JP6961790B2 - 防曇フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、防曇フィルムに関する。
浴室または洗面化粧台の鏡、冷凍ショーケース、眼鏡、スキー用または水泳用ゴーグルなどは、結露により表面に水滴が付着することにより、視認性が低下してしまう。そこで、視認性の低下を防止するために、防曇フィルムが使用されている。防曇フィルムが視認性の低下を防止する手法として、例えば、次の手法1と手法2とが挙げられる。手法1は、フィルム面が吸水素材で構成された防曇フィルムによって、水滴の形成を防ぐ手法であり、吸水素材で水蒸気を吸わせる。手法2は、親水性のフィルム面をもつ防曇フィルムによって視認性を確保する手法である。この手法2は、親水性であるフィルム面の接触角の低さによって、付着した水分を濡れ広がらせ、これにより水膜を形成する。そして、上記手法1による吸水素材の吸水能が飽和した後においても、上記手法2によってフィルム表面に水膜を形成することにより、水滴となる水蒸気の量がさまざまである各種環境に対応して、視認性を確保することが可能である。
各種環境に対応して視認性を確保するためには、瞬間的な水滴の形成を防止する機能である初期防曇性と、水滴の形成を長時間防止する機能である長期防曇性とを有することが好ましい。手法1は初期防曇性に関連し、手法2は長期防曇性に関連する。初期防曇性と長期防曇性とを有する防曇フィルムとして、セルロースアシレートで形成されたフィルムの面が、特定の接触角とアシル基割合とを有する防曇フィルムが開示されている(特許文献1)。また、界面活性剤および親水性ポリマーからなる親水剤含有塗布剤を、ポリエステル等のフィルムに塗布した防曇フィルムが開示されている(特許文献2)。初期防曇性と長期防曇性とを有していても、吸水素材の吸水能が飽和した後に、一時的に水滴が形成されて曇りが生じる場合がある。この、一時的に曇りが生じる期間を、「移行期間」とする。特許文献2は、移行期間での曇り防止を図ったものである。
特開2017−57370号公報 特表2011−502064号公報
特許文献2の防曇フィルムは、使用するに従って塗布剤が溶けるなどして脱落するおそれがあり、防曇効果の耐久性に懸念があった。
そこで、本発明は、初期防曇性、長期防曇性、および移行期間での防曇性を併せ持ち、これらの防曇性の耐久性が優れる防曇フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の防曇フィルムは、フィルム基材と第1の層と第2の層とを有する。フィルム基材は、アシル基置換度が2.00以上2.97以下の範囲内のセルロースアシレートで形成される。第1の層は、アシル基置換度がフィルム基材よりも小さいセルロースアシレートまたはセルロースで形成され、フィルム基材の一方の面に設けられる。第2の層は、分子量が30000以上である樹脂成分を含有し、第1の層の面のうち、フィルム基材と接する面と反対の面に設けられる。樹脂成分は、ヒドロキシ基、アミド構造、およびピロリドン構造のいずれか1種を有し、第1の層は、厚さが0.5μm以上20μm以下の範囲内であり、第2の層は、厚さが1μm以上20μm以下の範囲内である。ヒドロキシ基を有する樹脂成分が、ヒドロキシ基を有し、かつ、セルロースとエーテル結合する基を有するセルロース誘導体であり、アミド構造を有する樹脂成分が、ポリアミド類、又は、ポリアクリルアミド類であり、ピロリドン構造を有する樹脂成分が、ビニルピロリドン構造を有する重合体である。
ヒドロキシ基を有する樹脂成分が、ヒドロキシエチルセルロース、又は、カルボキシメチルセルロースであることが好ましい。ヒドロキシ基を有する樹脂成分が、カルボキシメチルセルロースであることが好ましい。
アミド構造を有する前記樹脂成分が、ポリアクリルアミド類であることが好ましい。ピロリドン構造を有する樹脂成分が、ビニルピロリドン化合物と、酢酸ビニルおよび/またはアクリル誘導体とが共重合してなる重合体であることが好ましい。ピロリドン構造を有する樹脂成分が、ビニルピロリドン化合物と、酢酸ビニルとが、ビニルピロリドン化合物:酢酸ビニルが7:3の質量部で共重合してなる重合体であることが好ましい。
本発明の防曇フィルムは、初期防曇性、長期防曇性、および移行期間での防曇性を併せ持ち、これらの防曇性の耐久性が優れる。
防曇フィルムの断面概略図である。 防曇フィルム製造装置の概略図である。 防曇フィルム製造装置の概略図である。 防曇フィルムの用途の一例を説明する説明図である。
本発明の防曇フィルムは、フィルム基材と、第1の層(以下、中間層という)と、第2の層(以下、樹脂層という)とを備える。図1に示すように、防曇フィルム10は、フィルム基材11と、中間層12と、樹脂層13とを、この順の積層構造によって備える積層フィルムである。防曇フィルム10の形状は限定されず、長尺状であっても、矩形などのシート状であってもよい。また、防曇フィルム10は、さらに他の層を有しても良い。
防曇フィルム10の厚さT10は、10μm以上220μm以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、20μm以上180μm以下の範囲内であり、更に好ましくは、40μm以上150μm以下の範囲内である。厚さT10が10μm以上220μm以下の範囲内であると、フィルム基材11と中間層12と樹脂層13を有した層を形成することができ、かつ、防曇フィルム10を鏡や冷凍ショーケースへ貼り合わせたり、眼鏡、ゴーグル等に貼り合わせて用いる際に取り扱いやすいため好ましい。
フィルム基材11は、防曇フィルム10のベースとなる層であり、中間層12および樹脂層13を支持する支持体として機能する。フィルム基材11はセルロースアシレートで形成される。フィルム基材11は、セルロースアシレートの平衡含水率に従い、温度変化および湿度変化により、吸水と水分放出とを行う。セルロースアシレートは、本実施形態ではセルローストリアセテート(トリアセチルセルロース、以下、TACと称する)であるが、TACに限られず、TACと異なる他のセルロースアシレートであってもよい。フィルム基材11において、中間層12と接する表面が一方の面11a、反対側の表面が他方の面11bである。
セルロースアシレートは、セルロースのヒドロキシ基がカルボン酸でエステル化されたものであるから、アシル基を有する。周知の通り、セルロースのヒドロキシ基がカルボン酸によりエステル化されている割合、つまりアシル基の置換度を、アシル基置換度とする。フィルム基材11に含まれるセルロースアシレートのアシル基置換度は、2.00以上2.97以下の範囲内である。アシル基置換度が上記範囲内であることにより、フィルム基材11の吸水による変形が抑制される。アシル基置換度が小さいほど、セルロースアシレートが吸収する水分量も上がるので、吸水による変形がしやすい。このため、フィルム基材11が含有するセルロースアシレートのアシル基置換度は、2.00以上である。一方、アシル基置換度が2.97を超えるセルロースアシレートは合成が難しい。したがって、アシル基置換度は2.97以下である。フィルム基材11に含まれるセルロースアシレートのアシル基置換度は、2.40以上2.95以下の範囲内が好ましく、2.70以上2.95以下の範囲内がより好ましい。
フィルム基材11を構成するセルロースアシレートのアシル基は、特に限定されず、炭素数が1であるアセチル基であってもよいし、炭素数が2以上のものであってもよい。炭素数が2以上であるアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどがあり、これらは、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることが出来る。
フィルム基材11を構成するセルロースアシレートのアシル基は1種類だけでもよいし、2種類以上であってもよいが、少なくとも1種がアセチル基であることが好ましい。アセチル基を有するセルロースアシレートであることにより、フィルム基材11が水分を吸収しやすいため含水効果等がより良好となる。最も好ましくはアシル基がすべてアセチル基であるセルロースアシレートであること、すなわち、セルロースアシレートがセルロースアセテートであることがより好ましい。
アシル基置換度は、慣用の方法で求めることができる。例えば、アセチル化度(アセチル基置換度)は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算に従って求められる。また、高速液体クロマトグラフィーによるアシル化度(アシル基置換度)分布測定によっても測定できる。この方法の一例としてセルロースアセテートのアセチル化度測定は、試料をメチレンクロライドに溶解し、カラム、Novapac−phenyl(Waters社製)を用い、溶離液であるメタノールと水との混合液(メタノール:水の質量比が8:1)からジクロロメタンとメタノールとの混合液(ジクロロメタン:メタノールの質量比が9:1)へのリニアグラジエントによりアセチル化度分布を測定し、アセチル化度の異なる標準サンプルによる検量線との比較で求める。これらの測定方法は特開2003−201301号公報に記載の方法を参照して求めることができる。セルロースアシレートのアセチル化度の測定は、フィルム基材11から採取した場合は、以下のとおり、添加剤が含まれるため、高速液体クロマトグラフィーによる測定が好ましい。
なお、アシル基置換度は、セルロースのヒドロキシ基へのアシル基の置換度を調整することで変更することができる。セルロースのヒドロキシ基へのアシル基の置換は、一般的には酸無水物及び混合酸無水物を用いる方法等が挙げられる。この内、セルロースアセテートの合成方法の基本的な原理としては、右田他、「木材化学」(共立出版、1968年、180〜190頁)に記載されている。代表的な合成方法は、無水酢酸−酢酸−硫酸触媒による液相酢化法である。具体的には、木材パルプや綿花リンター等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却した酢化混液に投入して酢酸エステル化し、完全セルロースアセテート(2位、3位および6位のアセチル置換度の合計が、ほぼ3)を合成する。上記酢化混液は、一般に、溶媒としての酢酸、エステル化剤としての無水酢酸および触媒としての硫酸を含む。無水酢酸は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが普通であるため、酢化反応終了後に、系内に残存している過剰の無水酢酸の加水分解およびエステル化触媒の一部の中和を中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)により行う。次に、得られた完全セルロースアセテートを少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下でけん化熟成し、特定のアセチル置換度および重合度を有するセルロースアセテートまで変化させる。特定のセルロースアセテートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは、中和することなく、水または希硫酸中にセルロースアセテート溶液を投入してセルロースアセテートを分離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアセテートを得る。
フィルム基材11は、添加剤として、可塑剤、紫外線吸収剤、フィルム基材11同士の貼り付きを防止するいわゆるマット剤としての微粒子等などを含むことができる。添加剤としては公知の種々のものを用いることができる。可塑剤としては、例えば、トリフェニルアセテート(TPP)、ビフェニルジフェニルフォスフェート(BDP)、糖のエステル誘導体、エステルオリゴマー、アクリルポリマーなどがあげられる。また、紫外線吸収剤としては、紫外線吸収性を発現できるもので、公知のものがいずれも使用でき、例えば、ベンゾフェノン骨格、ベンゾトリアゾール骨格、トリアジン骨格などを有する紫外線吸収剤が好適に挙げられる。添加剤の種類と量とを調節することによりフィルム基材11の含水率を調整し、またけん化処理により形成する中間層厚みを調整することができる。その結果、樹脂層13に含まれた水分が中間層12およびフィルム基材11に移行して樹脂層13の脱落を抑え防曇効果の耐久性を改善することができ、また中間層12とフィルム基材11の吸水能向上により防曇性を改善することができる。好ましい添加剤としては糖のエステル誘導体、エステルオリゴマーが挙げられる。これらの添加剤の含有量は、セルロースアシレートの質量を100とするときに、1以上50以下の範囲内であることが好ましく、2以上30以下の範囲内であることがより好ましい。
フィルム基材11の厚さT11は、8μm以上210μm以下の範囲内、好ましくは、30μm以上200μm以下の範囲内が好ましい。厚さT11が8μm以上210μm以下の範囲内であると、防曇フィルムとして取り扱い易く好ましい。
中間層12は、アシル基置換度がフィルム基材11よりも小さいセルロースアシレートまたはセルロースの層である。本実施形態では、後述のように、基材フィルム11であるTACフィルム14(図2参照)の一方の面14aをけん化処理することにより中間層12が形成されるから、中間層12はフィルム基材11の一方の面11aに設けられる。中間層12には、けん化されたTACが形成されている。
中間層12は、セルロースアシレートのアルカリ加水分解反応であるけん化処理によって形成され、TACに含まれるアシル基が置換反応によりヒドロキシ基になり、アシル基が減少する。すなわち、TACフィルム14(図2参照)におけるアシル基置換度、すなわちフィルム基材11のアシル基置換度よりも、中間層12のアシル基置換度は減少している。そして、ヒドロキシ基をより多く有するセルロースアシレートからなる中間層12は、より高い吸水性を有する。
中間層12のアシル基置換度は、フィルム基材11のアシル基置換度にもよるが、1.50以下であることが好ましい。中間層12のアシル基置換度が、1.50より大きいと、アシル基の割合が大きいことになり、吸水性が十分ではないおそれがある。なお、中間層12のアシル化置換度の下限は、0である。アシル基置換度が0の場合は、セルロースを意味するが、中間層12はセルロースにより形成することもできる。
中間層12が上記のとおり構成されていることにより、防曇フィルム10の表面を形成する樹脂層13が水分を含んだ場合に、樹脂層13に接する中間層12が樹脂層13から吸水し、樹脂層13の含水量を減少させる。これにより、樹脂層13が過剰に含水することによる樹脂層13の流落、脱落などを防止することができる。
中間層12の厚さT12は、0.5μm以上20μm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、2μm以上15μmの範囲内である。厚さT12が0.5μm以上であることにより、0.5μm未満である場合に比べて、中間層12の吸水により、樹脂層13の含水量を減少させる作用をより十分に発揮することができるため、好ましい。一方、20μmより厚い中間層12は、形成しにくい。なお、厚さT12は、本実施形態では以下の方法で求めている。フィルム基材11をけん化処理したフィルム基材11と中間層12とからなる材料からサンプリングした試料を、ジクロロメタンに24時間浸漬する。この浸漬で溶け残った試料を乾燥し、乾燥した試料の厚さを3回測定する。3つの測定値の平均を、厚さT12とする。
樹脂層13(図1参照)は、分子量が30000以上である樹脂成分を含有し、樹脂成分は、ヒドロキシ基、アミド構造、およびピロリドン構造のいずれか1種を有する層である。また、樹脂層13は、中間層12の一方の面12aに形成され、防曇フィルム10の最外層を構成する。樹脂層13は、親水性ポリマーから形成される。したがって、樹脂層13は、防曇フィルム10の表面付近の水滴となりうる水蒸気を吸収し初期防曇性を有する。また、初期防曇性が飽和した後に即座に水膜を形成し、移行期間において水滴が付着することを防ぐ。さらに、樹脂層13から中間層12に水分が移動し長期防曇性を発揮する。また、樹脂層13は、中間層12と親和性を有するため、例えば、含水により樹脂層13が流落したり、脱落したりすることを抑制する。また、樹脂層13に含まれた水分は中間層12に移動し樹脂層13の水分を低く維持でき、分子量が30000以上のため水とともに流落しにくい。さらにまた、樹脂層13は、特定の親水性ポリマーから形成され、水への溶解度が抑えられているため、含水による流落がしにくい。したがって、樹脂層13は、防曇性において耐久性を有する。
樹脂層13は、ヒドロキシ基、アミド構造、およびピロリドン構造のいずれか1種を有し、かつ、分子量が30000以上である重合体を含有する。なお、本明細書において、アミド構造とは、−C(=O)−NH−で表される構造をいう。また、ピロリドン構造とは、以下の式(1)で表される構造をいう。
Figure 0006961790
なお、上記の基または構造を有する重合体とは、重合体においてこれらの基または構造が含まれていればよく、例えば、これらの基または構造が、重合体の主鎖、側鎖およびグラフト重合鎖などのいずれかに含まれることをいう。
ヒドロキシ基を有する重合体としては、セルロース類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシ基含有アクリル重合体等が挙げられる。具体的には、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等のセルロース類;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化によるポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル共重合体等のポリビニルアルコール類;ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリルの重合体もしくは共重合体等のヒドロキシル基含有アクリル重合体等が挙げられる。
これらのうち、ヒドロキシ基を有し、かつ、セルロースとエーテル結合する基を有するセルロース誘導体が好ましい。具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等が挙げられる。セルロースはセルロース構成単位あたりのヒドロキシ基の比率が高いため表面の水膜を形成しやすく、かつセルロースとエーテル結合した炭化水素基を有することでセルロース誘導体自体の水への溶解性を抑制し、初期防曇性を改良しかつ防曇性の耐久性に優れる。なかでも、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)またはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が好ましい。ヒドロキシエチルセルロース(HEC)としては、水溶液であっても、粉末であっても、使用可能である。
アミド構造を有する重合体としては、ポリアミド類、ポリアクリルアミド類等が挙げられ、具体的には、ε‐カプロラクタムの開環重合により得られるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の重縮合により得られるナイロン66等のポリアミド類;アクリルアミドの重合体もしくは他のアクリル誘導体との共重合体等のポリアクリルアミド類等が挙げられる。これらのうち、親水性の高いアクリルアミドと水への溶解性を抑制する他のアクリル誘導体と共重合したアクリルアミド樹脂が防曇効果の耐久性が良好であり好ましい。水の溶解性を抑制するアクリル誘導体とアクリルアミドを共重合したアクリルアミド樹脂の場合は、アクリルアミドが40質量部以上95質量部以下の範囲内であることが好ましい。
ピロリドン構造を有する重合体としては、具体的には、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルエチル−2−ピロリドンなどのビニルピロリドン化合物からなる重合体が挙げられる。これらのうち、ビニルピロリドン構造を有する重合体が好ましい。ビニルピロリドン構造を有する重合体としては、ビニルピロリドン化合物、例えば、上記のN−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルエチル−2−ピロリドンをモノマーとして用いて重合された重合体でも、ビニルピロリドン化合物と他のモノマーとの共重合体でもよい。なかでも、ビニルピロリドン化合物と、酢酸ビニル、およびアクリル誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物とが共重合してなる重合体が好ましい。共重合させるアクリル誘導体としては、ビニルピロリドン化合物と共重合して重合体を形成するアクリル誘導体であれば良く、具体的には、例えば、アクリル酸;メタクリル酸;メチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアクリル酸のアルキルエステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのメタクリル酸のアルキルエステル類などが挙げられる。ピロリドン構造を有するポリビニルピロリドンは中間層12のセルロースアシレートもしくはセルロースとの親和性が高く、防曇効果の耐久性に優れる。また、親水性が高いピロリドン構造を有し、かつ水への溶解性を抑制できる酢酸ビニル、もしくは他のアクリル誘導体と共重合した重合体も好ましく、N−ビニル−2−ピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体が特に好ましい。水の溶解性を抑制する酢酸ビニル、もしくは他のアクリル誘導体と共重合したピロリドン構造を有する重合体の場合は、ピロリドン構造を有する成分が40質量部以上95質量部以下の範囲内であることが好ましい。上記の重合体は、1種でもよいし2種以上を組み合わせて樹脂層13に含有させてもよい。
樹脂層13において、ヒドロキシ基、アミド構造、およびピロリドン構造のいずれか1種を有する重合体に、さらに重合体同士の相互作用を高める添加剤を加えることも好ましい。このような例として、ヒドロキシ基等の親水性基と結合もしくは相互作用する添加剤を加える方法、また、重合体中にカルボキシ基などイオン性基を有する場合には、酸を添加しイオン解離を抑えるなどによりイオン性基間の相互作用を高める方法等があげられる。具体的にはカルボキシメチルセルロースのようなヒドロキシ基とカルボキシ基を有する重合体にクエン酸などの酸を加える方法があげられる。このような方法では、ヒドロキシ基による表面の水膜の形成性と、重合体のカルボキシ基とクエン酸成分による相互作用により防曇性の耐久性とに優れる。
樹脂層13に含有される重合体は、分子量が30000以上である。分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC、Gel Permeation Chromatography)により求めることができる重合体においては、GPCにより求めた数平均分子量であり、GPCにより分子量を求めにくい重合体、例えば、ポリビニルピロリドンなどにおいては、毛細管粘度測定値により求めた粘度平均分子量等である。分子量は、30000以上2000000以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、35000以上1800000以下の範囲内であり、特に好ましくは、40000以上1500000以下の範囲内である。重合体の分子量が30000以上2000000以下の範囲内であると、樹脂層13に含まれた水分が中間層12に移動し樹脂層13の水分を低く維持した結果、水とともに流落しにくくなるため、防曇性の耐久性が優れ好ましい。
樹脂層13は、厚さT13(図1参照)が1μm以上20μm以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、2μm以上18μm以下の範囲内であり、特に好ましくは、5μm以上15μm以下の範囲内である。厚さT13(図1参照)が1μm以上20μm以下の範囲内であると樹脂層13の長期防曇性等の効果が十分に発揮され、防曇フィルム10が防曇性を十分に発揮するため好ましい。また、水分が中間層12へ浸透しやすく、中間層12の吸水作用が十分に発揮されるため、好ましい。なお、厚さT13が20μmより厚い場合には、樹脂層13が水分を含有することにより流落、脱落し、厚さT13が上記範囲内まで減少すると考えられる。この場合は、当然のことながら、本発明の防曇フィルム10としての効果を発揮し、初期防曇性、長期防曇性、および移行期間のすべてにおいて、防曇性が発揮される防曇フィルム10となる。
本実施形態において、中間層12は、中間層形成装置16により形成する。図2に示す中間層形成装置16は、防曇フィルム10の一部である、フィルム基材11と中間層12とからなる防曇フィルム材料18を連続的につくるための装置である。
中間層形成装置16は、送出機20と、けん化ユニット22と、乾燥装置24と、巻取機26とを、防曇フィルム材料18の搬送方向において上流側から順に備える。中間層形成装置16は、さらに、ローラ36とを備える。ローラ36は、複数備えられているが、図2ではふたつのみを図示している。ローラ36は、周面でTACフィルム14または防曇フィルム材料18を下方から支持し、回転軸を中心に回転することで、TACフィルム14または防曇フィルム材料18を搬送する。
TACフィルム14は、周知の溶液製膜方法による製膜装置(図示なし)により製造される。具体的には、上記の製膜装置において、TACを含むポリマー溶液(以下、ドープと称する)を支持体に流延して流延膜を形成し、支持体から流延膜を剥がして乾燥することにより、長尺につくっている。ドープは、TAC、必要に応じて添加される添加剤、および溶剤などから調整される。
送出機20は、長尺のTACフィルム14を連続的に送り出すためのものである。TACフィルム14は巻き芯28にロール状に巻かれた状態で送出機20にセットされ、巻き芯28を回転させることにより、TACフィルム14が連続的に送り出される。
けん化ユニット22は、TACフィルム14を連続的にけん化することにより防曇フィルム材料18にするためのものである。けん化ユニット22は、塗布装置30と、赤外線ヒータ32と、洗浄装置34と、を備える。
塗布装置30は、けん化液38をTACフィルム14の一方の面14aに塗布するためのものである。塗布装置30は、供給されてくるけん化液38を、一方の面14aに対向した流出口30aから連続的に流出する。搬送されているTACフィルム14に、塗布装置30がけん化液38を連続的に流出することにより、一方の面14aにけん化液38が連続的に塗布される。けん化処理の方法としては、本実施形態のように、けん化液38を塗布により付与する手法の他に、浸漬により付与する手法などが挙げられる。TACフィルム14(図2参照)をけん化処理することにより形成される層が中間層12(図1参照)であり、このけん化処理によりけん化されなかった残部のTACフィルムがフィルム基材11(図1参照)である。したがって、フィルム基材11は、けん化されたTACを含まず、中間層12はけん化されたTACを含む。
けん化液38は、TACフィルム14の一方の面をけん化して、中間層12(図1参照)を形成するためのものであり、アルカリが含まれる。アルカリは、本実施形態では水酸化カリウム(KOH)であるが、これに限られず、KOHに代えて水酸化ナトリウム(NaOH)でもよい。この例では、けん化液38は、アルカリに加え、溶媒を含む。溶媒としては、水および有機溶剤を含む。有機溶剤は、アルコール類、エーテル類、アミド類、およびスルホキシド類からなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。アルコール類としては、炭素数が2以上8以下のアルコールが好ましい。炭素数が2以上8以下のアルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、1−ブタノール、ヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタエリトリトール等が挙げられる。なかでも、イソプロピルアルコールが特に好ましく、本実施形態でもイソプロピルアルコールを使用している。エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。スルホキシド類としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
有機溶剤は、溶媒としての作用に加え、TACフィルム14へのアルカリのしみこみを促進する作用を有する。この例では、アルコールが使用され、けん化液38の塗布によりアルカリとアルコールがと塗布される。この態様に限定されず、例えば、アルコールとアルカリの水溶液とを逐次に塗布する手法でもよい。この場合には、アルコールの塗布の後にけん化液を塗布する方がより好ましい。
アルコールは、一方の面14aに、一方の面14aの面積1m2あたり少なくとも17gの量で、すなわち17g/m2以上の塗布量で、塗布する。アルコールの塗布量は、17g/m2以上39.6g/m2以下の範囲内であることが好ましく、22g/m2以上39.6g/m2以下の範囲内であることがより好ましく、33.4g/m2以上39.6g/m2以下の範囲内であることがさらに好ましい。
アルカリは、一方の面14aに、一方の面14aの面積1m2あたり少なくとも0.3gの量で、すなわち0.3g/m2以上の塗布量で、塗布する。これにより、フィルム基材11へアルカリが確実に迅速にしみこむ。アルカリのアルコールの塗布量は、0.3g/m2以上1.3g/m2以下の範囲内であることが好ましく、0.6g/m2以上1.3g/m2以下の範囲内であることがより好ましく、0.7g/m2以上1.3g/m2以下の範囲内であることがさらに好ましい。
赤外線ヒータ32は、TACフィルム14を加熱することにより、所定の温度範囲内に所定の時間保持するためのものである。赤外線ヒータ32は、赤外線を射出する射出面が、搬送されるTACフィルム14に対向する状態に設けられている。赤外線ヒータ32は、けん化液38から形成された塗膜40が形成されている一方の面14aに対向する状態に配されていてもよいが、アルカリが一方の面14a側からより確実に、より効率的にしみこむことから、図2に示す本実施形態のように、一方の面14aとは反対側のフィルム面である他方の面14bと対向する状態に配されることが好ましい。
赤外線ヒータ32の代わりに、または、これに加えて、TACフィルム14に加熱された気体を吹き付ける吹き付けタイプの送風装置や、TACフィルム14の搬送路をチャンバで囲んでこのチャンバに加熱された気体を供給するチャンバ式送風装置などを用いてもよい。
初期防曇性を向上させるために、赤外線ヒータ32での加熱により一方の面14aを、40℃以上80℃以下の温度に、20秒以上120秒以内の時間、保持する。40℃以上に保持することにより、40℃未満である場合に比べて、けん化が迅速にすすみ、また、厚さT12がより大きい中間層12が形成されるので、初期防曇性が確実に発現する。80℃以下に保持することにより、80℃より高い場合に比べて、アルコールの蒸発が確実に抑えられて中間層12が確実に形成される。保持する温度は、40℃以上70℃以下の範囲内であることがより好ましく、50℃以上70℃以下の範囲内であることがさらに好ましい。
上記の温度範囲に保持する時間は、20秒以上120秒以内とする。20秒以上とすることにより、20秒未満である場合に比べて、けん化が迅速にすすみ、また、厚さT12(図1参照)がより大きい中間層12が形成されるので、給水能力がより明確に発現する。120秒以内にすることで、適度な厚みのけん化層を形成することができる。上記の温度範囲に保持する時間は、30秒以上100秒以内であることがより好ましく、30秒以上50秒以内であることがさらに好ましい。
洗浄装置34は、TACフィルム14を洗浄することによりけん化を停止させるためのものである。洗浄装置34は、塗膜40が形成されている一方の面14a側に水を吹きつけるスプレー式洗浄機を備える。水の吹き付けにより、アルカリは迅速にTACフィルム14から除去される。
洗浄装置34を経たTACフィルム14には中間層12が形成されており、このTACフィルム14を乾燥装置24へ案内することにより、乾燥する。乾燥装置としては、本実施形態では、搬送路をチャンバで囲んでこのチャンバに加熱された気体を供給するチャンバ式乾燥装置を用いているが、特に限定されない。この乾燥により、含まれている水が蒸発し、防曇フィルム材料18が長尺に得られる。防曇フィルム材料18は、巻取機26に案内され、セットされている巻き芯42に、ロール状に巻かれる。巻き芯42に巻き取られた後、樹脂層形成装置44(図3参照)に送られる。樹脂層形成装置44(図3参照)において、巻き芯42に巻き取られた防曇フィルム材料18が提供され、防曇フィルム材料18の一方の面12aに樹脂層13が形成されることにより、防曇フィルム10が製造される。
樹脂層13(図1参照)は、中間層12の面のうちフィルム基材11と接する他方の面12b(図1参照)と反対の一方の面12a(図1参照)に設けられる。樹脂層13の形成方法としては、フィルム基材11および/または中間層12の機能を損なわず、一方の面12aに形成できる方法であれば、いずれの方法でも適用可能である。したがって、例えば、樹脂層13を形成する重合体を含有した塗布用組成物41を、一方の面12aに塗布することにより形成してもよいし、この塗布用組成物41等から形成したフィルムを、一方の面12aに貼り付けることにより形成してもよい。樹脂層13は、中間層12と剥離などのおそれがなく良好に形成される。上記したような樹脂層13と中間層12とから構成されていることから、両者が親和性を有し、強固に結びついているためと考えられる。
本実施形態では、塗布用に調製した塗布用組成物41を一方の面12aに塗布することにより樹脂層13を形成している。樹脂層13は、図3に示す樹脂層形成装置44により製造することができる。図3に示す樹脂層形成装置44は、前述の防曇フィルム材料18(図2参照)に樹脂層13を形成して、防曇フィルム10を連続的に製造するための装置である。防曇フィルム材料18を製造する中間層形成装置16と、防曇フィルム材料18に樹脂層13を形成することにより防曇フィルム10を製造する樹脂層形成装置44は、それぞれ、別に用いて、いわば、バッチ式に製造しても良いし、これらの装置を接続し連続して用いて、連続式に防曇フィルム10を製造しても良い。
また、防曇フィルム10により最終的に製造する製品などにより、長尺の防曇フィルム材料18をシート状に切り分けたものに対して、塗布用組成物41を、通常用いられる手段によって塗布することもできる。上記手段としては、例えば、バー塗布、ギーサー塗布、スピンコート等が挙げられる。また、塗布用組成物41をシート状に切り分けたものに対して、スプレー法や、布に塗布用組成物41を浸し防曇フィルム10に塗りつけたのち乾かす、もしくは乾いた布で均一に広げる、といった方法で塗布することもできる。
樹脂層形成装置44は、送出機46と、樹脂層形成ユニット48と、乾燥装置49と、巻取機51とを、防曇フィルム10の搬送方向において上流側から順に備える。
送出機46は、長尺の防曇フィルム材料18を連続的に送り出すものである。防曇フィルム材料18は巻き芯42にロール状に巻かれた状態で送出機46にセットされ、巻き芯42を回転させることにより防曇フィルム材料18を連続的に送り出す。
樹脂層形成ユニット48は、防曇フィルム材料18の一方の面12aに連続的に樹脂層13を形成するためのものである。樹脂層形成ユニット48は、塗布装置50と、赤外線ヒータ52と、ローラ54とを備える。ローラ54は、複数備えられているが、図3ではひとつのみを図示している。このローラ54は、周面で防曇フィルム材料18を下方から支持し、回転軸を中心に回転することで、防曇フィルム材料18を搬送する。
塗布装置50は、樹脂層13を形成するための塗布用組成物41を防曇フィルム材料18の中間層12側の一方の面12aに塗布するためのものである。塗布装置50は、供給されてくる塗布用組成物41を、一方の面12aに対向した流出口50aから連続的に流出する。なお、図3において、塗布用組成物41は「組成物」と記載している。搬送されている防曇フィルム材料18に、塗布装置50が塗布用組成物41を連続的に流出することにより、一方の面12aに塗布用組成物41が連続的に塗布される。
赤外線ヒータ52は、防曇フィルム材料18を加熱することにより、塗布用組成物41に含有される組成物を硬化させるためのものである。赤外線ヒータ52は、赤外線を射出する射出面が、搬送される防曇フィルム材料18に対向するように設けられている。赤外線ヒータ52は、塗布用組成物41から形成された塗膜56が形成されている一方の面12aに対向するように配されていてもよく、図3に示す本実施形態のように、一方の面12aとは反対側のフィルム面であるフィルム基材11の他方の面11bと対向する状態に配されてもよい。
赤外線ヒータ52の代わりとして、または、これに加えて、防曇フィルム材料18に送風装置や、チャンバ式送風装置などを用いてもよいことは、上記にて中間層形成装置16(図2参照)において説明したのと同様である。
赤外線ヒータ52を経た防曇フィルム材料18には、樹脂層13が形成されており、この防曇フィルム材料18を乾燥装置49へ案内して、乾燥する。乾燥装置としては、本実施形態では、前述したとおりチャンバ式乾燥装置を用いているが、特に限定されない。この乾燥により、含まれている溶剤が蒸発し、防曇フィルム10が長尺に得られる。防曇フィルム10は、巻取機51に案内され、セットされている巻き芯58に、ロール状に巻かれる。なお、フィルム基材11に中間層12と樹脂層13とを形成する順番は、これに限られない。例えば、フィルム基材11、中間層12、および樹脂層13をそれぞれ独立したフィルムとして形成しておき、樹脂層13に中間層12を貼付けた後に、フィルム基材11を貼り付けてもよく、また、また、フィルム基材11と、中間層12と、樹脂層13とを同時にラミネートすることにより形成してもよい。
図4に示すように、本実施形態の防曇フィルム10の使用方法の一例である防曇フィルム貼付ガラス60は、板ガラス62の一方の面に、接着層64を介して、防曇フィルム10を裁断した後、貼着している。接着層64としては、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられ、本実施形態では、アクリル系粘着剤を用いている。板ガラス62は、厚さ5mmの、いわゆるフロートガラスである。例えば、このガラスを浴室の鏡に用いることにより、曇り防止が必要な各種環境全てで十分な曇り防止効果を奏する鏡とすることができる。
本発明の防曇フィルム10は、上記のとおり、フィルム基材11、中間層12、および樹脂層13が組み合わされた構成とされていることから、防曇フィルム10として以下のような作用を奏する。すなわち、フィルム基材11が特定のセルロースアシレートで形成されるため、吸水と水分放出を行いながら変形が少なく、その他の層の支持体として優れる。そして、中間層12が特定のセルロースアシレートまたはセルロースで形成されるため、優れた吸水性を発揮する。さらに、中間層12と接するフィルム基材11および樹脂層13と相互に作用するため、これらの層から構成される防曇フィルム10の耐久性が優れる。そして、樹脂層13が、特定の分子量を有する親水性ポリマーで形成されるため、中間層12およびフィルム基材11により、過剰な水分を含水することによる流落が抑制され、長期防曇性の耐久性を有する。したがって、防曇フィルム10は、吸水性による初期防曇性が優れ、樹脂層13により移行期間の防曇性を有し、また優れた長期防曇性が耐久性を有するので、防曇性能が優れる。さらに、各層が強固に保たれ、防曇フィルム10自体の変形が少なく、例えば変形による樹脂層13の脱落等を抑制でき、耐久性を有する。
また、樹脂層13が、ビニルピロリドン構造を有する重合体、アミド構造を有する重合体、または特定のセルロース誘導体を有することから、樹脂層13の親水性能と強度との両者が優れる。さらに、樹脂層13が、ビニルピロリドン化合物と特定の化合物との共重合体からなることにより、特に親水性能と強度とが向上する。
また、中間層12の厚さが、上記した特定の範囲内であると、上記3層が組み合わされた際に、防曇フィルム10として、各種環境においてより確かな防曇性能を発揮するため、好ましい。
また、防曇フィルム10において、用途による各層の厚さの組み合わせとしては、各層の材料にもよるが、一例として、フィルム基材11が38μm、中間層12が2μm、樹脂層13が5μmの組み合わせは取り扱い易さが必要な洗面化粧台の鏡への貼り合わせ用途、フィルム基材11が115μm、中間層12が10μm、樹脂層13が10μmの組み合わせは防曇性能が必要な浴室鏡への貼り合わせ用途、フィルム基材11が180μm、中間層12が15μm、樹脂層13が10μmの組み合わせは強度の必要な眼鏡やゴーグル用途、と用途による防曇性や防曇フィルム取り扱い性によって選択できる。また、冷凍ショーケースへの貼り合わせ用途では、樹脂層13にセルロース誘導体を用いると冷凍防曇性能が良好で好ましい。なお、冷凍防曇性能とは、後述するような、冷凍庫等の低温環境における防曇性能をいう。
以下、本発明の実施例と、本発明に対する比較例とを挙げる。
[製造例]
溶液製膜装置(図示なし)により、幅が1.5mのTACフィルムを製造し、2000mの長さを巻取機により巻き取り、実施例に用いた。TACフィルムの材料であるドープの処方は下記の通りである。下記の固形分とは、TACフィルムを構成する固体成分である。
固形分の第1成分 100質量部
固形分の第2成分 15質量部
固形分の第3成分 1.3質量部
ジクロロメタン(溶媒の第1成分) 635質量部
メタノール(溶媒の第2成分) 125質量部
固形分の第1成分は、セルロースアシレートであり、このセルロースアシレートは、すべてのアシル基がアセチル基であり、粘度平均重合度が320である。セルロースアシレートのアシル基置換度は2.86である。
固形分の第2成分は、可塑剤である。可塑剤は、アジピン酸とエチレングリコールとのエステルを繰り返し単位とするオリゴマー(末端官能基定量法による分子量は1000)である。固形分の第3成分は、シリカの微粒子であり、日本アエロジル(株)製のR972である。
ドープは、以下の方法でつくった。まず、固形分の第1成分と、第2成分と、ジクロロメタンとメタノールとの混合物である溶媒とをそれぞれ密閉容器に投入し、密閉容器内で40℃に温度を保持した状態で攪拌することにより、固形分の第1成分と第2成分とを溶媒に溶解した。固形分の第3成分をジクロロメタンとメタノールとの混合物に分散し、得られた分散液を、固形分の第1成分と第2成分とが溶解している溶液が入っている上記密閉容器に入れて分散した。このようにして得られたドープは、静置した後に、30℃に温度を維持した状態でろ紙によりろ過し、その後、脱泡処理をしてから溶液製膜装置(図示せず)での流延に供した。
流延ダイから30℃のドープを流延して流延膜を形成した。形成直後の流延膜に、送風機により100℃の空気を当て、乾燥した流延膜を剥取ローラによりベルトから剥ぎ取った。流延膜は形成してから120秒後に剥ぎ取った。剥取位置における流延膜の溶媒含有率は100質量%であった。剥ぎ取りは、150N/mの張力で行った。この張力は、流延膜の幅1m当たりの力である。形成されたTACフィルムを、ローラ乾燥機に案内し、複数のローラにより長手方向に張力を付与した状態で搬送しながら、乾燥した。長手方向に付与した張力は100N/mであった。この張力は、TACフィルムの幅1m当たりの力である。ローラ乾燥機は、上流側の第1ゾーンと下流側の第2ゾーンとを有し、第1ゾーンは80℃、第2ゾーンは120℃に設定した。TACフィルムを第1ゾーンで5分間搬送し、第2ゾーンで10分間搬送した。巻取機により巻き芯に巻き取られたTACフィルムの溶媒含有率は0.3質量%であった。製造したTACフィルムの厚さは、130μmであった。
上記にて得られたTACフィルムの一方の面14aを、前述した中間層形成装置16により、けん化した後、防曇フィルム材料18を得た。けん化された層である中間層12の厚さは、表1の「中間層厚さ」欄に示す。
[実施例1]〜[実施例11]
樹脂層形成装置44を用いて、防曇フィルム10を製造した。製造例により作成した防曇フィルム材料18を用いた。樹脂層13の材料である塗布用組成物41の種類は下記の通りである。なお、塗布用組成物41の種類、分子量、および樹脂層13の厚さは、それぞれ、表1の「塗布用組成物」欄、「分子量」欄、および「樹脂層厚さ」欄に示す。
塗布用組成物
樹脂成分1 5質量部
溶剤(水) 95質量部
樹脂成分1は、次のとおりである。PVP(ピッツコールK−50)は、ポリビニルピロリドン(ピッツコールK−50、第一工業製薬社製)であり、粉末から5%の水溶液を調整して使用する。分子量は、毛細管粘度測定値である重量平均分子量であり、表1に「PVP(ピッツコールK−50)」と記載する。ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体は、東京化成工業社製ポリ(1−ビニルピロリドン‐酢酸ビニル)共重合体(比率は1−ビニルピロリドン:酢酸ビニルが7:3)であり、分子量は、GPCによる数平均分子量であり、表1に「P(VP−co−AC)」と記載する。HECは、ヒドロキシエチルセルロース(和光純薬工業社製)であり、粉末(水溶液)から5%の水溶液を調整する。分子量は、GPCによる数平均分子量であり、表1に「HEC」と記載する。CMCは、カルボキシメチルセルロース(和光純薬工業社製)であり、エーテル化度が35%であり、分子量は、GPCによる数平均分子量であり、表1に「CMC」と記載する。ポリアクリルアミド樹脂は、荒川化学工業(株)社製ポリストロン117であり、分子量はGPCによる数平均分子量であり、表1に「ポリアクリルアミド樹脂」と記載する。
また、実施例11として、以下の塗布組成物を用いた。クエン酸水溶液はクエン酸(東京化成工業社製)を5質量%の水溶液としたものである。この塗布用組成物は、表1の「塗布組成物」の欄に「CMCとクエン酸」と記載する。
塗布用組成物
カルボキシメチルセルロース 1.2質量部
溶剤(水) 58.8質量部
クエン酸水溶液 40質量部
[評価]
得られた防曇フィルム10について、評価を行った。得られた防曇フィルム10を裁断し、縦10cm、横10cmの大きさのシートとした。各評価の方法及び基準は以下の通りである。各評価結果は表1に示す。
1.曇り防止性
上記シートを45℃の水の水面から15cm上の位置に、樹脂層13が水面と平行になる状態に配置して晒し、30分間目視で観察した。評価の基準は以下の通りである。AまたはBは合格、Cは不合格である。各評価結果は表1の「曇り防止性」欄に示す。
A:一度も曇りを生じない。
B:一時的に曇りを生じたが消失した。
C:曇りが生じ30分後も消失しない。
2.防曇性能の耐久性
ハンドスチーム機(シュアーハンドスチーマー、石崎電機製作所社製)による約100℃の蒸気を、上記シートの樹脂層13に略垂直となるように30分間当てたのち、10分放置して乾燥させた。乾燥後のシートの樹脂層13に略垂直となるように10秒間、呼気を吹きかけた。評価の基準は以下の通りである。AまたはBは合格、Cは不合格である。各評価結果は表1の「防曇性能の耐久性」欄に示す。
A:全く曇りを生じない。
B:一時的に曇りを生じたが瞬時に消失した。
C:はっきりと曇りを生じ、20秒以上消失しなかった。
3.冷凍防曇性
防曇フィルム貼付ガラス60を用いた。板ガラス62として、厚さ5mm、10cm四方のフロートガラス(ソーダ石灰ガラス)を用いた。この板ガラス62と同じ大きさに裁断した上記のシートを、アクリル粘着剤により貼付した。この防曇フィルム貼付ガラス60を−20℃の冷凍庫にて、最低でも1時間、つまり、1時間以上となるように冷却した。その後、25℃、相対湿度50%の環境下にて、防曇フィルム貼付ガラス60を取り出し、曇るまでの時間を測定した。評価の基準は以下の通りである。AまたはBは合格、Cは不合格である。各評価結果は表1の「冷凍防曇性」欄に示す。
A:3分以上経過しても曇らなかった。
B:1.5〜3分以内に曇った。
C:1.5分以内に曇った。
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[比較例1]〜[比較例3]
比較例1〜3は、樹脂層を変えた以外は、実施例と同様にして防曇フィルムを製造した。比較例1では、樹脂層13を形成しなかった。したがって、比較例1の防曇フィルムは、フィルム基材11および中間層12からなる。比較例2では、樹脂層13として、実施例で用いた塗布組成物のうち、樹脂成分をPVP(ピッツコールK−17)とした。PVP(ピッツコールK−17)は、ポリビニルピロリドン(ピッツコールK−17、第一工業製薬社製)であり、分子量は毛細管粘度測定値である重量平均分子量であり、表1に「PVP(ピッツコールK−17)」と記載する。また、比較例3では、樹脂層13として、実施例と同様の塗布組成物を使用し、樹脂成分をPVP(ピッツコールK−50)とした。表1に「PVP(ピッツコールK−50)」と記載する。PVP(ピッツコールK−50)詳細は、実施例に記載したとおりである。なお、比較例3では、中間層12を形成しなかった。したがって、比較例3の防曇フィルムは、フィルム基材11および樹脂層13からなる。
比較例1〜比較例3においても、実施例と同様に評価した。各評価結果は表1に示す。なお、比較例1は樹脂層13を形成していないから、表1の「塗布用組成物」の欄には「無し」と記載し、「分子量」、「防曇性能の耐久性」の各欄には「−」と記載した。また、比較例3は中間層12を形成していないから、表1の「中間層厚さ」の欄には「0」と記載した。
10 防曇フィルム
11 フィルム基材
11a 一方の面
11b 他方の面
12 中間層
12a 一方の面
12b 他方の面
13 樹脂層
14 TACフィルム
14a 一方の面
14b 他方の面
16 中間層形成装置
18 防曇フィルム材料
20 送出機
22 けん化ユニット
24 乾燥装置
26 巻取機
28 巻き芯
30 塗布装置
30a 流出口
32 赤外線ヒータ
34 洗浄装置
36 ローラ
38 けん化液
40 塗膜
41 塗布用組成物
42 巻き芯
44 樹脂層形成装置
46 送出機
48 樹脂層形成ユニット
49 乾燥装置
50 塗布装置
50a 流出口
51 巻取機
52 赤外線ヒータ
54 ローラ
56 塗膜
58 巻き芯
60 防曇フィルム貼付ガラス
62 板ガラス
64 接着層
T10 防曇フィルムの厚さ
T12 中間層の厚さ
T13 樹脂層の厚さ

Claims (6)

  1. アシル基置換度が2.00以上2.97以下の範囲内のセルロースアシレートで形成されたフィルム基材と、
    アシル基置換度が前記フィルム基材よりも小さいセルロースアシレートまたはセルロースで形成され、前記フィルム基材の一方の面に設けられた第1の層と、
    分子量が30000以上である樹脂成分を含有し、前記第1の層の面のうち、前記フィルム基材と接する面と反対の面に設けられた第2の層と、を有し、
    前記樹脂成分は、ヒドロキシ基、アミド構造、およびピロリドン構造のいずれか1種を有し、
    前記第1の層は、厚さが0.5μm以上20μm以下の範囲内であり、
    前記第2の層は、厚さが1μm以上20μm以下の範囲内であり、
    前記ヒドロキシ基を有する前記樹脂成分が、前記ヒドロキシ基を有し、かつ、セルロースとエーテル結合する基を有するセルロース誘導体であり、
    前記アミド構造を有する前記樹脂成分が、ポリアミド類、又は、ポリアクリルアミド類であり、
    前記ピロリドン構造を有する前記樹脂成分が、ビニルピロリドン構造を有する重合体である防曇フィルム。
  2. 前記ヒドロキシ基を有する前記樹脂成分が、ヒドロキシエチルセルロース、又は、カルボキシメチルセルロースである請求項1に記載の防曇フィルム。
  3. 前記ヒドロキシ基を有する前記樹脂成分が、カルボキシメチルセルロースである請求項1に記載の防曇フィルム。
  4. 前記アミド構造を有する前記樹脂成分が、ポリアクリルアミド類である請求項1に記載の防曇フィルム。
  5. 前記ピロリドン構造を有する前記樹脂成分が、ビニルピロリドン化合物と、酢酸ビニルおよび/またはアクリル誘導体とが共重合してなる重合体である請求項1に記載の防曇フィルム。
  6. 前記ピロリドン構造を有する前記樹脂成分が、前記ビニルピロリドン化合物と、前記酢酸ビニルとが、前記ビニルピロリドン化合物:前記酢酸ビニルが7:3の質量部で共重合してなる前記重合体である請求項5に記載の防曇フィルム。
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