JP6969085B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
本実施形態の非水電解質二次電池10は、定格容量が3Ah以上である。定格容量が3Ah未満の場合は電気容量が小さく、本実施形態のような大型の非水電解質二次電池10に該当しない。定格容量は、5Ah以上が好ましく、10Ah以上がより好ましい。また、定格容量は、15Ah以上がさらに好ましく、20Ah以上が特に好ましい。なお、定格容量は、25Ah以上が最も好ましい。
本実施形態の非水電解質二次電池10は、定格容量当たりの体積が2cm3/Ah以上10cm3/Ah以下である。非水電解質二次電池10の定格容量当たりの体積をこのような範囲とすることにより、非水電解質二次電池10の体積及び電気的な容量密度が十分大きい。なお、非水電解質二次電池10の定格容量当たりの体積は、3cm3/Ah以上10cm3/Ah以下が好ましい。なお、定格容量当たりの体積は、非水電解質二次電池10の定格容量の値を非水電解質二次電池10の体積の値で除することにより求めることができる。
(ケイ素含有合金)
負極活物質層12は、ケイ素含有量が20質量%以上のケイ素含有合金を含む。ケイ素含有合金は、充電の際にリチウムイオンと合金化するため、炭素系の負極活物質などと比較して負極活物質の質量当たりの定格容量を大きくすることができる。そのため、本実施形態の非水電解質二次電池10は、ケイ素含有合金を含む負極活物質層12を備えることで、非水電解質二次電池10の定格容量を大きくすることができる。また、ケイ素含有合金のケイ素含有量を20質量%以上とすることにより、アモルファス−結晶の相転移を抑えることができる。そのため、非水電解質二次電池10のサイクル特性を向上させることができる。なお、ケイ素含有合金の含有量は、負極活物質層12全体に対して、60質量%〜99質量%であることが好ましく、70質量%〜90質量%であることがより好ましい。ケイ素含有合金の含有量をこのような範囲とすることにより、優れたエネルギー密度を有する非水電解質二次電池10を提供することができる。
本実施形態の非水電解質二次電池10は、負極活物質層12の表面に加わる平均面圧が1.6kgf/cm2以上である。そのため、ケイ素含有合金を用いて非水電解質二次電池10の定格容量を大きくした場合であっても、充放電時のケイ素含有合金の膨張及び収縮に由来する負極活物質層12の表面の凹凸を抑制することができる。このことにより、負極活物質層12と隣接する負極集電体11などと均一に面接触することができ、非水電解質二次電池10のサイクル特性を向上させることができる。サイクル特性の向上という観点より、負極活物質層12の表面に加わる平均面圧は、2.4kgf/cm2以上が好ましい。なお、このような負極活物質層12の表面の凹凸に起因するサイクル特性の低下は、大型の非水電解質二次電池10に特有の課題である。例えば、小型の非水電解質二次電池では負極活物質層の面積が小さいため、負極活物質層の表面に加わる平均面圧が0.5〜1.0kgf/cm2もあれば十分である。また、負極活物質層12の表面に加わる平均面圧は、フィルム式圧力分布計測システムなどを用いて測定することができる。
本実施形態では、負極活物質層12の引張破壊応力(MPa)と引張破壊ひずみ(%)の積が2.1MPaを超えることが好ましい。なお、以降では、負極活物質層12の引張破壊応力(MPa)と引張破壊ひずみ(%)の積を「負極活物質層12の引張特性」ともいう。本実施形態では、負極活物質層12の引張特性を、このような範囲とすることにより、負極活物質層12の表面に加わる平均面圧を高くした場合であっても、ケイ素含有合金の膨張による負極活物質層12の破断を抑制することができる。そのため、非水電解質二次電池10のサイクル特性の低下を抑制することができる。なお、負極活物質層12の引張破壊応力(MPa)と引張破壊ひずみ(%)の積が2.5MPaを超えることがより好ましく、2.6MPaを超え3.5MPa未満であることがさらに好ましい。負極活物質層12の引張特性を、このような範囲とすることにより、非水電解質二次電池10のサイクル特性の低下をより抑制することができる。
負極活物質層12は、ケイ素含有合金の他、用途に応じて、導電助剤をさらに含有することができる。負極活物質層12に用いられる導電助剤を形成する材料としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。これらの導電助剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。負極活物質層12に導電助剤が含まれることにより、負極活物質層12の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、非水電解質二次電池10の定格容量の向上に寄与しうる。導電助剤の含有量は、負極活物質層12全体に対して、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。導電助剤の含有量をこのような範囲とすることにより、負極活物質層12の導電性を向上させることができる。
負極活物質層12は、ケイ素含有合金の他、用途に応じて、バインダをさらに含有することができる。負極活物質層12に用いられるバインダの材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)などのエラストマーが挙げられる。これらのバインダは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、バインダとしての接着性や耐熱性が優れていることから、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)からなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。負極活物質層12中に含まれるバインダの含有量は、特に限定されないが、100質量%の負極活物質層12に対して、0.5〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
本実施形態の非水電解質二次電池10は、負極集電体11を備える。負極集電体11は、非水電解質二次電池10で発生した電気を集める。
本実施形態では、負極集電体11の引張破壊応力(MPa)と厚み(m)と引張破壊ひずみ(%)の積が45N/mを超えることが好ましい。なお、以降では、負極集電体11の引張破壊応力(MPa)と厚み(m)と引張破壊ひずみ(%)の積を「負極集電体11の引張特性」ともいう。本実施形態では、負極集電体11の引張特性をこのような範囲とすることにより、負極集電体11が負極活物質層12の膨張に追従することができる。そのため、負極集電体11と負極活物質層12との界面剥離が抑制され、非水電解質二次電池10のサイクル特性を向上させることができる。なお、負極集電体11の引張破壊応力(MPa)と厚み(m)と引張破壊ひずみ(%)の積が70N/mを超えることがより好ましい。負極集電体11の引張特性をこのような範囲とすることにより、非水電解質二次電池10のサイクル特性をより向上させることができる。なお、負極集電体11の引張破壊応力(MPa)と厚み(m)と引張破壊ひずみ(%)の積は特に限定されないが、360N/m未満であることが好ましい。また、負極集電体11の引張破壊応力及び引張破壊ひずみは、負極活物質層12の引張特性と同様、JIS K7161−1:2014の規定を引用するJIS K7127:1999の規定に従い測定することができる。また、引張破壊応力及び引張破壊ひずみは、試験温度23±2℃において、試験速度1mm/minで測定することができる。
本実施形態の非水電解質二次電池10は、正極集電体14を備えることができる。正極集電体14は、非水電解質二次電池10で発生した電気を集める。正極集電体14を形成する材料は、特に限定されないが、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタン、及びこれらの合金などの金属が挙げられる。集電体を形成する材料は、上述した金属単体、上述した金属を組み合わせた合金、上述した金属の組み合わせのめっき材などを用いることができる。なかでも、正極集電体14を形成する材料は、電子伝導性や電池作動電位の観点から、アルミニウムを含むことが好ましい。
本実施形態の非水電解質二次電池10は、正極集電体14と、正極集電体14の少なくとも一方の面に配置される正極活物質層15と、を備えることができる。正極活物質層15は、用途に応じて、正極活物質、導電助剤、バインダなどを備えることができる。正極活物質層15で用いられる導電助剤及びバインダは、負極活物質で用いられた導電助剤及びバインダをそれぞれ用いることができる。
本実施形態の非水電解質二次電池10は、負極13と正極16との間に配置される電解質層17をさらに備えることができる。電解質層17は、負極13と正極16とを隔離し、リチウムイオンの移動を仲介する。電解質層17の膜厚は、内部抵抗を低減させる観点から、1〜100μmが好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましい。電解質層17は非水電解質を含む。非水電解質としては、イオン伝導性ポリマーにリチウム塩が溶解したゲル状又は固体状のポリマー電解質、並びに有機溶媒にリチウム塩が溶解した液体電解質を用いることができる。
非水電解質二次電池10は、正極集電体14と、非水電解質二次電池10の外部の機器とを電気的に接続する正極タブ21をさらに備えることができる。また、非水電解質二次電池10は、負極集電体11と、非水電解質二次電池10の外部の機器とを電気的に接続する負極タブ23をさらに備えることができる。正極タブ21及び負極タブ23を形成する材料は、特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。なお、正極タブ21及び負極タブ23を形成する材料は、同一でも異なっていてもよい。
本実施形態の非水電解質二次電池10は、電池素子30を収容する外装体25をさらに備えることができる。外装体25は、例えば、缶や、フィルムにより形成されたものが挙げられる。また、外装体25の形状は、特に限定されず、円筒型、角型、シート型とすることができる。特に限定されないが、小型化及び軽量化などの観点より、外装体25はフィルムにより形成されていることが好ましい。なかでも、高出力化や冷却性能の観点からは、フィルムはラミネートフィルムであることが好ましい。また、負極活物質層12の表面に加わる平均面圧を、加圧装置40により容易に調整することができるため、外装体25はアルミニウムを含むラミネートフィルムであることがより好ましい。具体的には、負極集電体11と負極活物質層12は、アルミニウムを含むラミネートフィルムからなる外装体25に収容され、非水電解質二次電池10は、扁平積層型である扁平積層型非水電解質二次電池であることが好ましい。このような非水電解質二次電池10は、定格容量及び放熱性能を高くすることができるため、車両に搭載する場合に最適である。アルミニウムを含むラミネートフィルムの一例としては、PP/アルミニウム/ナイロンの3層ラミネートフィルムが挙げられる。
(正極の作製)
酢酸ニッケル、酢酸コバルト及び酢酸マンガンの2mol/Lの水溶液を調製した。次いで、正極活物質がLi1.5[Ni0.20Co0.20Mn0.80[Li0.30]]O3となるように、これらを所定量秤量して、混合溶液を調製した。そして、マグネティックスターラーで混合溶液を攪拌しながら、混合溶液にアンモニア水をpH7になるまで滴下した。さらに、この混合溶液に、2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液を滴下し、ニッケル−コバルト−マンガンの複合炭酸塩を沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過した後、水洗して、120℃程度、5時間ほどの条件で乾燥を行った。そして、得られた乾燥物を500℃程度、5時間ほどの条件で仮焼成を行った。これに所定のモル比で水酸化リチウムを加え、自動乳鉢で30分間程度混練した。さらに、大気中、昇温速度50℃/時間で加熱し、その後750℃で12時間ほど本焼成を行った。その後、窒素雰囲気下、600℃程度、12時間ほど熱処理し、固溶体リチウム含有遷移金属酸化物前駆体を得た。
まず、遊星型ボールミル(ドイツ フリッチュ社製P−6)を用いて、メカニカルアロイ法により金属粉末を合金化処理及び粉砕処理した。具体的には、質量比で、Si:Sn:Ti=60:10:30となるように調製した金属粉末と、ジルコニア製粉砕ボールとを、ジルコニア製容器に投入した。その後、ジルコニア製容器を固定する台座を、600rpmで12.5時間回転させて、金属粉末を合金化した。その後、ケイ素含有合金のD90が2.6μmとなるように、遊星型ボールミルの台座を400rpmで4時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金の負極活物質を得た。なお、得られた負極活物質のD90は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製 SALD−7000)を用いて測定した。
上述のようにして得られた正極と負極を用いて、図1に示すような積層型非水電解質二次電池を作製した。具体的には、正極と負極との間に電解質層を配置し、正極と負極とを交互に積層させ、電池素子を作製した。電解質層は、40μm厚のポリオレフィンを用いた。なお、この積層体には、正極を2枚、負極を3枚及び電解質層を4枚積層させている。
遊星型ボールミルの台座を400rpmで3時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を3.3μmとした以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。
遊星型ボールミルの台座を400rpmで2時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を3.5μmとした以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。
遊星型ボールミルの台座を400rpmで1時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を4.2μmとした以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。
遊星型ボールミルの台座を300rpmで1時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を7.6μmとした以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。
遊星型ボールミルの台座を200rpmで2時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を14.5μmとした以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。
遊星型ボールミルの台座を200rpmで2時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を14.5μmとし、負極活物質層の表面に加わる平均面圧を2.4kgf/cm2とした以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。
遊星型ボールミルの台座を200rpmで2時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を14.5μmとし、負極活物質層の表面に加わる平均面圧を1.6kgf/cm2とした以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。
遊星型ボールミルの台座を200rpmで2時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を14.5μmとし、負極活物質層の表面に加わる平均面圧を1.0kgf/cm2とした以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。
遊星型ボールミルの台座を30rpmで1時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を30.0μmとし、負極活物質層の表面に加わる平均面圧を2.7kgf/cm2とした以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。
遊星型ボールミルの台座を50rpmで1時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を38.7μmとし、負極活物質層の表面に加わる平均面圧を2.7kgf/cm2とした以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質二次電池の投影面積を12cm2、厚みを1mm、体積を1.2cm3とした。そして、遊星型ボールミルの台座を200rpmで2時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を14.5μmとした。さらに、負極活物質層の表面に加わる平均面圧を1.6kgf/cm2とし、定格容量を0.06Ahとした。それ以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。なお、この非水電解質二次電池の定格容量は0.06Ahであったため、定格容量当たりの体積が20cm3/Ahであった。
非水電解質二次電池の投影面積を12cm2、厚みを1mm、体積を1.2cm3とした。そして、遊星型ボールミルの台座を200rpmで2時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を14.5μmとした。さらに、負極活物質層の表面に加わる平均面圧を0.80kgf/cm2とし、定格容量を0.06Ahとした。それ以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。なお、この非水電解質二次電池の定格容量は0.06Ahであったため、定格容量当たりの体積が20cm3/Ahであった。
非水電解質二次電池の投影面積を12cm2、厚みを1mm、体積を1.2cm3とした。そして、遊星型ボールミルの台座を200rpmで2時間回転させて合金を粉砕処理し、ケイ素含有合金のD90を14.5μmとした。さらに、負極活物質層の表面に加わる平均面圧を0.05kgf/cm2とし、定格容量を0.06Ahとした。それ以外は、実施例1と同様の方法により非水電解質二次電池を作製した。なお、この非水電解質二次電池の定格容量は0.06Ahであったため、定格容量当たりの体積が20cm3/Ahであった。
(電気化学前処理)
以下の定格容量及び放電容量維持率を測定する前に、電気化学前処理を行った。具体的には、まず、最高電圧が4.45Vとなるまで0.1Cレートで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで0.1Cレートで定電流放電するサイクルを2サイクル行った。次に、最高電圧が4.55Vとなるまで0.1Cレートで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで0.1Cレートで定電流放電するサイクルを1サイクル行った。次に、最高電圧が4.65Vとなるまで0.1Cレートで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで0.1Cレートで定電流放電するサイクルを1サイクル行った。次に、最高電圧が4.75Vとなるまで0.1Cレートで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで0.1Cレートで定電流放電するサイクルを1サイクル行った。なお、いずれの充放電も25℃で行った。
定格容量は、各例の非水電解質二次電池に対して、充放電試験機(東洋システム株式会社TOSCAT)を使用し、25℃において、25℃に設定された恒温槽中にて、次のように測定した。まず、4.15Vまで0.1Cで非水電解質二次電池を定電流充電した後、充電を止めて5分間放置した。次に、4.15Vで1.5時間定電圧充電した後、充電を止めて5分間放置した。次に、2.5Vまで0.1Cで定電流放電した後、2.5Vで2時間定電圧放電し、その後、放電を止めて10秒間放置した。次に、4.1Vまで0.1Cで定電流充電した後、4.1Vで2.5時間定電圧充電し、その後、充電を止めて10秒間放置した。次に、2.5Vまで0.1Cで定電流放電した後、2.5Vで2時間定電圧放電した。そして、この最後の工程における4.1Vから2.5Vまでの放電容量と、2.5Vでの2時間の放電容量との合計を、定格容量とした。この結果を表1に示す。
サイクル特性は、非水電解質二次電池の放電容量維持率を測定することにより評価した。放電容量維持率は、各例の非水電解質二次電池に対して、充放電試験機(東洋システム株式会社TOSCAT)を使用し、25℃に設定された恒温槽中にて、充電及び放電を行い測定した。すなわち、0.1Cレートにて最高電圧が4.6Vとなるまで定電流充電した後、電池の最低電圧が2.0Vとなるまで0.1Cレートで定電流放電する充放電サイクルを1サイクルとして、これを50サイクル繰り返した。そして、1サイクル目において、4.6Vから2.0Vまで放電した時の放電容量を1サイクル目の放電容量とした。また、50サイクル目において、4.6Vから2.0Vまで放電した時の放電容量を50サイクル目の放電容量とした。そして、各例の1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の割合を放電容量維持率としてそれぞれ算出した。この結果を表1に示す。
11 負極集電体
12 負極活物質層
14 正極集電体
15 正極活物質層
17 電解質層
25 外装体
Claims (10)
- 負極集電体と、
前記負極集電体の少なくとも一方の面に配置され、ケイ素含有量が20質量%以上のケイ素含有合金を含む負極活物質層と、を備え、
定格容量が3Ah以上、かつ、定格容量当たりの体積が2cm3/Ah以上10cm3/Ah以下であり、
前記負極活物質層の表面に加わる平均面圧が1.6kgf/cm2以上3.0kgf/cm 2 以下であり、
前記ケイ素含有合金のD90が28μm以下である非水電解質二次電池。 - 前記平均面圧が2.4kgf/cm2以上である請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記ケイ素含有合金のD90が22μm以下である請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記負極活物質層の膜厚をL(μm)、ケイ素含有合金のD90をY(μm)、ケイ素含有合金の質量当たりの定格容量をX(mAh/g)とした時に、L>Y×(1+X/1500)を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記非水電解質二次電池の投影面積が180cm2以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- ケイ素含有合金は、非晶質又は低結晶性のケイ素を主成分とする母相と、ケイ素を主成分とする母相中に分散される遷移金属のケイ化物を含むシリサイド相と、を含み、
ケイ素含有合金は、Si、Sn及びMの元素を含み、
Mは、遷移元素、B,C,Mg,Al及びZnからなる群より選択される少なくとも1つの元素である請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。 - ケイ素含有合金の質量当たりの定格容量が800mAh/g以上1500mAh/g以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 正極活物質を含む正極活物質層をさらに備え、
前記正極活物質は、Li1.5[NiaCobMnc[Li]d]O3(ここで、式中のa、b、c及びdは、0<a<1.4、0≦b<1.4、0<c<1.4、0<d≦0.5、a+b+c+d=1.5、1.0≦a+b+c<1.5を満足する。)である請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。 - 正極集電体と、正極集電体の少なくとも一方の面に配置される正極活物質層と、を備える正極と、
前記負極集電体と、前記負極活物質層と、を備える負極と、
前記正極と前記負極との間に配置される電解質層と、を備え、
前記電解質層は、多孔質基体層と、多孔質基体層の少なくとも一方の面に形成され、無機粒子とバインダとを含む耐熱絶縁層と、を備える請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。 - 前記負極集電体と前記負極活物質層は、アルミニウムを含むラミネートフィルムからなる外装体に収容され、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池は、扁平積層型である扁平積層型非水電解質二次電池。
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