JP6935979B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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本発明は、自動車などの車両前部構造に関する。
車両前部構造の一例として、特許文献1に記載のものがある。
同文献に記載の車両前部構造は、車体前部の骨格部材として、左右一対のフロントサイドメンバを備えている。これら一対のフロントサイドメンバは、車両の下部において、車幅方向に互いに間隔を隔てた配置とされて車両前後方向に延びている。ただし、これらフロントサイドメンバには、フロア部の前部から車両前方側に延びた前上がり傾斜部が設けられており、この前上がり傾斜部は、その下側にフロントサスペンションのサスペンションメンバを取付けるのに利用される。
一方、フロア部のうち、車幅方向略中央部には、車両前後方向に延びるフロアトンネル部が設けられている。このフロアトンネル部の基部を補強するためのインナトルクメンバの前部には、車幅方向外方側に屈曲または湾曲した形態を有し、かつフロントサイドメンバに一端が接続された曲げ部が設けられている。この曲げ部は、インナトルクボックスに相当し、この曲げ部の存在により、車体強度が高められる。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地があった。
すなわち、フロントサイドメンバには、前上がり傾斜部が設けられているため、車両の前突が発生し、車両前方から大きな衝突荷重がフロントサイドメンバに入力した際には、前上がり傾斜部がその後部側の基端部(屈曲部)を起点として上方に起き上がるように屈曲変形を生じる虞がある。このような屈曲変形を生じたのでは、フロントサイドメンバの荷重伝達性が損なわれることとなり、優れた衝撃吸収性能を得る上で不利となる。また、車両の前突時における耐衝撃性(耐荷重性)をよくする上でも不利となる。
前記した不具合を解消する手段として、補強部材を使用し、フロントサイドメンバを補強することが考えられるが、このような手段を採用したのでは、車両重量の増加を招く他、製造コストが高価となる。
特開2005−162144号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、車両の前突時にフロントサイドメンバが容易に屈曲変形することを、簡易な構成によって適切に防止または抑制し、車両の前突時の衝撃吸収性能ならびに耐衝撃性を優れたものとすることが可能な車両前部構造を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供される車両前部構造は、車両前部の下部において、車幅方向に互いに間隔を隔てた配置で車両前後方向に延びており、かつフロア部の前部から車両前方側に延びた前上がり傾斜部を有する左右一対のフロントサイドメンバと、これら一対のフロントサイドメンバよりも車幅方向内方側において、車幅方向に互いに間隔を隔てた配置で車両前後方向に延びており、かつ前部には、車幅方向外方側に屈曲または湾曲して前記各フロントサイドメンバに接続された曲げ部が設けられている左右一対のインナトルクメンバと、を備えている、車両前部構造であって、前記各インナトルクメンバの前記曲げ部よりも車両後方側のうち、前記フロア部を構成するダッシュパネルの後端部とフロントフロアパネルの前端部との接合部上に重ねられて接合されるようにして前記フロア部の前部寄り領域に設けられ、かつ車幅方向に延びるクロスメンバと、前記各フロントサイドメンバ、前記各インナトルクメンバの前部、および前記クロスメンバの三者が、車両上面視において環状をなし、かつ直接または間接的に接合されている環状部と、をさらに備えており、前記前上がり傾斜部の後部側の基端部は、前記環状部によって囲まれた領域としての前記環状部の内側領域の車幅方向外方側に隣接した配置にあることを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、フロントサイドメンバ、各インナトルクメンバの前部、およびクロスメンバの三者による環状部は、剛性が高い部位であり、フロントサイドメンバのうち、前上がり傾斜部の後部側の基端部およびその前後周辺部は、前記環状部によって効果的に補強される。したがって、車両の前突が発生し、車両前方側からフロントサイドメンバに大きな衝突荷重が入力した際に、前上がり傾斜部が起き上がる方向に屈曲変形することを適切に防止または抑制することが可能となる。その結果、フロントサイドメンバの荷重伝達性をよくし、車両の衝撃吸収性能を良好とすることができるとともに、車体強度をアップし、耐衝撃性能(耐荷重性能)を高めることができる。
第2に、本発明においては、フロントサイドメンバの補強手段として、クロスメンバを用いているが、このクロスメンバは、前記した所定の環状部の一部をなす部材であって、比較的小サイズのものでよい。また、本発明は、所定の複数の部材を用いた環状部の構造を利用し、フロントサイドメンバを補強しており、各部をかなりの肉厚に形成するといった必要もない。したがって、車両重量の増加や、製造コストの上昇を抑制することもできる。
第3に、前記環状部を構成するインナトルクメンバの前部、およびクロスメンバは、車両の前突時において、フロントサイドメンバの前記環状部の近辺を車幅方向内方側へ変形または変位させようとする力が発生した場合に、これに抗する突っ張り力を発揮し、前記変形または変位を抑制する作用も生じさせる。また、クロスメンバは、車両の前突時において、フロントサイドメンバとインナトルクメンバとが車両前後方向に大きく位置ずれすることを防止する効果も発揮する。このようなことにより、車両の前突時におけるフロントサイドメンバの荷重伝達性や、耐衝撃性能などを一層良好なものとすることが可能である。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
(a)は、本発明に係る車両前部構造の一例を示す要部側面図であり、(b)は、(a)の要部拡大側面断面図である。 図1の要部底面図である。 図2の要部拡大図である。 図2のIV−IV断面図である。 図4の要部斜視図である。 図2の要部平面図(車両上面視の図)である。 図6のVII−VII断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図5に示す車両前部構造Aは、車両1の前部の下部に配設された左右一対のフロントサイドメンバ3(図2では、網点模様を付している)、前輪19を懸架するフロントサスペンションのサスペンションメンバ4(サブフレームとも称される)、フロアトンネル部12が形成されたフロア部11、アッパメンバ3A、左右一対のインナトルクメンバ13、および左右一対のクロスメンバ6を具備している。
一対のフロントサイドメンバ3は、車両前部の下部において、車幅方向に互いに間隔を隔てた配置で車両前後方向に延びている。図4および図5に示すように、各フロントサイドメンバ3は、たとえば断面ハット状などの部材を用いて構成されており、車両1のフロア部11が設けられている箇所においては、このフロア部11の下面部に溶接されている。
図1に示すように、各フロントサイドメンバ3は、フロア部11の前部から車両前方側に延びた前上がり傾斜部30を有しており、この前上がり傾斜部30の車両前方側および車両後方側の領域は、略水平な領域とされている。
図面においては、仮想線によって中心線CLが適宜描かれているが、この中心線CLは、前上がり傾斜部30の後部側の基端部30a(屈曲部)の前後方向中心線である。
一方、一対のフロントサイドメンバ3は、車両上面視(底面視も含む、以下同様)においては、図2に示すように、フロント部32、内入り傾斜部33(同図の符号Saで示す範囲)、および後側延設部34が一連に繋がった構成とされている。
車両1の前部には、エンジンや変速機などから構成されたパワープラント2が内部に配されているエンジンルーム10が設けられており、一対のフロントサイドメンバ3のフロント部32は、エンジンルーム10の両側に位置して車両前後方向に略直線状に延びている。内入り傾斜部33は、一対のフロントサイドメンバ3のうち、サスペンションメンバ4の取付け箇所周辺部が、車両後方側ほど車幅方向相互間隔が狭くなるように、車両上面視において傾斜した部分である。フロントサイドメンバ3に対するサスペンションメンバ4の具体的な取付け構造については後述する。後側延設部34は、内入り傾斜部33の後部に繋がった部分であり、車幅方向においてフロアトンネル部12とロッカ15との相互間に位置してフロア部11の下面部に接合され、車両前後方向に延びている。
フロア部11は、ダッシュパネル11aの後端部と、フロントフロアパネル11bの前端部とが接合部17を介して接合された構成である。この接合は、たとえばスポット溶接により図られているが、後述するように、この接合部17には、クロスメンバ6がさらに溶接される。図2および図4に示すように、フロア部11の車幅方向両端部は、左右一対のロッカ15に接合(溶接)されている。
アッパメンバ3Aは、フロア部11の上面部に溶接されて車両前後方向に延びる部材であり、たとえば断面ハット状である。このアッパメンバ3Aは、図4および図5によく表れているように、フロア部11上のうち、フロントサイドメンバ3の後側延設部34の上側に重なった配置に設けられている。このアッパメンバ3Aの後端部は、追加のクロスメンバ6a(図2を参照)に溶接されている。この追加のクロスメンバ6aは、クロスメンバ6とは異なり、本発明でいうクロスメンバに相当するものではなく、クロスメンバ6よりも車両後方側に配されて、ロッカ15とフロアトンネル部12とを車幅方向において橋渡し接続するものである。
図4および図5によく表れているように、一対のインナトルクメンバ13は、フロアトンネル部12の基部を補強すべくフロアトンネル部12の基部下面側に溶接されている。各インナトルクメンバ13は、フロアトンネル部12との組み合わせによって閉断面構造部を形成するように設けられている。図2、図3および図6によく表れているように、こ
れら一対のインナトルクメンバ13は、一対のフロントサイドメンバ3よりも車幅方向内方側において、車幅方向に互いに間隔を隔てた配置で車両前後方向に延びている。各インナトルクメンバ13の前部には、車幅方向外方側に屈曲または湾曲した曲げ部13aが設けられており、かつこの曲げ部13aの一端は、フロントサイドメンバ3の前上がり傾斜部30に溶接されている。曲げ部13aは、いわゆるインナトルクボックス部に相当する。
クロスメンバ6は、たとえば断面ハット状部材を用いて構成されており、フロアトンネル部12とアッパメンバ3Aとを車幅方向において橋渡し接続するように、これらに車幅方向両端部が溶接されている。このクロスメンバ6が設けられる位置は、インナトルクメンバ13の曲げ部13a、およびフロントサイドメンバ3の前上がり傾斜部30の基端部30aのそれぞれよりも車両後方側である。このことにより、フロントサイドメンバ3、インナトルクメンバ13の曲げ部13aを含む前部、およびクロスメンバ6の三者は、車両上面視において、環状をなし、かつ直接または間接的に溶接された環状部Lを構成している。
なお、フロントサイドメンバ3とインナトルクメンバ13の前部とは直接溶接されており、フロントサイドメンバ3とクロスメンバ6とは、アッパメンバ3Aおよびフロア部11を介して間接的に溶接されている。クロスメンバ6とインナトルクメンバ13の前部とは、フロア部11(フロアトンネル部12の基部)を介して間接的に溶接されている。
図3、図6および図7によく表れているように、フロントサイドメンバ3の前上がり傾斜部30の後部側の基端部30a(およびその中心線CL)は、車両前後方向において、環状部Lの内側領域とオーバラップした配置に設定されている。
図7によく表れているように、クロスメンバ6の一対のフランジ部61,62は、フロア部11に溶接部Wa,Wbを介して接合されている。ただし、フランジ部61は、ダッシュパネル11aとフロントフロアパネル11bとの接合部17上に重ねられた上で、この接合部17に溶接部Waを介して接合されている。溶接部Waは、好ましくは、フランジ部61、フロントフロアパネル11bの前端部、およびダッシュパネル11aの後端部を同時に溶接するスポット溶接などである。
図1および図2において、サスペンションメンバ4は、前輪19を支持するロアアーム7の基端部を回転可能に支持する部材であり、フロントサイドメンバ3の前上がり傾斜部30の下方に配されている。サスペンションメンバ4およびフロントサイドメンバ3には、サスペンションメンバ4の車幅方向両端部の前部および後部をフロントサイドメンバ3に取付けるための前側取付け部9Aおよび後側取付け部9B,9B’が設けられている。
前側取付け部9Aは、サスペンションメンバ4の前部寄り領域の上面部に起立して設けられた前側ブラケット部41の上部が、支持部材39を介してフロントサイドメンバ3に固定された部位である。フロントサイドメンバ3内には、支持部材39の取付け強度を高めるためのリインフォース39aが適宜設けられている。
後側取付け部9Bは、前上がり傾斜部30の下面側に溶接された台座部38に、サスペンションメンバ4の後部が、ボルト90を用いて締結された部位である。後側取付け部9B’は、サスペンションメンバ4の後部に固定されたステー42が、前上がり傾斜部30の台座部38よりも下側の部分にボルト91を用いて締結された部位である。
ロアアーム7は、その先端部に前輪19が支持され、前輪19とサスペンションメンバ4との相対的な上下動を可能とするように、その基端部は、サスペンションメンバ4に対して回転可能に連結されている。より具体的には、ロアアーム7の基端部は、前部および後部に分岐しており、かつ前側回転支持部8Aおよび後側回転支持部8Bを介してサスペ
ンションメンバ4に取付けられている。前側回転支持部8Aは、中心軸が略水平方向に延びる姿勢のゴムブッシュ81を用いて構成されており、後側回転支持部8Bは、中心軸が上下高さ方向に延びる起立姿勢のゴムブッシュ82を用いて構成されている。ゴムブッシュ82、ステー42、サスペンションメンバ4、および台座部38は、ボルト90を用いて共締めされている。
図3によく表れているように、ロアアーム7の後側回転支持部8Bの中心P2は、前側回転支持部8Aの中心P1よりも車幅方向内方側に適当な寸法L1だけオフセットされている。このような構成によれば、そうでない構成と比較して、操安性をよくすることが可能である。また、前記した中心P2は、フロントサイドメンバ3の直下に位置している。このため、構成の簡素化を図りつつ、後側回転支持部8Bおよびその周辺部の建付け剛性を高め、操安性をより向上させることが可能である。
前記した構成に対応し、後側取付け部9B,9B’は、前側取付け部9Aよりも車幅方向内方側に適当な寸法L2だけオフセットされている。内入り傾斜部33は、サスペンションメンバ4の前側取付け部9Aよりも後側取付け部9B,9B’を車幅方向内方側に配置させ、かつロアアーム7の後側回転支持部8Bの中心P2を、前側回転支持部8Aの中心P1よりも車幅方向内方側に適当な寸法L1だけオフセットするのに適する。
図2に示すように、フロントサイドメンバ3の後側取付け部9B,9B’付近とロッカ15の前端部とは、トルクボックス14(アウタトルクボックス)を介して相互に連結されている。このことにより、車体の捩じり剛性がより高められる他、後側取付け部9B,9B’付近の剛性を効果的に高め、サスペンションメンバ4の支持状態を安定させることが可能である。
次に、前記した車両前部構造Aの作用について説明する。
まず、環状部Lは、既述したように、フロントサイドメンバ3、インナトルクメンバ13の曲げ部13aを含む前部、およびクロスメンバ6の三者が直接または間接的に溶接されて構成されており、剛性が高い部位である。フロントサイドメンバ3のうち、前上がり傾斜部30の後部側の基端部30aおよびその前後周辺部は、環状部Lによって効果的に補強されている。したがって、車両1の前突が発生し、車両前方側からフロントサイドメンバ3に大きな衝突荷重F(図2を参照)が入力した際に、前上がり傾斜部30が起き上がるように屈曲変形することは適切に防止または抑制される。その結果、フロントサイドメンバ3の荷重伝達性をよくし、車両1の衝撃吸収性能を良好とすることができる。また、車体強度をアップし、耐衝撃性能(耐荷重性能)を高めることもできる。
本実施形態においては、フロントサイドメンバ3の補強手段として、クロスメンバ6が用いられているが、このクロスメンバ6は、フロアトンネル部12の基部とアッパメンバ3Aとを橋渡し接続し得る比較的小サイズのものでよい。また、本発明は、環状部Lを利用してフロントサイドメンバ3を補強しており、各部をかなりの肉厚に形成するといった必要もない。したがって、車両1の重量の増加や、製造コストの上昇を抑制することもできる。
フロントサイドメンバ3には、内入り傾斜部33が設けられているため、車両1の前突が発生し、衝突荷重Fがフロントサイドメンバ3に入力した際には、内入り傾斜部33の後部側の後側延設部34を車幅方向内方に大きく変形させようとする力が発生し易い。これに対し、クロスメンバ6には、前記した力に対する突っ張り力を生じさせ、後側延設部34が車幅方向内方に大きく変形することを適切に防止することが可能である。したがって、フロントサイドメンバ3の荷重伝達性、および車両1の衝撃吸収性能を一層良好にすることが可能である。
また、クロスメンバ6は、車両1の前突時において、アッパメンバ3Aおよびフロントサイドメンバ3とフロアトンネル部12とが車両前後方向に大きく位置ずれすることを防止する作用を生じさせる。さらに、クロスメンバ6は、ダッシュパネル11aの後端部とフロントフロアパネル11bの前端部との接合部17に重ねられてこれらと接合されているため、これら三者の接合強度が高められる。このようなことから、車両1の前突時において、アッパメンバ3Aおよびフロントサイドメンバ3とフロアトンネル部12との位置ずれに起因して、ダッシュパネル11aとフロントフロアパネル11bとの接合部17に不当な剥離が生じることも、適切に防止または抑制することが可能となる。
本実施形態の車両前部構造Aにおいては、ロアアーム7の後側回転支持部8Bの中心P2を、前側回転支持部8Aの中心P1よりも車幅方向内方側にオフセットさせているため、そうでない場合と比較すると、内入り傾斜部33の傾斜角を大きくする必要がある。このため、本来的には、車両1の前突時において後側延設部34は、より曲げ変形などを生じ易くなり、またフロア部11の接合部17における前記した剥離も、より生じ易くなる。これに対し、本実施形態においては、既述したクロスメンバ6を設けた構成により、前記した不具合を適切に解消することが可能である。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る車両前部構造の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
上述の実施形態においては、クロスメンバ6が、フロア部11上に配された上で、フロアトンネル部12とアッパメンバ3Aとを橋渡し接続した構成とされているが、これに限定されない。本発明においては、たとえばクロスメンバ6が、フロア部11の下面側に配された上で、フロントサイドメンバ3とインナトルクメンバ13とが橋渡し接続された構成とすることもできる。
上述の実施形態においては、クロスメンバ6の一部を、フロア部11の接合部17に重ね合わせて接合しており、これらの接合強度などを高める上で好ましいが、クロスメンバ6が接合部17に接合されていない構成とすることも可能である。
車両1の操安性を良好にする観点からすると、フロントサスペンションのロアアーム7の後側回転支持部8Bの中心P2を、前側回転支持部8Aの中心P1よりも車幅方向内方側にオフセットすることが好ましいものの、これとは異なる構成とすることも可能である。
本発明の車両前部構造は、エンジン自動車に限らず、ハイブリッド車や電気自動車にも適用することができることは勿論である。
A 車両前部構造
L 環状部
1 車両
11 フロア部
11a ダッシュパネル
11b フロントフロアパネル
12 フロアトンネル部
13 インナトルクメンバ
13a 曲げ部
17 接合部
3 フロントサイドメンバ
3A アッパメンバ
30 前上がり傾斜部
4 サスペンションメンバ
6 クロスメンバ

Claims (1)

  1. 車両前部の下部において、車幅方向に互いに間隔を隔てた配置で車両前後方向に延びており、かつフロア部の前部から車両前方側に延びた前上がり傾斜部を有する左右一対のフロントサイドメンバと、
    これら一対のフロントサイドメンバよりも車幅方向内方側において、車幅方向に互いに間隔を隔てた配置で車両前後方向に延びており、かつ前部には、車幅方向外方側に屈曲または湾曲して前記各フロントサイドメンバに接続された曲げ部が設けられている左右一対のインナトルクメンバと、
    を備えている、車両前部構造であって、
    前記各インナトルクメンバの前記曲げ部よりも車両後方側のうち、前記フロア部を構成するダッシュパネルの後端部とフロントフロアパネルの前端部との接合部上に重ねられて接合されるようにして前記フロア部の前部寄り領域に設けられ、かつ車幅方向に延びるクロスメンバと、
    前記各フロントサイドメンバ、前記各インナトルクメンバの前部、および前記クロスメンバの三者が、車両上面視において環状をなし、かつ直接または間接的に接合されている環状部と、
    をさらに備えており、
    前記前上がり傾斜部の後部側の基端部は、前記環状部によって囲まれた領域としての前記環状部の内側領域の車幅方向外方側に隣接した配置にあることを特徴とする、車両前部構造。
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