JP6938097B2 - シートレール取付け構造 - Google Patents
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Description
この構造においては、車体フロア5上に、台座状に形成された前側および後側のシートアンカブラケット3,3’が設けられている。一方、車両前後方向に延び、かつ車両用シート8が載せられるシートレール1の前端部には、レールブラケット2が溶接され、その一部は、シートレール1の前方に延出する延出部22とされている。この延出部22は、図4に示すように、前側のシートアンカブラケット3の上面部上に載せられ、この箇所にボルト6を用いて締結されている。ボルト締結箇所は、シートレール1から適当な距離Lだけ車幅方向にオフセットされた位置である。後側のシートアンカブラケット3’に対するシートレール1の後部の取付け構造は、前記したのと同様とされている。
第2に、車両の前突発生時においては、車両用シート8を車両前方に移動させる大きな荷重が発生し、車両用シート8を前倒し状態にしようとする力Fが発生する場合がある。この力Fは、車両用シート8の後部側を矢印Naに示す方向に上昇させるとともに、車両用シート8の前部側を矢印Nbに示す方向に下降させる力である。このような力Fが発生した場合において、前側のシートアンカブラケット3が前記の力Fに起因して容易に圧縮変形する虞があるが、このような事態を生じたのでは、シートレール1の前部が沈み込むように屈曲変形する不具合が生じる。また、シートレール1とレールブラケット2との溶接部にも大きな応力が発生することとなり、溶接部の破損、さらにはレールブラケット2の破損をも生じてしまう。このような不具合は、適切に防止することが望まれる。
第1に、シートアンカブラケットに対するレールブラケットの取付け固定位置は、シートレールの長手方向の延長線上にあるため、長尺状のシートレールを頑丈に固定させることが可能である。したがって、車両用シートへの着座者がふわつき感、またはこれに近い違和感を生じないものとし、車両の乗り心地をよくすることができる。
第2に、シートアンカブラケットは、縦ビード部により強度向上が図られるため、車両の前突時において、車両用シートを前倒し状態にしようとする大きな力が発生した場合に、シートアンカブラケットが容易に圧縮変形しないようにすることができる。このため、シートアンカブラケットの圧縮変形に伴ってシートレールの前部が沈みこむように変形することを適切に防止することが可能となる。また、シートレールとレールブラケットとの接合箇所や、レールブラケットが破損し易くなるといった不具合も解消することができる。
第3に、レールブラケットは、シートアンカブラケットの本体部の上部のみならず、縦ビード部の上部によっても支持されるため、シートレールとシートアンカブラケットとのオーバラップ量を大きくし、シートレールの支持状態をより安定させることができる。これは、シートレールの前部に下向きの力が発生した際に、シートレールがより屈曲変形し難くなる効果をもたらせる。
第4に、シートレールとシートアンカブラケットとのオーバラップ量を大きくする手段として、縦ビード部を利用しているため、シートアンカブラケットの本体部の全体のサイズを大型化する必要をなくすことができる。その結果、重量の増大や、製造コストの上昇なども適切に抑制することが可能である。
なお、理解の容易のため、図3および図4で示した前記従来技術と同一または類似の要素には、前記従来技術と同一の符号を適宜付すこととする。
図1に示すシートレール取付け構造Aは、シートレール1の前部の取付け構造である。本発明は、シートレール1の後部の取付け構造は、技術対象とはしていないが、この点については後述する。また、シートレール1は、車幅方向に2本平行に設けられ、2本1組とされるが、各シートレール1の取付け構造は同様である。したがって、以降の説明については、片側のシートレール1のみを対象として、その取付け構造を説明する。
レールブラケット2は、シートレール1の前部をシートアンカブラケット3に取付けるための部材であり、上面開口の断面略コ字状であって、底板部20と、この底板部20の車幅方向両側縁部から上向きに起立した左右一対の側板部21とを備えている。このレールブラケット2は、底板部20がシートレール1の下面側に当接し、かつ一対の側板部21の相互間にシートレール1が挟み込まれるようにして、シートレール1の前部に溶接されている。ただし、レールブラケット2の前部は、シートレール1の車両前方側に延出した延出部22とされている。
本発明は、シートレールの前部側の取付け構造を対象としている。このため、シートレールの後部側の取付け構造は、従来技術と同様でもよいし、あるいは本発明に係るシートレールの取付け構造と同様な構成としてもよい。いずれの場合であっても、シートレールの前部側の取付け構造に本願発明を適用することにより、本発明が意図する作用を好適に得ることが可能である。
1 シートレール
2 レールブラケット
22 延出部(レールブラケットの)
3 シートアンカブラケット
3A 本体部(シートアンカブラケットの)
31b 後壁部(シートアンカブラケットの)
33 縦ビード部
Claims (1)
- 車両前後方向に延び、かつ車両用シートが載せられるシートレールと、
このシートレールの前部に接合され、かつ一部が前記シートレールの前部から車両前方側に延出した延出部とされているレールブラケットと、
車体フロア上に設けられる台座状の本体部を有し、かつこの本体部の上面部に前記レールブラケットの延出部が取付け固定されるシートアンカブラケットと、
を備えている、シートレール取付け構造であって、
前記シートアンカブラケットの前記本体部に対する前記レールブラケットの延出部の取付け固定は、前記シートレールの車両前方側の位置において図られており、
前記シートアンカブラケットの前記本体部の後壁部には、この後壁部の他の部分よりも車両後方側に突出した凸状とされて上下高さ方向に一連に延びる縦ビード部が設けられており、
この縦ビード部は、前記本体部と略同一の高さとされ、前記シートレールは、前記本体部および前記縦ビード部の双方の上側に位置していることを特徴とする、シートレール取付け構造。
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