JP2019001090A - 積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
軟包装が食品や医薬品のパッケージに使われる場合、人体に対する安全性が特に重要である。紫外線硬化性オフセット印刷に使われるインキの中には光重合開始剤が含まれており、これが食品や医薬品に多量に混入すると健康への悪影響が懸念される。軟包装印刷に紫外線硬化性オフセットインキが使われた場合、例え印刷面がフィルムに挟まれたラミネートフィルムの形状に成形しても、光重合開始剤の内容物への移行(マイグレーション)がフィルムを通して起こるリスクが考えられる。
前記溶出試験法の手順としては、
1.印刷面の総インキ量が60mgとなるように印刷物を成形した後、シーラントフィルムを内側にして、印刷面の全てが液面に接するように容積1000cm3で、且つ、1000cm3の内容液と接触する液体容器内面の総面積が600cm2の液体容器を作製し、エタノール水溶液(エタノール50質量%と純水50質量%の混合溶液)1000cm3を注ぎ密閉する。
2.密閉した液体容器を40℃雰囲気下で10日間静置した後、液体容器からエタノール水溶液を取り出し、液体クロマトグラフ質量分析にて光重合開始剤を定量する。
更に、基材フィルムの厚みが40μm以下と薄手となっても、紫外線硬化後の基材フィルムのシワが発生しない事も重要である。
尚、前記溶出試験法の手順としては、下記に従うものである。
1.印刷面の総インキ量が60mgとなるように印刷物を成形した後、シーラントフィルムを内側にして、印刷面の全てが液面に接するように容積1000cm3で、且つ、1000cm3の内容液と接触する液体容器内面の総面積が600cm2の液体容器を作製し、エタノール水溶液(エタノール50質量%と純水50質量%の混合溶液)1000cm3を注ぎ密閉する。
2.密閉した液体容器を40℃雰囲気下で10日間静置した後、液体容器からエタノール水溶液を取り出し、液体クロマトグラフ質量分析にて光重合開始剤を定量する。
まず基材フィルム上に紫外線硬化性オフセットインキ層を設ける工程1について説明する。使用する前記基材フィルムとしては、特に限定は無く、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウムフォイル、もしくはこれらの複合材料、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙等に各種フィルムをラミネートしたものでも有用である。
これら基材フィルムに、オフセット印刷方式により印刷インキを転写した後、紫外線照射により基材フィルム上に紫外線硬化性オフセットインキ層を形成する。オフセット印刷方式による印刷はカラープロセスインキや、特色インキの単色から多色の刷重ね、パッケージ向けにフィルム基材にカラープロセスインキや、特色インキの単色から多色の刷重ねの後、白インキの印刷を行う種々のパターンに対応できる。図2は基材フィルムの上に紫外線硬化性プロセスインキを転写した上に紫外線硬化性白インキを全面に転写し、その上に接着剤層、シーラントフィルムを設けた積層体の一例である。
また、本発明の積層体の製造方法では、基材フィルムの厚みが40μm以下と薄手となっても、紫外線硬化後の基材フィルムのシワが発生しない事も特徴である。
本発明の積層体の製造方法では、硬化性および利便性の点から紫外線(UV)の使用が好ましいく、紫外線ランプと成り得る具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線が挙げられる。前記紫外線発光ダイオード(UV−LED)としては、そのピーク波長が350〜400nmの範囲であるものが好ましく、積算光量が5mJ/cm2以上、照射強度が500mW/cm2以上の条件で硬化させることが好ましい。
本発明の積層体の製造方法では、基材フィルム上に紫外線硬化性オフセットインキ層を設ける工程1、前記紫外線硬化性オフセットインキ層を酸素濃度5%以下の雰囲気で紫外線ランプを使って硬化する工程2を経て、前記硬化後の紫外線硬化性オフセットインキ層上に接着剤層を設ける工程3を設けることで、工程4にて各種シーラントフィルムと貼りあわせる事が出来る。
前記接着剤層に含まれる接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤およびポリウレタン系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ポリエステル系接着剤などが例示される。
前記接着剤には、必要に応じて添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、レベリング剤、コロイド状シリカ、アルミナゾルなどの無機微粒子、ポリメチルメタクリレート系の有機微粒子、消泡剤、タレ性防止剤、湿潤分散剤、シランカップリング剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、難燃剤、補強剤、可塑剤、潤滑剤、防錆剤、蛍光性増白剤、無機系熱線吸収剤、防炎剤、帯電防止剤、脱水剤などが挙げられる。
接着剤層の厚さは、0.5〜15μmが好ましく、1〜8μmであれば特に好ましい。
シーラントフィルムとしては、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、アイオノマー、アクリル
系共重合樹脂があげられる。ポリエチレン、ポリプロピレンとして、具体的には、PE(
ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン) 、LLDPE(直鎖状低密度ポリエ
チレン)、CPP(未延伸ポリプロピレン)があげられる。シーラントフィルムとしては
、防湿性の観点からPE,LDPE,LLDPE、またはCPPを含む樹脂フィルムが好
ましく、樹脂成分の90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質
量%以上がPE,LDPE,LLDPE、またはCPPであることが好ましい。シーラン
トフィルムには、各種添加剤が添加されていてもよい。添加剤としてはアンチブロッキン
グ剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防曇剤、有機あるいは無機系の顔料、紫外線吸収
剤、分散剤 があげられる。
接着剤層の上にシーラントフィルムを設けた後、必要に応じエージングを行う。エージング条件は使用する接着剤の組成や接着剤層の厚みにより異なるが、通常は、室温〜80℃で、12〜240時間程度である。
1.印刷面の総インキ量が60mgとなるように印刷物を成形した後に、シーラントフィルムを内側にして、印刷面の全てが液面に接するように容積1000cm3で、且つ、1000cm3の内容液と接触する液体容器内面の総面積が600cm2の液体容器を作製し、エタノール水溶液(エタノール50質量%と純水50質量%の混合溶液)1000cm3を注ぎ密閉する。
2.密閉した液体容器を40℃雰囲気下で10日間静置した後、液体容器からエタノール水溶液を取り出し、液体クロマトグラフ質量分析にて光重合開始剤を定量するものである。
(メタ)アクリルモノマー及び/又は(メタ)アクリルオリゴマー成分は、好ましくはインキ全量の10〜80質量%含有し、より好ましくは20〜70質量%含有する。
前記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤について、数平均分子量300を下回ると、内包物への光重合開始剤成分移行の移行に伴うマイグレーション量が増加する傾向にあり、数平均分子量1500を超えるとインキ自体の流動性の低下、光重合開始剤の結晶化に伴う再析出による保存安定性低下、印刷後の皮膜乾燥性の低下に繋がる。
数平均分子量300以上1500以下のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(数平均分子量418.5)、(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド(数平均分子量348.4)が挙げられ、特にビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
数平均分子量300以上2000以下のα-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンー1(数平均分子量:366.5)、2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジル−1−ブタノン(数平均分子量:366.5)、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(数平均分子量:380.5)等が好ましい。一方で、数平均分子量279.4の2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(数平均分子量279.4)はこれらに含まれない。
前記、数平均分子量300以上1500以下のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、数平均分子量300以上2000以下のα-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤は其々単独で用いても、両者併用してもよい。特に発光ピーク波長が350〜420nmの範囲の紫外線を発生するUV−LED光源を活性エネルギー線源として用いた場合には、アシルホスフィンオキサイド系化合物、アミノアルキルフェノン系化合物合物を併用することが硬化性に優れる点から好ましい。
特に、前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジル−1−ブタノン、2ー(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含有していることが好ましい。
0.5質量%未満の添加量では良好な乾燥性を得ることが困難であり、また10質量%を超える添加量では、開始剤量が過剰となり、インキ流動性や低マイグレーション性能を損なう傾向となる。
本発明の積層体の製造方法における紫外線硬化オフセットインキ層を作製すべく、表1に従って配合にて、三本ロールミルにて練肉することで紫外線硬化型オフセット墨インキを作製した。
着色顔料としてカーボンブラックであるラーベン1060Ultraを墨インキ全量の15質量%、ベース樹脂としてDIC(株)社製ロジン変性エポキシ樹脂61X1025J 48質量%、光重合開始剤としてBASF社製Irgacure369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン)2質量%、BASF社製Irgacure819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド 2質量%、MIWON社製MIRAMER M300(トリメチロールプロパントリアクリレート)25質量%、粘度及び流動性調整剤であるタルクとして村松産業(株)社製ハイフィラー#5000PJ 3質量%、固体ポリエチレンワックスであるSHAMROCK社製:S−381−N1(25℃にて固体、融点92〜112℃)3質量%、安定剤溶液2質量%を添加した。
尚、安定剤溶液は、p−メトキシフェノール(メトキノン、精工化学社製)10質量%をエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494NS、サートマー社製)90質量%に溶解させた液状混合物である。
実施例2〜7、比較例1〜4についても、実施例1と同様の手順にて表1の配合に従って、墨インキを作製した。
次に、実施例1〜7、比較例1〜4の配合にて調製された紫外線硬化型オフセット墨インキを、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を用い、墨インキ0.2mlを使用して、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、ポリプロピレン製二軸延伸フィルムP2161(東洋紡製、帯電防止タイプで、巻内にコロナ処理を施したOPPフィルム)上、約440cm2の面積範囲に均一に塗布されるように展色し、印刷物を作製した。展色前後のフィルムの質量変化からフィルムに転移したインキ量を計測し、60mgであることを確認した。
尚、実施例1〜5、及び比較例1〜4については、フィルム膜厚60μmのものを、実施例6についてはフィルム膜厚40μm、実施例7についてはフィルム膜厚20μmのものを使用した。
実施例1〜6、比較例1、2及び4に示す前記インキ塗布後の展色物に、メタルハライドランプによる紫外線照射を行い、インキ皮膜を硬化させた。水冷メタルハライドランプ(出力120W/cm1灯)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製、コールドミラー付属)を使用し、展色物をコンベア上に載せ、予め紫外線照射するチャンバー内の雰囲気中の酸素濃度が5%で残留するように、窒素ガスを導入した後、ランプ直下(照射距離11cm)を分速100メートルの速度で通過させることにより、インキ皮膜を硬化させた。各条件における紫外線照射量は紫外線積算光量計(ウシオ電機社製UNIMETER UIT−150−A/受光機UVD−C365)を用い測定し硬化性の目安とした。
尚、比較例3については、チャンバー内の雰囲気中の酸素濃度が20%で残留するように、窒素ガスを導入した後、同様の条件にてインキ皮膜を硬化させた。
実施例7については、インキ塗布後の展色物に、紫外線発光ダイオード光源として、発光波長ピークが385nmである紫外線発光ダイオード照射装置(パナソニック電工社製、ANUD8002T01)を使用し、予め紫外線照射するチャンバー内の雰囲気中の酸素濃度が5%で残留するように窒素ガスを導入した後、紫外線発光ダイオード光源の直下を通過させるよう、ラインスピードを振って紫外線照射を施した。積算光量測定にはUNIMETER UIT−150−A(ウシオ電機社製)を使用し、紫外線受光機としてはUVD−C405を用い、ラインスピード100m/min.における積算光量の値を測定したところ、22mJ/cm2であった。
表1、2に示す諸原料及び略を以下に示す。
・Irgacure369:(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン)、数平均分子量366.5、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、BASF社製
・Irgacure379:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン 、数平均分子量380.5、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、BASF社製
・Irgacure819:(ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド)、数平均分子量418.5、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、BASF社製
・Irgacuru TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、数平均分子量348.4、BASF社製
・OMNIPOL TX:ポリブチレングリコール−ビス(9−オキソ−9H−チオキサンテニロキシ)アセテート、数平均分子量660、IGM社製
・Irgacure907:αアミノアルキルフェノン系開始剤、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、数平均分子量279.4、BASF社製
・SpeedcureDETX:チオキサントン系開始剤、2,4−ジメチルチオキサントン、数平均分子量268.3、Lambson社製
・MIRAMER M−300:トリメチロールプロパントリアクリレート、3官能アクリレートモノマー、MIWON社製
・TPGDA:トリプロピレングリコールアクリレート、2官能アクリレートモノマー、ダイセル・オルネクス社製
・ラーベン1060Ultra:カーボンブラック、平均一次粒子径30nm、比表面積(NSA)66m2/g、ビルラカーボン社製
・ハイフィラー #5000PJ:含水ケイ酸マグネシウム、松村産業社製
・ワックス:ポリオレフィンワックス、S−381−N1、シャムロック社製
・安定剤溶液:p−メトキシフェノール(メトキノン、精工化学社製)10質量%をエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494NS、サートマー社製)90質量%に溶解させた液状混合物
・61X1025J:DIC(株)社製ロジン変性エポキシ樹脂
尚、本発明におけるGPCによる数平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0質量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
接着剤はDIC(株)社製2液硬化型接着剤であるディックドライLX−500/KR−90Sを使用した。バーコーター#8で塗布量が3.5g/m2(固形分)となるように塗布した後、70℃に設定したドライヤーで接着剤中の溶剤を揮発させた。その後、接着剤層と、シーラントフィルムのコロナ処理面とを温度40℃、圧力0.4MPa、ラミネート速度40m/minにてドライラミネートし、ベースフィルム/インキ層/接着剤層/シーラントフィルムの層構成を有する積層体を作成した。次いで、この積層体を40℃で3日間エージングを行い、接着剤の硬化を行って、本発明の積層体を得た。なおシーラントフィルムには、東洋紡製無延伸ポリプロピエンCPPフィルムであるP1128(フィルム膜厚25μm)を使用した。
ベースフィルムへインキを展色し紫外線照射した直後のシワの状態を目視にて、次の3段階の基準で評価した。
○:シワが全く見られない。
△:幾分シワが見られる。
×:シワが見られる。
紫外線照射直後に爪スクラッチ法にて印刷物表面の傷付きの有無を確認した。紫外線照射装置のコンベア速度(m/分)を変化させながら印刷物に紫外線を照射し、傷付きが無い最速のコンベア速度を記載した。コンベア速度の数値が大きい程、硬化性が良い。
各々印刷面の墨インキの総量が60mgとなるように印刷物を成形した後、シーラントフィルムを内側にして、印刷面の全てが液面に接するように容積1000cm3で、且つ、1000cm3の内容液と接触する液体容器内面の総面積が600cm2の液体容器を作製し、エタノール水溶液(エタノール50質量%と純水50質量%の混合溶液)1000cm3を注ぎ密閉した。続いて密閉した液体容器を40℃雰囲気下で10日間静置した後、液体容器からエタノール水溶液を取り出し、液体クロマトグラフ質量分析にて、紫外線硬化性オフセットインキ層上に設けた接着剤層とその上に積層するシーラントフィルムを通して、オフセットインキ層より光重合性開始剤成分がエタノール水溶液中に溶出する溶出量によって、次の3段階の基準で評価した。
○:100ppb未満
△:100ppb以上 200ppb未満
×:200ppb以上
2 紫外線硬化性オフセットインキ層
3 接着剤層
4 シーラントフィルム
5 紫外線硬化型オフセット白インキ層
Claims (8)
- 基材フィルム上に紫外線硬化性オフセットインキ層を設ける工程1と、
前記紫外線硬化性オフセットインキ層を酸素濃度5%以下の雰囲気で紫外線ランプを使って硬化する工程2と、
前記硬化後の紫外線硬化性オフセットインキ層上に接着剤層を設ける工程3と、
前記接着剤層上にシーラントフィルムを設ける工程4とを、
この順に有する積層体の製造方法であって、
前記積層体の下記溶出試験法に示す手順で検出される光重合開始剤の検出量が200ppb未満であることを特徴とする積層体の製造方法。
1.印刷面の総インキ量が60mgとなるように印刷物を成形した後、シーラントフィルムを内側にして、印刷面の全てが液面に接するように容積1000cm3で、且つ、1000cm3の内容液と接触する液体容器内面の総面積が600cm2の液体容器を作製し、エタノール水溶液(エタノール50質量%と純水50質量%の混合溶液)1000cm3を注ぎ密閉する。
2.密閉した液体容器を40℃雰囲気下で10日間静置した後、液体容器からエタノール水溶液を取り出し、液体クロマトグラフ質量分析にて光重合開始剤を定量する。
- 前記紫外線硬化性オフセットインキが、(メタ)アクリルモノマー及び/又は(メタ)アクリルオリゴマー、及び光重合開始剤を含有するオフセットインキであって、前記光重合開始剤が、数平均分子量300以上1500以下のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤及び/又は数平均分子量300以上2000以下のα-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を含有する請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記紫外線硬化性オフセットインキがインキ全量の0.5〜10質量%の光重合開始剤を含有する請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
- 前記紫外線硬化性オフセットインキが、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジル−1−ブタノン、2ー(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上含有する請求項1〜3の何れか1つに記載の積層体の製造方法。
- 前記紫外線硬化性オフセットインキが数平均分子量300以上1400以下のチオキサントン系光重合開始剤をインキ全量の0.1〜5質量%含有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の積層体の製造方法。
- 前記紫外線硬化性オフセットインキが、3官能以上の重合製アクリレートモノマーをモノマー全量の30質量%以上含有する請求項1〜5の何れか1つに記載の積層体の製造方法。
- 前記紫外線ランプがLED−UVランプであり、そのピーク波長が350〜400nmである請求項1〜6の何れか1つに記載の積層体の製造方法。
- 前記基材フィルムの厚みが40μm以下である請求項1〜7の何れか1つに記載の積層体の製造方法。
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