JP6970780B2 - 医療用観察装置、手術用観察装置及び医療用観察システム - Google Patents

医療用観察装置、手術用観察装置及び医療用観察システム Download PDF

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Description

本開示は、医療用観察装置、手術用観察装置及び医療用観察システムに関する。
近年、医療現場においては、手術や検査をサポートするために支持アーム装置が用いられつつある。例えば、支持アーム装置の支持部の先端に、患者の術部の微小部位を拡大観察するための拡大光学系が設けられた、光学式の観察装置(観察装置)が知られている。光学式の観察装置を用いて手術を行う際には、医師等の術者は、当該拡大光学系に設けられた接眼レンズを介して術部を直接観察しながら手術を行う。
このような観察装置においては、支持部における各構成部材の動きを伝達する歯車等の動力伝達機構の配置や構成を工夫することにより、より優れた操作性を実現するための様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1には、拡大光学系等の医療光学機器を保持するためのスタンド装置であって、第1の回転ジョイントによって保持ユニットに旋回可能に支承されている第1のリンクと、第2の回転ジョイントを介して前記第1のリンクに回転可能に結合されている第2のリンクと、が設けられており、当該第2のリンクは、その前方の区分の第3の回転ジョイントで、医療光学機器を保持する受容ユニットを支持しており、当該受容ユニットがフロントリンクを有していて、当該フロントリンクが第3のリンクと第4のリンクとを介して第2の回転ジョイントに結合されている形式のスタンド装置であって、受容ユニットと第4のリンクとが、歯車伝動装置によって、第1のリンクが運動する際にフロントリンクの向きが変化しないように連結されているスタンド装置が開示されている。
特許文献1に記載のスタンド装置によれば、受容ユニットと第4のリンクとの連結が歯車伝動装置を介して行われることにより、高い内部摩擦を有した摩擦面接触が得られる。これにより、例えばスタンド装置が設置される床面(建物)の揺れに起因する受容ユニットの振動が著しく減衰されるため、当該スタンド装置によって保持される医療光学機器の振動を抑制することができる。
特開2004−267774号公報
ここで、近年、上記のような医療用の観察装置においては、支持部の先端に、術部を拡大して撮影する機能を有する顕微鏡部が設けられた、電子撮像式の観察装置(観察装置)が提案されている。電子撮像式の観察装置を用いて手術を行う場合には、顕微鏡部によって撮影された術部の画像が手術室内に設置された表示装置に表示され、術者は、当該表示装置の画像を見ながら手術を行う。
このような電子撮像式の観察装置では、顕微鏡部、及び当該顕微鏡部が取り付けられる支持部の先端が、術部の近傍に位置することとなる。従って、支持部の先端付近の構成が大きいと、術者の作業空間が制限されてしまい、円滑に処置を行うことが困難になる可能性がある。また、電子撮像式の観察装置では、上述したように、術者が手術室内に設置された表示装置の画像を見ながら手術を行うこととなるため、術者と当該表示装置との間に支持部が位置し得ることとなる。従って、支持部の先端付近の構成が大きいと、表示装置を視認する術者の視界が塞がれてしまい、術者の円滑な作業が妨げられる恐れがある。
このように、手術や検査をより円滑に行うために、医療用の観察装置、特に電子撮像式の観察装置の支持部には、より小型であることが求められている。しかしながら、これまで、電子撮像式の観察装置においては、支持部の構成を小型化することについて十分に検討がなされていなかった。
特に、近年、観察装置においては、支持部を構成する各関節部に対してアクチュエータを設け、当該支持部の動作を、当該アクチュエータによって各関節部を回転駆動させることによって実現するものが提案されている。このような関節部にアクチュエータを備える観察装置では、アクチュエータが搭載される分、支持部はより大型化することが懸念される。つまり、各関節部に対してアクチュエータが設けられる場合には、支持部を小型化することはより困難になると考えられる。
そこで、本開示では、支持部の構成をより小型化することが可能な、新規かつ改良された医療用観察装置、手術用観察装置及び医療用観察システムを提案する。
本開示によれば、観察対象を撮影し、映像信号を出力する撮像部と、複数のアーム部が関節部を介して互いに回動可能に接続されて構成され、前記撮像部を支持する支持部と、を備え、前記支持部を構成する複数の関節部のうち前記撮像部の姿勢を規定する少なくとも1つの関節部における回転軸まわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられ、前記少なくとも1つの関節部と前記アクチュエータとは、互いに略直交する2つの回転軸間において回転運動を伝達する動力伝達機構を介して接続され、互いに離隔して配置され、前記動力伝達機構は、一端が前記アクチュエータの回転軸に接続され、前記アクチュエータの回転軸と略平行な方向に延伸するドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの他端に設けられ、前記アクチュエータの回転軸と同軸で回転する第1の動力伝達部材と、前記第1の動力伝達部材と連動して、前記少なくとも1つの関節部の回転軸と同軸で回転する第2の動力伝達部材と、前記ドライブシャフトの軸方向への移動を補助するガイドとを含む、医療用観察装置が提供される。
また、本開示によれば、観察対象を撮影し、映像信号を出力する顕微鏡部と、複数のアーム部が関節部を介して互いに回動可能に接続されて構成され、前記顕微鏡部を支持する支持部と、を備え、前記支持部を構成する複数の関節部のうち前記顕微鏡部の姿勢を規定する少なくとも1つの関節部における回転軸まわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられ、前記少なくとも1つの関節部と前記アクチュエータとは、互いに略直交する2つの回転軸間において回転運動を伝達する動力伝達機構を介して接続され、互いに離隔して配置され、前記動力伝達機構は、一端が前記アクチュエータの回転軸に接続され、前記アクチュエータの回転軸と略平行な方向に延伸するドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの他端に設けられ、前記アクチュエータの回転軸と同軸で回転する第1の動力伝達部材と、前記第1の動力伝達部材と連動して、前記少なくとも1つの関節部の回転軸と同軸で回転する第2の動力伝達部材と、前記ドライブシャフトの軸方向への移動を補助するガイドとを含む、手術用観察装置が提供される。
また、本開示によれば、観察対象を撮影し映像信号を出力する撮像部と、複数のアーム部が関節部を介して互いに回動可能に接続されて構成され前記撮像部を支持する支持部と、を有する、観察装置と、前記映像信号に基づいて、前記撮像部によって撮影された前記観察対象の画像を表示する表示装置と、を備え、前記観察装置においては、前記支持部を構成する複数の関節部のうち前記撮像部の姿勢を規定する少なくとも1つの関節部における回転軸まわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられ、前記少なくとも1つの関節部と前記アクチュエータとは、互いに略直交する2つの回転軸間において回転運動を伝達する動力伝達機構を介して接続され、互いに離隔して配置され、前記動力伝達機構は、一端が前記アクチュエータの回転軸に接続され、前記アクチュエータの回転軸と略平行な方向に延伸するドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの他端に設けられ、前記アクチュエータの回転軸と同軸で回転する第1の動力伝達部材と、前記第1の動力伝達部材と連動して、前記少なくとも1つの関節部の回転軸と同軸で回転する第2の動力伝達部材と、前記ドライブシャフトの軸方向への移動を補助するガイドとを含む、医療用観察システムが提供される。
本開示によれば、顕微鏡部の姿勢を規定し得る関節部のうちの少なくとも1つの関節部と、当該少なくとも1つの関節部に対して駆動力を与えるアクチュエータと、が、動力伝達機構を介して、互いに離隔して配置される。一般的に顕微鏡部の姿勢を規定し得る関節部は当該顕微鏡部の近傍に設けられることが多いため、このように、顕微鏡部の姿勢を規定し得る関節部うちの少なくとも1つの関節部と、アクチュエータと、が互いに離隔して配置されることにより、顕微鏡部付近の構成をより小型化することが可能になる。
以上説明したように本開示によれば、支持部の構成をより小型化することが可能になる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、又は本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
電子撮像式の観察装置を用いた手術の様子を概略的に示す図である。 電子撮像式の観察装置を用いた手術の様子を概略的に示す図である。 アクチュエータが設けられた支持部の、一般的な構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る観察システムの一構成例を示す図である。 図4に示すアクチュエータの一構成例を示す断面図である。 第1の実施形態において、第2関節部とアクチュエータとを接続する動力伝達機構の一構成例を示す図である。 第1の実施形態の一変形例に係るアクチュエータの構成例を示す断面図である。 第1の実施形態の一変形例に係るアクチュエータの構成例を示す断面図である。 第2の実施形態に係る観察システムの一構成例を示す図である。 第2の実施形態において、第2関節部とアクチュエータとを接続する動力伝達機構の一構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る観察装置を用いた手術時における、支持部と術者との位置関係を示す概略図である。 第1及び第2の実施形態に係る観察システムを用いた手術の状況を概略的に示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示に想到した背景
1−1.電子撮像式の観察装置に対する考察
1−2.関節部にアクチュエータを備える観察装置に対する考察
2.第1の実施形態
2−1.観察システム及び観察装置の構成
2−2.動力伝達機構の構成
2−3.アクチュエータについての変形例
3.第2の実施形態
3−1.観察システム及び観察装置の構成
3−2.動力伝達機構の構成
4.第1及び第2の実施形態の比較
5.使用例
6.補足
なお、以下では、本開示の各実施形態に係る観察装置に対して各種の操作を行うユーザのことを、便宜的に術者と記載する。ただし、当該記載は観察装置を使用するユーザを限定するものではなく、観察装置に対する各種の操作は、他の医療スタッフ等、あらゆるユーザによって実行されてよい。
(1.本開示に想到した背景)
本開示の好適な実施形態に係る観察装置及び観察システムの構成について詳細に説明するに先立ち、本開示をより明確なものとするために、本発明者らが本開示に想到した背景について説明する。
なお、以下の説明では、電子撮像式の観察装置の顕微鏡部、及び光学式の観察装置の拡大光学系のような、観察装置に設けられる術部を観察するためのユニットのことを、観察ユニットと総称することとする。
(1−1.電子撮像式の観察装置に対する考察)
上述したように、近年、医療用の観察装置においては、支持部の先端に術部を拡大して撮影する機能を有する顕微鏡部が設けられた、電子撮像式の観察装置が提案されている。電子撮像式の観察装置を用いて手術を行う場合には、顕微鏡部によって撮影された術部の画像が手術室内に設置された表示装置に表示され、術者は、当該表示装置の画像を見ながら手術を行う。
図1及び図2は、電子撮像式の観察装置を用いた手術の様子を概略的に示す図である。図1では、手術中における、観察装置の支持部801の先端付近の構成と、当該支持部801の先端に取り付けられた顕微鏡部802と、顕微鏡部802によって撮影された画像が表示される表示装置803と、顕微鏡部802による撮影範囲805と、の位置関係を概略的に示している。撮影範囲805に、観察対象である(すなわち、手術を行う対象である)患者の術部が位置することになる。
図1に示すように、手術中に、顕微鏡部802は、撮影範囲805の近傍、すなわち術部の近傍に位置し得る。術者は、当該術部に対して各種の処置を施すため、顕微鏡部802を支持する支持部801の構成が大きければ、処置を施す術者の手と、当該支持部801とが干渉してしまい、円滑な作業の妨げになる可能性がある。
一方、上述したように、術者は、表示装置803に映し出される画像を見ながら手術を行う。図2では、図1に示す構成に対して、術者807の頭部を模擬的に追加して図示している。支持部801、顕微鏡部802、表示装置803、撮影範囲805及び術者807の位置関係を考えると、図2に示すように、術者807は、支持部801及び顕微鏡部802越しに、表示装置803を見ることとなる。従って、支持部801の構成が大きければ、表示装置803を見る術者807の視界が当該支持部801によって遮られてしまい、術者807の円滑な作業が妨げられてしまう恐れがある。
このように、電子撮像式の観察装置においては、術者807の作業空間及び視界を確保するために、その支持部801の構成、特に支持部801の先端付近の構成には、より小型であることが求められている。小型化に対する要請は、光学式の観察装置に対しても同様に求められ得るものであるが、電子撮像式の観察装置では、上述したように術者807が表示装置803を見ながら手術を行うという使用方法が想定されるため、術者807の視界の確保の観点から、このような支持部801に対する小型化の要請はより大きいものとなる。
(1−2.関節部にアクチュエータを備える観察装置に対する考察)
一方、近年、観察装置においては、支持部を構成する各関節部に対してアクチュエータが設けられたものが提案されている。このような関節部にアクチュエータが設けられた観察装置では、例えば位置制御又は力制御等の各種の制御方式によって、各関節部に設けられたアクチュエータの駆動がそれぞれ制御されることにより、支持部の先端に取り付けられた観察ユニットが所望の位置及び姿勢を取るように、支持部の動作が制御される。
ここで、観察装置では、観察ユニットによってあらゆる角度から術部を観察することができるように、当該観察ユニットの姿勢を規定するための互いに直交する3方向の回転軸が、当該観察ユニットに対して設けられることが一般的である。ここで、顕微鏡部の姿勢とは、観察対象に対する顕微鏡部の光軸の向きを意味する。従って、これらの回転軸に対応する関節部に対してアクチュエータを設けることを考えると、観察ユニット近傍に当該アクチュエータが配置されることになるため、支持部の観察ユニット付近の構成が比較的大型化してしまうことが懸念される。
図3に、アクチュエータが設けられた支持部の、一般的な構成の一例を示す。図3は、アクチュエータが設けられた支持部の、一般的な構成の一例を示す図である。なお、以下の説明では、観察装置の支持部における観察ユニット付近の領域のことを、便宜的に、先端領域とも呼称する。
図3では、アクチュエータが設けられた一般的な支持部820の、先端領域の構成のみを抜き出して図示している。図3を参照すると、一般的な支持部820の先端領域の一構成例として、顕微鏡部810と、当該顕微鏡部810の撮影方向(光軸方向)と略平行な回転軸である第1軸Oまわりに回動可能に当該顕微鏡部810を保持する第1関節部821と、当該第1関節部821の側面から当該第1軸Oと略直交する方向に延伸する第1アーム部822と、当該第1アーム部822の延伸方向と略平行な回転軸である第2軸Oまわりに回動可能に第1関節部821を保持する第2関節部823と、当該第2関節部823の基端側に一端が固定され第1軸O及び第2軸Oと互いに直交する方向に延伸する第2アーム部824と、が図示されている。図示する例では、第1アーム部822及び第2関節部823は、一体的な部材として構成されている。
また、図示は省略するが、第2アーム部824の基端側には、当該第2アーム部824の延伸方向と略平行な回転軸である第3軸Oまわりに回動可能に当該第2アーム部824を保持する第3関節部が設けられ得る。第1軸Oまわりの回転が制御されることにより、顕微鏡部810による撮影画像の向きが制御されることとなる。また、第2軸O及び第3軸Oまわりの回転がそれぞれ制御されることにより、顕微鏡部810の姿勢が制御されることとなる。つまり、第2軸O及び第3軸Oは、顕微鏡部810の姿勢を規定する回転軸であり得る。
第1関節部821及び第2関節部823の内部には、それぞれ、第1軸O及び第2軸Oまわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられている。なお、図3ではその他の関節部の図示を省略しているが、支持部820では、他の関節部に対しても同様に、アクチュエータが設けられ得る。アクチュエータが設けられる分、アクチュエータが設けられない場合に比べて、当然、第1関節部821及び第2関節部823は大型化することとなる。このように、一般的な支持部820では、アクチュエータが設けられることにより、先端領域の構成が大型化する傾向がある。
以上、本発明者らが、電子撮像式の観察装置、及び関節部にアクチュエータを備える観察装置に対して考察した内容について説明した。本発明者らが考察した結果についてまとめる。
以上説明したように、電子撮像式の観察装置においては、術者の作業空間及び視界を確保するために、支持部の構成、特に支持部における先端領域の構成をより小型化することが求められている。一方、図3を参照して説明したように、関節部にアクチュエータを備える観察装置における一般的な支持部の構成では、当該アクチュエータが設けられることにより、支持部の先端領域の構成が大型化してしまう傾向がある。従って、支持部の関節部にアクチュエータが設けられた電子撮像式の観察装置を用いて手術を行う場合を想定すると、術者の作業空間及び視界の確保はより困難になると考えられる。
しかしながら、これまで、支持部の関節部にアクチュエータが設けられた観察装置において、支持部の先端領域の構成を小型化することについては、十分に検討がなされていなかった。例えば、支持部の先端領域の構成を小型化するための方法の1つとして、アクチュエータ自体を小型化する方法が考えられる。しかしながら、一般的に、アクチュエータを構成するモータや減速機等の大きさは、当該アクチュエータに求められる出力、すなわち、各回転軸まわりでの回転に求められる駆動力に応じて決定され得る。従って、支持部に所望の動作を行わせるための所定の出力を維持するためには、アクチュエータの小型化には限界がある。
上記事情に鑑みて、支持部の関節部にアクチュエータが設けられた観察装置において、当該支持部の先端領域の構成をより小型化するための技術について鋭意検討した結果、本発明者らは、以下に説明する本開示の好適な実施形態に想到したのである。以下では、本発明者らが想到した本開示の好適な実施形態について説明する。
(2.第1の実施形態)
(2−1.観察システム及び観察装置の構成)
図4を参照して、本開示の第1の実施形態に係る観察システムの構成について説明するとともに、当該観察システムを構成する観察装置の構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係る観察システムの一構成例を示す図である。
図4を参照すると、第1の実施形態に係る観察システム1は、顕微鏡部110を支持し、当該顕微鏡部110によって患者の術部を撮影する観察装置10と、観察装置10によって撮影された術部の映像を表示する表示装置20と、から構成される。手術時には、術者は、観察装置10によって撮影され表示装置20に表示された映像を参照しながら、術部を観察し、当該術部に対して各種の処置を行う。
(表示装置)
表示装置20は、上述したように、観察装置10によって撮影された患者の術部の映像を表示する。表示装置20は、例えば手術室の壁面等、術者によって視認され得る場所に設置される。表示装置20の種類は特に限定されず、表示装置20としては、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ装置等、公知の各種の表示装置が用いられてよい。また、表示装置20は、必ずしも手術室内に設置されなくてもよく、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)や眼鏡型のウェアラブルデバイスのように、術者が身に付けて使用するデバイスに搭載されてもよい。
なお、後述するように、例えば観察装置10の顕微鏡部110の撮像部111がステレオカメラとして構成される場合、又は高解像度の撮影が可能に構成される場合には、それに対応して、3D表示可能な、又は高解像度での表示が可能な表示装置20が用いられ得る。
(観察装置)
観察装置10は、患者の術部を拡大観察するための顕微鏡部110と、顕微鏡部110を支持する支持部120(アーム部120)と、支持部120の一端が接続され顕微鏡部110及び支持部120を支持するベース部130と、観察装置10の動作を制御する制御装置140と、を備える。観察装置10は、手術時や検査時において術者が処置する対象となる部位を顕微鏡部110によって拡大して観察するための、医療用観察装置である。
(ベース部)
ベース部130は、顕微鏡部110及び支持部120を支持する、観察装置10の基台である。ベース部130は板状の形状を有する架台131と、架台131の下面に設けられる複数のキャスター132と、を有する。架台131の上面に支持部120の一端が接続され、架台131から延伸される支持部120の他端(先端)に顕微鏡部110が接続される。また、観察装置10は、キャスター132を介して床面と接地し、当該キャスター132によって床面上を移動可能に構成されている。
なお、以下の説明では、観察装置10が設置される床面に対して鉛直な方向をz軸方向と定義する。z軸方向のことを上下方向又は垂直方向とも呼称する。また、z軸方向と互いに直交する2方向を、それぞれ、x軸方向及びy軸方向と定義する。x−y平面と平行な方向のことを水平方向とも呼称する。
(顕微鏡部)
顕微鏡部110は、患者の術部を拡大観察するための顕微鏡鏡体によって構成される。図示する例では、顕微鏡部110の光軸方向は、z軸方向と略一致している。顕微鏡部110は、電子撮像式の顕微鏡部に対応する構成を有しており、略円筒形状を有する筒状部112と、筒状部112内に設けられる撮像部111と、から構成される。また、撮像部111は、対物レンズ、ズームレンズ等の光学系と、当該光学系を通過した光により被写体(すなわち術部)の像を撮影する撮像素子と、から構成される。
筒状部112の下端の開口面には、撮像部111を保護するためのカバーガラスが設けられる。筒状部112の内部には、光源も設けられており、撮影時には、当該光源からカバーガラス越しに被写体に対して照明光が照射される。当該照明光の被写体での反射光が、カバーガラスを介して撮像部111に入射することにより、当該撮像部111によって術部の映像を示す信号(映像信号)が取得される。
顕微鏡部110としては、各種の公知の電子撮像式の顕微鏡部に対応する構成が適用されてよいため、ここではその詳細な説明は省略する。例えば、撮像部111の撮像素子としては、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal−Oxide−Semiconductor)センサ等の各種の公知の撮像素子が適用されてよい。また、撮像部111は、1対の撮像素子を備えた、いわゆるステレオカメラとして構成されてもよい。また、撮像部111の光学系についても、各種の公知の構成が適用され得る。更に、撮像部111には、AF(Auto Focus)機能や光学ズーム機能等の、一般的に電子撮像式の顕微鏡部に備えられる各種の機能が搭載され得る。
また、撮像部111は、例えば4K、8K等の、高解像度での撮影が可能に構成されてもよい。撮像部111が高解像度での撮影が可能に構成されることにより、所定の解像度(例えば、Full HD画質)を確保しつつ、例えば50インチ以上の大画面の表示装置20に映像を表示させることが可能になるため、術者の視認性が向上する。また、電子ズーム機能によって適宜拡大して映像を表示しても、所定の解像度を確保することが可能になる。これにより、顕微鏡部110にそこまでの光学ズーム機能が求められなくなり、顕微鏡部110の光学系をより簡易にすることが可能となるため、顕微鏡部110をより小型に構成することが可能になる。
顕微鏡部110によって取得された映像信号は制御装置140に送信され、当該制御装置140において、当該映像信号に対して、例えばガンマ補正、ホワイトバランスの調整、電子ズーム機能に係る拡大及び画素間補正等、各種の画像処理が行われる。当該画像処理では、映像を表示するために一般的に行われる各種の画像処理が行われてよい。各種の画像処理が行われた映像信号が、手術室に設けられる表示装置20に送信され、当該表示装置20に、術部の画像が、例えば光学ズーム機能及び/又は電子ズーム機能によって所望の倍率に適宜拡大されて表示される。なお、制御装置140と表示装置20との間の通信は、有線又は無線の公知の各種の方式で実現されてよい。
なお、顕微鏡部110に上記の画像処理を行うための処理回路が設けられていてもよく、上記の画像処理は、制御装置140によって行われず、顕微鏡部110の当該処理回路によって行われてもよい。この場合、顕微鏡部110に搭載される処理回路において適宜画像処理が施された後の画像情報が、顕微鏡部110から手術室に設けられる表示装置20に送信され得る。また、この場合、顕微鏡部110と表示装置20との間の通信は、有線又は無線の公知の各種の方式で実現されてよい。
顕微鏡部110の外側面には、顕微鏡部110の動作を制御するための各種のスイッチが設けられる。例えば、顕微鏡部110には、当該顕微鏡部110の撮影条件を調整するためのズームスイッチ151(ズームSW151)及びフォーカススイッチ152(フォーカスSW152)、並びに、支持部120の動作モードを変更するための動作モード変更スイッチ153(動作モード変更SW153)が設けられる。
術者は、ズームSW151及びフォーカスSW152を操作することにより、顕微鏡部110の倍率及び焦点距離を、それぞれ調整することができる。また、術者は、動作モード変更SW153を操作することにより、支持部120の動作モードを、固定モード及びフリーモードのいずれかに切り替えることができる。
ここで、固定モードは、支持部120に設けられる各回転軸における回転がブレーキにより規制されることにより、顕微鏡部110の位置及び姿勢が固定される動作モードである。フリーモードは、ブレーキが解除されることにより、支持部120に設けられる各回転軸における回転が自由に可能な状態であり、術者による直接的な操作によって顕微鏡部110の位置及び姿勢を調整可能な動作モードである。ここで、直接的な操作とは、術者が例えば手で顕微鏡部110を把持し、当該顕微鏡部110を直接移動させる操作のことを意味する。例えば、術者が動作モード変更SW153を押下している間は支持部120の動作モードがフリーモードとなり、術者が動作モード変更SW153から手を離している間は支持部120の動作モードが固定モードとなる。
なお、これらのスイッチは必ずしも顕微鏡部110に設けられなくてもよい。第1の実施形態では、これらのスイッチと同等の機能を有する、操作入力を受け付けるための機構が観察装置10に設けられればよく、当該機構の具体的な構成は限定されない。例えば、これらのスイッチは、観察装置10の他の部位に設けられてもよい。また、例えば、リモコンやフットスイッチ等の入力装置を用いて、これらのスイッチに対応する命令が、遠隔的に観察装置10に対して入力されてもよい。
また、簡単のため、図4では顕微鏡部110の筒状部112を簡易的に単純な円筒形状の部材として図示しているが、筒状部112には、術者によって把持される把持部が設けられ得る。当該把持部は、術者が把持する取っ手等の構造が、筒状部112の外周に形成されることによって実現され得る。あるいは、当該把持部は、筒状部112の形状が、術者によって把持されやすい形状に形成されることによって実現され得る。例えば、上記のように、フリーモード時には、術者が筒状部112を直接手で握った状態で、顕微鏡部110を移動させる操作が想定され得る。この際、術者は、動作モード変更SW153を押下しながら、顕微鏡部110を移動させる操作を行うこととなるため、筒状部112の形状及び動作モード変更SW153の配置位置は、フリーモード時の術者の操作性を考慮して適宜決定され得る。また、ズームSW151及びフォーカスSW152の配置位置も、同様に、術者の操作性を考慮して適宜決定されてよい。
(制御装置)
制御装置140は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Pocessor)等のプロセッサ、又はこれらのプロセッサと記憶素子等がともに搭載された制御基板等であり得る。所定のプログラムに従った演算処理を実行することにより、観察装置10の動作を制御する。制御装置140を構成するプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、制御装置140における各機能が実現される。
例えば、制御装置140は、後述する支持部120を構成する各関節部(第1関節部210〜第6関節部260)に対して設けられるアクチュエータ321〜326の駆動を制御することにより、各関節部における回転角度を制御し、支持部120の動作を制御する。後述するように、アクチュエータ321〜326には、それぞれ、各関節部の回転角度を検出するためのエンコーダ、及び各関節部に作用するトルクを検出するトルクセンサが設けられる。制御装置140は、これらエンコーダ及びトルクセンサの検出値に基づいて、支持部120の現在の状態(位置、姿勢及び速度等)を把握し、把握した支持部120の状態に基づいて、術者によって指示された支持部120の動作を実現するための各関節部の制御量(例えば、制御方式が力制御であれば回転トルク)を算出することができる。当該制御量に従って各関節部が駆動されることにより、支持部120の制御がなされる。
支持部120の動作は、好適に力制御によって制御される。例えば、力制御によって、術者による直接的な操作(術者が例えば手で顕微鏡部110を把持し、当該顕微鏡部110を直接移動させる操作)に応じて、当該支持部120に加えられた力の方向に当該支持部120が移動するように、当該支持部120の動作が制御され得る。このような、いわゆるパワーアシスト動作を実行するように支持部120の動作が制御されることにより、術者はより小さな力で直感的に支持部120を動かすことができるようになり、術者の操作性が向上する。ただし、支持部120の制御方式は特に限定されず、支持部120の動作は、例えば位置制御等、各種の制御方式によって制御されてよい。支持部120の動作が位置制御によって制御される場合には、観察装置10には、支持部120を操作するためのコントローラ等の入力装置が設けられ得る。支持部120の具体的な制御方法としては、各種の公知な方法が用いられてよいため、その詳細な説明は省略する。
また、例えば、制御装置140は、上記動作モード変更SW153を介した術者の操作入力に応じて、支持部120の各関節部に設けられるブレーキの駆動を制御することにより、上述した支持部120の動作モードを切り替える機能を有する。また、例えば、制御装置140は、上記ズームSW151及びフォーカスSW152を介した術者の操作入力に応じて、顕微鏡部110の撮像部111の光学系を適宜駆動させ、顕微鏡部110の倍率及び焦点距離を調整する機能を有する。また、例えば、制御装置140は、顕微鏡部110の撮像部111に搭載される撮像素子の駆動を制御し、撮影の開始や終了のタイミングを制御する。また、制御装置140は、顕微鏡部110によって取得された映像信号に対して各種の画像処理を施し、処理後の映像信号に基づく映像を表示装置20に表示させる機能を有する。その他、制御装置140は、一般的な観察装置の制御装置に備えられる各種の機能を有してよい。
ここで、観察装置10における各構成間での通信(例えば、顕微鏡部110と制御装置140との間の通信、及び後述する支持部120の各関節部210〜260のアクチュエータ321〜326と制御装置140との間の通信等)は、例えば、ケーブルを介して有線で行われる。当該ケーブルは、制御装置140と各関節部210〜260との間、及び制御装置140と顕微鏡部110との間に延設されることとなるため、当該ケーブルが外部に露出していると、術者の作業空間及び視界の妨げになる恐れがある。従って、第1の実施形態では、当該ケーブルは、支持部120の内部に延設されることが好ましい。これにより、当該ケーブルによって術者の作業空間や視界が遮られる事態を回避することができ、術者の利便性が向上する。
なお、図示する例では、制御装置140は、顕微鏡部110、支持部120及びベース部130とは異なる構成として設けられ、ケーブルによってベース部130と接続されているが、第1の実施形態はかかる例に限定されない。例えば、制御装置140と同様の機能を実現するプロセッサや制御基板等が、ベース部130内に配置されてもよい。また、制御装置140と同様の機能を実現するプロセッサや制御基板等が顕微鏡部110の内部に組み込まれることにより、制御装置140と顕微鏡部110とが一体的に構成されてもよい。あるいは、プロセッサや制御基板等が、支持部120を構成する各関節部にそれぞれ配置され、これら複数のプロセッサや制御基板等が互いに協働することにより、制御装置140と同様の機能が実現されてもよい。
(支持部)
支持部120は、顕微鏡部110を保持し、顕微鏡部110を3次元的に移動させるとともに、移動後の顕微鏡部110の位置及び姿勢を固定する。第1の実施形態では、支持部120は、6自由度を有するバランスアームとして構成されている。ただし、第1の実施形態はかかる例に限定されず、支持部120は他の異なる数の自由度を有するように構成されてもよい。支持部120をバランスアームとして構成し、顕微鏡部110及び支持部120全体としてモーメントの釣り合いが取れた構成とすることにより、術者は、直接的な操作においてあたかも無重力であるかのようなより小さい力で顕微鏡部110を移動させることが可能となり、当該術者の操作性をより向上させることができる。
支持部120には、6自由度に対応する6つの回転軸(第1軸O、第2軸O、第3軸O、第4軸O、第5軸O及び第6軸O)が設けられる。本明細書では、説明のため便宜的に、各回転軸を構成し、各部材間を回動可能に接続する部位のことを、関節部と呼称することとする。例えば、関節部は、軸受、及び当該軸受に回動可能に挿通されるシャフト等によって構成され得る。後述する平行四辺形リンク機構240も、関節部の一つとみなすことができる。
支持部120は、各回転軸に対応する第1関節部210、第2関節部220、第3関節部230、第4関節部240、第5関節部250、及び第6関節部260と、これら第1関節部210〜第6関節部260によって互いに回動可能に接続される第1アーム部271、第2アーム部272、第3アーム部273、第4アーム部274、及び第5アーム部275と、顕微鏡部110及び支持部120全体としてのモーメントの釣り合いを取るためのカウンターウエイト280と、によって構成される。ただし、第4関節部240は、平行四辺形リンク機構240に対応している。
なお、以下の説明では、支持部120の構成について説明する際に、顕微鏡部110が設けられる側を先端側又は先端部等とも呼称し、ベース部130に近い側を基端側又は基端部等とも呼称することとする。
第1関節部210は、略円筒形状を有し、その中心軸が顕微鏡部110の筒状部112の中心軸と略一致するように、顕微鏡部110の筒状部112の基端部に接続される。第1関節部210は、顕微鏡部110の光軸と略一致する方向を回転軸方向(第1軸O方向)として、顕微鏡部110を回動可能に支持する。図1に示す例では、第1軸Oは、z軸と略平行な回転軸として設けられている。第1関節部210によって第1軸Oまわりに顕微鏡部110が回動することにより、顕微鏡部110による撮像画像の向きが調整されることとなる。
なお、図示する例では、第1関節部210を構成する略円筒形状の筐体内に、顕微鏡部110の撮像部111の一部が格納されている。すなわち、顕微鏡部110及び第1関節部210が一体的な部材として構成されている。ただし、第1の実施形態はかかる例に限定されず、第1関節部210及び顕微鏡部110は、互いに別個の部材として構成されてもよい。
第1関節部210には、第1軸Oとは略垂直な方向に延伸する第1アーム部271の先端が接続される。また、第1アーム部271の基端には、当該第1アーム部271の延伸方向と略平行な方向を回転軸方向(第2軸O方向)として第1アーム部271を回動可能に支持する第2関節部220が設けられる。第2軸Oは、第1軸Oとは略垂直な回転軸であり、図1に示す例ではy軸と略平行な回転軸として設けられている。第2関節部220によって、第2軸Oを回転軸として顕微鏡部110及び第1アーム部271が回動することにより、顕微鏡部110のx軸方向の位置が調整されることとなる。
第2関節部220には、第1軸O及び第2軸Oと互いに略垂直な方向に延伸する第2アーム部272の先端が接続される。この第2アーム部272の基端には、当該第2アーム部272の延伸方向と略平行な方向を回転軸方向(第3軸O方向)として第2アーム部272を回動可能に支持する第3関節部230が設けられる。なお、この際、図示するように、第2アーム部272と第3関節部230とは、両者の中心軸がずれた状態で接続される。つまり、第2アーム部272と第3関節部230との接続部位は、いわゆるクランク形状を構成する。
第3軸Oは、第1軸O及び第2軸Oと略垂直な回転軸であり、図1に示す例ではx軸と略平行な回転軸として設けられている。第3関節部230によって、第3軸Oを回転軸として顕微鏡部110、第1アーム部271及び第2アーム部272が回動することにより、顕微鏡部110のy軸方向の位置が調整されることとなる。
このように、支持部120は、第2軸O及び第3軸Oまわりの回転がそれぞれ制御されることにより、顕微鏡部110の姿勢が制御されるように構成される。つまり、第2関節部220及び第3関節部230は、顕微鏡部110の姿勢を規定する関節部であり得る。
第3関節部230には、第3軸Oと略平行な方向に延伸する第3アーム部273の先端が接続される。また、第3アーム部273の基端には、平行四辺形リンク機構240の上辺の先端が接続される。
平行四辺形リンク機構240は、平行四辺形の形状に配置される4つのアーム(アーム241、242、243、244)と、当該平行四辺形の略頂点に対応する位置にそれぞれ設けられる4つの回転部(回転部245、246、247、248)と、によって構成される。回転部245〜248は、2つの部材を互いに回動可能に接続する機構である。
第3アーム部273の基端に対して、第3軸Oと略平行な方向に延伸するアーム241の先端が接続される。アーム241の先端付近には回転部245が、基端付近には回転部246がそれぞれ設けられる。回転部245、246には、アーム241の延伸方向と略垂直な、互いに略平行な回転軸(第4軸O)まわりに回動可能に、それぞれ、アーム242、243の先端が接続される。更に、アーム242、243の基端には、それぞれ、回転部247、248が設けられる。これら回転部247、248には、第4軸Oまわりに回動可能に、かつ、アーム241に対して略平行に、アーム244の先端及び基端がそれぞれ接続される。
このように、平行四辺形リンク機構240を構成する4つの回転部245〜248は、互いに略平行な略同一方向の回転軸(第4軸O)を有し、当該第4軸Oまわりに互いに連動して動作する。図1に示す例では、第4軸Oは、y軸と略平行な回転軸として設けられている。つまり、平行四辺形リンク機構240は、互いに異なる位置に配置され同一方向の回転軸で互いに連動して回転する複数の回転部を有するように構成され、一端での動作を他端に伝達する伝達機構として振る舞う。
アーム242の基端から所定の距離離れた部位には、当該アーム242の延伸方向と垂直な方向を回転軸方向(第5軸O方向)として、平行四辺形リンク機構240を回動可能に支持する第5関節部250が設けられる。第5軸Oは、第4軸Oと略平行な回転軸であり、図1に示す例ではy軸と略平行な回転軸として設けられている。第5関節部250には、z軸方向に延設する第4アーム部274の先端が接続される。当該構成により、第5関節部250を介して、平行四辺形リンク機構240よりも先端側の構成が、第5軸Oを回転軸として第4アーム部274に対して回動する。
第4アーム部274は略L字型の形状を有しており、その基端側は、床面と略平行になるように折り曲げられている。第4アーム部274の当該床面と略平行な面には、鉛直方向と平行な回転軸(第6軸O)まわりに第4アーム部274を回動可能な第6関節部260が接続される。
図示する例では、第6関節部260は、鉛直方向に延伸する第5アーム部275と一体的に構成されている。すなわち、第5アーム部275の先端が、第4アーム部274の基端の床面と略平行な面に接続される。また、第5アーム部275の基端は、ベース部130の架台131の上面に接続される。当該構成により、第6関節部260を介して、第4アーム部274よりも先端側の構成が、第6軸Oを回転軸としてベース部130に対して回動する。
平行四辺形リンク機構240の下辺を構成するアーム244は、上辺を構成するアーム241よりも長尺に形成されており、当該アーム244の、平行四辺形リンク機構240の第3関節部230が接続される部位と対角に位置する端は、平行四辺形リンク機構240の外部に延出されている。延出されたアーム244の端には、カウンターウエイト280が設けられる。カウンターウエイト280は、自身よりも先端側に配置される各構成(すなわち、顕微鏡部110、第1関節部210、第2関節部220、第3関節部230、第1アーム部271、第2アーム部272、第3アーム部273及び平行四辺形リンク機構240)の質量によって、第4軸Oまわりに発生する回転モーメント及び第5軸Oまわりに発生する回転モーメントを相殺可能なように、その質量及び配置位置が調整されている。
また、第5関節部250の配置位置は、当該第5関節部250よりも先端側に配置される各構成の重心が第5軸O上に位置するように調整されている。更に、第6関節部260の配置位置は、当該第6関節部260よりも先端側に配置される各構成の重心が第6軸O上に位置するように調整されている。カウンターウエイト280の質量及び配置位置、第5関節部250の配置位置、及び第6関節部260の配置位置がこのように構成されることにより、支持部120は、顕微鏡部110及び支持部120全体としてモーメントの釣り合いが取れたバランスアームとして構成され得る。
ここで、第1の実施形態では、支持部120における各回転軸(第1軸O〜第6軸O)まわりの部材の回転が、アクチュエータによって駆動可能に構成される。従って、第1関節部210〜第6関節部260には、それぞれ、各回転軸まわりの回転に対して駆動力を与えるためのアクチュエータ321、322、323、324、325、326が設けられる。
図示する例では、第1軸O、第3軸O、第5軸O及び第6軸Oに対しては、それぞれ、第1関節部210、第3関節部230、第5関節部250及び第6関節部260の内部に、アクチュエータ321、323、325、326が備えられる。また、第4関節部240に対応する平行四辺形リンク機構240においては、4つの回転部(回転部245〜248)が互いに連動して回転するため、これら回転部245〜248のいずれかにアクチュエータ324が設けられる。図示する例では、回転部245にアクチュエータ324が設けられている(厳密にはアクチュエータ324はアーム241内に設けられ得るが、図4では簡単のため図示を省略している)。ただし、第1の実施形態はかかる例に限定されず、平行四辺形リンク機構240においては、他の回転部246〜248のいずれかにアクチュエータ324が設けられてもよい。
一方、図示するように、第2軸Oに対しては、当該第2関節部220と離隔した位置にアクチュエータ322が設けられている。具体的には、アクチュエータ322は、第2アーム部272の基端部に配置されており、第2関節部220は、第2アーム部272の先端部に配置されている。そして、第2関節部220とアクチュエータ322とは、第2アーム部272の内部に設けられる動力伝達機構(図示せず)によって接続され、当該動力伝達機構によって、アクチュエータ322の駆動力が第2関節部220に伝達される。第1の実施形態では、このように、第2関節部220と、当該第2関節部220における第2軸Oまわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータ322とが、動力伝達機構を介して互いに離隔して配置される。当該構成によれば、第2関節部220からより離れた位置にアクチュエータ322を配置することができるため、第2関節部220、すなわち、先端領域の構成を小型化することが可能になる。従って、術者の作業空間及び術者の視界を、より良好に確保することが可能になる。
また、第1の実施形態では、このとき、第2関節部220とアクチュエータ322とを接続する動力伝達機構として、互いに略直交する2つの回転軸間において回転運動を伝達可能な動力伝達機構が用いられる。これにより、第2関節部220における回転軸である第2軸Oとアクチュエータ322の駆動軸(以下、便宜的に回転軸ともいう)とが、互いに直交するように、アクチュエータ322を配置することが可能となる。つまり、アクチュエータ322は、第2アーム部272の延伸方向と略平行な方向にその回転軸が向くように、配置され得る。これにより、アクチュエータ322の、第2アーム部272の延伸方向と略直交する方向への突出量を抑えることができる。
下記(4.第1及び第2の実施形態の比較)で詳細に説明するように、第2アーム部272の延伸方向と略直交する方向にその回転軸が向くようにアクチュエータ322が配置されると、当該アクチュエータ322が術者の身体に向かって突出する可能性があるため、術者の作業の妨げになる恐れがある。第1の実施形態のように、第2軸Oとアクチュエータ322の回転軸とが互いに略直交するようにアクチュエータ322を配置することにより、このような突出部位をほぼなくすことができるため、術者にとっての利便性をより向上させることができる。
また、図示は省略しているが、第1関節部210〜第6関節部260には、各関節部の回転を停止するブレーキが設けられ得る。なお、第4関節部240、すなわち平行四辺形リンク機構240については、4つの回転部245〜248が互いに連動して回転するため、これら回転部245〜248の少なくともいずれかにブレーキが設けられる。なお、当該ブレーキは、第1関節部210〜第6関節部260に対応するアクチュエータ321〜326の内部にそれぞれ設けられてもよい。
これらのブレーキの駆動は、制御装置140によって制御される。動作モード変更SW153を介して支持部120の動作モードを固定モードに移行する旨の指示が入力された際には、制御装置140からの制御により、これらのブレーキが一斉に起動され、対応する各回転軸が拘束される。また、動作モード変更SW153を介して支持部120の動作モードをフリーモードに移行する旨の指示が入力された際には、制御装置140からの制御により、これらのブレーキが一斉に解除される。
これらのブレーキとしては、例えば無励磁作動型の電磁ブレーキのような、通電時にブレーキが解除され、非通電時にブレーキが作用するものが好適に用いられる。これにより、停電等の非常時であっても、支持部120がその姿勢を保つことが可能になる。また、ブレーキを作動させている固定モード時に通電させる必要が無いため、消費電力を低減させることが可能になる。ただし、第1の実施形態はかかる例に限定されず、これらの電子制御ブレーキ機構としては、一般的なバランスアームに用いられる各種のブレーキ機構が適用されてよい。例えば、これらの電子制御ブレーキ機構は、電磁ブレーキであってもよいし、機械的に駆動するものであってもよい。
ここで、第1の実施形態では、アクチュエータ321〜326として、力制御に従ったサーボ機構が実現され得るものが用いられる。図5は、図4に示すアクチュエータ321〜326の一構成例を示す断面図である。なお、アクチュエータ321〜326はいずれも略同様の構成を有しているため、図5では、一例として、第2関節部220を回転駆動させるアクチュエータ322の構成を図示している。また、図5では、アクチュエータ322の回転軸を通る断面の様子を示している。
図5を参照すると、アクチュエータ322は、モータ331、モータドライバ332、減速機333、エンコーダ334及びトルクセンサ335を有する。
モータ331は、アクチュエータ322における原動機であり、回転トルクを発生させる。モータ331としては、一般的にサーボモータとして用いられる各種のモータが用いられ得る。例えば、モータ331は、ブラシレスDCモータである。
モータドライバ332は、モータ331に電流を供給することによりモータ331を回転駆動させるドライバ回路(ドライバIC(Integrated Circuit))である。モータドライバ332は、制御装置140によって算出された第2関節部220の制御量に従って、モータ331に供給する電流量を調整し、モータ331を回転させる。
減速機333は、モータ331の出力側の駆動軸(出力軸)に設けられ、モータ331によって生じた出力軸の回転を所定の減速比で減速することにより、所定の回転トルクを発生させる。高精度な位置決めのため、減速機333としては、バックラッシレス型の高性能な減速機が用いられることが好ましい。また、安全の観点から、第2関節部220の回転速度が大きくなり過ぎないように、減速機333としては、例えば減速比が1/100程度の、比較的大きな減速比を有するものが用いられることが好ましい。減速機333としては、これらの要請を満たし得るものとして、例えば、ハーモニックドライブ(登録商標)が用いられ得る。減速機333によって生成された回転トルクが、上述した動力伝達機構を介して第2関節部220に伝達され、当該第2関節部220が回転される。
エンコーダ334は、モータ331の入力側の駆動軸(入力軸)に設けられ、当該入力軸の回転数を検出する。エンコーダ334による検出値は、制御装置140に送信され、支持部120の状態を把握するために用いられる。具体的には、制御装置140は、エンコーダ334によって検出された入力軸の回転数、減速機333の減速比、及び動力伝達機構のギア比等の関係に基づいて、第2関節部220の回転角度、回転角速度及び回転角加速度等の情報を得ることができる。
トルクセンサ335は、減速機333の出力軸に設けられ、減速機333によって生成されるトルク、すなわち、アクチュエータ322によって発生される回転トルク(発生トルク)を検出する。また、トルクセンサ335は、アクチュエータ322による発生トルクだけでなく、外部から加えられる外トルクも検出することができる。トルクセンサ335による検出値は、制御装置140に送信され、支持部120の状態を把握するために用いられる。
なお、図5に示す構成例は、力制御に対応するものである。第2関節部220の駆動制御が位置制御に従って行われる場合には、アクチュエータ322には、トルクセンサ335は必ずしも設けられなくてもよい。
(2−2.動力伝達機構の構成)
図6を参照して、第2関節部220とアクチュエータ322とを接続する動力伝達機構の構成についてより詳細に説明する。図6は、第1の実施形態において、第2関節部220とアクチュエータ322とを接続する動力伝達機構の一構成例を示す図である。図6では、図4に示す観察装置10の支持部120の構成のうち、第2関節部220、第2アーム部272及びアクチュエータ322近傍の構成のみを抜き出して図示している。また、図6では、第2アーム部272の内部に設けられる構成を表すために、模擬的に、第2アーム部272の側壁を透過して図示している。
図6を参照すると、第2関節部220は、第2アーム部272の先端側に、第2軸Oが当該第2アーム部272の延伸方向と略直交するように配置されている。また、アクチュエータ322は、第2アーム部272の基端側に、当該アクチュエータ322の回転軸が当該第2アーム部272の延伸方向と略平行となるように配置されている。
第2アーム部272の内部に設けられる動力伝達機構330は、アクチュエータ322の回転軸と略平行な方向(すなわち、第2アーム部272の延伸方向)に沿って延伸し、アクチュエータ322の回転軸に一端が接続され当該回転軸と同軸で回転するドライブシャフト235と、当該ドライブシャフト235の他端に設けられ、アクチュエータ322の回転軸と同軸で回転する第1のかさ歯車233と、第1のかさ歯車233と歯合し、第2関節部220に対応する第2軸Oと同軸で回転する第2のかさ歯車231と、を含む。このように、第1の実施形態では、アクチュエータ322の回転軸の回転が、第1のかさ歯車233及び第2のかさ歯車231によって第2関節部220に伝達される。
このとき、第2アーム部272の延伸方向に沿って延伸するドライブシャフト235によって、アクチュエータ322の回転軸の回転が第1のかさ歯車233まで伝達されるため、アクチュエータ322と第2関節部220との間に、所定の距離を設けることができる。従って、アクチュエータ322を支持部120の先端領域から遠ざけて配置することができるため、当該先端領域の構成をより小型化することが可能になる。
また、第1のかさ歯車233及び第2のかさ歯車231を用いることにより、互いに直交する2つの回転軸の間で回転を伝達することができる。従って、動力伝達機構330によれば、アクチュエータ322を、その回転軸が第2アーム部272の延伸方向と略平行となるように配置することが可能になる。従って、アクチュエータ322の第2アーム部272の延伸方向と略直交する方向への突出量を抑えることができ、突出した当該アクチュエータ322が術者の身体と干渉し、術者の円滑な作業を妨げる事態を回避することができる。
更に、図示するように、動力伝達機構330には、バックラッシレス機構237、スラスト軸受239、リニアガイド251、253及びオルダムカップリング255等の構成が設けられ得る。
バックラッシレス機構237は、ドライブシャフト235の端部に設けられ、第1のかさ歯車233と第2のかさ歯車231との間のクリアランスを減少させる方向に(すなわち、第1のかさ歯車233を第2のかさ歯車231に向かって押し付ける方向に)第1のかさ歯車233を付勢するバネによって構成される。当該バネによって第1のかさ歯車233が第2のかさ歯車231に向かって押し付けられることにより、第1のかさ歯車233と第2のかさ歯車231との間のクリアランスが小さくなるため、第1のかさ歯車233と第2のかさ歯車231との噛み合いにおけるバックラッシの発生が抑制される。
電子撮像式の観察装置10では、顕微鏡部110によって高倍率で術部を撮影する場合があるため、支持部120の駆動においてバックラッシが発生すると、顕微鏡部110の高精度な位置決めが困難となり、所望の部位をスムーズに観察できなくなってしまう恐れがある。図示する構成例では、動力伝達機構330にバックラッシレス機構237を設けることにより、バックラッシの発生を抑えることができ、顕微鏡部110の位置をより高精度に制御することが可能になる。
しかしながら、バックラッシレス機構237が設けられることにより、第1のかさ歯車233と第2のかさ歯車231との間のクリアランスが小さくなるため、第1のかさ歯車233及び第2のかさ歯車231の回転時に、歯面同士が強く押圧されることとなり、第1のかさ歯車233及び当該第1のかさ歯車233が接続されるドライブシャフト235には、ドライブシャフト235の延伸方向に向かって力が負荷されることとなる。そこで、図示する構成例では、ドライブシャフト235に対して、当該ドライブシャフト235の延伸方向への移動をガイドするリニアガイド251、253が設けられている。
リニアガイド251、253としては、各種の公知のものが用いられてよい。例えば、リニアガイド251、253は、ドライブシャフト235が挿通される開口部が設けられた板状の部材に対して、当該開口部の内周(すなわちドライブシャフト235の外周と接触する部位)に、ドライブシャフト235の挿通方向への滑りを実現する軸受が取り付けられて構成される。リニアガイド251、253が設けられることにより、第1のかさ歯車233及び第2のかさ歯車231の回転に伴うドライブシャフト235の延伸方向への移動が円滑に行われるようになるため、結果的に、第1のかさ歯車233及び第2のかさ歯車231の回転が円滑になり、支持部120の動作が滑らかに行われるようになる。従って、顕微鏡部110の位置決めの精度が向上する。また、支持部120を動作させる際の操作性が向上する。
更に、ドライブシャフト235には、スラスト軸受239が設けられてもよい。スラスト軸受239により、第1のかさ歯車233及び当該第1のかさ歯車233の回転に伴いドライブシャフト235に対して負荷されるスラスト荷重による、当該ドライブシャフト235の回転時の摩擦ロスが抑制され、第1のかさ歯車233及び第2のかさ歯車231の回転をより円滑にすることができる。
また、アクチュエータ322の回転軸とドライブシャフト235との接続には、オルダムカップリング255が用いられてよい。オルダムカップリング255の具体的な構成としては、各種の公知のものを用いることができる。オルダムカップリング255を採用することにより、アクチュエータ322の回転軸とドライブシャフト235との間での回転の伝達がより円滑に行われる、すなわち、アクチュエータ322の動力がより円滑に第2関節部220に伝達されることとなる。
以上、図4を参照して、第1の実施形態に係る観察システム1及び観察装置10の構成について説明した。また、図6を参照して、第2関節部220とアクチュエータ322とを接続する動力伝達機構330の構成について説明した。
以上説明したように、第1の実施形態では、顕微鏡部110の姿勢を規定し得る第2関節部220における第2軸Oまわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータ322と、当該第2関節部220とが、動力伝達機構330を介して、互いに離隔して配置される。一般的に顕微鏡部110の姿勢を規定し得る回転軸は当該顕微鏡部110の近傍に設けられることが多いため、このようにアクチュエータ322と第2関節部220とが互いに離隔して配置されることにより、顕微鏡部110付近の構成を小型化することができる。従って、第1の実施形態に係る観察装置10を用いて手術や検査等の医療行為を行う際に、術者の作業空間や視界をより確保することが可能になる。
また、第1の実施形態では、動力伝達機構330として、互いに略直交する2つの回転軸の間で回転を伝達可能な動力伝達機構が用いられる。これにより、第2軸Oとアクチュエータ322の回転軸とが互いに直交するように、すなわち、第2アーム部272の延伸方向と略平行な方向をアクチュエータ322の回転軸が向くように、アクチュエータ322を配置することが可能となる。従って、アクチュエータ322が第2アーム部272の延伸方向と直交する方向に大きく突出し、その突出した部位が術者に干渉する事態を好適に防止することができる。
ここで、一般的に、2つの回転軸間において回転を伝達する動力伝達機構の他の構成として、例えば、リンクやワイヤー等を回転軸間に架設し、一の回転軸の回転を、当該リンクやワイヤーの延設方向への直線運動を介して、他の回転軸に伝達する構成が考えられる。しかしながら、このようなリンクやワイヤー等を用いた動力伝達機構では、伝達可能な回転角度が制限されてしまう恐れがある。従って、リンクやワイヤー等を用いた動力伝達機構を上述したアクチュエータ322と第2関節部220との間の回転運動の伝達に適用した場合には、第2軸Oにおける回転角度が所定の範囲に制限されてしまうこととなる。観察対象をあらゆる方向から撮影可能にするためには、顕微鏡部110の可動範囲はできるだけ広いことが求められるため、このように第2軸Oにおける回転角度が制限されてしまうことは好ましくない。
一方、第1の実施形態に係る動力伝達機構330では、アクチュエータ322の回転軸の回転に同期して回転するドライブシャフト235の回転が、第1のかさ歯車233及び第2のかさ歯車231を介して第2関節部220に伝達される。従って、伝達可能な回転角度が制限されることがないため、第2軸Oにおける回転可能な角度範囲をより広くすることができ、より広い顕微鏡部110の可動範囲を確保することが可能になる。
なお、以上説明した実施形態では、第2関節部220と、当該第2関節部220における回転軸である第2軸Oまわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータ322と、の間に動力伝達機構330が設けられていたが、第1の実施形態はかかる例に限定されない。支持部120に設けられる関節部のうち、動力伝達機構330が介設され、アクチュエータと互いに離隔して配置される対象となる関節部は、第2関節部220に限定されず、顕微鏡部110の姿勢を規定し当該顕微鏡部110の近傍に配置され得る関節部であれば、他の関節部であってもよい。例えば、第3関節部230と、当該第3関節部230における回転軸である第3軸Oまわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータ323と、の間に動力伝達機構330が設けられ、当該第3関節部230とアクチュエータ323とが互いに離隔して配置されてもよい。
あるいは、例えば第2関節部220及び第3関節部230等、複数の関節部に対して、動力伝達機構330を介したアクチュエータとの距離が離隔した構成が設けられてもよい。顕微鏡部110の姿勢を規定し得る関節部の少なくともいずれかに対して、動力伝達機構330を介して当該関節部とアクチュエータとが互いに離隔して配置される構成が採用されることにより、顕微鏡部110近傍の構成を小型化するという効果を得ることができる。
また、以上説明した実施形態では、動力伝達機構330として、第1のかさ歯車233及び第2のかさ歯車231が用いられていた。ただし、第1の実施形態はかかる例に限定されず、動力伝達機構330は、互いに直交する回転軸間において回転を伝達可能な構成であればよく、その具体的な構成としては他の機械要素が用いられてもよい。例えば、動力伝達機構330は、ウォームギアによって構成されてもよい。当該ウォームギアは、例えば、一端がアクチュエータ322の回転軸に接続され、当該アクチュエータ322の回転軸と同軸で回転するウォームと、当該ウォームの歯面と歯合して、第2軸Oと同軸で回転するウォームホイールと、によって構成され得る。
(2−3.アクチュエータについての変形例)
図5を参照して説明したアクチュエータ322は、サーボ機構を実現し得る、いわば比較的高度な制御に対応したものであった。しかしながら、このように高度な制御に対応し得るように構成されるアクチュエータ322は、比較的高価であり、また、特に径方向(駆動軸と垂直な面内方向)において大型化しやすい傾向がある。図6を参照して説明したように、アクチュエータ322は、その駆動軸(回転軸)が、第2アーム部272の延伸方向と略平行な方向を向くように、当該第2アーム部272の内部に配置される。従って、アクチュエータ322の外径が大きければ、第2アーム部272の外径も大きくなることとなり、顕微鏡部110近傍の構成を効果的に小型化できない恐れがある。
一方、より簡易な制御のみを行えばよいのであれば、アクチュエータ322の大きさ、特に径方向の大きさを、より小型にできる可能性がある。そこで、小型化が求められる第2関節部220及び/又は第3関節部230については、より簡易な制御のみを行うこととすれば、これらの関節部に設けられるアクチュエータ322、323を、より小型に構成することができる。ここでは、アクチュエータ322、323の一変形例として、より小型なアクチュエータ322a、323aの一構成例について説明する。
図7及び図8は、第1の実施形態の一変形例に係るアクチュエータ322a、323aの構成例を示す断面図である。図7では、第2アーム部272及び第2アーム部272近傍の構成を、第2アーム部272の延伸方向及び第2関節部220の回転軸方向を通る断面で切断した様子を図示している。図8では、第3アーム部273及び第3アーム部273近傍の構成を、第3アーム部273の延伸方向及び第3関節部230の回転軸方向を通る断面で切断した様子を図示している。
なお、本変形例は、上述した実施形態に係る構成においてアクチュエータ322、323がアクチュエータ322a、323aに置き換えられたものに対応し、動力伝達機構330等、その他の構成は、上述した実施形態とほぼ同様である。従って、以下の本変形例についての説明では、上述した実施形態との相違点であるアクチュエータ322a、323aの構成について主に説明することとし、その他の構成についてはその詳細な説明を省略する。なお、図7では、簡単のため、図6には示している一部の部材の図示を省略している場合がある。
ここで、本変形例では、アクチュエータ322a、323aは、第2関節部220及び第3関節部230において少なくともxy移動動作が実行可能であるように構成される。従って、図7及び図8に示すアクチュエータ322a、323aの構成例も、xy移動動作に対応したものとなっている。ここで、xy移動動作とは、例えば十字キー又はレバー等の入力装置を介した術者の方向を指示する操作に従って、表示装置20における表示が左右方向又は上下方向に平行に移動するように、制御装置140が、第2関節部220及び第3関節部230を駆動させ、顕微鏡部110を移動させる動作である。
例えばピボット動作(顕微鏡部110の光軸が空間上の所定の点を常に向くように、顕微鏡部110を移動させる動作)のような高度な制御を要する動作を行うためには、上述した図5に示すような、サーボ機構に対応した比較的高価で大型なアクチュエータ322、323が必要となる。一方、xy移動動作については、より安価で小型なアクチュエータ322a、323aで実現可能である。また、術式等にもよるが、ピボット動作のような高度な制御を要する動作を行わなくても、xy移動動作が実行可能であれば、実用上は十分であるケースも多い。そこで、本変形例では、より安価で小型なアクチュエータの一例として、少なくともxy移動動作を実現可能なアクチュエータ322a、323aの構成例を示すこととする。
まず、第2関節部220に設けられるアクチュエータ322aの構成について説明する。図7を参照すると、本変形例に係るアクチュエータ322aは、モータ341、減速機構342、クラッチ343及びブレーキ344が、直列に(すなわち、一方向に並ぶように)、この順に接続されて構成される。なお、上述したように、第1の実施形態では、第2関節部220にブレーキが設けられ得るが、本変形例に係るアクチュエータ322aを用いる場合には、当該アクチュエータ322a自身にブレーキ344が搭載されているため、第2関節部220に別途ブレーキを設ける必要はない。
モータ341の出力軸の回転が減速機構342によって適宜減速され、クラッチ343を介して駆動軸345に伝達される。駆動軸345の先端に、動力伝達機構330のドライブシャフト235の一端がオルダムカップリング255を介して接続される。当該駆動軸345の回転が、ドライブシャフト235、第1のかさ歯車233及び第2のかさ歯車231を介して、第2関節部220に伝達される。更に、駆動軸345にはブレーキ344が設けられており、当該ブレーキ344によって当該駆動軸345の解放及び拘束が行われることにより、第2関節部220の回転及び停止がそれぞれ制御される。
モータ341としては、例えばステッピングモータが用いられる。ステッピングモータは、上述したアクチュエータ322に用いられていたブラシレスDCモータに比べて、回転角度の分解能は低いものの、より安価である。xy移動動作を行うためには、回転角度の分解能についてそれ程高い精度は求められないため、モータ341として、好適に、より安価なステッピングモータを用いることができる。なお、本変形例では、モータ341は、その径方向の大きさ(駆動軸345の延伸方向と垂直な面内での面積)が、クラッチ343又はブレーキ344の径方向の大きさよりも小さくなるように構成されることが好ましい。この理由については後述する。
クラッチ343としては、電気的に回転の伝達及び遮断を制御可能な電磁クラッチが用いられる。例えば、クラッチ343は、通電時に回転を伝達する、いわゆる励磁作動型クラッチである。クラッチ343の動作は、制御装置140によって制御される。なお、クラッチ343の種類は限定されず、各種の公知の電磁クラッチを用いることができる。ただし、本実施形態のように励磁作動型クラッチを用いることにより、手術や検査の安全性をより高めることが可能になる。例えば、何らかの原因により万が一電源が喪失した場合に、クラッチ343によってモータ341と後段の部材とが接続されていると、第2関節部220における回転がロックされてしまい、手動で支持部120を動かすことができず、手術や検査の続行が困難になる可能性がある。これに対して、励磁作動型クラッチを用いれば、電源喪失時にモータ341と後段の部材との接続が解除されるため、手動で支持部120を移動させて手術や検査を続行することが可能となり、より高い安全性が実現され得る。
ブレーキ344としては、電気的に駆動軸345の解放及び拘束を制御可能な電磁ブレーキが用いられる。例えば、ブレーキ344は、非通電時に駆動軸345を拘束する、いわゆる無励磁作動型ブレーキである。ブレーキ344の動作は、制御装置140によって制御される。なお、ブレーキ344の種類は限定されず、各種の公知の電磁ブレーキを用いることができる。ただし、第1の実施形態のように無励磁作動型ブレーキを用いることにより、例えば何らかの原因により万が一電源が喪失した場合であっても、ブレーキ344が作動し、第2関節部220における回転が停止されるため、手術や検査の安全性をより高めることが可能になる。また、手術時や検査時には、支持部120の姿勢を固定している時間(すなわち、ブレーキ344及び他の関節部のブレーキを作動させている時間)の方が、支持部120を動かしている時間よりも圧倒的に長いため、無励磁作動型ブレーキを用いることにより、消費電力を低減することができるとともに、ブレーキ344の長寿命化も図ることができる。
減速機構342は、複数の歯車によって構成され、モータ341の出力軸の回転を所定の減速比で減速する。ここで、減速機構342は、最終的に得たい回転トルクを実現し得る所定の減速比を有するように構成されればよく、その具体的な構成は限定されない。ただし、本変形例では、モータ341と同様に、減速機構342は、その径方向の大きさ(駆動軸345の延伸方向と垂直な面内での面積)が、クラッチ343又はブレーキ344の径方向の大きさよりも小さくなるように構成されることが好ましい。
モータ341及び減速機構342をこのように構成する理由は、上記のようにモータ341としてステッピングモータを用い、クラッチ343として励磁作動型クラッチを用い、ブレーキ344として無励磁作動型ブレーキを用いてアクチュエータ322aを実際に設計した場合、アクチュエータ322aの外径は、クラッチ343又はブレーキ344の外径に依存するからである。つまり、クラッチ343又はブレーキ344の径方向の大きさよりも径方向の大きさが小さくなるように、モータ341及び減速機構342を構成することにより、アクチュエータ322aの外径を最小化することができる。図7に示すように、アクチュエータ322aは、その駆動軸345が第2アーム部272の延伸方向と略平行となるように、当該第2アーム部272の内部に設けられるため、アクチュエータ322aの外径を最小化することができれば、第2アーム部272の外径を最小化することができる。つまり、第2アーム部272をより小型化することが可能となる。
ここで、上述した図5に示すアクチュエータ322の減速機333と同様に、第2関節部220のより低速での回転を実現するために、減速機構342にも、例えば1/100のような比較的大きな減速比が求められる。つまり、減速機構342には、径方向の大きさが小型でありつつ、大きい減速比を有することが求められる。本発明者らによる検討の結果、減速機構342を構成する全ての歯車を平歯車とすることにより、このような要請を実現し得ることが判明した。すなわち、平歯車のみによって減速機構342を構成することにより、より小型で、かつ、比較的大きな減速比を有する減速機構342が実現可能である。
なお、例えば、ウォームギア等、平歯車以外の歯車を用いて減速機構342を構成すれば、より少ない数の歯車によって、より簡易な構成で、大きな減速比を実現することが可能である。しかしながら、本発明者らによる検討の結果、ウォームギアのような歯車同士の回転軸が互いに直交する構成を含めた場合には、減速機構342の径方向の大きさを、クラッチ343又はブレーキ344の径方向の大きさよりも小さくすることは、極めて困難であった。従って、減速機構342の小型化を実現するためには、当該減速機構342は、上述した平歯車のみからなる構成のように、減速機構342を構成する複数の歯車の回転軸が全て略平行であるように構成されることが好ましい。
以上、図7を参照して、第2関節部220に設けられるアクチュエータ322aの構成について説明した。なお、本変形例のようにアクチュエータ322aを構成した場合には、上述した実施形態におけるアクチュエータ322と比べた場合に、径方向の大きさは小さくすることができる反面、駆動軸345の延伸方向の長さは長くなる可能性がある。しかしながら、図7に示すように、アクチュエータ322aは、その駆動軸345が第2アーム部272の延伸方向と略平行となるように、当該第2アーム部272の内部に設けられる。第2アーム部272は、その「アーム」という特性上、元来長尺な部材であるため、その内部に、駆動軸345が当該第2アーム部272の延伸方向と略平行となるようにアクチュエータ322aを配置したとしても、第2アーム部272自体の延伸方向における大きさ(長さ)には影響を与えない。このように、駆動軸345の延伸方向の長さは長くなる可能性がある一方、径方向の大きさは小さくすることができるという特徴を有するアクチュエータ322aの構成は、アクチュエータ322a及び第2関節部220を、互いに離隔して、かつこれらの回転軸が互いに直交するように配置するという第1の実施形態に係る構造に、好適に親和するものであると言える。
次に、第3関節部230に設けられるアクチュエータ323aの構成について説明する。なお、アクチュエータ323aの構成は、上述したアクチュエータ322aの構成と略同様である。具体的には、図8を参照すると、本変形例に係るアクチュエータ323aは、モータ351、減速機構352、クラッチ353及びブレーキ354が、直列に(すなわち、一方向に並ぶように)、この順に接続されて構成される。なお、第2関節部220と同様に、本変形例に係るアクチュエータ323aを用いる場合には、当該アクチュエータ323a自身にブレーキ354が搭載されているため、第3関節部230に別途ブレーキを設ける必要はない。
モータ351の出力軸の回転が減速機構352によって適宜減速され、クラッチ353を介して駆動軸355に伝達される。駆動軸355の回転が、伝達部材を介して第3関節部230に伝達される。駆動軸355にはブレーキ354が設けられており、当該ブレーキ354によって当該駆動軸355の解放及び拘束が行われることにより、第3関節部230の回転及び停止がそれぞれ制御される。
モータ351、減速機構352、クラッチ353及びブレーキ354の構成は、アクチュエータ322aのモータ341、減速機構342、クラッチ343及びブレーキ344と同様であるため、その詳細な説明は省略する。アクチュエータ323aは、アクチュエータ322aと同様に、その外径ができるだけ小さくなるように構成され得るため、第3アーム部273の外径を最小化すること、すなわち、第3アーム部273をより小型化することが可能となる。このように、第2関節部220に設けられるアクチュエータとしてアクチュエータ322aを適用し、第3関節部230に設けられるアクチュエータとしてアクチュエータ323aを適用することにより、上述した実施形態に比べて、第2アーム部272及び第3アーム部273をより小型化することができ、顕微鏡部110近傍の構成を更に小型化することが可能になる。
ここで、図示する構成例では、上述した実施形態に係るアクチュエータ322とは異なり、アクチュエータ322a、323aにはエンコーダが設けられていない。しかしながら、xy移動動作を行うためには、第2関節部220及び第3関節部230の回転角度を検出する必要がある。そこで、本変形例では、アクチュエータ322aにエンコーダを設ける代わりに、第2関節部220の近傍に、当該第2関節部220の回転角度を検出するためのポテンショメータ346が設けられる。また、図示は省略しているが、第3関節部230についても、アクチュエータ323aにエンコーダを設ける代わりに、当該第3関節部230の近傍に、当該第3関節部230の回転角度を検出するためのポテンショメータが設けられる。
これらのポテンショメータの検出値は、制御装置140に送信される。制御装置140は、当該検出値、及び、他の関節部のアクチュエータ321、324、325、326のエンコーダの検出値に基づいて、支持部120の状態を把握し、術者の操作に応じたxy動作を実現するための、各関節部210〜260の制御量を計算することができる。そして、当該制御量に従って、制御装置140が各関節部210〜260のアクチュエータ321、322a、323a、324、325、326を駆動させることにより、xy移動動作が実現され得る。
本変形例では、以上説明したアクチュエータ322a、323a、並びに他の関節部210、240〜260に設けられるアクチュエータ321、324、325、326及びブレーキの動作が制御装置140によって制御されることにより、支持部120の動作モードが、固定モード、オールフリーモード、及びxy移動動作を行うためのxy移動動作モードのいずれかに切り替えられる。なお、これらの動作モードの切り替えは、上述した動作モード変更SW又は他の任意の入力装置を介した術者からの指示入力によって行われてよい。
ここで、固定モード、オールフリーモード、及びxy移動動作モードのそれぞれにおける、アクチュエータ322a、323aの制御について説明する。制御装置140は、各モードに応じて、下記表1に示すように、アクチュエータ322a、323aのモータ341、351、クラッチ343、353及びブレーキ344、354の駆動を切り替える。なお、下記表1では、クラッチ343、353については、励磁作動型クラッチを想定しているため、「ON」は回転が伝達されている状態を意味し、ブレーキ344、354については、無励磁作動型ブレーキを想定しているため、「ON」は駆動軸345、355が解放されている状態を意味している。
Figure 0006970780
上記表1に示すように、本変形例では、固定モード及びオールフリーモードでは、クラッチ343、353は解放されており、第2関節部220及び第3関節部230は、アクチュエータ322a、323aとそれぞれ接続されない。従って、第2関節部220及び第3関節部230が、モータ341、351及び減速機構342、352とそれぞれ分離されるため、オールフリーモードにおいて、当該モータ341、351のディテントトルクの影響を受けることなく、第2関節部220及び第3関節部230をより軽快に移動させることが可能となる。また、固定モードにおいてクラッチ343、353及びブレーキ344、354に通電がされず、また、オールフリーモードにおいてクラッチ343、353に通電がされないことにより、これらのモードにおける消費電力を低減することが可能となる。
xy移動動作モードのときのみ、クラッチ343、353によって第2関節部220及び第3関節部230がアクチュエータ322a、323aに接続され、当該第2関節部220及び当該第3関節部230がアクチュエータ322a、323aによって駆動される。なお、具体的には、固定モード又はオールフリーモードからxy移動動作モードに移行する際には、モータ341、351の励磁、クラッチ343、353の接続、及びブレーキ344、354の解除がこの順に実行された後、モータ341、351の回転が開始される。逆に、xy移動動作モードから固定モード又はオールフリーモードに移行する際には、モータ341、351の回転停止、ブレーキ344、354による駆動軸345、355の拘束、及びクラッチ343、353の解放がこの順に実行された後、モータ341、351の励磁が停止される。このようなシーケンスでモード間の移行が実行されることにより、当該モード間の移行をより安全に行うことが可能となる。
(3.第2の実施形態)
本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第2関節部と、当該第2関節部における回転軸である第2軸Oまわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータとが離隔して配置されることにより、先端領域の構成がより小型化された観察装置が実現される。ただし、第2の実施形態では、アクチュエータの駆動力を第2関節部に伝達する動力伝達機構の構成が、第1の実施形態とは異なる。第2の実施形態において、当該動力伝達機構以外の構成は、第1の実施形態と同様であってよいため、以下の第2の実施形態についての説明では、第1の実施形態と相違する事項について主に説明することとし、第1の実施形態と同様の事項についてはその詳細な説明を省略する。
(3−1.観察システム及び観察装置の構成)
図9を参照して、本開示の第2の実施形態に係る観察システムの構成について説明するとともに、当該観察システムを構成する観察装置の構成について説明する。図9は、第2の実施形態に係る観察システムの一構成例を示す図である。
図9を参照すると、第2の実施形態に係る観察システム2は、顕微鏡部110を支持し、当該顕微鏡部110によって患者の術部を撮影する観察装置30と、観察装置30によって撮影された術部の映像を表示する表示装置20と、から構成される。なお、表示装置20の構成及び機能は、第1の実施形態と同様であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
観察装置30は、患者の術部を拡大観察するための顕微鏡部110と、顕微鏡部110を支持する支持部420(アーム部420)と、支持部420の一端が接続され顕微鏡部110及び支持部420を支持するベース部130と、観察装置30の動作を制御する制御装置140と、を備える。ここで、顕微鏡部110、ベース部130及び制御装置140の構成及び機能は、第1の実施形態と同様であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
支持部420の構成も、第1の実施形態に係る支持部120の構成とほぼ同様である。ただし、支持部420では、上記のように、アクチュエータの駆動力を第2関節部220に伝達する動力伝達機構の構成が、第1の実施形態とは異なる。これに伴い、支持部420では、支持部120において第2関節部220に対して設けられていたアクチュエータ322の代わりに、アクチュエータ327が設けられる。
アクチュエータ327の配置について詳細に説明すると、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第2関節部220と離隔した位置にアクチュエータ327が設けられる。具体的には、アクチュエータ327は、第2アーム部272の基端部に設けられており、第2アーム部272の内部に設けられる動力伝達機構(図示せず)によって、第2アーム部272の先端部に設けられる第2関節部220と接続されている。このように、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、第2関節部220と、当該第2関節部220における回転軸である第2軸Oまわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータ327とが、動力伝達機構を介して互いに離隔して配置される。従って、第2関節部220から離れた位置にアクチュエータ327を配置することができ、第2関節部220、すなわち、先端領域の構成を小型化することが可能になる。
ただし、第2の実施形態では、第2関節部220とアクチュエータ327とを接続する動力伝達機構として、第1の実施形態とは異なり、互いに略平行な2つの回転軸の間で回転を伝達可能な動力伝達機構が用いられる。これに伴い、第2軸Oとアクチュエータ327の回転軸とが、略平行になるように、当該アクチュエータ327が配置される。つまり、第1の実施形態では、アクチュエータ322は、その回転軸の方向が第2アーム部272の延伸方向と平行になるように配置されていたが、第2の実施形態では、動力伝達機構の構成が異なることに伴い、図示するように、アクチュエータ327は、その回転軸の方向が第2アーム部272の延伸方向と略直交するように配置される。
なお、その配置は異なるものの、アクチュエータ327の構成自体は、アクチュエータ323と同様であってよい。つまり、アクチュエータ327は、例えば図5に示す構成を有する。
(3−2.動力伝達機構の構成)
図10を参照して、第2関節部220とアクチュエータ327とを接続する動力伝達機構の構成についてより詳細に説明する。図10は、第2の実施形態において、第2関節部220とアクチュエータ327とを接続する動力伝達機構の一構成例を示す図である。図10では、図10及び図11に示す支持部420の構成のうち、第2関節部220、第2アーム部272及びアクチュエータ327近傍の構成のみを抜き出して図示している。また、図10では、第2アーム部272の内部に設けられる構成を表すために、模擬的に、第2アーム部272の側壁を透過して図示している。また、説明のため、模擬的に、第2アーム部272の側壁の一部を開口して図示している。
図10を参照すると、第2アーム部272の内部に設けられる動力伝達機構360は、第2アーム部272の延伸方向に沿って延伸しアクチュエータ327の回転軸と第2関節部220の駆動軸(すなわち、第2軸Oに対応する駆動軸)との間に巻回されるベルト361、を含む。このように、第2の実施形態では、アクチュエータ327の回転軸の回転が、ベルト361によって第2関節部220に伝達される。
第2アーム部272の延伸方向に沿って延設されたベルト361によって、アクチュエータ327の回転軸の回転が第2関節部220まで伝達されるため、アクチュエータ327と第2関節部220との間に、所定の距離を設けることができる。従って、アクチュエータ327を支持部420の先端領域から遠ざけて配置することができるため、当該先端領域の構成をより小型化することが可能になる。
以上、図10を参照して、第2関節部220とアクチュエータ327とを接続する動力伝達機構360の構成について説明した。なお、第2の実施形態において各関節部210〜260に設けられるアクチュエータは、図5を参照して説明したアクチュエータ322と同様の構成を有するものであってもよいし、上記(2−3.アクチュエータについての変形例)で説明したアクチュエータ322a、323aと同様の構成を有するものであってもよい。図10では、一例として、図5に示すアクチュエータ322と同様の構成を有するアクチュエータ327が用いられた場合の構成例を図示した。
以上説明したように、第2の実施形態では、顕微鏡部110の姿勢を規定し得る第2関節部220における回転軸である第2軸Oまわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータ327と、当該第2関節部220とが、動力伝達機構360を介して、互いに離隔して配置される。従って、第1の実施形態と同様に、顕微鏡部110近傍の構成を小型化することができるため、第2の実施形態に係る観察装置30を用いて手術や検査等の医療行為を行う際に、術者の作業空間や視界をより確保することが可能になる。
なお、第2の実施形態では、ベルト361によって、アクチュエータ327の回転軸の回転が第2関節部220に直接伝達されるため、第1の実施形態と同様に、リンクやワイヤー等を用いた動力伝達機構を用いた場合に比べて、第2軸Oにおける回転可能な角度範囲をより広く取ることができる。従って、顕微鏡部110の可動範囲をより広くすることが可能になる。
また、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、支持部420に設けられる関節部210〜260のうち、動力伝達機構360が介設され、アクチュエータと互いに離隔して配置される対象となる関節部は、第2関節部220に限定されず、顕微鏡部110の姿勢を規定し得る関節部であれば、他の関節部であってもよい。また、動力伝達機構360の具体的な構成は、以上説明したベルト361を用いたものに限定されない。動力伝達機構360は、互いに略平行な回転軸間において回転を伝達可能な構成であればよく、その具体的な構成としては他の機械要素が用いられてもよい。
(4.第1及び第2の実施形態の比較)
以上説明したように、第1及び第2の実施形態では、動力伝達機構330、360を介設することにより、第2関節部220とアクチュエータ322、327とを互いに離隔して配置することができ、先端領域の構成を小型化することができる。ただし、第1の実施形態と第2の実施形態とでは、動力伝達機構330、360の構成が異なるため、第2アーム部272におけるアクチュエータ322、327の配置が相違する。
具体的には、第1の実施形態に係る動力伝達機構330は、互いに略直交する2つの回転軸の間で回転を伝達可能に構成される。従って、第2アーム部272の延伸方向とアクチュエータ322の回転軸方向とが略平行になるように、当該第2アーム部272に対して当該アクチュエータ322を配置することができる。よって、アクチュエータ322の第2アーム部272からの突出量が小さくなるように、アクチュエータ322及び第2アーム部272を配置することができる。
一方、第2の実施形態に係る動力伝達機構360は、互いに略平行な2つの回転軸の間で回転を伝達可能に構成される。従って、第2アーム部272の延伸方向とアクチュエータ327の回転軸方向とが略直交するように、当該第2アーム部272に対して当該アクチュエータ327が配置されることとなる。よって、アクチュエータ327が、第2アーム部272から、当該第2アーム部272の延伸方向と直交する方向に大きく突出してしまう可能性がある。このような突出部位は、第2の実施形態に係る観察装置30を用いて手術や検査を行う際に、術者の動作の妨げになる可能性がある。
図11に、第2の実施形態に係る観察装置30を用いた手術の様子を概略的に示す。図11は、第2の実施形態に係る観察装置30を用いた手術時における、支持部420と術者との位置関係を示す概略図である。図11では、観察装置30の支持部420の第2アーム部272よりも先端側の構成、及び、観察装置30の顕微鏡部110によって撮影された術部の映像を参照しながら手術を行っている術者701の位置関係を概略的に示している。
図示するように、観察装置30を用いて手術を行う際には、第2アーム部272及びアクチュエータ327が、術者の身体(図示する例では顔)の近傍に位置し得る。手術中において、観察装置の支持部420はいわゆる清潔に保たれなければいけない一方、術者701の身体は不潔域に属するものであるため、支持部420と術者701の身体とが接触することは許されない。しかしながら、第2の実施形態では、アクチュエータ327が第2アーム部272の延伸方向と直交する方向に大きく突出し得るため、当該アクチュエータ327と術者701の身体とが接触する危険性が増加する。また、術者701は、例えば作業のために身体を動かす際には、アクチュエータ327と自身の身体が接触しないように、当該アクチュエータ327を避けながら作業を行わなければいけないため、作業を円滑に行えない恐れがある。
一方、第1の実施形態では、上述したように、アクチュエータ322の第2アーム部272からの突出量が小さくなるようにアクチュエータ322及び第2アーム部272を配置することができる。従って、支持部120と術者701の身体とが接触する危険性を低下させることができる。このように、清潔域をより確実に確保する観点からは、第1の実施形態のように、互いに略直交する2つの回転軸の間で回転を伝達可能な動力伝達機構330が用いられることが好ましい。
ただし、第2の実施形態に係る動力伝達機構360が、ベルト361という比較的簡易な構成によって実現されていたのに対して、第1の実施形態に係る動力伝達機構330のようにかさ歯車を用いて動力を伝達する場合には、上記(2−2.動力伝達機構の構成)で説明したように、回転の伝達をより円滑に行うために、バックラッシレス機構237やリニアガイド251、253等の構成が設けられ得る。従って、動力伝達機構330の構成が複雑化する可能性があり、コストも高くなってしまう恐れがある。
第1の実施形態に係る動力伝達機構330と、第2の実施形態に係る動力伝達機構360と、のいずれを採用するかは、観察装置の製造コストや、支持部120、420の操作性、手術時における清潔域の確保の容易性等、諸々の条件を総合的に考慮して、適宜決定されてよい。
(5.使用例)
図12を参照して、第1及び第2の実施形態に係る観察システム1、2の使用例として、当該観察システム1、2を用いて行われる手術の概要について説明する。図12は、第1及び第2の実施形態に係る観察システム1、2を用いた手術の状況を概略的に示す図である。図12では、一例として、第1の実施形態に係る観察システム1を用いた手術の状況を示しているが、観察装置10の構成が変更されること以外は、第2の実施形態に係る観察システム2を用いた手術の状況も同様である。
図12を参照すると、術者701が、手術台の上に横臥している患者703の頭部を手術している状況が示されている。手術台の傍らには観察装置10が設置されており、支持部120の先端に取り付けられた顕微鏡部110によって患者703の頭部の術部を撮影するように、支持部120の各関節部に設けられるアクチュエータの駆動が制御され、当該顕微鏡部110の位置及び姿勢が制御されている。なお、図12では簡略化して図示しているが、図12に示す観察装置10は、図4を参照して説明した観察装置10と同様の構成を有するものである。
手術室内には表示装置20が設けられており、観察装置10の顕微鏡部110によって撮影された術部の画像が、所定の倍率で拡大されて当該表示装置20に映し出される。術者701は、表示装置20に映し出された画像を見ながら、術部の様子を把握し、自身の手元で術部に対して各種の処置を行う。
このとき、図示するように、観察装置10の顕微鏡部110は、術部の近傍、すなわち術者701の手元の近傍に位置し得る。また、観察装置10の支持部120の先端領域は、術者701と表示装置20との間に位置し得る。
しかしながら、上記(2.第1の実施形態)で説明したように、第1の実施形態では、支持部120において、第2関節部220と、当該第2関節部220における回転軸である第2軸Oまわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータ322とが、動力伝達機構330を介して、互いに離隔した位置に配置される。従って、支持部120の先端領域の構成がより小型化される。よって、術者701の作業空間及び視界をより確保することができ、円滑な手術の実行が実現される。図示する例では、第1の実施形態に係る観察装置10を示しているが、上記(3.第2の実施形態)で説明したように、第2の実施形態に係る観察装置30を用いた場合であっても、同様に、支持部420の先端領域の構成をより小型化することができるため、術者701の作業空間及び視界をより確保することができ、円滑な手術の実行が実現される。
(6.補足)
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的又は例示的なものであって限定的なものではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏し得る。
例えば、以上説明した第1及び第2の実施形態では、顕微鏡部110は、支持部120、420の先端に設けられていたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、支持部120、420の中途の位置において顕微鏡部110が保持されてもよい。この場合であっても、当該顕微鏡部110の姿勢を規定し得る関節部のうちの少なくとも1つの関節部に対して、動力伝達機構330、360を介して当該関節部とアクチュエータとが離隔された構造を設けることにより、顕微鏡部110付近の構成をより小型化することができるため、第1及び第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、以上説明した第1及び第2の実施形態では、支持部120、420を構成する全ての関節部210〜260に対してアクチュエータが設けられていたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、支持部120、420を構成する関節部210〜260のうちの一部にのみ、当該関節部における回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられていてもよい。本技術は、顕微鏡部の姿勢を規定し得る関節部のうちの少なくとも1つの関節部に対してアクチュエータが設けられている場合に、当該少なくとも1つの関節部及び当該アクチュエータに対して適用され得る。従って、本技術が適用され得る支持部の構成においては、顕微鏡部の姿勢を規定し得る関節部以外の関節部に対するアクチュエータの設置は任意であってよい。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)観察対象を撮影し、映像信号を出力する撮像部と、複数のアーム部が関節部を介して互いに回動可能に接続されて構成され、前記撮像部を支持する支持部と、を備え、前記支持部を構成する複数の関節部のうち前記撮像部の姿勢を規定する少なくとも1つの関節部における回転軸まわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられ、前記少なくとも1つの関節部と前記アクチュエータとは、互いに略直交する2つの回転軸間において回転運動を伝達する動力伝達機構を介して接続され、互いに離隔して配置される、医療用観察装置。
(2)前記少なくとも1つの関節部は、前記支持部を構成するアーム部のうちの1つの所定のアーム部の一側に、回転軸が前記所定のアーム部の延伸方向と略直交するように配置され、前記アクチュエータは、前記所定のアーム部の他側に、回転軸が前記所定のアーム部の延伸方向と略平行となるように配置され、前記動力伝達機構は、前記所定のアーム部の内部に設けられる、前記(1)に記載の医療用観察装置。
(3)前記アクチュエータは、モータ、減速機構、クラッチ及びブレーキが、この順に直列に配列されて構成される、前記(2)に記載の医療用観察装置。
(4)前記アクチュエータは、モータ及び減速機構の前記所定のアーム部の延伸方向に垂直な面内方向の大きさが、前記クラッチ又は前記ブレーキの前記所定のアーム部の延伸方向に垂直な面内方向の大きさよりも小さくなるように、構成される、前記(3)に記載の医療用観察装置。
(5)前記少なくとも1つの関節部には、前記少なくとも1つの関節部における回転角度を検出するポテンショメータが設けられ、前記ポテンショメータの検出値に基づいて、前記撮像部によって撮影された前記観察対象の画像の表示が左右方向又は上下方向に移動するように、前記少なくとも1つの関節部の駆動が制御される、前記(3)又は(4)に記載の医療用観察装置。
(6)前記動力伝達機構は、一端が前記アクチュエータの回転軸に接続され、前記アクチュエータの回転軸と略平行な方向に延伸するドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの他端に設けられ、前記アクチュエータの回転軸と同軸で回転する第1のかさ歯車と、前記第1のかさ歯車と歯合して、前記少なくとも1つの関節部の回転軸と同軸で回転する第2のかさ歯車と、を含む、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の医療用観察装置。(7)前記動力伝達機構は、前記第1のかさ歯車と前記第2のかさ歯車との間のクリアランスを減少させる方向に前記第1のかさ歯車を付勢するバネ、を更に含む、前記(6)に記載の医療用観察装置。
(8)前記動力伝達機構は、前記ドライブシャフトの軸方向への移動をガイドするリニアガイド、を更に含む、前記(6)又は(7)に記載の医療用観察装置。
(9)前記動力伝達機構は、前記ドライブシャフトに設けられるスラスト軸受、を更に含む、前記(6)〜(8)のいずれか1項に記載の観察装置。
(10)前記動力伝達機構は、前記アクチュエータの回転軸と前記ドライブシャフトとを接続するオルダムカップリング、を更に含む、前記(6)〜(9)のいずれか1項に記載の医療用観察装置。
(11)前記撮像部は、前記支持部の先端に設けられ、前記少なくとも1つの関節部は、前記支持部において、前記撮像部が設けられる先端側から2つ目に設けられる関節部である、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の医療用観察装置。
(12)前記動力伝達機構は、一端が前記アクチュエータの回転軸に接続され、前記アクチュエータの回転軸と同軸で回転するウォームと、前記ウォームの歯面と歯合して、前記少なくとも1つの関節部の回転軸と同軸で回転するウォームホイールと、によって構成されるウォームギアを含む、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の医療用観察装置。(13)観察対象を撮影し、映像信号を出力する顕微鏡部と、複数のアーム部が関節部を介して互いに回動可能に接続されて構成され、前記顕微鏡部を支持する支持部と、を備え、前記支持部を構成する複数の関節部のうち前記顕微鏡部の姿勢を規定する少なくとも1つの関節部における回転軸まわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられ、前記少なくとも1つの関節部と前記アクチュエータとは、互いに略直交する2つの回転軸間において回転運動を伝達する動力伝達機構を介して接続され、互いに離隔して配置される、手術用観察装置。
(14)観察対象を撮影し映像信号を出力する撮像部と、複数のアーム部が関節部を介して互いに回動可能に接続されて構成され前記撮像部を支持する支持部と、を有する、観察装置と、前記映像信号に基づいて、前記撮像部によって撮影された前記観察対象の画像を表示する表示装置と、を備え、前記観察装置においては、前記支持部を構成する複数の関節部のうち前記撮像部の姿勢を規定する少なくとも1つの関節部における回転軸まわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられ、前記少なくとも1つの関節部と前記アクチュエータとは、互いに略直交する2つの回転軸間において回転運動を伝達する動力伝達機構を介して接続され、互いに離隔して配置される、医療用観察システム。
1、2 観察システム
10、30 観察装置
20 表示装置
110 顕微鏡部
120、420 支持部
130 ベース部
140 制御装置
210 第1関節部
220 第2関節部
230 第3関節部
240 第4関節部
250 第5関節部
260 第6関節部
271 第1アーム部
272 第2アーム部
273 第3アーム部
274 第4アーム部
275 第5アーム部
330、360 動力伝達機構
231 第2のかさ歯車
233 第1のかさ歯車
235 ドライブシャフト
237 バックラッシレス機構
239 スラスト軸受
251、253 リニアガイド
255 オルダムカップリング
321、322、322a、323、323a、324、325、326、327 アクチュエータ
341、351 モータ
342、352 減速機構
343、353 クラッチ
344、354 ブレーキ
345、355 駆動軸
346 ポテンショメータ
361 ベルト

Claims (15)

  1. 観察対象を撮影し、映像信号を出力する撮像部と、
    複数のアーム部が関節部を介して互いに回動可能に接続されて構成され、前記撮像部を支持する支持部と、
    を備え、
    前記支持部を構成する複数の関節部のうち前記撮像部の姿勢を規定する少なくとも1つの関節部における回転軸まわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられ、
    前記少なくとも1つの関節部と前記アクチュエータとは、互いに略直交する2つの回転軸間において回転運動を伝達する動力伝達機構を介して接続され、互いに離隔して配置され、
    前記動力伝達機構は、
    一端が前記アクチュエータの回転軸に接続され、前記アクチュエータの回転軸と略平行な方向に延伸するドライブシャフトと、
    前記ドライブシャフトの他端に設けられ、前記アクチュエータの回転軸と同軸で回転する第1の動力伝達部材と、
    前記第1の動力伝達部材と連動して、前記少なくとも1つの関節部の回転軸と同軸で回転する第2の動力伝達部材と、
    前記ドライブシャフトの軸方向への移動を案内するガイドとを含む、
    医療用観察装置。
  2. 前記少なくとも1つの関節部は、前記支持部を構成するアーム部のうちの1つの所定のアーム部の一側に、回転軸が前記所定のアーム部の延伸方向と略直交するように配置され、
    前記アクチュエータは、前記所定のアーム部の他側に、回転軸が前記所定のアーム部の延伸方向と略平行となるように配置され、
    前記動力伝達機構は、前記所定のアーム部の内部に設けられる、
    請求項1に記載の医療用観察装置。
  3. 前記アクチュエータは、モータ、減速機構、クラッチ及びブレーキが、この順に直列に配列されて構成される、
    請求項2に記載の医療用観察装置。
  4. 前記アクチュエータは、モータ及び減速機構の前記所定のアーム部の延伸方向に垂直な面内方向の大きさが、前記クラッチ又は前記ブレーキの前記所定のアーム部の延伸方向に垂直な面内方向の大きさよりも小さくなるように、構成される、
    請求項3に記載の医療用観察装置。
  5. 前記少なくとも1つの関節部には、前記少なくとも1つの関節部における回転角度を検出するポテンショメータが設けられ、
    前記ポテンショメータの検出値に基づいて、前記撮像部によって撮影された前記観察対象の画像の表示が左右方向又は上下方向に移動するように、前記少なくとも1つの関節部の駆動が制御される、
    請求項3又は4に記載の医療用観察装置。
  6. 前記第1の動力伝達部材及び前記第2の動力伝達部材は、
    かさ歯車によってそれぞれ構成されている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用観察装置。
  7. 前記動力伝達機構は、前記第1の動力伝達部材と前記第2の動力伝達部材との間のクリアランスを減少させる方向に前記第1の動力伝達部材を付勢するバネ、を更に含む、
    請求項6に記載の医療用観察装置。
  8. 前記ガイドは、
    前記ドライブシャフトの軸方向への移動をガイドするリニアガイドである、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療用観察装置。
  9. 前記動力伝達機構は、前記ドライブシャフトに設けられるスラスト軸受、を更に含む、
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の医療用観察装置。
  10. 前記動力伝達機構は、前記アクチュエータの回転軸と前記ドライブシャフトとを接続するオルダムカップリング、を更に含む、
    請求項6〜9のいずれか1項に記載の医療用観察装置。
  11. 前記撮像部は、前記支持部の先端に設けられ、
    前記少なくとも1つの関節部は、前記支持部において、前記撮像部が設けられる先端側から2つ目に設けられる関節部を含む
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の医療用観察装置。
  12. 前記動力伝達機構は、
    一端が前記アクチュエータの回転軸に接続され、前記アクチュエータの回転軸と同軸で回転するウォームと、
    前記ウォームの歯面と歯合して、前記少なくとも1つの関節部の回転軸と同軸で回転するウォームホイールと、
    によって構成されるウォームギアを含む、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用観察装置。
  13. 前記少なくとも1つの関節部は、前記支持部を構成するアーム部のうちの1つの所定のアーム部に配置され、
    前記アクチュエータは、前記所定のアーム部の基端部に配置される、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の医療用観察装置。
  14. 観察対象を撮影し、映像信号を出力する顕微鏡部と、
    複数のアーム部が関節部を介して互いに回動可能に接続されて構成され、前記顕微鏡部を支持する支持部と、
    を備え、
    前記支持部を構成する複数の関節部のうち前記顕微鏡部の姿勢を規定する少なくとも1つの関節部における回転軸まわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられ、
    前記少なくとも1つの関節部と前記アクチュエータとは、互いに略直交する2つの回転軸間において回転運動を伝達する動力伝達機構を介して接続され、互いに離隔して配置され、
    前記動力伝達機構は、
    一端が前記アクチュエータの回転軸に接続され、前記アクチュエータの回転軸と略平行な方向に延伸するドライブシャフトと、
    前記ドライブシャフトの他端に設けられ、前記アクチュエータの回転軸と同軸で回転する第1の動力伝達部材と、
    前記第1の動力伝達部材と連動して、前記少なくとも1つの関節部の回転軸と同軸で回転する第2の動力伝達部材と、
    前記ドライブシャフトの軸方向への移動を案内するガイドとを含む、
    手術用観察装置。
  15. 観察対象を撮影し映像信号を出力する撮像部と、複数のアーム部が関節部を介して互いに回動可能に接続されて構成され前記撮像部を支持する支持部と、を有する、観察装置と、
    前記映像信号に基づいて、前記撮像部によって撮影された前記観察対象の画像を表示する表示装置と、
    を備え、
    前記観察装置においては、
    前記支持部を構成する複数の関節部のうち前記撮像部の姿勢を規定する少なくとも1つの関節部における回転軸まわりの回転に対して駆動力を与えるアクチュエータが設けられ、
    前記少なくとも1つの関節部と前記アクチュエータとは、互いに略直交する2つの回転軸間において回転運動を伝達する動力伝達機構を介して接続され、互いに離隔して配置され、
    前記動力伝達機構は、
    一端が前記アクチュエータの回転軸に接続され、前記アクチュエータの回転軸と略平行な方向に延伸するドライブシャフトと、
    前記ドライブシャフトの他端に設けられ、前記アクチュエータの回転軸と同軸で回転する第1の動力伝達部材と、
    前記第1の動力伝達部材と連動して、前記少なくとも1つの関節部の回転軸と同軸で回転する第2の動力伝達部材と、
    前記ドライブシャフトの軸方向への移動を案内するガイドとを含む、
    医療用観察システム。
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