JP6980371B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、タイヤ、特に、トレッド幅方向における偏摩耗の発生を抑制し得る、耐偏摩耗性に優れるタイヤに関する。
従来、タイヤの偏摩耗を抑制するための様々な工夫がなされてきた。例えば、特許文献1には、トレッドの幅方向外側から2番目の陸部のトレッド幅方向外側の壁面を、タイヤ径方向内側から外側に向かって、トレッド幅方向に傾斜させることにより、タイヤのトレッド踏面の幅方向の偏摩耗を抑制したタイヤが記載されている。
特許文献1に記載の発明は、トレッド幅方向外側から2番目の陸部の、トレッド幅方向外側端部における摩耗量が相対的に大きいとの知見に基づき、2番目の陸部の早期摩耗を抑制することによって、トレッド幅方向の偏摩耗を抑制するものである。この技術によって、耐偏摩耗性を向上することができる。
特開2014−221566号公報
車両が走行する路面状態も様々であり、車両は、舗装路に限らず凹凸の激しい未舗装の悪路を走行する機会も少なくない。さらに、舗装路の表面は、2車線中央から路肩へ傾斜しているのが一般的であり、表面に轍が掘られ、ひび割れやホールが生じている場合には、凹凸や起伏を伴うこともある。また、車両に加わる荷重も千差万別であり、乗用車よりトラックやバスでの荷重が大きいのは勿論、特にトラック、バスでは積載状況によっては荷重が大きく増減することになる。
かように、車両の走行環境並びに走行条件は多種多様であり、従って、車両を支えるタイヤは、路面から多様な入力を受けることになる。中でもトレッド幅方向の入力に起因して偏摩耗が発生し易い点、上記した特許文献1に記載のタイヤは、車両走行時にトレッド幅方向の入力に対する摩耗の偏りを抑制するのに有効である。
しかし、近年の市場においては、さらに耐偏摩耗性能を向上させることが求められている。例えば、上記のとおり車両の走行環境並びに走行条件は多種多様であり、ときに、タイヤを荒れた路面で使用したり、或いは大きな負荷の下での使用が継続されることもある。そこで、耐偏摩耗性能をさらに向上させ、特に、このような多様な使用状態にあってもなお、偏摩耗を確実に抑制することができるタイヤの提供が希求されている。
そこで、本発明は、耐偏摩耗性能をさらに向上させるタイヤについて提供することを目的とする。
発明者らがタイヤの偏摩耗を確実に抑制する方途について鋭意研究したところ、タイヤに横力が加わった際に該タイヤのベルト側と陸部との変形量の差が大きくなって偏摩耗が発生すること、特にラジアルタイヤにおいてはベルトの変形量が小さいため、陸部との変形量の差が増大しやすいこと、さらに、陸部では、特にサイドフォースの入力を受ける側で大きく変形し、ベルトとの変形量の差が増大しやすいことを見出した。そこで、トレッドの陸部の側壁と該陸部の表面とが形成する角度の規定に併せて、陸部の高さと幅を適正な比の下に規定することが、タイヤの陸部の変形の抑制に寄与し、陸部とベルトの変形量の差を低減し、タイヤの陸部の両側壁における摩耗エネルギーの差異の縮小も実現し、多様な路面状態及び使用環境における耐偏摩耗性のさらなる向上に有効であることを新たに知見して本発明のタイヤを完成するに到った。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)本発明のタイヤは、タイヤのトレッドの踏面に、該トレッドの周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝にて区画される、少なくとも1つの陸部を有し、前記陸部の少なくとも1つは、該陸部のトレッド端側の側壁の、該陸部表面の該側壁との境界部における法線に対する前記境界部を頂点とする角度が、該陸部側に傾斜する向きをマイナスとするとき、−10°以上2°以下であり、前記トレッド端側の側壁の前記法線に沿う長さに対する、前記陸部表面のトレッド幅方向長さの比が、1.7以上3.9以下であることを特徴とする。
なお、本発明における「陸部表面」とは、側壁を除いた表面を指すものとする。
かかる構成のタイヤによれば、多様な路面状態及び使用環境においても、さらなる偏摩耗の抑制が可能となる。
さらに、以下に示す(2)〜(6)の構成により、偏摩耗の抑制の効果をさらに向上させることができる。
(2)本発明のタイヤは、前記トレッド端側の側壁の前記角度が、−6°以上0°以下であることが好ましい。
(3)本発明のタイヤは、前記長さの比が、2.6以上3.0以下であることが好ましい。
(4)本発明のタイヤは、前記陸部の少なくとも1つが、該陸部の赤道側の側壁の、該陸部表面の該側壁との境界部における法線に対する前記境界部を頂点とする前記角度が、6°以下であることが好ましい。
(5)本発明のタイヤは、前記陸部が、リブであることが好ましい。
(6)本発明のタイヤは、前記陸部の少なくとも1つが、タイヤの赤道を横切る向きに延びる複数の幅方向溝にて区画される、複数のブロックがトレッド周方向に並ぶブロック列であり、該ブロックの、前記両側壁はそれぞれ、ブロックの前記幅方向溝に面する2つの幅方向側壁と2つの辺を形成し、前記2つの辺の前記法線に対する角度は、3°以上異なることが好ましい。
本発明により、さらなる偏摩耗の抑制を可能とするタイヤを提供することができる。
(a)本発明の一実施形態にかかるタイヤのトレッド部周辺の一部拡大断面図である。(b)図1(a)の傾斜ベルト層の部分展開平面図である。 図1の陸部4の部分拡大図である。 摩耗エネルギー差の評価結果を示すグラフである。 摩耗エネルギー差の評価結果を示すグラフである。 摩耗エネルギー差の評価結果を示すグラフである。 トレッドの路面接地状態を示す、本発明に係るタイヤのフットプリント図である。 路面カントを示す図である。 本発明の別の実施形態にかかるタイヤのトレッド踏面を示す図である。 ブロック11を示す、立体透視斜視図である。 (a)及び(b)は、図9のブロック11の端面11c及び端面11dを示す図である。
以下、本発明のタイヤを導くに至った過程について説明する。
一般に、タイヤの摩耗量は、トレッド表面が路面と接触した際の摩擦によるエネルギーである、摩耗エネルギーに比例することから、陸部の両側壁間の摩耗エネルギーの差が大きい場合、偏摩耗が生じやすい。そこで、発明者らは、タイヤの陸部の側壁の傾斜角度の適正な範囲を検討するため、まず以下の実験を行った。
この実験で対象とするタイヤは、図1にそのトレッド部周辺の一部拡大断面図を示すように、一対のビードコア間に跨ってトロイダル状に延びるカーカス2を骨格とし、このカーカス2のタイヤ径方向外側に、4層の傾斜ベルト層3a、3b、3c及び3dを備え、この傾斜ベルト層3a〜3dのタイヤ径方向外側にトレッド4を有している。さらに、図示例のタイヤ1は、トレッド4の踏面に、タイヤの周方向に沿って延びる3本の周方向溝5にて区画される、2つのセンタ側陸部6を有する。また、図示例のタイヤは、周方向溝5及びトレッド端TEにて区画される、2つのショルダ側陸部7も有する。
以上のタイヤ構造を基本として、図2に示すように、センタ側陸部6のトレッド端TE側の側壁6aの、センタ側陸部6の表面6sと側壁6aとの境界部6cにおける法線M1に対する、境界部6cを頂点とする側壁角度α1が、−15°以上15°以下の範囲内で種々に変化させた多数のタイヤを試作した。このとき、側壁角度α1が、該陸部側に傾斜する向きをマイナスとし、陸部とは反対側に傾斜する向きをプラスとする。また、センタ側陸部6の赤道CL側の側壁6bの、センタ側陸部6の表面6sと側壁6bとの境界部6dにおける法線M2に対する、境界部6dを頂点とする側壁角度β1は、0°とする。
これら試作タイヤを、特開2005−265748号公報に記載の踏面観測機に組み込んで三分力と滑り量を測定し、三分力と滑り量に基づいて摩耗エネルギーを算出し、センタ側陸部6の両側壁6a、6b間の摩耗エネルギーの差を算出した。評価結果は、側壁角度α1が−15°の場合を基準100として指数により評価した。評価結果が100よりも小さい指数である場合、耐偏摩耗性能が改善されていることを表している。上記実験結果を図3に示す。なお、試作タイヤにおいて、センタ側陸部6は、表面6sのトレッド幅方向長さW1、トレッド端TE側の側壁6aの法線M1に沿う長さである高さH1を有するところ、高さH1に対する幅方向長さW1の比は、2.0と共通にした。
図3に示す実験結果をみると、側壁角度α1が−14°以上2°以下の数値範囲にある場合、耐偏摩耗性能が摩耗エネルギー差100未満に改善されていることがわかる。ここで、側壁角度α1を−10°未満とすると、製造時に加硫モールドから加硫済みタイヤを取り出す際に、タイヤの陸部の表面と側壁により構成される角部に金型が引っ掛かり、金型からの製品タイヤの抜け性が悪化することになる。よって、側壁角度α1は−10°以上2°以下の数値範囲とすることにより、製造上の容易性を維持しながら、耐偏摩耗性能を改善し得ることが判明した。
以上の知見の下、さらに側壁角度α1が摩耗エネルギー差に与える影響について鋭意検討した。すると、側壁角度α1が−10°以上2°以下の範囲内にあっても、所期した摩耗エネルギー差100を実現しない事例が散見された。この原因についてさらなる検討を行ったところ、側壁角度α1が−10°以上2°以下の範囲を満足していても、摩耗エネルギー差が100以下に抑制されない事例は、満足する事例と陸部の幅や高さが異なることを新たに究明するに到った。そこで、発明者らは、タイヤの陸部の側壁角度α1の上記数値範囲において、より高い耐偏摩耗性能を得るべく、陸部の幅及び高さに関する条件について検討した。すると、タイヤの陸部の側壁角度の規定に併せて、陸部の高さと幅を適正な比の下に規定することが、特に多様な路面状態及び使用環境における耐偏摩耗性のさらなる向上に有効であることに想到した。ここに到った結果について、以下に詳しく述べる。
上記試作タイヤと同様のタイヤ構造を基本として、センタ側陸部6のトレッド端TE側の側壁6aの、側壁角度α1を−10°以上2°以下とし、図2に示す、センタ側陸部6の、トレッド端側TE側の側壁6aの法線M1に沿う長さH1に対する、頂面のタイヤ幅方向長さW1の比W1/H1を種々に変化させてタイヤをさらに多数試作した。
試作タイヤの陸部の両側壁間の摩耗エネルギーの差を、上記実験と同様の方法にて算出し、評価結果は、側壁角度α1が−15°かつ比W1/H1が2.0の場合を、基準100として指数により評価した。評価結果が100よりも小さい指数である場合、所望の耐偏摩耗性能が得られたことを表している。上記評価結果を図4に示す。
図4に示すように、側壁角度α1を−10°以上2°以下の数値範囲とした場合においても、センタ側陸部6の、比W1/H1によっては、評価結果が100超になり、所望の耐偏摩耗性能が得られないことがわかった。すなわち、これら実験結果によれば、上記比W1/H1が1.7以上3.9以下の範囲において、確実に所望の耐偏摩耗性能を得られることがわかる。
かように、発明者らは、タイヤの陸部の側壁角度α1を−10°以上2°以下とし、且つ、陸部の、比W1/H1を1.7以上3.9以下とすれば、さらに高い耐偏摩耗性能を有するタイヤを実現できることを見出し、本発明を完成したものである。
以下、再度図1を参照しながら本発明のタイヤを、その実施形態を例示して詳細に説明する。
上述のように、図1に示すタイヤ1は、一部図示を省略するが、一対のビードコア間に跨ってトロイダル状に延びるカーカス2を骨格とし、このカーカス2のタイヤ径方向外側に、4層の傾斜ベルト層3a、3b、3c及び3dを備え、この傾斜ベルト層3a〜3dのタイヤ径方向外側にトレッド4を有している。なお、本発明のタイヤはこれに限られず、例えば、ベルト構造を3層とすることも可能である。さらに、本発明のタイヤは、トレッド4の踏面を、タイヤの周方向に沿って延びる少なくとも2本の周方向溝5にて区画される、少なくとも1つの陸部を有し、図示例では、3本の周方向溝5によって2つのセンタ側陸部6に区画している。また、本発明のタイヤは、周方向溝5及びトレッド端TEにて区画される、2つのショルダ側陸部7も有する。なお、図1の陸部は、リブにも横溝で区画されるブロックにもすることもできる。
上述の通り、センタ側陸部6の側壁角度α1が−10°以上2°以下であり、且つ、陸部の、比W1/H1を1.7以上3.9以下であることが、陸部の両側壁6a及び6b間の摩耗エネルギーの差を低減するのに有利である。
なお、本発明に係るタイヤは、トレッド踏面の赤道CLを境とする一方側のみに、側壁角度α1が−10°以上2°以下かつ比W1/H1が1.7以上3.9以下の数値範囲を満足する陸部が設けられている場合、傾斜角度α1を有する溝壁が、車両の外側となる向きに装着することが好ましい。サイドフォースは、通常タイヤの進行方向と直交する方向から主に入力するためである。
また、本発明においては、側壁6aの側壁角度α1を−6°以上0°以下の範囲とすることがより好ましい。
側壁角度α1を上記数値範囲にて規定した場合、耐偏摩耗性能の向上を図ることができるためである。
本発明においては、センタ側陸部6の比W1/H1が、2.6以上3.0以下であることがより好ましい。
上記数値範囲とすることにより、さらにセンタ側陸部6の偏摩耗を抑制することができるためである。
なお、幅方向長さW1は20mm以上50mm以内とし、高さH1は5mm以上20mm以内とすることが好ましい。
さらに、本発明のタイヤにおいては、センタ側陸部6の少なくとも1つは、センタ側陸部6の赤道CL側の側壁6bの、センタ側陸部6の表面6sと側壁6bとの境界部6dにおける法線M2に対する、境界部6dを頂点とする側壁角度β1が、6°以下になるように形成されることが好ましい。さらに好適には、5°以下である。
図1に示すタイヤ構造を基本として、センタ側陸部6の赤道CL側の側壁6b側壁角度β1が、−15°以上15°以下の範囲内で種々に変化させた多数のタイヤを試作した。このとき、側壁角度β1が、該陸部側に傾斜する向きをマイナスとし、陸部とは反対側に傾斜する向きをプラスとする。また、センタ側陸部6の側壁角度α1は、0°とする。
試作タイヤの陸部の両側壁間の摩耗エネルギーの差を、上記実験と同様の方法にて算出し、評価結果は、側壁角度β1が−15°かつ比W1/H1が2.0の場合を、基準100として指数により評価した。評価結果が100よりも小さい指数である場合、所望の耐偏摩耗性能が得られたことを表している。上記評価結果を図5に示す。
なお、試作タイヤにおいて、センタ側陸部6の比W1/H1は、2.0と共通にした。
なお、本発明においては、図2に示すとおり、ショルダ側陸部7のトレッド端TE側の側壁7aの、ショルダ側陸部7の表面7sと側壁7aとの境界部7cにおける法線N1に対する、境界部7cを頂点とする側壁角度γ1を、−15°以上とすることが好ましい。このとき、側壁角度γ1が、該陸部側に傾斜する向きをマイナスとし、陸部とは反対側に傾斜する向きをプラスとする。−15°未満とすると、圧縮剛性が低下し、荷重時の陸部の変形が大きくなり、陸部の動きも大きくなるためである。ショルダ側陸部7の赤道CL側の側壁7bの、ショルダ側陸部7の表面7sと側壁7bとの境界部7dにおける法線N2に対する、境界部7dを頂点とする側壁角度δ1は、−8°以上1°以下とすることが好ましい。
また、ショルダ側陸部7の、赤道CL側の側壁7bの法線N2に沿う長さH2に対する、頂面のタイヤ幅方向長さW2は、例えば4.6とすることができる。さらに、幅方向長さW2は20mm以上50mm以内とし、高さH2は5mm以上20mm以内とすることが好ましい。
なお、本発明においては、図1(a)に示すとおり、傾斜ベルト層3aは2つのセンタ側陸部6のタイヤ径方向内側に配置され、傾斜ベルト層3b、3c及び3dは2つのセンタ側陸部6及びショルダ側陸部7のタイヤ径方向内側に配置することが好ましい。
本発明の傾斜ベルト層3bに関して、傾斜ベルト層3bとトレッド踏面との最短距離L1と、センタ側陸部6のトレッド端TE側の側壁6aの、センタ側陸部6の表面6sと側壁6aとの境界部6cからの最短距離L2とは、いずれも11mm以上27mm以下であることが好ましい。傾斜ベルト層3bは、タイヤにサイドフォースが作用した際に最も張力を発揮するベルト層であるところ、トレッド踏面からの距離を確保することで、ベルトのトレッド踏面との相対変形を抑制することができる。一方、27mmを超えると、圧縮剛性が低下し、タイヤ荷重時のベルト層の変形が大きくなり過ぎる虞がある。
また、本発明においては、図1(b)に示すとおり、傾斜ベルト層3aを構成するコードのトレッド幅方向に対する傾斜角度θ1は、例えば、40°とすることができ、また、傾斜ベルト層3bを構成するコードのトレッド幅方向に対する傾斜角度θ2は、60°以上とすることが好ましい。さらに、傾斜ベルト層3cを構成するコードは、3a及び3bのコードとトレッド幅方向に関して傾斜方向が反対になるように構成され、そのθ3は、トレッド幅方向に対して60°以上とすることが好ましい。傾斜ベルト層3dを構成するコードのトレッド幅方向に対する傾斜は、3cと同じ方向に傾斜し、そのθ4は、例えば、74°とすることができる。上記構成のうち、θ2及びθ3を60°以上とすることで、ベルト層と陸部との相対変位を抑制することができる。
図6は、トレッドの路面接地状態を示す、本発明に係るタイヤのフットプリント図である。タイヤを適用リムに装着し、規定の空気圧とし、静止した状態で平板に対し垂直に置き、規定の質量に対する負荷を加えたときの平板との接触面における、4つの陸部の輪郭線を、周方向溝5では両側の陸部の輪郭線に倣ってつないだ一連の輪郭線をFとする。輪郭線Fと赤道CLとが交わる2点をつなぐ線の周方向長さFl1を100とするとき、センタ側陸部6の赤道CL側に位置する境界部6dの延長線と輪郭線Fとが交わる2点をつなぐ周方向長さFl2に対する、センタ側陸部6のトレッド端側に位置する境界部6cの延長線と輪郭線Fとが交わる2点をつなぐ周方向長さFl3の割合は、90%以上であることが好ましい。なぜなら、トレッド周方向における引き摺り摩耗を抑制するためである。
さらに、上記接触面における赤道CLからトレッド端TEに最も近接するタイヤ幅方向最大直線距離をFw1とし、赤道CLからセンタ側陸部6の境界部6cまでの最短距離をFw2とするとき、距離Fw2は距離Fw1の30%以上65%以下であることが好ましい。
なぜなら、この比が30%未満であると、陸部に引き摺り摩耗が発生するためである。一方、比が65%超であると、サイドフォースによる陸部の変形が大きくなってしまう。
ところで、路面の排水性を向上させるために、路面の中央分離帯から両側路の各端に向かう、いわゆる横断勾配(路面カント)を設けた路面においては、道路の中央が両路両端よりも高くなっている。ここで、路面カントは、図7(a)(b)に示すように、左側通行の場合は左下がりに、右側通行の場合は右下がりに傾斜するのが一般的である。図7(a)は、左側通行の場合の路面カントを示し、図7(b)は、右側通行の場合の路面カントを示す。それゆえ、車両が直線道路を直進走行する際、タイヤは路面カントが下がる方向から傾斜を登る方向に向かってサイドフォースを受ける傾向にある。例えば、左側通行の場合(図7(a))、車両に装着された左輪及び右輪とも、左側から路面カントに起因するサイドフォースを受けることになる。
本発明のタイヤは、トレッド踏面4に複数の陸部が設けられ、そのうちの1つのセンタ側陸部6のみが、側壁角度α1が−10°以上2°以下かつ比W1/H1が1.7以上3.9以下の数値範囲を満足する場合は、当該センタ側陸部6が、左側通行では進行方向に向かって最も左側に、右側通行の場合は進行方向に向かって最も右側に配置されるように両輪ともに装着されることが好ましい。なぜなら、路面カントに起因する入力、つまりサイドフォースが当該位置で最大となるためである。図7(a)(b)に示した事例は、センタ側陸部6以外の陸部が、本発明の角度α1及び比W1/H1の規定を満たしていないため、センタ側陸部6が上記した配置になる車輪装着を行うことが好ましい。なお、他の陸部もセンタ側陸部6と共に側壁角度α1及び比W1/H1の規定を満足する場合は、装着を特に限定する必要はない。
続いて、図8を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るタイヤを説明する。図8は、本発明の別の実施形態にかかるタイヤの踏面を示す展開図である。
図8に示すタイヤ1は、図1(a)に示す一つの実施形態と同様に、一対のビードコア間に跨ってトロイダル状に延びるカーカス2を骨格とし、このカーカス2のタイヤ径方向外側に、4層の傾斜ベルト3層を備え、この傾斜ベルト層3のタイヤ径方向外側にトレッド4を有する。
本発明は、図8に示すように、タイヤ1のトレッド4の踏面を、複数の周方向溝8にて複数の陸部9に区画し、さらに、陸部9の少なくとも1つを複数の幅方向溝10にて複数のブロック11に分割する。ブロック11の立体透視斜視図を図9に示す。なお、周方向に連続して配置されるブロック11は同様の形状を有している。
ブロック11は、複数の周方向溝8又はトレッド端TEに隣接する2つの周方向端面11a及び11bを有し、該周方向両端面11a及び11bは、それぞれ、幅方向溝10に面する2つの幅方向端面11c及び11dと辺12、13、14、15を形成する。図10(a)は、ブロック11の端面11cを示す図であり、図10(b)は、端面11dを端面11c側から見た図である。図示例において、端面11cは、辺12及び辺13を有し、端面11dは、辺14及び辺15を有する。端面11cにおける辺12の法線M3に対する側壁角度α2は、端面11dにおける辺14の法線M5に対する側壁角度α3よりも3°以上大きいことが好ましい。さらに、端面11cにおける辺13の法線M4に対する側壁角度β2は、端面11dにおける辺15の法線M6に対する側壁角度β3よりも3°以上大きいことが好ましい。
上記構成によれば、タイヤの踏み込み側から蹴りだし側にかけてブロックの側壁角度が変化することにより、蹴り出しの陸部せん断力をより一層低減させることができる。
さらに、本実施形態におけるタイヤは、回転方向を指定することにより、さらに効果的に耐偏摩耗性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれだけに限定されるものではない。
発明例タイヤおよび比較例タイヤ(ともに、タイヤサイズは10.00R20)を表1に示す仕様のもと試作し、タイヤの耐偏摩耗性を評価した。
各供試タイヤを適用リム(7.5V×20)に組み付け、内圧800kPaを充填し、荷重29.8kNを負荷したタイヤを、市場の摩耗形態を模擬できる試験ドラム上にて時速60kmで走行させた。
タイヤの耐偏摩耗性の評価は、10000km走行時におけるトレッド摩耗量をタイヤ表面形状から算出して評価した。
表1の結果は、比較例タイヤ1の結果を100として指数表示した。タイヤの耐偏摩耗性については、指数が大きいほど性能に優れることを示している。
Figure 0006980371
1・・タイヤ、 2・・カーカス、 3、3a〜3b・・傾斜ベルト層、 4・・トレッド、 5・・周方向溝、 6・・センタ側陸部、 6s・・表面、 6a、6b・・側壁、 6c、6d・・境界部、 7・・ショルダ側陸部、 7s・・表面、 7a、7b・・側壁、 7c、7d・・境界部、 8・・周方向溝、 9・・陸部、 10・・幅方向溝、 11・・ブロック、 11a、11b、11c、11d・・端面、 12、13、14、15・・辺

Claims (4)

  1. タイヤのトレッドの踏面に、該トレッドの周方向に延びる少なくとも2本の周方向溝にて区画される、少なくとも1つのセンタ側陸部と、該トレッドの周方向に延びる周方向溝及びトレッド端にて区画され、頂面のタイヤ幅方向長さが20mm以上50mm以下であるショルダ側陸部と、を有し、
    前記センタ側陸部のうち、前記頂面のタイヤ幅方向長さが20mm以上50mm以下であるショルダ側陸部に対して、当該ショルダ側陸部を区画する前記周方向溝を介して、赤道側に隣接する、ショルダ側陸部隣接センタ側陸部は、該陸部のトレッド端側の側壁の、該陸部表面の該側壁との境界部における法線に対する前記境界部を頂点とする角度が、該陸部側に傾斜する向きをマイナスとするとき、−6°以上0°以下であり、前記トレッド端側の側壁の前記法線に沿う長さに対する、前記陸部表面のトレッド幅方向長さの比が、2.6以上3.0以下であることを特徴とする、タイヤ。
  2. 前記ショルダ側陸部隣接センタ側陸部は、該陸部の赤道側の側壁の、該陸部表面の該側壁との境界部における法線に対する前記境界部を頂点とする前記角度が、6°以下であることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記センタ側陸部は、リブであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記ショルダ側陸部隣接センタ側陸部は、タイヤの赤道を横切る向きに延びる複数の幅方向溝にて区画される、複数のブロックがトレッド周方向に並ぶブロック列であり、
    該ブロックの、トレッド端側の側壁及び赤道側の側壁はそれぞれ、ブロックの前記幅方向溝に面する2つの幅方向側壁と2つの辺を形成し、前記2つの辺の前記法線に対する角度は、3°以上異なることを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ。
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