JP6927086B2 - 車両用動力伝達装置の潤滑装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両用動力伝達装置の潤滑装置に係り、特に、オイルポンプが動力伝達機構の出力部に連結されて回転駆動される場合に、車両が低車速で高負荷時の潤滑性能を向上させる技術に関するものである。
動力伝達機構がケース内に収容されている車両用の動力伝達装置に設けられ、前記ケースの底部に設けられたオイル貯留部のオイルをオイルポンプにより吸入してそのケース内の潤滑必要部位へ供給する車両用動力伝達装置の潤滑装置が提案されている(特許文献1参照)。また、特許文献2には、前記オイルポンプから吐出されたオイルを、前記ケースとは別体のオイルパイプを介して前記潤滑必要部位へ供給する技術が記載されている。
なお、本明細書における「潤滑」は、摩擦や摩耗を防止するためだけでなく、潤滑油を供給して冷却する場合も含む。
特開2011−27142号公報 特開平6−288465号公報 特開2012−106599号公報
ところで、前記オイルポンプを、前記動力伝達機構のうち駆動輪と連動して回転する出力部に連結して機械的に回転駆動されるように設けることが考えられる(例えば、特許文献3参照)。その場合、車両が低車速で高負荷の時には、動力伝達機構に供給すべきオイルの必要量が比較的多いのに対し、オイルポンプの回転速度が低くて十分な吐出圧が得られないため、オイル供給量が不足する可能性があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、オイルポンプが動力伝達機構の出力部に連結されて回転駆動される場合に、車両が低車速で高負荷の時でも潤滑必要部位に対して所定のオイル供給量を確保できるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、動力伝達機構がケース内に収容されている車両用の動力伝達装置に設けられ、前記ケースの底部に設けられたオイル貯留部のオイルをオイルポンプにより吸入してそのケース内の潤滑必要部位へ供給する車両用動力伝達装置の潤滑装置において、(a) 前記オイルポンプは、前記動力伝達機構のうち駆動輪と連動して回転する出力部に連結されて機械的に回転駆動されるもので、前記ケース内に配設されたそのケースとは別体のオイルパイプを介して前記潤滑必要部位へオイルを供給するようになっており、(b) 前記動力伝達機構は、少なくとも一部が前記オイル貯留部内のオイルに浸漬されてそのオイルを掻き上げる掻き上げ伝達機構部を備えており、(c) 前記オイルパイプは、前記オイルポンプから吐出されたオイルを前記潤滑必要部位へ供給する内部通路と、前記掻き上げ伝達機構部によって前記オイル貯留部から掻き上げられたオイルを捕捉して、前記内部通路による前記オイルの供給部位と同じ前記潤滑必要部位へ導くように、その内部通路に沿ってその内部通路の外側に設けられた受け樋状の外部通路と、を備えていることを特徴とする。
このような車両用動力伝達装置の潤滑装置においては、動力伝達機構の出力部に連結されて回転駆動されるオイルポンプから吐出されたオイルが、オイルパイプに設けられた内部通路を通って潤滑必要部位へ供給されるとともに、掻き上げ伝達機構部によってオイル貯留部から掻き上げられたオイルが、オイルパイプに設けられた受け樋状の外部通路により捕捉されて同じ潤滑必要部位へ供給される。このため、オイルポンプからのオイル供給量だけではオイルが不足する可能性がある低車速で高負荷の時にも、外部通路からオイルが供給されることによってオイル不足が抑制され、潤滑性能が向上する。特に、低車速時には、オイルポンプによるオイル吸入量が少ない分だけオイル貯留部内のオイル量が多くて油面が高くなるため、オイルの掻き上げ量が多くなり、外部通路からのオイル供給量が多くなってオイル不足を適切に抑制できる。
一方、ケースとは別体に構成されたオイルパイプに、内部通路に沿って受け樋状の外部通路を設けるだけで良いため、飛散したオイルを受け止めるキャッチタンク等を別個に設ける場合に比較して、限られた空間内にコンパクトに配置できるとともに、大幅な設計変更が不要で取付工数も増えず、簡便に且つ安価に発明を実施することができる。
本発明が好適に適用されるハイブリッド型自動車の動力伝達装置を展開して示した骨子図である。 図1のハイブリッド型自動車が備えている潤滑装置を説明する油圧回路図である。 図2の潤滑装置のオイルパイプを単独で示した概略斜視図である。 図3におけるIV部を拡大して示した斜視図である。 車速に対する最大必要オイル量と、車速に比例して変化するオイルポンプによるオイル供給量との関係を例示した図である。 本発明が適用され得る車両用動力伝達装置の別の例を説明する骨子図である。
本発明は、エンジン駆動車両や、走行用の駆動力源としてエンジンの他に走行用電動モータを有するハイブリッド型自動車、或いは駆動力源として電動モータのみを備えている電気自動車など、種々の車両用の動力伝達装置に適用され得る。動力伝達装置は、例えば複数の軸が車両幅方向に沿って配置されるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)等の横置き型のトランスアクスルでも良いし、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型や4輪駆動型の動力伝達装置であっても良い。掻き上げ伝達機構部は、比較的低位置に配置されて少なくとも一部がオイル貯留部に浸漬される動力伝達機構部で、例えば傘歯車式のディファレンシャル装置が適当であるが、遊星歯車式のディファレンシャル装置など他の動力伝達機構部であっても良い。
本発明は、例えば駆動力源と駆動輪との間の動力伝達を遮断することが可能で、駆動力源が回転停止している状態で走行可能な車両に適用され、駆動力源が回転停止状態であっても車両走行時にはオイルポンプから潤滑必要部位へオイルを供給することができる。本発明はまた、駆動力源と駆動輪とが常に連動して回転している電動車両などにも適用できる。駆動輪と連動して回転する出力部は、例えば動力伝達を遮断できる断接装置を備えている場合、その断接装置よりも駆動輪側の部分であり、具体的には、例えば駆動力源からギヤ機構等を介して伝達された駆動力を左右の駆動輪へ分配するディファレンシャル装置や、そのディファレンシャル装置へ駆動力を伝達する中間シャフトなどである。断接装置は、例えばニュートラルが可能な変速機や前後進切換装置、電気式差動部などである。駆動力源である電動モータがギヤ機構やディファレンシャル装置等を介して駆動輪に直結されている電気自動車の場合、動力伝達機構の全部が、駆動輪と連動して回転する出力部である。
潤滑装置は、出力部に連結されて回転駆動されるオイルポンプを備えているだけでも良いが、エンジン等の駆動力源に連結されて回転駆動される第2のオイルポンプや、任意の時間に任意の吐出量で作動させることができる電動式オイルポンプ等を追加して設けることもできる。オイルポンプからオイルが供給される潤滑必要部位は、動力を伝達するギヤの噛合い部や伝動ベルト等の他、動力伝達機構の回転軸等を回転可能に支持しているベアリング、ハイブリッド型自動車や電気自動車等の電動車両の電動モータや発電機など、動力伝達時に潤滑や冷却を必要とする摩擦部位、発熱部位などで、オイル貯留部に浸漬されない部位が適当である。オイルポンプから潤滑必要部位へ直接オイルを供給することもできるが、オイルポンプと潤滑必要部位との間にオイルクーラや油路切換弁、油圧制御弁等が介在していても良い。
オイルパイプに設けられる外部通路は、受け止めたオイルを潤滑必要部位へ速やかに導く上で、オイルが潤滑必要部位へ向けて流出する先端側へ向かうに従って下方へ傾斜するように設けることが望ましいが、略水平方向へ設けられても良い。外部通路が設けられる部分のオイルパイプは、外部通路と略平行であることが望ましいが、オイルポンプからオイルが供給されることから、略水平であっても良いし、上方或いは下方へ傾斜していても良い。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において、図は説明のために適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド型自動車10のトランスアクスル12を説明する骨子図で、そのトランスアクスル12の動力伝達機構16を構成している複数の軸が共通の平面内に位置するように展開して示した展開図である。トランスアクスル12は、駆動力源であるエンジン20の出力を左右の駆動輪38に伝達するもので、歯車式の動力伝達機構16の複数の軸が車両幅方向に沿って配置されるFF車両等の横置き型であり、動力伝達機構16はケース14内に収容されている。エンジン20は、燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。トランスアクスル12は動力伝達装置に相当し、ケース14は、必要に応じて複数の部材にて構成される。
動力伝達機構16は、車両幅方向と略平行な第1軸線S1〜第4軸線S4を備えており、第1軸線S1上には、駆動力源であるエンジン20に連結された入力軸22が設けられているとともに、その第1軸線S1と同心にシングルピニオン型の遊星歯車装置24および第1モータジェネレータMG1が配設されている。遊星歯車装置24および第1モータジェネレータMG1は電気式差動部26として機能するもので、差動機構である遊星歯車装置24のキャリア24cに入力軸22が連結され、サンギヤ24sに第1モータジェネレータMG1が連結され、リングギヤ24rにエンジン出力歯車Geが設けられている。キャリア24cは第1回転要素で、サンギヤ24sは第2回転要素で、リングギヤ24rは第3回転要素であり、第1モータジェネレータMG1は差動制御用回転機に相当する。第1モータジェネレータMG1は電動モータおよび発電機として択一的に用いられるもので、発電機として機能する回生制御などでサンギヤ24sの回転速度が連続的に制御されることにより、エンジン20の回転速度が連続的に変化させられてエンジン出力歯車Geから出力される。また、第1モータジェネレータMG1のトルクが0とされてサンギヤ24sが空転させられることにより、エンジン20と動力伝達機構16との間の動力伝達が遮断され、エンジン20の連れ廻りが防止される。
第2軸線S2上には、シャフト28の両端に減速大歯車Gr1および減速小歯車Gr2が設けられた減速歯車装置30が配設されており、減速大歯車Gr1は前記エンジン出力歯車Geと噛み合わされている。減速大歯車Gr1はまた、第3軸線S3上に配設された第2モータジェネレータMG2のモータ出力歯車Gmと噛み合わされている。第2モータジェネレータMG2は電動モータおよび発電機として択一的に用いられるもので、電動モータとして機能するように力行制御されることにより、ハイブリッド型自動車10の走行用駆動力源として用いられる。この第2モータジェネレータMG2は走行用回転機に相当する。
上記減速小歯車Gr2は、第4軸線S4上に配設されたディファレンシャル装置32のデフリングギヤGdと噛み合わされており、エンジン20および第2モータジェネレータMG2からの駆動力がディファレンシャル装置32を介して左右のドライブシャフト36に分配され、左右の駆動輪38に伝達される。このディファレンシャル装置32は出力部に相当し、デフリングギヤGdは入力ギヤに相当する。また、エンジン出力歯車Ge、減速大歯車Gr1、減速小歯車Gr2、デフリングギヤGd等によってギヤ機構が構成されている。第4軸線S4は、第1軸線S1〜S4の中で最も車両下方側位置(低位置)に定められており、ディファレンシャル装置32の少なくとも一部が、ケース14の底部に設けられたオイル貯留部46(図2参照)内のオイル48に浸漬され、ディファレンシャル装置32の回転に伴ってオイル貯留部46内のオイル48が掻き上げられる。ディファレンシャル装置32は、掻き上げ伝達機構部に相当する。
このようなハイブリッド型自動車10においては、EV(Electric Vehicle)走行モードおよびHV(Hybrid Vehicle)走行モードを実行可能であり、例えば要求駆動力(アクセル操作量など)および車速Vをパラメータとして定められたモード切換マップに従ってEV走行モードおよびHV走行モードに切り換えられる。EV走行モードは、エンジン20を回転停止させた状態で第2モータジェネレータMG2を力行制御することにより駆動力源として用いて走行するもので、例えば低要求駆動力すなわち低負荷の領域で選択される。エンジン20は、燃料供給等が停止させられるとともに、第1モータジェネレータMG1のトルクが0とされて遊星歯車装置24のサンギヤ24sがフリー回転可能とされることにより、走行中であっても略回転停止させられる。HV走行モードは、第1モータジェネレータMG1を回生制御することにより、エンジン20を駆動力源として用いて走行するもので、例えばEV走行モードよりも高要求駆動力(高負荷)の領域で選択される。このHV走行モードでは、第2モータジェネレータMG2は、加速時などにアシスト的に力行制御されて駆動力源として用いられ、或いは常時力行制御されて駆動力源として用いられる。
なお、上記HV走行モードの代わりに、或いはHV走行モードに加えて、常にエンジン20のみを駆動力源として用いて走行するエンジン走行モード等が設けられても良い。また、このハイブリッド型自動車10のトランスアクスル12はあくまでも一例であり、遊星歯車装置24としてダブルピニオン型の遊星歯車装置を採用したり、複数の遊星歯車装置を用いて構成したり、或いは第2モータジェネレータMG2を第1軸線S1と同心に配置したりすることもできるし、電気式差動部26の代わりに機械式の変速装置を採用することもできるなど、種々の態様が可能である。
一方、本実施例のハイブリッド型自動車10のトランスアクスル12は、図2に示す潤滑装置40を備えている。潤滑装置40は、吸入装置として第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2を備えており、それぞれ異なる独立の第1供給油路42、第2供給油路44に接続されて、動力伝達機構16の各部を分担して潤滑するようになっている。図1に示されるように、第1オイルポンプP1は、前記デフリングギヤGdと噛み合わされたポンプ駆動歯車Gpを介して機械的に回転駆動される機械式オイルポンプであり、第2オイルポンプP2は、前記入力軸22に連結されてエンジン20により機械的に回転駆動される機械式オイルポンプである。第1オイルポンプP1は、デフリングギヤGdに連動して回転する減速大歯車Gr1や減速小歯車Gr2等にポンプ駆動歯車Gpを噛み合わせて回転駆動されるようにすることも可能である。第2オイルポンプP2は、出力部(ディファレンシャル装置32)とは異なる回転駆動源によって回転駆動されるオイルポンプで、本実施例ではエンジン20によって回転駆動されるオイルポンプであるが、ポンプ駆動用の電動モータによって回転駆動される電動式オイルポンプを採用することもできる。
上記第1オイルポンプP1および第2オイルポンプP2は、ケース14の底部に設けられたオイル貯留部46からオイル48を吸入して、供給油路42、44へ出力する。オイル貯留部46は、ケース14そのものによって構成されており、ディファレンシャル装置32の下方位置を含んで設けられている。
上記第1オイルポンプP1は、出力部であるディファレンシャル装置32に連結されて回転駆動されるオイルポンプで、その第1オイルポンプP1の吐出側に接続された第1供給油路42は、動力伝達機構16の各部の潤滑必要部位にオイル48を供給する。潤滑必要部位は、例えば動力伝達機構16の各部のベアリング62やギヤ64(Ge、Gr1、Gr2、Gd、Gm、或いはGp)などである。第1オイルポンプP1はディファレンシャル装置32に連結されて回転駆動されるため、エンジン20が回転停止させられるEV走行モード時にも回転駆動され、車速Vに応じた吸入量でオイル48を吸入して各部にオイル48を供給することができる。ディファレンシャル装置32は、デフリングギヤGd等によるオイル48の掻き上げによって潤滑されるが、第1供給油路42からオイル48を供給して潤滑することも可能である。また、第1オイルポンプP1がエア吸いを生じる可能性がある場合など、オイル48の安定供給のために必要に応じてオイルストレージを設けることもできる。
第1供給油路42は、図3に示すオイルパイプ70の内部に設けられた内部通路である。オイルパイプ70は、ケース14とは別体に構成されており、複数の取付部72がそれぞれ締結ボルト74によりケース14の内面、または第1オイルポンプP1のケース外面に固定されることにより、ケース14内の所定位置に配設されている。オイルパイプ70は、前記ベアリング62にオイル48を供給する分岐ノズル部76、および前記ギヤ64にオイル48を供給する分岐ノズル部78を備えており、全体として三次元的に曲げられた中空構造を成しており、例えば三次元形状に曲げられた金属等のパイプ部材に対して分岐ノズル部76、78等を接合するなどして構成される。このオイルパイプ70の一部または全部を、合成樹脂材料等の金属以外の材料にて構成することも可能である。分岐ノズル部76、78は、略水平方向へ突き出すように設けられている。オイルパイプ70には、分岐ノズル部76、78の他にも分岐ノズル部が設けられ、他の潤滑必要部位へオイル48を供給するようになっている。
ここで、第1オイルポンプP1は、ディファレンシャル装置32に連結されて回転駆動されることから、そのオイル供給量は、図5に破線で示すように前進走行時には車速Vに比例して増加し、後進走行時には略0である。一方、ベアリング62やギヤ64の潤滑必要部位における最大必要オイル量は、車速Vおよび最大伝達トルク(最大負荷)に応じて定まり、例えば図5に実線で示すように変化するため、第1オイルポンプP1が低回転となる前進低車速の高負荷時、および後進走行の高負荷時には、図5に斜線で示す量のオイル48が不足する可能性がある。
これに対し、本実施例では、前記オイルパイプ70の分岐ノズル部76、78に、それぞれ上方に開口する断面U字形状の受け樋80、82が設けられており、ディファレンシャル装置32によってオイル貯留部46から掻き上げられたオイル(以下、飛散オイルという)48sの一部が、それ等の受け樋80、82によって捕捉され、ベアリング62やギヤ64へ導かれるようになっている。図4は、図3におけるIV部、すなわち分岐ノズル部78に設けられた受け樋82を拡大して示した斜視図で、受け樋82は、分岐ノズル部78と平行すなわち内部通路である分岐ノズル部78内の第1供給油路42と略平行に、分岐ノズル部78の外側上面部分に設けられている。分岐ノズル部78および受け樋82は略水平方向へ突き出すように設けられており、受け樋82によって受け止められた飛散オイル48sは、その受け樋82内を通って分岐ノズル部78の先端側へ流動させられ、その先端側の開口から下方へ流下してギヤ64に供給される。第1供給油路42は、分岐ノズル部78の内部を挿通させられて分岐ノズル部78の先端近傍に達しており、その第1供給油路42を通って供給されたオイル48は、分岐ノズル部78の先端下面に設けられた図示しない吐出口から下方へ向かって吐出され、飛散オイル48sと同様にギヤ64に供給される。受け樋82は、例えば合成樹脂等により分岐ノズル部78と一体に構成することもできるが、分岐ノズル部78と別体に構成して接着剤などで固定しても良い。他方の分岐ノズル部76および受け樋80も、上記分岐ノズル部78および受け樋82と同様に構成されている。受け樋80、82は外部通路に相当する。
このような本実施例のトランスアクスル12の潤滑装置40によれば、動力伝達機構16のディファレンシャル装置32に連結されて回転駆動される第1オイルポンプP1から吐出されたオイル48が、オイルパイプ70に設けられた第1供給油路42を通って潤滑必要部位(ベアリング62およびギヤ64)へ供給されるとともに、ディファレンシャル装置32によってオイル貯留部46から掻き上げられた飛散オイル48sが、オイルパイプ70に設けられた受け樋80、82により捕捉されて同じ潤滑必要部位へ供給される。これにより、第1オイルポンプP1からのオイル供給量だけではオイル48が不足する可能性がある前進低車速の高負荷時や後進高負荷時にも、受け樋80、82から飛散オイル48sが供給されることによってオイル不足が抑制され、潤滑性能が向上する。特に、低車速時には、第1オイルポンプP1によるオイル吸入量が少ない分だけオイル貯留部46内のオイル量が多くて油面が高くなるため、オイル48の掻き上げ量が多くなり、受け樋80、82からの飛散オイル48sの供給量が多くなって潤滑必要部位のオイル不足を適切に抑制できる。
一方、ケース14とは別体に構成されたオイルパイプ70に、第1供給油路42が設けられた分岐ノズル部76、78に沿って受け樋80、82を設けるだけで良いため、飛散オイル48sを受け止めるキャッチタンク等を別個に設ける場合に比較して、限られた空間内にコンパクトに配置できるとともに、大幅な設計変更が不要で取付工数も増えず、簡便に且つ安価に実施することができる。
なお、この実施例では分岐ノズル部76、78が略水平方向へ突き出すように設けられているが、先端側へ向かうに従って下方へ傾斜する姿勢で設けることもできる。受け樋80、82を、分岐ノズル部76、78と平行に先端側へ向かうに従って下方へ傾斜するように設ければ、飛散オイル48sが先端側へ向かって速やかに流動するようになる。受け樋80、82だけを、先端側へ向かうに従って下方へ傾斜するように設けても良い。
また、分岐ノズル部76、78の何れか一方に受け樋80または82を設けるだけでも良いし、オイルパイプ70の本体部分の一部がそのまま潤滑必要部位へ向かってオイル48を吐出するノズル部とされる場合には、その本体部分に受け樋を設けることもできるなど、種々の態様が可能である。ベアリング62、ギヤ64の代わりに、或いはそれ等に加えて、モータジェネレータMG1、MG2に対してオイル48および飛散オイル48sを供給して冷却するように、潤滑装置40を構成することもできる。
また、前記実施例ではハイブリッド型自動車10のトランスアクスル12に設けられた潤滑装置40について説明したが、図6に示すように、モータジェネレータMGを駆動力源として備えている電気自動車90のトランスアクスル92に設けられる潤滑装置に適用することもできる。トランスアクスル92は、モータジェネレータMGのトルクを前記減速歯車装置30により増幅してディファレンシャル装置32に伝達し、左右の駆動輪38に分配する歯車式の動力伝達機構94を、モータジェネレータMGと共にケース96内に収容している。すなわち、このトランスアクスル12は、駆動力源であるモータジェネレータMGと駆動輪38とが常に連動して回転するものである。このトランスアクスル92の潤滑装置は、出力部であるディファレンシャル装置32に連結されて回転駆動される第1オイルポンプP1を備えており、例えば図2の潤滑装置40と同様に第1供給油路42が設けられたオイルパイプ70、およびそのオイルパイプ70に設けられた受け樋80、82を有して構成され、動力伝達機構94のベアリングやギヤ等の潤滑必要部位にオイル48および飛散オイル48sが供給される。この場合も、潤滑必要部位に対する潤滑性能において、前記実施例の潤滑装置40と同様の作用効果が得られる。なお、駆動力源であるモータジェネレータMGと駆動輪38とが常に連動して回転するため、動力伝達機構94の全部を出力部と見做すことができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド型自動車(車両) 12、92:トランスアクスル(動力伝達装置) 14、96:ケース 16、94:動力伝達機構 32:ディファレンシャル装置(出力部、掻き上げ伝達機構部) 38:駆動輪 40:潤滑装置 42:第1供給油路(内部通路) 46:オイル貯留部 48:オイル 48s:飛散オイル(オイル) 62:ベアリング(潤滑必要部位) 64:ギヤ(潤滑必要部位) 70:オイルパイプ 80、82:受け樋(外部通路) 90:電気自動車(車両) P1:第1オイルポンプ(オイルポンプ)

Claims (1)

  1. 動力伝達機構がケース内に収容されている車両用の動力伝達装置に設けられ、前記ケースの底部に設けられたオイル貯留部のオイルをオイルポンプにより吸入して該ケース内の潤滑必要部位へ供給する車両用動力伝達装置の潤滑装置において、
    前記オイルポンプは、前記動力伝達機構のうち駆動輪と連動して回転する出力部に連結されて機械的に回転駆動されるもので、前記ケース内に配設された該ケースとは別体のオイルパイプを介して前記潤滑必要部位へオイルを供給するようになっており、
    前記動力伝達機構は、少なくとも一部が前記オイル貯留部内のオイルに浸漬されて該オイルを掻き上げる掻き上げ伝達機構部を備えており、
    前記オイルパイプは、前記オイルポンプから吐出されたオイルを前記潤滑必要部位へ供給する内部通路と、前記掻き上げ伝達機構部によって前記オイル貯留部から掻き上げられたオイルを捕捉して、前記内部通路による前記オイルの供給部位と同じ前記潤滑必要部位へ導くように、該内部通路に沿って該内部通路の外側に設けられた受け樋状の外部通路と、を備えている
    ことを特徴とする車両用動力伝達装置の潤滑装置。
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