JP6970766B2 - 運動用衣服 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも大腿部を有し、運動時に着用する運動用衣服に関する。
従来、運動の際に運動能力を高めることや、筋肉の疲労を軽減することを目的として、着用者の所定の部位を圧迫する衣服が知られている。
例えば、特許文献1には、踝の上方、膝下、膝上のいずれかから、少なくともウエストラインまでの長さを有し、丸編地からなる運動用のスパッツであって、スパッツは運動に必要な筋肉のサポートの要求に応じて所定部分に比較的緊締力の強い部分と比較的緊締力の弱い部分がパターン状に設けられており、比較的緊締力の強い部分がカットボス編手法によって形成された部分である運動用スパッツが記載されている。特許文献2には、サイクリストが自転車に搭乗する際に装着するための伸縮性生地からなるサイクリングパンツであって、サイクリストの大臀筋から大腿二頭筋に相当する領域に亘って、他の部分に比べてその面方向での伸縮率が低い高弾性生地を設けているサイクリングパンツが記載されている。
特開2001−214303号公報 特開2012−241300号公報
しかし、特許文献1および2に記載されているような構造の衣服では、強度の高い運動を長時間行った際の運動能力の向上や筋肉疲労の軽減の効果が十分ではなく、さらに改善の余地があると考えられる。
そこで本発明は、中強度〜高強度の運動を長時間行う場合において、着用者の運動能力を向上させ、また、着用者の筋肉の疲労を軽減させる効果の高い運動用衣服を提供することを目的とする。
前記課題を解決することができた本発明の運動用衣服は、少なくとも大腿部を有する運動用衣服であって、大腿部は、母材生地と、母材生地に積層されている合成樹脂フィルムとを有しており、運動用衣服を特定マネキンに着用させ、該特定マネキンの大転子高さと膝関節高さとの高低差(身長方向の差)を100としたとき、大腿部の一部の領域であって大転子高さとの高低差が30以上70以下である第1領域には、合成樹脂フィルムの存在範囲が特定マネキンの大腿周方向の長さの60%以上である箇所が存在しており、大腿部の他の領域であって大転子高さとの高低差が30以下である第2領域には、合成樹脂フィルムの存在範囲が特定マネキンの大腿周方向の長さの20%以下(0%を含む)に存在していることを特徴とするものである。
上記の運動用衣服において、第1領域は、股下5cmから股下20cmまでの領域であり、第2領域は、股下0cmから股下5cmまでの領域であることが好ましい。
上記の運動用衣服において、合成樹脂フィルムは、着用者側面に存在していることが好ましい。
上記の運動用衣服において、大腿周方向において、合成樹脂フィルムは、不連続部を有していることが好ましい。
上記の運動用衣服において、合成樹脂フィルムの上面から見た不連続部の延在方向は、身長方向に対して斜めとなっていることが好ましい。
上記の運動用衣服において、不連続部は、周縁部に合成樹脂フィルムが存在している閉じた開口を有していることが好ましい。
上記の運動用衣服は、前身頃において、不連続部の上端は、不連続部の下端よりも身幅方向の中心側にあり、不連続部の上端と下端とを通る直線と、身長方向とがなす角度は、10度以上45度以下であることが好ましい。
上記の運動用衣服において、第1領域内に、股下9cmから股下12cmまでの領域である第3領域があり、第3領域において、合成樹脂フィルムが存在している面積率は、80%以上であることが好ましい。
上記の運動用衣服において、合成樹脂フィルムを構成する材料は、ポリウレタン系樹脂であることが好ましい。
上記の運動用衣服において、合成樹脂フィルムが積層されている部分の生地の目付は、合成樹脂フィルムが積層されていない部分の生地の目付の150%以上300%以下であることが好ましい。
上記の運動用衣服において、合成樹脂フィルムの厚みは、0.2mm以下であることが好ましい。
本発明者らは、前述の課題を解決するために様々な検討を重ねた結果、運動用衣服の着用者の大腿において、ある特定の箇所を圧迫し、この圧迫している特定箇所の上部にある領域では、圧迫している特定箇所よりも圧迫する力を小さくすることにより、トライアスロンや自転車競技等の中強度〜高強度の運動を長時間行う際に心拍数の増加を抑制することができ、さらに、筋損傷の程度も軽減することができ、運動用衣服の着用者の運動能力の向上や疲労軽減の効果を発揮することが可能となることを見出し、本発明を完成した。
本発明の運動用衣服によれば、大転子高さと膝関節高さとの高低差(身長方向の差)を100としたとき、大腿部の一部の領域であって大転子高さとの高低差が30以上70以下である第1領域には、合成樹脂フィルムの存在範囲が大腿周方向の長さの60%以上である箇所が存在しており、大腿部の他の領域であって大転子高さとの高低差が30以下である第2領域には、合成樹脂フィルムの存在範囲が大腿周方向の長さの20%以下(0%を含む)に存在していることにより、着用者の大腿の第1領域の特定箇所に圧力を加えることができ、第2領域では第1領域の特定箇所よりも加わる圧力を小さくすることができる。その結果、中強度〜高強度の運動を長時間行う場合において着用者の運動能力を向上させるという効果や、筋肉の疲労を軽減させる効果を十分に発揮することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る運動用衣服の正面側斜視図を表す。 本発明の実施の形態に係る運動用衣服の背面図を表す。
以下、本発明に係る運動用衣服に関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
図1は本発明の実施の形態に係る運動用衣服1の正面側斜視図を表し、図2は運動用衣服1の背面図を表している。図1および図2に示すように、運動用衣服1は、少なくとも大腿部10を有する。大腿部10は、運動用衣服1の股部から裾までの部分を指す。運動用衣服1は、大腿部10を有していればよく、例えば、ショートパンツやズボン等の下衣であってもよく、つなぎ服のような上衣と下衣が一体となった衣服等であってもよい。
本発明において、身長方向とは、運動用衣服1を特定マネキンに着用させた際の、特定マネキンの頭から足にかけての方向を意味する。また、身幅方向とは、運動用衣服1を特定マネキンに着用させた際の、特定マネキンの左右の方向を意味する。身長方向に対しては、上方と下方が定められ、身幅方向に対しては、身幅方向の中心線(特定マネキンに運動用衣服1を着用させた際の左右方向の中心線に対応)を基準に、内方と外方が定められる。なお、図1および図2においては、紙面の上下方向が身長方向に相当し、紙面の左右方向が身幅方向に相当する。
特定マネキンとは、運動用衣服1が男性用である場合には株式会社七彩製のMD−20Aを示し、運動用衣服1が女性用である場合には株式会社七彩製のWD−20Aを示す。本明細書にて、「特定マネキン」と記載している場合には、株式会社七彩製のMD−20AまたはWD−20Aを指すものとする。なお、図1および図2において、特定マネキンの脚部の膝関節までの一部を破線にて記載している。
大腿部10は、母材生地11と、母材生地11に積層されている合成樹脂フィルム12とを有している。合成樹脂フィルム12が積層されている母材生地11は、生地の剛性が増す。そのため、運動用衣服1の着用者の、合成樹脂フィルム12が積層されている母材生地11に位置している身体の部位を圧迫し、筋肉や血流の補助を行うことができる。なお、合成樹脂フィルム12が存在している箇所が着用者の身体に加える圧力は、15hPa以上25hPa以下であることが好ましい。なお、図1および図2に示す運動用衣服1は、運動用衣服1の着用者側面に合成樹脂フィルム12が配置されている構成であり、図1および図2において合成樹脂フィルム12を点線にて記載している。
母材生地11は、織物、編物、不織布等の布地や、合成樹脂のシート状物等から構成される。母材生地11を構成する布地を構成する繊維としては、例えば、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル等の合成繊維、綿等の天然繊維等が挙げられる。母材生地11を構成する合成樹脂のシート状物を構成する材料としては、例えば、クロロプレンゴム等が挙げられる。中でも、母材生地11を構成する材料は、合成繊維から構成される編物または織物であることが好ましい。母材生地11を構成する材料が、合成繊維から構成される編物または織物であることにより、着心地がよく、かつ耐久性に優れた運動用衣服1とすることができる。
合成樹脂フィルム12を構成する材料は、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。中でも、合成樹脂フィルム12を構成する材料は、ポリウレタン系樹脂であることが好ましい。合成樹脂フィルム12を構成する材料がポリウレタン系樹脂であることにより、合成樹脂フィルム12が適度な伸縮性を有することとなる。そのため、合成樹脂フィルム12が積層されている母材生地11の剛性を高めつつ、適度な伸縮性も付与することができ、運動用衣服1の着脱が行いやすくなる。
合成樹脂フィルム12を母材生地11に積層する方法としては、例えば、母材生地11に合成樹脂フィルム12を重ねて溶着すること、母材生地11に合成樹脂フィルム12を重ねて縫合すること、接着剤を用いて母材生地11に合成樹脂フィルム12を固定すること等が挙げられる。中でも、母材生地11に合成樹脂フィルム12を溶着することによって、合成樹脂フィルム12を母材生地11に積層することが好ましい。溶着によって合成樹脂フィルム12を母材生地11に積層することにより、母材生地11と合成樹脂フィルム12との接合強度を高めることができる。その結果、運動用衣服1を繰り返し洗濯しても合成樹脂フィルム12が母材生地11から剥離しにくく、運動用衣服1の耐久性を高めることができる。
合成樹脂フィルム12の厚みは、0.2mm以下であることが好ましい。合成樹脂フィルム12の厚みの上限値を上記の値に設定することにより、大腿部10の合成樹脂フィルム12が設けられている部分に大きな段差ができにくくなる。そのため、運動用衣服1の着用者への肌当たりがよく、着心地を高めることができる。
合成樹脂フィルム12の厚みは、0.2mm以下であることが好ましいが、0.18mm以下であることがより好ましく、0.15mm以下であることがさらに好ましい。合成樹脂フィルム12の厚みの上限値を上記の範囲に設定することにより、合成樹脂フィルム12が積層されている部分の生地の厚みが厚くなりすぎることを防ぎ、運動用衣服1の大腿部10の着心地を向上させることが可能となる。また、合成樹脂フィルム12の厚みは、0.03mm以上であることが好ましく、0.05mm以上であることがより好ましく、0.07mm以上であることがさらに好ましい。合成樹脂フィルム12の厚みの下限値を上記の範囲に設定することにより、母材生地11に合成樹脂フィルム12が積層されている部分が運動用衣服1の着用者の身体へ加える圧力を、合成樹脂フィルム12が積層されていない母材生地11が着用者の身体へ加える圧力よりも十分に高めることができ、運動用衣服1の着用者の運動能力の向上や疲労を軽減する効果を十分に発揮することができる。
図1および図2に示すように、運動用衣服1を特定マネキンに着用させ、該特定マネキンの大転子高さP1と膝関節高さP2との高低差(身長方向の差)を100としたとき、大腿部10の一部の領域であって大転子高さP1との高低差が30以上70以下である第1領域A1には、合成樹脂フィルム12の存在範囲が特定マネキンの大腿周方向の長さの60%以上である箇所が存在しており、大腿部10の他の領域であって大転子高さP1との高低差が30以下である第2領域A2には、合成樹脂フィルム12の存在範囲が特定マネキンの大腿周方向の長さの20%以下(0%を含む)に存在している。
第1領域A1には合成樹脂フィルム12の存在範囲が特定マネキンの大腿周方向の長さの60%以上である箇所が存在していることにより、運動用衣服1の着用者の大転子から膝関節までの範囲の特定の箇所である第1領域A1において、合成樹脂フィルム12が存在している箇所は運動用衣服1の着用者の身体を圧迫する。一方、第2領域A2には合成樹脂フィルム12の存在範囲が特定マネキンの大腿周方向の長さの20%以下(0%を含む)に存在していることにより、第1領域A1の上部に位置する第2領域A2において、第1領域A1の合成樹脂フィルム12が存在している箇所よりも運動用衣服1の着用者の身体を圧迫する力が小さくなる。
第1領域A1は、運動用衣服1を特定マネキンに着用させ、該特定マネキンの大転子高さP1と膝関節高さP2との高低差(身長方向の差)を100としたとき、大腿部10の一部の領域であって大転子高さP1との高低差が30以上70以下であるが、大転子高さP1との高低差が33以上であることが好ましく、35以上であることがより好ましく、40以上であることがさらに好ましい。また、大転子高さP1との高低差が67以下であることが好ましく、65以下であることがより好ましく、60以下であることがさらに好ましい。第1領域A1の位置を定めるための大転子高さP1との高低差の上限値および下限値を上記の範囲に設定することにより、第1領域A1内の適切な箇所に圧力を加えやすくなる。そのため、運動用衣服1の着用者の運動能力の向上や疲労を軽減する効果を高めやすくなる。
第1領域A1において存在している合成樹脂フィルム12は、特定マネキンの大腿周方向の長さの60%以上であるが、特定マネキンの大腿周方向の長さの63%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。第1領域A1に存在している合成樹脂フィルム12の存在範囲と、特定マネキンの大腿周方向の長さとの比率の下限値を上記の範囲に設定することにより、運動用衣服1の着用者の大腿を周方向に圧迫しやすくなり、着用者の運動能力の向上や疲労の軽減といった効果が発揮しやすくなる。また、第1領域A1に存在している合成樹脂フィルム12の存在範囲と、特定マネキンの大腿周方向の長さとの比率の上限値は、95%以下であることが好ましく、93%以下であることがより好ましく、90%以下であることがさらに好ましい。第1領域A1に存在している合成樹脂フィルム12の存在範囲と、特定マネキンの大腿周方向の長さとの比率の上限値を上記の範囲に設定することにより、第1領域A1において合成樹脂フィルム12が過度に存在することによる通気性の低下や大腿部10の剛性が高くなりすぎることを防止することができる。その結果、運動用衣服1の着心地を向上させることが可能となる。
第2領域A2において存在している合成樹脂フィルム12は、特定マネキンの大腿周方向の長さの20%以下であるが、特定マネキンの大腿周方向の長さの18%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。第2領域A2に存在している合成樹脂フィルム12の存在範囲と、特定マネキンの大腿周方向の長さとの比率の上限値を上記の範囲に設定することにより、第2領域A2における運動用衣服1の着用者の大腿に加わる圧力を第1領域A1よりも十分に小さくすることができる。そのため、運動用衣服1の着用者の運動能力の向上や疲労軽減の効果を発揮させつつ、大腿部10における着用感を向上させることが可能となる。
第1領域A1は、股下5cmから股下20cmまでの領域であり、第2領域A2は、股下0cmから股下5cmまでの領域であることが好ましい。第1領域A1と第2領域A2のそれぞれの位置を上記の場所に定めることにより、運動用衣服1の着用者の運動能力を高める効果や、疲労を軽減する効果をより向上させることができる。また、第1領域A1および第2領域A2の位置を上記の場所に定めることによって、運動用衣服1の製造時に第1領域A1と第2領域A2の位置が分かりやすく、運動用衣服1の製造が容易となる効果も有している。
合成樹脂フィルム12は、運動用衣服1の外側面に存在していてもよいが、図1および図2に示すように、着用者側面に存在していることが好ましい。合成樹脂フィルム12が着用者側面に存在していることにより、運動用衣服1の外側面に合成樹脂フィルム12が露出しない。そのため、運動用衣服1の着用時に、合成樹脂フィルム12と他物とが擦れる等して合成樹脂フィルム12が損傷しにくくなり、運動用衣服1の耐久性を向上させることができる。
合成樹脂フィルム12の表面は、凹凸があることが好ましい。合成樹脂フィルム12の表面に凹凸を付けるためには、例えば、合成樹脂フィルム12にプリント加工を施す等の方法が挙げられる。合成樹脂フィルム12の表面に凹凸があることにより、運動用衣服1の着用者の身体と合成樹脂フィルム12とが密着しにくく、運動用衣服1の着用時に身体が合成樹脂フィルム12に貼り付きにくくなる。その結果、運動用衣服1の着心地をよくすることが可能となる。
図1および図2に示すように、大腿周方向において、合成樹脂フィルム12は、不連続部20を有していることが好ましい。合成樹脂フィルム12が不連続部20を有していることにより、合成樹脂フィルム12が存在している箇所が運動用衣服1の着用者の大腿を過度に圧迫することを防止し、運動時に着用者が脚を動かしやすくなる。
合成樹脂フィルム12は、不連続部20を複数有していることが好ましい。不連続部20の数が複数であることにより、大腿周方向の全体において合成樹脂フィルム12が運動用衣服1の着用者の大腿に加える圧力の強さを調節しやすくなる。その結果、運動用衣服1が有する運動能力の向上効果や疲労軽減効果、また、着用者の脚の動かしやすさや大腿部10の着用感等を最適なものとするための調節が行いやすくなる。
図1および図2に示すように、合成樹脂フィルム12の上面から見た不連続部20の延在方向は、身長方向に対して斜めとなっていることが好ましい。不連続部20の延在方向が身長方向に対して斜めとなっていることにより、運動用衣服1の着用時等において、大腿部10へ身幅方向に引っ張られて合成樹脂フィルム12へも身幅方向に力が加わった際に不連続部20が身幅方向への力を緩衝し、合成樹脂フィルム12を破損しにくくすることができる。
合成樹脂フィルム12は、延在方向が身長方向に対して斜めとなっている不連続部20と、延在方向が身長方向と同一である不連続部20の両方を有していることが好ましい。合成樹脂フィルム12が、延在方向が身長方向に対して斜めとなっている不連続部20、および延在方向が身長方向と同一である不連続部20を有していることにより、大腿部10へ身幅方向だけでなく、身長方向や身長方向に対して斜め等、様々な方向の力が加わった場合であっても、合成樹脂フィルム12が破損しにくくなり、運動用衣服1の耐久性を高めることができる。
図1および図2に示すように、不連続部20は、周縁部に合成樹脂フィルム12が存在している閉じた開口21を有していることが好ましい。不連続部20が閉じた開口21を有していることにより、合成樹脂フィルム12へ加わった力を緩衝しつつ、合成樹脂フィルム12が着用者の大腿へ適度な力によって圧迫することができる。そのため、大腿部10が運動用衣服1の着用者の大腿の筋肉を適度な圧力にて支えやすくなり、運動能力の向上や疲労軽減効果の高い運動用衣服1とすることが可能となる。
不連続部20は、開口21を複数有していることが好ましい。不連続部20が複数の開口21を有していることにより、大腿周方向の全体において合成樹脂フィルム12に加わった力を緩衝することができる。その結果、合成樹脂フィルム12の破損を防ぎ、耐久性を高めることができる。
不連続部20は、周縁部に合成樹脂フィルム12が存在している閉じた開口21と、周縁部の一部に合成樹脂フィルム12が存在していない開口部の両方を有していることが好ましい。不連続部20が、周縁部に合成樹脂フィルム12が存在している閉じた開口21と、周縁部の一部に合成樹脂フィルム12が存在していない開口部の両方を有していることにより、合成樹脂フィルム12に加わる力を緩衝して合成樹脂フィルム12の破損を防止する効果と、合成樹脂フィルム12が運動用衣服1の着用者の大腿を圧迫して運動能力の向上や疲労を軽減する効果の両方を十分に発揮することが可能となる。
図1に示すように、前身頃において、不連続部20の上端20aは、不連続部20の下端20bよりも身幅方向の中心側にあることが好ましい。つまり、運動用衣服1の前身頃において、不連続部20の上端20aは、不連続部20の下端20bよりも身幅方向の内方にあることが好ましい。前身頃において、不連続部20の上端20aが、不連続部20の下端20bよりも身幅方向の中心側にあることにより、運動用衣服1の着用者の左右両方の大腿へ、身幅方向の中心に向かう方向へ不連続部20の開口21が延在することとなる。その結果、運動用衣服1の着用者の大腿の前面部分を、大腿部10が身幅方向の中心に向かう方向の圧力を加えることができ、運動能力の向上効果や疲労の軽減効果を高めやすくなる。
図2に示すように、後ろ身頃においては、不連続部20の下端20bは、不連続部20の上端20aよりも身幅方向の中心側にあることが好ましい。また、前身頃においては上端20aが下端20bよりも身幅方向の中心側にあり、後ろ身頃においては下端20bが上端20aよりも身幅方向の中心側にあることがより好ましい。前身頃においては上端20aが下端20bよりも身幅方向の中心側にあり、後ろ身頃においては下端20bが上端20aよりも身幅方向の中心側にあることにより、運動用衣服1の着用者の大腿の周方向において、一方方向の力を加えることができる。そのため、運動能力をより向上させることができ、さらに、疲労の軽減の効果も高めることができる。
図1に示すように、不連続部20の上端20aと下端20bとを通る直線L1と、身長方向とがなす角度θ1は、10度以上45度以下であることが好ましい。不連続部20の上端20aと下端20bとを通る直線L1と身長方向とがなす角度θ1が10度以上45度以下であることにより、運動用衣服1の着用時等、大腿部10へ身幅方向に引っ張られて合成樹脂フィルム12に身幅方向への力が加わった際に不連続部20が身幅方向への力を緩衝することができ、合成樹脂フィルム12が破損しにくくなる。また、直線L1と身長方向とがなす角度θ1が10度以上45度以下であることによって、合成樹脂フィルム12が運動用衣服1の着用者の大腿を適度な力によって圧迫しやすくなり、大腿部10が着用者の大腿の筋肉を適度な圧力にて支えやすくなる。その結果、運動用衣服1が有する運動能力の向上や疲労軽減の効果を高めることが可能となる。
不連続部20の上端20aと下端20bとを通る直線L1と、身長方向とがなす角度θ1は、10度以上であることが好ましく、15度以上であることがより好ましく、20度以上であることがさらに好ましい。直線L1と身長方向とがなす角度θ1の下限値を上記の範囲に設定することにより、合成樹脂フィルム12が運動用衣服1の着用者の大腿を適度な力で圧迫しやすく、運動能力の向上効果や疲労の軽減効果を高めることができる。また、不連続部20の上端20aと下端20bとを通る直線L1と、身長方向とがなす角度θ1は、45度以下であることが好ましく、40度以下であることがより好ましく、35度以下であることがさらに好ましい。直線L1と身長方向とがなす角度θ1の上限値を上記の範囲に設定することにより、合成樹脂フィルム12に身幅方向への力が加わったときに不連続部20が身幅方向への力を緩衝することができ、合成樹脂フィルム12の破損を防止することができる。
図1および図2に示すように、第1領域A1内に、股下9cmから股下12cmまでの領域である第3領域A3があり、第3領域A3において、合成樹脂フィルム12が存在している面積率は、80%以上であることが好ましい。第1領域A1の中でも、第3領域A3に位置する部分にて運動用衣服1の着用者の身体を圧迫することが、運動能力の向上や疲労軽減の効果を発揮するうえで好ましい。第3領域A3における合成樹脂フィルム12の面積率が80%以上であることにより、第3領域A3内での合成樹脂フィルム12が存在している割合を高めることができる。そのため、第3領域A3に位置している運動用衣服1の着用者の身体に加わる圧力を高めることができ、運動能力の向上効果や疲労の軽減効果を高めることが可能となる。
第3領域A3において、合成樹脂フィルム12が存在している面積率は、80%以上であることが好ましいが、合成樹脂フィルム12が存在している面積率が82%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。第3領域A3における合成樹脂フィルム12が存在している面積率の下限値を上記の範囲に設定することにより、第3領域A3が運動用衣服1の着用者の身体に加える圧力を高めることができる。また、第3領域A3において、合成樹脂フィルム12が存在している面積率の上限値は特に限定されないが、例えば、99%以下、97%以下、95%以下とすることができる。
合成樹脂フィルム12が積層されている部分の生地(以下、フィルム積層生地と称することがある)の目付は、合成樹脂フィルム12が積層されていない部分の生地(以下、無フィルム生地と称することがある)の目付の150%以上300%以下であることが好ましい。フィルム積層生地の目付が、無フィルム生地の目付の150%以上300%以下であることにより、フィルム積層生地が、無フィルム生地よりも厚みが大きく、剛性も高くなる。そのため、大腿部10のうち、フィルム積層生地の部分に位置する運動用衣服1の着用者の身体に加わる圧力を、無フィルム生地の部分に位置する着用者の身体に加わる圧力よりも高くすることができる。その結果、運動用衣服1の有する運動能力を向上させる効果や、疲労を軽減する効果を高めることが可能となる。
フィルム積層生地の目付は、無フィルム生地の目付の150%以上であることが好ましいが、170%以上であることがより好ましく、190%以上であることがさらに好ましい。フィルム積層生地の目付と無フィルム生地の目付の比率の下限値を上記の範囲に設定することにより、フィルム積層生地の部分に位置する運動用衣服1の着用者の身体に加わる圧力を無フィルム生地の部分に位置する着用者の身体に加わる圧力よりも十分に高くすることが可能となる。また、フィルム積層生地の目付は、無フィルム生地の目付の300%以下であることが好ましいが、270%以下であることがより好ましく、250%以下であることがさらに好ましい。フィルム積層生地の目付と無フィルム生地の目付の比率の上限値を上記の範囲に設定することにより、フィルム積層生地が過度に厚くなることや重くなることを防ぎ、運動用衣服1の着心地を向上させることができる。
以上のように、本発明の運動用衣服は、少なくとも大腿部を有する運動用衣服であって、大腿部は、母材生地と、母材生地に積層されている合成樹脂フィルムとを有しており、運動用衣服を特定マネキンに着用させ、該特定マネキンの大転子高さと膝関節高さとの高低差(身長方向の差)を100としたとき、大腿部の一部の領域であって大転子高さとの高低差が30以上70以下である第1領域には、合成樹脂フィルムの存在範囲が特定マネキンの大腿周方向の長さの60%以上である箇所が存在しており、大腿部の他の領域であって大転子高さとの高低差が30以下である第2領域には、合成樹脂フィルムの存在範囲が特定マネキンの大腿周方向の長さの20%以下(0%を含む)に存在していることを特徴とする。運動用衣服がこのような構成であることにより、着用者の大腿の第1領域の特定箇所に圧力を加えることができ、第2領域では第1領域の特定箇所よりも加わる圧力を小さくすることができる。その結果、中強度〜高強度の運動を長時間行う場合において着用者の運動能力を向上させるという効果や、筋肉の疲労を軽減させる効果を十分に発揮することが可能となる。
1:運動用衣服
10:大腿部
11:母材生地
12:合成樹脂フィルム
20:不連続部
20a:不連続部の上端
20b:不連続部の下端
21:開口
P1:大転子高さ
P2:膝関節高さ
A1:第1領域
A2:第2領域
A3:第3領域
L1:不連続部の上端と下端とを通る直線
θ1:直線L1と身長方向とがなす角度

Claims (12)

  1. 少なくとも大腿部を有する運動用衣服であって、
    前記大腿部は、母材生地と、前記母材生地に積層されている合成樹脂フィルムとを有しており、
    前記運動用衣服を特定マネキンに着用させ、該特定マネキンの大転子高さと膝関節高さとの高低差(身長方向の差)を100としたとき、
    前記大腿部の一部の領域であって前記大転子高さとの高低差が30以上70以下である第1領域には、前記合成樹脂フィルムの存在範囲が前記特定マネキンの大腿周方向の長さの60%以上である箇所が存在しており、
    前記大腿部の他の領域であって前記大転子高さとの高低差が30以下である第2領域には、前記合成樹脂フィルムの存在範囲が前記特定マネキンの大腿周方向の長さの20%以下(0%を含む)に存在しており、
    大腿周方向において、前記合成樹脂フィルムは、複数であり、
    大腿周方向において、前記合成樹脂フィルムは、複数の不連続部を有しており、
    前記不連続部は、複数の前記合成樹脂フィルムとの間にあり、
    前記第1領域において、前記合成樹脂フィルムが存在している箇所が着用者の身体に加える圧力は、15hPa以上25hPa以下であることを特徴とする運動用衣服。
  2. 前記不連続部の少なくとも一部は、前記大腿部の前側にある請求項1に記載の運動用衣服。
  3. 前記不連続部は、前記合成樹脂フィルムの上面から見た延在方向が身長方向と同じである請求項1または2に記載の運動用衣服。
  4. 前記合成樹脂フィルムは、周縁部に前記合成樹脂フィルムが存在している閉じた開口を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の運動用衣服。
  5. 前記開口は、前記合成樹脂フィルムの上面から見た延在方向が身長方向に対して斜めとなっている請求項4に記載の運動用衣服。
  6. 前記第1領域は、股下5cmから股下20cmまでの領域であり、
    前記第2領域は、股下0cmから股下5cmまでの領域である請求項1〜5のいずれか一項に記載の運動用衣服。
  7. 前記合成樹脂フィルムは、着用者側面に存在している請求項1〜6のいずれか一項に記載の運動用衣服。
  8. 前身頃において、前記不連続部の上端は、前記不連続部の下端よりも身幅方向の中心側にあり、
    前記不連続部の前記上端と前記下端とを通る直線と、身長方向とがなす角度は、10度以上45度以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の運動用衣服。
  9. 前記第1領域内に、股下9cmから股下12cmまでの領域である第3領域があり、
    前記第3領域において、前記合成樹脂フィルムが存在している面積率は、80%以上である請求項1〜のいずれか一項に記載の運動用衣服。
  10. 前記合成樹脂フィルムを構成する材料は、ポリウレタン系樹脂である請求項1〜のいずれか一項に記載の運動用衣服。
  11. 前記母材生地に前記合成樹脂フィルムが積層されている部分の目付は、前記母材生地に前記合成樹脂フィルムが積層されていない部分の目付の150%以上300%以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載の運動用衣服。
  12. 前記合成樹脂フィルムの厚みは、0.2mm以下である請求項1〜11のいずれか一項に記載の運動用衣服。
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