JP7071907B2 - 車両の走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵と加減速の少なくともいずれかを自動的に制御する自動運転制御が可能であって、かつ、左右一対の車輪をそれぞれ独立に回転駆動することができる車両の走行制御装置に関する。
走行中の車両が車線変更(レーンチェンジ)を行う場合、通常は運転者がステアリングハンドルを操作して現在走行している車線から他の車線へと車両を移動させることが行われる。この車線変更に関して、例えば、特許文献1には、4輪駆動車両において、速度変化が小さいときには後輪への伝達トルクを0とし、ほぼ一定速度で概ね直進しているときには、後輪への動力の伝達ロスを無くして燃料消費量を抑え、左右輪の速度差が大きいと判断された場合には、後輪への伝達トルクの配分を再開することによって、運転者が車線変更を行った際に後輪への動力伝達を直ちに再開して車両の安定した走行を実現する提案がなされている。
また、特許文献2には、自動運転中の車両の走行路上に車線の分岐路などの車線変更位置を認識した場合において操舵系に異常を検出したときには、車両をヨーモーメント制御自在な車線変更時速度として算出し、この車線変更時速度に基づいてヨーブレーキ制御を実行して車線変更位置を通過するようにした車両の走行制御装置が提案されている。
さらに、特許文献3には、前方の障害物(速度の遅い先行車両など)を回避するための車両の運転支援制御システムが提案されている。この運転支援制御システムにおいては、前方の障害物を回避するための車両の走行軌跡を決定し、この走行軌跡を実現するための横加速度を算出し、この横加速度を静的条件下でのヨーレートに変換し、このヨーレートに位相進み項を付加する。そして、そのようなヨーレートを実現するように、当該車両にヨーモーメントを加えることによって、車両が障害物を応答性良く回避することができる。
特開2000-085393号公報 特開2016-068705号公報 特開2003-341501号公報
ところで、自動運転中の車両の車線変更は、障害物を回避する場合だけでなく、例えば、車線数の減少に伴う車線変更、右左折前の車線変更、追い越し/追い抜きのための車線変更などの様々な状況を考慮して行われる必要があるが、前記特許文献1~3において提案された技術では、このことに対応することができない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、自動運転中の車両の様々な状況下でのスムーズで素早い車線変更を実現することができる車両の走行制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明にかかる車両の走行制御装置は、走行モードとして操舵と加減速の少なくともいずれかを自動的に制御する自動運転モードを選択可能であって、駆動源(ML,MR)からの駆動力を左右の車輪(WRL,WRR)に伝達して該左右の車輪(WRL,WRR)をそれぞれ独立に回転駆動する車両(1)に設けられる走行制御装置(100)であって、走行モードとして自動運転モードが選択された場合に車線変更の要求があると、少なくとも左右の車輪(WRL,WRR)への駆動力配分を制御する走行制御部(120)を備えることを特徴とする。
本発明にかかる車両の走行制御装置によれば、自動運転中の車両の車線変更を少なくとも左右の車輪への駆動力配分を制御することによって行うようにしたため、様々な状況下において車両の車線変更をスムーズに素早く行うことができる。
また、この車両の走行制御装置では、前記走行制御部(120)は、車線変更の要求があると、ステアリングホイール(74)の操舵角と左右の車輪(WRL,WRR)への駆動力配分を制御するようにしてもよい。
この構成によれば、ステアリングホイールの操舵角と左右の車輪への駆動力配分を同時に制御することによって車両の車線変更を行うようにしたため、より一層素早く車線変更を行うことができる。
また、この車両の走行制御装置では、車線変更の要求があると、車線変更軌跡を算出し、算出された車線変更軌跡に基づいて車速、操舵角、左右の駆動力、路面の摩擦係数、加速度およびヨーレートを推定し、これらの推定値に基づいてステアリングホイール(74)の操舵角と左右の車輪(WRL,WRR)への駆動力配分の制御目標値を算出する自動運転制御部(110)を備えてもよい。
この構成によれば、自動運転中の車両の車線変更時のステアリングホイールの操舵角と左右の車輪への駆動力配分の制御目標値を、車線変更軌跡から推定される車速、操舵角、左右の駆動力、路面の摩擦係数、加速度およびヨーレートに基づいて設定することができる。
また、この車両の走行制御装置では、前記自動運転制御部(110)は、ステアリングホイール(74)の操舵角と左右の車輪(WRL,WRR)への駆動力配分の目標制御値を、車線変更が最も短時間で実行される値に設定することを特徴とする。
この構成によれば、ステアリングホイールの操舵角と左右の車輪への駆動力配分の制御目標値を、車線変更が最も短時間で実行される値に設定したため、車両の車線変更をより一層素早く行うことができる。
また、この車両の走行制御装置では、前記自動運転制御部(110)は、車線変更のステアリングホイールの操作によって生じる加速度の減少分を補う駆動力を発生するように左右の車輪(WRL,WRR)への駆動力配分を制御してもよい。
この構成によれば、加速度の減少分を補う駆動力を発生させることによってステアリングホイールの操舵角を小さく抑えて各部の挙動をスムーズにすることができる。
また、この車両の走行制御装置では、車線変更時に車線変更前よりも加速度が上昇するように左右の車輪(WRL,WRR)への駆動力配分を制御してもよい。
この構成によれば、車線変更時に車線変更前よりも加速度が上昇することによって、車両の車線変更をより一層素早く行うことができる。
また、この車両の走行制御装置では、前記走行制御部(120)からの車線変更の指令は、ウインカー(96)の点滅指令に連動して行うようにしてもよい。
この構成によれば、車線変更の指令とウインカーの点滅指令とを連動させて同時に行うことができる。
また、この車両の走行制御装置では、前記自動運転制御部(110)は、自車位置を認識する自車位置認識部(112)と、自車周辺の外界を認識する外界認識部(114)を備え、前記走行制御部(120)は、前記自車位置認識部(112)によって認識される自車位置の周辺に、前記外界認識部(114)によって認識される他車が存在しない場合に限り車線変更指令を出力するようにしてもよい。
この構成によれば、車両の車線変更を周囲に障害物(他車)が存在しないことを確認した上で安全に行うことができる。
本発明にかかる車両の走行制御装置によれば、自動運転中の車両の様々な状況下でのスムーズで素早い車線変更を実現することができる。
本発明に係る走行制御装置を備える車両の動力伝達経路を模式的に示す平面図である。 本発明に係る走行制御装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明に係る走行制御装置の制御手順を示すフローチャートである。 (a),(b)は車両の車線変更の状況(車線数減少)を示す平面図である。 (a),(b)は車両の車線変更の状況を示す平面図であって、(a)は左折前、(b)は右折前の状況をそれぞれ示す。 車両の車線変更の状況を示す平面図であって、(a)は追い越し、(b)は追い抜きの状況をそれぞれ示す。 車線変更時の車両の操舵速度、操舵角、ヨーレート、ロールレートおよび加速度の時間変化を示すタイミングチャートである。 車線変更時の車両の操舵角と車速との関係を示す図である。 車線変更時の車両の操舵角と操舵速度との関係を示す図である。 車線変更時の車両のヨーレートと操舵速度との関係を示す図である。 車線変更時の車両のロールレートと操舵速度との関係を示す図である。 本発明が適用される車両の動力伝達経路の別形態を模式的に示す平面図である。 本発明が適用される車両の動力伝達経路の別形態を模式的に示す平面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[車両の動力伝達経路]
先ず、本発明に係る走行制御装置を備える車両の動力伝達経路を図1に基づいて以下に説明する。
すなわち、図1は本発明に係る走行制御装置を備える車両の動力伝達経路を模式的に示す平面図であり、図示の車両1は、自動運転が可能なフロント駆動・リアアシスト方式を採用する四輪駆動(4WD)車両である。この車両1においては、駆動源であるエンジンEと電動モータMが前部に横方向に並設されており、これらのエンジンEと電動モータMとの間にトランスミッションTが配置されている。
上記エンジンEと電動モータMの駆動力は、トランスミッションTとディファレンシャル装置(差動装置)Dを経て左右の車軸2L,2Rへと伝達され、これらの車軸2L,2Rとこれらの各外端部に取り付けられた駆動輪である左右の前輪WFL,WFRがそれぞれ回転駆動され、これらの前輪WFL,WFRの回転によって車両1が所定速度で走行する。
他方、車両1の後部には、従動輪である左右の後輪WRL,WRRが回転可能に配置されており、これらの後輪WRL,WRRは、左右の電動モータML,MRによってそれぞれ独立に回転駆動される。すなわち、各電動モータML,MRの駆動力は、左右の車軸3L,3Rを経て左右の後輪WRL,WRRへと伝達され、これらの後輪WRL,WRRが各々独立に回転駆動されるために車両1が所定の速度で走行する。
ところで、車両1の前部に配置された電動モータMと後部に配置された左右の電動モータML,MRは、インバータ(PFU)4に電気的に接続されており、インバータ4は、本発明に係る後述の走行制御装置100によって制御され、この制御によって前部の電動モータMと後部の左右の電動モータML,MRの駆動がそれぞれ制御される。なお、本実施の形態では、走行制御装置100は、電源回路制御装置(IPU)によって構成されており、その構成の詳細は後述する。
[走行制御装置のシステム構成]
次に、図1に示す車両1に設けられた走行制御装置100のシステム構成を図2に基づいて以下に説明する。
すなわち、図2は走行制御装置100のシステム構成を示すブロック図であり、図示の制御装置100は、外部状況取得部12、経路情報取得部13、走行状態取得部14などの車両1(図1参照)の外部から各種情報を取り入れるための手段を備えている。
また、走行制御装置100は、アクセルペダル70、ブレーキペダル72、ステアリングホイール(ハンドル)74、切替スイッチ80などの操作デバイスと、アクセル開度センサ71、ブレーキ踏量センサ(ブレーキスイッチ)73、ステアリング操舵角センサ(ステアリングトルクセンサ)75などの操作検出センサと、報知装置(出力部)82と、乗員識別部(車内カメラ)15とを備えている。
さらに、走行制御装置100は、車両1の駆動と駆動力配分や操舵などを行うための装置として、走行駆動力出力装置(駆動装置)90と、ステアリング装置92およびブレーキ装置94を備えている。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線などの多重通信線やシリアル通信線、無線通信網などによって互いに接続されている。なお、例示した操作デバイスについてはあくまで一例であり、ボタン、ダイヤルスイッチ、GUI(Graphical User Interface)スイッチなどが車両1に搭載されていても構わない。また、図1に示す車両1の前後の左右には、図2に示すウインカー(フラッシャーランプ)96が設けられている。
ここで、各種構成要素について説明する。
(外部状況取得部)
前記外部情報取得部12は、車両1の外部状況、例えば、走行路の車線や周辺の物体などの車両1の周辺の環境情報を取得するものであって、例えば、各種カメラ(単眼カメラ、ステレオカメラ、赤外線カメラなど)や各種レーダ(ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、レーザレーダなど)などを備えている。ここで、カメラによって得られた情報とレーダにより得られた情報を統合するフュージョンセンサを使用することも可能である。
(経路情報取得部)
経路情報取得部13は、ナビゲーション装置を含んでおり、ナビゲーション装置は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や地図情報(ナビ地図)、ユーザインターフェースとして機能するタッチパネル式表示装置、スピーカ、マイクなどを備えている。ここで、ナビゲーション装置は、GNSS受信機によって車両1の位置を特定し、その特定した位置からユーザによって指定された目的地までの経路を導出する。そして、ナビゲーション装置によって導出された経路は、経路情報144として記憶部140に格納される。なお、車両1の位置は、走行状態取得部14の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。
また、ナビゲーション装置は、制御装置100が手動運転モードを実行している際に、目的地に至る経路について音声やナビ表示によって案内を行う。なお、車両1の位置を特定するための構成は、ナビゲーション装置とは独立して設けられていてもよい。また、ナビゲーション装置は、例えば、ユーザが保有するスマートフォンやタブレット端末などの端末装置の一機能によって構成されてもよい。この場合、端末装置と走行制御装置100との間で無線または有線による通信によって情報の送受信が行われる。
(走行状態取得部)
走行状態取得部14は、車両1の現在の走行状態を取得するものであって、走行位置取得部26と、車速取得部28と、ヨーレート取得部30と、操舵角取得部32および走行軌道取得部34を備えている。
<走行位置取得部>
走行位置取得部26は、走行状態の1つである車両1の走行位置と走行姿勢(進行方向)を取得するものであって、各種測位装置、例えば、衛星や路上装置から送信される電磁波を受信して位置情報(緯度、軽度、高度、座標など)を取得する装置(GPS受信機、GNSS受信機、ビーコン受信機など)やジャイロセンサや加速度センサなどを備えている。なお、車両1の走行位置は、当該車両1の特定部位を基準として測定される。
<車速取得部>
車速取得部28は、車両1の車速を取得するものであって、これには車速センサが用いられる。
<ヨーレート取得部>
ヨーレート取得部30は、走行状態の1つである車両1のヨーレートを取得するものであって、例えば、ヨーレートセンサなどを備えている。
<操舵角取得部>
操舵角取得部32は、車両1の走行状態の1つである操舵角を取得するものであって、例えば、ステアリングシャフトに設けられたステアリング操舵角センサ75などを備えている。なお、ステアリング操舵角センサ75によって取得された操舵角に基づいて操舵角速度と操舵角加速度も取得される。
<走行軌道取得部>
走行軌道取得部34は、走行状態の1つである車両1の実走行軌道の情報(実走行軌道)を取得するものであって、メモリを備えており、メモリは、実走行軌道に含まれる一連の点列の位置情報を記憶する。ここで、実走行軌道とは、実際に車両1が走行した軌道(軌跡)を含んでおり、これから走行する予定の軌道、例えば、走行した軌道(軌跡)の進行方向前側の延長線を含んでいてもよい。この場合、延長線は、コンピュータなどにより予測可能である。
(アクセル開度センサ、ブレーキ踏量センサおよびステアリング操舵角センサ)
ところで、操作検出センサであるアクセル開度センサ71、ブレーキ踏量センサ73、ステアリング操舵角センサ75は、検出結果としてのアクセル開度、ブレーキ踏量、ステアリング操舵角をそれぞれ制御装置100に対して出力する。
(切替スイッチ)
切替スイッチ80は、車両1の乗員によって操作されるスイッチであって、乗員の操作を受け付け、受け付けた操作内容から運転モード(例えば、自動運転モードと手動運転モード)の切り替えを行う。例えば、切替スイッチ80は、乗員の操作内容から、車両1の運転モードを指定する運転モード指定信号を生成し、この運転モード指定信号を走行制御装置100に対して出力する。
(シフト装置)
シフト装置60は、運転者によって不図示のシフトレバーを介して操作されるものであって、このシフト装置60におけるシフトレバーのポジションには、P(パーキング)、R(後進走行)、N(ニュートラル)、D(自動変速モード(ノーマルモード)での前進走行)、S(スポーツモードでの前進走行)などがある。そして、シフト装置60の近傍には、シフトポジションセンサ205が設けられており、このシフトポジションセンサ205は、運転者によって操作されるシフトレバーのポジション(シフトポジション)を検出する。
(パドルスイッチ)
パドルスイッチ65は、ステアリングホイール74の近傍に設けられており、手動運転時(手動運転モード)での手動変速モードでシフトダウンを指示するための-スイッチ(マイナスボタン)66と、手動変速モードでシフトアップを指示する+スイッチ(プラスボタン)67を備えている。
手動運転モードにおける手動変速モード(マニュアルモード)では、-スイッチ66と+スイッチ67の操作信号は、走行制御装置100に対して出力され、車両1の走行状態に応じてトランスミッションT(図1参照)において設定される変速段のアップシフトまたはダウンシフトが行われる。
(報知装置)
報知装置82は、情報を出力することができる種々の装置であって、例えば、車両1の乗員に対して、自動運転モードから手動運転モードへの移行を促すための情報を出力する。この報知装置82としては、例えば、スピーカ、バイブレータ、表示装置、発光装置などの中から少なくとも1つが用いられる。
(乗員識別部)
乗員識別部15は、例えば、車両1の車室内を撮像可能な車内カメラを備えており、この車内カメラとしては、例えば、CCDやCMOSなどの個体撮像素子を利用したデジタルカメラや近赤外光源と組み合わされた近赤外カメラなどが使用される。走行制御装置100は、車内カメラによって撮像された画像を取得し、その画像に含まれるドライバの顔の画像から、現在の車両1のドライバを識別する。
(走行駆動力出力装置)
走行駆動力出力装置(駆動装置)90は、エンジンE(図1参照)および該エンジンEを制御する不図示のFI-ECU(Electronic Control Unit)と、トランスミッションT(図1参照)と該トランスミッションTを制御するAT-ECUを備えて構成されている。なお、これ以外にも、走行駆動力出力装置90としては、車両1が電動機を駆動源とする電気自動車である場合には、走行用モータおよび該走行用モータを制御するモータECUによって構成されるものが使用される。また、車両1がハイブリッド自動車である場合には、走行駆動力出力装置90は、エンジンEおよびエンジンECUと走行用モータおよびモータECUで構成されるものが使用される。
本実施の形態のように、走行駆動力出力装置90がエンジンEとトランスミッションTを備えて構成されている場合には、FI-ECUとAT-ECUは、後述の走行制御部120から入力される情報に従って、エンジンEのスロットル開度やトランスミッションTのシフト段などを制御し、車両1が走行するための走行駆動力(トルク)を出力する。そして、走行駆動力出力装置90が走行用モータのみを含む場合、モータECUは、走行制御部120から入力される情報に従って、走行用モータに与えるPWM信号のデューティ比を調整し、車両1が走行するための走行駆動力(トルク)を出力する。また、走行駆動力出力装置90がエンジンEと走行用モータを含む場合、FI-ECUとモータECUの双方は、走行制御部120から入力される情報に従って、車両1が走行するための走行駆動力(トルク)を互いに協調して出力する
(ステアリング装置)
ステアリング装置(EPS)92は、例えば、駆動源として電動モータを備えており、電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて操舵輪である左右の前輪WFL,WFR(図1参照)を転舵させる。すなわち、ステアリング装置92は、走行制御部120から入力される情報に従って電動モータを駆動して左右の前輪WFL,WFRを転舵させる。
(ブレーキ装置)
ブレーキ装置94は、例えば、ブレーキキャリパと、該ブレーキキャリパに油圧を供給する油圧シリンダと、該油圧シリンダに油圧を発生させる電動モータと、制動制御部とを備えた電動サーボブレーキ装置である。この電動サーボブレーキ装置の制動制御部は、走行制御部120から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じた制動力を左右の前輪WFL,WFRと後輪WRL,WRRに対してそれぞれ出力する。
電動サーボブレーキ装置は、ブレーキペダル72の操作によって発生する油圧をマスタシリンダを介して油圧シリンダに供給する機構をバックアップとして備えていてもよい。なお、ブレーキ装置94は、以上に説明した電動サーボブレーキ装置に限らず、電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。この電子制御式油圧ブレーキ装置は、走行制御部120から入力される情報に従ってアクチュエータを制御し、マスタシリンダで発生した油圧を油圧シリンダへと伝達する。また、ブレーキ装置94は、走行駆動力出力装置90が走行用モータを備える場合は、当該走行用モータによる回生ブレーキを含んでもよい。
[走行制御装置]
次に、走行制御装置100について説明する。この走行制御装置100は、自動運転制御部110と、走行制御部120および記憶部140を備えている。
(自動運転制御部)
自動運転制御部110は、自車位置認識部112と、外界認識部114と、行動計画生成部116および目標走行状態設定部118を備えている。ここで、自動運転制御部110の各部、走行制御部120の一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。また、これらのうちの一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Circuit)などのハードウェアによって実現されてもよい。
自動運転制御部110は、切替スイッチ80からの信号の入力に従って運転モードを切り替えて制御を行う。ここで、運転モードとしては、車両1の加速度および操舵を自動的に制御する自動運転モードや、車両1の加速度をアクセルペダル70やブレーキペダル72などの操作デバイスに対する操作に基づいて制御し、操舵をステアリングホイール74などの操作デバイスに対する操作に基づいて制御する手動運転モードがあるが、これらに限定されるものではない。他の運転モードとしては、例えば、車両1の加減速と操舵のうちの一方を自動的に制御し、他方を操作デバイスに対する操作に基づいて制御する半自動運転モードを設定してもよい。
<自車位置認識部>
自動運転制御部110の自車位置認識部112は、記憶部140に格納されている地図情報142と、外部状況取得部12、経路情報取得部13または走行状態取得部14から入力される情報とに基づいて、車両1が走行している車線(走行車線)および走行車線に対する車両1の相対位置を認識する機能を果たす。
自車位置認識部112は、例えば、車両1の基準点(重心など)の走行車線中央からの乖離および車両1の進行方向の走行車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する車両1の相対位置として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部112は、走行車線の何れかの側端部に対する車両1の基準点の位置などを、走行車線に対する車両1の相対位置と認識してもよい。
<外界認識部>
外界認識部114は、外部状況取得部12などから入力される情報に基づいて、周辺車両の位置や速度、加速度などの状態を認識する機能を果たす。本実施の形態における周辺車両とは、車両1の周辺を走行する他の車両であって、車両1と同じ方向に走行する車両である。周辺車両の位置は、車両1の重心やコーナーなどの代表点で表されてもよく、車両1の輪郭で表現された領域によって表されてもよい。ここで、周辺車両の「状態」とは、前記各種機器の情報に基づいて周辺車両の加速度、車線変更をしているか否か(或いは車線変更をしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部114は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者、その他の物体の位置を認識してもよい。
<行動計画生成部>
行動計画生成部116は、自動運転の開始地点、自動運転の終了予定地点、および/または自動運転の目的地を設定する機能を果たす。ここで、自動運転の開始地点は、車両1の現在位置であってもよく、車両1の乗員によって自動運転を指示する操作がなされた地点であってもよい。
行動計画生成部116は、自動運転の開始地点と終了予定地点との間の区間や、開始地点と自動運転の目的地との間の区間において行動計画を生成する。なお、これに限定されるものではなく、行動計画生成部116は、任意の区間について行動計画を生成してもよい。
行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。ここで、イベントには、例えば、車両1を減速させる減速イベントや、車両1を加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように車両1を走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント、車両1に先行車両を追い越させる追い越しイベント、分岐ポイントにおいて所望の車線に変更させたり、現在の走行車線を逸脱しないように車両1を走行させたりする分岐イベント、本線に合流するための合流車線において車両1を加減速させ、走行車線を変更させる合流イベントなどが含まれる。例えば、有料道路(高速道路など)においてジャンクション分岐点が存在する場合、走行制御装置100は、車両1を目的地の方向に進行するように車線を変更したり、車線を維持したりする。したがって、行動計画生成部116は、地図情報142を参照して経路上にジャンクションが存在していると判明した場合、現在の車両1の位置(座標)から当該ジャンクションの位置(座標)までの間に、目的地の方向に進行することができる所望の車線に車線変更するための車線変更イベントを設定する。なお、行動計画生成部116によって生成された行動計画を示す情報は、行動計画情報146として記憶部140に格納される。
(目標走行状態設定部)
目標走行状態設定部118は、行動計画生成部116によって生成された行動計画と、外部状況取得部12、経路情報取得部13および走行状態取得部14によって取得された各種情報に基づいて、車両1の目標とする走行状態である目標走行状態を設定する機能を果たす。この目標状態設定部118は、目標値設定部52と、目標軌道設定部54と、偏差取得部42および補正部44を備えている。
<目標値設定部>
目標値設定部52は、車両1が目標とする走行位置(緯度、経度、高度、座標など)の情報(単に「目標位置」とも言う)、車速の目標値情報(単に「目標車速」とも言う)、ヨーレートの目標値情報(単に「目標ヨーレート」とも言う)を設定するように構成されている。
<目標軌道設定部>
目標軌道設定部54は、外部状況取得部12によって取得される外部状況と経路情報取得部13によって取得される走行経路情報に基づいて、車両1の目標軌道の情報(単に「目標軌道」とも言う)を設定するように構成されている。ここで、目標軌道は、単位時間毎の目標位置の情報を含む。そして、各目標位置には、車両1の姿勢情報(進行方向)が対応づけられる。また、各目標位置に、車速、加速度、ヨーレート、横G、操舵角、操舵角速度、操舵角加速度などの目標値情報が対応づけられていてもよい。なお、上述の目標位置、目標車速、目標ヨーレートおよび目標軌道は、車両1の目標走行状態を示す情報である。
<偏差取得部>
偏差取得部42は、目標走行状態設定部118で設定される車両1の目標走行状態と、走行状態取得部14で取得される車両1の実走行状態とに基づいて、車両1の目標走行状態に対する実走行状態の偏差を取得する機能を果たす。
<補正部>
補正部44は、偏差取得部42によって取得される偏差に応じて車両1の目標走行状態を補正する機能を果たすものである。
(走行制御部)
走行制御部120は、車両1の走行を制御する機能を果たすものであって、加減速指令部55と、操舵指令部56と、駆動力配分指令部57と、ウインカー指令部58および車線変更指令部59を備えており、車両1の走行状態を、目標走行状態設定部118によって設定された車両1の目標走行状態または補正部44によって設定された新たな目標走行状態に一致或いは近づけるように走行制御の指令値を出力する。
<加減速指令部>
加減速指令部55は、車両1の走行制御のうち、加減速制御を行うように構成されている。具体的には、加減速指令部55は、目標走行状態設定部118または補正部44によって設定された目標走行状態(目標加減速度)と実走行状態(実加減速度)とに基づいて、車両1の走行状態を目標走行状態に一致させるための加減速度指令値を演算する。
<操舵指令部>
操舵指令部56は、車両1の走行制御のうち、操舵制御を行うように構成されている。具体的には、操舵指令部56は、目標走行状態設定部118または補正部44によって設定された目標走行状態と実走行状態とに基づいて、車両1の走行状態を目標走行状態に一致させるための操舵角速度指令値を演算する。
<駆動力配分指令部>
駆動力配分指令部57は、車線変更の要求があった場合に左右の電動モータML,MRへの動力配分の比率を指令する機能を果たす。
<ウインカー指令部>
ウインカー指令部58は、ステアリングホイール74が回転操作された場合に車両が旋回する方向のウインカー96を点滅させる指令を出力するものである。
<車線変更指令部>
車線変更指令部59は、車両1の車線変更を実行させるものであって、その機能の詳細は後述する。
(記憶部)
記憶部140は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどで構成されており、これには地図情報142と、経路情報144および行動計画情報146が格納されている。なお、プロセッサが実行するプログラムは、予め記憶部140に格納されていてもよく、車載インターネット設備などを介して外部装置からダウンロードされてもよい。また、プログラムは、当該プログラムを格納した可般型記憶媒体が不図示のドライブ装置に装着されることによって、記憶部140にインストールされてもよい。
ここで、地図情報142は、例えば、経路情報取得部13が有するナビ地図よりも高精度な地図情報であり、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報などを含んでいる。より具体的には、地図情報142には、道路情報や交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれる。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各斜線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識などの情報が含まれる。また、交通規制情報には、工事や交通事故、渋滞などによって車線が封鎖されているといった情報が含まれる。
[走行制御装置の作用]
次に、本発明に係る走行制御装置100の作用を図3~図6に基づいて以下に説明する。
車両1に設けられた図1および図2に示す走行制御装置100は、車両1の走行モードとして自動運転モードが選択された場合に車線変更の要求があると、少なくとも左右の後輪WRL,WRRへの駆動力配分を制御する走行制御部120を備えている。そして、この場合、走行制御部120は、車線変更の要求があると、ステアリングホイール74の操舵角と左右の後輪WRL,WRRへの駆動力配分を制御する。また、走行制御部120からの車線変更の指令は、ウインカー94(図2参照)の点滅指令に連動して行う。
ここで、走行制御装置100による車両1の走行制御の手順を図3に基づいて具体的に説明する。
図3は本発明に係る走行制御装置100の制御手順を示すフローチャートであり、走行制御装置100による車両1の制御が開始され(図3のステップS1)、運転者によって目的地が設定されると(ステップS2)、図2に示す自動運転制御部110の目標軌道設定部54によって目的地への移動軌跡が算出される。そして、車両1が走行を開始すると(ステップS3)、図2に示す経路情報取得部13に設けられたナビゲーション装置(GPS)によって車両1の走行状態が監視される(ステップS4)。
次に、走行モードとして自動運転モードが設定されて車両1が自動運転されているか否かが判定され(ステップS5)、車両1が自動運転されている場合(ステップS5:Yes)には、車線変更の要求があるか否かが判定される(ステップS6)。なお、車両1が自動運転されていない場合(ステップS5:No)、或いは自動運転されている場合(ステップS5:Yes)であっても、車線変更の要求がない場合(ステップS6:No)には、処理はステップS15へと移行し、車両1が目的地に到着したか否かが判定される。
ここで、車線変更が要求される様々な状況の例を図4~図6に示す。
図4~図6は車線変更が要求される状況の例を示す平面図であり、図4は車線数が減少する例を示すものであって、図4(a)に示すように左車線が途中で無くなった場合、或いは図4(b)に示すように右車線が途中で無くなった場合には車線変更の要求がなされる。
また、図5は車両1が交差点などにおいて左折或いは右折する前に車線変更する例を示しており、図5(a)に示すように右側の車線を走行している車両1が左折する場合には、該車両1に対して左側の車線に移る要求がなされ、図5(b)に示すように左側の車線を走行している車両1が右折する場合には、該車両1に対して右側の車線に移る要求がなされる。
さらに、図6は車両1の追い越し/追い抜きの状況を示し、図6(a)に示すように同じ左側車線を走行する速度の遅い他車1Aを追い越す場合には、車両1に対して右側車線に移る要求がなされ、図6(b)に示すように追い越した他車1Aを追い抜く場合には、車両1に対して左側車線(元々走行していた車線)に戻る要求がなされる。
ところで、図3に示すフローチャートのステップS6での判定の結果、車両1が図4~図6に示すような状況下にあるために車線変更が要求された場合(ステップS6:Yes)には、車両(自車)1の前方の障害物(先行する他車など)を図2に示す外部状況取得部12に設けられたカメラやレーダなどによって監視する(ステップS7)。そして、図2に示す自動運転制御部110においては、目標状態設定部118に設けられた目標軌跡設定部54によって車線変更軌跡が算出され(ステップS8)、算出された車線変更軌跡に基づいて車速、ステアリングホイール74(図2参照)の操舵角、左右の電動モータML,MR(図1参照)への駆動力、路面の摩擦係数(路面μ)、車両1の加速度およびヨーレートが推定される(ステップS9)。
すると、図2に示す自動運転制御部110に設けられた目標走行状態設定部118の目標値設定部54によってステアリングホイール74の操舵角と左右の後輪WRL,WRR(図1参照)への駆動力配分の目標制御値が設定される(ステップS10)。この場合、各目標制御値は、車線変更が最も短時間で実行される値に設定される。
次に、図2に示す走行制御部120に設けられたウインカー指令部58から左右のウインカー96の一方(ステアリングホイール74を切る方向のもの)に対して点滅信号を発信して当該ウインカー96を点滅させる(ステップS11)。そして、一方のウインカー96の点滅に連動して図2に示す走行制御部120に設けられた車線変更指令部59が車線変更指令を出力する(ステップS12)。
その後、車両(自車)1の周囲に障害物(例えば、他車)が無いか否かが判定される(ステップS13)。この判定は、図2に示す自動運転制御部110に設けられた自車位置認識部112によって認識される車両(自車)1の位置の周辺に、外界認識部114によって障害物(他車)が認識されるか否かによってなされる。そして、この判定の結果、車両(自車)1の周辺に障害物(他車)が存在しないことが確認されると(ステップS13:Yes)、車両1の車線変更が実行される(ステップS14)。すなわち、図2に示す走行制御部120に設けられた車線変更指令部59から車線変更指令が出力されると、ステアリングホイール74の操舵角と電動モータML,MRから後輪WRL,WRR(図1参照)への駆動力配分がステップS10において設定された目標制御値となるようにステアリング装置92と電動モータML,MR(図1参照)が制御される。なお、後輪WRL,WRRへの駆動力配分においては、左右の後輪WRL,WRRのうち、車線変更時に外輪側の駆動力が内輪側の駆動力よりも大きくなるような比率に設定される。
以上の結果、図4~図6に示すような様々な状況下において、自動運転中の車両1の車線変更がスムーズになされるが、本実施の形態では、ステアリングホイール74の操舵角と後輪WRL,WRRへの駆動力配分の双方を同時に制御することによって車両1の車線変更を行うようにするとともに、ステップS10においてステアリングホイール74の操舵角と左右の後輪WRL,WRRへの駆動力配分の目標制御値を車線変更が最も短時間で実行される値に設定したため、車両1の車線変更が短時間で速やかに行われる。なお、本実施の形態では、ステアリングホイール74の操舵角と後輪WRL,WRRへの駆動力配分の双方を同時に制御することによって車両1の車線変更を行うようにしたが、後輪WRL,WRRへの駆動力配分の制御のみで車両1の車線変更を実行することも可能である。
そして、以上のように車両1の車線変更が実行されると(ステップS14)、車両1が目的地に到達されたか否かが判定され(ステップS15)、車両1が未だ目的地に到着していない場合(ステップS15:No)には、ステップS4~S15の処理が繰り返される。これに対して、車両1が目的地に到着した場合(ステップS15:Yes)には、走行制御装置100による車両1に対する走行制御が終了する(ステップS16)。
また、ステップS13での判定の結果、車両(自車)1の周辺に障害物(他車)が存在する場合(ステップS13:No)には、ステップS14の車線変更は行われず、処理はステップS15へと移行する。このように、本実施の形態では、車両(自車)1の周辺に障害物(他車)が存在しないことを確認してから車線変更を行うようにしたため、車線変更による障害物(他車)への衝突が避けられ、車線変更を安全に行うことができる。
ここで、車線変更時の車両の操舵速度、操舵角、ヨーレート、ロールレートおよび加速度の時間変化を図7にタイミングチャートで示す。なお、図7は左側車線を走行中の車両1が右側の車線へと移動する例を示しており、ステアリングハンドル74の右方向(時計方向)への回転を「+」、左方向(反時計方向)への回転を「-」として表示している(後述の図8~図11においても同様である)。
左側車線を走行している車両1の車線変更のためにステアリングホイール74を右方向に切って車線変更を行った後、ステアリングホイール74を逆方向に切ってステアリングホイール74を元の直進状態の位置に戻した場合、車両1の操舵速度、操舵角、ヨーレート、ロールレートおよび加速度は、時間の経過と共に図7に示すように変化する。ここで、加速度Gxは、車両1の進行方向の値であるが、車線変更時にステアリングホイール74を右方向に切ることによって図示のΔGxだけ減少するが、この加速度Gxの減少分ΔGxを補う駆動力を発生させることによって、ステアリングホイール74の操舵角を小さく抑えて各部の挙動をスムーズにすることができる。また、車線変更時には、車線変更前よりも加速度が上昇するように駆動力を発生させるとよい。
また、実験によって得られた車両の車線変更時の操舵角と車速との関係、操舵角と操舵速度との関係、ヨーレートと操舵速度との関係、ロールレートと操舵速度との関係をそれぞれ図8、図9、図10、図11に示す。
図8に示す操舵角と車速との関係から明らかなように、車線変更時間が同じであれば、車速が速くなるほど操舵角が小さくなって、車線変更距離が長くなる。
また、図9に示す操舵角と操舵速度との関係から明らかなように、操舵速度が速くなると操舵角が大きくなる。
さらに、図10に示すヨーレートと操舵速度との関係から明らかなように、操舵速度が速くなる(≒操舵角が大きくなる)とヨーレートも大きくなる。
また、図11に示すロールレートと操舵速度との関係から明らかなように、操舵速度が速くなる(≒操舵角が大きくなる)とロールレートも大きくなる。
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、自動運転中の車両1の様々な状況下でのスムーズで素早い車線変更を実現することができるという効果が得られる。
なお、以上は本発明に係る走行駆動装置100を図1に示すフロント駆動・リアアシスト方式を採用する四輪駆動(4WD)車両1に対して適用した形態について説明したが、本発明に係る走行制御装置100は、例えば、図12に示すように後部にエンジンEと電動モータM及びトランスミッションTを配置し、前部に左右の前輪WFL,WFRをそれぞれ独立に駆動する電動モータML,MRを配置したリア駆動・フロントアシスト方式を採用する四輪駆動車両1-2、図13に示すように左右の前輪WFL,WFRと後輪WRL,WRRを電動モータMFL,MFR,MRL,MRRによってそれぞれ独立に駆動する電動車両1-3などに対しても同様に適用可能である。
また、以上の実施の形態では、左右の車輪を左右の電動モータによってそれぞれ独立に回転駆動する車両に対して本発明を適用した例について説明したが、本発明は、駆動源である単一のエンジンまたは電動モータからの動力をクラッチやビスカスカップリングなどによって左右の車輪に分配することによって左右の車輪を各々独立に回転駆動する車両に対しても同様に適用可能である。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
1(1-2,1-3) 車両
4 インバータ(PFU)
14 走行状態取得部
26 走行位置取得部(加速度センサ)
28 車速取得部(車速センサ)
30 ヨーレート取得部(ヨーレートセンサ)
32 操舵角取得部(操舵角センサ)
34 走行軌道取得部(メモリ)
56 操舵指令部
57 駆動力配分指令部
58 ウインカー指令部
59 車線変更指令部
74 ステアリングホイール
75 操舵角センサ
92 ステアリング装置
96 ウインカー
100 走行制御装置
110 自動運転制御部
112 自車位置認識部
114 外界認識部
120 走行制御部
ML,MR 電動モータ(駆動源)
WRL,WRR 後輪(車輪)

Claims (6)

  1. 走行モードとして操舵と加減速の少なくともいずれかを自動的に制御する自動運転モードを選択可能であって、駆動源からの駆動力を左右の車輪に伝達して該左右の車輪をそれぞれ独立に回転駆動する車両に設けられる走行制御装置であって、
    走行制御部と、自動運転制御部と、を備え、
    走行モードとして自動運転モードが選択された場合に、前記走行制御部が車線変更指令を出力すると、
    前記自動運転制御部は、車線変更軌跡を算出し、算出した車線変更軌跡に基づいて車速、操舵角、左右の駆動力、路面の摩擦係数、加速度およびヨーレートを推定し、これらの推定した値に基づいて、ステアリングホイールの操舵角の制御目標値と、左右の車輪への駆動力配分の制御目標値と、を設定し、
    前記走行制御部は、ステアリングホイールの操舵角および左右の車輪への駆動力配分を、それぞれの前記制御目標値となるように制御する
    ことを特徴とする車両の走行制御装置。
  2. 前記自動運転制御部は、前記ステアリングホイールの操舵角の制御目標値、および前記左右の車輪への駆動力配分の制御目標値を、車線変更が最も短時間で実行される値に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。
  3. 前記自動運転制御部は、車線変更のステアリングホイールの操作によって生じる加速度の減少分を補う駆動力を発生するように、前記左右の車輪への駆動力配分の制御目標値を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。
  4. 前記自動運転制御部は、車線変更時に車線変更前よりも加速度が上昇するように、前記左右の車輪への駆動力配分の制御目標値を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。
  5. 前記自動運転制御部は、自車位置を認識する自車位置認識部と、自車周辺の外界を認識する外界認識部を備え、
    前記走行制御部は、前記自車位置認識部によって認識される自車位置の周辺に、前記外界認識部によって認識される他車が存在しない場合に限り前記車線変更指令を出力する
    ことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の車両の走行制御装置。
  6. 前記走行制御部は、ウインカーの点滅指令の出力に連動して、前記車線変更指令を出力する
    ことを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の車両の走行制御装置。
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