JP6931989B2 - 活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物 Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線条件下で優れた硬化性、及び紙器等のパッケージインキ印刷用のために優れた印刷適性と印刷品質を保持することを特徴とする活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物に関する。更には、該組成物を用いた印刷物に関する。
活性エネルギー線条件下で硬化する紫外線硬化型オフセットインキは、瞬間乾燥の特性の利便性から、玩具や紙器等の食品包装向けパッケージ印刷の分野で広く使用されている。
そして、瞬間乾燥の特性の利便性から、特に商業印刷において、従来の酸化重合型の油性インキから紫外線硬化型インキへの切り替えが進んでおり、ハンドリング、印刷適性、印刷物の品質等、様々な点において油性インキと同等の性能が求められている。中でも、紫外線硬化型インキで発生しやすい現象である、印刷機械のインキ壺中にインキの流れが停滞し、壺ロールにインキが供給されなくなる「壺上がり性」の向上が要求される。壺上がり性はインキの流動性に起因するものであり、一般的に使用されているジアリルフタレート(DAP)樹脂を用いた紫外線硬化型オフセットインキでは、印刷時の耐汚れ性、濃度安定性等の印刷適性に優れるものの流動性が出にくい(例えば、特許文献1)。また、芳香族ポリイソシアネートと、水酸基含有モノ(メタ)アクリレートの反応生成物に、更に多官能ポリオール(c)を反応させて得られる特定のウレタン(メタ)アクリレート樹脂を用いた紫外線硬化型オフセットインキについても、前記同様に印刷適性に優れるものの流動性が出にくい(例えば、特許文献2)。そしてインキの流動性はインキの出し量に影響することから、印刷物の光沢にも影響する。
特に流動性の保持が難しい黄色インキでは、壺上がり性の向上が他色に増してその改善が望まれる。
特開2016−079211 WO2016/063625
本発明の課題は、インキの流動性に優れ、得られた印刷物は高い光沢が得られる活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)、ジアリルフタレート樹脂(B)、前記以外の(メタ)アクリルモノマー(C)および顔料を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物が、インキの流動性に優れ、得られた印刷物は高い光沢が得られる印刷インキとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)、ジアリルフタレート樹脂(B)、前記以外の(メタ)アクリルモノマー(C)および顔料を必須成分とすることを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
更に、本発明は、前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)が、芳香族ポリイソシアネート(a)、水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)を必須原料とする活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物に関する。
更に、本発明は、前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)が、さらにポリオール(c)を必須原料とする活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物に関する。
更に、本発明は、前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)が、重量平均分子量3,000〜40,000の範囲にあるものである活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物に関する。
更に、本発明は、顔料が黄色顔料である活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物に関する。
本発明は、更に、前記活性エネルギー線硬化性印刷インキ組成物を用い印刷してなる印刷物に関する。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物により、インキの流動性に優れ、得られた印刷物は高い光沢が得られる活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を得ることができる。
本発明は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)、ジアリルフタレート樹脂(B)、前記以外の(メタ)アクリルモノマー(C)および顔料を含有することで目的とする本発明の効果を奏するものである。
本発明で使用するウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)としては、多官能型芳香族イソシアネート(a)と水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)とを反応させたものが好ましい。中でも、前者多官能型芳香族イソシアネート(a)のイソシアネート基(a’)に対する後者の水酸基(b’)の割合[(b’)/(a’)]が、0.99〜0.40となる割合で反応させたものがより好ましい。
更に本発明で使用するウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)としては、次いで、得られた前記反応生成物に、更にポリオール(c)を反応させることにより得られる官能基濃度の高いウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)である事が更に好ましい。
前記多官能型芳香族イソシアネート(a)としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、及びこれらのイソシアネート化合物と多官能アルコールとのアダクト物などのイソシアネート基を1分子あたり3つ以上有する成分を含む多官能型ポリイソシアネート化合物が挙げられる。これらの多官能型芳香族イソシアネートは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。原料多官能イソシアネート化合物の化学構造中に芳香族構造を持たせることにより、最終的に得られるウレタン(メタ)アクリレート樹脂を用いた印刷インキにした際、優れた硬化性を発現させることができる。
これらのなかでも、特に、イソシアネート基を1分子あたり3つ以上有する成分(3官能以上の成分)を含む多官能型ポリイソシアネート化合物が、硬化性により優れたUV硬化型インキが設計できることから好ましく、具体的には、3官能以上の成分を30質量%以上の割合で含有するものが好ましい。このような3官能以上の成分を含む芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが挙げられ、特に粘度100〜700mPa・sのポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートがより好ましい。ここで、粘度はE型粘度計(25℃)にて測定した値である。
また、前記多官能型芳香族イソシアネート(a)と反応させる水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル等の水酸基含有(メタ)アクリレート;前記水酸基含有(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド付加物、前記水酸基含有(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド付加物、テトラメチレングリコール付加物、ラクトン付加物等が挙げられる。これらの水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)はそれぞれ単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中でも、特にヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートが、組成物の硬化性に優れたものとなる点から好ましい。
前記多官能型芳香族イソシアネート(a)と、前記水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)とを反応させる方法としては、多官能型芳香族イソシアネート(a)及び、必要に応じて公知慣用のウレタン化触媒を加え20〜120℃に加熱し、前記水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)の所定量を連続的乃至断続的に反応系内に加え反応させる方法が挙げられる。
次に、このようにして得られた反応生成物を、更にポリオール(c)と反応させることにより、更に官能基濃度の高いウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)を得ることができる。ここで、前記ポリオール(c)は、その分子量が、90〜400の範囲にある脂肪族多価アルコールであることが硬化性や印刷適性の点から好ましい。即ち、分子量が90を下回る場合には、適度なオフセット印刷適性の改善効果が小さくなり、一方、該分子量が400を上回る場合には、最終的に得られる、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)の官能基濃度が低くなり、硬化性の改善効果が小さくなる。
この様な観点から、具体的には、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリプロピレングリコール等の2官能型ポリオール;グリセリン、トリメチロールプロパン等の3官能型ポリオール;ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン等の4官能型ポリオール;ジペンタエリスリトール等の6官能型ポリオール;及び前記3官能型ポリオールのエチレンオキサイド付加物(一分子あたり平均1〜4モル付加)、前記3官能型ポリオールのプロピレンオキサイド付加物(一分子あたり平均1〜4モル付加)、前記3官能型ポリオールの1,3−ブタンジオール付加物(一分子あたり平均1〜2モル付加)、前記4官能型ポリオールのエチレンオキサイド付加物(一分子あたり平均1〜3モル付加)、前記6官能型ポリオールのエチレンオキサイド付加物(一分子あたり平均1〜3モル付加)等が挙げられる。これらのポリオール(c)は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。これらのなかでも、適度な分岐構造を持つウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)が得られ、優れたオフセット印刷適性と硬化性とを発現できる点からグリセリン、トリメチロールプロパン等3官能型ポリオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、及びトリプロピレングリコールが好ましく、とりわけグリセリン、及びトリメチロールプロパン等の3官能型ポリオールがミスチング性、硬化性に優れる点から特に好ましい。
ここで、ポリオール(c)を(a)成分〜(c)成分の合計質量に対して1〜15質量%となる割合で加えることが、最終的に得られるウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)中の(メタ)アクリロイル基濃度が高まり、硬化性や印刷適性が飛躍的に向上する点から好ましい。
前記芳香族ポリイソシアネート(a)と前記水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)の反応を第一工程とすれば、第二工程にて第一工程で得られた反応生成物にポリオール(c)を加え、20〜120℃に加熱し、イソシアネート基を示す2250cm−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行う方法が挙げられる。
この様にして得られるウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)は、芳香族ポリイソシアネート(a)と水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)との反応生成物が、前記ポリオール(c)を介して結節された構造を持つ(メタ)アクリロイル基濃度の高いウレタン(メタ)アクリレート樹脂となる。具体的には、前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)の(メタ)アクリロイル基濃度が1.5〜4.0mmol/gの範囲となることを特徴としている。(メタ)アクリロイル基濃度が1.5mmol/gを下回る場合には、優れた硬化性が得られない。他方、(メタ)アクリロイル基濃度が4.0mmol/gを上回る場合には、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)の流動性が高くなり過ぎて印刷インキのミスチング性能が低下する他、水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)が印刷インキ中に残存するリスクも高まる。
この様にして得られるウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)は、その重量平均分子量(Mw)が3,000〜40,000の範囲にあるものであることが流動性とミスチング性、及び印刷適性に優れた印刷インキとなる点から好ましい。
尚、本願発明において、重量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲルパーミアーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物に使用するジアリルフタレート樹脂(B)としては、例えば、主剤としての無水フタル酸等の多塩基酸、硬化剤としてのアリルアルコール等、架橋剤等を含む組成物等が挙げられる。前記架橋剤としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
ジアリルフタレート樹脂は、優れた耐乳化適性、ロングランでの印刷適性を付与するために特に有用である。
ジアリルフタレート樹脂としては、具体的には、ダイソーダップ、ダイソーイソダップ(何れもダイソー社製)等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物において、ジアリルフタレート樹脂の含有量は5〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。
ジアリルフタレート樹脂の含有量が5質量%未満では、十分なインキ粘度が得られず、印刷上、ドットゲインや汚れ等のトラブルが発生することがある。一方、ジアリルフタレート樹脂の含有量が25質量%を超えると、インキの流動性を著しく損ない、十分な印刷適性を付与することができないことがある。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物では、前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)、と前記ジアリルフタレート樹脂(B)を併用する事で、本発明の効果をもたらすものであり、使用するウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A):ジアリルフタレート樹脂(B)の質量比率は(A):(B)=5:95〜95:5の範囲である。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物に使用する前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)、及び前記ジアリルフタレート樹脂(B)以外の(メタ)アクリルモノマー(C)としては、公知のものから任意に選んで用いる事ができる。
尚本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルとメタクリルとを総称したものである。
前記(メタ)アクリルモノマー(C)としては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−(メタ)アクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換された(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
(メタ)アクリルモノマーの他の例としては、エチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上であり、およそ14以下)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリ(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)(メタ)アクリレートや、水酸基を分子内にもつ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシプロピル(メタ)アクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノマ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノ(メタ)アクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニル(メタ)アクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリルモノマーを用いることができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
組成物に特に好適な(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の置換基を有する(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド等の1官能モノマー、
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、オペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸(メタ)アクリレート等の多官能モノマーを挙げることができる。これらは2種類以上併用して用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物は、基材に印刷後、活性エネルギー線を照射することで硬化皮膜とすることができる。この活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が挙げられる。これらのなかでも特に、硬化性および利便性の点から紫外線(UV)が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、上記の通り、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線であるが、具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、又は走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。
次に、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物が紫外線硬化型組成物である場合に用いる光重合開始剤は、分子内開裂型光重合開始剤及び水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられる。分子内開裂型光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシム系化合物、3,6−ビス(2−メチル−2−モルフォリノプロパノニル)−9−ブチルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系化合物;
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ((4−メチルチオ)フェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアミノアルキルフェノン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
一方、水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、
ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、
アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;その他10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。これらのなかでも特に硬化性に優れる点からアミノアルキルフェノン系化合物が好ましく、また、特に発光ピーク波長が350〜420nmの範囲の紫外線を発生するUV−LED光源を活性エネルギー線源として用いた場合には、アミノアルキルフェノン系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、及びアミノベンゾフェノン系化合物を併用することが硬化性に優れる点から好ましい。
これらの重合開始剤の使用量は、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物中の不揮発成分100重量%に対し、その合計使用量として1〜20重量%となる範囲であることが好ましい。即ち、重合開始剤の合計使用量が1重量%以上の場合は良好な硬化性を得ることができ、また20重量%以下の場合は、未反応の重合開始剤が硬化物中に残存することによるマイグレーション、耐溶剤性、耐候性等の物性低下といった問題を回避できる。これらの性能バランスがより良好なものとなる点から、特に、本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物中の不揮発成分100重量%に対し、その合計使用量が3〜15重量%となる範囲であることがより好ましい。ただし活性エネルギー線として電子線を用いる場合には、原理的にこれら光重合開始剤の使用は必須ではない。
また、前記した重合開始剤の他に、光増感剤を利用することで硬化性を一層向上させることが可能である。斯かる光増感剤は、例えば、脂肪族アミン等のアミン化合物、o−トリルチオ尿素等の尿素類、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが挙げられる。これら光増感剤の使用量は、硬化性向上の効果が良好なものとなる点から本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物中の不揮発成分100重量%に対し、その合計使用量として1〜20重量%となる範囲であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物では、硬化性を向上させる目的でワックスを添加することができる。前記ワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバワックス、みつろう、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、アマイドワックスなどのワックス、ヤシ油脂肪酸や大豆油脂肪酸などのC8〜C18程度の範囲にある脂肪酸等を挙げることができる。
中でもポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックスに代表されるパウダータイプ又は粒子タイプのポリオレフィンワックスは良好なインキ流動性と硬化性が得られるため好ましく、さらに前記ポリオレフィンワックスの融点が90〜130℃の範囲にありかつ平均粒子径D50が1〜10マイクロメートルの範囲にあるポリオレフィンワックスであればより好ましい。平均粒子径D50が1マイクロメートル未満の場合は硬化性を向上させることが難しく、10マイクロメートルを超える場合は印刷機上のインキ転移性が著しく低下しオフセット印刷適性を損なうことから好ましくない。また本発明の活性エネルギー線硬化型組成物中の不揮発成分100重量%に対し、ワックスの総使用量が0.1〜5重量%となる範囲であることが好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物に用いる顔料としては特に限定はなく、また、未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。
具体的には公知の無機顔料や有機顔料が使用できる。無機顔料としては例えば、酸化鉄や、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等がある。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
上記顔料を色別に例示すると、例えば墨インキに使用される顔料としては、ファーネス法、サーマル法、コンタクト法などの公知の手法により製造されたカーボンブラックを挙げることができ、例えば、ラーベン14、ラーベン450、ラーベン860Ultra、ラーベン1035、ラーベン1040、ラーベン1060Ultra、ラーベン1080Ultra、ラーベン1180、ラーベン1255(以上、コロンビアンケミカル社製)、リーガル400R、リーガル330R、リーガル660R、モーグルL(以上、キャボット社製)、MA7、MA8、MA11(以上、三菱化学社製)等を挙げることができ、これらは単独で使用してもよく、また2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、イエローインキに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等が挙げられる。
特に流動性の保持が難しい黄色インキでは、壺上がり性が他色に比較して悪い傾向にあり、本発明で述べる活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物は特に黄色インキに好適である。
また、マゼンタインキに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、168、176、184、185、202、209、269等、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
また、シアンインキに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、16、22、60、63、66等が挙げられる。
また、白インキに使用される顔料の具体例としては、アルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、微粉ケイ酸、合成珪酸塩、等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。また、前記無機白色顔料が各種表面処理方法で表面処理されていてもよい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物には、体質顔料として無機微粒子を用いてもよい。無機微粒子としては、酸化チタン、グラファイト、亜鉛華等の無機着色顔料;炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(ChinaClay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等の無機体質顔料; 等の無機顔料や、シリコーン、ガラスビーズなどがあげられる。これら無機微粒子は、インキ中に0.1〜20重量%の範囲で使用することにより、インキの流動性調整、ミスチング防止、紙等の印刷基材への浸透防止といった効果を得ることが可能である。
本発明の活性エネルギー硬化型オフセットインキ組成物では、更に公知公用の各種バインダー樹脂を利用することができる。ここで述べるバインダー樹脂とは、適切な顔料親和性と分散性を有し、印刷インキに要求されるレオロジー特性を有する樹脂全般を示しており、例えば非反応性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、セルロース誘導体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン−アクリルニトリル共重合体等を挙げることができ、これらバインダー樹脂化合物は、単独で使用しても、いずれか1種以上を組合せて使用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物では、上記した各成分の他の配合物として、染料、有機溶剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、顔料分散剤等の添加剤を使用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物で使用する印刷基材としては特に限定は無く、例えばカタログ、ポスター、チラシ、CDジャケット、ダイレクトメール、パンフレット、化粧品や飲料、医薬品、おもちゃ、機器等のパッケージ等の印刷に用いられる上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウムフォイル、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。
本発明で述べる活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物の製造は、従来の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物紫と同様に、前記着色顔料、重合性アクリレートモノマー、ウレタンオリゴマー(ワニス)、バインダー樹脂、光重合開始剤、増感剤、その他添加剤等を配合してミキサー等で撹拌混合し、三本ロールミル、ビーズミル等の分散機を用いて練肉することで製造される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
製造例1〔ポリオール使用のウレタンアクリレート樹脂(A1)の合成〕
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)59.4質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート37.3質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で3時間反応させた後、第二工程として、グリセリン3.3質量部を添加し、さらに75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂(A1)を得た。得られたウレタンアクリレート樹脂(A1)の重量平均分子量(Mw)5438、アクリロイル基濃度3.22mmol/gであった。
製造例2〔ポリオール未使用のウレタンアクリレート樹脂(A2)の合成〕
撹拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、第一工程として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−400」2核体成分29質量%、3核体以上の成分71質量%)54.6質量部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン0.1質量部、メトキシハイドロキノン0.02質量部、オクチル酸亜鉛0.02質量部を加え、75℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート45.4質量部を1時間にわたって攪拌下で滴下した。滴下後、75℃で反応させ、イソシアネート基を示す2250cm−1の赤外吸収スペクトルが消失するまで反応を行い、ウレタンアクリレート樹脂(A2)を得た。なお、ウレタンアクリレート樹脂(A2)中の残存2−ヒドロキシエチルアクリレート量は5350ppmであった。また重量平均分子量(Mw)1504、アクリロイル基濃度3.91mmol/gであった。
〔ウレタンアクリレートワニスIの作製〕
前記ウレタンアクリレート樹脂(A1)が、固形分60質量%となるようにエチレンオキサイド(平均3モル付加)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(MIRAMER M3130、MIWON社製)40質量%に90℃で充分溶解、攪拌させ、ウレタンクリレートワニスIを作製した。
〔ウレタンアクリレートワニスIIの作製〕
前記ウレタンアクリレート樹脂(A2)が、固形分65質量%となるようにエチレンオキサイド(平均3モル付加)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(MIRAMER M3130、MIWON社製)40質量%に90℃で充分溶解、攪拌させ、ウレタンクリレートワニスIを作製した。
〔DAPワニスの作製〕
ジアリルフタレート樹脂(ダイソーダップA、ダイソー社製)固形分39質量%とエチレンオキサイド(平均3モル付加)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(MIRAMER M3130、MIWON社製)61質量%を90℃で充分溶解、攪拌させDAPワニスを作製した。
〔インキ組成物の製造方法〕
表1の組成に従って、実施例1〜6および比較例1〜3のインキを三本ロールミルにて練肉することによって、各種の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を得た。
表1の数値は質量%である。
実施例1については、ウレタンアクリレートワニスI 19.9質量%とDAPワニス30.7質量%を添加し各々の固形分比率が等量となる様にし、さらに(メタ)アクリルモノマー(C)として、エチレンオキサイド(平均3モル付加)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(MIRAMER M3130、MIWON社製)17質量%添加した。
尚、全てのインキ組成物に対し着色成分として黄藍顔料であるDIC株式会社製SYMULER Fast Yellow 8GF、(Pigment No.17 イエロー)14質量%、粘度及び流動性調整剤として炭酸マグネシウム6質量%、助剤としてパラフィンワックス1質量%、光重合開始剤としてBASF社製Irgacure369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 6重量%および東京化成社製CHAMARK DEABP(ジエチルアミノベンゾフェノン)4質量%、重合禁止剤として重合禁止剤ベース1(和光純薬工業社製Q1301(N‐ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)5重量%をMIWON社製MIRAMER M300(トリメチロールプロパントリアクリレート)95重量%に溶解させた液状混合物)1重量%を共通に添加した。
また、作製した各インキ組成物1.31mlを東洋精機(株)製インコメーターに塗布し、ローラー温度32℃、回転スピード400rpmに設定して回転させ、1分後のタックバリュー(T.V.)値を読み取り、タックバリュー(T.V.)値が全例とも標準的な10である事を確認した。
実施例2、3については、ウレタンアクリレートワニスIとDAPワニスの各々の固形分比率を表1に示す比率に変更した他は、実施例1と同様の手順でインキを作製した。実施例4〜6については、ウレタンアクリレートワニスIIとDAPワニスの各々の固形分比率を変更した他は、表1に示す比率に変更した他は、実施例1と同様の手順でインキを作製した。比較例1〜3については、ウレタンアクリレートワニスI、II、及びDAPワニスを各々単独で使用しインキを作製した。
〔展色物の製造方法〕
この様にして得られた活性エネルギー線硬化型インキ組成物を、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を用い、インキ0.10mlを使用して、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、コートボール紙(王子マテリア社製UFコート、米坪350g/m)の表面に、200cmの面積にわたって黄濃度1.4(X−Rite社製SpectroEye濃度計で計測)で均一に塗布されるように展色し、展色物を作製した。なおRIテスターとは、紙やフィルムにインキを展色する試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することが可能である。
〔UVランプ光源による硬化方法〕
インキ塗布後の展色物に活性エネルギー線である紫外線(UV)照射を行い、インキ皮膜を硬化させた。水冷メタルハライドランプ(出力100W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製、コールドミラー付属)を使用し、展色物をコンベア上に載せ、ランプ直下(照射距離11cm)を分速100メートルの速度で通過させることにより、インキ皮膜を硬化させた。
〔評価方法1:インキ流動性〕
インキ流動性はスプレッドメーター法(平行板粘度計)によりJIS K5101、5701に則った方法で測定を実施し、水平に置いた2枚の平行板の間に挟まれたインキが、荷重板の自重(115グラム)によって、同心円状に広がる特性を経時的に観察し、60秒後のインキの広がり直径をダイアメーター値(DM[mm])として測定した。本評価項目においてDMが38mm未満となる組成では、印刷機上で壺切れ、インキローラ間の転移不良といった印刷適性面での不良が発現し易くなる。
〔評価方法2:展色物の光沢〕
得られた展色物の光沢値を60°光沢計(BYK Garder GmbH製)で測定し、次の3段階で評価した。数値が高い程、光沢が良い事を示す。

〇:光沢値が30以上
△:光沢値が25以上30未満
×:光沢値が25未満
Figure 0006931989
実施例に記載の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物では、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)とジアリルフタレート樹脂(B)を併用する事で、インキの流動性に優れ、得られた印刷物は高い光沢が得られる。更に、実施例1〜3が示す様に、(メタ)アクリレート樹脂(A)が、ポリオール(c)を原料とする場合、その効果は更に良好である。
ウレタンアクリレートワニスI、II、及びDAPワニスを各々単独で使用した比較例では、インキの流動性、印刷物の光沢共に劣る結果となった。
本発明の活性エネルギー線オフセットインキおよびそれを用いて印刷された印刷物は、食品・飲料・サニタリー・コスメ・おもちゃ・機器・医薬品等の紙器パッケージ用途や、書籍・チラシ・ポスター・カタログ・カード・ダイレクトメール・パンフレット・CDジャケット・シールラベル等の商業印刷用途に幅広く展開され得る。

Claims (4)

  1. ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)、ジアリルフタレート樹脂(B)、前記以外の(メタ)アクリルモノマー(C)および黄色顔料を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型オフセット黄色インキ組成物。
    但し、前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)が、重量平均分子量3,000〜40,000の範囲にあるものであり、前記ジアリルフタレート樹脂(B)の含有量がインキ組成物全量の5〜25質量%であり、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A):ジアリルフタレート樹脂(B)の質量比率が1:3〜3:1である。
  2. 前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)が、芳香族ポリイソシアネート(a)、水酸基含有モノ(メタ)アクリレート(b)を必須原料とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型オフセット黄色インキ組成物。
  3. 前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂(A)が、さらにポリオール(c)を必須原料とする請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型オフセット黄色インキ組成物。
  4. 請求項1〜の何れか1つに記載の活性エネルギー線硬化型オフセット黄色インキ組成物を用い印刷してなる印刷物。
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