特許文献1に記載の段ボールシートにインクジェット印刷装置がQRコード(登録商標)を印刷する場合、そのインクジェット印刷装置は、多色フレキソ輪転印刷機に近接した位置に配置されることが考えられる。段ボールシート製函機において段ボールシートが搬送される搬送方向と直交する幅方向における段ボールシートのシート幅は、オーダに応じて異なることから、インクジェット印刷装置は、シート幅に従って幅方向に位置調整される必要がある。この位置調整のために、インクジェット印刷装置を幅方向に移動可能に支持する支持機構と、位置決めモータおよび動力伝達機構などの駆動機構と、位置決めモータの駆動を制御する制御手段とを、段ボールシート製函機に別個に設けることが必要となる。この結果、段ボールシート製函機の構成を複雑にする問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、段ボールシート製函機の構成を複雑にすることなく、所定情報を段ボールシートに印刷するインクジェット印刷装置を備えたフォルダグルアを提供することを目的とする。
請求項1に記載の第1の発明態様は、所定搬送方向に段ボールシートを搬送する搬送装置と、搬送される段ボールシートを折り曲げる折り曲げ装置と、搬送装置および折り曲げ装置を支持するために所定搬送方向に延びる一対の支持フレームを含み、所定搬送方向と直交する幅方向において一対の支持フレームの間隔を調整することが可能な支持機構と、を備え、折り曲げられた段ボールシートを糊付けして箱体を形成するフォルダグルアにおいて、一対の支持フレームのうちの少なくとも1つの支持フレームに取り付けられ、搬送される段ボールシートに所定情報を印刷するインクジェット印刷装置をさらに備え、段ボールシートは、幅方向に連結された第1乃至第4パネルと、これら4つのパネルの各パネルに連結された少なくとも1つのフラップと、を有し、折り曲げ装置は、一対の支持フレームの間に配置された第2パネルおよび第3パネルに対して、第1パネルおよび第4パネルをそれぞれ折り曲げ、インクジェット印刷装置は、折り曲げ装置により折り曲げられる前の第1パネルおよび第4パネルと、折り曲げ装置により折り曲げられる前の第1パネルおよび第4パネルに連結された少なくとも1つのフラップと、折り曲げられない第2パネルおよび第3パネルと、折り曲げられない第2パネルおよび第3パネルに連結された少なくとも1つのフラップとのうちのいずれかの箇所のシート面であって、所定搬送方向および幅方向に広がるシート面に、段ボールシートを識別する識別情報と、段ボールシートに施された加工に関係する加工情報と、箱体の使用者が使用する情報とのうちのいずれかの情報である所定情報を印刷する。
本発明態様では、1つのインクジェット印刷装置が、1つの支持フレームに取り付けられる構成であってもよいし、複数のインクジェット印刷装置が、一対の支持フレームにそれぞれ取り付けられる構成であってもよい。
本発明態様では、所定情報が印刷される段ボールシートの箇所は、1つの箇所であってもよいし、複数の箇所であってもよい。また、所定情報が印刷される段ボールシートの箇所は、段ボールシートを構成する4つのパネルのいずれかのパネルであってもよいし、各パネルに連結されるフラップであってもよい。
本発明態様では、一対の支持フレームの各支持フレームが幅方向に位置調整可能である構成であってもよいし、一方の支持フレームのみが他方の支持フレームに対して幅方向に位置調整可能である構成であってもよい。
本発明態様では、所定情報としては、最終製品である箱体の使用者が使用することがない情報であって、段ボールシートの品質管理に使用する情報が考えられる。または、所定情報としては、箱体の使用者が使用する情報、たとえば、特許文献1に記載された懸賞応募に使用する情報であってもよい。
請求項2に記載の具体的態様では、段ボールシートは、幅方向に連結された第1乃至第4パネルと、これら4つのパネルの各パネルに連結された一対のフラップと、を有し、インクジェット印刷装置は、第1乃至第4パネルにそれぞれ連結された8つのフラップのうちの少なくとも1つのフラップのシート面であって、所定搬送方向および幅方向に広がるシート面に、所定情報を印刷するように、少なくとも1つの支持フレームに配置される。
本具体的態様では、所定情報が印刷されるフラップは、外フラップにより覆われる内フラップであってもよいし、外フラップであってもよい。
請求項3に記載の第2の発明態様は、所定搬送方向に段ボールシートを搬送する搬送装置と、搬送される段ボールシートを折り曲げる折り曲げ装置と、搬送装置および折り曲げ装置を支持するために所定搬送方向に延びる一対の支持フレームを含み、所定搬送方向と直交する幅方向において一対の支持フレームの間隔を調整することが可能な支持機構と、を備え、折り曲げられた段ボールシートを糊付けして箱体を形成するフォルダグルアにおいて、一対の支持フレームのうちの少なくとも1つの支持フレームに取り付けられ、搬送される段ボールシートに所定情報を印刷するインクジェット印刷装置をさらに備え、段ボールシートは、幅方向に連結された第1乃至第4パネルと、これら4つのパネルの各パネルに連結された少なくとも1つのフラップと、を有し、折り曲げ装置は、一対の支持フレームの間に配置された第2パネルおよび第3パネルに対して、第1パネルおよび第4パネルをそれぞれ折り曲げ、インクジェット印刷装置は、一対の支持フレームが幅方向に向き合う領域より幅方向において外側の領域に位置するように、少なくとも1つの支持フレームに配置され、インクジェット印刷装置は、折り曲げ装置により折り曲げられる前の第1パネルおよび第4パネルと、折り曲げ装置により折り曲げられる前の第1パネルおよび第4パネルに連結された少なくとも1つのフラップとのうちのいずれかの箇所のシート面であって、所定搬送方向および幅方向に広がるシート面に、段ボールシートを識別する識別情報と、段ボールシートに施された加工に関係する加工情報と、箱体の使用者が使用する情報とのうちのいずれかの情報である所定情報を印刷する。第2の発明態様は、所定搬送方向においてインクジェット印刷装置の上流側から下流側に向かって延びる搬送ガイドであって、折り曲げ装置により折り曲げられる前の第1パネルおよび第4パネルと、折り曲げ装置により折り曲げられる前の第1パネルおよび第4パネルに連結された少なくとも1つのフラップとのうちのいずれかの箇所を所定搬送方向に案内する搬送ガイドをさらに備え、搬送ガイドは、一対の支持フレームが幅方向に向き合う領域より幅方向において外側の領域において、少なくとも1つの支持フレームに取り付けられる。
請求項4に記載の第3の発明態様は、所定搬送方向に段ボールシートを搬送する搬送装置と、搬送される段ボールシートを折り曲げる折り曲げ装置と、搬送装置および折り曲げ装置を支持するために所定搬送方向に延びる一対の支持フレームを含み、所定搬送方向と直交する幅方向において一対の支持フレームの間隔を調整することが可能な支持機構と、を備え、折り曲げられた段ボールシートを糊付けして箱体を形成するフォルダグルアにおいて、一対の支持フレームのうちの少なくとも1つの支持フレームに取り付けられ、搬送される段ボールシートに所定情報を印刷するインクジェット印刷装置をさらに備え、段ボールシートは、幅方向に連結された第1乃至第4パネルと、これら4つのパネルの各パネルに連結された一対のフラップと、を有し、折り曲げ装置は、一対の支持フレームの間に配置された第2パネルおよび第3パネルに対して、第1パネルおよび第4パネルをそれぞれ折り曲げ、インクジェット印刷装置は、一対の支持フレームが幅方向に向き合う領域より幅方向において外側の領域に位置するように、少なくとも1つの支持フレームに配置され、インクジェット印刷装置は、折り曲げ装置により折り曲げられる前の第1パネルおよび第4パネルにそれぞれ連結された4つのフラップのうちの少なくとも1つのフラップのシート面であって、所定搬送方向および幅方向に広がるシート面に、段ボールシートを識別する識別情報と、段ボールシートに施された加工に関係する加工情報と、箱体の使用者が使用する情報とのうちのいずれかの情報である所定情報を印刷し、支持機構は、一対の支持フレームを保持するために、段ボールシートが搬送装置に搬入される位置に近接して配置される搬入側保持部材と、折り曲げられた段ボールシートが搬送装置から搬出される位置に近接して配置される搬出側保持部材と、搬入側保持部材と搬出側保持部材との間に配置された中間保持部材と、を含み、一対の支持フレームの各支持フレームは、所定搬送方向において搬入側保持部材より上流側に延出する延出部分を有し、インクジェット印刷装置は、一対の支持フレームのうちの少なくとも1つの支持フレームの延出部分に配置される。
第3の発明態様では、中間保持部材は、搬入側保持部材と搬出側保持部材との間に少なくとも1つ配置される構成であればよい。
請求項5に記載の具体的態様では、インクジェット印刷装置は、第1パネルおよび第4パネルのうちの一方のパネルに連結された外フラップにより覆われる他方のパネルに連結される内フラップのシート面であって、所定搬送方向および幅方向に広がるシート面に、段ボールシートを識別する識別情報、または、段ボールシートに施された加工に関係する加工情報を印刷する。
本具体的態様では、識別情報、または加工情報は、段ボールシートの品質管理に使用される情報である。たとえば、識別情報としては、段ボールシート製函機を特定する機械番号と、その段ボールシート製函機により製造された段ボールシートの連続番号との組み合わせを表す情報が考えられる。加工情報としては、各段ボールシートに施された印刷、溝切りなどの加工状態を表す情報が考えられる。たとえば、印刷に関しては、インクの粘性などの情報が考えられる。
請求項6に記載の第4の発明態様は、所定搬送方向に段ボールシートを搬送する搬送装置と、搬送される段ボールシートを折り曲げる折り曲げ装置と、搬送装置および折り曲げ装置を支持するために所定搬送方向に延びる一対の支持フレームを含み、所定搬送方向と直交する幅方向において一対の支持フレームの間隔を調整することが可能な支持機構と、を備え、折り曲げられた段ボールシートを糊付けして箱体を形成するフォルダグルアにおいて、一対の支持フレームのうちの少なくとも1つの支持フレームに取り付けられ、搬送される段ボールシートに所定情報を印刷するインクジェット印刷装置をさらに備え、段ボールシートは、幅方向に連結された第1乃至第4パネルと、これら4つのパネルの各パネルに連結された少なくとも1つのフラップと、を有し、折り曲げ装置は、一対の支持フレームの間に配置された第2パネルおよび第3パネルに対して、第1パネルおよび第4パネルをそれぞれ折り曲げるように構成され、第1パネルおよび第4パネルを第2パネルおよび第3パネルに重なる状態まで折り曲げるパネル折曲ベルトを含み、搬送装置は、所定搬送方向においてパネル折曲ベルトより上流側に配置され、第2パネルおよび第3パネルを下方から支持して所定搬送方向に搬送する下方搬送ベルトを含み、インクジェット印刷装置は、下方搬送ベルトが配置される所定搬送方向の領域内であって、一対の支持フレームが幅方向に向き合う領域内に位置するように、少なくとも1つの支持フレームに配置され、インクジェット印刷装置は、第2パネルおよび第3パネルと、第2パネルおよび第3パネルに連結された少なくとも1つのフラップとのうちのいずれかの箇所のシート面であって、所定搬送方向および幅方向に広がるシート面に、段ボールシートを識別する識別情報と、段ボールシートに施された加工に関係する加工情報と、箱体の使用者が使用する情報とのうちのいずれかの情報である所定情報を印刷する。
第4の発明態様では、所定情報が印刷されるフラップは、外フラップにより覆われる内フラップであってもよいし、外フラップであってもよい。
請求項7に記載の具体的態様では、支持機構は、一対の支持フレームを保持するために、段ボールシートが搬送装置に搬入される位置に近接して配置される搬入側保持部材と、折り曲げられた段ボールシートが搬送装置から搬出される位置に近接して配置される搬出側保持部材と、搬入側保持部材と搬出側保持部材との間に配置された中間保持部材と、を含み、インクジェット印刷装置は、搬入側保持部材および搬出側保持部材より中間保持部材に近接した位置において、少なくとも1つの支持フレームに配置される。
本具体的態様では、中間保持部材は、搬入側保持部材と搬出側保持部材との間に少なくとも1つ配置される構成であればよい。
請求項8に記載の具体的態様では、インクジェット印刷装置は、第2パネルおよび第3パネルのうちの一方のパネルに連結された外フラップにより覆われる他方のパネルに連結される内フラップのシート面であって、所定搬送方向および幅方向に広がるシート面に、段ボールシートを識別する識別情報、または、段ボールシートに施された加工に関係する加工情報を印刷する。
本具体的態様では、識別情報、または加工情報は、段ボールシートの品質管理に使用される情報であり、請求項5に記載の具体的態様と同様に、種々の情報が考えられる。
請求項9に記載の具体的態様は、所定搬送方向においてインクジェット印刷装置より上流側に配置され、空気の流れを発生させて段ボールシートから紙粉を除去する紙粉除去装置をさらに備え、紙粉除去装置は、インクジェット印刷装置が取り付けられる少なくとも1つの支持フレームに取り付けられる。
本具体的態様では、紙粉除去装置は、段ボールシートから紙粉を除去する構成であれば、空気を段ボールシートに吹き付ける構成であってもよいし、空気を吸引する構成であってもよい。
請求項10に記載の具体的態様は、所定搬送方向においてインクジェット印刷装置より上流側に配置され、段ボールシートの幅方向に延びる端縁を検出する検出部と、検出部からの検出信号に従って、インクジェット印刷装置を作動させる制御装置と、をさらに備え、検出器は、インクジェット印刷装置が取り付けられる少なくとも1つの支持フレームに取り付けられる。
本具体的態様では、検出部は、所定搬送方向において段ボールシートの前端部および後端部のいずれの端部を検出する構成であってもよい。また、制御装置は、インクジェット印刷装置の作動タイミングを決定するために、検出信号の発生タイミング以外の要因を加えて作動タイミングを決定する構成であってもよい。たとえば、制御装置は、検出信号の発生タイミングと、段ボールシートの搬送速度とに基いて、作動タイミングを決定する構成であってもよい。
請求項1に記載の第1の発明態様では、フォルダグルアの支持機構は、搬送装置および折り曲げ装置を支持するために所定搬送方向に延びる一対の支持フレームを含み、所定搬送方向と直交する幅方向において一対の支持フレームの間隔を調整することが可能である。インクジェット印刷装置は、一対の支持フレームのうちの少なくとも1つの支持フレームに取り付けられ、搬送される段ボールシートに所定情報を印刷する。この結果、インクジェット印刷装置のために幅方向に位置調整可能な専用の支持機構を設ける必要がないことから、段ボールシート製函機の構成を複雑にすることなく、所定情報を段ボールシートに印刷することができる。
請求項2に記載の具体的態様では、インクジェット印刷装置は、段ボールシートの第1乃至第4パネルにそれぞれ連結された8つのフラップのうちの少なくとも1つのフラップに所定情報を印刷するように、少なくとも1つの支持フレームに配置される。一般的に、段ボールシートのパネルには、各段ボールシートに共通する大きな印刷パターンが、フォルダグルアより上流側に配置された印刷装置により印刷される。そこで、大きな印刷パターンと重ならないように、所定情報をフラップに印刷することができる。
請求項3に記載の第2の発明態様では、インクジェット印刷装置は、一対の支持フレームが幅方向に向き合う領域より幅方向において外側の領域に位置するように、少なくとも1つの支持フレームに配置される。インクジェット印刷装置は、折り曲げ装置により折り曲げられる前の第1パネルおよび第4パネルと、折り曲げ装置により折り曲げられる前の第1パネルおよび第4パネルに連結された少なくとも1つのフラップとのうちのいずれかの箇所に所定情報を印刷する。この結果、幅方向の長さが小さい段ボールシートを折り曲げるために一対の支持フレームが互いに接近した場合でも、インクジェット印刷装置が支持フレームと干渉することがないことから、幅方向の長さが小さい段ボールシートのパネルまたはフラップにも情報を印刷することができる。
請求項4に記載の第3の発明態様では、支持機構は、一対の支持フレームを保持するために、段ボールシートが搬送装置に搬入される位置に近接して配置される搬入側保持部材と、折り曲げられた段ボールシートが搬送装置から搬出される位置に近接して配置される搬出側保持部材と、搬入側保持部材と搬出側保持部材との間に配置された中間保持部材と、を含む。一対の支持フレームの各支持フレームは、所定搬送方向において搬入側保持部材より上流側に延出する延出部分を有する。インクジェット印刷装置は、一対の支持フレームのうちの少なくとも1つの支持フレームの延出部分に配置される。この結果、延出部分において、第1パネルおよび第4パネルは第2パネルおよび第3パネルと同一面上に位置する平坦な状態で搬送されることから、インクジェット印刷装置とフラップとの間の間隔を一定に保ちながら第1パネルおよび第4パネルの少なくとも1つのフラップに情報を鮮明に印刷することができる。
請求項5に記載の具体的態様では、インクジェット印刷装置は、第1パネルおよび第4パネルのうちの一方のパネルに連結された外フラップにより覆われる他方のパネルに連結される内フラップに、段ボールシートを識別する識別情報、または、段ボールシートに施された加工に関係する加工情報を印刷する。この結果、最終製品である箱体の使用者の目に触れない内フラップの箇所に、段ボールシートの品質管理に使用される識別情報、または加工情報を印刷することができる。
請求項6に記載の第4の発明態様では、インクジェット印刷装置は、一対の支持フレームが幅方向に向き合う領域内に位置するように、少なくとも1つの支持フレームに配置される。インクジェット印刷装置は、一対の支持フレームの間に配置された第2パネルおよび第3パネルと、第2パネルおよび第3パネルに連結された少なくとも1つのフラップとのうちのいずれかの箇所に所定情報を印刷する。この結果、折り曲げ装置により折り曲げられることがない第2パネルおよび第3パネルと、第2パネルおよび第3パネルに連結された少なくとも1つのフラップとのうちのいずれかの箇所に情報を印刷することから、インクジェット印刷装置とパネルまたはフラップとの間の間隔を一定に保ちながら情報を鮮明に印刷することができる。また、所定搬送方向におけるインクジェット印刷装置の配置位置について制約が少なくなることから、インクジェット印刷装置の配置が容易になる。
請求項7に記載の具体的態様では、支持機構は、一対の支持フレームを保持するために、段ボールシートが搬送装置に搬入される位置に近接して配置される搬入側保持部材と、折り曲げられた段ボールシートが搬送装置から搬出される位置に近接して配置される搬出側保持部材と、搬入側保持部材と搬出側保持部材との間に配置された中間保持部材と、を含む。インクジェット印刷装置は、搬入側保持部材および搬出側保持部材より中間保持部材に近接した位置において、少なくとも1つの支持フレームに配置される。この結果、インクジェット印刷装置が中間保持部材に近接した位置に配置されることから、搬送装置などから伝達される振動によりインクジェット印刷装置が振動することを低減することができ、フラップの所定位置に情報を精度よく印刷することができる。
請求項8に記載の具体的態様では、インクジェット印刷装置は、第2パネルおよび第3パネルのうちの一方のパネルに連結された外フラップにより覆われる他方のパネルに連結される内フラップに、段ボールシートを識別する識別情報、または、段ボールシートに施された加工に関係する加工情報を印刷する。この結果、最終製品である箱体の使用者の目に触れない内フラップの箇所に、段ボールシートの品質管理に使用される識別情報、または加工情報を印刷することができる。
請求項9に記載の具体的態様では、紙粉除去装置は、所定搬送方向においてインクジェット印刷装置より上流側に配置され、空気の流れを発生させて段ボールシートから紙粉を除去する。この結果、段ボールシートに付着した紙粉が印刷前に除去されることから、段ボールシートに情報を鮮明に印刷することができる。
請求項10に記載の具体的態様では、検出部は、所定搬送方向においてインクジェット印刷装置より上流側に配置され、段ボールシートの幅方向に延びる端縁を検出する。制御装置は、検出部からの検出信号に従って、インクジェット印刷装置を作動させる。この結果、搬送される段ボールシートの所定位置に情報を精度よく印刷することができる。
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態に係るフォルダグルアについて、図面を参照して説明する。フォルダグルアは、段ボールシート製函機において印刷および溝切りなどの加工が施された段ボールシートを受け取り、段ボールシートを折り曲げて糊付けすることにより、箱状の段ボールである箱体を形成する。段ボールシート製函機は、フレキソ印刷機などの印刷装置、クリーザ、およびスロッタなどの加工装置を備え、シート給送装置から順次給送される段ボールシートに、印刷、罫線入れ、および溝切りなどの加工を施す機能を有し、その基本的構成は、特許第3652429号公報などによりよく知られている。スロッタなどの加工装置は、段ボールシートが搬送される搬送方向において、フォルダグルアの上流側に配置される。フォルダグルアにより形成された箱体は、公知のカウンタエジェクタに向って搬出される。
図1は、本実施形態に係るフォルダグルア1に搬入される段ボールシートSSを示す図面であり、図2は、フォルダグルア1の全体構成を示す正面図である。図2に矢印で示す方向が、上下方向、および左右方向であり、これら2つの方向と直交する方向が前後方向である。フォルダグルア1における段ボールシートSSの搬送方向PDは、右方から左方に向う方向であり、搬送方向PDに直交する幅方向WDは、前後方向である。他の図面においても、図2と同様に、3つの方向を矢印で示す。
[段ボールシートSSの形状]
図1において、段ボールシートSSは、第1乃至第4パネルP1~P4と、接合代GSと、4つの前方フラップF1F~F4Fと、4つの後方フラップF1R~F4Rと、を有する。第1乃至第4パネルP1~P4は、幅方向WDに沿って、連続してそれぞれ連結される。接合代GSは、第2のパネルP2に連結される第1パネルP1の端部とは反対側の第1パネルP1の端部に連結される。4つの前方フラップF1F~F4Fは、第1乃至第4のパネルP1~P4の前方端部、図1における左方端部にそれぞれ連結される。4つの後方フラップF1R~F4Rは、第1乃至第4のパネルP1~P4の後方端部、図1における右方端部にそれぞれ連結される。
図1において、パターン画像D1~D4は、フォルダグルア1の上流側に配置された印刷装置により、第1乃至第4パネルP1~P4にそれぞれ印刷された比較的大きな画像であり、一般には、段ボールシートSSから形成される箱体に収容される内容物に関係する画像である。縦罫線PK1~PK4が、フォルダグルア1の上流側に配置されたクリーザにより、第1パネルP1と接合代GSとの連結部分、および各パネルと各パネルとの連結部分にそれぞれ形成される。フォルダグルア1の上流側に配置されたスロッタにより、前方溝S1~S3が、段ボールシートSSの前端部FEに形成され、後方溝S4~S6が、段ボールシートSSの後端部REに形成される。横罫線WK1、WK2は、公知のコルゲートマシンのスコアラにより、各パネルと各前方フラップとの連結部分、および各パネルと各後方フラップとの連結部分に、幅方向WDに沿ってそれぞれ形成される。縦罫線PK1~PK4、および横罫線WK1、Wk2は、第1乃至第4パネルP1~P4の裏面に形成される。
糊付けされた箱状の段ボールである箱体の各フラップを折り曲げることにより、図10に示すように、立方体の段ボール箱を組み立てることができる。本実施形態では、立方体の段ボール箱を組み立てるために、前方フラップF1F~F4Fが横罫線WK1に沿って折り曲げられるときに、前方フラップF1F、F3Fは、前方フラップF2F、F4Fを覆うように折り曲げられる。後方フラップF1R~F4Rが横罫線WK2に沿って折り曲げられるときに、後方フラップF1R、F3Rは、後方フラップF2R、F4Rを覆うように折り曲げられる。各フラップの折り曲げ状態に従って、前方フラップF1F、F3F、および後方フラップF1R、F3Rは、段ボール箱の外側に配置される外フラップを構成し、前方フラップF2F、F4F、および後方フラップF2R、F4Rは、段ボール箱の内側に配置される内フラップを構成する。
情報画像DSは、フォルダグルア1が備える後述のインクジェット印刷装置90により印刷される比較的小さな画像であり、図1において2点鎖線で示される。本実施形態では、情報画像DSは、段ボールシートSSを特定することができる固有情報をバーコード形式で表した画像である。たとえば、固有情報としては、段ボールシートSSを加工した段ボールシート製函機が設置された工場名、段ボールシート製函機の機械番号、加工年月日および時刻、オーダ単位で定められる段ボールシートの品番などの情報である。または、管理データベースに記憶される工場名、機械番号などの情報を照合するための個体識別情報を固有情報とすることもできる。情報画像DSは、内フラップを構成する後方フラップF4Rに印刷される。
[フォルダグルア1の全体構成]
図2において、フォルダグルア1は、搬入側保持部材2と、搬出側保持部材4と、中間保持部材6と、を備え、各保持部材は床面に固定される。フォルダグルア1は、段ボールシートSSを搬送経路PLに沿って搬送方向PDに搬送する搬送装置8と、段ボールシートSSの第1パネルP1及び第4パネルP4を平坦な状態(0度)からほぼ90度まで折り曲げる第1折曲ステーション10と、第1パネルP1及び第4パネルP4をほぼ90度から180度まで折り曲げる第2折曲ステーション12と、を備える。フォルダグルア1は、搬入側保持部材2の近傍に、段ボールシートSSの接合代GSに糊付けする糊付け装置14を、備える。
フォルダグルア1は、一対の上方支持フレーム20A、20Bと、一対の下方支持フレーム22A、22Bと、を備える。両上方支持フレーム20A、20Bは、フォルダグルア1の搬入側部分、すなわち図2に示す右方端部分から、フォルダグルア1の搬出側部分、すなわち図2に示す左方端部分までフォルダグルア1の全長にわたって延びる。両下方支持フレーム22A、22Bは、フォルダグルア1の搬入側部分から中間保持部材6の配置位置まで延びる。両上方支持フレーム20A、20B、および両下方支持フレーム22A、22Bは、段ボールシートSSの幅方向WDの長さに従って、幅方向WDに移動することができるように構成される。搬入側移動機構24、および搬出側移動機構26が、両上方支持フレーム20A、20Bを幅方向WDに移動させるために、搬入側保持部材2、および搬出側保持部材4にそれぞれ配置される。搬入側移動機構28が、両下方支持フレーム22A、22Bを幅方向WDに移動させるために、搬入側保持部材2に配置される。中間移動機構30、32が、両上方支持フレーム20A、20B、および両下方支持フレーム22A、22Bを幅方向WDに移動させるために、中間保持部材6の近傍の位置において、床面に配置される。
搬送装置4は、搬送経路PLの左右方向に沿う方向に張設された一対の上方搬送ベルト40A、40Bを備える。両上方搬送ベルト40A、40Bは、両上方支持フレーム20A、20Bにより支持され、搬送経路PLの上方において、フォルダグルア1の全長にわたって搬送経路PLに沿って配置される。両上方搬送ベルト40A、40Bは、第2折り曲げステーション10の配置領域のみ、段ボールシートSSの上面を吸引して搬送方向PDに搬送するサクションタイプのものである。両上方搬送ベルト40A、40Bは、上方搬送モータ42により駆動され、両上方搬送ベルト40A、40Bの搬送量を検出するために搬送量検出器44が上方搬送モータ42の回転軸に連結される。両上方搬送ベルト40A、40Bの幅方向WDにおける間隔は、段ボールシートSSの縦罫線PK2と縦罫線PK4との幅間隔に応じて調整可能である。
糊付け装置14は、搬入側保持部材2に近接して配置され、段ボールシートSSの接合代GSの幅方向WDの位置に応じて幅方向WDに移動可能に構成される。糊付け装置14は、搬入される段ボールシートSSの接合代GSに糊を塗布する。糊が塗布された接合代GSは、段ボールシートSSがフォルダグルア1から搬出されるときに、接合ローラにより第4パネルP4と接着される。
第1折曲ステーション10は、搬送通路PLの両側に配置された一対の折り曲げバー46A、46Bと、段ボールシートSSを下方から支持して搬送する一対の下方搬送ベルト48A、48Bと、を備える。一対の折り曲げバー46A、46Bは、搬入側保持部材2の配置位置から中間保持部材6の配置位置まで延びて両上方支持フレーム40A、40Bにそれぞれ固定される。両折り曲げバー46A、46Bの上流側部分は、搬送経路PLよりも上方に位置し、その下流側部分は、搬送経路PLよりも徐々に下方に位置するように傾斜する。第1パネルP1および第4パネルP4の表面、すなわち図1において上面が折り曲げバー46A、46Bに接触することにより、第1パネルP1および第4パネルP4が0度から下方にほぼ90度まで折り曲げられる。一対の下方搬送ベルト48A、48Bは、フォルダグルア1の搬入側部分と中間保持部材6の配置位置との間に張設され、下方搬送モータ50により駆動される。両下方搬送ベルト48A、48Bは、両上方搬送ベルト40A、40Bと協働して段ボールシートSSを搬送する。
図3は、第1折曲ステーション10を拡大して示す正面図である。図3において、一対の折り曲げ板52A、52Bが、搬送経路PLの両側において両下方支持フレーム22A、22Bにそれぞれ取り付けられる。両折り曲げ板52A、52Bは、上流側に配置された一対の第1折り曲げ板54A、54Bと、両第1折り曲げ板54A、54Bに連続して下流側に設けられた一対の第2折り曲げ板56A、56Bと、を備える。
両第1折り曲げ板54A、54Bは、両下方支持フレーム22A、22Bにそれぞれ固定配置される。両第1折り曲げ板54A、54Bの上方先端が、エッジ形状に形成される。両上方先端は、パネルP1の裏面、すなわち図3において下面に形成された縦罫線PK2またはその近傍、および、パネルP4の裏面に形成された縦罫線PK4またはその近傍に、それぞれ接触し、折り曲げバー46A、46Bと協動してパネルP1およびパネルP4が縦罫線に沿って折り曲げ易くなるようにする。第1折り曲げ板54Bの上方先端54B1のみが、図7に図示される。
両第2折り曲げ板56A、56Bの上方先端は、両第1折り曲げ板54A、54Bと同様に、エッジ形状に形成される。両上方先端は、パネルP1の縦罫線PK2またはその近傍、および、パネルP4の縦罫線PK4またはその近傍に、それぞれ接触し、折り曲げバー46A、46Bと協動してパネルP1およびパネルP4が縦罫線に沿って折り曲げ易くなるようにする。両第2折り曲げ板56A、56Bは、上流端を回転中心として揺動可能に構成され、揺動されたときに下流端が幅方向WDにおいて互いに離れるように移動することができる。
第2折曲ステーション12は、搬送経路PLの両側に、一対のパネル折曲ベルト58A、58Bと、一対の案内規制機構60A、60Bと、を備える。両パネル折曲ベルト58A、58B、および両案内規制機構60A、60Bは、両上方支持フレーム20A、20Bによりそれぞれ支持される。両パネル折曲ベルト58A、58Bは、段ボールシートSSの第1パネルP1および第4パネルP4を90度から180度まで折り曲げるために駆動される。両案内規制機構60A、60Bは、公知の多数のゲージロールを含み、折り曲げられた第1パネルP1および第4パネルP4の両連結部分を案内規制する。両パネル折曲ベルト58A、58B、および両案内規制機構60A、60Bは、図示しない駆動モータにより駆動される。
両パネル折曲げベルト58A、58Bは、第2折曲ステーション12の全長にわたって配置され、第1パネルP1および第4パネルP4の表面と接触可能な接触面を有する。各パネル折曲ベルトの接触面は、搬送方向PDの上流側において垂直に起立した状態に位置し、下流側に移動するに従い徐々に傾斜して最終的に水平な状態に変化する。各パネル折曲ベルトは多数のローラにより張設される。両パネル折曲ベルト58A、58Bの幅方向WDにおける間隔は、段ボールシートSSの縦罫線PK2と縦罫線PK4との幅間隔に応じて調整可能である。
(支持フレーム20A~22Bを幅方向WDに移動させる機構の詳細な構成)
上方支持フレーム20A、20B、および下方支持フレーム22A、22Bを幅方向WDに移動させるために、搬入側移動機構24、28、搬出側移動機構26、および中間移動機構30、32が備えられる。これらの移動機構の詳細な構成について、図4を参照して説明する。図4は、両上方支持フレーム20A、20Bと、搬入側移動機構24、搬出側移動機構26、および中間移動機構30、32との連結構成を示す平面図である。図4に示す1点鎖線は、フォルダグルア1の幅方向WDにおける中央位置を表すセンタラインCLを示す。図4に示す領域R1は、両上方支持フレーム20A、20Bが向き合う領域である。図4に示す領域R2F、R2Rは、領域R1の前方に広がる領域、および、領域R1の後方に広がる領域である。上方支持フレーム20A、20Bなどの支持フレームを幅方向に移動させる移動機構は、特許第5883747号公報などにより公知である。
図4において、両上方支持フレーム20A、20Bを幅方向WDに移動させるために、搬入側移動機構24は、一対のサーボモータ62A、62Bと、一対のねじ軸64A、64Bと、一対のナット部材66A、66Bと、を備える。両サーボモータ62A、62Bは、搬入側保持部材2に固定され、両ねじ軸64A、64Bにそれぞれ連結される。両ねじ軸64A、64Bは、各サーボモータの配置位置からセンタラインCLまで前後方向に延び、センタラインCLの近傍で回転可能に支持される。両ナット部材66A、66Bは、両ねじ軸64A、64Bに螺合するとともに、一対の連結部材68A、68Bを介して両上方支持フレーム20A、20Bにそれぞれ連結される。各サーボモータの回転駆動により各ねじ軸が独立して回転すると、各ナット部材が各ねじ軸上で前後方向に移動し、各上方支持フレームの上流側部分が前後方向である幅方向WDに移動する。
図4において、搬出側移動機構26は、一対のサーボモータ70A、70Bと、一対のねじ軸72A、72Bと、一対のナット部材74A、74Bと、を備える。両サーボモータ70A、70Bは、搬出側保持部材4に固定され、両ねじ軸72A、72Bにそれぞれ連結される。両ねじ軸72A、72Bは、各サーボモータの配置位置からセンタラインCLまで前後方向に延び、センタラインCLの近傍で回転可能に支持される。両ナット部材74A、74Bは、両ねじ軸70A、70Bに螺合するとともに、両上方支持フレーム20A、20Bにそれぞれ連結される。各サーボモータの回転駆動により各ねじ軸が独立して回転すると、各ナット部材が各ねじ軸上で前後方向に移動し、各上方支持フレームの下流側部分が前後方向である幅方向WDに移動する。
図4において、中間移動機構30は、サーボモータ76Aと、ねじ軸78Aと、ナット部材80Aと、摺動部材82Aと、を備える。同様に、中間移動機構32は、サーボモータ76Bと、ねじ軸78Bと、ナット部材80Bと、摺動部材82Bと、を備える。両サーボモータ76A、76Bは、中間保持部材6が固定される床面に固定され、両ねじ軸78A、78Bにそれぞれ連結される。両ねじ軸72A、72Bは、各サーボモータの配置位置から各上方支持フレームに向って前後方向に延び、床面において回転可能に支持される。両ナット部材80A、80Bは、両ねじ軸78A、78Bに螺合するとともに、両摺動部材82A、82Bそれぞれ連結される。1本のガイドレール84が、床面において前後方向に延びるように配置される。両摺動部材82A、82Bは、ガイドレール84上で前後方向に摺動することができる。両摺動部材82A、82Bは、一対の連結部材86A、86Bを介して両上方支持フレーム20A、20Bにそれぞれ連結される。各サーボモータの回転駆動により各ねじ軸が独立して回転すると、各ナット部材が各ねじ軸上で前後方向に移動し、各摺動部材がガイドレール84上で前後方向に摺動する。各摺動部材の摺動により、各上方支持フレームの中間部分が前後方向である幅方向WDに移動する。
両下方支持フレーム22A、22Bを幅方向WDに移動させるために、搬入側移動機構28は、搬入側移動機構24と同様に、一対のサーボモータと、一対のねじ軸と、一対のナット部材と、を備える。各サーボモータの回転駆動により各ねじ軸が独立して回転すると、各ナット部材が各ねじ軸上で前後方向に移動し、各下方支持フレームの上流側部分が前後方向である幅方向WDに移動する。
両摺動部材82A、82Bは、両連結部材86A、86Bを介して両下方支持フレーム22A、22Bにもそれぞれ連結される。両中間移動機構30、32の各サーボモータの回転駆動により各ねじ軸が独立して回転すると、各ナット部材が各ねじ軸上で前後方向に移動し、各摺動部材がガイドレール84上で前後方向に摺動する。各摺動部材の摺動により、各下方支持フレームの中間部分が前後方向である幅方向WDに移動する。
(インクジェット印刷装置90、および、その印刷動作に関連する部材の詳細な構成)
フォルダグルア1は、段ボールシートSSの後方フラップF4Rに情報画像DSを印刷するために、インクジェット印刷装置90を備える。インクジェット印刷装置90、および、その印刷動作に関連する部材の詳細な構成について、図5乃至図7を参照して説明する。図5は、フォルダグルア1の上流側部分を後方から見た背面図であり、図6は、フォルダグルア1の上流側部分を上方から見た平面図であり、図7は、図6に示すA-A線に従う断面図であって、段ボールシートSSが搬送される状態を示す断面図である。便宜上、図5乃至図7において、両上方搬送ベルト40A、40Bの図示は省略されている。
図2、図4、および図5において、両上方支持フレーム20A、20Bは、搬入側保持部材2から上流側に延びる延出部分20A1、20B1をそれぞれ有する。同様に、両下方支持フレーム22A、22Bは、搬入側保持部材2から上流側に延びる延出部分22A1、22B1をそれぞれ有する。4本の支持棒92A~98Aが、下方支持フレーム22Aの延出部分22A1に搬送方向PDに間隔を空けて固定され、延出部分22A1から前方に向って延びる。4本の支持棒92B~98Bが、図6に示すように、下方支持フレーム22Bの延出部分22B1に搬送方向PDに間隔を空けて固定され、延出部分22B1から後方に向って延びる。一対の搬送ガイド100A、102Aが、両支持棒92A、94Aに支持され、前後方向に位置調整可能に配置される。一対の搬送ガイド104A、106Aが、両支持棒96A、98Aに支持され、前後方向に位置調整可能に配置される。図6に示すように、一対の搬送ガイド100B、102Bが、両支持棒92B、94Bに支持され、前後方向に位置調整可能に配置される。一対の搬送ガイド104B、106Bが、両支持棒96B、98Bに支持され、前後方向に位置調整可能に配置される。搬送ガイド104A、106A、104B、106Bは、搬入側保持部材2が配置されている領域に配置される。搬送ガイド100A、102A、100B、102Bは、両下方支持フレーム22A、22Bの搬入側部分、すなわち図5において下方支持フレーム22Bの左方端部から搬入側保持部材2の近傍まで搬送方向PDに延びる。搬送ガイド100A~106Aは、段ボールシートSSの第1パネルP1、およびフラップF1F、F1Rを下方から支持して搬送方向PDに案内する。搬送ガイド100B~106Bは、段ボールシートSSの第4パネルP4、およびフラップF4F、F4Rを下方から支持して搬送方向PDに案内する。支持棒92A~98A、および搬送ガイド100A~106Aは、図9に図示される。
インクジェット印刷装置90を上方支持フレーム20Bの後方側の面に取り付けるために、取付部材108が設けられる。取付部材108は、取付基部110と、延出板部112と、を有する。取付基部110は、図5に示すように上下方向に長い一対の長孔を有し、両長孔に挿通された取付ねじにより、上方支持フレーム20Bの後方側の面に上下方向に位置調整可能に取り付けられる。延出板部112は、図7に示すように取付基部110から後方に延び、前後方向に長い一対の長溝114、116を有する。インクジェット印刷装置90は、両長溝114、116に挿通された取付ねじにより、延出板部112に前後方向に位置調整可能に取り付けられる。インクジェット印刷装置90の配置位置は、図5に示すように、搬入側保持部材2より上流側であって、搬入側保持部材2の近傍の位置である。また、インクジェット印刷装置90の配置位置は、上方支持フレーム20Bより後方に広がる領域R2Rに定められる。
インクジェット印刷装置90が取付部材108により上方支持フレーム20Bの後方側の面に取り付けられた状態において、インクジェット印刷装置90は、ノズル面が下方を向き、ノズル面の下方を通過する段ボールシートSSに向ってインク滴を吐出するように、配置される。本実施形態では、インクジェット印刷装置90は、交換可能なインクカートリッジを内蔵する構成を有する。
シートガイド118が、インクジェット印刷装置90の上流側に配置される。シートガイド118は、図5に示すように、水平案内部120と、傾斜案内部122と、取付基部124と、を有する。取付基部124は、水平案内部122の前端部に連結される。傾斜案内部122は、水平案内部122の右方端部に連結され、上流側、すなわち右方側に向って上方に傾斜するように形成される。取付基部124は、図5に示すように上下方向に長い一対の長孔を有し、両長孔に挿通された取付ねじにより、上方支持フレーム20Bの後方側の面に上下方向に位置調整可能に取り付けられる。
本実施形態では、シートガイド118の水平案内部120の下面と、搬送される段ボールシートSSの上面との間隔が、1mm程度になるように、シートガイド118の取付基部124の取付け高さが設定される。また、インクジェット印刷装置90のノズル面と、搬送される段ボールシートSSの上面との間隔が、2mm程度になるように、取付部材108の取付基部110の取付け高さが設定される。
ブロア装置126が、図7に示すように、シートガイド118の上流側に配置され、複数の取付具により上方支持フレーム20Bの後方側の面に取り付けられる。ブロア装置126は、空気を吹き出す開口128を有する。開口128は、シートガイド118より上流側であって、シートガイド118の近傍に配置され、開口128の下方を通過する段ボールシートSSに向って空気を吹き付ける。開口128は、左右方向の長さが前後方向の幅より充分に長い形状に形成される。
段ボールシートSSの第2パネルP2、第3パネルP3、および、これらのパネルに連結されるフラップを上方から押させるために、一対のシート押えが、両上方支持フレーム20A、20Bの各フレームに取り付けられる。図5において、上方支持フレーム20Bに取り付けられた一対のシート押え130B、132Bが、2点鎖線で図示される。シート押え130Bは、搬送方向PDにおいて、シートガイド118の上流側の位置から搬入側保持部材2の配置位置まで延びる。シート押え132Bは、搬送方向PDにおいて、ブロア装置126の開口128の上流側の位置から、シートガイド118の配置位置まで延びる。各シート押えは、弾性を有する金属材料または合成樹脂材料から構成される。
フォルダグルア1に搬入される段ボールシートSSの前端部FEを検出するためにシート検出器134が、図5に示すように、シートガイド118の傾斜案内部122に取り付けられる。シート検出器134は、インクジェット印刷装置90から上流側に所定距離LSだけ離れて配置される。シート検出器134は、発光部および受光部を備える公知の光学センサであり、発光部から照射された光が段ボールシートSSの前端部において反射されて受光部によって受光されたときに、シート検出信号を発生する。
[フォルダグルア1の電気的構成]
フォルダグルア1の電気的構成について、図8を参照して説明する。図8は、フォルダグルア1の電気的構成を示すブロック図である。図8において、管理装置200が、段ボールシート製函機において段ボールシートの加工を全般的に管理するために設けられる。管理装置200は、予め決められた多数のオーダに関する加工管理計画に従って、主要なモータの回転速度、段ボールシートのサイズおよび加工数量などに関する制御指令情報を発生する。
管理装置200は、段ボールシート製函機の各加工装置を動作させるものであるが、本実施形態のフォルダグルア1以外の他の加工装置の動作は知られているので、図8において、他の加工装置の動作を制御する制御装置は省略され、フォルダグルア1の動作を制御するフォルダグルア制御装置210のみが示される。また、フォルダグルア1における第2折曲ステーション10の駆動、糊付け装置14の糊付け動作、糊付け装置14の幅方向WDの移動、および、ブロア装置126の駆動に関連する電気的構成部分は、図8において省略される。
フォルダグルア制御装置210は、フォルダグルア1の動作に必要な制御指令情報を管理装置200から供給される。例えば、制御指令情報は、搬送速度、段ボールシートの各部分のサイズ、段ボールシートの紙質、加工数量などの情報である。フォルダグルア制御装置210は、フォルダグルア1の全体を制御するための主制御プログラムなどのプログラム、および、所定距離LSなどの設定値を記憶するROMと、演算処理結果を一時記憶するRAMと、を備える。フォルダグルア制御装置210は、ベルト駆動装置220と、モータ駆動装置222と、印刷制御装置224とにそれぞれ接続され、これらの装置の動作を制御する。
フォルダグルア制御装置210は、搬送量検出器44と、シート検知器134とにそれぞれ接続される。フォルダグルア制御装置210は、搬送量検出器44から、搬送量に関する検出パルス信号を受け取る。フォルダグルア制御装置210は、搬送量を測定するために搬送量検出器44からの検出パルス信号を計数する測定用内部カウンタを有し、この内部カウンタはフォルダグルア制御装置210の制御処理により発生される測定指令に応答して計数動作を開始する。
ベルト駆動装置220は、フォルダグルア制御装置210から、駆動指令と、搬送速度指令とを受け取り、これらの指令に従って搬送モータ群226を駆動する。搬送モータ群226は、上方搬送モータ42、および下方搬送モータ50を含む。モータ駆動装置222は、フォルダグルア制御装置210から、駆動指令と、回転量および回転方向を表す回転指令とを受け取り、これらの指令に従ってサーボモータ群228を駆動する。サーボモータ群は、サーボモータ62A、62B、70A、70B、76A、76Bなどを含む。印刷制御装置224は、フォルダグルア制御装置210から、駆動指令と、インク吐出指令と、情報画像DSを印刷するための一群の印刷データとを受け取り、印刷データなどに従ってインクジェット印刷装置90を駆動する。
フォルダグルア制御装置210は、オーダ毎に定められる段ボールシートの幅方向WDの幅に従って、モータ駆動装置222に供給する各サーボモータの回転指令を作成する。フォルダグルア制御装置210は、所定距離LSと、段ボールシートSSの前端部FEから情報画像DSが印刷される位置までの距離と、シート検出信号の発生タイミングと、検出パルス信号の計数値とに従って、インクジェット印刷装置90の駆動指令の発生タイミングを決定し、決定されたタイミングで、印刷制御装置224に供給する駆動指令を発生する。段ボールシートSSの前端部FEから情報画像DSが印刷される位置までの距離は、オーダ毎に定められる。フォルダグルア制御装置210は、オーダ毎に定められる搬送速度に従ってインク吐出タイミングを決定し、決定された吐出タイミングで、印刷制御装置224に供給するインク吐出指令を発生する。フォルダグルア制御装置210は、一群の印刷データの各印刷データを、インク吐出指令とともに印刷制御装置224に順番に供給する。
[フォルダグルア1の動作および作用]
本実施形態のフォルダグルア1の動作および作用について説明する。まず、管理装置200が、所定のオーダを実行するために必要な制御指令情報、たとえば、段ボールシートの搬送速度、シートの各部分のサイズ、加工数量などを指令する情報をフォルダグルア制御装置210に供給する。
フォルダグルア制御装置210は、制御指令情報に従って、モータ駆動装置222に駆動指令と回転指令とを供給する。モータ駆動装置222は、駆動指令と回転指令とに従って各サーボモータを駆動する。たとえば、上方支持フレーム20Aが搬送されて来る段ボールシートSSの縦罫線PK2の真上に位置するとともに、上方支持フレーム20Bが搬送されて来る段ボールシートSSの縦罫線PK4の真上に位置するように、モータ駆動装置222は、サーボモータ62A、62B、70A、70B、76A、76Bをそれぞれ駆動する。また、第1折り曲げ板54Aおよび第2折り曲げ板56Aの上方先端54A1、56A1が搬送されて来る段ボールシートSSの縦罫線PK2に下方から接触するとともに、第1折り曲げ板54Bおよび第2折り曲げ板56Bの上方先端54B1、56B1が搬送されて来る段ボールシートSSの縦罫線PK4に下方から接触することができるように、両下方支持フレーム22A、22Bを幅方向WDに移動させるサーボモータ76A、76Bなどをそれぞれ駆動する。
フォルダグルア制御装置210は、制御指令情報に従って、ベルト駆動装置220に駆動指令と搬送速度指令とを供給する。ベルト駆動装置220は、駆動指令と搬送速度指令とに従って、上方搬送モータ42、および下方搬送モータ50を所定の回転速度で駆動する。両搬送モータ42、50の駆動により、上方搬送ベルト40A、40Bが所定の搬送速度で駆動されるとともに、下方搬送ベルト48A、48Bが所定の搬送速度で駆動される。
段ボールシート製函機のシート給送装置が起動されて段ボールシートが給送されると、印刷装置などの複数の加工装置により段ボールシートが加工され、図1に示す平坦な状態で段ボールシートSSがフォルダグルア1の搬入側部分に供給される。段ボールシートSSは、上方搬送ベルト40A、40Bと下方搬送ベルト48A、48Bとの間に挟持されて搬送方向PDに搬送される。
段ボールシートSSの第1パネルP1、第4パネルP4、および、これらのパネルのフラップは、両延出部分20A1、20B1、および両延出部分22A1、22B1において、4つの搬送ガイド100A、100B、102A、102Bに案内されて搬送される。また、段ボールシートSSの第2パネルP2、第3パネルP3、および、これらのパネルのフラップは、シート押え132A、132Bにより押圧されて搬送される。段ボールシートSSの第4パネルP4、およびフラップF4F、F4Rが、ブロア装置126の開口128の下方を通過するときに、開口128から空気が吹き付けられることにより、第4パネルP4、およびフラップF4F、F4Rに付着した紙粉が除去される。
段ボールシートSSの前端部FEがシート検出器134により検出されたときに、シート検出器134はシート検出信号をフォルダグルア制御装置210に供給する。フォルダグルア制御装置210は、シート検出信号を受け取ると、測定指令を測定用内部カウンタに送る。測定用内部カウンタは、搬送量検出器44から供給される検出パルス信号の計数を開始する。フォルダグルア制御装置210は、所定距離LSと段ボールシートSSの前端部FEから情報画像DSが印刷される位置までの距離との合計距離と、測定用内部カウンタの計数値とを比較して、その計数値が合計距離に相当する計数値に達したか否かを判断する。測定用内部カウンタの計数値が合計距離に相当する計数値に達したときに、フォルダグルア制御装置210は、インクジェット印刷装置90を起動するための駆動指令を印刷制御装置224に送る。
また、フォルダグルア制御装置210は、オーダ毎に定められる搬送速度に従って各印刷データに従うインク吐出のタイミングを決定し、駆動指令の送出後にインク吐出指令と各印刷データとを印刷制御装置224に順次送る。
第4パネルP4、およびフラップF4F、F4Rは、シートガイド118により、インクジェット印刷装置90のノズル面の真下に案内される。第4パネルP4、およびフラップF4F、F4Rがノズル面の真下を通過する間、第2パネルP2、第3パネルP3、および、これらのパネルのフラップは、シート押え130A、130Bにより押圧されて搬送される。
フォルダグルア制御装置210は、インクジェット印刷装置90の駆動タイミングに達したときに、一群の印刷データの最初の印刷データに従ってインク吐出が行われるように印刷制御装置224を制御する。最初の印刷データに続く各印刷データに従ってインク吐出が行われるように、フォルダグルア制御装置210は、決定した吐出タイミングで印刷制御装置224を制御する。印刷制御装置224は、駆動タイミングおよび吐出タイミングでインクジェット印刷装置90を駆動することにより、一群の印刷データに従う情報画像DSがフラップF4Rに印刷される。
情報画像DSが印刷された段ボールシートSSは、搬送ガイド104A、106A、104B、106Bにより案内されて第1折曲ステーション10まで搬送される。第1折曲ステーション10において、まず、糊付け装置14が、搬送されている段ボールシートSSの接合代GSに糊を塗布する。その後に、段ボールシートSSは、図9に示すように、一対のパネル折曲バー46A、46Bにより、その第1パネルP1および第4パネルP4が0度である平坦状態から90度程度まで折り曲げられる。
90度程度まで折曲げられた段ボールシートSSは、第2折り曲げステーション12に移動し、案内規制機構60A、60Bにより、縦罫線PK2と縦罫線PK4との間隔が所定の案内間隔に規制された状態で、上方搬送ベルト40A、40Bにより下流側に搬送される。このとき、段ボールシートSSは、パネル折曲げベルト58A、58Bにより、90度程度(ほぼ90度)から180度まで折曲げられる。この後、この糊付けされた段ボールシートSSは、箱体としてフォルダグルア1から排出され、カウンタエジェクタにより集積される。
糊付けされた段ボールシートSSから形成される箱体は、図10に示すように、フラップF1F~F4Fを横罫線WK1に沿って折り曲げ、フラップF1R~F4Rを横罫線WK2に沿って折り曲げることにより、立方体の段ボール箱に組み立てられる。本実施形態では、図1に示すパターン画像D1~D4は、搬送方向PDの下流側が段ボール箱の上方側となるように、印刷される。このため、フラップF1F~F4Fは、段ボール箱の上面を構成し、フラップF1R~F4Rが段ボール箱の底面を構成する。内フラップとなるフラップF2R、F4Rが、外フラップとなるフラップF1R、F3Rに覆われることにより、段ボール箱の底面が形成される。フラップF4Rに印刷された情報画像DSは、フラップF1R、F3Rに覆われ、しかも、段ボール箱の底面を構成することから、使用者が、段ボール箱の上面を構成するフラップF1F~F4Fを開封しても、情報画像DSが使用者の目に触れることはない。
段ボール箱のパターン画像D1~D4が不鮮明であるなどの品質不良が段ボール箱に発生した場合には、段ボールシートSSの生産者は、段ボール箱を回収し、情報画像DSをバーコードリーダで読み取ることにより、段ボールシートSSを加工した工場名、段ボールシート製函機の機械番号、および加工年月日などを特定することができ、段ボールシート製函機の不具合を早期に修理することができる。また、段ボールシートSSの生産者は、品質不良となった段ボールシートSSの生産枚数などを早期に把握することができる。
[第1実施形態の効果]
本実施形態では、インクジェット印刷装置90が、幅方向WDに移動可能な上方支持フレーム20Bに取り付けられ、搬送装置8により搬送される段ボールシートSSに情報画像DSを印刷する。この結果、段ボールシートSSの幅方向WDの長さが変更された場合、インクジェット印刷装置90を幅方向WDに移動させる専用の移動機構を段ボールシート製函機に備えなくても、情報画像DSを段ボールシートSSの所定位置に正確に印刷することができる。
本実施形態では、インクジェット印刷装置90、シートガイド118、およびブロア装置126が、両上方支持フレーム20A、20Bが向き合う領域R1より外側の領域R2Rに配置される。この結果、段ボールシートSSの幅方向WDの長さが極めて小さい場合でも、両上方支持フレーム20A、20Bがインクジェット印刷装置90などと干渉することなく、小さな幅方向WDの長さに合わせて両上方支持フレーム20A、20Bの間隔を狭めることができる。
本実施形態では、ブロア装置126が、搬送方向PDにおいてインクジェット印刷装置90より上流側に配置され、スロッタの溝切りなどの加工において発生した紙粉を情報画像DSの印刷前に段ボールシートSSから除去する。この結果、紙粉により乱されることなく情報画像DSを段ボールシートSSに鮮明に印刷することができる。
本実施形態では、シートガイド118が、段ボールシートSSの第4パネルP4、およびフラップF4F、F4Rをインクジェット印刷装置90の真下に案内するとともに、シート押え130A、130B、132A、132Bが、段ボールシートSSの第2および第3パネルP2、P3と、これらのパネルに連結されるフラップとを上方から押圧する。この結果、インクジェット印刷装置90により情報画像DSを印刷するときに、段ボールシートSSが上下に移動することはなく、情報画像DSを段ボールシートSSの所定位置に精度よく印刷することができる。
本実施形態では、インクジェット印刷装置90が、上方支持フレーム20Bに取り付けられ、下方に向けてインク吐出を行う。この結果、インク滴が吐出される方向がインク滴の重力により変化することはなく、情報画像DSを段ボールシートSSの所定位置に精度よく印刷することができる。
本実施形態では、インクジェット印刷装置90は、図5に示すように、搬入側保持部材2より上流側に延びる上方支持フレーム20Bの延出部分20B1において、搬入側保持部材2の近傍の位置に配置される。折り曲げバー46A、46Bは、搬入側保持部材2から搬送方向PDの下流側に延びて配置される。この結果、延出部分20B1において、第4パネルP4は第2および第3パネルP2、P3と同一面上に位置する平坦な状態で搬送されることから、インクジェット印刷装置90とフラップF4Rとの間の間隔を一定に保ちながらフラップF4Rに情報画像DSを鮮明に印刷することができる。また、本実施形態では、搬入側移動機構24、28などの多数の主要機構が、搬入側保持部材2に配置される。この結果、インクジェット印刷装置90が延出部分20B1に配置されることから、搬入側保持部材2における多数の主要機構の配置位置を変更することなく、振動などが小さい安定した位置である搬入側保持部材2の近傍にインクジェット印刷装置90を配置することができる。
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態に係るフォルダグルア1について、図11を参照して説明する。図11は、図9に相当する平面図である。第2実施形態は、インクジェット印刷装置300が上方支持フレーム20A、20Bが向き合う領域R1に配置される点で、第1実施形態と相違する。第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成部分には、同じ記号、または番号を付して説明する。
インクジェット印刷装置300は、折り曲げバー46A、46Bの下流側端部の近傍、すなわち、図1に示す中間保持部材6の近傍において、上方支持フレーム20Aの後方側の面に取り付けられる。インクジェット印刷装置300は、インクジェット印刷装置90と同じ構成を有する。第1実施形態におけるシートガイド118、シート検出器134、および、ブロア装置126に相当するシートガイド、シート検出器、および、ブロア装置は、第2実施形態においても、インクジェット印刷装置300の上流側において、上方支持フレーム20Aの後方側の面にそれぞれ取り付けられる。
第2実施形態は、図8に示す第1実施形態の電気的構成と同じ電気的構成を有する。インクジェット印刷装置300は、フォルダグルア制御装置210が制御する印刷制御装置224により駆動され、段ボールシートSSの第2パネルP2に連結されるフラップF2Rに情報画像DSを印刷する。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、インクジェット印刷装置300が、両上方支持フレーム20A、20Bが向き合う領域R1に配置され、段ボールシートSSの第2パネルP2のフラップF2Rに情報画像DSを印刷する。この結果、第2パネルP2、およびフラップF2Rはフォルダグルア1において折り曲げられない部分であることから、上方支持フレーム20Aの搬送方向PDの領域においてインクジェット印刷装置300の配置位置が制限されることがない。
第2実施形態では、インクジェット印刷装置300は、図1に示す中間保持部材6の近傍の位置で上方支持フレーム20Aの後方側の面に取り付けられる。インクジェット印刷装置300は、図11に示すように、両下方搬送ベルト48A、48Bにより下方から支持された段ボールシートSSのフラップF2Rに情報画像DSを印刷する。この結果、段ボールシートSSが両下方搬送ベルト48A、48Bにより下方から支持されることから、フラップF2Rの上下方向の位置を安定させることができ、インクジェット印刷装置300とフラップF2Rとの間の間隔を一定に保ちながらフラップF2Rに情報画像DSを鮮明に印刷することができる。
<構成の対応関係>
フォルダグルア1が、本発明のフォルダグルアの一例である。上方搬送ベルト40A、40Bを含む搬送装置8が、本発明の搬送装置の一例である。第1折曲ステーション10、および第2折曲ステーション12が、本発明の折り曲げ装置の一例である。搬入側保持部材2、搬出側保持部材4、および中間保持部材6が、本発明の搬入側保持部材、搬出側保持部材、および中間保持部材の一例である。上方支持フレーム20A、20B、および下方支持フレーム22A、22Bが、本発明の一対の支持フレームの一例である。延出部分20A1、20B1、22A1、22B1が、本発明の延出部分の一例である。搬入側移動機構24、28、搬出側移動機構26、および中間移動機構30、32が、本発明の支持機構の一例である。インクジェット印刷装置90、300が、本発明のインクジェット印刷装置の一例である。ブロア装置126が、本発明の紙粉除去装置の一例である。シート検出器134が、本発明の検出器の一例である。フォルダグルア制御装置210が、本発明の制御装置の一例である。段ボールシートSS、第1乃至第4パネルP1~P4、およびフラップF1F~F4F、F1R~F4Rが、本発明の段ボールシート、第1乃至第4パネル、8つのフラップの一例である。フラップF1F、F1R、F3F、F3Rが、本発明の外フラップの一例であり、フラップF2F、F2R、F4F、F4Rが、本発明の内フラップの一例である。搬送方向PD、および幅方向WDが、本発明の所定搬送方向、および幅方向の一例である。情報画像DSが、本発明の所定情報の一例である。向き合う領域R1、および、領域R1の外側の領域R2F、R2Rが、本発明の向き合う領域、および、向き合う領域の外側の領域の一例である。
<変形例>
本発明は、第1および第2実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
(1)第1実施形態では、段ボールシートSSのフラップF4Rが内フラップとなることから、インクジェット印刷装置90が、上方支持フレーム20Bの延出部分20B1の後方側の面に取り付けられる構成である。第2実施形態では、段ボールシートSSのフラップF2Rが内フラップとなることから、インクジェット印刷装置300が、上方支持フレーム20Aの後方側の面に取り付けられる構成であるが、これらの構成に限定されない。たとえば、段ボールシートSSのフラップF1R、またはフラップF3Rが内フラップとなるのであれば、インクジェット印刷装置90が、上方支持フレーム20Aの延出部分20A1の前方側の面に取り付けられる構成、または、インクジェット印刷装置300が、上方支持フレーム20Bの前方側の面に取り付けられる構成であってもよい。
(2)第1実施形態では、インクジェット印刷装置90が、上方支持フレーム20Bの延出部分20B1に取り付けられる構成であるが、延出部分での取付け構成に限定されない。たとえば、段ボールシートSSの第1および第4パネルが折り曲げられる前に情報画像DSが印刷されるのであれば、インクジェット印刷装置90は、搬入側保持部材2の配置領域に取り付けられる構成であってもよいし、または、搬入側保持部材2の配置領域より下流側の位置で取り付けられる構成であってもよい。
(3)第2実施形態では、インクジェット印刷装置300は、図1に示す中間保持部材6の近傍において、上方支持フレーム20Aに取り付けられる構成であるが、中間保持部材6の近傍での取付け構成に限定されない。たとえば、インクジェット印刷装置300は、段ボールシートSSの折り曲げられない第2パネルP2のフラップF2Rに情報画像DSを印刷することから、搬送方向PDにおける上方支持フレーム20Aのいずれの位置に取り付けられてもよい。ただ、下方搬送ベルト48A、48Bが第2パネルP2を安定した状態で支持しながら搬送することから、インクジェット印刷装置300は、下方搬送ベルト48A、48Bが配置される領域に取り付けられることが、好ましい。
(4)両実施形態では、ブロア装置126は、空気を段ボールシートSSに吹き付ける構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、ブロア装置126に代えて、空気を吸引する吸引装置が、段ボールシートSSに付着した紙粉を吸引する構成であってもよい。
(5)両実施形態では、インクジェット印刷装置90、300が、上方支持フレーム20A、20Bに取り付けられ、下方に向ってインク吐出を行う構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、インクジェット印刷装置90、300が、下方支持フレーム22A、22Bに取り付けられ、上方に向ってインク吐出を行う構成であってもよい。
(6)両実施形態では、情報画像DSは、段ボールシートSSを特定することができる固有情報をバーコード形式で表した画像であるが、この画像に限定されない。たとえば、情報画像DSは、段ボールシートSSに施された加工内容に関する加工情報を表す画像であってもよい。加工情報としては、パターン画像D1~D4の印刷に使用されたインクの粘性などの情報が考えられる。また、情報画像DSを表す形式は、バーコード形式以外の形式、たとえばQRコード(登録商標)などの形式であってもよい。
(7)両実施形態では、段ボールシートSSは、前端部FEにおいて4つのフラップF1F~F4Fと、後端部REにおいて4つのフラップF1R~F4Rと、を有する形状であるが、この形状に限定されない。たとえば、段ボールシートSSは、前端部FEにおいてフラップを有しないで、後端部REにおいてのみ4つのフラップF1R~F4Rを有する形状であってもよい。