JP6986756B2 - 液晶表示素子用シール剤組成物 - Google Patents

液晶表示素子用シール剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6986756B2
JP6986756B2 JP2018207970A JP2018207970A JP6986756B2 JP 6986756 B2 JP6986756 B2 JP 6986756B2 JP 2018207970 A JP2018207970 A JP 2018207970A JP 2018207970 A JP2018207970 A JP 2018207970A JP 6986756 B2 JP6986756 B2 JP 6986756B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
crystal display
meth
display element
sealant composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018207970A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020076794A (ja
Inventor
大晃 臼井
翼 椎根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoritsu Chemical and Co Ltd
Original Assignee
Kyoritsu Chemical and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=70723973&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP6986756(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Kyoritsu Chemical and Co Ltd filed Critical Kyoritsu Chemical and Co Ltd
Priority to JP2018207970A priority Critical patent/JP6986756B2/ja
Publication of JP2020076794A publication Critical patent/JP2020076794A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6986756B2 publication Critical patent/JP6986756B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

本発明は、硬化性化合物、光重合開始剤及び窒化ジルコニウムを含む液晶表示素子用シール剤組成物に関する。
液晶パネル等の液晶表示装置の製造において、例えば、液晶パネルを構成する2枚の基板のいずれかの基板の外周に液晶表示素子用シール剤組成物を塗布し、いずれかの基板上に所定量の液晶を滴下し、2枚の基板を真空下で貼り合せた後に大気圧中に戻すことにより液晶を基板同士の間に充填し、液晶表示素子用シール剤組成物を硬化させる液晶滴下工法が普及している。
液晶滴下工法では、2枚の基板のいずれかにシール剤を枠状に塗布して枠シールを形成し、いずれかの基板に液晶を滴下して、真空下で両基板を貼り合わせ、活性エネルギー線照射して液晶表示素子用シール剤組成物を光硬化させる。現在では、その後、液晶表示素子用シール剤組成物を熱硬化させることが行なわれており、液晶表示素子用シール剤組成物は、光及び熱で硬化する組成物が用いられている。
液晶ディスプレイでは、光漏れを防ぐためにブラックマトリックスが形成されている。しかしながら、液晶表示素子用シール剤組成物は、基板の外周に塗布されるため、液晶表示素子用シール剤組成物に遮光性がないことにより液晶表示素子用シール剤組成物を介してバックライトの光が漏れてしまい、表示品質を損なっている。また、最近の液晶ディスプレイでは、高精細化、高輝度化及び額縁を狭くすることが求められており、さらに上記問題が助長されている。
このような問題に対し、特許文献1には、液晶表示素子用シール剤組成物に遮光性を付与するために、チタンブラックを配合した液晶表示素子用遮光シール剤が記載されている。しかしながら、チタンブラックの光透過性は、450〜500nmで光透過性のピークがあり、可視光線を十分に遮光するためには、シール剤中に多量に含ませる必要があり、その結果、光硬化の妨げになっていた。
特開2005−292801号公報
そこで、可視光線に対する遮光性とともに光硬化性の高い液晶表示素子用シール剤組成物が求められていた。
本発明は、可視光線に対する遮光性が高く、紫外線に対する光硬化性も高い液晶表示素子用シール剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、例えば以下に関する。
[1]硬化性化合物(A)、光重合開始剤(B)及び窒化ジルコニウム(C)を含む液晶表示素子用シール剤組成物。
[2]前記成分(B)の配合量が、前記成分(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部である[1]に記載の液晶表示素子用シール剤組成物。
[3]前記成分(B)が、ジアルキルアミノベンゾイル基を有するポリエーテル化合物を含む[1]又は[2]に記載の液晶表示素子用シール剤組成物。
[4]前記成分(B)が、チオキサントン類を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤組成物。
[5]前記成分(A)が、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤組成物。
[6]さらに熱硬化剤(D)を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の液晶表示素子用シール剤組成物。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載された液晶表示素子用シール剤組成物の硬化物でシールされた液晶表示体。
本発明の液晶表示素子用シール剤組成物は、可視光線に対する遮光性が高く、紫外線に対する光硬化性も高い。
<液晶表示素子用シール剤組成物>
液晶表示素子用シール剤組成物は、硬化性化合物(A)、光重合開始剤(B)及び窒化ジルコニウム(C)(以下、それぞれ成分(A)、成分(B)及び成分(C)ともいう)を含む。
[硬化性化合物(A)]
液晶表示素子用シール剤に含まれる硬化性化合物としては、光で硬化し得る樹脂が挙げられ、光及び熱の両方で硬化し得る樹脂が好ましい。例えば、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。硬化性化合物は、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂が好ましい。本明細書において、(メタ)アクリルとは、メタクリル及び/又はアクリルを意味し、(メタ)アクリレートは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。また、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応した樹脂を意味する。部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂中の一部のエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応した樹脂を意味し、すなわち、樹脂中にエポキシ基と(メタ)アクリル基を有する。
エポキシ樹脂の種類は、特に限定されず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物及びそれらのハロゲン化物、水素添加物等も使用することができる。多官能エポキシ樹脂も使用することができ、例えば、三官能及び四官能エポキシ樹脂等が挙げられる。また、特開2012−077202号公報記載のエポキシ樹脂を使用することができる。
(メタ)アクリル化エポキシ樹脂、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応により得ることができる。具体的には、エポキシ樹脂に所定の当量比の(メタ)アクリル酸と触媒(例えば、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等)と、重合禁止剤(例えば、メトキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン、ジブチルヒドロキシトルエン等)を添加して、例えば80〜110℃でエステル化反応を行うことにより、エポキシ基の全部又は一部を(メタ)アクリル化することができる。原料となるエポキシ樹脂は、特に限定されず、上記に例示したエポキシ樹脂が挙げられる。
部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、樹脂中の(メタ)アクリル基とエポキシ基との合計モル数に対して、(メタ)アクリル基の割合が10〜90モル%であることが好ましく、より好ましくは40〜60モル%である。部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は、好ましくは一分子中にエポキシ基と(メタ)アクリル基とを、それぞれ1個以上含有する化合物を含む。
(メタ)アクリル樹脂は、メタクリル及び/又はアクリル基を有する樹脂であれば、特に限定されず、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂として、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを使用することができ、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等)、ポリオール(メタ)アクリレート(グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等)、アルキレンオキサイド付加ポリオール(メタ)アクリレート(例えば、アルキレンオキサイド付加トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド付加ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等)等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂として、脂環式(メタ)アクリレートを使用することができ、例えばシクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単環式(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等の2環式(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の3環式(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂として、ポリイソプレン、ポリブタジエン及びポリウレタンから選択される少なくとも1種を骨格に含む(メタ)アクリレートを使用することができる。ポリイソプレンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、クラレ社製の「UC−203M」(平均分子量35000)が挙げられ、ポリブタジエンを骨格に含む(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品として、例えば、日本曹達社製の「TE2000」(重量平均分子量2500)が挙げられる。
硬化性化合物は、単独でも、2種以上を併用してもよく、光及び熱の両方で硬化し得る点から、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂を含むことが好ましく、例えば部分(メタ)アクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。
液晶表示素子用シール剤組成物中の硬化性化合物の配合量は特に限定されないが、10〜90重量%が好ましく、20〜85重量%がより好ましく、30〜80重量%がさらに好ましい。
[光重合開始剤(B)]
液晶表示素子用シール剤組成物は、光によって硬化する。したがって、光重合開始剤を含む。
光重合開始剤は、光によって、ラジカル又はカチオンを生じ、重合反応を開始させる化合物であれば、特に制限されない。
光の中でも、紫外線、具体的には、100〜400nmの波長の光によって、重合反応を開始させる化合物が好ましく、340〜400nmの波長の光によって、重合反応を開始させる化合物がより好ましい。
光重合開始剤は、ベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、α−アシロキシムエステル類、フェニルグリオキシレート類、ベンジル類、アゾ系化合物、ジフェニルスルフィド系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、ジアルキルアミノベンゾイル基を有するポリエーテル化合物、ベンゾインエーテル類及びアントラキノン類、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられる。これらの中には、光開始性化合物に分類されるものの他に、可視光増感性化合物に分類されるものもあるが、本発明では、光増感作用があり、且つ光重合開始剤として機能するものは、一般に可視光増感性化合物に分類されるものであっても、光重合開始剤とする。光重合開始剤は、液晶への溶解性が低く、また、それ自身で光照射時に分解物が発生しない、又は分解物がガス化しないような構造を有するものが好ましい。光重合開始剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤は、光開始性化合物と可視光増感性化合物の組み合わせであってもよい。光開始性化合物は、可視光増感性化合物によって光励起され、重合開始種となる。
本発明の光重合開始剤において、光開始性化合物と可視光増感性化合物とのモル比(光開始性化合物/可視光増感性化合物)は、安定で十分なラジカルを供給する観点から、好ましくは1/5〜5/1、より好ましくは1/3〜3/1、さらに好ましくは1/2〜2/1である。
光重合開始剤は、光開始性化合物であるジアルキルアミノベンゾイル基を有するポリエーテル化合物を含むことが好ましい。また、可視光増感性化合物であるチオキサントン類を含むことが好ましい。ジアルキルアミノベンゾイル基を有するポリエーテル化合物とチオキサントン類とは組み合わせて用いることが好ましい。ジアルキルアミノベンゾイル基を有するポリエーテル化合物としては、下記式(1B−1)で表される化合物がより好ましく、チオキサントン類としては、下記式(1B−2)で表される化合物がより好ましい。光開始性化合物と可視光増感性化合物の組み合わせである下記式(1B−1)で表される化合物及び下記式(1B−2)で表される化合物の組み合わせがさらに好ましい。
Figure 0006986756

式中、n1は、0〜50であり、好ましくは1〜45である。
Figure 0006986756

式中、n2は、0〜50であり、好ましくは1〜45である。
光重合開始剤の配合量としては、特に限定されないが、硬化性化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜10.0重量部、より好ましくは0.5〜5.0重量部である。
[窒化ジルコニウム(C)]
窒化ジルコニウムは、光の波長が300〜400nmにおいて、光の透過率が最大となるとともに、光の波長が400nmを超えると均一で高い遮光性能を示す。すなわち、紫外線領域とそれ以外の領域とで、光の透過率に著しい差がある。
したがって、この窒化ジルコニウムと、紫外線領域の光によって重合を開始する上記光重合開始剤とを組み合わせることによって、本発明の液晶表示素子用シール剤組成物は、紫外線により硬化するとともに、紫外線以外の領域の光に対し、優れた遮光性を示す。
このように窒化ジルコニウムが紫外線以外の領域の光に対して優れた遮光性を示すことにより、液晶表示素子の光漏れを防ぐことができる。それとともに、光重合開始剤として、紫外線領域の光で重合を開始する化合物を、より好ましくは300〜400nmの波長領域の光で重合を開始する化合物をこの窒化ジルコニウムとを組み合わせて用いることにより、硬化性化合物を十分に硬化させることができる。
窒化ジルコニウムは、平均一次粒子径が、20〜50nmが好ましい。平均一次粒子径は、窒素を用いた場合のBETの式により比表面積を求め、得られた比表面積から下記式で求められる。
Figure 0006986756

窒化ジルコニウムの市販品としては、三菱マテリアル電子化成株式会社製UB−1等が挙げられる。
窒化ジルコニウムの配合量としては、特に限定されないが、硬化性化合物100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜30重量部である。
<<更なる成分>>
液晶表示素子用シール剤組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、任意に以下の更なる成分を含有していてもよい。
[熱硬化剤(D)及び熱ラジカル開始剤(E)]
液晶表示素子用シール剤組成物は、光に加え、熱によって硬化させて用いることもできる。
熱によって硬化させる場合は、熱硬化剤及び熱ラジカル開始剤を含むことが好ましい。
熱硬化剤は、特に限定されないが、アミン系熱硬化剤、例えば有機酸ジヒドラジド化合物、アミンアダクト、イミダゾール及びその誘導体、ジシアンジアミド、芳香族アミン、エポキシ変性ポリアミン、およびポリアミノウレア等が挙げられ、それらの中でも、VDH(1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン)、ADH(アジピン酸ジヒドラジド)、UDH(7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド)及びLDH(オクタデカン−1,18−ジカルボン酸ジヒドラジド)等の有機酸ジヒドラジド;ADEKA社から、アデカハードナーEH5030S、味の素ファインテクノ社から、アミキュアPN−23、アミキュアPN−30、アミキュアMY−24、アミキュアMY−H等として市販されているアミンアダクトが好ましい。これらの熱硬化剤は、単独で用いても、複数で用いてもよい。熱硬化剤の配合量としては、特に限定されないが、硬化性化合物100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは5〜35重量部である。
熱ラジカル重合開始剤の種類は、特に限定されず、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。アゾ化合物としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。熱ラジカル重合開始剤(E)の配合量としては、特に限定されないが、硬化性化合物(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜25重量部、より好ましくは0.5〜15重量部である。
[フィラー(F)]
液晶表示素子用シール剤組成物は、フィラーを含んでいてもよい。
フィラーは、液晶表示素子用シール剤組成物の粘度制御や液晶表示素子用シール剤組成物を硬化させた硬化物の強度向上、または線膨張性を抑えることによって液晶表示素子用シール剤組成物の接着信頼性を向上させる等の目的で添加される。フィラーは、特に限定されず、公知の無機フィラー及び有機フィラーが挙げられる。無機フィラーとして、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、及び窒化ケイ素が挙げられる。有機フィラーとして、ポリメタクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等のポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、これらを構成するモノマーと他のモノマーとを共重合させて得られる共重合体、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、及びゴム微粒子が挙げられ、特に応力緩和の観点から有機フィラーが好ましい。フィラーの配合量は、硬化性化合物100重量部に対して、2〜40重量部であることが好ましく、5〜30重量部であることがより好ましい。
[カップリング剤(G)]
液晶表示素子用シール剤組成物は、カップリング剤を含んでいてもよい。
カップリング剤は、液晶表示基板との接着性をさらに良好とすることを目的として添加される。カップリング剤は、特に限定されず、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのカップリング剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。カップリング剤の量は、硬化性化合物100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましい。
[その他]
液晶表示素子用シール剤組成物は、分散剤、顔料、染料等の着色成分、保存安定剤、可塑剤、粘弾性調整剤、界面活性調整剤(濡れ剤や消泡剤)を含んでいてもよい。顔料、染料等の着色成分は、紫外線透過性に影響を与えない範囲で使用することが好ましい。
<<物性値>>
液晶表示素子用シール剤組成物を実施例記載の条件で硬化させて得た硬化物の厚さ1μm当たりのOD値は、バックライトからの光漏れを防止する観点から、0.01〜3.0が好ましく、0.02〜2.0がより好ましい。
なお、OD値は、以下の式により求められる値である。
OD(λ)=log10T(λ)−log10I(λ)
ここで、(λ)は波長、T(λ)は波長帯における透過光量、I(λ)は波長帯における入射光量である。OD値は、実施例記載の方法で測定することができる。
液晶表示素子用シール剤組成物の25℃における粘度は、特に限定されないが、100〜3,000,000mPa・sであるのが好ましく、200〜2,000,000mPa・sであるのがより好ましく、300〜1,500,000mPa・sであるのが特に好ましい。このような範囲であれば、液晶に塗布した際に流動が生じにくく、液晶への汚染を抑えることができる。なお、粘度は、E型粘度計を用いて測定した値である。
<<製造方法>>
液晶表示素子用シール剤組成物は、上記必須成分と必要に応じて任意成分を混合することにより製造することができる。
<液晶表示体>
液晶表示素子用シール剤組成物の硬化物でシールされた液晶表示体は、対向するガラス、樹脂等の透明基板と、対向するガラス、樹脂等の透明基板を接着する液晶表示素子用シール剤組成物の硬化物と、対向するガラス、樹脂等の透明基板及び液晶表示素子用シール剤組成物の硬化物で封止された液晶とを備える。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[合成例1]
硬化性化合物の合成
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えた500mlガラス製4ツ口フラスコを用意し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピクロンEXA850CRP〔DIC社製〕を340g(2.0当量/エポキシ基)、メタクリル酸86.1g(1.0当量)、PS−PPh(トリフェニルホスフィノポリスチレン、2.0mmol/g)〔バイオタージ社製〕750mg(1.5ミリ当量/TPP(トリフェニルホスフィン)触媒量(g))を混合しオイルバスを用いて100〜110℃で攪拌した。水酸化ナトリウム(1N/100)で反応液を酸価滴定し、メタクリル酸残存量を計算し、始めに加えたメタクリル酸量とメタクリル酸残量から反応率を算出し、反応率が99.5%以上になるまで加熱攪拌して反応させた。反応液を60℃まで冷却し、目開き10μmのナイロンメッシュNY−10HC(スイスSefar社製)で触媒のPS−PPhを除去し、部分メタクリル化エポキシ樹脂(A−1)を得た。得られた樹脂のエポキシ当量は、468g/eqであった。
Figure 0006986756
[合成例2]
化合物B−1(n1=6〜9)の合成
デナコールEX−830(PEG400のジグリシジルエーテル(n1=6〜9)ナガセケムテックス社製)26.8g(0.1エポキシ当量)、4−ジメチルアミノ安息香酸16.5g(0.1当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.71g(0.02当量)、MIBK(メチルイソブチルケトン)25gをフラスコに入れ、オイルバスを用いて110℃で24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物B−1を35.3g得た。
Figure 0006986756
[合成例3]
化合物B−2(n2=6〜9)の合成
デナコールEX−830(PEG400のジグリシジルエーテル(n2=6〜9)ナガセケムテックス社製)26.8g(0.1エポキシ当量)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン22.83g(0.1当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.71g(0.02当量)、MIBK40gをフラスコに入れ、オイルバスを用いて110℃で72時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物B−2を36.2g得た。
Figure 0006986756
[測定方法]
(1)試験片作成方法
6μmスペーサーを散布した0.05mmtの離型PETに、実施例及び比較例の組成物を塗布し、塗布面に0.05mmtの離型PETを重ね、該離型PETに組成物が挟まれた積層物の上下面をさらに0.5mmtガラスで挟み、該ガラスに挟まれた積層物の上下面をクリップで挟みしばらく静置したものに対し、片面からUV 3,000mJ/cmを照射したものを測定サンプル1とし、片面からUV 3,000mJ/cmを照射した後、熱風循環オーブンにおいて120℃で60分硬化したものを測定サンプル2とした。
(2)OD値
白黒透過濃度計(X−Rite 361T(V)、エックスライト社製)を用いて測定サンプル2を測定した。
(3)ギャップ
測定サンプル2において、離型PET間の硬化した組成物の高さをギャップとして、マイクロメータで測定した。
(4)光硬化性基反応率
測定サンプル1において、UVを照射していない側の離型PETを剥がし、ゲルマニウムATR法によるFT−IR測定(装置:Spectrum One、パーキンエルマー社製)をした。
反応率は、以下のようにして求めた。
得られたIRスペクトルの(メタ)アクリル基のピーク面積より(メタ)アクリル基の反応率(転化率)を算出した。具体的には(メタ)アクリル基の吸収1620〜1650cm−1の面積の減少をベンゼン環の二重結合の吸収1480〜1520cm−1の面積を基準として計算した。
[実施例1]
硬化性化合物(A)として部分メタクリル化エポキシ樹脂(A−1)100重量部(100g)に光重合開始剤(B)として化合物B−1を2重量部と化合物B−2を2重量部、熱硬化剤(D)を22.8重量部、カップリング剤(G)を1.5重量部溶解し、窒化ジルコニウム(C)10重量部を加えて混合し、液晶表示素子用シール剤組成物を得た。
〔実施例2〕〜〔実施例4〕、〔比較例1〕〜〔比較例6〕は表1に示した組成で実施例1と同様にして液晶表示素子用シール剤組成物を得た。
表1中略称で記載されている成分は以下の通りである。
窒化ジルコニウム:三菱マテリアル電子化成株式会社製「UB−1」
チタンブラック:三菱マテリアル電子化成株式会社製「13M−T」
カーボンブラック:三菱ケミカル株式会社製「♯2600」
熱硬化剤:ADEKA社製「アデカハードナー EH−5030」
カップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 信越化学社製「KBM−403」
Figure 0006986756

Claims (7)

  1. 硬化性化合物(A)、光重合開始剤(B)及び窒化ジルコニウム(C)を含む液晶表示素子用シール剤組成物。
  2. 前記成分(B)の配合量が、前記成分(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部である請求項1に記載の液晶表示素子用シール剤組成物。
  3. 前記成分(B)が、ジアルキルアミノベンゾイル基を有するポリエーテル化合物を含む請求項1又は2に記載の液晶表示素子用シール剤組成物。
  4. 前記成分(B)が、チオキサントン類を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子用シール剤組成物。
  5. 前記成分(A)が、部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子用シール剤組成物。
  6. さらに熱硬化剤(D)を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示素子用シール剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載された液晶表示素子用シール剤組成物の硬化物でシールされた液晶表示体。
JP2018207970A 2018-11-05 2018-11-05 液晶表示素子用シール剤組成物 Active JP6986756B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018207970A JP6986756B2 (ja) 2018-11-05 2018-11-05 液晶表示素子用シール剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018207970A JP6986756B2 (ja) 2018-11-05 2018-11-05 液晶表示素子用シール剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020076794A JP2020076794A (ja) 2020-05-21
JP6986756B2 true JP6986756B2 (ja) 2021-12-22

Family

ID=70723973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018207970A Active JP6986756B2 (ja) 2018-11-05 2018-11-05 液晶表示素子用シール剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6986756B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023153514A1 (ja) * 2022-02-14 2023-08-17 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤及び表示素子用接着剤
JP2024083121A (ja) * 2022-12-09 2024-06-20 信越化学工業株式会社 紫外線硬化型シリコーン組成物、及びその硬化物

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4297401A (en) * 1978-12-26 1981-10-27 Minnesota Mining & Manufacturing Company Liquid crystal display and photopolymerizable sealant therefor
KR20080006865A (ko) * 2006-07-14 2008-01-17 삼성전자주식회사 액정 표시 장치
KR101672580B1 (ko) * 2010-12-09 2016-11-03 교리쯔 가가꾸 산교 가부시키가이샤 광 중합 개시제에 적합한 화합물, 광 중합 개시제 및 광경화성 수지 조성물
JP6114107B2 (ja) * 2013-05-17 2017-04-12 協立化学産業株式会社 液晶シール剤用光硬化性樹脂組成物
KR20170066276A (ko) * 2014-10-08 2017-06-14 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 액정 적하 공법용 시일제, 상하 도통 재료, 및 액정 표시 소자
JP6547143B2 (ja) * 2014-11-07 2019-07-24 協立化学産業株式会社 光硬化性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020076794A (ja) 2020-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6478313B2 (ja) 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル
US10108029B2 (en) Sealant composition
TWI625340B (zh) Sclerosing composition
JP4948317B2 (ja) 液晶シール剤、それを用いた液晶表示パネルの製造方法及び液晶表示パネル
JP6986756B2 (ja) 液晶表示素子用シール剤組成物
TW201609931A (zh) 液晶密封劑及使用其之液晶顯示晶胞
JP2016109997A (ja) 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル
JP2016024243A (ja) 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル
JP6535002B2 (ja) 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル
JP6020895B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物及び光学部材
JP4961055B2 (ja) 液晶滴下工法用シール剤
JP2018036469A (ja) 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル
JP2017203830A (ja) 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル
JP2019137849A (ja) ディスプレイ用封止剤
JPWO2016013214A1 (ja) 液晶シール剤、および液晶表示パネルの製造方法
JP7489911B2 (ja) 液晶滴下工法用液晶シール剤
KR102509153B1 (ko) 액정 적하 공법용 차광 실링제, 및 이것을 이용한 액정 표시 패널의 제조 방법
JP2017102291A (ja) 液晶表示素子用シール剤
KR20190016931A (ko) 액정 표시 소자용 시일제, 상하 도통 재료, 및, 액정 표시 소자
TW201903098A (zh) 光硬化性組成物及電子零件用黏著劑
JP7430970B2 (ja) ディスプレイ用封止剤
JP7164469B2 (ja) 液晶滴下工法用液晶シール剤
JP2019137803A (ja) 電子部品用樹脂組成物
JP7149041B2 (ja) ディスプレイ用封止剤
JP7164470B2 (ja) 液晶滴下工法用液晶シール剤

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181116

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6986756

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157