記ステアリングホイールを操作していない場合に、前記車両が走行する目標走行軌道を設定し、前記ステアリングホイールの操舵角が、前記目標走行軌道に沿って前記車両を走行するための目標操舵角となるように前記アクチュエータを制御し、前記操舵反力に含まれる前記摩擦成分を抑制する、
    ことを特徴とする操舵制御方法。
  2. 前記操舵角速度が閾値より高い場合は、前記摩擦成分を抑制しないことを特徴とする請求項1に記載の操舵制御方法。
  3. 前記操舵角速度が速いほど、前記摩擦成分の抑制度合いをより小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の操舵制御方法。
  4. 前記運転者が前記ステアリングホイールを操作せずに前記ステアリングホイールを把持している場合に、前記摩擦成分を抑制しないことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の操舵制御方法。
  5. ステアリングホイールと転舵輪との間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構を備える車両の操舵制御装置であって、
    前記ステアリングホイールに回転トルクを付与するアクチュエータと、
    前記アクチュエータを駆動する駆動回路と、
    前記ステアリングホイールの操舵角を基準角度に復帰させる復元成分、前記ステアリングホイールの操舵角速度に応じた粘性成分、及び前記操舵角速度に応じた摩擦成分を含んだ操舵反力を設定し、前記ステアリングホイールに前記操舵反力を発生させる制御信号を前記駆動回路へ出力するコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記操舵角に応じて前記転舵輪の転舵角を制御し、運転者が前記ステアリングホイールを操作しているか否かを判断し、前記運転者が前記ステアリングホイールを操作していない場合に、前記操舵角が、目標走行軌道に沿って前記車両を走行させるための目標操舵角となるように前記アクチュエータを制御し、前記操舵反力に含まれる前記摩擦成分を抑制することを特徴とする操舵制御装置。
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