JP6653963B2 - チョコレート菓子 - Google Patents

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Description

本発明は、チョコレート菓子及び該チョコレート菓子の製造に使用するチョコレート菓子用生地に関する発明である。
チョコレートは、菓子の中でも人気のある商品である。チョコレートは、チョコレートのみからなる商品やチョコレート(例えば、板チョコ等)と他の菓子とを組合せた商品(例えば、チョコレートをコーティングしたパン等)に使用されるが、その他の菓子の原料として使用されることも多い。チョコレートを原料とした菓子としては、チョコレートを配合した焼菓子(以下、チョコレート菓子とする。)が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
チョコレート菓子は、チョコレートを小麦粉等の可食物と混合して焼成前の生地に均一に分散させた後、一定の大きさに成形してから焼成するものが多い。従って、焼成前のチョコレート菓子の生地は、チョコレートが可食物に十分に分散していること及び成形しやすいことが必要である。また、チョコレート菓子は、焼成時に高温に曝されるので、焼成前後での形状の変化が小さいことが必要である。また、チョコレート菓子は、通常のチョコレートと異なり、さっくりとした食感を有することが特徴である。
以上のことから、チョコレートの分散性及び成形性の良いチョコレート菓子用生地、並びに焼成前後での保形性及び食感の良いチョコレート菓子の開発が求められていた。
特開2011−152056号公報 特開2014−36631号公報
本発明の目的は、チョコレートの分散性及び成形性の良いチョコレート菓子用生地、並びに保形性及び食感の良いチョコレート菓子を提供することである。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、油脂含量及び油脂の固体脂含量が特定量でかつ、特定の乳化剤を特定量含むチョコレートを、菓子生地に使用することで、チョコレートの分散性及び成形性の良いチョコレート菓子用生地、並びに保形性及び食感の良いチョコレート菓子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、下記チョコレートAを28〜72質量%、下記可食物を28〜72質量%含有するチョコレート菓子用生地である。
チョコレートA:下記乳化剤A及び/又は下記乳化剤Bを含有し、下記(a)〜(d)の条件を満たすチョコレート。
乳化剤A:下記ショ糖混合酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
乳化剤B:ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ポリグリセリンベヘン酸エステル及びソルビタンベヘン酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
ショ糖混合酸エステル:構成脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸を含有するショ糖脂肪酸エステル。
可食物:菓子類及びパン類からなる群から選ばれる1種又は2種以上のフレーク化物又は粉末化物。
(a)チョコレートA中の上記乳化剤Aの含有量が0.01〜2質量%である。
(b)チョコレートA中の上記乳化剤Bの含有量が0.01〜2質量%である。
(c)チョコレートAに含まれる油脂の含有量が30〜65質量%である。
(d)チョコレートAに含まれる油脂の固体脂含量が10℃で60〜90%、20℃で45〜80%、30℃で3〜40%である。
本発明の第2の発明は、前記可食物が菓子類及びパン類からなる群から選ばれる1種又は2種以上のフレーク化物であって、該フレーク化物の粒子径が0.5mm〜5mmである第1の発明に記載のチョコレート菓子用生地である。
本発明の第3の発明は、前記菓子類が焼菓子である第1の発明又は第2の発明に記載のチョコレート菓子用生地である。
本発明の第4の発明は、第1の発明〜第3の発明の何れか1つの発明に記載のチョコレート菓子用生地を焼成したチョコレート菓子である。
本発明の第5の発明は、下記チョコレートAを28〜72質量%、下記可食物を28〜72質量%含有する菓子用生地の製造方法であって、下記チョコレートAと可食物とを混合することを特徴とするチョコレート菓子用生地の製造方法である。
チョコレートA:下記乳化剤A及び/又は下記乳化剤Bを含有し、下記(a)〜(d)の条件を満たすチョコレート。
乳化剤A:下記ショ糖混合酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
乳化剤B:ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ポリグリセリンベヘン酸エステル及びソルビタンベヘン酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
ショ糖混合酸エステル:構成脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸を含有するショ糖脂肪酸エステル。
可食物:菓子類及びパン類からなる群から選ばれる1種又は2種以上のフレーク化物又は粉末化物。
(a)チョコレートA中の上記乳化剤Aの含有量が0.01〜2質量%である。
(b)チョコレートA中の上記乳化剤Bの含有量が0.01〜2質量%である。
(c)チョコレートAに含まれる油脂の含有量が30〜65質量%である。
(d)チョコレートAに含まれる油脂の固体脂含量が10℃で60〜90%、20℃で45〜80%、30℃で3〜40%である。
本発明の第6の発明は、第5の発明に記載のチョコレート菓子用生地の製造方法で製造したチョコレート菓子用生地を焼成することを特徴とするチョコレート菓子の製造方法である。
本発明によると、チョコレートの分散性及び成形性の良いチョコレート菓子用生地、並びに保形性及び食感の良いチョコレート菓子を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地は、下記チョコレートAを30〜70質量%、可食物を30〜70質量%含有することを特徴とする。
また、本発明の実施の形態に係る下記チョコレートAを28〜72質量%、可食物を28〜72質量%含有するチョコレート菓子用生地の製造方法は、下記チョコレートAと可食物とを混合することを特徴とする。
下記チョコレートAを28〜72質量%、可食物を28〜72質量%含有するチョコレート菓子用生地。
チョコレートA:下記乳化剤A及び/又は下記乳化剤Bを含有し、下記(a)〜(d)の条件を満たすチョコレート。
乳化剤A:下記ショ糖混合酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
乳化剤B:ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ポリグリセリンベヘン酸エステル及びソルビタンベヘン酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
ショ糖混合酸エステル:構成脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸を含有するショ糖脂肪酸エステル。
(a)チョコレートA中の上記乳化剤Aの含有量が0.01〜2質量%である。
(b)チョコレートA中の上記乳化剤Bの含有量が0.01〜2質量%である。
(c)チョコレートAに含まれる油脂の含有量が30〜65質量%である。
(d)チョコレートAに含まれる油脂の固体脂含量が10℃で50〜95%、20℃で30〜90%、30℃で1〜50%である。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地は、下記チョコレートAを含有する。
本発明においてチョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)乃至法規上の規定により限定されるものではなく、食用油脂、糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加え、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、調温工程、成形工程、冷却工程等の全部乃至一部)を経て製造され、油脂が連続相をなし、実質的に水を含まない(水分含有量が好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。)食品のことである。また、本発明におけるチョコレートは、ダークチョコレート、ミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート、カラーチョコレートも含む。
本発明においてチョコレート菓子用生地とは、下記チョコレートA、可食物等の原料を混合する等で得られる焼成前の焼菓子用の生地のことである。
また、本発明においてチョコレート菓子とは、本発明のチョコレート菓子用生地を焼成して得られる焼菓子のことである。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地の製造に使用されるチョコレートAは、下記乳化剤A及び/又は下記乳化剤Bを含有し、下記(a)〜(d)の条件を満たすチョコレートである。
乳化剤A:下記ショ糖混合酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
乳化剤B:ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ポリグリセリンベヘン酸エステル及びソルビタンベヘン酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
ショ糖混合酸エステル:構成脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸を含有するショ糖脂肪酸エステル。
(a)チョコレートA中の上記乳化剤Aの含有量が0.01〜2質量%である。
(b)チョコレートA中の上記乳化剤Bの含有量が0.01〜2質量%である。
(c)チョコレートAに含まれる油脂の含有量が30〜65質量%である。
(d)チョコレートAに含まれる油脂の固体脂含量が10℃で50〜95%、20℃で30〜90%、30℃で1〜50%である。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地の製造に使用されるチョコレートAは、下記乳化剤A及び/又は下記乳化剤Bを含有し、好ましくは下記乳化剤A及び下記乳化剤Bを含有する。
チョコレートAの製造に使用される乳化剤Aは、ショ糖混合酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤である。また、乳化剤Aのうちのショ糖混合酸エステルは、好ましくはHLBが5以下であり、より好ましくはHLBが3以下である。なお、本発明において、ショ糖混合酸エステルは、構成脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸を含有するショ糖脂肪酸エステルのことである。チョコレートA中の乳化剤Aの含有量は、0.01〜2質量%であり、好ましくは0.03〜1.5質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%である。チョコレートAに乳化剤Aが使用され、チョコレートA中の乳化剤Aの含有量が前記範囲にあると、チョコレートと可食物との混合が容易になり、チョコレート菓子用生地は、成形性が良くなる。
なお、HLBとは、親水性疎水性バランス(Hydrophile Lipophil
e Balance)の略であって、乳化剤が親水性か親油性かを知る指標となるもので
、0〜20の値をとる。HLB値が小さい程、親油性が強いことを示す。本発明において
、HLB値の算出はアトラス法の算出法を用いる。アトラス法の算出法は、
HLB=20×(1−S/A)
S:ケン化価
A:エステル中の脂肪酸の中和価
からHLBの値を算出する方法を言う。
チョコレートAの製造に使用される乳化剤Bは、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ポリグリセリンベヘン酸エステル及びソルビタンベヘン酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤である。また、乳化剤Bは、好ましくはHLBが5以下であり、より好ましくはHLBが3以下である。チョコレートA中の乳化剤Bの含有量は、0.01〜2質量%であり、好ましくは0.03〜1.5質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%である。チョコレートAに乳化剤Aが使用され、チョコレートA中の乳化剤Aの含有量が前記範囲にあると、チョコレート菓子は、保形性が向上する。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地の製造に使用されるチョコレートAは、含まれる油脂の含有量が30〜65質量%であり、好ましくは35〜60質量%であり、より好ましくは40〜58質量%である。チョコレートAに含まれる油脂の含有量が前記範囲にあると、チョコレートと可食物との混合が容易になり、チョコレート菓子用生地は、成形性が良くなる。
なお、本発明においてチョコレートに含まれる油脂とは、チョコレートに含まれる全油脂分のことであり、配合される油脂の他に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳等)に含まれる油脂(ココアバター、乳脂等)も含む。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地の製造に使用されるチョコレートAは、含まれる油脂の固体脂含量(以下、SFCとする。)が10℃で50〜95%、20℃で30〜90%、30℃で1〜50%であり、好ましくは10℃で55〜95%、20℃で40〜80%、30℃で3〜45%であり、より好ましくは10℃で60〜90%、20℃で45〜80%、30℃で3〜40%である。チョコレートAに含まれる油脂のSFCが前記範囲にあると、チョコレート菓子は、保形性及び食感が良くなる。
なお、油脂のSFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9−2003 固体脂含量(NMR法)」等の従来公知の方法で測定することができる。
チョコレートAの製造に使用される原料油脂は、SFCが前記範囲であれば、特に制限されることはない。チョコレートAに使用される原料油脂としては、パーム油、パーム分別油(パーム分別軟質油(パームオレイン、パームスーパーオレイン等)、パーム中融点部、パーム分別硬質油(パームステアリン等)等)、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、ヤシ油、パーム核油、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、ココアバター等やこれらの混合油、加工油脂等の通常の食用油脂が挙げられる。
チョコレートAの製造に使用される原料油脂は、好ましくはノンテンパリング型ハードバターであり、より好ましくはラウリン酸型のノンテンパリング型ハードバターである。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、含まれる油脂がノンテンパリング型ハードバターを好ましくは80質量%以上含有し、より好ましくは85質量%以上含有し、更に好ましくは85〜98質量%含有する。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地の製造に使用されるチョコレートAは、乳化剤、油脂、糖類以外にも、チョコレートに一般的に配合される原料を使用することができる。具体的には、例えば、糖類(糖類としては、例えば、ショ糖(砂糖、粉糖)、乳糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、還元澱粉糖化物、液糖、酵素転化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖ポリデキストロース、オリゴ糖、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトース、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラフィノース、デキストリン等)、全脂粉乳、脱脂粉乳等の乳製品、カカオマス、ココアパウダー等のカカオ成分、大豆粉、大豆蛋白、果実加工品、野菜加工品、抹茶粉末、コーヒー粉末等の各種粉末、ガム類、澱粉類、酸化防止剤、着色料、香料等を使用することができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地の製造に使用されるチョコレートAは、50℃での粘度が好ましくは100〜5000cP(センチポアズ)であり、より好ましくは100〜4000cPであり、更に好ましくは100〜3000cPである。なお、本発明において、粘度はBM粘度計(例えば、東機産業製等)で測定した値である。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地の製造に使用されるチョコレートAは、好ましくは微粒化工程を経て製造されたものである。本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地の製造に使用されるチョコレートAは、好ましくは粒子径が30μm以下である。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地の製造に使用されるチョコレートAは、好ましくはノンテンパリング型チョコレートである。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地は、前記チョコレートAを28〜72質量%含有し、好ましくは30〜70質量%含有し、更に好ましくは35〜65質量%含有する。チョコレート菓子用生地が前記チョコレートAを前記範囲で含有すると、チョコレートと可食物との混合が容易となり、チョコレート菓子用生地は、成形性が良くなる。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地は、可食物を30〜70質量%含有し、好ましくは35〜60質量%含有し、更に好ましくは40〜60質量%含有する。チョコレート菓子用生地が可食物を前記範囲で含有すると、チョコレートと可食物との混合が容易となり、チョコレート菓子用生地は、成形性が良くなる。なお、本発明において、可食物とは、前記チョコレートA以外の食材のことである。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地の製造に使用される可食物は、好ましくは菓子類、パン類である。可食物として使用される菓子類の具体例は、焼菓子(ケーキ(スポンジケーキ、バターケーキ)、カステラ、どら焼き、シュー菓子、マカロン、クッキー、ビスケット、クラッカー、乾パン、プレッツェル、パフ、米菓、スナック菓子等)、揚げ菓子(ドーナツ、ポテトチップ、米菓、スナック菓子等)、蒸し菓子(蒸しケーキ、蒸しパン、マーラーカオ等)等である。また、可食物として使用されるパン類の具体例は、食パン、菓子パン、クロワッサン、デニッシュ等である。可食物として使用される菓子類、パン類の具体例は、1種又は2種以上を使用することができる。可食物として使用される菓子類、パン類は、好ましくはフレーク状にしたもの(以下、フレーク化物とする。)又は粉末状にしたもの(以下、粉末化物とする。)を使用する。可食物として使用される菓子類、パン類がフレーク化物を使用する場合、粒子径は、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは0.5mm〜5mmである。また、可食物として使用される菓子類、パン類が粉末化物を使用する場合、粒子径は、好ましくは2mm以下であり、より好ましくは0.5mm〜2mmである。可食物として使用される菓子類、パン類は、製品以外にも、製造工程の過程で発生する残余生地を使用することもできる。菓子類、パン類の製造工程の過程で発生する残余生地は、通常、廃棄物として廃棄されるため、本発明では、廃棄物を有効活用することもできる。
また、本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地に使用される可食物としては、通常、焼菓子の製造に使用される原料を使用することもできる。可食物のうちの焼菓子の製造に使用される原料の具体例としては、ナッツ類(アーモンド、マカデミアナッツ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ等)、穀粉(小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、大豆粉等)、澱粉(コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉等)、加工澱粉(α化澱粉、エーテル架橋澱粉、リン酸架橋澱粉等)、油脂類(マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング等)、糖類(砂糖、乳糖、イソマルツロース、マルチトール、マンニトール、トレハロース、麦芽糖、ブドウ糖等)、卵類(全卵、卵黄、卵白等)、乳製品(全脂粉乳、脱脂粉乳、牛乳等)、食物繊維、呈味成分、洋酒、塩類、膨張剤、乳化剤、保存料、着色料、酸味料、香料、酸化防止剤、水等が挙げられる。これらの焼菓子の製造に使用される原料は、1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地は、可食物を28〜72質量%含有し、好ましくは30〜70質量%含有し、更に好ましくは35〜65質量%含有する。チョコレート菓子用生地が可食物を前記範囲で含有すると、チョコレートと可食物との混合が容易となり、チョコレート菓子用生地は、成形性が良くなる。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地は、前記チョコレートA及び可食物を前記範囲で配合する以外、前記チョコレートAと可食物とを前記範囲で混合することで製造することができる。また、本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地は、好ましくは微粒化工程を経ずに製造される。なお、ここでの微粒化工程とは、チョコレートの製造時に行われる微粒化処理の工程のことである。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地は、後述するチョコレート菓子の製造に使用される。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地は、チョコレートの分散性及び成形性が良い。なお、本発明において、チョコレートの分散性が良いとは、チョコレートが可食物に分散しやすく、十分に分散していることである。また、本発明おいて、成形性が良いとは、焼成前の生地を所望の大きさ及び形状に成形しやすいことである。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子は、本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地を焼成したことを特徴とする。
また、本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子の製造方法は、チョコレート菓子用生地の製造方法で製造したチョコレート菓子用生地を焼成することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子は、本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子用生地を焼成することで製造することができる。チョコレート菓子用生地の焼成方法を含めたチョコレート菓子の製造方法は、特に制限されることなく、従来公知の焼菓子の製造方法を採用することができる。具体的には、例えば、チョコレート菓子用生地を所望の大きさ、形状に成形した後、オーブン等での直焼きや電子レンジ等での高周波加熱等により焼成する。
本発明の実施の形態に係るチョコレート菓子は、保形性及び食感が良い。なお、本発明において、保形性が良いとは、焼成前後での形状の変化が小さいことである。また、本発明において、食感が良いとは、さっくりとした食感を有することである。
次に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例になんら制限されるものではない。
油脂及び乳化剤は以下のものを使用した。なお、下記油脂a及び油脂bは、ラウリン酸型のノンテンパリング型ハードバターである。
乳化剤A1(ショ糖混合酸エステル(構成脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸を含有する。)、HLB3以下)
乳化剤A2(ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル)
乳化剤B1(ショ糖ステアリン酸エステル、HLB3以下)
乳化剤B2(ポリグリセリンベヘン酸エステル、HLB3以下)
乳化剤B3(ソルビタンベヘン酸エステル、HLB3以下)
油脂a(ヤシ油)
油脂b(パーム核硬化油(融点34℃))
油脂c(大豆白絞油)
表1〜表2の配合で常法(混合、微粒化、精練、冷却)により例1〜例11のチョコレート(ノンテンパリング型チョコレート)を製造した。全ての例のチョコレートは、粒子径が30μm以下、水分含有量が3質量%以下だった。なお、チョコレートの粘度は、BM型粘度計(東機産業社製)を用いて、50℃の粘度を測定した。また、配合の単位は質量部であり、乳化剤、油脂及びラウリン酸型のノンテンパリング型ハードバターの含有量の単位は質量%であり、油脂のSFCの単位は%であり、粘度の単位はcPである。
Figure 0006653963
Figure 0006653963
表3〜表5に示した配合で、下記製造手順の1〜4に従って、チョコレート菓子用生地を製造した。製造したチョコレート菓子用生地を用いて、下記製造手順の5、6に従って、チョコレート菓子を製造した。チョコレート菓子用生地の分散性及び成形性とチョコレート菓子の保形性及び食感を以下の評価基準で評価した。評価は、◎又は○の場合を合格とした。評価結果を表3〜表5に示した。
<製造手順>
1.スポンジケーキを120℃で3時間乾燥した後、カットミキサーでスポンジケーキ
の粒子径が0.5〜5mmになるまで粉砕し、フレーク化物を得る。
2.各チョコレートを融かし、30℃程度に調温する。
3.融かしたチョコレートに、2で得たスポンジケーキのフレーク化物を加えて、卓上
ミキサー(速度1)で5分間混合して、生地を一纏まりにする。
4.3で得た生地を厚さ2cmに伸ばし、一晩置く。
5.一晩置いた生地を2cm×2cmの大きさにカットする。
6.カットした生地をオーブン(上火140℃、下火140℃)で25分間焼成する。
<分散性の評価基準>
◎:チョコレートの生地への分散が非常に良く、均一である。
○:チョコレートの生地への分散が良く、均一である
△:チョコレートの生地への分散がやや悪く、不均一である
×:チョコレートの生地への分散が悪く、不均一である
<成形性>
◎:生地が非常に成形しやすい
○:生地が成形しやすい
△:生地がやや成形しにくい
×:生地が成形しにくい
<保形性>
◎:焼成前後での形状の変化が小さい
○:焼成前後での形状の変化がやや小さい
△:焼成前後での形状の変化がやや大きい
×:焼成前後での形状の変化が大きい
<食感>
◎:非常にさっくりしている
○:さっくりしている
△:ややさっくりしている
×:さっくりしていない
Figure 0006653963
Figure 0006653963
Figure 0006653963
表3〜表5から分かるように、実施例のチョコレート菓子用生地は、チョコレートの分散性及び成形性が良かった。また、実施例のチョコレート菓子は、保形性及び食感が良かった。
一方、表4〜表5から分かるように、比較例のチョコレート菓子用生地及びチョコレート菓子は、全ての評価項目が良好であるものではなかった。

Claims (6)

  1. 下記チョコレートAを28〜72質量%、下記可食物を28〜72質量%含有するチョコレート菓子用生地。
    チョコレートA:下記乳化剤A及び/又は下記乳化剤Bを含有し、下記(a)〜(d)の条件を満たすチョコレート。
    乳化剤A:下記ショ糖混合酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
    乳化剤B:ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ポリグリセリンベヘン酸エステル及びソルビタンベヘン酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
    ショ糖混合酸エステル:構成脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸を含有するショ糖脂肪酸エステル。
    可食物:菓子類及びパン類からなる群から選ばれる1種又は2種以上のフレーク化物又は粉末化物。
    (a)チョコレートA中の上記乳化剤Aの含有量が0.01〜2質量%である。
    (b)チョコレートA中の上記乳化剤Bの含有量が0.01〜2質量%である。
    (c)チョコレートAに含まれる油脂の含有量が30〜65質量%である。
    (d)チョコレートAに含まれる油脂の固体脂含量が10℃で60〜90%、20℃で45〜80%、30℃で3〜40%である。
  2. 前記可食物が菓子類及びパン類からなる群から選ばれる1種又は2種以上のフレーク化物であって、該フレーク化物の粒子径が0.5mm〜5mmである請求項1に記載のチョコレート菓子用生地。
  3. 前記菓子類が焼菓子である請求項1又は請求項2に記載のチョコレート菓子用生地。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のチョコレート菓子用生地を焼成したチョコレート菓子。
  5. 下記チョコレートAを28〜72質量%、下記可食物を28〜72質量%含有する菓子用生地の製造方法であって、下記チョコレートAと可食物とを混合することを特徴とするチョコレート菓子用生地の製造方法。
    チョコレートA:下記乳化剤A及び/又は下記乳化剤Bを含有し、下記(a)〜(d)の条件を満たすチョコレート。
    乳化剤A:下記ショ糖混合酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
    乳化剤B:ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ポリグリセリンベヘン酸エステル及びソルビタンベヘン酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤。
    ショ糖混合酸エステル:構成脂肪酸としてパルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸を含有するショ糖脂肪酸エステル。
    可食物:菓子類及びパン類からなる群から選ばれる1種又は2種以上のフレーク化物又は粉末化物。
    (a)チョコレートA中の上記乳化剤Aの含有量が0.01〜2質量%である。
    (b)チョコレートA中の上記乳化剤Bの含有量が0.01〜2質量%である。
    (c)チョコレートAに含まれる油脂の含有量が30〜65質量%である。
    (d)チョコレートAに含まれる油脂の固体脂含量が10℃で60〜90%、20℃で45〜80%、30℃で3〜40%である。
  6. 請求項5に記載のチョコレート菓子用生地の製造方法で製造したチョコレート菓子用生地を焼成することを特徴とするチョコレート菓子の製造方法。
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