JP6925015B2 - 着磁方法及び着磁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性体の1次元的な領域に少なくとも正弦波の半波長パルスを呈する正弦波着磁状態を形成する着磁方法及び着磁装置に関する。
モータ用マグネットあるいは磁気式エンコーダ用マグネットの着磁では、多極ヨークによって磁性体全体に一括して着磁用の磁界を作用させる方法(例えば特許文献1)、あるいは磁性体に対して単極ヨークを相対移動させながら部位毎に着磁用の磁界を作用させる方法(例えば特許文献2)が一般的である。そしてそのどちらの方法であっても、磁気ヨークのコイルには一定レベルの電圧又は電荷をオン・オフ制御によって供給するのが普通である。
特開平7−249521号公報 特開2002−164213号公報
ところで特定の磁気式エンコーダにおいては、機械誤作動防止のため等の理由で、マグネットが磁気センサーに対して正弦波(又はその半波長パルス)を呈する極性情報を出力する必要がある。従来、そのようなマグネットを着磁する場合には、磁気ヨークに巻設されたコイルに供給する電流をアナログ制御することではなく、磁性体に形成される着磁領域の広さ、間隔等を調節することで対処していた。これを参考図について説明する。
図11(a)は着磁領域が正常に形成された磁気式エンコーダ用マグネットの状態図、(b)は着磁領域がアンバランスに形成された磁気式エンコーダ用マグネットの状態図、(c)は磁気センサーの検知信号のグラフである。マグネット2には1次元的な領域が規定されており、この領域に複数の磁極(N極、S極)が形成されている。磁気センサーSはこの領域に沿って相対移動しながら、この領域と直交する方向(紙面では上向き)の磁束密度を検知する。
図11(a)では、マグネット2の1次元的な領域に、非着磁領域を挟んで均一な広さのN極、S極が等間隔で形成されている。このとき磁気センサーSの検知信号は図11(c)の実線グラフのようになる。グラフの正側ピークの中心位置はN極の中心、負側ピークの中心位置はS極の中心に一致する。これはN極又はS極の上空での磁束の向きが略鉛直方向であるためである。またゼロクロス点はN極とS極の中間点に一致する。これはN極とS極の中間点の上空での磁束の向きが略水平方向であるためである。このように着磁領域の広さ、間隔を調節することで、マグネット2の出力すなわち極性情報を正弦波の類似波形とすることが可能である。
しかしながら前記類似波形は、ピーク部分が広い範囲で潰れている等、理想的な波形からは相当な隔たりがある。この隔たりは正弦波が長波長になるほど顕著になる。また磁気ヨークの形状不良、着磁工程での位置ずれ等が波形の精度に悪影響を与え易いという問題もある。
その一例を図11(b)について説明する。このマグネット2では、磁気ヨークの形状不良、位置ずれあるいは温度変化等のために着磁領域がアンバランスに形成されている。具体的には、図10(a)と比較すると、N極はより広く、S極はより狭く形成されている。このとき磁気センサーの検知信号は図10(c)の破線グラフのようになる。実線グラフと比べると、ピークの中心位置は変わっていないが、ゼロクロス点の位置は変わっている。そしてこのようなゼロクロス点の位置変動は磁気式エンコーダの性能に大きな影響を与える可能性がある。なおこのゼロクロス点の変動は、N極とS極とを近接させる、すなわち着磁領域の間隔を狭くすれば抑えられる。しかしながらそうすると、波形はピーク部分が広く潰れた、要するに台形波に近いものになってしまう。
本発明はこのような問題に着目してなされたものであり、磁性体の1次元的な領域に少なくとも正弦波の半波長パルスを呈する正弦波着磁状態を形成する着磁方法及び着磁装置において、良好な正弦波を出力するように着磁領域を形成することを目的としている
本発明は、磁性体の1次元的な領域に正弦波の半波長パルスを呈する目的着磁状態を形成する着磁方法において、磁気ヨークによって前記正弦波の半波長区間の全体に一方向の磁気を作用させて、この区間に方形又は台形パルス状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成し、その後前記と同一又は異なる磁気ヨークによって前記区間の始端及び終端部分に逆方向の磁気を1乃至複数回作用させて、前記1次方形波又は1次台形波着磁状態を前記目的着磁状態に変化させる手順とされ、前記区間の始端及び終端部分に1回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に前記正弦波の3次高調波の逆位相半波長パルスを呈する3次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域に作用させることを特徴とする。
または本発明は、複数の磁気ヨークを有し、磁性体の1次元的な領域に少なくとも正弦波の半波長パルスを呈する目的着磁状態を形成する着磁装置において、前記複数の磁気ヨークの内の第1のヨークによって前記正弦波の半波長区間の全体に一方向の磁気を作用させて、この区間に方形又は台形パルス状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成し、その後前記複数の磁気ヨークの内の第1のヨークとは異なるヨークによって前記区間の始端及び終端部分に逆方向の磁気を1乃至複数回作用させて、前記1次方形波又は1次台形波着磁状態を前記目的着磁状態に変化させる構成とされ、前記区間の始端及び終端部分に1回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に前記正弦波の3次高調波の逆位相半波長パルスを呈する3次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記複数の磁気ヨークの内の第2のヨークによって前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域に作用させることを特徴とする。
また本発明は、磁気ヨークを有し、磁性体の1次元的な領域に少なくとも正弦波の半波長パルスを呈する目的着磁状態を形成する着磁装置において、磁性体に対して前記磁気ヨークを相対移動させながら前記正弦波の半波長区間の全体に一方向の磁気を作用させて、この区間に方形又は台形パルス状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成し、その後磁性体に対して前記磁気ヨークを相対移動させながら前記区間の始端及び終端部分に逆方向の磁気を1乃至複数回作用させて、前記1次方形波又は1次台形波着磁状態を前記目的着磁状態に変化させる構成とされ、前記区間の始端及び終端部分に1回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に前記正弦波の3次高調波の逆位相半波長パルスを呈する3次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域に作用させることを特徴とする。
本発明では、正弦波の半波長区間の全体に一方向の磁気を作用させて、この区間に方形又は台形パルス状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成し、その後この区間の始端及び終端部分に逆方向の磁気を1乃至複数回作用させて、正弦波の半波長パルスを呈する目的着磁状態に変化させている。要するに正弦波の半波長区間に方形又は台形パルス状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成した後、この着磁領域の始端及び終端部分を減磁している。そのためピーク部分の両側が滑らかに傾斜した波形、つまり良好な波形を呈する極性情報が得られる。
また本発明では、1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成する際に、正弦波の半波長区間の全体に磁気を作用させるので、この区間に非着磁領域はほとんど残らないことになる。そして正弦波のゼロクロス点の位置は前記減磁によって特定されるので、その位置の変動も抑えられる。具体的には、本発明を磁気式エンコーダ用マグネットに適用した場合、正弦波のゼロクロス点の位置公差は当該正弦波の1/12波長以内に抑えることができる。
(a)〜(c)はいずれも本発明による着磁方法によって着磁された多極マグネットの例である。 (a)〜(c)は前記方法における着磁状態の例を示すグラフである。 (a)、(b)は、前記方法における他の着磁状態を示すグラフである。 (a)、(b)は、前記方法における他の着磁状態を示すグラフである。 (a)〜(c)は前記方法における着磁状態の他例を示すグラフである。 (a)は実施形態の一例とされる着磁装置の全体正面図であり、(b)はその着磁装置の磁気ヨーク、着磁されるべき磁性体、抑え治具の部分の斜視図である。 (a)〜(c)は、複数の磁気ヨークの斜視図である。 (a)〜(c)は、前記複数の磁気ヨークを用いた着磁処理の工程を示す時系列的な側面図である。 (a)は、実施形態の他例とされる着磁装置の全体斜視図、図9(b)は着磁されるべき磁性体の分解斜視図である。 (a)〜(c)はいずれも図9(a)に示した着磁装置の基本動作を説明するためのグラフである。 (a)、(b)は磁気式エンコーダ用マグネットの状態図、(c)は磁気センサーの検知信号のグラフである(従来技術)。
以下、本発明による着磁方法について説明する。
図1(a)〜(c)はいずれも本実施形態によって着磁された磁気式エンコーダ用の多極マグネットの例である。マグネット2の種別は特に制限されず、例えば鉄、クロム、コバルトを主成分として鋳造された鉄−クロム−コバルトマグネット、フェライト粉末等をゴムやプラスチックに練り込んだボンドマグネット、ネオジウム等の希土類を用いて作られた希土類マグネット等が考えられる。本実施形態では、マグネット2の形状も特に制限されない。
図1(a)に示すマグネット2は円盤状の領域を有している。この円盤状の領域は1次元的であり角θだけで位置を特定できる。円盤状の領域には複数のN極、S極が形成されている。円盤状の領域に対して直交する面上で振動する正弦波は、これらのN極、S極が呈する極性情報であって、磁気式エンコーダの場合はこの極性情報が磁気センサーによって検知される。ここで極性情報は角θの関数であり、その関数値は領域の各位置における特定方向(直交方向)の磁束密度の値を示している。ここでこの磁束密度の値は、N極及びS極を通じる磁気によって合成された値であって、領域の当該位置における着磁状態そのものを示しているわけではない。
図1(b)に示すマグネット2は円柱状の領域を有している。この円盤状の領域も1次元的であり角θだけで位置を特定できる。円筒状の領域には複数のN極、S極が形成されている。円筒状の領域に対して直交する面上で振動する正弦波は、これらのN極、S極が呈する極性情報である。
図1(c)に示すマグネット2は細板状の領域を有している。この細板状の領域も1次元的であり端からの距離dだけで位置を特定できる。細板状の領域には複数のN極、S極が形成されている。細板状の領域に対して直交する面上で振動する正弦波は、これらのN極、S極が呈する極性情報である。
図1(a)〜(c)のいずれにおいても極性情報は基本的に連続的な正弦波になっているが、その内、半波長パルスPPはそれ以外の半波長パルスPよりも長波長(数センチ程度)である。本発明は、マグネット2となるべき磁性体にそのような長波長正弦波あるいは長波長正弦波の半波長パルスPPを呈する着磁状態を形成することを目的としたものである。このような長波長正弦波の半波長パルスPPは例えば磁気式エンコーダ用マグネットにおいてゼロ点を示す目印等に適する。
まず着磁方法の基礎となる数学的事項を簡単に説明する。
方形波f(x)はフーリエ変換によれば奇数次の正弦波の重畳として表される。
Figure 0006925015
Figure 0006925015
Figure 0006925015
この式を変形することにより、1次正弦波は、方形波と3次以上の奇数次高調波の重畳として表すことができる。
Figure 0006925015
また方形波の始端、終端部が鈍ったような波形を呈する台形波も、前記と同様にフーリエ変換によれば奇数次の正弦波の重畳、すなわち(数1)のような式として表される。ただしこの式の各項の係数は(数1)とは異なるものになる。またこの式を変形することにより、1次正弦波を、台形波と3次以上の奇数次高調波の重畳として表すこともできる。
よって磁性体に長波長正弦波(前記sin(x)に相当。以下目的正弦波と呼ぶ)を呈する着磁状態(以下目的着磁状態と呼ぶ)を形成するための方法として、次の手順が考えられる。
まず磁性体に所定の磁気を作用させて、1次方形(前記f(x)に相当)又は1次台形波の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成する。1次方形波又は1次台形波は目的正弦波と同一波長、同一位相である。その後、磁性体に更に所定の磁気を作用させることで、目的正弦波とは逆位相の3次高調波(sin(3x)に相当)を呈する3次高調波着磁状態を重畳して形成する。その後更に磁性体に所定の磁気を作用させることで、目的正弦波とは逆位相の5次高調波(sin(5x)に相当)…を呈する5次…n次着磁状態を重畳して形成していくようにすれば、最終的には、目的着磁状態が得られる。なおこのとき、1次方形波又は1次台形波の振幅、3次、5次…n次高調波の振幅は、数2における各項の係数に対応するように調節すればよい。
以下、前記方法を、最初に1次方形波着磁状態を形成する場合についてグラフを参照しながら説明する。
図2(a)〜(c)は、着磁処理の各段階を示すグラフである。これらの図において横軸はマグネット2となるべき磁性体の1次元的領域における位置であり、縦軸はその各位置における特定方向の磁束密度の大きさである。なおこれらの図では目的正弦波の2波長区間分を示している。
図2(a)のグラフG1では、1次方形波を呈する1次方形波着磁状態を実線によって示している。また比較のために目的正弦波を破線によって示している。このような完全な方形波の波形は数学的なものであるが、これに近い波形の着磁状態は、例えば半波長区間毎に方向を切換えながら一定レベルの磁気を作用させれば形成できる。
図2(b)のグラフG2では、3次高調波を呈する3次高調波着磁状態を実線によって示している。また比較のために目的正弦波を破線によって示している。このような着磁状態は、例えば3次高調波の半波長パルス毎に、パルス中心部に当該パルスと同方向の磁気を作用させれば形成できる。これは、3次高調波の波長が短いために可能なことである。つまり正弦波の波長が短い場合に限れば、その正弦波の半波長パルスの中心部に一定レベルの磁気を作用させるだけで、正弦波の半波長パルスを呈する着磁状態が得られる。
なお3次高調波の振幅は、前記1次方形波の振幅を1としたとき、数2によれば−0.425とするのが正確であるが、実用的には−0.7〜−0.2の範囲、望ましくは−0.5〜−0.3の範囲にするとよい。
図2(c)のグラフG3では、グラフG1に示した1次方形波着磁状態に、グラフG2に示した3次高調波着磁状態を重畳させたあとの着磁状態を示している。また比較のために目的正弦波を破線によって示している。このように1次方形波着磁状態に3次高調波着磁状態を重畳させるだけでも、目的正弦波の波形を呈する着磁状態が得られる。グラフG3に示した着磁状態を目的着磁状態としてもよい。ゼロクロス点に現れている鋭いピークは、1次方形波の始端及び終端部の急峻なエッジが残ったものである。このピークは、始端、終端部のエッジが鈍った台形波では目立たなくなる(後述)。また現実のマグネット2ではこのような鋭いエッジが現れることはない。
図3(a)、(b)は、前記方法における他の段階の着磁状態を示すグラフである。これらのグラフG4、G5において横軸はマグネット2となるべき磁性体の1次元的領域における位置であり、縦軸は領域の各位置における特定方向の磁束密度の大きさである。
図3(a)のグラフG4は、5次高調波を呈する5次高調波着磁状態を実線によって示している。また比較のために目的正弦波を破線によって示している。このような着磁状態は、例えば5次高調波の半波長パルス毎に、そのパルスの中心部にパルスと同方向の一定レベルの磁気を作用させれば形成できる。
なお5次高調波の振幅は、1次方形波の振幅を1としたとき、数2によれば−0.255とするのが正確であるが、実用的には−0.4〜−0.1の範囲、望ましくは−0.3〜−0.15の範囲にするとよい。
図3(b)のグラフG5は、図2(c)のグラフG3に示す3次高調波着磁状態に、グラフG4に示す5次高調波着磁状態を重畳させたあとの着磁状態を示すグラフである。また比較のために目的正弦波を破線によって示している。このようにすれば、目的正弦波のより良好な波形を呈する着磁状態が得られる。これを目的着磁状態としてもよい。
図4(a)、(b)は、前記方法における他の着磁状態を示すグラフである。これらの図において横軸はマグネット2となるべき磁性体の1次元的領域における位置であり、縦軸は領域の各位置における特定方向の磁束密度の大きさである。またこれらの図では目的正弦波の2波長区間分を示している。
図4(a)のグラフG6では5次高調波着磁状態の他例を実線によって示している。この5次高調波着磁状態は、半波長区間の始端及び終端側のそれぞれ1/5の領域に5次高調波の半波長パルスを呈しているが、中央部の3/5の領域は平坦なままである。このような着磁状態は、例えば半波長区間の始端及び終端側のそれぞれ1/5の領域の中央部に一定レベルの磁気を作用させれば形成できる。
図4(b)のグラフG7は、図2(c)のグラフG3に示す3次高調波着磁状態に、グラG6に示す5次高調波着磁状態を重畳させたあとの着磁状態を示すグラフである。また比較のために目的正弦波を破線によって示している。このようにすれば、中心部の振幅が大きい波形を呈する着磁状態が得られる。これを目的着磁状態としてもよい。
なお前記では5次高調波着磁状態の他例として、半波長区間の始端及び終端側のそれぞれ1/5の領域に5次高調波の半波長パルスを呈し、かつ中央部の3/5の領域は平坦な着磁状態を説明したが、これと同様のことを3次高調波着磁状態において行うことも可能である。すなわち3次高調波着磁状態は、半波長区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域に3次高調波の半波長パルスを呈し、かつ中央部の1/3の領域は平坦な着磁状態としてもよい。そしてこのような3次高調波着磁状態は、例えば半波長区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域の中央部に一定レベルの磁気を作用させれば形成できる。
次いで、前記方法を、最初に1次台形波着磁状態を形成する場合についてグラフを参照しながら説明する。
図5(a)〜(c)は、各段階の着磁状態を示すグラフである。
図5(a)のグラフG8では、1次台形波を呈する1次方形波着磁状態を実線によって示している。また比較のために目的正弦波を破線によって示している。1次台形波は、現実に近い波形を例示している。このような着磁状態は、例えば半波長区間毎に方向を切換えながら、この区間よりも若干狭い範囲に一定レベルの磁気を作用させれば形成できる。
図5(b)のグラフG9では、3次高調波を呈する3次高調波着磁状態を実線によって示している(グラフG2と同様のもの)。また比較のために目的正弦波を破線によって示している。ここでも3次高調波の振幅は、1次台形波の振幅を1としたとき、実用的には−0.7〜−0.2の範囲、望ましくは−0.5〜−0.3の範囲にするとよい。
図5(c)のグラフG10では、グラフG8に示した1次台形波着磁状態に、グラフG9に示した3次高調波着磁状態を重畳させたあとの着磁状態を示している。また比較のために目的正弦波を破線によって示している。このように1次台形波着磁状態に3次高調波着磁状態を重畳させると、図2(c)のグラフG2よりも良好な目的正弦波の波形を呈する着磁状態が得られる。つまりグラフG2と比較して、ゼロクロス点に鋭いピークが現れなくなっている。これは1次台形波の始端、終端部が1次方形波に比べて鈍っていることによる。グラフG10に示した着磁状態を目的着磁状態としてもよい。
なおグラフG10に示した着磁状態に、更に5次高調波着磁状態を重畳させることももちろん可能であるが、その説明は、図3(a)、(b)、図4(a)、(b)の場合と略同様になるので省略する。
本発明による着磁方法の基本的な考え方は前記の通りである。この方法を目的正弦波の半波長パルスを呈する目的着磁状態を形成する場合についてまとめると次のようになる。
まず磁気ヨークによって、マグネットとなるべき磁性体における目的正弦波の半波長区間の全体に一方向の磁気を作用させて、この区間に方形又は台形パルス(1次方形波又は台形波の半波長パルス)状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成し、その後前記と同一又は異なる磁気ヨークによって前記区間の始端及び終端部分に逆方向の磁気を1乃至複数回作用させて、1次方形波又は1次台形波着磁状態を、目的着磁状態に変化させればよい。
このとき前記区間の始端及び終端部分に1回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に目的正弦波の3次高調波の逆位相半波長パルスを呈する3次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域に作用させてもよい。
また前記区間の始端及び終端部分に2回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に目的正弦波の5次高調波の逆位相半波長パルスを呈する5次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/5の領域に作用させてもよい。
また前記着磁方法では、1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成する際に、目的正弦波の半波長区間の全体に磁気を作用させている。その結果この区間に非着磁領域はほとんど存在しないことになる。そして目的正弦波のゼロクロス点の位置は、図2(c)、図3(b)で着色領域として示しているように、そのゼロクロス点の部分に重畳される3次高調波又は5次高調波によって決定されることになる。
よって前記着磁方法によって着磁された磁性体、例えば磁気式エンコーダ用マグネットでは、目的正弦波のゼロクロス点の公差を、3次元高調波のピーク〜ピーク間の範囲、すなわち目的正弦波の1/6波長に抑えることができる。また3次元高調波の波形が良好であれば、3次高調波のピーク〜ピーク間の範囲の半分、すなわち目的正弦波の1/12波長に抑えることができる。
あるいは目的正弦波のゼロクロス点の公差を、5次高調波のピーク〜ピーク間の範囲、すなわち目的正弦波の1/10波長に抑えることができる。また5次元高調波の波形が良好であれば、5次元高調波のピーク〜ピーク間の範囲の半分、すなわち目的正弦波の1/20波長に抑えることができる。
次いで実施形態の一例である着磁装置を説明する。
図6(a)は着磁装置の全体正面図であり、図6(b)はその着磁装置の磁気ヨーク、着磁されるべき磁性体、抑え治具の部分のみの斜視図である。
着磁装置10は、磁気ヨーク12と、電源装置14と、昇降装置16とで構成されている。
昇降装置16は、基台(固定板)16aと動力シリンダ16cとが複数の支柱16dによって所定間隔に保持されており、可動板16bを支柱16dによってガイドしながら動力シリンダ16cによって昇降させる基本構造である。可動板16bには磁気ヨーク12が固定され、基台16aには受け治具15が固定されている。
磁性体1は、円環状の芯金1aの表面に磁性物1bを固着させたものである。芯金1aは例えばSPCC、SUS430等の磁性金属からなる。ただし芯金1aはアルミ合金、銅合金、SUS305等の非磁性金属も場合によっては採用可能である。芯金1aの裏面の中心部には円筒状の突出部が形成されている。この突出部は、受け治具15の内孔に嵌合する外径を有する。磁性物1bは、例えばアルニコ、フェライト等の硬質磁性粉末を含有させたゴム成形物、樹脂成形物、あるいは硬質磁性粉末の焼結物であって、芯金1aの表面全体を覆うように固着されている。磁性体1の内、外径は磁気ヨーク12、受け治具15の内、外径に略一致している。
磁気ヨーク12は、詳細な形状は後述するが、基本的には磁性純鉄やパーメンジュール等の軟質磁性物で形成された円筒状部材であって、その一方の端面に複数の磁極が形成されている。そしてその磁極間にはコイル12bが巻設され、そのコイル12bは近傍に設置された電源装置14に接続されている。
受け治具15は、磁気ヨーク12とは異なる素材、例えばSUS305等の非磁性物からなる円筒状部材であるが、磁気ヨーク12と略同一の内、外径を有する。受け治具15の内孔内には、複数のチャック16eが配置されている。チャック16eは図示しない機構によって抑え治具15の内孔内周面に対して進退するように構成されている。
本実施形態では、後述するように、磁極の形状及び数が異なる複数の磁気ヨーク12を用いる。そのため着磁装置10は磁気ヨーク交換式にするとよいが、磁気ヨーク12毎に専用の着磁装置10を用意してもよい。
なお着磁処理の準備として磁性体1を着磁装置10にセットするのであるが、これは次のような手順で行う。まず磁性体1の突出部が受け治具15の内孔に嵌合するように磁性体1を受け治具15の上に載置してから、チャック16eを受け治具15の内周面側に前進させることで、磁性体1を受け治具15とチャック16eとによって保持する。そうしたあと可動板16bを下降させることで、磁性体1を磁気ヨーク12と受け治具15とによって挟んだ状態にする。このようにしてからコイル12bに所定の電流を流して磁性体1を着磁する。
図7(a)〜(c)は、この実施形態で用いられる複数の磁気ヨーク12A…の斜視図である。この実施形態では、このような複数の磁気ヨーク12A…を用いて磁性体1の1次元的な領域に少なくとも目的正弦波の半波長パルスを呈する目的着磁状態を形成する。
着磁装置10の作用原理を簡単に説明すると、まず第1のヨーク12Aによって目的正弦波の半波長区間の全体に一方向の磁気を作用させて、この区間に方形又は台形パルス状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成し、その後、第2のヨーク12B、更には第3のヨーク12Cによって前記区間の始端及び終端部分に逆方向の磁気を1乃至複数回作用させて、1次方形波又は1次台形波着磁状態を目的着磁状態に変化させる。
このとき前記区間の始端及び終端部分に1回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体1に目的正弦波の3次高調波の逆位相半波長パルスを呈する着磁領域を形成するような磁気であって、第2のヨーク12Bによって前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域に作用させてもよい。
また前記区間の始端及び終端部分に2回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体1に目的正弦波の5次高調波の逆位相半波長パルスを呈する着磁領域を形成するような磁気であって、第3のヨーク12Cによって前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/5の領域に作用させてもよい。
なお本実施形態の着磁装置10によって着磁されたマグネットでは、目的正弦波のゼロクロス点の公差を抑えられることは、前記と同様である。
図7(a)は第1のヨークの一例である。ここでは第1のヨーク12Aと共に、磁性体1、受け治具15を示している。
第1のヨーク12Aは、一方の端面に複数の磁極12d…が形成されている。中央部分の幅広い磁極12dは1次台形波着磁状態を形成するためのものである。磁極12d…間には銅又はアルミ等からなるコイル12bが配置される。磁極12d…の間隙はコイル12bを通してから樹脂等で埋めると磁性体1との接触性が良好になる。
第1のヨーク12Aと受け治具15は磁性体1を挟んで磁気回路を構成する。
図7(b)は第2のヨークの一例である。第2のヨーク12Bは環状であって、第1のヨーク12Aと同一の内外径を有し、一方の端面に複数の磁極12d…が形成されている。図面中央部分の5つの磁極12d…の内の中3つが3次高調波着磁状態を形成するための磁極12d…である。その外側の2つの磁極12d…は磁気抵抗を調節するために低く形成されている。
図7(c)は第3のヨークの一例である。第3のヨーク12Cは環状であって、第1のヨーク12Aと同一の内外径を有し、一方の端面に複数の磁極12d…が形成されている。中央部分の幅広い磁極12d…は両端12e…を高くかつ中間部12fを低く形成されている。この両端12e…が5次高調波着磁状態を形成する。外側の2つの磁極12d…は磁気抵抗を調節するために低く形成されている。
なお本実施形態では、電源装置14はキャパシター型のものを用いるとよい。すなわち大容量キャパシターを遮断状態として予め定められた電圧まで充電し、その後キャパシターとコイル12bとを短絡させてコイル12bに大電流を一気に流すような構成とする。このときコイル12bをなす電線は大径として抵抗を小さくするとよい。また第1のヨーク12A、第2のヨーク12B、第3のヨーク12Cでキャパシターの充電電圧は異ならせてもよい。
図8(a)〜(c)は、第1〜第3のヨークを用いた着磁処理の工程を示す時系列的な側面図である。
図8(a)は、第1のヨーク12Aによって磁性体1に1次台形波着磁状態を形成する工程である。第1のヨーク12Aに配置されたコイル12bに電流を流したときに生じる磁気は破線によって示している。この処理によって、図10(a)のグラフG11に示すような波形を呈する1次台形波着磁状態が得られる。
図8(b)は、図8(a)に示した工程で1次台形波着磁状態が形成された磁性体1に、第2のヨーク12Bによって3次高調波着磁状態を重畳して形成する工程である。第2のヨーク12Bに配置されたコイル12bに電流を流したときに生じる磁気は破線によって示している。この処理によって、図10(b)のグラフG12に示すような波形を呈する3次高調波着磁状態が得られる。この着磁状態を目的着磁状態としてもよい。
図8(c)は、図8(b)に示した工程で3次高調波着磁状態が形成された磁性体1に、第3のヨーク12Cによって5次高調波着磁状態を更に重畳して形成する工程である。第3のヨーク12Cに配置されたコイル12bに電流を流したときに生じる磁気は破線によって示している。この処理によって、図10(c)のグラフG13に示すような波形を呈する5次高調波着磁状態が得られる。この着磁状態を目的着磁状態としてもよい。
更に、実施形態の他例とされる着磁装置について説明する。
図9(a)は、着磁装置の全体斜視図、図9(b)は着磁されるべき磁性体の分解斜視図である。
マグネット2となるべき磁性体1としては、図1(a)に示す円盤状のものを想定している。具体的には磁性体1は図9(b)に示すように、所定の周長を有する円環状であって、例えばSPCC、SUS430等の磁性金属で形成された円盤状芯金1aの一面に磁性物1bを固着させてなるものである。一方磁性物1bは、例えばアルニコ、フェライト等の硬質磁性粉末を含有させたゴム成形物、樹脂成形物、あるいは硬質磁性粉末の焼結物である。磁気式エンコーダが車載用途であれば、高キュリー温度かつ耐衝撃性を有するものを用いるとよい。なお磁性体1はキュリー温度以上に加熱する等して予め全体を消磁しておくとよい。
着磁装置10は、図9(a)に示すように、磁性体1を回動移動させるスピンドル装置11と、磁気ヨーク12と、磁気ヨーク保持装置13と、電源装置14とで構成されている。
スピンドル装置11は、例えばステッピングモータ11a等を駆動源とし、その動力を装置内に設けられた動力伝達機構(図示なし)によって伝達して基台11bを回動させる。基台11bには磁性部材2を保持するチャック11cが設けられている。チャック11cは円柱を4等分割したような形状とされた複葉の可動片からなり、それらの可動片を拡径又は縮径方向に移動することで、磁性体1を内側から保持又は解放するようになっている。なお駆動源はステッピングモータ11aに限定されず、回転速度が正確に制御できるモータであれば何でもよい。
磁気ヨーク12は、概ねC字形状であり磁気を磁性体1に作用させるためのギャップ12aを有する。磁気ヨーク12の素材は例えば鉄、パーマロイ、SS400等の軟質磁性金属でよい。あるいはセンダスト等の軟質磁性粉末でもよい。磁気ヨーク12のギャップ12aの形状や寸法は、磁性体1の断面形状に応じて適宜設定されるが、基本的には磁性体1の各部位が少なくともそのギャップ12aを非接触で貫通して通過できればよい。また磁気ヨーク11には、キャップ12aを避けて、銅線等からなるコイル12bが巻設されている。コイル12bの巻数、個数は特に制限されない。
磁気ヨーク保持装置13は、スピンドル装置11によって保持された磁性体1に対して磁気ヨーク12を規定位置に保持し、また磁気ヨーク12を規定位置から退避するように構成されている。ここでは磁気ヨーク12を水平移動させているが、このような移動方法に限定されるわけでない。また磁気ヨーク12を磁性体1に対して自由に位置決めできる構成とすれば、サイズが異なる磁性体1でも問題なく着磁することが可能になる。
電源装置14は、磁気ヨーク12に巻設されているコイル12bに予め設定された電圧レベルの電源を供給する。より詳細には、電源の電圧レベル、極性、タイミング等がプログラム可能であり、そのプログラムに従った動作として、スピンドル装置11から磁性体1の位置情報(例えば図1(a)に示した角θのような情報)を受信して、その位置情報に基づいて、コイル12bに、プラス又はマイナス一定レベルの電源を供給する、あるいはその電源を遮断する。
着磁装置10が磁性体1の1次元的な領域に目的正弦波の半波長パルスを呈する目的着磁状態を形成する場合は、まず磁性体1に対して磁気ヨーク12を相対移動させながら目的正弦波の半波長区間の全体に一方向の磁気を作用させて、この区間に方形又は台形パルス状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成する。その後、磁性体1に対して磁気ヨーク12を相対移動させながら前記区間の始端及び終端部分に逆方向の磁気を1乃至複数回作用させて、1次方形波又は1次台形波着磁状態を前記目的着磁状態に変化させる。
このとき前記区間の始端及び終端部分に1回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体1に目的正弦波の3次高調波の逆位相半波長パルスを呈する着磁領域を形成するような磁気であって、前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域に作用させてもよい。
また前記区間の始端及び終端部分に2回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体1に目的正弦波の5次高調波の逆位相半波長パルスを呈する着磁領域を形成するような磁気であって、前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/5の領域に作用させてもよい。
なお領域全体に前記のような目的正弦波の半波長パルスに係る動作を、半波長区間毎に極性を変えながら繰り返すようにすれば、1次元的な領域全体に連続的な目的正弦波を呈する着磁状態を形成することも可能である。また着磁装置10によって着磁されたマグネットでも目的正弦波のゼロクロス点の公差が抑えられることは、前記と同様である。
以下、着磁の具体例を説明する。
図10(a)〜(c)は、前記着磁装置によって着磁された1次台形波着磁状態、3次高調波着磁状態、5次高調波着磁状態の各々が呈する波形を示すグラフである。
図10(a)のグラフG11は、磁性体1に形成される1次台形波着磁状態を示している。グラフG11において、横軸は磁性体1の1次元的領域における位置を示し、縦軸はその各位置における特定方向(直交方向)の磁束密度の大きさを示している。
また図10(b)のグラフG12は、磁性体1に3次高調波着磁状態が重畳して形成されたあとの着磁状態を示している。グラフG12において、横軸は磁性体1の1次元的領域における位置を示し、縦軸はその各位置における特定方向(直交方向)の磁束密度の大きさを示している。
図10(c)のグラフG13は、磁性体1に5次高調波着磁状態が重畳して形成されたあとの着磁状態を示している。グラフG13において、横軸は磁性体1の1次元的領域における位置を示し、縦軸はその各位置における特定方向(直交方向)の磁束密度の大きさを示している。
1 磁性体
2 マグネット
PP 半波長パルス
12 磁気ヨーク
12A 第1のヨーク
12B 第2のヨーク
12C 第3のヨーク

Claims (6)

  1. 磁性体の1次元的な領域に正弦波の半波長パルスを呈する目的着磁状態を形成する着磁方法において、
    磁気ヨークによって前記正弦波の半波長区間の全体に一方向の磁気を作用させて、この区間に方形又は台形パルス状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成し、その後
    前記と同一又は異なる磁気ヨークによって前記区間の始端及び終端部分に逆方向の磁気を1乃至複数回作用させて、前記1次方形波又は1次台形波着磁状態を前記目的着磁状態に変化させる手順とされ、
    前記区間の始端及び終端部分に1回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に前記正弦波の3次高調波の逆位相半波長パルスを呈する3次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域に作用させることを特徴とする着磁方法。
  2. 前記区間の始端及び終端部分に2回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に前記正弦波の5次高調波の逆位相半波長パルスを呈する5次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/5の領域に作用させることを特徴とする請求項1に記載の着磁方法。
  3. 複数の磁気ヨークを有し、磁性体の1次元的な領域に少なくとも正弦波の半波長パルスを呈する目的着磁状態を形成する着磁装置において、
    前記複数の磁気ヨークの内の第1のヨークによって前記正弦波の半波長区間の全体に一方向の磁気を作用させて、この区間に方形又は台形パルス状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成し、その後
    前記複数の磁気ヨークの内の第1のヨークとは異なるヨークによって前記区間の始端及び終端部分に逆方向の磁気を1乃至複数回作用させて、前記1次方形波又は1次台形波着磁状態を前記目的着磁状態に変化させる構成とされ、
    前記区間の始端及び終端部分に1回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に前記正弦波の3次高調波の逆位相半波長パルスを呈する3次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記複数の磁気ヨークの内の第2のヨークによって前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域に作用させることを特徴とする着磁装置。
  4. 前記区間の始端及び終端部分に2回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に前記正弦波の5次高調波の逆位相半波長パルスを呈する5次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記複数の磁気ヨークの内の第3のヨークによって前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/5の領域に作用させることを特徴とする請求項3に記載の着磁装置。
  5. 磁気ヨークを有し、磁性体の1次元的な領域に少なくとも正弦波の半波長パルスを呈する目的着磁状態を形成する着磁装置において、
    磁性体に対して前記磁気ヨークを相対移動させながら前記正弦波の半波長区間の全体に一方向の磁気を作用させて、この区間に方形又は台形パルス状の極性情報を呈する1次方形波又は1次台形波着磁状態を形成し、その後
    磁性体に対して前記磁気ヨークを相対移動させながら前記区間の始端及び終端部分に逆方向の磁気を1乃至複数回作用させて、前記1次方形波又は1次台形波着磁状態を前記目的着磁状態に変化させる構成とされ、
    前記区間の始端及び終端部分に1回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に前記正弦波の3次高調波の逆位相半波長パルスを呈する3次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/3の領域に作用させることを特徴とする着磁装置。
  6. 前記区間の始端及び終端部分に2回目に作用させる逆方向の磁気は、磁性体に前記正弦波の5次高調波の逆位相半波長パルスを呈する5次高調波着磁領域を形成するような磁気であって、前記区間の始端及び終端側のそれぞれ1/5の領域に作用させることを特徴とする請求項5に記載の着磁装置。
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