JP6114107B2 - 液晶シール剤用光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ジアルキルアミノ安息香酸及び/又はヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンと、エーテル結合で中断されていてもよいアルカンポリオールのポリグリシジルエーテル化合物とを反応させることにより得られる化合物、この化合物を使用した光重合開始剤及び光硬化性樹脂組成物に関する。
近年、大型液晶テレビ、携帯電話をはじめ各種機器の表示パネルとして軽量、高精細、低消費電力の特徴を有する液晶表示パネルが多く液晶滴下工法で生産されている。液晶滴下工法とは、光及び熱併用硬化型液晶シール剤を、電極パターン及び配向膜の施された基板上へ塗布し、さらにその液晶シール剤が塗布された基板、又はこれと対となる基板に液晶を滴下した後、対向基板を貼り合わせて、第一段階として紫外線照射等により光硬化を行うことで基板の速やかな固定つまりセルギャップ形成を行い、第二段階として圧締治具フリーによる熱硬化によりシール剤を完全硬化させることで、液晶表示パネルを製造する工法である。このような液晶滴下工法では、未硬化のシール剤と液晶とが接触した状態で光硬化及び熱硬化反応が進行するため、液晶シール剤には、硬化の工程中、すなわち、光硬化前後、熱硬化前後における液晶シール剤由来の液晶への汚染の低減が求められる。同様に、電子部品の気密シール剤等の封止剤にも、硬化の工程中における封止剤由来の電子部品への汚染の低減が求められる。
また、近年の液晶パネルの性能向上に伴い、配向方向、配向膜の種類、液晶材料において、紫外光の影響により、特性が変化する場合があり、エネルギーの小さい可視光領域で硬化できる封止剤が求められている。
このような状況の下、液晶シール剤等の電子材料分野等で使用される光硬化性樹脂組成物に用いられる光開始剤に適した化合物として、特許文献1には、有機酸化合物及び/又はヒドロキシ化合物と分子中に少なくとも2個のエポキシ基を含有する化合物とを反応させて得られる化合物であって、前記化合物が、前記有機酸化合物がジメチルアミノ安息香酸である化合物、又は、前記ヒドロキシ化合物がヒドロキシチオキサントンである化合物が提案されている。ここで、特許文献1の実施例には、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を含有する化合物として、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル及びビスフェノールAジグリシジルエーテルが開示されている。
国際公開第2012/077720号パンフレット
しかし、本発明者らは、従来技術の光開始剤に適した化合物において、液晶汚染性をさらに低減させる点について、改善の余地があることを見出した。
したがって、本発明の課題は、電子部品等の封止剤に好適である従来技術の光重合開始剤よりも、液晶汚染性が低い光開始剤に使用できる化合物を提供することである。
本発明者らは、特定のエーテル結合で中断されていてもよいアルカンポリオールのポリグリシジルエーテル化合物と、ジアルキルアミノ安息香酸及び/又はヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンとを反応させることにより得られる化合物が、前記の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[1]一般式(1):
Figure 0006114107

〔式中、
は、炭素原子数1〜20のアルキレン基、
−Y−(O−Ym1
(式中、
は、炭素原子数1〜8のアルキレン基であり、
m1は、1〜50であるが、
但し、Yが直鎖である炭素原子数2のアルキレン基であり、m1が1である場合を除く)
で示される基、
−CH−CRa1a2−CH
(式中、
a1及びRa2は、それぞれ独立して、水素、炭素原子数1〜4のアルキル基、式(2a)の基又は式(2b)の基:
Figure 0006114107

であるが、Ra1及びRa2の少なくとも一つは、式(2a)の基又は式(2b)の基である)
で示される基、又は
−CH−CRa3a4−CH−O−CH−CRa5a6−CH
(式中、Ra3、Ra4、Ra5及びRa6は、それぞれ独立して、水素、炭素原子数1〜4のアルキル基、式(2a)の基又は式(2b)の基であるが、Ra3、Ra4、Ra5及びRa6の少なくとも一つは、式(2a)の基又は式(2b)の基である)
で示される基であり、
、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、アセタール基又は−CO−NH−Z(式中、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)であるが、
但し、R、R、R、R、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つは、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基である〕で示される化合物。
[2]R及びRが、同一であって、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基であり、R及びRが、それぞれ独立して、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、アセタール基又は−CO−NH−Z(式中、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)であり、Xが、−Y−(O−Ym1−(式中、Y及びm1は、[1]で定義されたとおりである)で示される基である、[1]記載の化合物。
[3]式(1A−1):
Figure 0006114107

(式中、n1は、2〜50である)
で示される化合物である、[1]又は[2]記載の化合物。
[4]式(1B−1):
Figure 0006114107

(式中、n2は、2〜50である)
で示される化合物である、[1]又は[2]記載の化合物。
[5]Xが、−CH−CRa1a2−CH−(式中、Ra1及びRa2は、[1]で定義されたとおりである)で示される基であり、R、R、R及びRが、同一であって、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基であり、R、R、R及びRが、それぞれ独立して、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、アセタール基又は−CO−NH−Z(式中、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)である、[1]記載の化合物。
[6][1]記載の式(1)で示される化合物の製造方法であって、工程(a)〜(d):
(a)ジアルキルアミノ安息香酸及び/又はヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンと、式(3):
Figure 0006114107

〔式中、
は、炭素原子数1〜20のアルキレン基、
−Y−(O−Ym1
(式中、Y及びm1は、[1]で定義されたとおりである)
で示される基、
−CH−CRb1b2−CH
(式中、Rb1及びRb2は、それぞれ独立して、水素、炭素原子数1〜4のアルキル基、グリシジルオキシ基又はグリシジルオキシメチル基であるが、Rb1及びRb2の少なくとも1つは、グリシジルオキシ基又はグリシジルオキシメチル基である)
で示される基、又は
−CH−CRb3b4−CH−O−CH−CRb5b6−CH
(式中、Rb3、Rb4、Rb5及びRb6は、それぞれ独立して、水素、炭素原子数1〜4のアルキル基、グリシジルオキシ基又はグリシジルオキシメチル基であるが、Rb3、Rb4、Rb5及びRb6の少なくとも1つは、グリシジルオキシ基又はグリシジルオキシメチル基である)
で示される基である〕
で示される、ポリグリシジルエーテル化合物とを反応させて、式(3)で示される化合物の少なくとも1つのグリシジル基を、式(4):
Figure 0006114107

(式中、R及びR10の一方は、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基であり、他方は水素である)
で示される基とする工程、
(b)場合により、さらに、酸又はアルカリと反応させて、式(3)で示される化合物の少なくとも1つのグリシジル基を、式(5):
Figure 0006114107

で示される基とする工程、
(c)場合により、さらに、ジアルキルアミノ安息香酸、ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン、R11−OH(式中、R11は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又はアラルキル基である)で示される化合物及び/又はR12−COOH(式中、R12は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又はアラルキル基である)で示される化合物と反応させることにより、式(3)で示される化合物の少なくとも1つのグリシジル基を、式(6):
Figure 0006114107

(式中、R13及びR14の一方は、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、R11又はR12−CO−であり、他方は水素である)
で示される基とする工程、
により、式(1a):
Figure 0006114107

〔式中、
は、炭素原子数1〜20のアルキレン基、
−Y−(O−Ym1
(式中、Y及びm1は、前記で定義されたとおりである)
で示される基、
−CH−CRc1c2−CH
(式中、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、水素、炭素原子数1〜4のアルキル基、式(7a)の基、式(7b)の基、式(7c)の基又は式(7d)の基:
Figure 0006114107

であるが、Rc1及びRc2の少なくとも1つは、式(7a)の基、式(7b)の基、式(7c)の基又は式(7d)の基である)
で示される基、又は
−CH−CRc3c4−CH−O−CH−CRc5c6−CH
(式中、Rc3、Rc4、Rc5及びRc6は、それぞれ独立して、水素、炭素原子数1〜4のアルキル基、式(7a)の基、式(7b)の基、式(7c)の基又は式(7d)の基であるが、Rc3、Rc4、Rc5及びRc6の少なくとも1つは、式(7a)の基、式(7b)の基、式(7c)の基又は式(7d)の基である)
で示される基であり、
15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立して、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、水素、R11又はR12−CO−であるが、但し、R15、R16、R17、R18、R19及びR20のうちの少なくとも一つは、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基である〕
で示される化合物を得る工程、及び
(d)場合により、式(7a)の基又は式(7c)の基におけるOH基の少なくとも1つの水素、或いは、水素であるR15、R16、R17、R18、R19又はR20を、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、アセタール基又は−CO−NH−Z(式中、Zは、[1]で定義されたとおりである)に変換する工程
を含む、製造方法。
[7]光開始性化合物と可視光増感性化合物とからなる光重合開始剤であって、光開始性化合物は、R、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つがジアルキルアミノベンゾイル基である[1]記載の式(1)で示される化合物であり、可視光増感性化合物は、R、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つが9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基である[1]記載の式(1)で示される化合物である、光重合開始剤。
[8]光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマーと[7]記載の光重合開始剤とを含む、光硬化性樹脂組成物。
本発明により、電子部品等の封止剤に好適である従来技術の光重合開始剤よりも、液晶汚染性が低い光開始剤に使用できる化合物が提供される。
〔化合物〕
本発明の化合物は、式(1)で示される。
炭素原子数1〜20のアルキレン基は、直鎖又は分岐状であり、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基及びイコシルメチレン基等の直鎖のアルキレン基;並びに、2−メチルエチレン基、2−メチルプロピレン基、2−メチルへキシレン基及び1,1,2,2−テトラメチルエチレン基等の分岐状のアルキレン基が挙げられる。
炭素原子数1〜8のアルキレン基は、直鎖又は分岐状であり、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基及びオクタメチレン基等の直鎖のアルキレン基;並びに、2−メチルエチレン基、2−メチルプロピレン基、2−メチルへキシレン基及び1,1,2,2−テトラメチルエチレン基等の分岐状のアルキレン基が挙げられる。
アルキル基は、炭素原子数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基及びイソオクチル基等が挙げられる。
アリール基は、炭素原子数6〜20の単環又は多環の芳香族基であり、フェニル基、ナフタレニル基、アントラセニル基及びピレニル基等が挙げられる。アリール基は、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、アルコキシ基、アルキル基、アシル基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基及びシリル基等の置換基を有していてもよい。ここで、アルコキシ基は、炭素原子数1〜8の直鎖又は分岐状のアルコキシ基であり、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基及びt−ブトキシ基等が挙げられる。
ヘテロアリール基は、炭素原子の他に、少なくともO、S及びNからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、総原子数5〜20の単環又は多環の複素環基であり、イミダゾリル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、チエニル基、ジベンゾフリル基、クロメニル基、イソチオクロメニル基、フェノキサチイニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソオキサゾリル基及びフラザニル基等が挙げられる。ヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基として、アリール基の置換基として例示した基が挙げられる。なお、ヘテロアリール基には、後述する9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基を含まないものとする。
アラルキル基は、アリール基−アルキル基で示される基である。アラルキル基として、ベンジル基及びフェニルエチル基等が挙げられる。
アシル基は、Z−C(=O)−(式中、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)で示される基である。アシル基として、アセチル基、プロピオニル基及びベンゾイル基等が挙げられる。なお、アシル基には、後述するジアルキルアミノベンゾイル基を含まないものとする。
シリル基は、−Si(Z(式中、Zは、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基である)で示される基である。シリル基として、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、モノメチルジメトキシシリル基、ジエチルモノエトキシシリル基及びモノメチルジエトキシシリル基等が挙げられる。
アセタール基は、−C(Z)(Z)(OZ)(式中、Z及びZは、それぞれ独立して、水素、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)で示される基である。アセタール基として、−CHOCH、−CH(CH)OCH及び−CH(CH)OC等が挙げられる。
−CO−NH−Z(式中、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)として、フェニルアミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
ジアルキルアミノベンゾイル基は、ジアルキルアミノ基で置換されたベンゾイル基であり、式(8a):
Figure 0006114107

(式中、Z2a及びZ2bは、それぞれ独立して、アルキル基である)で示される。Z2a及びZ2bにおけるアルキル基の炭素原子数は、同一であっても、異なっていてもよい。ジアルキルアミノベンゾイル基として、2−ジアルキルアミノベンゾイル基、3−ジアルキルアミノベンゾイル基、4−ジアルキルアミノベンゾイル基が挙げられる。ジアルキルアミノベンゾイル基として、ジメチルアミノベンゾイル基、ジエチルアミノベンゾイル基、ジプロピルアミノベンゾイル基、ジブチルアミノベンゾイル基、ジヘキシルアミノベンゾイル基、ジオクチルアミノベンゾイル基、メチルエチルアミノベンゾイル基、メチルプロピルアミノベンゾイル基、メチルブチルアミノベンゾイル基、メチルヘキシルアミノベンゾイル基、エチルプロピルアミノベンゾイル基、エチルブチルアミノベンゾイル基、エチルヘキシルアミノベンゾイル基、ブチルオクチルアミノベンゾイル基及びヘキシルオクチルアミノベンゾイル基等が挙げられ、光硬化性の点からジメチルアミノベンゾイル基が好ましく、4−ジメチルアミノベンゾイル基がより好ましい。
9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基は、式(8b):
Figure 0006114107

で示される。9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基として、9−オキソ−9H−チオキサンテン−1−イル基、9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル基、9−オキソ−9H−チオキサンテン−3−イル基、9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イル基が挙げられる。
が、炭素原子数1〜20のアルキレン基である場合、液晶汚染性を低減させる観点から、炭素原子数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜10である。なお、前記アルキレン基の炭素原子数が20を超えると、脂肪族性が増し、NI点変化が大きくなり、液晶汚染性が高くなる。
が、−Y−(O−Ym1−で示される基である場合、Yとして、炭素原子数1〜4のアルキレン基が好ましく、−CHCH(CH)−及び−CHCH−がより好ましい。
が、−Y−(O−Ym1−で示される基である場合、m1が2以上である化合物がより好ましい。アルキレンオキシド繰り返し単位−(O−Y)−の数に相当するm1が2以上である化合物は、同一のアルキレンオキシド繰り返し単位を有し、m1が1である化合物に対して、液晶汚染性が低く、また低粘度であることから光硬化性樹脂組成物の作製時のハンドリング性に優れる。液晶汚染性をさらに低減させる点から、m1は、好ましくは2以上であり、より好ましくは2〜42であり、さらに好ましくは4〜42である。ハンドリング性の観点から、m1は、好ましくは2〜42であり、より好ましくは4〜24であり、さらに好ましくは4〜20である。特に、m1が4以上であれば、粘度がさらに低くなり光硬化性樹脂組成物の作製時のハンドリング性がさらに優れる。また、本発明の式(1)で示される化合物の添加部数が同じ場合に、分子量を所定の範囲にすることで、光硬化に有効な構造のモル数を高めて硬化性を向上させる観点から、m1は、好ましくは2〜42であり、より好ましくは4〜24である。
なお、m1は、式(1)で示される化合物の原料である、後述する式(3)で示される化合物のアルキレンオキシド繰り返し単位の数に由来する。なお、m1は、GPCによって測定することもできる。
が、−CH−CRa1a2−CH−で示される基である場合、Ra1及びRa2の好ましい組合せは、以下:Ra1が水素であり、かつRa2が式(2a)の基である;Ra1が炭素原子数1〜4のアルキル基(より好ましくは、エチル基)であり、かつRa2が式(2b)の基である;又は、Ra1及びRa2が、同一であって、式(2b)の基である;の組合せである。
が、−CH−CRa3a4−CH−O−CH−CRa5a6−CH−で示される基である場合、Ra3、Ra4、Ra5及びRa6の好ましい組合せは、以下:Ra3、Ra4、Ra5及びRa6が、同一であって、式(2b)の基である;の組合せである。
、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つは、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基である。本発明において、R及びR、並びにR、R、R及びRが、同一であって、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基である化合物がより好ましい。
本発明において、液晶汚染性を低減させる点から、Xが、−Y−(O−Ym1−で示される基であるのが好ましい。−Y−(O−Ym1−で示される基は、繰り返し数が大きくなっても、エーテル結合により極性が高く保たれ、アルキレン鎖の場合と比較して脂肪族性が大きく増加しないため、NI点変化が小さく、液晶汚染性が低くなるものと考えられる。
よって、本発明において、R及びRが、同一であって、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基であり、R及びRが、それぞれ独立して、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、アセタール基又は−CO−NH−Z(式中、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)であり、Xが、−Y−(O−Ym1−(式中、Y及びm1は、前記で定義されたとおりである)で示される基である、式(1)で示される化合物がさらに好ましく、式(1A−1)で示される化合物及び式(1B−1)で示される化合物が特に好ましい。式(1A−1)で示される化合物及び式(1B−1)で示される化合物における、n1及びn2は、2〜50であり、好ましくは2〜42であり、より好ましくは4〜24であり、特に好ましくは4〜20である。
また、本発明において、Xが、−CH−CRa1a2−CH−で示される基であり、Ra1及びRa2の少なくとも1つが式(2a)の基又は式(2b)の基であり、そしてR、R、R及びRが、同一であって、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基であり、R、R、R及びRが、それぞれ独立して、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、アセタール基又は−CO−NH−Z(式中、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)である式(1)で示される化合物も好ましく、式(1A−2)で示される化合物、式(1A−3)で示される化合物、式(1B−2)で示される化合物及び式(1B−3)で示される化合物がより好ましい。
Figure 0006114107
<化合物の製造方法>
本発明の化合物の製造方法は、ジアルキルアミノ安息香酸及び/又はヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンと、ポリグリシジルエーテル化合物とを反応させる工程を含む。前記の工程において、ジアルキルアミノ安息香酸のOH基及びヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンのOH基が、ポリグリシジルエーテル化合物のグリシジル基(エポキシ基)と反応してグリシジル基が開環する。
また、本発明の化合物の製造方法は、場合により、更なる工程を含むことができる。
本発明の化合物の製造方法は、場合により、前記の工程により得られた化合物又はポリグリシジルエーテル化合物と、酸又はアルカリとを反応させる工程を含むことができる。この工程により、前記の工程により得られた化合物又はポリグリシジルエーテル化合物のグリシジル基が開環して2つのOH基が形成される。また、本発明の化合物の製造方法は、場合により、前記の工程により得られた化合物又はポリグリシジルエーテル化合物と、フェノール性水酸基を有する化合物、脂肪族アルコール、芳香脂肪族アルコール及びカルボキシル基を有する化合物からなる群より選択される1以上の化合物とを反応させる工程を含むことができる。この工程により、前記の工程により得られた化合物又はポリグリシジルエーテル化合物のグリシジル基が開環して、前記カルボキシル基を有する化合物等の残基及び1つのOH基が形成される。
さらに、本発明の製造方法は、前記の3つの反応により生じるOH基における水素を、更なる基に転化させる工程を含むことができる。例えば、OH基における水素を、アルキル基、アシル基、及びシリル基等で修飾したり、イソシアナト基を有する化合物と反応させることにより、ウレタン化合物を得たりすることもできる。これらの反応を組み合わせることにより、本発明の式(1)で示される化合物が得られる。ここで、グリシジル基は、2,3−エポキシプロピル基であり、グリシジルオキシ基は、2,3−エポキシプロピルオキシ基であり、グリシジルオキシメチル基は、2,3−エポキシプロピルオキシメチル基である。
具体的には、本発明において、式(1)で示される化合物は、前記工程(a)〜(d):を含む製造方法により得られる。
工程(a)
工程(a)は、ジアルキルアミノ安息香酸及び/又はヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンと、式(3)で示されるポリグリシジルエーテル化合物とを反応させて、式(3)で示される化合物の少なくとも1つのグリシジル基を、式(4)で示される基とする工程である。工程(a)により、式(3)で示される化合物の少なくとも1つのグリシジル基が開環し、1つのOH基と本発明の光開始剤部分を含む化合物が得られる。式(3)で示される化合物におけるグリシジル基は、式(3)におけるグリシジル部分、並びにRb1〜Rb6におけるグリシジルオキシ基及びグリシジルオキシメチル基におけるグリシジル部分が含まれる。
ジアルキルアミノ安息香酸は、式(9a):
Figure 0006114107

(式中、Z2a及びZ2bは、前記で定義されたとおりである)で示され、2−ジアルキルアミノ安息香酸、3−ジアルキルアミノ安息香酸、4−ジアルキルアミノ安息香酸が挙げられる。ジアルキルアミノ安息香酸として、ジメチルアミノ安息香酸、ジエチルアミノ安息香酸、ジプロピルアミノ安息香酸、ジブチルアミノ安息香酸、ジヘキシルアミノ安息香酸、ジオクチルアミノ安息香酸、メチルエチルアミノ安息香酸、メチルプロピルアミノ安息香酸、メチルブチルアミノ安息香酸、メチルヘキシルアミノ安息香酸、エチルプロピルアミノ安息香酸、エチルブチルアミノ安息香酸、エチルヘキシルアミノ安息香酸、ブチルオクチルアミノ安息香酸及びヘキシルオクチルアミノ安息香酸等が挙げられ、光硬化性の観点から、ジメチルアミノ安息香酸(4−ジメチルアミノ安息香酸、2−ジメチルアミノ安息香酸、3−ジメチルアミノ安息香酸)が好ましい。
ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンは、式(9b):
Figure 0006114107

で示され、1−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン、3−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン、及び4−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンが挙げられる。
が、−Y−(O−Ym1−で示される基であるポリグリシジルエーテル化合物は、ポリアルキレンオキシド鎖を有するジグリシジルエーテル化合物である。ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルについては、市販品として、ナガセケムテックス社製デナコールEX−830(m1=5〜8(実測値))が挙げられる。ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルについては、市販品として、ナガセケムテックス社製のデナコールEX−911(m1=0、すなわち、Xが−CHCH(CH)−である)、941(Yが−CHCH(CH)−であり、m1=1である)、920(Yが−CHCH(CH)−であり、m1≒2である)、931(Yが−CHCH(CH)−であり、m1≒10である)が挙げられる。また、このようなポリアルキレンオキシド鎖を有するジグリシジルエーテル化合物は、HO−Y−(O−Ym1−OHで示される対応するポリアルキレングリコールをエピクロロヒドリンと反応させることにより得ることができる。
が炭素原子数1〜20のアルキレン基である式(3)で示される化合物は、アルカンジオールジグリシジルエーテルであり、例えば、1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル及び1,12−ドデカンジオールジグリシジルエーテル等の直鎖のアルキレンジオールジグリシジルエーテル;2−メチル−1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、2−メチル−1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、2−メチル−1,7−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル及び2−メチル−1,9−ノナンジオールジグリシジルエーテル等の分岐状のアルキレンジオールジグリシジルエーテルが挙げられる。
前記したアルカンジオールジグリシジルエーテルは市販品を用いることができる。例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルについては、ナガセケムテックス社製EX−214Lが挙げられ、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルについては、ナガセケムテックス社製EX−212、及びEX−212Lが挙げられる。
が、−CH−CRb1b2−CH−で示される基である場合、Rb1及びRb2の好ましい組合せは、以下:Rb1が、水素であり、かつRb2が、グリシジルオキシ基である;Rb1が、炭素原子数1〜4のアルキル基(より好ましくは、エチル基)であり、かつRb2が、グリシジルオキシメチル基である;並びに、Rb1及びRb2が、同一であって、グリシジルオキシメチル基である;の組合せである。すなわち、Xが、−CH−CRb1b2−CH−である、式(3)で示される化合物として、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、及びペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルがより好ましい。これらの化合物は、市販品として、ナガセケムテックス社製のデナコールDLC−301(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル)、及びデナコールDLC−402(ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル)が挙げられる。
が、−CH−CRb3b4−CH−O−CH−CRb5b6−CH−で示される基である場合、Rb3、Rb4、Rb5及びRb6が、同一であって、グリシジルオキシメチル基であるのが好ましい。すなわち、Xが、−CH−CRb3b4−CH−O−CH−CRb5b6−CH−である式(3)で示される化合物として、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテルが好ましい。
式(3)で示されるポリグリシジルエーテル化合物として、Xが、炭素原子数1〜20のアルキレン基、−Y−(O−Ym1−(式中、Y及びm1は、前記で定義されたとおりである)で示される基、又は−CH−CRb1b2−CH−(式中、Rb1及びRb2は、それぞれ独立して、水素、炭素原子数1〜4のアルキル基、グリシジルオキシ基又はグリシジルオキシメチル基であるが、Rb1及びRb2の少なくとも1つは、グリシジルオキシ基又はグリシジルオキシメチル基である)で示される基である化合物が好ましく、液晶汚染性を低減させる点から、Xが−Y−(O−Ym1−で示される基又は−CH−CRb1b2−CH−で示される基である化合物がより好ましい。
工程(a)において、原料化合物の使用量は、式(3)で示される化合物の少なくとも1つのグリシジル基が、ジアルキルアミノ安息香酸又はヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンのOH基と反応して、式(4)で示される基となる量であれば、特に限定されない。例えば、ジアルキルアミノ安息香酸又はヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンの使用量は、ポリグリシジルエーテル化合物のエポキシ基1.0モルに対して、ジアルキルアミノ安息香酸又はヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンに含まれるOH基が1.0モルであれば、すべてのグリシジル基が式(4)で示される基となる。また、例えば、ポリグリシジルエーテル化合物のエポキシ基1.0モルに対して、ジアルキルアミノ安息香酸を0.5モル及びヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンを0.5モル反応させることにより、式(3)で示される化合物の全てのグリシジル基が式(4)で示される基となる。一方、例えば、ポリグリシジルエーテル化合物のエポキシ基1.0モルに対して、ジアルキルアミノ安息香酸を0.5モル反応させることにより、式(3)で示される化合物の0.5モルのグリシジル基が式(4)で示される基となる。次いで、ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンを0.5モル反応させることにより、式(3)で示される化合物の0.5モルのグリシジル基が式(4)で示される基となり、全てのグリシジル基が式(4)で示される基となる。このようにして、式(3)で示される化合物のグリシジル基の量を考慮して、出発化合物及びその量を選択して反応させることができる。また、この反応は、ワンポット(1工程)であっても、複数の工程を含む方法によって達成してもよい。
反応は、酸性触媒、塩基性触媒又はそれらの塩の存在下で行うことができる。これらの触媒及び塩は、グリシジル基を有する化合物とOH基を有する化合物との反応の触媒として用いられる公知の化合物であれば特に限定されない。
酸性触媒は、塩酸及び硫酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸等の有機酸;銅、亜鉛、鉄、マグネシウム、銀、カルシウム、錫等の金属と、BF 、SiF 2−又はPF 、CFSO 等のアニオンからなる触媒(例えば、ホウフッ化錫)が挙げられる。
塩基性触媒又はそれらの塩は、3価の有機リン化合物、3価の有機リン化合物の塩、アミン化合物及び第四級アンモニウム塩が挙げられる。反応性及び合成の最適化の観点から、第四級アンモニウム塩が好ましい。
3価の有機リン化合物としては、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン等のアルキルホスフィン類;トリフェニルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等のアリールホスフィン類;並びに、トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト等の亜リン酸トリエステル類等が挙げられる。3価の有機リン化合物として、トリフェニルホスフィンが好ましい。
3価の有機リン化合物の塩としては、前記の3価の有機リン化合物の塩が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスフィン・エチルブロミド、トリフェニルホスフィン・ブチルブロミド、トリフェニルホスフィン・オクチルブロミド、トリフェニルホスフィン・デシルブロミド、トリフェニルホスフィン・イソブチルブロミド、トリフェニルホスフィン・プロピルクロリド、トリフェニルホスフィン・ペンチルクロリド、トリフェニルホスフィン・ヘキシルブロミド等が挙げられる。
アミン化合物としては、ジエタノールアミン等の第二級アミン;トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、トリスジメチルアミノメチルフェノール、トリスジエチルアミノメチルフェノール等の第三級アミン;1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等の強塩基性アミンが挙げられる。
第四級アンモニウム塩は、例えば前記したアミン化合物とハロゲン化水素との塩、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
工程(a)における反応温度は、特に制限されないが、50〜130℃が挙げられ、70〜120℃であるのが好ましい。工程(a)における反応は、有機溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。用いることができる有機溶媒として、ベンゼン及びトルエン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサノン及びメチルイソブチルケトン等のケトン;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
次いで、反応生成物を、濾過、遠心分離及び/又は水洗等の処理により触媒を除去して精製する。
工程(b)
工程(b)は、場合により、さらに、酸又はアルカリと反応させて、式(3)で示される化合物の少なくとも1つのグリシジル基を、式(5)で示される、2,3−ジヒドロキシプロピル基とする工程である。工程(b)において、グリシジル基が開環して、2つのOH基が形成される。
工程(b)は、工程(a)において未反応であるグリシジル基を開環させる工程である。工程(a)によって、式(3)で示される化合物に含まれる全てのグリシジル基が式(4)で示される基となっていれば、工程(a)により式(1a)で示される化合物が得られる。
酸及びアルカリとしては、グリシジル基を開環させることができる公知の化合物を用いることができる。酸としては、前記の酸性触媒において例示した無機酸及び有機酸が挙げられる。アルカリとしては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、金属アルコキシド(ナトリウムメトキシド及びナトリウムエトキシド等)、及びアンモニアが挙げられる。工程(b)における、酸又はアルカリの使用量は、所望の数のグリシジル基を開環させる量であれば特に限定されない。
工程(a)及び工程(b)を含む方法により、式(4)で示される基及び場合により式(5)で示される基を有する化合物が得られる。
工程(c)
工程(c)は、場合により、さらに、ジアルキルアミノ安息香酸、ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン、R11−OHで示される化合物及び/又はR12−COOHで示される化合物と反応させて、式(3)で示される化合物の少なくとも1つのグリシジル基を、式(6)で示される基とする工程である。工程(c)において、グリシジル基が開環して、1つのOH基が形成されると共に、ジアルキルアミノ安息香酸、ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン、R11−OHで示される化合物又はR12−COOHで示される化合物に由来する基が形成される。
11−OHで示される化合物として、フェノール性水酸基を有する化合物(例えば、フェノール及びナフトール等)、脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール及びプロパノール等)及び芳香脂肪族アルコール(例えば、ベンジルアルコール等)等が挙げられる。
12−COOHで示される化合物として、芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸等)、脂肪族カルボン酸(例えば、酢酸及びプロピオン酸等)及び芳香脂肪族カルボン酸(例えば、フェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸等)等が挙げられる。なお、R12−COOHで示される化合物には、ジアルキルアミノ安息香酸は含まれない。
ジアルキルアミノ安息香酸及びヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンについては、工程(a)において前記したとおりである。工程(c)において、R11−OHで示される化合物及びヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンを同時に用いることもでき、R12−COOHで示される化合物及びジアルキルアミノ安息香酸を同時に用いることもできる。
工程(c)において、ジアルキルアミノ安息香酸、ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン、R11−OHで示される化合物及び/又はR12−COOHで示される化合物の使用量は、工程(a)において、ジアルキルアミノ安息香酸及びヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンについて前記したとおりであり、工程(c)において反応させるグリシジル基の量に応じて決定することができる。その他の反応条件については、工程(a)において前記したとおりである。
工程(a)、工程(b)及び工程(c)を含む方法により、式(4)で示される基並びに場合により式(5)で示される基及び式(6)で示される基を有する式(1a)で示される化合物が得られる。また、工程(a)及び工程(c)を含む方法により、式(4)で示される基及び場合により式(6)で示される基を有する式(1a)で示される化合物が得られる。すなわち、式(1a)中、水素であるR15、R16、R17、R18、R19及びR20は、工程(a)、工程(b)及び工程(c)において形成されるOH基における水素に相当する。すなわち、式(1a)中、水素であるR15、R16、R17、R18、R19及びR20は、式(4)における水素であるR及びR10、式(5)で示される基におけるOH基の水素、並びに式(6)で示される基における水素であるR13及びR14に相当する。また、式(7a)の基及び(7c)の基は、工程(b)により形成される式(5)で示される基に相当する。なお、式(1a)における、R12−CO−としてジアルキルアミノベンゾイル基は含まれない。
工程(d)
工程(d)は、工程(a)、工程(b)及び工程(c)により得られる式(1a)で示される化合物において、グリシジル基の開環反応により形成したOH基における水素の一部又は全部を、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、アセタール基、又は−CO−NH−Z(式中、Zは、前記で定義されたとおりである)に変換する工程である。工程(d)により、工程(a)、工程(b)及び工程(c)を含む方法により得られる化合物以外の、式(1)で示される化合物が得られる。工程(d)は、工程(a)、工程(b)及び工程(c)で得られる化合物と、更なる化合物とを反応させることにより得られる。反応条件及び原料化合物は、例えば、PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS Second Edition(W.Greene及びM.Wuts著)に記載されているヒドロキシ基の保護基を導入する公知の反応条件を適用することができる。
例えば、水素からアリール基へ変換する方法として、式(1a)で示される化合物と対応するハロゲン化アリールを、塩基の存在下で反応させる方法が挙げられる。水素からアラルキル基へ変換する方法として、式(1a)で示される化合物と対応するハロゲン化アラルキルを、塩基の存在下で反応させる方法が挙げられる。水素からアシル基へ変換する方法として、式(1a)で示される化合物と対応するハロゲン化アシルを反応させる方法が挙げられる。水素からシリル基へ変換する方法として、式(1a)で示される化合物と式X−Si(Z(式中、Zは、前記で定義されたとおりであり、Xは、ハロゲン、例えば、F、Cl、Br及びIである)で示される対応するハロゲン化シリルを、塩基の存在下で反応させる方法が挙げられる。水素からアセタールへ変換する方法として、式(1a)で示される化合物と、ケトン又はアルデヒドとを、酸の存在下で反応させる方法が挙げられる。また、イソシアナト基を有する化合物を反応させることによりウレタン結合を導入させることもできる。イソシアナト基を有する化合物として、Z−N=C=O(式中、Zは、前記で定義されたとおりである)で示される化合物が挙げられる。また、水素からヘテロアリール基又は9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基への変換は、水素からアリール基へ変換する方法と同様に行うことができる。水素からジアルキルアミノベンゾイル基への変換は、水素からアシル基へ変換する方法と同様に行うことができる。
更なる化合物の使用量は、式(1a)で示される化合物における、対象とするOH基の数に応じて用いることができる。更なる化合物の使用量は、特に限定されないが、式(1a)における1つのOH基1.0モルに対して、0.0〜1.0モルとすることができる。
反応は、触媒の存在下で行ってもよい。触媒は、工程(a)で挙げられた化合物が挙げられる。
このようにして得られる反応生成物を、濾過、遠心分離及び/又は水洗等の処理により触媒を除去して精製する。これにより、本発明の式(1)で示される化合物が得られる。
なお、前記の工程(a)、工程(b)、工程(c)及び工程(d)は、式(1)で示される化合物が得られる限り、工程(a)、工程(b)、工程(c)及び工程(d)を複数組み合わせて行ってもよく、これらの工程の順番は特に限定されない。すなわち、本発明の化合物の製造方法において、工程(a)を一回のみ行ってもよく、更なる工程を含む方法、例えば、工程(a)、工程(b)及び工程(d);工程(a)及び工程(c);工程(a)、工程(c)及び工程(d);工程(a)、工程(b)及び工程(c);並びに工程(a)、工程(b)、工程(c)及び工程(d);を含む方法により、式(1a)で示される化合物を得てもよい。また、ジアルキルアミノ安息香酸を用いる工程(a)及びヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オンを用いる工程(a)を含む方法のように、別の化合物を用いて同じ種類の工程を2回以上行ってもよい。この反応の組合せは、原料化合物におけるグリシジル基の数と、各工程において用いられる原料化合物におけるグリシジル基と反応する基との当量を計算することによって設計することができる。
<化合物の用途>
本発明の式(1)で示される化合物は、液晶シール剤等の封止剤用の光重合開始剤において、R、R、R、R、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つがジアルキルアミノベンゾイル基である化合物(以下、「化合物A」ということがある)は可視光増感性化合物によって光励起される光開始性化合物として作用し、R、R、R、R、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つが9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基である化合物(以下、「化合物B」ということがある)は可視光増感性化合物として作用する。
ここで、可視光増感性化合物とは、波長が380nm以上、好ましくは400nm以上、より好ましくは420nm以上の可視光に光吸収を有する化合物をいう。光開始性化合物とは、前記可視光に光吸収を有さないが、紫外光に対して吸収を有し、ラジカルを発生する化合物をいう。
化合物A及び化合物Bは、光硬化反応において光開始性化合物又は可視光増感性化合物として作用した際に、化合物自体が開裂しないため、分解生成物が揮発して液晶汚染を発生させることがなく、また、化合物自身の分子量が大きく揮発し難いため、化合物自体の揮発による液晶汚染も発生し難い。
化合物Aは、ジアルキルアミノベンゾイル基において第三級アミノ基を有することから、光硬化反応において触媒として作用するので安定性に優れる。
化合物Bは、いわゆる水素引抜き型光ラジカル重合開始性化合物の可視光増感性化合物として作用し、活性エネルギー線を吸収し、三重項励起状態にある光ラジカル重合開始剤が水素供与体と励起状態のコンプレックス、すなわちエキサイプレックスを形成し、水素供与体から水素原子を引抜いて活性ラジカルを生成してラジカル重合を開始するため、分解生成物が少なく、アウトガス成分がほとんど発生しない。
また、化合物Aは、好ましくは、本発明の式(1)において、Xが、炭素原子数1〜20のアルキレン基又は−Y−(O−Ym1−で示される基であり、R及びRが、同一であって、ジアルキルアミノベンゾイル基であり、R及びRが、同一であって、水素である化合物;或いは、本発明の式(1)において、Xが、−CH−CRa1a2−CH−(式中、Ra1が水素であり、かつRa2が式(2a)の基である;Ra1が炭素原子数1〜4のアルキル基(より好ましくは、エチル基)であり、かつRa2が式(2b)の基である;又は、Ra1及びRa2が、同一であって、式(2b)の基である)で示される基であり、R、R、R及びRが、同一であって、ジアルキルアミノベンゾイル基であり、R、R、R及びRが、同一であって、水素である化合物であり、化合物Bは、好ましくは、本発明の式(1)において、Xが、炭素原子数1〜20のアルキレン基又は−Y−(O−Ym1−で示される基であり、R及びRが、同一であって、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基であり、R及びRが、同一であって、水素である化合物;或いは、本発明の式(1)において、Xが、−CH−CRa1a2−CH−(式中、Ra1が水素であり、かつRa2が式(2a)の基である;Ra1が炭素原子数1〜4のアルキル基(より好ましくは、エチル基)であり、かつRa2が式(2b)の基である;又は、Ra1及びRa2が、同一であって、式(2b)の基である)で示される基であり、R、R、R及びRが、同一であって、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基であり、R、R、R及びRが、同一であって、水素である化合物である。また、化合物Aは、より好ましくは式(1A−1)で示される化合物であり、化合物Bは、より好ましくは式(1B−1)で示される化合物である。
これらの化合物は、分子内にOH基を有し極性が高いことから、通常、光硬化性樹脂組成物に使用される極性の高い光重合性オリゴマーとの相溶性に優れる一方で、液晶材料との極性が異なるため液晶への溶解度が低いため、液晶汚染性を低減できると考えられる。
〔光重合開始剤〕
本発明の光重合開始剤は、光開始性化合物と可視光増感性化合物とを含む光重合開始剤であって、光開始性化合物が化合物Aであり、及び/又は、可視光増感性化合物が化合物Bである。すなわち、本発明の光重合開始剤は、本発明の化合物A、本発明の化合物B、又は、本発明の化合物A及び化合物Bを含む。本発明の光重合開始剤は、好ましくは本発明の化合物A及び化合物Bからなる。
このように、本発明の光重合開始剤は、光開始性化合物と可視光増感性化合物の少なくともどちらかに化合物A又は化合物Bを使用することで、従来の光重合開始剤に比べて、液晶汚染性が低くなるため、封止剤に好適な光硬化性樹脂組成物を作製することができる。
本発明の光重合開始剤において、光開始性化合物として化合物Aを使用する場合、可視光増感性化合物としては、アルキルジアミノベンゾフェノン、ジアミノベンゾフェノン、アントラセン、チオキサントン、クマリン、ケトクマリン、シアニン、フタロシアニン、ナフタロシアニン等が使用でき、エネルギー移動による反応性の効率の観点から、好ましくはベンゾフェノン骨格及び/又はチオキサントン骨格であり、より好ましくはチオキサントン骨格であり、さらに好ましくは化合物Bである。
本発明の光重合開始剤において、可視光増感性化合物として化合物Bを使用する場合、光開始性化合物としては、自己開裂型の光開始性化合物、例えばベンゾイン系化合物、アセトフェノン類、ヒドロキシアセトフェノン類、α−アミノアセトフェノン類、α−アシルオキシムエステル類、アシルホスフィンオキサイド系化合物、アゾ系化合物等;水素引き抜き型の光開始性化合物、例えばベンゾフェノン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、ジベンゾスベロン類、アントラキノン類、キサントン類、チオキサントン類、ハロゲノアセトフェノン類、ジアルコキシアセトフェノン類、ヒドロキシアセトフェノン類、ハロゲノビスイミダゾール類、ハロゲノトリアジン類等;を使用できる。
光開始性化合物は、アウトガスによる液晶汚染の抑止の観点から、好ましくは水素引き抜き型の光開始性化合物であり、より好ましくは、N,N−ジアルキルアニリン類、アルキルアミン類、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸エステル類であり、さらに好ましくはN,N−ジアルキルアミノ安息香酸エステル類であり、特に好ましくは化合物Aである。
本発明の光重合開始剤において、光開始性化合物と可視光増感性化合物とのモル比(光開始性化合物/可視光増感性化合物)は、安定で十分なラジカルを供給する観点から、好ましくは1/5〜5/1、より好ましくは1/3〜3/1、さらに好ましくは1/2〜2/1である。
〔光硬化性樹脂組成物〕
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマーと本発明の光重合開始剤とを含む。
光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマーは、公知の材料が使用できるが、液晶への溶解による汚染性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び/又はこれらのオリゴマー並びにビスフェノールA型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応して得られる部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応して得られる部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂がより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び/又はこれらのオリゴマーとしては、好ましくは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジ、トリ又はテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ変性ジ(メタ)アクリレート、ウレタン変性ジ(メタ)アクリレートであり、より好ましくは、エポキシ変性ジ(メタ)アクリレート、ウレタン変性ジ(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくは、エポキシ変性ジ(メタ)アクリレートである。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応して得られる部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は次のようにして得られる。まずビスフェノールA型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を塩基性触媒、好ましくは3価の有機リン酸化合物及び/又はアミン化合物の存在下で、エポキシ基1当量に対して(メタ)アクリル酸を10〜90当量%反応させる。次いで、この反応生成物を濾過、遠心分離及び/又は水洗等の処理により塩基性触媒を除去して精製する。塩基性触媒として、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応に用いられる公知の塩基性触媒を使用することができる。また塩基性触媒をポリスチレン等のポリマーに担持させた、ポリマー担持塩基性触媒を使用することもできる。ここで、3価の有機リン化合物及びアミン化合物は、好ましいものも含め、前記したとおりである。
光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマーの未硬化分の残存を低減し液晶の汚染を抑制し、また、液晶への光開始剤成分の溶出による汚染への影響を抑制する観点から、光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマー100重量部に対して、本発明の光重合開始剤は、好ましくは0.5〜10.0重量部、より好ましくは0.5〜5.0重量部である。
本発明の光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物は、封止剤、特に液晶シール剤として使用すると、液晶汚染性を大きく低減しつつ、液晶や配向膜にダメージを与え難い、可視光によっても光硬化性樹脂を硬化することができる。一方、近年、電子部品の配線の高密度化により、特にODF工法が採用される液晶分野では以下の課題が生じている。
ODF工法とは、真空下でシール剤の閉ループ内に液晶を直接滴下、貼り合わせ、真空開放を行うことで液晶パネルを作成することができる工法であり、従来の注入方式による製法に比べ、液晶の使用量の低減、液晶のパネルへの注入時間の短縮等のメリットが数多くあり、現在の大型基板を使った液晶パネルの製造方法として主流となっている工法である。
ODF工法で作製される液晶基板に使用されるシール剤は、光硬化性官能基である(メタ)アクリル基と熱硬化性官能基であるエポキシ基を併せ持った樹脂で構成されており、液晶滴下後に貼り合せて紫外線照射して仮硬化し、その後熱硬化される。このとき、紫外線照射による(メタ)アクリル基の反応が不十分であったり、配線等の影になって紫外線が当たらなかったりすると、熱硬化時に液晶シール剤成分が液晶に溶出し、結果として、表示不良を発生させる原因となる。
近年では、前述のように、紫外線よりもエネルギーの弱い可視光による光硬化を取り入れる場合が増えており、さらに、配線の高密度化により紫外線が当たり難くなる傾向にあるため、前記の新たな課題がより顕著になりつつある。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、本発明の光重合開始剤を含むため、上述の課題に対しても、可視光でも硬化するだけでなく低照射量の紫外線でも硬化するため、影部でも硬化して、前記課題の解決に貢献できる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、本発明の目的の範囲内で、本発明の光開始剤及び光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマー以外の更なる成分を含むことができる。すなわち、本発明の光硬化性樹脂組成物として、本発明の光開始剤、並びに光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマーからなる組成物、或いは本発明の光開始剤、光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマー並びに更なる成分からなる組成物が挙げられる。更なる成分が含まれる場合、樹脂組成物の取り扱い易さ、即ち、脱泡性、塗布性、印刷性に適した粘度の観点から、本発明の光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマー100重量部に対して、更なる成分の含有量は、好ましくは0.01〜140重量部である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに熱硬化剤を含むことができる。熱硬化剤としては、特に限定されないが、ヒドラジド化合物、アミンアダクト化合物、及びイミダゾール化合物が挙げられる。これらの化合物は、例えば、1種のヒドラジド化合物、1種のヒドラジド化合物と1種のイミダゾール化合物との組合せ、1種のヒドラジド化合物と2種以上のアミンアダクト化合物との組合せ、1種のヒドラジド化合物と2種以上のアミンアダクト化合物と2種以上のイミダゾール化合物との組合せ、及び2種以上のヒドラジド化合物と2種以上のアミンアダクト化合物との組合せのように、それぞれを単独で使用しても、複数の化合物を組み合わせて使用してもよい。
ヒドラジド化合物として、アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド等が挙げられる。
アミンアダクト化合物として、市販品として、味の素ファインテクノ社製、アミキュアPN−23、アミキュアPN−30、アミキュアMY−24、アミキュアMY−Hなどが挙げられる。
イミダゾール化合物として、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール及び1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
熱硬化剤は、市販されている製品を用いることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物において、熱硬化剤の含有量は、十分な熱反応性を有し、かつ、保存安定性を維持する観点から、光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマー100重量部に対して、5〜50重量部であることが好ましく、5〜30重量部であることがより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物には、後述する観点から、フィラー用粒子、シランカップリング剤等のカップリング剤を含むことが好ましく、必要に応じて、本発明において好適とした光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマー、熱硬化剤以外の硬化剤、本発明において好適とした光重合開始剤以外の開始剤、エラストマー、連鎖移動剤、イオントラップ剤、イオン交換剤、レベリング剤、顔料、染料、可塑剤、消泡剤等の添加剤を含むことができる。
フィラー用粒子は、硬化性樹脂組成物の粘度制御や硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物の強度向上、又は線膨張性を抑えることによって硬化性樹脂組成物の接着信頼性を向上させる等の目的で添加される。フィラー用粒子として、フィラー用無機粒子及び/又はフィラー用有機樹脂粒子が好ましく使用できるが、線膨張係数が小さく、接着強度の発現のため硬化収縮率を低減させる観点から、フィラー用無機粒子が好ましい。
フィラー用無機粒子として、シール剤に好適に用いられる粒子径が得られやすい観点から炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、及び窒化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の無機粒子が好ましく、二酸化ケイ素、タルク、アルミナ、ベンナイトからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の無機粒子がより好ましく、二酸化ケイ素及び/又はタルクがさらに好ましく、二酸化ケイ素が特に好ましい。
フィラー用有機樹脂粒子として、硬化時の応力緩和による接着強度としての添加効果を発現させる観点から、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、これらを構成するモノマーと他のモノマーとを共重合させて得られる共重合体、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ゴム微粒子、及び高いガラス転移温度を有する共重合体を含むシェルと低いガラス転移温度を有する共重合体のコアから構成されるコアシェルタイプ微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の有機樹脂粒子が好ましく、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ゴム微粒子、及び高いガラス転移温度を有する共重合体を含むシェルと低いガラス転移温度を有する共重合体のコアから構成されるコアシェルタイプ微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の有機樹脂粒子がより好ましく、高いガラス転移温度を有する共重合体を含むシェルと低いガラス転移温度を有する共重合体のコアから構成されるコアシェルタイプ微粒子がさらに好ましい。また、コアシェルタイプ微粒子では、高いガラス転移温度を有する共重合体がポリメタクリル酸で、低いガラス転移温度を有する共重合体がブチルアクリレートであることが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物において、フィラー用無機粒子の含有量は、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善の観点から、光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマー100重量部に対して、2〜40重量部であることが好ましく、5〜30重量部であることがより好ましい。また、本発明の光硬化性樹脂組成物において、フィラー用有機樹脂粒子の含有量は、硬化時の応力緩和による接着強度としての添加効果を発現させる観点から、光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマー100重量部に対して、2〜40重量部であることが好ましく、5〜30重量部であることがより好ましい。
シランカップリング剤は、本発明の光硬化性樹脂組成物を液晶シール剤として使用した場合、液晶シール剤と液晶表示板とを良好に接着させるための接着助剤として好ましい。
シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランからなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物において、カップリング剤の含有量は、接着強度、特に耐湿強度の保持の観点から、光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマー100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、0.5〜2重量部であることがより好ましい。
本発明を以下の実施例を用いて説明する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
合成例1:化合物A(式(1A−1)で示される化合物)の合成
Figure 0006114107
〔実施例1−1〕化合物A−2(n1=2〜4)の合成
PEG#200(ライオン株式会社製)200g(2水酸基当量)、エピクロロヒドリン1110g(6当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド37.14g(0.1当量)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した2リットルの三口丸底フラスコに入れた。次いで、混合物を70torrの真空下攪拌しながら60〜70℃に加熱して、エピクロロヒドリンを激しく還流した。48%水酸化ナトリウム水溶液300g(1.8当量)を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。塩基添加終了後、3時間攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム500gを加え、水1Lで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、PEG#200のジグリシジルエーテル(PEG♯200−DGE)108gを得た(エポキシ当量160g/eq、粘度35mPa・s)。
PEG#200−DGE8g(0.05エポキシ当量)、4−ジメチルアミノ安息香酸8.26g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.85g(0.2当量)、MIBK50gをフラスコに入れ、110℃、24h攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム100gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物A−2を12.8g得た。
〔実施例1−2〕化合物A−3(n1=4〜6)の合成
PEG#200をPEG#300(ライオン株式会社製)300g(2水酸基当量)、とした以外は実施例1−1と同様にして、PEG#300のジグリシジルエーテル(PEG#300−DGE)176gを得た(エポキシ当量209g/eq、粘度55mPa・s)。
PEG#300−DGE15.68g(0.075エポキシ当量)、4−ジメチルアミノ安息香酸12.39g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド2.78g(0.2当量)、MIBK150gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム150gに溶解させ、水200mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物A−3を22.0g得た。
〔実施例1−3〕化合物A−4(n1=6〜9)の合成
デナコールEX−830(PEG400のジグリシジルエーテル(n1=6〜9)ナガセケムテックス社製)26.8g(0.1エポキシ当量)、4−ジメチルアミノ安息香酸16.5g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.71g(0.2当量)、MIBK25gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物A−4を35.3g得た。
〔実施例1−4〕化合物A−5(n1=20〜24)の合成
PEG#1000(ライオン株式会社製)300g(0.6水酸基当量)、エピクロロヒドリン333g(6当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド11.1g(0.1当量)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した1リットルの三口丸底フラスコに入れた。次いで、混合物を70torrの真空下攪拌しながら60〜70℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。48%水酸化ナトリウム水溶液90g(1.8当量)を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。塩基添加終了後、3時間攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム500gを加え、水1Lで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、PEG#1000のジグリシジルエーテル(PEG#1000−DGE)115gを得た(エポキシ当量551g/eq、常温固体(ロウ状))。
PEG#1000−DGE42.4g(0.075エポキシ当量)、4−ジメチルアミノ安息香酸12.39g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド2.78g(0.2当量)、MIBK150gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。
反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム150gに溶解させ、水200mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物A−5を47.0g得た。
〔実施例1−5〕化合物A−6(n1=29〜34)の合成
PEG#1540(ライオン株式会社製)108g(0.14水酸基当量)、エピクロロヒドリン77.7g(6当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド2.60g(0.1当量)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。次いで、混合物を70torrの真空下攪拌しながら60〜70℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。48%水酸化ナトリウム水溶液21g(1.8当量)を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。塩基添加終了後、3時間攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却しクロロホルム300gを加え、水500mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、PEG#1540のジグリシジルエーテル(PEG#1540−DGE)65.6gを得た(エポキシ当量775g/eq、常温固体(ロウ状))。
PEG#1540−DGE23.3g(0.03エポキシ当量)、4−ジメチルアミノ安息香酸4.96g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.11g(0.2当量)、MIBK20gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物A−6を23.4g得た。
〔実施例1−6〕化合物A−7(n1=37〜42)の合成
PEG−2000(東邦化学工業株式会社製)100g(0.1水酸基当量)、エピクロロヒドリン55.5g(6当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.86g(0.1当量)を機械攪拌機、温度計、温度調節器、凝縮器、ディーン−スターク・トラップ及び滴下ロートを付した500ミリリットルの三口丸底フラスコに入れた。次いで、混合物を70torrの真空下攪拌しながら60〜70℃に加熱してエピクロロヒドリンを激しく還流した。48%水酸化ナトリウム水溶液15g(1.8当量)を2時間にわたり混合物にゆっくりと添加した。共沸物が生成次第、水/エピクロロヒドリン混合物のうち、エピクロロヒドリンを反応系に戻しながら攪拌を続けた。塩基添加終了後、3時間攪拌を継続した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム300gを加え、水500mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、PEG−2000のジグリシジルエーテル(PEG−2000−DGE)73.5gを得た(エポキシ当量1114g/eq、常温固体(ロウ状))。
PEG−2000−DGE11.1g(0.01エポキシ当量)、4−ジメチルアミノ安息香酸1.65g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.37g(0.2当量)、MIBK20gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物A−7を8.16g得た。
〔比較例1−1〕化合物A−1(n1=1)の合成
デナコールEX−850L(ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製)14.5g(0.1エポキシ当量)、4−ジメチルアミノ安息香酸16.5g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.71g(0.2当量)、MIBK50gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物A−1を23.3g得た。
合成例2:化合物B(式(1B−1)で示される化合物)の合成
Figure 0006114107
〔実施例1−7〕化合物B−2(n2=2〜4)の合成
PEG#200−DGE4.98g(0.03エポキシ当量)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン6.85g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.11g(0.2当量)、MIBK50gをフラスコに入れ、110℃、72時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム100gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物B−2を9.90g得た。
〔実施例1−8〕化合物B−3(n2=4〜6)の合成
PEG#300−DGE6.24g(0.03エポキシ当量)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン6.85g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.11g(0.2当量)、MIBK50gをフラスコに入れ、110℃、72時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム100gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物B−3を10.68g得た。
〔実施例1−9〕化合物B−4(n2=6〜9)の合成
デナコールEX−830(PEG400のジグリシジルエーテル(n2=6〜9)ナガセケムテックス社製)26.8g(0.1エポキシ当量)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン22.83g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.71g(0.2当量)、MIBK40gをフラスコに入れ、110℃、72時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物B−4を36.2g得た。
〔実施例1−10〕化合物B−5(n2=20〜24)の合成
PEG#1000−DGE11.3g(0.02エポキシ当量)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン4.57g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.74g(0.2当量)、MIBK50gをフラスコに入れ、110℃、72時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム100gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物B−5を13.54g得た。
〔実施例1−11〕化合物B−6(n2=29〜34)の合成
PEG#1540−DGE15.5g(0.02エポキシ当量)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン4.57g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.74g(0.2当量)、MIBK50gをフラスコに入れ、110℃、72時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム100gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物B−6を16.3g得た。
〔実施例1−12〕化合物B−7(n2=37〜42)の合成
PEG−2000−DGE11.14g(0.01エポキシ当量)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン2.28g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.37g(0.2当量)、MIBK50gをフラスコに入れ、110℃、72時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム100gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物B−7を4.6g得た。
〔比較例1−2〕化合物B−1(n2=1)の合成
デナコールEX−850L(ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製)14.5g(0.1エポキシ当量)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン22.8g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.71g(0.2当量)、MIBK50gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム50gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物B−1を27.8g得た。
合成例3:化合物2A(式(1A−2)で示される化合物)の合成
Figure 0006114107
〔実施例1−13〕化合物2Aの合成
デナコールDLC−301(ナガセケムテックス社製)11.80g(0.1エポキシ当量)、4−ジメチルアミノ安息香酸16.52g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.71g(0.2当量)、MIBK25gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム100gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物2Aを21.97g得た。
合成例4:化合物3A(式(1A−3)で示される化合物)の合成
Figure 0006114107
〔実施例1−14〕化合物3Aの合成
デナコールDLC−402(ナガセケムテックス社製)9.40g(0.1エポキシ当量)、4−ジメチルアミノ安息香酸16.52g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド3.71g(0.2当量)、MIBK25gをフラスコに入れ、110℃、24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム100gに溶解させ、水100mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物3Aを12.34g得た。
合成例5:化合物2B(式(1B−2)で示される化合物)の合成
Figure 0006114107
〔実施例1−15〕化合物2Bの合成
デナコールDLC−301(ナガセケムテックス社製)4.72g(0.04エポキシ当量)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン9.13g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.49g(0.2当量)、MIBK30gをフラスコに入れ、110℃、48時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、クロロホルム200gに溶解させ、水200mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物2Bを4.93g得た。
合成例6:化合物3B(式(1B−3)で示される化合物)の合成
Figure 0006114107
〔実施例1−16〕化合物3Bの合成
デナコールDLC−402(ナガセケムテックス社製)3.76g(0.04エポキシ当量)、2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン9.13g(1.0当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.49g(0.2当量)、DMSO(ジメチルスルホキシド)25gをフラスコに入れ、110℃、72時間攪拌した。反応混合物中の溶媒を減圧留去し、室温に冷却した後、クロロホルム200gに溶解させ、水200mlで6回洗浄した。有機相の溶媒を減圧留去し、化合物3Bを7.92g得た。
合成例7:光硬化性樹脂組成物の作製
(a)光重合性オリゴマー(化合物C:ビスフェノールA型エポキシ樹脂の部分メタクリレート化エポキシ樹脂)の合成
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EXA850CRP、DIC株式会社製)320.2g、メタクリル酸(東京化成社製)90.4g、PS−PPh(ポリスチレン(PS)にトリフェニルホスフィン(PPh)を担持した塩基性触媒、バイオタージ社製)1.5g、及びBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)100mgを混合し100℃で6時間撹拌した。反応終了後、濾過により触媒を除去し部分メタクリレート化エポキシ樹脂(化合物C、PR−850CRP)を得た。
(b)光重合開始剤
〔比較例1−3〕分解型(反応性基含有タイプ):EYレジン、KR−2(ケイエスエム社製)
〔比較例1−4〕分解型(可視光硬化タイプ):イルガキュア、I−369(BASFジャパン社製)
〔実施例2−1〕
光重合性オリゴマーPR−850CRP100重量部(100g)に光開始性化合物A−1が1重量部と可視光増感性化合物B−1が1重量部とからなる光重合開始剤を溶解し、光硬化性樹脂組成物を得た。
〔実施例2−2〕〜〔実施例2〜16〕、〔比較例2−1〕〜〔比較例2−6〕は表1及び表2に示した重量部数で実施例2−1と同様にして光硬化性樹脂組成物を得た。
〔実施例1−1〕〜〔実施例1−16〕、〔比較例1−1〕、〔比較例1−2〕で製造された化合物及び〔比較例1−3〕、〔比較例1−4〕の化合物について次の評価を行った。
〔評価条件〕
(1)粘度測定
E型粘度計(東機産業社製 RE105U)を用いて粘度を測定した。
(2)液晶溶出性評価(NI点変化測定)
液晶への溶出性の評価は液晶の相転移温度であるNI点(Nematic−Isotropic point)の変化により行った。液晶のNI点は液晶の各成分の混合組成により決定され、各配合で固有の値となる。一般的に、これら液晶に何らかの不純物(他成分)が混入することによりNI点は変化することが知られており、液晶汚染性をNI点の変化量により評価することができる。
評価用の液晶サンプルは、以下の手順で作成した。アンプル瓶に化合物0.1gを入れ、液晶(MLC−11900−080、メルク社製)1gを加える。この瓶を120℃オーブンに1時間投入し、その後室温で静置して室温(25℃)に戻ってから液晶部分を取り出し0.2μmフィルターによりろ過し、評価用の液晶サンプルとした。
NI点の測定には示差走査型熱量計(DSC、パーキンエルマー社製、Pyris6)を使用した。評価用の液晶サンプル10mgをアルミサンプルパンに封入し、昇温速度5℃/分の条件で測定を行った。表は、ブランクからのNI点変化量の値である。
(3)加熱減量
示差熱天秤(TG−DTA、製品名:サーモプラスTG8120、リガク社製)を用いて、秤量した各光開始剤をアルミパンに入れ、120℃×60分間でのアウトガスを測定し、化合物からの揮発成分量の比較を行った。
〔実施例2−1〕〜〔実施例2−16〕、〔比較例2−1〕〜〔比較例2−6〕の光硬化性樹脂組成物について、次の評価を行った。
(1)反応率
光硬化性樹脂組成物を、一方を25mm×25mm厚さ0.7mmのLCD用ガラス、他方を25mm×25mm厚さ0.1mmのPETフィルムにより、光硬化性樹脂組成物の厚みが0.5mmになるようにはさみ、紫外線照射装置(UVX−01224S1、ウシオ電機製)により、100mW/cmの紫外線照射照度で100〜3000mJ/cmの光エネルギーで照射を行い硬化性測定用のサンプルとした。このとき、紫外線・熱線カットフィルターを用いて、波長340nm〜450nmの紫外及び可視光を照射した。硬化率の測定はFT−IR(Spectrum One、パーキンエルマー社製)を用いて測定し、得られたIRスペクトルの(メタ)アクリル基のピーク面積より(メタ)アクリル基の反応率(転化率)を算出した。反応率の算出は(メタ)アクリル基の吸収1630cm−1(又は945cm−1)の面積の減少をベンゼン環の二重結合の吸収1500cm−1の面積を基準として計算した。
結果を表1及び表2にまとめる。
Figure 0006114107
Figure 0006114107
表1及び表2から明らかなように、実施例の化合物はNI点の変化量が小さい。よって、実施例の化合物は、液晶への溶出量が少なく、液晶汚染性が低い。特に、n1又はn2が29以上であるものは、NI点変化量が小さいことに加えて、加熱減量の変化量が小さいことから、液晶汚染性が低いことに加えて、アウトガスが大きく低減されている。また、n1が2〜9の化合物及びn2が4〜9の化合物は、粘度が低く、ハンドリング性が良好である。さらに、n1又はn2が4〜9の化合物は、硬化性が良好である。
一方、n1又はn2が1である比較例の化合物は、NI点変化量が大きく、粘度が高かった。比較例1−3の化合物は、反応性が劣っており、比較例1−4の化合物は、NI点変化量が大きいものであった。
よって、従来技術の光開始剤に対して、本発明の化合物は、液晶汚染性が低い液晶シール剤のための光開始剤としての効果が優れているといえる。

Claims (6)

  1. 光重合性モノマー及び/又は光重合性オリゴマーと光重合開始剤とを含む液晶シール剤用光硬化性樹脂組成物であって、
    前記光重合開始剤が、一般式(1):
    Figure 0006114107

    〔式中、
    は、炭素原子数1〜20のアルキレン基、
    −Y−(O−Ym1
    (式中、
    は、炭素原子数1〜8のアルキレン基であり、
    m1は、1〜50であるが、
    但し、Yが直鎖である炭素原子数2のアルキレン基であり、m1が1である場合を除く)
    で示される基、
    −CH−CRa1a2−CH
    (式中、
    a1及びRa2は、それぞれ独立して、水素、炭素原子数1〜4のアルキル基、式(2a)の基又は式(2b)の基:
    Figure 0006114107

    であるが、Ra1及びRa2の少なくとも一つは、式(2a)の基又は式(2b)の基である)
    で示される基、又は
    −CH−CRa3a4−CH−O−CH−CRa5a6−CH
    (式中、Ra3、Ra4、Ra5及びRa6は、それぞれ独立して、水素、炭素原子数1〜4のアルキル基、式(2a)の基又は式(2b)の基であるが、Ra3、Ra4、Ra5及びRa6の少なくとも一つは、式(2a)の基又は式(2b)の基である)
    で示される基であり、
    、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、アセタール基又は−CO−NH−Z(式中、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)であるが、
    但し、R、R、R、R、R、R、R及びRのうちの少なくとも1つは、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基である〕で示される化合物を含む液晶シール剤用光硬化性樹脂組成物
  2. 前記式(1)で表される化合物において、及びRが、同一であって、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基であり、R及びRが、それぞれ独立して、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、アセタール基又は−CO−NH−Z(式中、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)であり、Xが、−Y−(O−Ym1−(式中、Y及びm1は、請求項1で定義されたとおりである)で示される基である、請求項1記載の液晶シール剤用光硬化性樹脂組成物
  3. 前記式(1)で表される化合物が、式(1A−1):
    Figure 0006114107

    (式中、n1は、2〜50である)
    で示される化合物である、請求項1又は2記載の液晶シール剤用光硬化性樹脂組成物
  4. 前記式(1)で表される化合物が、式(1B−1):
    Figure 0006114107

    (式中、n2は、2〜50である)
    で示される化合物である、請求項1又は2記載の液晶シール剤用光硬化性樹脂組成物
  5. 前記式(1)で表される化合物において、が、−CH−CRa1a2−CH−(式中、Ra1及びRa2は、請求項1で定義されたとおりである)で示される基であり、R、R、R及びRが、同一であって、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基又はジアルキルアミノベンゾイル基であり、R、R、R及びRが、それぞれ独立して、9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基、ジアルキルアミノベンゾイル基、水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、アセタール基又は−CO−NH−Z(式中、Zは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である)である、請求項1記載の液晶シール剤用光硬化性樹脂組成物
  6. 前記光重合開始剤が、光開始性化合物と可視光増感性化合物とからなる光重合開始剤であって、光開始性化合物は、R、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つがジアルキルアミノベンゾイル基である請求項1記載の式(1)で示される化合物であり、可視光増感性化合物は、R、R、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つが9−オキソ−9H−チオキサンテン−イル基である請求項1〜5に記載の液晶シール剤用光硬化性樹脂組成物
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