JPH0976320A - 射出成形機の射出成形速度条件自動設定方法 - Google Patents

射出成形機の射出成形速度条件自動設定方法

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JPH0976320A
JPH0976320A JP23707195A JP23707195A JPH0976320A JP H0976320 A JPH0976320 A JP H0976320A JP 23707195 A JP23707195 A JP 23707195A JP 23707195 A JP23707195 A JP 23707195A JP H0976320 A JPH0976320 A JP H0976320A
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JP
Japan
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injection molding
resin
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pressure
setting
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JP23707195A
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Inventor
Katsuyuki Suzuki
克之 鈴木
Kazuo Murakawa
和生 村川
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/7693Measuring, controlling or regulating using rheological models of the material in the mould, e.g. finite elements method
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/77Measuring, controlling or regulating of velocity or pressure of moulding material

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型に対して樹脂圧センサを設けることな
く、予め成形品の形状モデルによる溶融樹脂の流動解析
によって金型キャビティ内における樹脂圧を解析し、こ
の樹脂圧と予め設定した圧力との差異をなくすように射
出速度を演算して修正することができる射出成形機の射
出成形速度条件自動設定方法を提供する。 【解決手段】 溶融材料をスクリュ12の移動により金
型キャビティ20内に射出して所要の成形品を成形する
射出成形機において、前記キャビティ内に射出される溶
融材料の基準圧力を射出工程開始からの経過時間または
スクリュの移動距離の関数として設定すると共に、予め
成形品の形状モデルを要素分割し、有限要素法、境界要
素法等による溶融材料の流動解析を行って、前記キャビ
ティ内の樹脂圧を解析し、この樹脂圧が前記基準圧力と
異なる範囲において計算圧力と基準圧力との関係から金
型キャビティ内の樹脂圧をその差異をなくすように射出
速度の修正値を演算して求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機の射出
成形速度条件の自動設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形機の充填工程において、予め設
定した圧力に対し、検出した金型内樹脂圧力をフィード
バックして射出速度を制御し、成形品の品質向上を図る
制御方法が提案されている。
【0003】図11は、このような従来の制御方法を実
施する射出成形機の射出成形速度制御装置の概略構成を
示すものである。すなわち、図11において、参照符号
10は射出シリンダ、12はスクリュ、14はバレル、
16はノズル、18はゲート、20は金型キャビティ、
22は前記スクリュ12による射出速度を制御するため
の前記射出シリンダ10に対して設けられた油圧ユニッ
ト、24は前記スクリュ12の移動位置を検出するため
のスクリュ位置検出器、26は前記油圧ユニット22を
制御するための制御装置、28は前記金型キャビティ2
0内の樹脂圧を検出するための樹脂圧センサをそれぞれ
示す。
【0004】このように構成された射出成形速度制御装
置において、金型キャビティ20内における溶融樹脂の
圧力(樹脂圧)を樹脂圧センサ28により検出し、この
検出圧力を制御装置26へフィードバックして、スクリ
ュ12による射出速度を制御するように構成される。こ
の場合、前記樹脂圧センサ28により検出される金型キ
ャビティ20内の樹脂圧が、充填工程中に予め設定した
圧力よりも高い場合、所定の演算によって充填速度を自
動的に下げ、金型内樹脂圧力の過大な上昇を制御する充
填速度の自動減速制御が達成される。このような射出成
形速度制御装置を使用した射出成形機の成形方法によれ
ば、金型サイズの縮小、軽量化、成形機の小形化、成形
品の品質の向上等に有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前述した射
出成形速度制御装置において、金型キャビティ内の樹脂
圧のフィードバックによる充填速度の自動減速制御を行
うに際しては、金型キャビティ内の樹脂圧を検出するた
めに、金型に対して樹脂圧センサを取付ける必要があ
る。
【0006】従って、このような自動減速制御を行うた
めに対象となる全ての金型に対して樹脂圧センサを取付
けるための加工を行うことは、費用が掛かるばかりでな
く、成形品の形状や金型の形状によっては、樹脂圧セン
サを所望の位置に設けることができない難点がある。ま
た、既存の金型に対し、これを一部加工して樹脂圧セン
サを取付けることは困難な場合が多い。
【0007】さらに、金型交換を行う場合の段取り作業
においても、金型を射出成形機に着脱させる都度、樹脂
圧センサやその配線を着脱する必要があり、煩雑な作業
となり、作業時間も増大する難点がある。
【0008】そこで、本発明の目的は、金型に対して樹
脂圧センサを設けることなく、予め成形品の形状モデル
による溶融樹脂の流動解析によって金型キャビティ内に
おける樹脂圧を解析し、この樹脂圧と予め設定した圧力
との差異をなくすように射出速度を演算して修正するこ
とができる射出成形機の射出成形速度条件自動設定方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る射出成形機の射出成形速度条件自動設
定方法は、溶融材料をスクリュの移動により金型キャビ
ティ内に射出して所要の成形品を成形する射出成形機に
おいて、前記キャビティ内に射出される溶融材料の基準
圧力を射出工程開始からの経過時間またはスクリュの移
動距離の関数として設定すると共に、予め成形品の形状
モデルを要素分割し、有限要素法、境界要素法等による
溶融材料の流動解析を行って、前記キャビティ内の樹脂
圧を解析し、この樹脂圧が前記基準圧力を越えている範
囲において計算圧力と基準圧力との関係からその差異を
なくすように射出速度の修正値を演算して求めることを
特徴とする。
【0010】この場合、複数の樹脂温度に対応する、前
述した記載の射出成形機の射出成形速度条件自動設定方
法で設定される射出成形速度条件を準備しておき、成形
時の樹脂温度に応じて射出成形速度条件を切換えて使用
することができる。
【0011】また、複数の樹脂粘度に対応する、前述し
た射出成形機の射出成形速度条件自動設定方法で設定さ
れる射出成形速度条件を準備しておき、成形時の樹脂粘
度に応じて射出成形速度条件を切換えて使用することも
できる。
【0012】さらに、射出成形機の制御プログラムの初
期条件設定ルーチンの中に、入力データとして成形品の
流動解析結果を与えることにより、前述した射出成形機
の射出成形速度条件自動設定方法で設定される射出成形
速度条件を設定するサブルーチンを設けて、前記成形品
の流動解析結果から射出成形速度条件を自動設定するこ
ともできる。
【0013】さらにまた、射出成形機の制御プログラム
の初期条件設定ルーチンの中に、入力データとして成形
品の流動解析結果を与えると共に、成形時の樹脂温度の
検出を行うことにより、前述した射出成形機の射出成形
速度条件自動設定方法で設定される射出成形速度条件を
設定するサブルーチンを設けて、前記成形品の流動解析
結果および成形時の樹脂温度から射出成形速度条件を自
動設定することも可能である。
【0014】そして、射出成形機の制御プログラムの初
期条件設定ルーチンの中に、入力データとして成形品の
流動解析結果を与えると共に、成形時の樹脂粘度の検出
を行うことにより、前述した射出成形機の射出成形速度
条件自動設定方法で設定される射出成形速度条件を設定
するサブルーチンを設けて、前記成形品の流動解析結果
および成形時の樹脂粘度から射出成形速度条件を自動設
定することも可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る射出成形機の
射出成形速度条件自動設定方法の実施例につき、添付図
面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0016】すなわち、本発明においては、射出成形速
度条件の設定に際し、射出成形型内に射出される溶融材
料の基準圧力を、射出工程開始からの経過時間またはス
クリュの移動距離の関数として設定すると共に、予めス
プル、ランナを含む成形品の形状モデルにより流動解析
を行い、前記型内の樹脂圧の解析結果から、前記基準圧
力との差異がある範囲において、流体力学理論により計
算圧力と基準圧力との差異をなくすように射出速度の修
正値を演算して求め、射出成形速度条件を自動設定する
ものである。
【0017】なお、樹脂材料による射出成形において、
金型キャビティ内の溶融樹脂の流動解析(シミュレーシ
ョン)を行う場合、成形品の形状モデルを微小要素に分
割して、有限要素法、境界要素法、差分法、FAN法等
の数値解析法を用いて、流体の運動方程式、連続の式お
よびエネルギーの式等を演算する方法が一般に利用され
ている。
【0018】このような金型キャビティ内での溶融樹脂
の流動解析方法では、使用する樹脂の選択と成形機の運
転条件として、樹脂温度、金型温度、充填速度を入力し
て演算することにより、樹脂の充填の進行状況(時間)
を示すものとして、全充填時間を任意の数に分割し、各
時間毎に充填される樹脂の到達位置を線により結んで作
成した等時間線図、同様に圧力について作成した等圧力
線図、また同様に温度について作成した等温度線図等が
それぞれ所要の計算により求めることができることは公
知である(特公平4−69851号公報等)。
【0019】
【実施例1】 (A)溶融樹脂の流動解析による型内樹脂圧 図1は、所要の成形品の射出工程におけるバレル14内
におけるスクリュ12の行程(射出動作ステップ)と、
金型キャビティ20内の溶融樹脂の充填の進行状況(充
填進行ステップ)の関係を示すものである。なお、本実
施例においては、前述した図11に示す射出成形速度制
御装置を適用して実施することができるものであり、従
って図1において、前述した図11に示す装置構成と同
一の構成部分については、同一の参照符号を付し、その
詳細な説明は省略する。
【0020】この場合、前記金型キャビティ20による
成形品の流動解析により求めた、金型キャビティ20内
における樹脂圧(以下、型内樹脂圧と略称する)の観察
基準点Aおよびそれ以後における型内樹脂圧とスクリュ
12の行程との関係は、例えば図2に示すようになる。
【0021】(B)金型キャビティ内に射出される溶融
材料の基準圧力 図2においては、型内樹脂圧は、溶融樹脂が型内樹脂圧
の観察基準点Aに到達した時点から立上がり、充填の進
行に伴って増加する状態が示されている。そこで、型内
樹脂圧が過大に上昇すると、金型の型締力が不足して、
成形品にバリを生じたり、中子の損傷を生じたり、ある
いは残留応力による成形品の変形を生じたりする等の不
具合を生じる。例えば、図2に示す場合において、成形
品に前記のような不具合を生じないための限界型内樹脂
圧、すなわち基準圧力を、基準点Aにおいて13Mpa
に設定すると、充填完了に近い6〜10区間における型
内樹脂圧は、基準圧力(13Mpa)を越えていること
になる。
【0022】(C)型内樹脂圧と射出速度の関係 図1に示すように、射出工程におけるスクリュ12の行
程を所要数の区間に区切り、区間内の射出速度は一定と
する階段状射出速度の設定を行うものとする。すなわ
ち、この場合における階段状射出速度の設定例を、図3
に示す。
【0023】一般に、溶融樹脂の流動時の粘度特性は、
いわゆる非ニュートン特性を示し、その剪断応力と剪断
速度との関係は、次式(1) により近似することができ
る。
【0024】
【数1】 但し、 τ:溶融樹脂の流動に伴う剪断応力 φ(dv/dy,T):樹脂の粘度特性を示す定数 (dv/dy):剪断速度 T:樹脂温度 ここで、通常の成形条件の範囲では、φは次式(2) によ
り近似することができる。
【0025】
【数2】 但し、 A:粘度係数 B:剪断係数 C:温度係数 前記式(1) を式(2) に代入して、次式(3) が得られる。
【0026】
【数3】 ここで、ある1回の充填工程中の金型内樹脂温度Tの変
化が無視でき、かつ繰り返される成形サイクルにおいて
樹脂温度の変動が無視できる場合には、前記式(3) は次
式(4) により表すことができる。
【0027】
【数4】 但し、 n ,φ:樹脂の粘度特性を示す定数 そこで、溶融樹脂の金型キャビティ内における流動を、
ヘレ−ショウ(Hele−Shaw)流れと仮定する
と、この粘度特性を有する溶融樹脂が、前記金型キャビ
ティ内において、図4に示すように、第q区間を溶融樹
脂の充填が進行するに際し、この時の前記溶融樹脂の流
動方向断面内の流速分布は、図5に示すようになり、流
速分布vおよび区間圧力損失ΔPは、それぞれ次式で示
される。
【0028】
【数5】
【0029】
【数6】
【0030】
【数7】 但し、 v:位置yにおける流速 h:キャビティ厚さ y:キャビティ厚さ方向の中心からの距離 ΔP:区間圧力損失 L:区間の流動方向距離 v0 :最大流速(キャビティ厚さ方向の中心での流速) va:平均流速 前記式(6) 、(7) より、次式の関係が得られる。
【0031】
【数8】 すなわち、所要の成形品の成形における所要区間iに着
目した場合、区間圧力損失ΔPi は、次式(6) で示すよ
うに、その区間の平均流速vai の(1/n)乗に比例
する。
【0032】
【数9】 また、金型キャビティ内の第p区間にある基準点Aにお
ける第q区間の溶融樹脂の充填時の型内樹脂圧Pq は、
次式(10)で示すように、第p区間から第q区間までの区
間圧力損失を合計したものである。
【0033】
【数10】 さらに、第q区間における溶融樹脂の充填時の射出速度
q と、各区間の平均流速vai は、次式(11)で示すよ
うに、比例するものと考えられる。
【0034】
【数11】 従って、金型キャビティ内の第p区間にある基準点Aに
おける第q区間の溶融樹脂の充填時の型内樹脂圧P
q は、次式(12)および(13)で示すように、第q区間の溶
融樹脂の充填時の射出速度Qq の(1/n)乗に比例す
る。
【0035】
【数12】 (D)射出速度の修正値の演算 しかるに、型内樹脂圧について、前述した計算圧力Pc
q が、基準点Aにおける基準圧力Psq と差異がある範
囲における修正射出速度をQ′q とすると、前記式(13)
から、次式の関係が成立する。
【0036】
【数13】
【0037】
【数14】
【0038】
【数15】 従って、前記式(16)から明らかなように、修正射出速度
をQ′q は、元の射出速度Qq を、基準圧力Psq と計
算圧力Pcq との比に対し、これをn乗倍すれば求める
ことができる。
【0039】すなわち、Psq /Pcq が1未満であれ
ば、成形品に不具合を生じないための基準圧力(限界型
内樹脂圧)に向けて減速修正されるし、逆にPsq /P
qが1を越えれば、型内樹脂圧の不足によるショート
ショット等の不具合を解消すべく、基準圧力(限界型内
樹脂圧よりも低い適正型内樹脂圧)に向けて増速修正さ
れる。
【0040】(E)射出速度の修正値の計算例 表1は、所要の成形品に関する流動解析および射出速度
の修正計算のための条件を示す。そして、この表1に示
す条件で、流動解析および射出速度の修正計算を行った
結果を、表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】(F)成形試験による効果の確認 前記表2に示す当初の射出速度および修正した射出速度
で成形した場合における、基準点Aにおいての型内樹脂
圧の測定結果を、図6に示す。この場合において、当初
の射出速度では、充填の6区間以降において、基準圧力
13Mpaを越えているが、修正した射出速度では、ほ
ぼ基準圧力の範囲内に収まっており、本発明による方法
が有効であることを確認できる。
【0044】
【実施例2】繰り返される成形サイクルにおいて、射出
される溶融樹脂の温度が変動すると、前記式(3) のex
p(CT)の値が変化し、樹脂粘度が変動し、同一の射
出速度条件においても、金型キャビティ内の基準点の型
内樹脂圧は、異なった値となる。従って、この場合に
は、前記実施例1における(A)〜(F)に示した方法
により、種々の樹脂温度に対する射出成形速度条件を求
めておき、成形時の樹脂温度に応じて、適宜射出成形速
度条件を切換え設定し、成形を行うことができる。
【0045】この場合、例えばノズル部に樹脂温度セン
サを設けたり、あるいはバレル温度センサを利用し、予
めバレルの検出温度と成形時の樹脂温度との関係を求め
ておくことによる手段等により、それぞれ成形時の樹脂
温度を容易に検知することができる。
【0046】
【実施例3】また、原料樹脂の品質のバラツキにより、
繰り返される成形サイクルにおいて、溶融樹脂の粘度が
変動すると、前記式(3) の粘度係数Aが変化し、樹脂粘
度が変動し、同一の射出速度条件においても、金型キャ
ビティ内の基準点の型内樹脂圧は、異なった値となる。
従って、この場合には、前記実施例1における(A)〜
(F)に示した方法により、種々の樹脂粘度に対応する
ノズル部の樹脂圧力を求めておき、成形時のノズル部の
樹脂圧力に応じて適宜射出成形速度条件を切換え設定
し、成形を行うことができる。
【0047】この場合、例えばノズル部に樹脂圧力セン
サを設けたり、あるいはスクリュ駆動油圧を利用し、予
め射出時のスクリュ駆動油圧とノズル部の樹脂圧力との
関係を求めておくことによる手段等により、それぞれ成
形時の樹脂圧力を容易に検知することができる。
【0048】
【実施例4】さらに、射出成形機の制御装置の制御プロ
グラムの初期条件設定ルーチンの中に、入力データとし
て与えられる流動解析結果から、前記実施例1における
(A)〜(F)に示した方法により、射出成形速度条件
を求めるサブルーチンを設けることによって、射出成形
機の制御装置に、溶融樹脂の流動解析結果から射出成形
速度条件を自動設定する機能を付与するように構成する
ことができる。
【0049】この場合、前記実施例2および3に示す機
能をさらに付加することもできる。
【0050】
【実施例5】実施例1における(A)〜(D)により求
められる射出速度条件による型内樹脂圧の抑制効果につ
いて、所要の成形品に関し流動解析し、実機での試験に
より確認した。
【0051】(G)流動解析および実機試験の条件 表3は、流動解析および実機試験の条件を示す。なお、
成形品として、図7に示す解析モデルからなる平板を対
象とした。
【0052】
【表3】
【0053】(H)解析結果と型内樹脂圧の抑制効果 前記表3による条件に基づく本発明による射出速度条件
により、射出成形を行った結果、図8ないし図10に示
すように、期待通りの型内樹脂圧の抑制効果を得ること
ができた。なお、解析においては、実機試験結果から樹
脂粘度データの定数項を補正して、樹脂圧を合わせた。
【0054】すなわち、試験に使用した樹脂の粘度定数
nは、n=2.74であるが、n=4〜5(図10参
照)にした場合の方が、型内樹脂圧の抑制精度を向上し
得ることが確認された。これは、前記式(16)において、
溶融樹脂の粘度変化を無視しているのに対し、減速によ
り充填時間が延び、粘度が大きくなるためであると考え
られる。
【0055】また、粘度定数n=2.74で求めた射出
速度条件を与えて、再度同じ手順を繰り返すと、図8に
示すように、型内樹脂圧の抑制精度は向上し、2回目の
解析でほぼ目標通りの型内樹脂圧に収まる射出速度条件
を得ることができた。
【0056】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更
をすることができる。
【0057】
【発明の効果】前述した実施例から明らかなように、本
発明に係る射出成形機の射出成形速度条件自動設定方法
によれば、金型に対して樹脂圧センサを設けることな
く、予めスプル、ランナを含む成形品の形状モデルによ
る溶融樹脂の流動解析によって金型キャビティ内におけ
る樹脂圧を解析し、この樹脂圧と予め設定した圧力との
差異をなくすように射出速度を演算して修正することに
より、金型サイズの縮小、軽量化、成形機の小形化、成
形品の品質の向上等を容易に達成することができる。
【0058】従って、本発明によれば、金型に対して樹
脂圧センサを取付けるための加工を行う手間と費用とを
省くことができると共に、金型交換に際しての段取り作
業も複雑化することなく、簡便かつ迅速に達成すること
ができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形機の射出成形速度条件自
動設定方法を実施するスクリュと金型キャビティとの関
係を示す射出成形機の概略説明図である。
【図2】図1に示す金型キャビティ内の基準点における
樹脂圧とスクリュ行程との関係を示す特性線図である。
【図3】図1に示すスクリュによる射出速度の設定例を
示すスクリュ位置と射出速度との関係を示す特性線図で
ある。
【図4】図1に示す金型キャビティ内における溶融樹脂
の充填が進行する状態を示す説明図である。
【図5】図1に示す金型キャビティ内における溶融樹脂
の流動方向断面内の流速分布および区間圧力損失につい
て示す説明図である。
【図6】図1に示す射出成形機において当初の射出速度
および修正された射出速度で成形した場合の金型キャビ
ティ内における基準点での樹脂圧の測定結果を示す圧力
特性線図である。
【図7】流動解析モデルの一実施例を示す説明図であ
る。
【図8】図7に示す流動解析モデルからなる金型キャビ
ティ内においての射出成形時の充填率との関係における
樹脂圧の解析演算結果を示す圧力特性線図である。
【図9】図7に示す流動解析モデルからなる金型キャビ
ティ内においての本発明方法による射出成形時の充填時
間との関係における樹脂圧の測定結果を示す圧力特性線
図である。
【図10】樹脂の粘度条件を変更した場合の図9に示す
と同様の樹脂圧の測定結果を示す圧力特性線図である。
【図11】金型キャビティ内における樹脂圧のフィード
バックによる充填速度の自動減圧制御を行う射出成形機
の概略説明図である。
【符号の説明】
10 射出シリンダ 12 スクリュ 14 バレル 16 ノズル 18 ゲート 20 金型キャビティ 22 油圧ユニット 24 スクリュ位置検出器 26 制御装置 28 樹脂圧センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融材料をスクリュの移動により金型キ
    ャビティ内に射出して所要の成形品を成形する射出成形
    機において、前記キャビティ内に射出される溶融材料の
    基準圧力を射出工程開始からの経過時間またはスクリュ
    の移動距離の関数として設定すると共に、予め成形品の
    形状モデルを要素分割し、有限要素法、境界要素法等に
    よる溶融材料の流動解析を行って、前記キャビティ内の
    樹脂圧を解析し、この樹脂圧が前記基準圧力を越えてい
    る範囲において計算圧力と基準圧力との関係からその差
    異をなくすように射出速度の修正値を演算して求めるこ
    とを特徴とする射出成形機の射出成形速度条件自動設定
    方法。
  2. 【請求項2】 複数の樹脂温度に対応する、請求項1記
    載の射出成形機の射出成形速度条件自動設定方法で設定
    される射出成形速度条件を準備しておき、成形時の樹脂
    温度に応じて射出成形速度条件を切換えて使用すること
    を特徴とする射出成形機の射出成形速度条件自動設定方
    法。
  3. 【請求項3】 複数の樹脂粘度に対応する、請求項1記
    載の射出成形機の射出成形速度条件自動設定方法で設定
    される射出成形速度条件を準備しておき、成形時の樹脂
    粘度に応じて射出成形速度条件を切換えて使用すること
    を特徴とする射出成形機の射出成形速度条件自動設定方
    法。
  4. 【請求項4】 射出成形機の制御プログラムの初期条件
    設定ルーチンの中に、入力データとして成形品の流動解
    析結果を与えることにより、請求項1記載の射出成形機
    の射出成形速度条件自動設定方法で設定される射出成形
    速度条件を設定するサブルーチンを設けて、前記成形品
    の流動解析結果から射出成形速度条件を自動設定するこ
    とを特徴とする射出成形機の射出成形速度条件自動設定
    方法。
  5. 【請求項5】 射出成形機の制御プログラムの初期条件
    設定ルーチンの中に、入力データとして成形品の流動解
    析結果を与えると共に、成形時の樹脂温度の検出を行う
    ことにより、請求項2記載の射出成形機の射出成形速度
    条件自動設定方法で設定される射出成形速度条件を設定
    するサブルーチンを設けて、前記成形品の流動解析結果
    および成形時の樹脂温度から射出成形速度条件を自動設
    定することを特徴とする射出成形機の射出成形速度条件
    自動設定方法。
  6. 【請求項6】 射出成形機の制御プログラムの初期条件
    設定ルーチンの中に、入力データとして成形品の流動解
    析結果を与えると共に、成形時の樹脂粘度の検出を行う
    ことにより、請求項3記載の射出成形機の射出成形速度
    条件自動設定方法で設定される射出成形速度条件を設定
    するサブルーチンを設けて、前記成形品の流動解析結果
    および成形時の樹脂粘度から射出成形速度条件を自動設
    定することを特徴とする射出成形機の射出成形速度条件
    自動設定方法。
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