JP6984502B2 - 成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラム - Google Patents

成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6984502B2
JP6984502B2 JP2018045848A JP2018045848A JP6984502B2 JP 6984502 B2 JP6984502 B2 JP 6984502B2 JP 2018045848 A JP2018045848 A JP 2018045848A JP 2018045848 A JP2018045848 A JP 2018045848A JP 6984502 B2 JP6984502 B2 JP 6984502B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
injection
characteristic line
die casting
acceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018045848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019155426A (ja
Inventor
則禎 小江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Machinery Corp Ltd
Original Assignee
Ube Machinery Corp Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Machinery Corp Ltd filed Critical Ube Machinery Corp Ltd
Priority to JP2018045848A priority Critical patent/JP6984502B2/ja
Publication of JP2019155426A publication Critical patent/JP2019155426A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6984502B2 publication Critical patent/JP6984502B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

この発明は、ダイカストマシンの成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラムに関するものである。
金型が取り付けられたダイカストマシンによってアルミニウム製品を鋳造する場合、マシンの鋳造能力、金型の金型条件及び溶湯の条件等の成形条件(鋳造条件)を検討し、ダイカストマシンに設定する必要がある。いわゆるP−Q線図は、この成形条件に従って鋳造されるアルミニウム製品の品質判定に多用されている。
P−Q線図は、例えば特許文献1に示すように、縦軸を溶湯充填圧力(P:メタル圧)とし、横軸を溶湯流量の二乗値(Q)とした2次元座標平面上に、マシン特性線と、金型特性線とを描画させたものである。マシン特性線は、使用するダイカストマシンの鋳造能力を示す直線であり、P=P×(1−Q/Q )で表される。ここで、P=PACC×A/A、Q=VS0×Aであり、PACCはアキュムレータ圧力(射出用アキュムレータ)、VS0は空打ち時射出速度、Aは射出シリンダ断面積(ヘッド側)、Aはスリーブ断面積である。また、金型特性線は、金型特有の特性線であり、P=B×Qで表される。ここで、B=D/(2×A ×C )であり、Dは溶湯密度、Aはゲート断面積、Cは流量係数である(特許文献1の段落[0009]を参照)。また、Qは、金型のゲートに送り込まれる溶湯流量である。
このようなP−Q線図において、マシン特性線と金型特性線との交点は「プロセスポイント」と呼ばれている。プロセスポイン卜の横軸座標値は、実鋳造時の溶湯流量(推定値)の二乗値であり、縦軸座標値は、実鋳造時の溶湯充填圧力である。
特許第5238247号公報
しかしながら、従来、ダイカストマシンのユーザやオペレータは、新しい金型(製品)の成形条件を検討する試験鋳造のための設定射出速度、目標速度到達時間及び目標時間到達距離を含む目標設定情報を設定する場合や、鋳造製品の品質や良品率の向上等を目的として従来の成形条件を変更する場合などにおいて、その成形条件の実現可能性などを判断するのが非常に難しいという問題があった。特に、P−Q線図を用いた従来の判断手法においては、ダイカストマシンの加速中の溶湯充填圧力は考慮されていないため、成形条件の判定が実鋳造の実体にそぐわないということがあった。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、金型が取り付けられたダイカストマシンに入力された目標設定情報が示す成形条件を判定することができる成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る成形条件判定方法は、縦軸を溶湯充填圧力とし、横軸をダイカストマシンの射出装置の射出速度の二乗値として、前記ダイカストマシンの鋳造能力に基づくマシン特性線、及び前記ダイカストマシンに取り付けられる金型の金型特性線が描画されたP−V線図を作成し、前記P−V線図上に前記金型の充填抵抗、前記射出装置の加速抵抗及び該射出装置の可動部分の重量に基づき算出された加速度に基づく加速度情報を付加し、前記加速度情報に基づいて、前記ダイカストマシンに入力された目標設定情報が示す成形条件を判定し、判定結果に応じて前記成形条件に関する判定結果情報を出力することを特徴とする。
本発明の一実施形態においては、前記加速度情報は、前記P−V線図上に、前記金型特性線を平行移動させたシフト金型特性線である。
本発明の他の実施形態においては、前記加速度情報は、前記P−V線図上に、前記金型特性線の上側に描かれた実鋳造加速度モデルを表す充填圧曲線である。
本発明の更に他の実施形態においては、前記目標設定情報は、前記射出装置の目標射出速度を含み、前記判定結果情報は、前記成形条件を満たす適正設定情報を含み、前記適正設定情報は、前記目標射出速度に達する実鋳造射出速度の高速充填区間の距離及び時間の少なくとも一つを含む。
本発明の更に他の実施形態においては、前記適正設定情報に基づいて、前記ダイカストマシンの鋳造能力及び前記金型の金型条件を変更した場合の成形条件を決定し提示する。
本発明に係る成形条件判定装置は、縦軸を溶湯充填圧力とし、横軸をダイカストマシンの射出装置の射出速度の二乗値として、前記ダイカストマシンの鋳造能力に基づくマシン特性線、及び前記ダイカストマシンに取り付けられる金型の金型特性線を算出して、記憶手段の作業領域上にP−V線図を作成する作図手段と、前記P−V線図上に前記金型の充填抵抗、前記射出装置の加速抵抗及び該射出装置の可動部分の重量に基づき算出された加速度に基づく加速度情報を付加する付加手段と、前記加速度情報に基づいて、前記ダイカストマシンに入力された目標設定情報が示す成形条件を判定する判定手段と、判定結果に応じて前記成形条件に関する判定結果情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る成形条件判定プログラムは、コンピュータに、ダイカストマシンの鋳造能力に関する情報及び前記ダイカストマシンに取り付けられる金型の金型条件に関する情報を入力する入力手順と、縦軸を溶湯充填圧力とし、横軸をダイカストマシンの射出装置の射出速度の二乗値として、前記鋳造能力に基づくマシン特性線、及び前記金型条件に基づく金型特性線が描画されたP−V線図を作成する作成手順と、前記P−V線図上に前記金型の充填抵抗、前記射出装置の加速抵抗及び該射出装置の可動部分の重量に基づき算出された加速度に基づく加速度情報を付加する付加手順と、前記加速度情報に基づいて、前記ダイカストマシンに入力された目標設定情報が示す成形条件を判定する判定手順と、判定結果に応じて前記成形条件に関する判定結果情報を出力する出力手順とを実行させる。
本発明によれば、ダイカストマシンに入力された目標設定情報が示す成形条件を判定することができる。
ダイカストマシンの全体構成を概略的に示す部分断面側面図である。 ダイカストマシンの射出充填工程におけるプランジャチップの位置、溶湯の状態、射出速度、射出圧力の関係を概略的に示す説明図及び波形図である。 本発明の一実施形態に係る成形条件判定方法に用いられるP−V線図である。 同実施形態における速度・圧力と時間との関係を示すグラフである。 同実施形態における速度とプランジャチップの移動距離との関係を示すグラフである。 同成形条件判定方法に用いられる目標マシン特性線を説明するためのP−V線図である。 同成形条件判定方法による成形条件判定処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係る成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラムを詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、油圧式の射出シリンダを備えた横型のダイカストマシンの概略構成を示している。図1に示すように、横型のダイカストマシン1は、金型装置2と、射出装置3と、操作盤20と、制御盤21とを備えて構成されている。金型装置2は、対向する一対の固定プラテン4と可動プラテン5との間に取り付けられた固定金型6と可動金型7とを備える。両金型6,7の間には、製品形状を含む金型キャビティ(空洞部)8が形成される。
金型キャビティ8は、両金型6,7がそれぞれ取り付けられた両プラテン4,5を、図示しない型開閉手段により型閉じすることで形成される。固定プラテン4は、アルミニウム等の溶湯が注湯される筒状のスリーブ9を備えている。スリーブ9は、固定プラテン4の固定金型6側から射出装置3側に貫通し突出するように配置されている。このスリーブ9の内部空間は、固定金型6を貫通して金型キャビティ8内に連通する。
一方、射出装置3は、金型装置2に対して往復運動するピストン14と、装置本体15とを有する油圧式の射出シリンダ10を備える。ピストン14は、図1の右端側にピストンヘッドを備え、左端側は、射出カップリング13によってプランジャロッド12と連結されている。
プランジャロッド12の左端側には、プランジャチップ11が取り付けられており、このプランジャチップ11は、スリーブ9の突出端側からスリーブ9内に嵌合されている。射出装置3は、射出シリンダ10のピストン14を金型装置2に向かって前進させることにより、スリーブ9内に注湯された溶湯を金型キャビティ8内に射出充填させる。
操作盤20は、ダイカストマシン1を操作するために設けられている。制御盤21には、ダイカストマシン1を制御するための各種制御機器や電子機器等が収納されている。操作盤20及び制御盤21には、各種成形条件等の入力及び設定を行うためのタッチパネルを含む入力装置(図示せず)、並びに入力情報、成形条件の判定結果及びダイカストマシン1の運転状況に関する情報、警報・警告メッセージ等の報知に関する情報等を表示する表示装置20a,21aが配置されている。
射出シリンダ10においては、図示しない油圧供給源から圧油をヘッド室16に供給することで、ピストン14を前進させる。金型キャビティ8内に射出充填した溶湯を凝固させた後に、型開閉手段によって可動金型7を固定金型6から型開きさせる。そして、図示しない製品取出手段等で、例えば可動金型7側に保持させたアルミニウム製品を金型装置2外へ搬送させる。これにより、アルミニウム製品がダイカスト鋳造により成形される。
ダイカスト鋳造方法では、スリーブ9内に注湯(供給)された溶湯を、金型キャビティ8内に満たすまでの射出速度、その後の射出圧力、更に射出充填工程から増圧工程への切替タイミングを如何に好適に設定できるかが、良品を鋳造するためには極めて重要である。
次に、アルミニウム製品の鋳造方法における射出充填工程の射出速度と、増圧工程の射出圧力との関係を、図2を用いて説明する。速度制御による射出充填工程が開始される前の注湯工程において、注湯装置(図示せず)により溶湯がスリーブ9上面に設けられた開口部9aからスリーブ9内に注湯されて、射出開始状態となる。この時のプランジャチップ11の先端位置はAの位置である。
この状態から、まず低速射出工程(S)が行われる。この低速射出工程では、プランジャチップ11を安定した低速(V)で前進させる制御が要求される。なぜなら、この状態でプランジャチップ11を高速で前進させたり、速度変動を伴うような不安定な状態で前進させたりすると、スリーブ9の内部において溶湯を波立たせて、溶湯内に空気が巻き込まれ、巣等の製品不良の要因となるためである。
溶湯がスリーブ9内を満たし、更に、溶湯の湯面がゲートG(金型キャビティ8内への溶湯流入口)近傍まで上昇するBの位置までプランジャチップ11を前進させると、図示しない射出ストロークセンサ等によりこれが検出されて、低速射出工程から高速射出工程に切り替えが行われる。
高速射出工程(Sh)では、プランジャチップ11の前進速度を一気に加速させ、高速(Vh)で金型キャビティ8内に溶湯を射出充填させる。これは、溶湯に対して温度が低い金型キャビティ8の表面に溶湯が接触すると急速に溶湯の凝固が進行するためであり、良品を鋳造するためには、できるだけ短時間で金型キャビティ8内への溶湯の射出充填を完了させることが望ましいからである。特に、アルミニウム製品が大型の場合、複雑な形状の場合、或いは薄くて軽い場合等には、高速射出工程においてより高速での射出充填が求められる。
その後、金型キャビティ8内が溶湯で完全に満たされる直前になると、金型キャビティ8内の各部位に充填された溶湯の冷却凝固の進行に伴い、溶湯の流動性が低下し、金型キャビティ8内への溶湯の充填抵抗が急激に上昇する。このため、射出シリンダ10のヘッド室16の圧力である充填圧力(射出圧力)が急激に上昇し、これに呼応するように射出速度が急速に低下する。そして、プランジャチップ11がCの位置に達し、金型キャビティ8内が溶湯で完全に満たされると、次の圧力制御による増圧工程(Sp)に切り替えられる。
ここで、上記の射出充填工程では、高速射出工程(Sh)における射出速度が重要である。高速射出工程(Sh)が開始されるのは、溶湯の湯面がゲートG近傍まで上昇するBの位置である。一般的に、スリーブ9の内径のスリーブ断面積に対して、ゲートG通過時の溶湯の流動方向に直交するゲート断面積は小さくなるように設計されている。
従って、スリーブ9から金型キャビティ8内に充填される溶湯は、ゲートG通過時に流動断面積が減少し、流動が絞り込まれるため、充填抵抗(流動抵抗)が急増する。このため、ダイカストマシン1の射出装置3には、高速射出工程(Sh)における高速充填区間において、スリーブ9内の溶湯を、ゲートGを通過する際の充填抵抗に打ち勝って、なお且つ所望する目標射出速度(Vh)で、金型キャビティ8内に充填させる鋳造能力が要求される。
なお、ゲートGを通過する際の溶湯の充填抵抗は、ゲート断面積に反比例し、ゲートGを通過する溶湯の流量(単位時間当たりの流動容積、以下、「溶湯流量」と称する。)に比例する。また、このようなゲートGは、ゲート断面積も含め、形状等、金型設計の要素であるため、金型(アルミニウム製品)毎に異なる。
このため、様々な種類の金型が取り付けられる前提のダイカストマシンにおいて、このような、金型のゲートに起因する充填抵抗を加味した鋳造能力を、ダイカストマシン単体の仕様として提示することは困難である。そこで、ダイカストマシンでは、溶湯の充填抵抗を考慮していない、いわゆる空打ち等で再現可能な最大射出速度を、仕様上の最大射出速度として提示すると共に、ダイカストマシンの操作盤等で設定する設定射出速度を、溶湯の充填抵抗を考慮していない、空打ち等で再現可能な射出速度とすることが一般的である。
例えば、所定のダイカストマシンに所定の金型を取り付け、アルミニウム製品を鋳造する場合の事前推定による品質判定に、実鋳造時の溶湯充填圧力(射出装置のプランジャチップを介して溶湯に付与させる圧力、メタル圧)の値や、溶湯流量の二乗値が必要になり、これらの値を活用したいわゆるP−Q線図が多く使用されている。
このP−Q線図は、縦軸を溶湯充填圧力(P:メタル圧)とし、横軸を溶湯流量の二乗値(Q)とした2次元座標平面上に、マシン特性線と、金型特性線とを描画させたものである。マシン特性線は、使用するダイカストマシンの鋳造能力を示す直線であり、P=P×(1−Q/Q )で表される。ここで、P=PACC×A/A、Q=VS0×Aであり、PACCはアキュムレータ圧力(射出用アキュムレータ)、VS0は空打ち時射出速度、Aは射出シリンダ断面積(ヘッド側)、Aはスリーブ断面積である。また、金型特性線は、金型特有の特性線であり、P=B×Qで表される。ここで、B=D/(2×A ×C )であり、Dは溶湯密度、Aはゲート断面積、Cは流量係数である(特許文献1の段落[0009]を参照)。また、Qは、金型のゲートに送り込まれる溶湯流量である。
なお、上記のマシン特性線の説明は、ダイカストマシン1に当てはめた場合、圧油を射出シリンダ10のヘッド室16に供給させ、射出シリンダ10のロッド室17から圧油を排出させて、ピストン14を前進させる構造の射出シリンダを前提としている。従って、例えばロッド室17から排出させた圧油を、そのままヘッド室16に供給させる圧油と合流させて、ピストン14の前進速度を増速させる、いわゆる差動回路(ランアラウンド回路)を構成する射出シリンダを前提としたものではない。差動回路の場合、ロッド室17にもヘッド室16とほぼ同じ背圧が生じるため、P=PACC×(A−A)/A(A:射出シリンダのロッド側断面積)となる。このようなP−Q線図において、マシン特性線と金型特性線との交点は「プロセスポイント」と呼ばれている。プロセスポイン卜の横軸座標値は、実鋳造時の溶湯流量(推定値)の二乗値であり、縦軸座標値は、実鋳造時の溶湯充填圧力である。
プロセスポイントの横軸座標値は、実鋳造時の金型のゲートに起因する充填抵抗を加味した、実際にゲートを通過する溶湯の溶湯流量であり、縦軸座標値は、この溶湯流量に対応する溶湯充填圧力(メタル圧)の推定値である。ゲートGを通過する際の溶湯の充填抵抗は、ゲート断面積に反比例し、ゲートGを通過する溶湯流量に比例することを先に説明したが、P−Q線図におけるマシン特性線は、ダイカストマシンのスリーブから押し出す溶湯の溶湯流量が多い程、溶湯充填圧力(メタル圧)が低下することを、ダイカストマシンの鋳造能力に基づいて示したものであり、その溶湯流量を二乗値とすることにより、対応する溶湯充填圧力との関係を一次関数で示すことができる。
一方、P−Q線図における金型特性線は金型固有の特性線であり、金型のゲートに送り込まれる溶湯流量が多い程、ゲートを通過する際の溶湯の充填抵抗により、溶湯充填圧力が増加することを、金型をダイカストマシンに取り付けた状態で行う実鋳造時のデータ等に基づいて示したものである。例えば、金型のゲートに送り込まれる溶湯流量を仮にQとすると、Qは、実鋳造時における射出装置3の実鋳造射出速度(プランジャチップ11の前進速度)Vとスリーブ断面積Aとの積、すなわちQ=V×Aで表すことができる。そして、こちらも、その溶湯流量を二乗値とすることにより、対応する溶湯充填圧力との関係を一次関数で示すことができる。
なお、以下の説明では、P−Q線図に代えてP−V線図を用いて説明するが、P−Q線図を用いることもできる。また、従来のP−Q線図を用いた成形条件判定方法では、加速中の状況についての検討がなされていなかったが、本実施形態では、高速射出工程(Sh)に切り替わった直後の加速中の状態を考慮した判定を行っている。
本発明の一実施形態に係る成形条件判定方法は、上述した横型のダイカストマシン1を使用するアルミニウム製品の鋳造方法を前提としている。本実施形態に係る成形条件判定方法に用いられるP−V線図、マシン特性線M、金型特性線D、充填圧曲線PC、シフト金型特性線SD、及び目標マシン特性線TMについて、ダイカストマシン1に備えられた成形条件判定装置において展開される図3のP−V線図を参照しながら説明する。
図3に示すように、P−V線図は、縦軸を溶湯充填圧力(メタル圧:MPa)とし、横軸をダイカストマシン1の射出装置3における射出速度(プランジャチップ11の前進速度)の二乗値((m/s))としたものである。従来から用いられているP−Q線図との相違点は、横軸を溶湯流量(Q)の二乗値ではなく、射出速度の二乗値とした点である。
P−V線図上に描画されたマシン特性線Mは、先に説明したP−Q線図のマシン特性線(P=P×(1−Q/Q ))中の溶湯流量Q及びQを、射出装置3のスリーブ9のスリーブ断面積Aと射出速度との積に置換させたものである。すなわち、同関係式に、Q=V×A及びQ=VS0×Aを代入すると、マシン特性線Mは、P=P×(1−V /VS0 )と、射出速度の二乗値を含む一次関数となり、P−V線図上に描画することができる。
なお、Vは、実鋳造時における射出装置3の実鋳造射出速度であることは既に説明した通りである。この実鋳造射出速度Vは、ダイカストマシン1に、固定金型6と可動金型7とを取り付けた状態で、設定射出速度としてVS0を設定した状態において実鋳造を行うことにより得られる数値である。
また、VS0は、溶湯を使用しない空打ちを行うことにより得られる最高設定射出速度である。それ以外の数値(P,A,A)は、ダイカストマシン1の仕様上の特性から得られる数値(固定値)であり、P−V線図上にマシン特性線Mを描画することについては、特別な困難性は生じない。
一方、P−V線図上に描画された金型特性線Dは、先に説明したP−Q線図の金型特性線の関係式(P=B×Q)中の溶湯流量Qを、射出装置3のスリーブ9のスリーブ断面積Aと射出速度との積に置換させたものである。すなわち、同関係式に、Q=V×Aを代入すると、金型特性線Dは、P=B×V ×A と、射出速度の二乗値を含む一次関数となり、P−V線図上に描画することができる。
なお、B(B=D/(2×A ×C ))には、固定値ではないD(溶湯密度)及びC(流量係数)を含む。これら溶湯密度D及び流量係数Cは、射出充填工程における溶湯の凝固進行に伴って変化するが、その変化量は小さく、金型特性線Dの一次関数としての傾きに大きく影響を及ぼすものではない。
このため、これら溶湯密度D及び流量係数Cについては、射出充填工程における変化量の中間値や、経験上好適とされる値を固定値として適宜採用して金型特性線Dが描画されればよいので、P−V線図上に金型特性線Dを描画することについては、特別な困難性は生じない。
マシン特性線Mは、ダイカストマシン1の鋳造能力を反映し、設定射出速度又は溶湯充填圧力を変えるとその傾きを変化させることができる。図示のマシン特性線Mは、例えば溶湯の充填抵抗を考慮していない状態(溶湯充填圧力P=0)を、関係式P=P×(1−V /VS0 )に反映させた結果を示しており、実鋳造射出速度V=VS0の状態、すなわち、本実施形態においては空打ち等で再現可能な最高設定射出速度と実鋳造射出速度とが等しい、マシン特性線Mと横軸との交点(横軸切片値)VS0がダイカストマシン1の仕様上の最高設定射出速度の二乗値を示している。
P−V線図上におけるマシン特性線M及び金型特性線Dの交点(プロセスポイント)PPは、金型を実装した実鋳造時の設計上のダイカストマシン1の最高設定射出速度VMを表し、このプロセスポイントPPにおいては、金型の充填抵抗とダイカストマシン1の充填圧力とが等しいため、射出装置3は加速することがない。このため、これ以上高速且つ短時間で射出充填を行うことはできない。
一方、ダイカスト成形においては、鋳造品の品質を確保するためには、射出工程における充填時間が極力短い方が良い。また、射出工程におけるプランジャチップ11の移動距離は極力長い方が良い。この充填時間を短くする、又は移動距離を長くするためには、高速射出工程Shにおける目標射出速度Vhを大きくする必要がある。ダイカスト鋳造では、前述したように、射出速度を低速→高速→低速と変えるが、ここで言う「充填時間」及び「移動距離」とは、低速から速度が上がり始めた時から、再び低速まで速度が落ちた時の時間の長さ(図4の高速射出工程Shの時間の長さTsh)及びプランジャチップ11の移動距離(図5の高速射出工程Shの距離Lsh)と定義される。よって、充填時間Tsh及び移動距離Lshは、高速射出工程Shにおける目標射出速度Vhの大きさと、その目標射出速度Vhに加速するまで、及び、低速に減速するまでの加速度aの大きさによって決まる。言い換えると、充填時間Tshを短くするためには、又は移動距離Lshを長くするためには、(1)目標射出速度Vhを大きくする、(2)加速(減速)の加速度aを大きくする必要がある。
従って、ダイカスト成形において、成形条件を検討する際には、高速射出工程Shにおける加速度aを考慮した上で、充填時間Tshが目標とする時間よりも短いかどうか、又は移動距離Lshが目標とする距離よりも長いかどうか、を確認する必要がある。しかし、成形条件の事前検討や現場での確認などで、加速度aを考慮して充填時間が目標時間より短いかどうか、又は移動距離が目標距離よりも長いかどうかを検討したいと考えても、従来のP−Q線図(又はP−V線図)を用いて検討するのは困難である。これを算出するためには、鋳造する物の重量(金型のゲート上のアルミの体積から算出)、可動部分の重量、チップの直径、高速区間の長さ、高速速度、射出装置の加速及び減速特性を調べて、運動方程式をつくり、シミュレーションする必要がある。
ダイカストマシンの射出装置の加速性能は、P−V線図におけるマシン特性線Mと金型特性線Dに囲まれる領域の大きさから推定することができる。高速へ加速するときの加速度の大きさは金型特性線Dとマシン特性線Mとの間で示される充填力の余剰充填力(余剰パワー)Fを射出装置3の可動部の質量mで割ると、運動方程式から最大加速度aが求められる。一般的にマシン特性線Mは右肩下がりの特性なので、実鋳射出速度Vsが高くなると充填力の余裕は比例して小さくなるので、速度が大きくなるにつれ、いずれ加速度を維持できなくなる。
マシン特性線Mと金型特性線Dの交点のプロセスポイントPPは、この加速度がゼロになり、その金型の理論上の最大速度となる点を示している。特定の加速度を維持するための余剰充填力Fは、射出装置3のピストン14やプランジャロッド12等の質量mに求める加速度aをかけると運動方程式(F=m・a)より計算できる。この余剰充填力Fを目標値Fsとして、図3に示すように、金型特性線Dの上側に、金型特性線Dに対して平行に記載すると、その線が目標加速度aを維持するために必要な充填力の線となる。この線を「シフト金型特性線SD」と呼ぶ。この「シフト金型特性線SD」は、本発明における「加速度情報」の一例である。シフト金型特性線SDを金型特性線Dからどの位シフトさせることができるかどうかは、P−V線図から容易に把握することができる。シフト金型特性線SDがマシン特性線Mと交差するプロセスポイントPMが、その加速度aを維持できる最大速度V2となる。このような作図をすることにより、金型ごとの最大加速度aを容易に把握することができるようになる。そして、最大加速度aと最大速度V2が求められたら、充填時間Tsh又は移動距離Lshが求められる。
次に実際の加速度による溶湯充填圧力の変化のシミュレーション結果について説明する。いま、射出装置3の速度が一定であるとき、すなわち加速度がゼロであるときは、溶湯充填圧力は金型特性線Dと重なるが、実際に射出装置3が高速射出工程において加速中であるときは、射出充填を加速するために加速力が必要となる。このため、加速度aを加味した溶湯充填圧力が金型特性線Dを超えてその上側に現れることとなる。図4は、低速射出工程(S)、高速射出工程(Sh)及び増圧工程(Sp)に至る射出速度Vと射出圧力(溶湯充填圧力)Pの時間変化を示すグラフである。高速射出工程(Sh)の初期の加速期間中においては、加速度の大きさに応じた溶湯充填圧力が発生している。この溶湯充填圧力は、図3に示すように、金型特性線Dの上側に曲線を描く。この曲線を「充填圧曲線PC」と呼ぶ。この「充填圧曲線PC」も、本発明における「加速度情報」の他の例である。
充填圧曲線PCは、射出装置3の射出力をf1とした場合、金型特性線Dで示す金型の充填抵抗(f2)、射出装置3の加速抵抗(加速力:F=f1−f2)及び可動部分(例えば、ピストン14、射出カップリング13、プランジャロッド12及びプランジャチップ11等の鋳込部品)の重量(m)に基づいて、運動方程式(F=m・a)により算出された必要な加速度(a)に基づく実鋳造加速度モデルを表している。充填圧曲線PCは、金型特性線Dとシフト金型特性線SDとの間に描かれる。
充填圧曲線PCは、実鋳造においては、P−V線図上のマシン特性線Mと金型特性線DのプロセスポイントPPにより表される金型の最高設定射出速度VMよりも低い速度において、所定の加速度を維持しながら到達できる加速度最高速度が来ることを表している。すなわち、溶湯の充填抵抗を考慮していないダイカストマシン1の仕様上の設定射出速度に対して、金型のゲートGに起因する溶湯の充填抵抗がある場合において、射出装置3の加速度を考慮した実鋳造射出速度の最高速度(最高実鋳造射出速度)がどの程度の速度であるか等を判定することができる。
これにより、ダイカストマシン1では、充填圧曲線PCに基づいて、ダイカストマシン1に入力された目標設定情報(目標射出速度、目標射出時間等)が示す成形条件を、実鋳造に限りなく近い状態で判定することが可能となる。また、この判定結果に応じて、成形条件に関する判定結果情報を出力することも可能となる。
判定結果情報は、成形条件により左右される実際の高速射出工程における短時間充填の可否や、高い溶湯充填圧力を維持可能な最高実鋳造射出速度の算出等に用いられ得る。判定結果情報は、例えば成形条件を満たす適正設定情報(設定射出速度、設定射出時間等)を含み、適正設定情報は、例えば目標射出速度に達する実鋳造射出速度の高速射出工程における高速充填区間の距離及び時間の少なくとも一つを含んでいる。
シフト金型特性線SDは、充填圧曲線PCに基づいて、P−V線図上に描画することもできる。この場合、シフト金型特性線SDは、充填圧曲線PCにより求められる必要加速力、すなわち、必要な加速度aと射出装置3の可動部分の重量(m)により算出された加速力(F)に応じて、金型特性線Dを縦軸に沿って平行移動させたものである。具体的には、充填圧曲線PCの破線部分における最高溶湯充填圧力を表す点(縦軸切片値)bと、このときの射出速度V1と金型特性線Dとの交点(縦軸切片値)cとにより求まる加速力(F)をシフト量として、金型特性線Dを原点0を通らない状態で縦軸に沿って平行移動させる。なお、シフト量は、加速度が大きいほど大きくなる。
そして、このシフト金型特性線SDとマシン特性線Mとの交点(プロセスポイント)PMが、破線部分を含む充填圧曲線PCにより表される目標とする加速度を維持することができる加速度最高速度(横軸切片値)V2を表している。従って、プロセスポイントPPで表される金型の最高設定射出速度よりも低い速度に、所定の加速度aを維持しながら到達できる射出速度があることを容易に把握することができる。
なお、充填圧曲線PCは、点PM近傍において、マシン特性線Mを超過するため、この射出装置3の能力を超える。このため、実際には、マシン特性線Mの下側に描かれた充填圧曲線PCの破線部分に沿った加速度制御を行う必要がある。
実線で示す充填圧曲線PCで加速度制御を行う場合には、図3に示すように、マシン特性線Mを上側にシフトさせた目標マシン特性線TMに沿った能力の射出装置3を用いる必要がある。目標マシン特性線TMは、充填圧曲線PCの充填圧ピークポイントdよりも上側に配置されるように、ダイカストマシン1の仕様上の特性から得られる各数値を、充填圧曲線PC、シフト金型特性線SD等に基づき演算して描画したものである。
この目標マシン特性線TMは、シフト金型特性線SDにより表される金型条件の金型が取り付けられた場合にも、余裕のある溶湯充填圧力を有することで、特に高速射出工程においても高い加速度による射出装置3の加速を持続させて鋳造を行うことが可能なダイカストマシン1の鋳造能力(出力特性)を示している。
従って、例えば図6に示すように、金型特性線D1とマシン特性線MとがP−V線図上に描かれたダイカストマシン1において、金型を、充填圧ピークが高い金型特性線D2の特性を示すものに取り替えた場合に、充填圧曲線PCを考慮することにより、その充填圧ピークポイントよりも上側に、十分余裕のある溶湯充填圧力を有する目標マシン特性線TMを描くことで、高い加速度を維持して射出充填を行うことができるマシンの出力特性を容易に把握することができる。
これらシフト金型特性線SD及び目標マシン特性線TMを、充填圧曲線PCと共に描画したP−V線図を作成すれば、所定の金型及びダイカストマシンが目標設定情報に応じた成形条件を満たすことができるか否かや、金型の金型条件或いはダイカストマシン1の出力特性などが適切であるか否かなどを、より詳細かつ広範囲に亘って容易に判定し判定結果情報を出力することが可能となる。
このように、P−V線図上に、マシン特性線M、金型特性線D、及び充填圧曲線PCを描画し、更にシフト金型特性線SDや目標マシン特性線TMを描画することにより、ダイカストマシン1の鋳造能力と金型の金型条件に基づいて、入力された目標設定情報が示す成形条件を実現することができるか否かを容易に判定することが可能となる。また、成形条件に応じた出力特性や金型条件、或いは成形条件を満たすために必要な出力特性や金型条件なども容易に判定することができる。
なお、先に説明したように、マシン特性線M、金型特性線D、充填圧曲線PC、シフト金型特性線SD、目標マシン特性線TMをP−V線図上に描画することには、特別の困難性はない。そこで、ダイカストマシン1の制御盤21内に収められた制御装置(図示せず)の記憶部に入力されたマシン及び金型の仕様データや、試験鋳造により得られた実験データ等を活用して、この記憶部の作業領域上に、金型(アルミニウム製品)毎のマシン特性線M及び金型特性線DをP−V線図上に描画したP−V線図を作成して記憶させる。
記憶されたP−V線図は、成形条件提示手段の一例であるダイカストマシン1の操作盤20や制御盤21の表示装置20a,21aの表示画面(タッチパネル等)上に、必要に応じて表示するようにしてもよい。この場合、表示画面上に各種の情報を数値として表示させたり、点滅表示させたり、成形条件の判定に応じて予め記憶されているメッセージとして判定結果情報を表示させたりしてもよい。
このような表示装置20a,21aにおける表示は、鋳造の現場において、例えば設定射出速度に対して、現状の射出装置3と金型での実鋳造射出速度はどのような速度か等をオペレータに容易に把握させることが可能となる。このように、本実施形態に係る成形条件判定方法を用いるダイカストマシン1では、ユーザやオペレータが上述したような各種の判定による結果を、現場において容易に把握することが可能となる。
また、本実施形態に係る成形条件判定方法によれば、入力された目標設定情報を用いて、ダイカストマシン1の射出装置3の加速度の大きさを算出することができるので、その加速度を考慮して、所定の距離や時間(特に、高速充填区間の距離や時間)でその目標射出速度に実鋳造射出速度が達することができるか否かを判定することができる。また、射出装置3の目標射出速度への到達時間と到達距離を算出して、成形条件に含まれる速度条件が実現できるか否かを判定することができる。
また、射出充填工程における射出充填の途中で、加速度が低下するか持続できるかを判定したり、速度条件からプランジャチップ11が高速充填区間を横切るのに必要な時間の長さを計算して短時間充填の可否を判定したりすることもできる。なお、速度条件からは、高速充填区間を横切るのに必要な距離を計算して、目標設定情報に含まれる設定値と比較してその妥当性を判定することもできる。
そして、上述したように、成形条件に応じて、射出充填に必要な加速度を生み出す溶湯充填圧力の余裕を持たせた充填圧曲線PCをP−V線図上に描くことで、例えば金型を変えた場合でも同じ加速度が出せるマシンの出力特性を判定することができるので、これを用いればダイカストマシン1における射出装置3の大きさの可否をも判定することが可能となる。
図7に示すように、本発明の成形条件判定プログラムが実行された場合の成形条件判定処理は、例えば次のような手順で行われる。まず、オペレータ等が、コンピュータの入力手段を用いてダイカストマシン1の鋳造能力に関する情報及びダイカストマシン1に取り付けられる金型6,7の金型条件に関する情報を入力する(ステップS100)。次に、コンピュータの作図手段が、記憶手段の作業領域にP−V線図を作成し、これをコンピュータの表示装置に表示する(ステップS110)。続いて、コンピュータの付加手段が、P−V線図上に金型6,7の充填抵抗、射出装置3の加速抵抗及び該射出装置3の可動部分の重量に基づき算出された加速度に基づく加速度情報(シフト金型特性線SD又は充填圧曲線PC)を付加する(ステップS120)。そして、この加速度情報に基づいて、コンピュータの判定手段が、ダイカストマシン1に入力された目標設定情報が示す成形条件の判定処理を行う(ステップS130)。
判定処理の後、成形条件に問題がないとの結果が出された場合(ステップS140のYes)は、コンピュータの出力手段が判定結果情報を出力し(ステップS160)、本フローチャートによる処理を終了する。成形条件に問題があるとの結果が出された場合(ステップS140のNo)は、コンピュータのナビゲーション手段によるナビゲーション処理が行われ(ステップS150)、その後、コンピュータの出力手段が判定結果情報を出力し(ステップS160)、処理を終了する。
ステップS150のナビゲーション処理は、例えば目標設定情報が成形条件を満たさないものであると判定された場合に、上述した表示装置20a,21aの表示画面上に各種の情報を表示して、成形条件を満たすためにはどのような対応を採ればよいのか等をユーザやオペレータにナビゲートすることなどが挙げられる。
以上のように、本実施形態に係る成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラムでは、ダイカストマシン1に入力された目標設定情報が示す成形条件を判定することにより、取り付けられた金型の金型条件やダイカストマシン1の鋳造能力が、成形条件を満たすものか、満たさない場合はどのような能力や条件が必要であるかを容易に把握することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述した実施形態では、ダイカストマシン1の操作盤20や制御盤21の表示装置20a,21aの表示装置に、P−V線図又はP−Q線図が表示され得るものとして説明したが、これに限定されず、現場の管理責任者等が、現場管理用に使用するノートパソコンやタブレット端末の表示画面上に、ダイカストマシン1の制御盤21から無線や有線によりP−V線図又はP−Q線図のデータを送受信させて各種の情報を表示、入力或いは編集させるようにしてもよい。
1 ダイカストマシン
2 金型装置
3 射出装置
6 固定金型
7 可動金型
10 射出シリンダ
20 操作盤
20a 表示装置
21 制御盤
21a 表示装置
M マシン特性線
D 金型特性線
SD シフト金型特性線
TM 目標マシン特性線
PC 充填圧曲線

Claims (11)

  1. 縦軸を溶湯充填圧力とし、横軸をダイカストマシンの射出装置の射出速度の二乗値として、前記ダイカストマシンの鋳造能力に基づくマシン特性線、及び前記ダイカストマシンに取り付けられる金型の充填抵抗を示す金型特性線が描画されたP−V線図を作成し、
    前記P−V線図上に目標加速度及び該射出装置の可動部分の重量に基づき算出された加速度情報を付加し、
    前記加速度情報に基づいて、前記ダイカストマシンに入力された目標設定情報が示す成形条件を判定し、
    判定結果に応じて前記成形条件に関する判定結果情報を出力する
    ことを特徴とする成形条件判定方法。
  2. 前記加速度情報は、
    前記P−V線図上に、前記金型特性線を平行移動させたシフト金型特性線である
    ことを特徴とする請求項1記載の成形条件判定方法。
  3. 前記加速度情報は、
    前記P−V線図上に、前記金型特性線の上側に描かれた実鋳造加速度モデルを表す充填圧曲線である
    ことを特徴とする請求項1記載の成形条件判定方法。
  4. 前記目標設定情報は、前記射出装置の目標射出速度を含み、
    前記判定結果情報は、前記成形条件を満たす適正設定情報を含み、
    前記適正設定情報は、溶湯の湯面がゲート近傍まで上昇してから金型キャビティ内が溶湯で完全に満たされる直前までの、前記目標射出速度に達する実鋳造射出速度の高速充填区間の距離及び時間の少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の成形条件判定方法。
  5. 前記適正設定情報に基づいて、前記ダイカストマシンの鋳造能力及び前記金型の金型条件を変更した場合の成形条件を決定し提示する
    ことを特徴とする請求項4記載の成形条件判定方法。
  6. 縦軸を溶湯充填圧力とし、横軸をダイカストマシンの射出装置の射出速度の二乗値として、前記ダイカストマシンの鋳造能力に基づくマシン特性線、及び前記ダイカストマシンに取り付けられる金型の充填抵抗を示す金型特性線を算出して、記憶手段の作業領域上にP−V線図を作成する作図手段と、
    前記P−V線図上に目標加速度及び該射出装置の可動部分の重量に基づき算出された加速度情報を付加する付加手段と、
    前記加速度情報に基づいて、前記ダイカストマシンに入力された目標設定情報が示す成形条件を判定する判定手段と、
    判定結果に応じて前記成形条件に関する判定結果情報を出力する出力手段とを備えた
    ことを特徴とする成形条件判定装置。
  7. 前記付加手段は、前記P−V線図上に、前記加速度情報として、前記金型特性線を平行移動させたシフト金型特性線を付加する
    ことを特徴とする請求項6記載の成形条件判定装置。
  8. 前記付加手段は、前記P−V線図上に、前記加速度情報として、前記金型特性線の上側に描かれた実鋳造加速度モデルを表す充填圧曲線を付加する
    ことを特徴とする請求項6記載の成形条件判定装置。
  9. 前記目標設定情報は、前記射出装置の目標射出速度を含み、
    前記判定結果情報は、前記成形条件を満たす適正設定情報を含み、
    前記適正設定情報は、前記目標射出速度に達する実鋳造射出速度の高速充填区間の距離及び時間の少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項記載の成形条件判定装置。
  10. 前記適正設定情報に基づいて、前記ダイカストマシンの鋳造能力及び前記金型の金型条件を変更した場合の成形条件を決定し提示する成形条件提示手段を備えた
    ことを特徴とする請求項9記載の成形条件判定装置。
  11. コンピュータに、
    ダイカストマシンの鋳造能力に関する情報及び前記ダイカストマシンに取り付けられる金型の金型条件に関する情報を入力する入力手順と、
    縦軸を溶湯充填圧力とし、横軸をダイカストマシンの射出装置の射出速度の二乗値として、前記鋳造能力に基づくマシン特性線、及び前記金型条件に基づく金型特性線が描画されたP−V線図を作成する作成手順と、
    前記P−V線図上に目標加速度及び該射出装置の可動部分の重量に基づき算出された加速度情報を付加する付加手順と、
    前記加速度情報に基づいて、前記ダイカストマシンに入力された目標設定情報が示す成形条件を判定する判定手順と、
    判定結果に応じて前記成形条件に関する判定結果情報を出力する出力手順とを実行させるための成形条件判定プログラム。
JP2018045848A 2018-03-13 2018-03-13 成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラム Active JP6984502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018045848A JP6984502B2 (ja) 2018-03-13 2018-03-13 成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018045848A JP6984502B2 (ja) 2018-03-13 2018-03-13 成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019155426A JP2019155426A (ja) 2019-09-19
JP6984502B2 true JP6984502B2 (ja) 2021-12-22

Family

ID=67992902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018045848A Active JP6984502B2 (ja) 2018-03-13 2018-03-13 成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6984502B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01218814A (ja) * 1988-02-27 1989-09-01 Toyo Mach & Metal Co Ltd 射出成形機の成形品良否判定装置
JP5238247B2 (ja) * 2007-12-27 2013-07-17 東洋機械金属株式会社 ダイカスト品質判定方法
JP5691217B2 (ja) * 2010-03-29 2015-04-01 宇部興産機械株式会社 鋳造条件判定方法及び判定装置
JP6560628B2 (ja) * 2016-02-04 2019-08-14 東芝機械株式会社 射出装置及び成形機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019155426A (ja) 2019-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20170001356A1 (en) Method of injection molding with constant-velocity flow front control
JP6745642B2 (ja) ダイカストマシン及び固液共存金属の成形方法
US10836088B2 (en) Method for reproducing injection molded parts of quality and injection molding unit for performing the method
CN106845007A (zh) 一种提升高压铸造充型过程cae分析精度的方法
WO2020170490A1 (ja) ダイカストマシン、金型付ダイカストマシン、ダイカストマシン用制御装置及びダイカスト方法
JP6984502B2 (ja) 成形条件判定方法、成形条件判定装置及び成形条件判定プログラム
EP3721343B1 (en) Predictive simulation system and method for injection molding
Fiorese et al. Analytical computation and experimental assessment of the effect of the plunger speed on tensile properties in high-pressure die casting
JP6639899B2 (ja) 成形品の設計支援方法、成形品の設計支援装置、コンピュータ・ソフトウェア、記憶媒体
JP2019000861A (ja) 圧力鋳造の溶湯湯まわり判定方法及びその装置
JP4501845B2 (ja) 鋳造解析装置及び鋳造解析方法
JP2005028869A (ja) 射出成形機における射出方法および同方法を用いた射出速度パターンの生成方法および装置
CN104080560A (zh) 用于铸造活塞前进运动的控制装置
JP6885810B2 (ja) 射出装置及び成形機
JP6633887B2 (ja) 成形機の射出装置及び成形機
JPH1148300A (ja) 射出成形機の成形条件設定方法
JP2018058099A (ja) ダイカストマシンの鋳造能力判断方法及び表示装置
JP2000211005A (ja) 射出成形品の欠陥予測・評価方法及び欠陥予測・評価装置
JP2006095590A (ja) アルミダイキャスト製品の鋳造条件の最適化方法
CN1647872A (zh) 压铸机,调整铸造条件的方法及评价铸造物质量的方法
JP6725877B2 (ja) ダイカストの初期温度設定方法
JP7300888B2 (ja) 鋳造条件決定方法
JP2012187787A (ja) 成形条件の調整支援方法および射出成形機
JP6939221B2 (ja) 射出装置の射出速度制御方法及び制御装置
JPH0976320A (ja) 射出成形機の射出成形速度条件自動設定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210727

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211026

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6984502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350