JP6940815B2 - 硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性および耐剥離性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents
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Description
これに対し、例えば、特許文献2では、合金工具鋼や軸受鋼の焼き入れ材など高硬度鋼の高速切削加工に用いた際においても、すぐれた耐摩耗性を発揮する被覆工具として、炭化タングステン基の超硬合金基体表面に、下部層として組成式:(Al1−XTiX)N(ただし、原子比で、Xは0.25〜0.60を示す)を満足するAlとTiの複合窒化物層からなる下部層を有し、前記下部層の上には、ZrBN(硼窒化ジルコニウム)層からなる密着接合層を有し、さらに、前記密着接合層の上には、ZrB2(硼化ジルコニウム)層からなる上部層を有する硬質被覆層を形成した被覆工具を用いることが提案されている。
また、特許文献3では、炭化タングステン基の超硬合金基体の最表面に、少なくともZr硼化物(ZrB2)層からなる被覆層を形成してなる被覆工具において、前記Zr硼化物(ZrB2)層を複数の平均粒径を有する結晶粒組織の複合組織として構成し、具体的には、5〜30nmの平均粒径を有する一次結晶粒の集合体からなる平均粒径50〜100nmの二次結晶粒と、該二次結晶粒の集合体からなる平均粒径200〜1000nmの三次結晶粒とからなり、高い膜強度(例えば、荷重200mgにて測定した場合のナノインデンテーション硬さが3600kgf/mm2以上(=35.3GPa以上))を有する複合組織とすることにより、特許文献2に記載された切削条件よりもさらに厳しい切削条件、すなわち、各種のTi系合金や高Si含有Al−Si系合金などの硬質難削材に対する切削加工を高速切削条件にて用いた場合においても、すぐれた耐摩耗性および耐剥離性を発揮する被覆工具が提案されている。
しかしながら、前記特許文献2や特許文献3にて提案されている、Zr硼化物(ZrB2)層を有する被覆層からなる被覆工具を用いて、前記難削材に対し、さらなる高速切削条件にて切削加工を行った場合においては、これらの被覆層が塑性変形に耐えられず、被覆層から粒子が脱落するため、耐摩耗性に劣り、その結果、異常摩耗が発生し、膜剥離を起こすため、早期に寿命に至るという問題を有していた。
すなわち、本発明者らは、限定された条件にて、Zr硼化物(ZrB2)層を成膜することにより、縦長柱状結晶組織を備えた高硬度のZr硼化物(ZrB2)層を得ることができ、かかるZr硼化物(ZrB2)層では、基体と並行な方向の粒界が少なくなるため、結晶粒の脱落が生じにくい特性を有することを見出し、さらに、Zr硼化物(ZrB2)層を構成する結晶粒の配向性に着目し、X線回折により、各結晶格子面からの回折ピーク強度を測定したところ、(100)面に最大ピーク強度を有し、また、配向性指数Tc(hkl)を求めたところ、Tc(100)が、2.0以上である場合には、耐摩耗性および耐剥離性にすぐれた硬質被覆層が得られることを見出したものである。
そして、かかるZr硼化物(ZrB2)層を硬質被覆層として有する被覆切削工具は、耐摩耗性と耐剥離性を兼ね備えているため、合金工具鋼やTi合金のような難削材の高速切削加工に用いた場合に、すぐれた切削特性を有し、さらなる工具寿命の向上をもたらすものであることを見出したものである。
「(1) 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層が形成されてなる表面被覆切削工具において、
(a)前記硬質被覆層は、前記工具基体の表面側から下部層および上部層を有してなり、
(b)前記下部層は、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなり、かつ、0.1〜3.0μmの合計平均層厚を有するTi化合物層を有し、
(c)前記上部層は、1.0〜15.0μmの平均層厚を有するZr硼化物層を有し、
(d)前記上部層の縦断面において、アスペクト比が3以上である縦長柱状結晶粒が、面積割合で80%以上である縦長柱状結晶組織を有し、
(e)前記上部層は、(100)面にX線回折による最大ピークが現れるZr硼化物層であり、以下の式(A)で表されるZr硼化物層の配向性指数Tc(hkl)がTc(100)≧2.0を満たすことを特徴とする表面被覆切削工具。
式(A)
式(A)において、I(hkl)は(hkl)面のX線回折強度を示し、I0(hkl)はICDDカード00−034−0423によるZrB2の(hkl)面のX線回折標準強度を示す。
また、(hkl)は(001)、(100)、(101)、(110)、(102)、(111)、(201)、(112)の8面であり、式(A)の中括弧内は各面におけるX線回折強度のX線回折標準強度に対する比の平均値を示す。
(2)前記上部層の前記Zr硼化物層におけるナノインデンテーション押し込み硬さが、押し込み荷重200mgfのとき、45.0GPa以上であることを特徴とする(1)に記載の表面被覆切削工具。
(3)(1)または(2)に記載の表面被覆切削工具において、前記上部層であるZr硼化物層の上層として、0.3〜2.0μmの平均層厚を有するα型もしくはκ型のAl2O3層を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の表面被覆切削工具。」
を特徴とするものである。
本発明に係る硬質被覆層は、工具基体側より、1層または2層以上のTi化合物層からなる下部層と、Zr硼化物層である上部層とを有し、さらに必要に応じて、上部層の上層として、α型もしくはκ型の酸化アルミニウム層(Al2O3層)を有するものである。
硬質被覆層の平均層厚は、1.1μm未満では、長期にわたり耐摩耗性を発揮することができず、一方、20.0μmを超えると全体被膜層として欠損やチッピングが発生し易くなるため、1.1〜20.0μmとすることが望ましい。
硬質被覆層の平均層厚は、例えば、工具基体に対し垂直方向断面において、SEM(走査型電子顕微鏡)またはTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて測定することができる。
工具基体上に形成する下部層は、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、工具基体と上部層である、Zr硼化物層との密着性を高めることができるため、欠損、剥離等の異常損傷の発生を抑制することができる。
Ti化合物層からなる下部層の合計平均層厚は、0.1μm未満では、下部層の効果が十分発揮されず、一方、3.0μmを超えると結晶粒が粗大化し易くなり、チッピングを発生しやすくなるため、0.1μm〜3.0μmとすることが望ましい。
(1)平均層厚
下部層上に形成する上部層(Zr硼化物層)は、高硬度であり、すぐれた耐摩耗性を有し、特に、平均層厚が1.0〜15.0μmであるときに硬度および耐摩耗性の観点からすぐれた効果を発揮する。
上部層の平均層厚は、走査型電子顕微鏡(倍率5000倍)を用いて、工具基体に垂直な方向の断面の観察視野内の5点の層厚を測り、これらを平均して平均層厚を求めることができる。
(2)縦長柱状結晶組織
前記のとおり、本発明に係る上部層を構成するZr硼化物(ZrB2)層は、縦長柱状結晶組織を有することにより、被覆層からの粒子の脱落が抑制され、耐摩耗性および耐剥離性にすぐれた特性を発揮する。
なお、ここでいう縦長柱状結晶組織とは、Zr硼化物(ZrB2)層の縦断面を観察した際に、結晶粒の長軸が縦方向に配向し、結晶粒の長軸径に対する短軸径の比として定義されるアスペクト比が3以上であり、縦長結晶粒の組織中に占める面積率が80%以上である組織を指すものとする。
アスペクト比が3未満のものでは、形状が等軸結晶に近づくために脱落を招くおそれがあり、また、アスペクト比が3以上であっても、それら結晶粒が占める面積割合が80%未満では、十分な効果を発揮することができないため、縦長柱状結晶粒のアスペクト比を3以上と規定し、その縦長柱状結晶粒が占める面積割合を80%以上と規定することにより、耐摩耗性、および、耐剥離性にすぐれたものとした。
アスペクト比および縦長結晶粒の面積割合の測定は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率5000にて断面観察により得られた縦断面画像について、電子線後方散乱回折法(EBSD)により、個々の結晶粒につき、長軸径、短軸径、および、縦断面の面積を測定し、長軸径および短軸径よりアスペクト比を求め、次いで、アスペクト比が3以上である結晶粒の縦断面における面積の総和に対する測定対象となった縦断面の面積の比率を面積割合として求めた。
前記したとおり、本発明は、上部層(Zr硼化物層)において、X線回折を行った際に(100)面において最大ピークを有するものであり、その(100)面における配向性指数であるTc(100)が、2.0以上であるときに、すぐれた耐摩耗性および耐チッピング性を発揮することを見出したものである。
図1に、本発明被覆工具のZr硼化物層について、X線回折により測定した各結晶格子面からの回折ピーク強度のチャートの一例を示す。
図1からも明らかなように、本発明被覆工具のZr硼化物層は、(100)面についての回折ピーク強度が、他の結晶格子面のピーク強度に比して最大であることがわかる。
なお、X線回折は、X線回折装置としてスペクトリス社PANalytical Empyreanを用いて、CuKα線による2θ‐θ法で測定し、測定条件として、測定範囲(2θ):15〜130度、X線出力:45kV、40mA、発散スリット:0.5度、スキャンステップ:0.013度、1ステップ辺り測定時間:0.48sec/stepという条件で測定した。
さらに、Zr硼化物層について、配向性指数Tc(hkl)を求めたところ、Tc(100)の値が、2.0以上であり、(100)面に高配向を有するものであった。
なお、配向性指数Tc(hkl)は、以下の式にて定義されるものである。
式(A)
上記式(A)において、I(hkl)は測定された(hkl)面のX線回折強度を示し、I0(hkl)はICDDカード00−034−0423によるZrB2の(hkl)面のX線回折標準強度を示す。
また、(hkl)は(001)、(100)、(101)、(110)、(102)、(111)、(201)、(112)の8面であり、式(A)の中括弧内は各面におけるX線回折強度のX線回折標準強度に対する比の平均値を示す。
本発明被覆工具においては、少なくとも前記Zr硼化物層は、(100)面にX線回折による最大ピーク強度を有し、かつ、配向性指数Tc(100)≧2.0という高い配向性を有することにより、切削加工時にZr硼化物層に大きなせん断力が働いた場合においても、耐塑性変形性を有するため、Zr硼化物層からの結晶粒の脱落の発生や、これに伴うチッピング、欠損、剥離の発生、さらには、偏摩耗等の異常損傷の発生を抑制することができるため、耐摩耗性の向上が図られる。
上記のとおり、上部層(Zr硼化物層)は、高硬度であり、しかも、すぐれた耐摩耗性を有するものであるが、さらに、ナノインデンテーション押し込み硬さ(押し込み荷重200mgf)が45.0GPa以上の場合には、よりすぐれた効果を発揮することができる。
ナノインデンテーション硬さについては、ナノインデンテーション試験法(ISO 14577)に基づき、前記Zr硼化物層の表面を研磨し、ダイヤモンド製のBerkovich圧子を用いて、押し込み荷重200mgfで測定を行なった。
本発明に係る、縦長柱状結晶組織、(100)面における最大ピーク、および、(100)面に対する高い配向性指数を有するZr硼化物層は、例えば、工具基体に前記下部層を成膜後、以下の化学蒸着法を用い、以下の各工程に示す条件にて順次処理を行うことにより、形成することができる。
すなわち、Zr硼化物(ZrB2)層の成膜方法は、第1工程であるZrB2初期核形成工程においては、第2工程であるZrB2結晶成長工程に対し、反応雰囲気温度を比較的低温とし、また、原料ガス濃度比を低くすることにより、初期核として、(100)配向性が高く、縦長柱状組織が形成されやすい反応雰囲気とし、第2工程である、ZrB2結晶成長工程においては、反応雰囲気温度を上げ、あわせて、原料ガス濃度比を高め、縦長柱状組織が成長しやすい反応雰囲気とすることにより、(100)配向性が高く、所望の高アスペクト比を有する、縦長柱状組織を得ることができる。
[成膜条件]
1)第1工程(ZrB2初期核形成工程)
処理方法:CVD法を用いた成膜
反応ガス組成(容量%):
ガス群A:BCl3:0.25〜1.00%、ZrCl4:0.10〜1.00%、
H2:残部
反応雰囲気温度:900℃〜950℃
反応雰囲気圧力:3kPa〜10kPa
反応時間 :20〜90分
2)第2工程(ZrB2結晶成長工程)
処理方法:CVD法を用いた成膜
反応ガス組成(容量%):
ガス群B:BCl3:0.25〜3.00%、ZrCl4:0.20〜2.00%、
H2:残部
反応雰囲気温度:900℃〜1050℃
反応雰囲気圧力:3kPa〜10kPa
反応時間 :目的膜厚に到達するまで
本発明被覆工具は、上部層であるZr硼化物層の上層として酸化アルミニウム層を成膜することができる。
酸化アルミニウム層は、通常の化学蒸着法によって、0.3〜2.0μmの平均層厚を有するα型Al2O3層もしくはκ型Al2O3層を形成することとした。
上部層に対し、上層として、α型Al2O3層もしくはκ型Al2O3層を形成することにより、さらに、硬質被覆層の高温硬さおよび耐熱性の向上を図ることができる。
かかる酸化アルミニウム層の平均層厚について、0.3μm未満では、耐摩耗性向上による寿命延長効果が少なく、また、その平均層厚が、2.0μmを超えると、酸化アルミニウムの結晶粒が粗大化し易くなり、高温硬さ、高温強度の低下や、溶着チッピングや剥離等が発生するおそれがあるため、上記のとおり、その平均層厚は、0.3〜2.0μmとすることが望ましい。
(a)まず、表6の工具基体記号にて示される表1もしくは表2の工具基体に対し、下部層として、表6にて示される目標層厚のTi化合物層を表3にて示される形成条件にて、蒸着形成を行った。
(b)次いで、表6の形成記号に基づき、表4にて示される形成条件により、目標層厚の上部層(Zr硼化物層)を蒸着形成し、酸化アルミニウム層を有するものについては、さらに、表5にて示される形成条件にて、目標層厚の酸化アルミニウム層を蒸着形成することにより、本発明被覆工具1〜14をそれぞれ製造した。
(a)表7の工具基体記号にて示される表1もしくは表2の工具基体に対し、下部層として、表7にて示される目標層厚のTi化合物層を表3にて示される形成条件にて、蒸着形成を行った。
(b)次いで、表7の形成記号に基づき、表4にて示される形成条件により、目標層厚の上部層(Zr硼化物層)を蒸着形成し、酸化アルミニウム層を有するものについては、さらに、表5にて示される形成条件にて、目標層厚の酸化アルミニウム層を蒸着形成することにより、比較例被覆工具1〜14をそれぞれ製造した。
図1に、本発明被覆工具1について求めたチャートを示す。
なお、X線回折は、装置としてスペクトリス社PANalytical Empyreanを用い、CuKα線による2θ‐θ法で測定した。
測定条件は、測定範囲(2θ):15〜130度、X線出力:45kV、40mA、発散スリット:0.5度、スキャンステップ:0.013度、1ステップ辺り測定時間:0.48sec/stepである。
上記で求めたチャートから、最大の回折ピーク強度を有する格子面を示すことにより、(100)面からの回折ピーク強度が最大であるか否かを判定した。(表6、表7を参照)
配向性指数Tc(100)は、以下の式(A)によって算出し、表6、表7に示す。
式(A)
上記式(A)において、I(hkl)は測定された(hkl)面のX線回折強度を示し、I0(hkl)はICDDカード00−034−0423によるZrB2の(hkl)面のX線回折標準強度を示す。
また、(hkl)は(001)、(100)、(101)、(110)、(102)、(111)、(201)、(112)の8面であり、式(A)の中括弧内は8面の各面におけるX線回折強度のX線回折標準強度に対する比の平均値を示す。
切削試験:インコネル718の乾式連続切削試験
被削材: インコネル718丸棒
切削速度:60m/min、
切り込み:1.0mm、
送り量:0.2mm/rev.
切削時間:5分、
≪切削条件B≫
切削試験:金型鋼SKD61の乾式高速正面フライス切削試験
被削材: JIS・SKD61 幅60mm、長さ400mmのブロック材
回転速度:1200min−1、
切削速度:300m/min、
切り込み:1.5mm、
一刃送り量:0.2mm/刃、
切削時間:5分、
これに対し、比較例被覆工具は、いずれも、柱状結晶組織を有していないなど、所望の構造を有していないため、摩耗の進展、溶着の発生、チッピングの発生等により、短時間で寿命に至るものであった。
Claims (3)
- 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットからなる工具基体の表面に、硬質被覆層が形成されてなる表面被覆切削工具において、
(a)前記硬質被覆層は、前記工具基体の表面側から下部層および上部層を有してなり、
(b)前記下部層は、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなり、かつ、0.1〜3.0μmの合計平均層厚を有するTi化合物層を有し、
(c)前記上部層は、1.0〜15.0μmの平均層厚を有するZr硼化物層を有し、
(d)前記上部層の縦断面において、アスペクト比が3以上である縦長柱状結晶粒が、面積割合で80%以上である縦長柱状結晶組織を有し、
(e)前記上部層は、(100)面にX線回折による最大ピークが現れるZr硼化物層であり、以下の式(A)で表されるZr硼化物層の配向性指数Tc(hkl)がTc(100)≧2.0を満たすことを特徴とする表面被覆切削工具。
式(A)
式(A)において、I(hkl)は(hkl)面のX線回折強度を示し、I0(hkl)はICDDカード00−034−0423によるZrB2の(hkl)面のX線回折標準強度を示す。
また、(hkl)は(001)、(100)、(101)、(110)、(102)、(111)、(201)、(112)の8面であり、式(1)の中括弧内は各面におけるX線回折強度のX線回折標準強度に対する比の平均値を示す。 - 前記上部層の前記Zr硼化物層におけるナノインデンテーション押し込み硬さが、押し込み荷重200mgfのとき、45.0GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の表面被覆切削工具。
- 請求項1または請求項2に記載の表面被覆切削工具において、前記上部層であるZr硼化物層の上層として、0.3〜2.0μmの平均層厚を有するα型もしくはκ型のAl2O3層を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面被覆切削工具。
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