JP6940380B2 - Snめっき材およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、Snめっき材およびその製造方法に関し、特に、ワイヤーハーネスなどの電線に接続される端子などの材料として使用されるSnめっき材およびその製造方法に関する。
従来、車両用のワイヤーハーネスなどの電線として銅または銅合金からなる電線が使用され、その電線に接続される端子などの材料として、銅または銅合金にSnめっきを施したSnめっき材が使用されている。
近年、車両の軽量化による燃費効率の向上のため、車両用のワイヤーハーネスなどの電線として、銅または銅合金より比重の小さいアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線が使用されている。
しかし、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線にSnめっき材からなる端子を加締めなどの圧着加工により接続すると、電位差の大きい異種金属の接触によるガルバニック腐食(卑な金属が溶解する異種金属接触腐食)が生じる可能性がある。
そのため、接続部分に防食剤や樹脂を塗布して異種金属接触腐食を防止しているが、生産性が低下し、製造コストが高くなる。
また、異種金属接触腐食を防止する端子として、電線の一端に露出した第一の金属(アルミニウム系材料)からなる芯線を加締め接続する芯線バレル部を有する電線接続部を備え、第一の金属よりもイオン化傾向が小さい第二の金属(銅系材料)により形成された端子であって、芯線バレル部が芯線を加締める前に、イオン化傾向が第一の金属と第二の金属の間である第三の金属(亜鉛)で電線接触部がめっき処理され、芯線バレル部における接続面のめっき層が加締め時に破壊される端子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−134891号公報(段落番号0008、0022)
しかし、特許文献1の端子では、電線接触部が第三の金属(亜鉛)でめっき処理され、加締め時にめっき層が破壊されるように非常に薄いめっき層を形成する必要があるので、長期間にわたって異種金属接触腐食を防止することが困難である。また、端子の材料として一般的に使用されているSnめっき材の表面にZnめっきを施しても、Znめっき層の密着性が悪く、Snめっき材を端子の材料として使用した場合に、端子形状に加工する際にZnめっき層が剥離し易くなることがわかった。また、Snめっき材を端子の材料として使用する場合、曲げ加工性が良好であることが望ましい。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、表面にZnめっき層が形成されたSnめっき材をアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線に加締めなどの圧着加工により接続する端子の材料として使用した場合に、圧着加工の際に接続部分の加工を施さなくても、耐食性が良好であり且つ表面に形成したZnめっき層の密着性が良好であるとともに、曲げ加工性が良好なSnめっき材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、銅または銅合金からなる基材の表面にSn含有層が形成されたSnめっき材において、Sn含有層をCu−Sn合金層とこのCu−Sn合金層の表面に形成された厚さ5μm以下のSnからなるSn層とから構成し、Sn含有層の表面にNiめっき層を形成し、このNiめっき層の表面に最表層としてビッカース硬さHVが80以下のZnめっき層を形成することにより、表面にZnめっき層が形成されたSnめっき材をアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線に加締めなどの圧着加工により接続する端子の材料として使用した場合に、圧着加工の際に接続部分の加工を施さなくても、耐食性が良好であり且つ表面に形成したZnめっき層の密着性が良好であるとともに、曲げ加工性が良好なSnめっき材を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるSnめっき材は、銅または銅合金からなる基材の表面にSn含有層が形成されたSnめっき材において、Sn含有層がCu−Sn合金層とこのCu−Sn合金層の表面に形成された厚さ5μm以下のSnからなるSn層とから構成され、Sn含有層の表面にNiめっき層が形成され、このNiめっき層の表面に最表層としてビッカース硬さHVが80以下のZnめっき層が形成されていることを特徴とする。
このSnめっき材において、Znめっき層の表面の算術平均粗さRaが0.1〜3.0μmであるのが好ましく、光沢度が1.2以下であるのが好ましい。また、Cu−Sn合金層の厚さが0.2〜2μmであるのが好ましい。また、Niめっき層の厚さが0.01〜5μmであるのが好ましく、Znめっき層の厚さが1〜40μmであるのが好ましい。また、基材とSn含有層との間に下地層を形成してもよい。この場合、下地層がCuおよびNiの少なくとも一方を含む層であるのが好ましい。また、基材の一方の表面のSn含有層の表面のみにNiめっき層を介して最表層としてZnめっき層を形成し、基材の他方の面のSn含有層を最表層として形成するのが好ましい。また、Niめっき層をSn含有層の表面の一部に形成してもよい。
また、本発明によるSnめっき材の製造方法は、銅または銅合金からなる基材の表面にSnめっき層を形成した後、熱処理により、Cu−Sn合金層とこのCu−Sn合金層の表面に形成されたSnからなるSn層とから構成されたSn含有層を形成してSnめっき材を製造する方法において、Sn層の厚さを5μm以下にし、Sn含有層の表面にNiめっき層を形成した後、硫酸浴中において電気めっきを行うことにより、Niめっき層の表面に最表層としてZnめっき層を形成することを特徴とする。
このSnめっき材の製造方法において、熱処理により、Sn層の厚さを5μm以下にするのが好ましく、Cu−Sn合金層の厚さを0.2〜2μmにするのが好ましい。また、Niめっき層の厚さを0.01〜5μmにするのが好ましく、Znめっき層の厚さを1〜40μmにするのが好ましい。また、Snめっき層を形成する前にCuめっき層を形成して、基材とSn含有層との間にCuを含む下地層を形成してもよい。あるいは、Snめっき層を形成する前にNiめっき層とCuめっき層をこの順で形成して、熱処理により、基材とSn含有層との間にCuおよびNiの少なくとも一方を含む下地層を形成してもよい。また、Niめっき層をSn含有層の表面の一部に形成してもよい。
また、本発明による電線接続用端子は、銅または銅合金からなる基材の表面にSn含有層が形成されたSnめっき材を材料として用いた接続端子であって、Sn含有層がCu−Sn合金層とこのCu−Sn合金層の表面に形成された厚さ5μm以下のSnからなるSn層とから構成され、電線との接続部以外の部分においてSn含有層の表面にNiめっき層が形成され、このNiめっき層の表面にビッカース硬さHVが80以下のZnめっき層が形成されていることを特徴とする。
この電線接続用端子において、Znめっき層の表面の算術平均粗さRaが0.1〜3.0μmであるのが好ましく、光沢度が1.2以下であるのが好ましい。また、Cu−Sn合金層の厚さが0.2〜2μmであるのが好ましい。また、Niめっき層の厚さが0.01〜5μmであるのが好ましく、Znめっき層の厚さが1〜40μmであるのが好ましい。また、基材とSn含有層との間に下地層を形成してもよい。この場合、下地層がCuおよびNiの少なくとも一方を含む層であるのが好ましい。また、電線は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるのが好ましく、単芯線または撚線であるのが好ましい。
本発明によれば、表面にZnめっき層が形成されたSnめっき材をアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線に加締めなどの圧着加工により接続する端子の材料として使用した場合に、圧着加工の際に接続部分の加工を施さなくても、耐食性が良好であり且つ表面に形成したZnめっき層の密着性が良好であるとともに、曲げ加工性が良好なSnめっき材を製造することができる。
本発明によるSnめっき材の一実施の形態を概略的に示す断面図である。 本発明によるSnめっき材の他の実施の形態を概略的に示す断面図である。 実施例1のSnめっき材から切り出した試験片の90°W曲げ後の山折りの曲げ加工部の表面の顕微鏡写真である。 比較例4のSnめっき材から切り出した試験片の90°W曲げ後の山折りの曲げ加工部の表面の顕微鏡写真である。
図1に示すように、本発明によるSnめっき材の実施の形態では、銅または銅合金からなる(板材や条材などの)基材10の表面(図示した実施の形態では両面)にSn含有層12が形成されたSnめっき材において、Sn含有層12がCu−Sn合金層121とこのCu−Sn合金層の表面に形成された厚さ5μm以下(好ましくは0〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1.5μm)のSnからなるSn層122とから構成され、Sn含有層12の表面(図示した実施の形態では一方の面)にNiめっき層14が形成され、このNiめっき層14の表面に最表層としてビッカース硬さHVが80以下のZnめっき層16が形成されている。なお、Znめっき層16は、Zn(または90質量%以上のZn含むZn合金)からなり、最表層としてZnめっき層16を形成することにより、Snめっき材の耐食性を大幅に向上させることができ、Sn含有層12とZnめっき層16との間にNiめっき層14を形成することにより、(Sn含有層12のSnとZnめっき層16のZnなどの拡散を防止して、SnやZnなどの拡散層の形成やその拡散によるボイドの発生を抑制して)Sn含有層12とZnめっき層16との密着性を大幅に向上させることができる。また、Znめっき層16を軟らかく(ビッカース硬さHVを80以下、好ましくは70以下)にすることにより、Snめっき材の曲げ加工による基材10の露出を抑制して、電位差の大きい異種金属の接触によるガルバニック腐食(卑な金属が溶解する異種金属接触腐食)を抑制することができ、Snめっき材の曲げ加工性を向上させることができる。
このSnめっき材において、Znめっき層16の表面の算術平均粗さRaが0.1〜3.0μmであるのが好ましい。また、光沢度は、1.2以下であるのが好ましく、0.5以下であるのがさらに好ましく、0.1〜0.2であるのが最も好ましい。
また、Cu−Sn合金層121の厚さは、0.2〜2μmであるのが好ましく、0.3〜1.5μmであるのがさらに好ましい。Niめっき層14の厚さは、0.01〜5μmであるのが好ましく、0.02〜4μmであるのがさらに好ましいが、2μm以下にしてもよい。Znめっき層16の厚さは、1〜40μmであるのが好ましく、1〜30μmであるのがさらに好ましく、2〜15μmであるのがさらに好ましいが、10μm以下にしてもよく、5μm以下にしてもよい。Znめっき層16の厚さが厚過ぎると、Znめっき層16を形成する際のめっき時間が長くなり過ぎて生産性が低下し、薄過ぎると、十分な耐食性を得ることができない。
また、図2に示すように、基材10とSn含有層12との間に下地層18を形成してもよい。この場合、下地層がCuおよびNiの少なくとも一方を含む層(Ni層181とCu層182の少なくとも一方の層)であるのが好ましい。Ni層181の厚さは、0.05〜1.0μmであるのが好ましく、Cu層182の厚さは、1.5μm以下であるのが好ましく、1.0μm以下であるのがさらに好ましい。なお、下地層としてNi層181とCu層182の両方の層を形成する場合には、基板10の表面にNi層181を形成し、その表面にCu層182を形成するのが好ましい。
なお、Znめっき層は、Sn含有層の表面の一部のみに形成してもよい。この場合、Znめっき層が形成されていないSn含有層の表面の他の部分では、Sn含有層が最表層になり、この最表層のSn含有層のSn層の厚さは、5μm以下であるのが好ましく、0〜2μmであるのが好ましく、0.1〜1.5μmであるのが最も好ましい。また、この最表層のSn含有層のCu−Sn合金層の厚さは、0.2〜2μmであるのが好ましく、0.3〜1.5μmであるのがさらに好ましい。
上述したSnめっき材の実施の形態は、本発明によるSnめっき材の製造方法の実施の形態により製造することができる。
本発明によるSnめっき材の製造方法の実施の形態では、銅または銅合金からなる基材の表面に(電気めっきなどにより、好ましくは厚さ0.1〜2μm、さらに好ましくは厚さ0.2〜1.5μmの)Snめっき層を形成した後、(赤外線ヒーター、熱風循環、直火式などの熱処理装置により)熱処理(リフロー処理)により、Cu−Sn合金層とこのCu−Sn合金層の表面に形成されたSnからなるSn層とから構成されたSn含有層を形成してSnめっき材を製造する方法において、Sn層の厚さを5μm以下(好ましくは0〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1.5μm)にし、このSn含有層の表面に(電気めっきなどにより)Niめっき層を形成した後、硫酸浴中において電気めっきを行うことにより、Niめっき層の表面に最表層としてZnめっき層を形成する。
このSnめっき材の製造方法において、熱処理により、Sn層の厚さを5μm以下(好ましくは0〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1.5μm)にするとともに、Cu−Sn合金層の厚さを好ましくは0.2〜2μm(さらに好ましくは0.3〜1.5μm)にする。Niめっき層の厚さは、0.01〜5μmにするのが好ましく、0.02〜4μmにするのがさらに好ましいが、2μm以下にしてもよい。Znめっき層の厚さは、1〜40μmにするのが好ましく、1〜30μmにするのがさらに好ましく、2〜15μmであるのがさらに好ましいが、10μm以下にしてもよく、5μm以下にしてもよい。また、Snめっき層を形成する前に(好ましくは厚さ0.1〜1.5μmの)Cuめっき層を形成して、基材とSn含有層との間にCuを含む下地層を形成してもよい。あるいは、Snめっき層を形成する前に(好ましくは厚さ0.05〜1.0μmの)Niめっき層と(好ましくは厚さ0.1〜1.5μmの)Cuめっき層をこの順で形成して、基材とSn含有層との間にCuおよびNiを含む下地層を形成してもよい。Cu−Sn合金層とSn層の厚さは、電解式膜厚計などにより測定することができる。
なお、Niめっき層とZnめっき層は、(マスキングやめっき液面の高さの制御などにより)基材の一方の表面のSn含有層の表面のみ(またはSn含有層の表面の一部のみ)に形成してもよい。この場合、Znめっき層が形成されていないSn含有層の表面の他の部分では、Sn含有層が最表層になり、この最表層のSn含有層のSn層の厚さは、5μm以下であるのが好ましく、0〜2μmであるのが好ましい。
Znめっき層を形成するためのZnめっき浴として使用する硫酸浴は、硫酸亜鉛と硫酸アンモニウムを含む水溶液からなる硫酸浴であるのが好ましく、光沢剤などの添加剤を含まないのが好ましい。添加剤を含まないことにより、Znめっき浴のコストを低減することができる。また、Znめっき層を形成する際の電気めっきの電流密度は、15〜60A/dmの高電流密度であるのが好ましい。高電流密度にすることにより、生産性を向上させることができる。
上述したSnめっき材の実施の形態は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線に接続される端子などの通電部材の材料として使用することができる。また、Niめっき層とZnめっき層をSn含有層の表面の一部のみに形成する場合には、Znめっき層が形成されていないSn含有層の表面の他の部分(Sn含有層が最表層になる部分)でアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる電線に接続するのが好ましい。
以下、本発明によるSnめっき材およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、50mm×50mm×0.25mmの大きさのCu−Ni−Sn−P合金からなる平板状の導体基材(1.0質量%のNiと0.9質量%のSnと0.05質量%のPを含み、残部がCuである銅合金の基材)(DOWAメタルテック株式会社製のNB−109EH)を用意した。
次に、前処理として、基材(被めっき材)をアルカリ電解脱脂液により10秒間電解脱脂を行った後に水洗し、その後、100g/Lの硫酸に浸漬して酸洗した後に水洗した。
次に、60g/Lの硫酸第一錫と75g/Lの硫酸と30g/Lのクレゾールスルホン酸と1g/Lのβナフトールを含むSnめっき液中において、基材を陰極とし、Sn電極板を陽極として、電流密度5A/dm、液温25℃で20秒間電気めっきを行うことにより、基材の表面に厚さ1μmのSnめっき層を形成してSnめっき材を得た。
次に、得られたSnめっき材を洗浄して乾燥した後、熱処理(リフロー処理)を行った。このリフロー処理では、2つの近赤外線ヒーター(株式会社ハイベック製のHYP−8N、定格電圧100V、定格電力560W、平行照射タイプ)を25mm離間して対向するように配置し、これらの近赤外線ヒーターの中央部にSnめっき材を配置して、設定電流値を10.8Aとして、大気雰囲気においてSnめっき材を13秒間加熱してSnめっき層の表面を溶融させた直後に25℃の水槽内に浸漬して冷却した。
このリフロー処理後のSnめっき材を集束イオンビーム(FIB)により切断して、Snめっき材の圧延方向に垂直な断面を露出させ、その断面を電界放射型オージェ電子分光分析装置(FE−AES)により分析した。その結果、Snめっき材の基材の表面にCu−Sn合金からなるCu−Sn合金層が形成され、このCu−Sn合金層の表面にSnからなるSn層が形成されていることが確認された。また、Cu−Sn合金層とSn層の厚さを電解式膜厚計(株式会社中央製作所製のThickness Tester TH−11)により測定したところ、Cu−Sn合金層の厚さは0.6μmであり、Sn層の厚さは0.7μmであった。
次に、リフロー処理後のSnめっき材の一方の面の全面にテープを貼り付けてマスキングした後、そのSnめっき材を40g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して10A/dmで30秒間電解脱脂し、100g/Lの硫酸に120秒間浸漬して酸洗した後に水洗した。
次に、80g/Lのスルファミン酸ニッケルと50g/Lのホウ酸を含むNiめっき浴(スルファミン酸浴)中において、(一方の面の全面にテープを貼り付けてマスキングした)Snめっき材を陰極とし、Ni電極板を陽極として、電流密度10A/dm、液温50℃で6秒間電気めっきを行うことにより、Snめっき材の他方の面にNiめっき層を形成した。このNiめっき層の厚さを蛍光X線膜厚計(セイコーインスツル株式会社製)により測定したところ、0.2μmであった。
次に、200g/Lの硫酸亜鉛と30g/Lの硫酸アンモニウムを含む水溶液からなるZnめっき浴(硫酸浴)中において、(一方の面の全面にテープを貼り付けてマスキングした)Niめっき後のSnめっき材を陰極とし、Zn電極板を陽極として、電流密度20A/dm、液温50℃で30秒間電気めっきを行うことにより、Snめっき材の他方の面に形成したNiめっき層の表面にZnめっき層を形成した。このZnめっき層の厚さを蛍光X線膜厚計(セイコーインスツル株式会社製)により測定したところ、3μmであった。
このようにしてZnめっき層を形成したSnめっき材を集束イオンビーム(FIB)加工観察装置により切断して、Snめっき材の圧延方向に垂直な断面を露出させ、その断面を電界放射型オージェ電子分光分析装置(FE−AES)により分析した。その結果、Snめっき材の基材の表面にCu−Sn合金からなるCu−Sn合金層が形成され、このCu−Sn合金層の表面にSnからなるSn層が形成され、このSn層の表面にNiめっき層が形成され、このNiめっき層の表面にZnめっき層が形成されていることが確認された。また、これらの層の厚さを走査イオン顕微鏡像(SIM像)から測定したところ、Cu−Sn合金層の厚さは0.6μm、Sn層の厚さは0.7μm、Niめっき層の厚さは0.2μm、Znめっき層の厚さは3μmであることが確認された。
また、Znめっき層を形成したSnめっき材から切り出した30mm×10mm×0.25mmの大きさの試験片に10kNの負荷を加えて、最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが1.0になるようにJIS H3110に準拠した90°W曲げを行って、その試験片を樹脂に埋めた後、試験片の長手方向に平行な方向(90°W曲げの曲げ軸に対して垂直方向)に切断して、その断面をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製のVK−X100)で拡大して、金型で擦れた直線部と、谷折りの曲げ加工部と、山折りの曲げ加工部を観察し、Znめっき層の剥離の有無を目視によって評価した。その結果、いずれの部分でもZnめっき層の剥離はなく、密着性が良好であった。
また、Znめっき層を形成したSnめっき材から切り出した50mm×10mm×0.25mmの大きさの試験片のZnめっき層を外側にして、このSnめっき材により直径0.8mm、長さ30mmの純アルミニウム単線(A1070)を加締めた後、5質量%のNaCl水溶液中に浸漬し、ガルバニック腐食(卑な金属が溶解する異種金属接触腐食)によるガスの発生時間によって耐食性を評価した。その結果、ガスが発生するまでの時間は192時間以上と長く、耐食性が良好であった。
また、Znめっき層を形成したSnめっき材の表面のビッカース硬さHVを、マイクロビッカース硬度計(株式会社ミツトヨ製のHM−200)を使用して、測定荷重を0.005kgfとして、JIS Z2244に準じて測定したところ、HV55であった。
また、Znめっき層を形成したSnめっき材の表面粗さとして、接触式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製のサーフコーダSE4000)により測定した結果から、JIS B0601に基づいて表面粗さを示すパラメータである算術平均粗さRaを算出したところ、Znめっき層を形成したSnめっき材の算術平均粗さRaは0.14μmであった。
また、Znめっき層を形成したSnめっき材の光沢度として、光沢度計(サカタインクス株式会社製のRD918)を使用して視感反射濃度を測定したところ、光沢度は0.15であった。
また、Znめっき層を形成したSnめっき材から切り出した30mm×10mm×0.25mmの大きさの試験片に10kNの負荷を加えて、最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが1.0になるようにJIS H3110に準拠した90°W曲げを行って、山折りの曲げ加工部の表面をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製のVK−X100)で拡大して観察した。その顕微鏡写真を図3に示す。図3に示すように、山折りの曲げ加工部の表面に深いしわの発生がないことが確認された。また、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製のVK−X100)(カットオフ値0.08mm)を使用して、山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaを算出したところ、0.7μmであった。なお、この山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaは、1.7μm以下であるのが好ましく、1.5μm以下であるのが好ましい。
[実施例2]
電気めっき時間を420秒間としてとしてZnめっき層の厚さを40μmとした以外は、実施例1と同様の方法により、Znめっき層を形成したSnめっき材を作製した。
このようにして作製したSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、密着性と耐食性の評価を行ったところ、Znめっき層の剥離はなく、密着性が良好であり、また、ガスが発生するまでの時間は192時間以上と長く、耐食性が良好であった。また、このSnめっき材のビッカース硬さHV、算術平均粗さRa、光沢度および山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaを求めたところ、ビッカース硬さHVは51、算術平均粗さRaは1.2μm、光沢度は0.12、山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaは1.2μmであった。
[実施例3]
電気めっき時間を10秒間としてZnめっき層の厚さを1μmとした以外は、実施例1と同様の方法により、Znめっき層を形成したSnめっき材を作製した。
このようにして作製したSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、密着性と耐食性の評価を行ったところ、Znめっき層の剥離はなく、密着性が良好であり、また、ガスが発生するまでの時間は144時間と長く、耐食性が良好であった。また、このSnめっき材のビッカース硬さHV、算術平均粗さRa、光沢度および山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRa求めたところ、ビッカース硬さHVは62.5、算術平均粗さRaは0.11μm、光沢度は0.17、山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaは1.0μmであった。
[実施例4]
電気めっき時間を90秒間としてSnめっき材に厚さ3μmのNiめっき層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、Znめっき層を形成したSnめっき材を作製した。
このようにして作製したSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、密着性と耐食性の評価を行ったところ、Znめっき層の剥離はなく、密着性が良好であり、また、ガスが発生するまでの時間は192時間以上と長く、耐食性が良好であった。また、このSnめっき材のビッカース硬さHV、算術平均粗さRa、光沢度および山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaを求めたところ、ビッカース硬さHVは55、算術平均粗さRaは0.14μm、光沢度は0.15、山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaは0.7μmであった。
[実施例5]
電気めっき時間を3秒間としてSnめっき材に厚さ0.1μmのNiめっき層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、Znめっき層を形成したSnめっき材を作製した。
このようにして作製したSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、密着性と耐食性の評価を行ったところ、Znめっき層の剥離はなく、密着性が良好であり、また、ガスが発生するまでの時間は192時間以上と長く、耐食性が良好であった。また、このSnめっき材のビッカース硬さHV、算術平均粗さRa、光沢度および山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaを求めたところ、ビッカース硬さHVは55、算術平均粗さRaは0.14μm、光沢度は0.15、山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaは0.7μmであった。
[実施例6]
50mm×50mm×0.25mmの大きさのCu−Zn合金からなる平板状の導体基材(30質量%のZnを含み、残部がCuである銅合金C2600の基材)を使用し、前処理の後、Snめっき層を形成する前に、基材上に厚さ0.6μmのCuめっき層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、Znめっき層を形成したSnめっき材を作製した。なお、上記のCuめっき層は、110g/Lの硫酸銅と100g/Lの硫酸を含むCuめっき液中において、基材を陰極とし、Cu電極板を陽極として、電流密度5A/dm、液温30℃で40秒間電気めっきを行うことにより形成した。
このリフロー処理後のSnめっき材を実施例1と同様の方法により分析したところ、Snめっき材の基材の表面にCu層と(Cu−Sn合金からなる)Cu−Sn合金層が形成され、このCu−Sn合金層の表面にSnからなるSn層が形成されていることが確認された。また、Cu−Sn合金層とSn層の厚さを実施例1と同様の方法により測定したところ、Cu−Sn合金層の厚さは0.6μmであり、Sn層の厚さは0.7μmであった。また、Cu層の厚さを電解式膜厚計(株式会社中央製作所製のThickness Tester TH−11)により測定したところ、0μmであった。
このようにして作製したSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、密着性と耐食性の評価を行ったところ、Znめっき層の剥離はなく、密着性が良好であり、また、ガスが発生するまでの時間は192時間以上と長く、耐食性が良好であった。また、このSnめっき材のビッカース硬さHV、算術平均粗さRa、光沢度および山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaを求めたところ、ビッカース硬さHVは55、算術平均粗さRaは0.14μm、光沢度は0.15、山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaは0.7μmであった。
[実施例7]
前処理の後、Snめっき層を形成する前に、基材上に厚さ0.3μmのNiめっき層を形成し、その後、厚さ0.3μmのCuめっき層を形成した後、電気めっき時間を14秒間として厚さ0.7μmのSnめっき層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、Znめっき層を形成したSnめっき材を作製した。なお、上記のNiめっき層は、80g/Lのスルファミン酸ニッケルと45g/Lのホウ酸を含むNiめっき液中において、前処理後の基材(被めっき材)を陰極とし、Ni電極板を陽極として、電流密度5A/dm、液温50℃で15秒間電気めっきを行うことにより形成し、Cuめっき層は、110g/Lの硫酸銅と100g/Lの硫酸を含むCuめっき液中において、Niめっき済の被めっき材を陰極とし、Cu電極板を陽極として、電流密度5A/dm、液温30℃で12秒間電気めっきを行うことにより形成した。
このリフロー処理後のSnめっき材を実施例1と同様の方法により分析したところ、Snめっき材の基材の表面にNi層と(Cu−Sn合金からなる)Cu−Sn合金層が形成され、このCu−Sn合金層の表面にSnからなるSn層が形成されていることが確認された。なお、Cuめっき層のCuは、リフロー処理により拡散してCu−Sn合金層になり、Cu層は観察されなかった。また、Cu−Sn合金層とSn層の厚さを実施例1と同様の方法により測定したところ、Cu−Sn合金層の厚さは0.6μmであり、Sn層の厚さは0.4μmであった。また、Ni層の厚さを蛍光X線膜厚計(セイコーインスツル株式会社製)により測定したところ、0.3μmであった。
このようにして作製したSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、密着性と耐食性の評価を行ったところ、Znめっき層の剥離はなく、密着性が良好であり、また、ガスが発生するまでの時間は192時間以上と長く、耐食性が良好であった。また、このSnめっき材のビッカース硬さHV、算術平均粗さRa、光沢度および山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaを求めたところ、ビッカース硬さHVは55、算術平均粗さRaは0.14μm、光沢度は0.15、山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaは0.7μmであった。
[比較例1]
リフロー処理後のSnめっき材の電解脱脂と酸洗を行わず、Snめっき材の表面にNiめっき層およびZnめっき層を形成しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。
このようにして作製したSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、耐食性の評価を行ったところ、ガスが発生するまでの時間は24時間と非常に短く、耐食性が悪かった。
[比較例2]
Snめっき材の表面にNiめっき層を形成しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。
このようにして作製したSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、密着性の評価を行ったところ、山折りの曲げ加工部ではZnめっき層の剥離はなかったが、金型で擦れた直線部と、谷折りの曲げ加工部でZnめっき層の剥離があり、密着性が良好でなかった。
[比較例3]
電気めっき時間を290秒間としてSnめっき材に厚さ10μmのNiめっき層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、Znめっき層を形成したSnめっき材を作製した。
このようにして作製したSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、密着性の評価を行ったところ、山折りの曲げ加工部ではZnめっき層の剥離はなかったが、金型で擦れた直線部と、谷折りの曲げ加工部でZnめっき層の剥離があり、密着性が良好でなかった。
[比較例4]
Znめっき浴として、35g/Lの金属亜鉛と、200g/Lの塩化カリウムと、30g/Lのホウ酸と、30mL/Lの光沢剤(奥野製薬工業株式会社製のジンクACK−1)と、2mL/Lの光沢剤(奥野製薬工業株式会社製のジンクACK−2)とを含む塩化カリウム浴からなるZnめっき浴を使用し、電流密度4A/dm、液温25℃で158秒間電気めっきを行った以外は、実施例1と同様の方法により、Snめっき材を作製した。
このようにして作製したSnめっき材について、実施例1と同様の方法により、密着性と耐食性の評価を行ったところ、Znめっき層の剥離はなく、密着性が良好であり、また、ガスが発生するまでの時間は192時間以上と長く、耐食性が良好であった。また、このSnめっき材のビッカース硬さHV、算術平均粗さRa、光沢度および山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaを求めたところ、ビッカース硬さHVは82.3、算術平均粗さRaは0.06μm、光沢度は1.8、山折りの曲げ加工部の表面の算術平均粗さRaは1.9μmであった。なお、山折りの曲げ加工部の表面の顕微鏡写真を図4に示す。図4に示すように、山折りの曲げ加工部の表面に深いしわの発生が確認された。
これらの実施例および比較例のSnめっき材の製造条件および特性を表1〜表3に示す。なお、表3において、密着性が良好である場合を○、剥離があって密着性が良好でない場合を×で示している。
Figure 0006940380
Figure 0006940380
Figure 0006940380
10 基材
12 Sn含有層
14 Niめっき層
16 Znめっき層
18 下地層
121 Cu−Sn合金層
122 Sn層
181 Ni層
182 Cu層

Claims (25)

  1. 銅または銅合金からなる基材の表面にSn含有層が形成されたSnめっき材において、Sn含有層がCu−Sn合金層とこのCu−Sn合金層の表面に形成された厚さ5μm以下のSnからなるSn層とから構成され、Sn含有層の表面に厚さ0.01〜5μmのNiめっき層が形成され、このNiめっき層の表面に最表層としてビッカース硬さHVが80以下のZnめっき層が形成されていることを特徴とする、Snめっき材。
  2. 前記Znめっき層の表面の算術平均粗さRaが0.1〜3.0μmであることを特徴とする、請求項1に記載のSnめっき材。
  3. 前記Znめっき層の表面の光沢度が1.2以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のSnめっき材。
  4. 前記Cu−Sn合金層の厚さが0.2〜2μmであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のSnめっき材。
  5. 前記Znめっき層の厚さが1〜40μmであることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載のSnめっき材。
  6. 前記基材と前記Sn含有層との間に下地層が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載のSnめっき材。
  7. 前記下地層がCuおよびNiの少なくとも一方を含む層であることを特徴とする、請求項に記載のSnめっき材。
  8. 前記基材の一方の表面のSn含有層の表面のみにNiめっき層を介して最表層としてZnめっき層が形成され、前記基材の他方の面のSn含有層が最表層として形成されていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載のSnめっき材。
  9. 前記Niめっき層が前記Sn含有層の表面の一部に形成されていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載のSnめっき材。
  10. 銅または銅合金からなる基材の表面にSnめっき層を形成した後、熱処理により、Cu−Sn合金層とこのCu−Sn合金層の表面に形成されたSnからなるSn層とから構成されたSn含有層を形成してSnめっき材を製造する方法において、Sn層の厚さを5μm以下にし、Sn含有層の表面に厚さ0.01〜5μmのNiめっき層を形成した後、硫酸浴中において電気めっきを行うことにより、Niめっき層の表面に最表層としてZnめっき層を形成することを特徴とする、Snめっき材の製造方法。
  11. 前記熱処理により、前記Sn層の厚さを5μm以下にすることを特徴とする、請求項10に記載のSnめっき材の製造方法。
  12. 前記熱処理により、前記Cu−Sn合金層の厚さを0.2〜2μmにすることを特徴とする、請求項10または11に記載のSnめっき材の製造方法。
  13. 前記Znめっき層の厚さが1〜40μmであることを特徴とする、請求項10乃至12のいずれかに記載のSnめっき材の製造方法。
  14. 前記Snめっき層を形成する前にCuめっき層を形成して、前記基材と前記Sn含有層との間にCuを含む下地層を形成することを特徴とする、請求項10乃至13のいずれかに記載のSnめっき材の製造方法。
  15. 前記Snめっき層を形成する前にNiめっき層とCuめっき層をこの順で形成して、前記熱処理により、前記基材と前記Sn含有層との間にCuおよびNiの少なくとも一方を含む下地層を形成することを特徴とする、請求項10乃至13のいずれかに記載のSnめっき材の製造方法。
  16. 前記Niめっき層を前記Sn含有層の表面の一部に形成することを特徴とする、請求項10乃至15のいずれかに記載のSnめっき材の製造方法。
  17. 銅または銅合金からなる基材の表面にSn含有層が形成されたSnめっき材を材料として用いた接続端子であって、Sn含有層がCu−Sn合金層とこのCu−Sn合金層の表面に形成された厚さ5μm以下のSnからなるSn層とから構成され、電線との接続部以外の部分においてSn含有層の表面に厚さ0.01〜5μmのNiめっき層が形成され、このNiめっき層の表面にビッカース硬さHVが80以下のZnめっき層が形成されていることを特徴とする、電線接続用端子。
  18. 前記Znめっき層の表面の算術平均粗さRaが0.1〜3.0μmであることを特徴とする、請求項17に記載の電線接続用端子。
  19. 前記Znめっき層の表面の光沢度が1.2以下であることを特徴とする、請求項17または18に記載の電線接続用端子。
  20. 前記Cu−Sn合金層の厚さが0.2〜2μmであることを特徴とする、請求項17乃至19のいずれかに記載の電線接続用端子。
  21. 前記Znめっき層の厚さが1〜40μmであることを特徴とする、請求項17乃至20のいずれかに記載の電線接続用端子。
  22. 前記基材と前記Sn含有層との間に下地層が形成されていることを特徴とする、請求項17乃至21のいずれかに記載の電線接続用端子。
  23. 前記下地層がCuおよびNiの少なくとも一方を含む層であることを特徴とする、請求項22に記載の電線接続用端子。
  24. 前記電線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項17乃至23のいずれかに記載の電線接続用端子。
  25. 前記電線が単芯線または撚線であることを特徴とする、請求項17乃至24のいずれかに記載の電線接続用端子。
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