JP6958543B2 - チョコレート様食品およびその製造法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、焼成前のチョコレート様食品は、通常のチョコレートと同様に、常温で喫食可能なチョコレート様食品であって且つ、家庭でも可能な平易な方法で焼成することができ、焼成後のチョコレート様食品は、保形性を有し、油脂の分離も少ない、チョコレート様食品を提供することにある。
(1) 米由来製粉素材を含有する、チョコレート様食品、
(2) 米由来製粉素材が、米粉またはα化米粉である、(1)のチョコレート様食品、
(3) 米由来製粉素材を0.5重量%〜30重量%含有する、(1)のチョコレート様食品、
(4) 水分含有量が3重量%未満である、(1)〜(3)のいずれかのチョコレート様食品、
(5) 焼成用である、(4)のチョコレート様食品、
(6) 米由来製粉素材をロールレファイニングより前に配合することを特徴とする、チョコレート様食品の製造法、
である。
(オイルオフ評価)
チョコレートの表面に発生する油染みに対して、油脂分がチョコレートの下部に分離して滞留している状態を、オイルオフの有無として評価した。
○:非常に良好(オイルオフなし)
△:やや不良 (手指への付着、オイルオフがある)
×:不良 (激しいオイルオフ)
(保形性評価)
保形性の有無を評価した。
○:非常に良好(変形なく、加熱前とほぼ同じ高さを保っている)
△:やや不良 (変形はないが、加熱前より高さが非常に下がっている)
×:不良 (変形し、形を留めていない)
(風味評価)
風味を評価した。
○:非常に良好(米由来原料の風味がないレベル)
△:やや不良 (米由来原料の風味をやや感じるレベル)
×:不良 (米由来原料の風味を非常に感じるレベル)
砂糖38部、うるち米粉(日の本穀粉社製、商品名「ル・マロニエ(SOIE LISSE)」)5部を計量、混合し、あらかじめ融解したカカオマス(油分55%)40.1部をミキサー(愛工舎株式会社製AM30)を用いて攪拌しながら添加した。得られたドウ状の生地をロールリファイナー(BUHLER株式会社製「Three−roll mill SDY−300」)により微粉砕し、ロールフレークを得た。得られたロールフレークを16.9部のカカオバターとレシチン0.3部と共にコンチングミキサー(株式会社品川工業所製)にて、55℃に保温しながら中速攪拌し、チョコレート様食品を得た。
このチョコレート様食品をテンパリング後、プラスチック製モールド(20mm×30mm×20mm)に流し込み、5℃で30分間冷却固化し、型抜きして直方体状のチョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例1のうるち米粉をα化米粉(セイシン企業、商品名「おいしいなめらかライスミルク」)に変更して、同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例1のうるち米粉を米由来澱粉(上越スターチ、商品名「モチールアルファー」)に変更して、同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例1のうるち米粉を砂糖に変更して、同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例1のうるち米粉をばれいしょ由来澱粉(松谷化学工業、商品名「スタビローズ1000」)に変更して、同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例1のうるち米粉をタピオカ由来澱粉(日澱化学、商品名「可溶性澱粉CN」)に変更して、同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2、比較例3の配合と評価を表1に示す。
実施例1〜実施例3は、保形性があり、表面の油染み、オイルオフもなく焼成前の形をしっかりととどめているものであった。
なお、保形性が良好で、オイルオフが少ない点で、実施例2が優れていた
比較例1では、保形性が弱く、表面の油染み、オイルオフが発生した。
比較例2では、保形性がなく、表面の油染み、オイルオフがあり焼成前の形をとどめていないものであった。
比較例3では、表面の油染み、オイルオフが多少あり、保形性がなく、焼成前の形をとどめていないものであった。
実施例2のα化米粉を5部のところ20部、砂糖を23部に変更して同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例2のα化米粉を5部のところ2.5部、砂糖を40.5部に変更して同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例2のα化米粉を5部のところ30部、砂糖を13部に変更して同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例2のα化米粉を5部のところ35部、砂糖を8部に変更して同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例2のα化米粉を5部のところ0.3部、砂糖を42.7部に変更して同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
比較の為実施例2と共に、実施例4、実施例5、実施例6、比較例4、比較例5の配合と評価を表2に示す。
実施例4、実施例5、実施例6は、保形性があり、表面の油染み、オイルオフもなく焼成前の形をしっかりととどめているものであった。
なお、実施例4は実施例2同様、良好な風味が得られた。
比較例4は、保形性があり、表面の油染み、オイルオフもなく焼成前の形をしっかりととどめていたが、食感が悪く、米粉由来の独特の風味が出ており、商品価値の劣るものであった。
比較例5は、保形性が弱く、表面の油染み、オイルオフが発生した。
全粉乳11.5部、砂糖45.5部、α化米粉(セイシン企業、商品名「おいしいなめらかライスミルク」)5部を計量、混合し、カカオバター18部をミキサー(愛工舎株式会社製AM30)を用いて攪拌しながら添加した。得られたドウ状の生地をロールリファイナー(BUHLER株式会社製「Three−roll mill SDY−300」)により微粉砕し、ロールフレークを得た。得られたロールフレークを20部のカカオバターとレシチン0.3部と共にコンチングミキサー(株式会社品川工業所製)にて、55℃に保温しながら中速攪拌し、チョコレート様食品を得た。
このチョコレート様食品をテンパリング後、プラスチック製モールド(20mm×30mm×20mm)に流し込み、5℃で30分間冷却固化し、型抜きして直方体状のチョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
全粉乳5.8部、砂糖41.7部、α化米粉(セイシン企業、商品名「おいしいなめらかライスミルク」)5部、カカオバター7部を計量、混合し、あらかじめ融解したカカオマス(油分55%)20部をミキサー(愛工舎株式会社製AM30)を用いて攪拌しながら添加した。得られたドウ状の生地をロールリファイナー(BUHLER株式会社製「Three−roll mill SDY−300」)により微粉砕し、ロールフレークを得た。得られたロールフレークを20.5部のカカオバターとレシチン0.3部と共にコンチングミキサー(株式会社品川工業所製)にて、55℃に保温しながら中速攪拌し、チョコレート様食品を得た。
このチョコレート様食品をテンパリング後、プラスチック製モールド(20mm×30mm×20mm)に流し込み、5℃で30分間冷却固化し、型抜きして直方体状のチョコレート様食品を得た。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例7のα化米粉を砂糖に変更して、同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
実施例8のα化米粉を砂糖に変更して、同様にチョコレート様食品を調製した。得られたチョコレート様食品は、常温での保存流通が可能な耐熱保形性を有し、手にべたつかず良好な食感のチョコレート様食品であった。
得られたチョコレート様食品を170℃のオーブンで15分間焼成し焼成耐性を評価した。
比較の為、実施例7、実施例8、比較例6、比較例7の配合と評価を表3に示す。
実施例7、実施例8は、保形性があり、表面の油染み、オイルオフもなく焼成前の形をしっかりととどめているものであった。
比較例6、比較例7は、保形性がなく、表面の油染み、オイルオフがあり焼成前の形をとどめていないものであった。
Claims (4)
- 水分含量が3重量%未満であり、米粉又はα化米粉を0.75重量%〜10重量%含有する 、チョコレート様食品(ただし、ココアバター300〜400部、砂糖300〜350部、米粉150〜200部、脱脂粉乳50〜150部、ホエー粉25〜45部、大豆の軟リン脂質3〜7部以下の組成を特徴とする栄養チョコレート様食品の態様を除く)。
- 焼成用である、請求項1に記載のチョコレート様食品。
- 米粉又はα化米粉をロールレファイニングより前に配合することを特徴とする、水分含量が3重量%未満であり、米粉又はα化米粉を0.75重量%〜20重量%含有する、チョコレート様食品の製造法。(ただし、ココアバター300〜400部、砂糖300〜350部、米粉150〜200部、脱脂粉乳50〜150部、ホエー粉25〜45部、大豆の軟リン脂質3〜7部以下の組成を特徴とする栄養チョコレート様食品の態様を除く)。
- 焼成用である、請求項3に記載のチョコレート様食品の製造方法。
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