JP6918824B2 - 2−[(2S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル]−6−(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン半水和物の結晶形 - Google Patents
2−[(2S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル]−6−(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン半水和物の結晶形 Download PDFInfo
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Description
上記及び記載の全体を通して使用されるとき、以下の用語は、指示されない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである。
含まれる互変異性体の異性体構造の具体的な非限定例は、
化合物1及び/またはその互変異性体、及びその結晶形はがんの予防または治療のための作用物質として有用である。従って、化合物1は哺乳類(たとえば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト)にて過剰なまたは異常なCdc7の作用を阻害するのに使用することができる。
本明細書に記載されている結晶形を調製する方法の発見は結晶形の近接する相対溶解度のゆえに特に難題だった。実際、本開示の安定した且つ一貫性のある製造プロセスの開発は化合物の結晶化挙動及び関連する熱力学の十分な理解を必要とした。態様の1つでは、化合物1の結晶形Iは、DMSOと、水、アセトニトリル及びアセトンから選択される少なくとも1つの他の溶媒とを含む混合物から化合物1及び/またはその互変異性体の粗標品を再結晶化するステップを含む方法によって得られる。
(i)(A1−1a)DMSOにて化合物1を混合して溶液を形成し、溶液を50℃から60℃までの温度に加熱することと、
(ii)(A1−1b)任意で溶液を濾過することと、
(iii)(A1−2)50℃から60℃までの温度に予め加熱した水を溶液に加えて混合物を形成する一方で、50℃から60℃までの混合物の内部温度を維持することと、
(iv)(A1−3)化合物1の結晶形Iの種でステップ(A1−2)の混合物に播種し、第1の播種した混合物を形成することと、
(v)(A1−4)50℃から60℃までの温度に予め加熱した水を第1の播種した混合物に加えて第2の播種した混合物を形成する一方で、50℃から60℃までの第2の播種した混合物の内部温度を維持し、50℃から60℃までの温度で第2の播種した混合物を撹拌することと、
(vi)(A1−4)ステップ(A1−4)から生じる第2の播種した混合物を熟成させて化合物1の結晶形Iを提供することとを含む。
DMF:ジメチルホルムアミド
DSC:示差走査熱量測定
DMSO:ジメチルスルホキシド
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
IPE:イソプロピルエーテル
MeOH:メタノール
MEK:メチルエチルケトン
THF:テトラヒドロフラン
TMS:テトラメチルシラン
HRMS:高分解能質量スペクトル
%ee:エナンチオマー過剰%
hr:時間
min:分
m/z:質量対電荷
MS:質量スペクトル
NMR:核磁気共鳴
RP LC−MS:逆相液体クロマトグラフィ−質量分光分析
RT:室温
XRPD:X線粉末回折
s:一重項
t:三重項
m:多重項
br:広い
J:結合定数
rpm:分当たりの回転
%:重量百分率(特定されない限り)
本明細書では、ブタン−2−オンはメチルエチルケトン(MEKとして略記される)とも呼ばれる。
以下の実施例では、混合溶媒系で示される比は特定されない限り体積比である。加えて、%は特定されない限りwt%を意味する。
プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)。プロトン(1H)核磁気共鳴のスペクトルは、DMSO−d6にて600MHzでVarian Mercury 300分光計によって得た。
固体炭素−13(13C)核磁気共鳴のスペクトルは、4mmのH−F/X二重共鳴プローブであるCPMASプローブを備えたBruker Avance III 500MHz分光計で記録した。700ミリ秒の接触時間、10秒の緩和遅延及び100kHzのSPINAL64のデカップリングによる12.5kHzでのプロトン/炭素−13の交差分極を利用してスペクトルを収集した。フーリエ変換前のスペクトルに10Hzの線幅拡大を適用した。化学シフトを較正するための内部標準としてTMSを使用した。二次参照としてのグリシンのカルボニル炭素(176.70ppm)を用いてTMSの尺度で化学シフトを報告した。
X線粉末回折(XRPD)のパターンは40kV及び40mAでのCu Kα放射線と共にBruker AXS D8 AdvanceX線回折計を用いて収集した。およそ100mgの試料を粉末回折の解析用のVeroWhitePlus試料ホルダーの50mmの直径の中央で穏やかに平坦にした。0.025°の2θの刻み幅と刻み当たり0.4秒のデータ収集時間と共に2θ/θでロックした結合角を用いて2.9°〜35°の2θの連続走査として試料を測定した。試料測定は周囲条件下で行い、データ解析はすべてEVAバージョン9.0ソフトウエアを用いて行った。
Karl Fischer水分計(Hiranuma Moisture Meter AQ−7,Hiranuma Sangyo Co.,Ltd.の製品)を用いて水分含量を測定した。
グラファイトで単色化したCu−Kα放射線と共にRigaku R−AXIS RAPID(Rigaku,Tokyo,Japan)でX線回折データを記録した。データの収集は25℃で行った。結晶構造は直接法を介して解き、完全マトリクス最小二乗法を用いて精密化した。非水素原子を異方性に精密化し、水素原子を幾何的に配置し、騎乗モデルを用いて精密化した。SHELXL−97を用いて実施された直接解及び精密化計算を除いて計算はすべてCrystal Structure結晶学ソフトウエアパッケージ(Rigaku,Tokyo,Japan)を用いて実施した。パッキング図はMercuryを用いて生成した。
976nmの励起レーザーを伴ったSureBlock TRUMICROモジュール(Ondax Inc.,Monrovia,CA,USA)を備えたRXN1システムと空冷CCD検出器(Kaiser Optical Systems,Inc.,Ann Arbor,MI,USA)を用いて低周波ラマンスペクトルを収集した。10秒間の露出で10倍の対物レンズを用いてデータを収集した。イオウを用いてラマンシフトを較正した。
種々の溶媒条件にて化合物1の結晶形Aの再結晶化を検討した。表1に示すように、化合物1の結晶形Aを12の溶媒に溶解した。水、ヘプタンまたはIPEの1つを貧溶媒として加え、飽和状態を維持した。ヘプタンにおける再結晶化によって、徐々に冷却した後、解析に十分な量の固体を得た。XRPD及びTGA/DSCの解析はMEKまたはTHF/IPEから得られた固体が非晶質であることを示した(表1)。THF、トリフルオロエタノール、THF/ヘプタン、クロロホルム/ヘプタン、クロロホルム/IPE及びトリフルオロエタノール/IPEから得られた結晶はXRPD及びTGA/DSCの解析によって溶媒和物として特徴付けられた。他の溶媒すべてから得られた結晶はXRPD解析に基づいて化合物1の結晶形Aであることが確認された。
米国特許第8,722,660号B2の実施例178に記載された方法に従って粗化合物1を得た。DMSO(1560mL)とエタノール(930mL)に粗化合物1(300g)を懸濁した。次いで懸濁液を75℃〜85℃に加熱することによって溶解した。溶解を確認した後、細粉を除去する濾過を行い、残留物をDMSO(1040mL)とエタノール(620mL)の混合溶液で洗浄した。濾液と細粉を除去する濾過後の洗浄溶液を合わせ、75℃〜85℃で撹拌した。沈殿物がないことを確認した後、同じ温度で1時間以上かけて水(5580mL)を一滴ずつ加えた。一滴ずつ加えた後、混合物を同じ温度で1時間以上撹拌した。結晶の沈殿を確認した後、混合物を20℃〜30℃に冷却させ、2時間以上撹拌した。撹拌の後、濾過によって結晶を回収し、水(3000mL)とアセトン(1500mL)で連続して洗浄し、湿った結晶を得た。得られた湿った結晶を60℃にて減圧下で乾燥させ、結晶としての化合物1(化合物1の結晶形A、207.3g、収率69.1%)を得た。得られた化合物1の結晶形Aの結晶(193.3g)をJet Millにて粉砕し、結晶粉末(粉砕した生成物、形状Aの結晶、188.9g)を得た。得られた結晶は2.5%の水を含有し、21.5、10.9、7.3、5.4、5.0、4.9、4.5、3.7、3.4、3.3及び3.0Åのd値(またはd−間隔)での特定にピークを持つXRPDパターンを特徴とした。
1H−NMR(600MHz,DMSO−d6)δ1.39−1.48(m,2H),1.48−1.58(m,2H),1.75(t,J=11.1Hz,1H),1.87(brs,1H),2.24−2.36(m,1H),2.46(s,3H),2.53−2.65(m,2H),2.80−2.97(m,1H),3.07(t,J=11.3Hz,1H),3.91(t,J=8.9Hz,1H),7.44(s,1H),8.04(brs,1H)
C17H20N5O1.5Sについての解析計算値:C,58.27;H,5.75;N,19.98;O,6.85;S,9.15.実験値:C,58.22;H,5.80;N,20.03;S,9.09
米国特許第8,722,660号B2の実施例178に記載された方法に従って粗化合物1を得た。DMSO(105mL)に粗化合物1(35g)を懸濁した。次いで懸濁液を70℃〜80℃に加熱することによって溶解した。溶解を確認した後、細粉を除去する濾過を行い、残留物をDMSO(70mL)で洗浄した。濾液と細粉を除去する濾過後の洗浄溶液とを合わせ、70℃〜80℃で撹拌した。沈殿物がないことを確認した後、混合物を50℃〜60℃に冷却させた。冷却の後、同じ温度で1時間以上かけてアセトン(1750mL)を一滴ずつ加えた。一滴ずつ加えた後、混合物を同じ温度で1時間以上撹拌した。結晶の沈殿を確認した後、混合物を20℃〜30℃に冷却させ、1時間以上撹拌した。撹拌の後、濾過によって結晶を回収し、アセトン(350mL)で洗浄し、湿った結晶を得た。得られた湿った結晶を60℃にて減圧下で乾燥させ、結晶としての化合物1(化合物1の結晶形I、26.5g、収率75.7%)を得た。得られた化合物1の結晶形Iの結晶(21.5g)をJet Millにて粉砕し、結晶粉末(粉砕した生成物、形状Iの結晶、18.2g)を得た。得られた結晶は2.6%の水を含有し、21.6、10.9、7.2、5.8、5.4、5.0、4.3、3.4、3.3、3.2及び2.9Åのd値(またはd−間隔)での特定にピークを持つXRPDパターンを特徴とした。
1H−NMR(600MHz,DMSO−d6)δ1.39−1.48(m,2H),1.48−1.59(m,2H),1.75(t,J=11.1Hz,1H),1.87(brs,1H),2.25−2.36(m,1H),2.46(s,3H),2.53−2.65(m,2H),2.81−2.97(m,1H),3.07(t,J=11.3Hz,1H),3.91(t,J=8.9Hz,1H),7.44(s,1H),8.04(brs,1H)
C17H20N5O1.5Sについての解析計算値:C,58.27;H,5.75;N,19.98;O,6.85;S,9.15.実験値:C,58.22;H,5.73;N,19.84;S,9.12
米国特許第8,722,660号B2の実施例178に記載された方法に従って粗化合物1を得た。DMSO(5mL)に粗化合物1(1g)を懸濁した。次いで懸濁液を75℃〜80℃に加熱することによって溶解した。溶解を確認した後、同じ温度で1時間以上かけてアセトニトリル(50mL)を一滴ずつ加えた。混合物を60℃〜70℃に冷却させ、同じ温度で1時間以上混合物を撹拌した。結晶の沈殿を確認した後、混合物を20℃〜30℃に冷却させ、1時間以上撹拌した。撹拌の後、濾過によって結晶を回収し、アセトニトリル(10mL)で洗浄し、湿った結晶を得た。得られた湿った結晶を60℃にて減圧下で乾燥させ、結晶としての化合物1(化合物1の結晶形I、862mg、収率86.2%)を得た。
米国特許第8,722,660号B2の実施例178に記載された方法に従って粗化合物1を得た。粗化合物1(9.53g)をエタノール及び水の溶液(100/1、v/v、400mL)に懸濁した。次いで懸濁液を75℃〜85℃に加熱した。同じ温度でエタノール・水の溶液(100/1、v/v、380mL)をゆっくり加え、溶液を得た。溶液を20℃〜30℃に冷却させ、16時間撹拌した。濾過によって結晶を回収し、エタノール(60mL)で洗浄して結晶としての化合物1(化合物1の結晶形A、7.73g、収率81.1%)を得た。得られた結晶は2.6%の水を含有し、22.1、11.0、7.3、5.5、5.1、4.9、4.5、3.7、3.4、3.3及び3.0Åのd値(またはd−間隔)での特定にピークを持つXRPDパターンを特徴とした。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ1.37−1.61(m,4H),1.69−1.91(m,2H),2.23−2.33(m,1H),2.46(s,3H),2.54−2.67(m,2H),2.77−2.94(m,1H),3.00−3.14(m,1H),3.91(t,J=8.9Hz,1H),7.44(s,1H),8.03(brs,1H),12.24(brs,1H)
C17H20N5O1.5Sについての解析計算値:C,58.26;H,5.75;N,19.98.実験値:C,58.09;H,5.69;N,19.84.
米国特許第8,722,660号B2の実施例178に記載された方法に従って粗化合物1を得た。粗化合物1(30g)を20℃〜30℃でDMSO(300mL)に溶解した。溶解を確認した後、細粉除去の濾過を行い、濾液を得た。残留物をDMSO(60mL)で洗浄して洗浄液を得た。アセトン(150mL)と水(150mL)の混合溶液を45℃〜55℃で撹拌し、同じ温度にて10〜30分で45mLの濾液を一滴ずつ加えた。一滴ずつ加えた後、混合物を同じ温度で10分間撹拌した。混合物に同じ温度にて3〜10分で15mLの濾液を一滴ずつ加えた。一滴ずつ加えた後、混合物を同じ温度で1時間以上撹拌した。結晶の沈殿を確認した後、濾液の残りを同じ温度にて1〜2時間で一滴ずつ加えた。一滴ずつ加えた後、洗浄液を同じ温度にて一滴ずつ加えた。一滴ずつ加えた後、混合物を同じ温度で1時間撹拌した。撹拌の後、混合物を20℃〜30℃に冷却させ、1時間以上撹拌した。撹拌の後、濾過によって結晶を回収し、水(150mL)とアセトン(150mL)で連続して洗浄し、湿った結晶を得た。得られた湿った結晶を60℃にて減圧下で乾燥させ、結晶としての化合物1(化合物1の結晶形I、25.9g、収率86.3%)を得た。
本明細書では化合物1の結晶形A/Iと呼ばれる化合物1の結晶形Aと化合物1の結晶形Iの混合物(5g)をDMSO(60mL)と水(5.15mL)の混合物に懸濁した。次いで懸濁液を55℃〜65℃に加熱し、12時間以上撹拌した。その後、固形物の一部を濾過によって回収した。XRPD測定の結果、化合物1の結晶形A/Iは化合物1の結晶形Iに変換することが確認された。変換を確認した後、混合物を3時間かけて20℃〜30℃に冷却させ、同じ温度で1時間以上撹拌した。その後、固形物の一部を濾過によって回収した。XRPD測定の結果、化合物1の結晶形Iとしての結晶の特定が確認された。確認の後、アセトン(25mL)と水(25mL)の混合物を20℃〜30℃にて30分以上で一滴ずつ加えた。一滴ずつ加えた後、混合物を同じ温度で1時間以上撹拌した。撹拌の後、濾過によって結晶を回収し、水(25mL)とアセトン(25mL)で連続して洗浄し、湿った結晶を得た。得られた湿った結晶を60℃にて減圧下で乾燥させ、結晶としての化合物1(化合物1の結晶形I、4.7g、収率94.0%)を得た。
化合物1の結晶形に対する(i)化合物1の濃度及び(ii)水分含量の影響を調べるために、以下の評価を実施した。
実施例2で作った化合物1の結晶形Aまたは実施例3−2で作った化合物1の結晶形Iを約2mgと2mLの200mMリン酸緩衝液(pH6.8)をガラスの試験管に加えた。試験管を激しく振盪し、10℃、20℃、30℃または40℃で20分間インキュベートした。インキュベートの後、懸濁液を遠心分離し、0.22μmの孔の膜フィルターで上清を濾過した。50mMの過塩素酸ナトリウム緩衝液(pH2.5)/アセトニトリル(1/1、v/v)で濾液を2倍に希釈した。HPLCによって濃度を測定した。結果を表4にて示す。
化合物1の結晶形I(9.5kg、97.1%ee)をDMSO(85.5L、化合物1のg当たり9.0mLのDMSO)に溶解した。溶液を60℃に加熱した。混合物の温度をおよそ60℃で維持しながら、反応混合物を仕上げ用濾過した(polish filtered)。移送ラインをDMSO(6.7L、化合物1のg当たり0.7mLのDMSO)ですすいだ。化合物1の溶液とすすぎ溶液を合わせた。次いで化合物1の溶液を60℃に加熱した。60℃の内部温度を維持しながら、予め60℃に加熱した水(4.0L、化合物1のg当たり0.43mL)を1時間かけて化合物1の溶液に加えた。化合物1の結晶形I(106.0g、1.1重量%)の種晶を反応混合物に入れた。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。60℃のバッチ温度を維持しながら、予め60℃に加熱した水(3.9L、化合物1のg当たり0.41mL)を3時間かけて化合物1の懸濁液に加えた。水添加の完了の際、スラリーを60℃で最低4.5時間撹拌した。スラリーから試料を取り出し、濾過して結晶を得た。結晶をXRPDによって解析した。試料の結晶がすべて化合物1の結晶形Iではない場合、撹拌を継続した。試料結晶にてXRPDによって化合物1の結晶形Aが検出されなくなるまで、6時間ごとに試料を取り出し、解析した。反応物を5時間で25℃に冷却した。固形物を濾過し、固形物のg当たり3mLの2:1/アセトン:水(28.5L)で2回洗浄した。固形物を60℃にて真空下で18時間乾燥させ、7.3kg(76.8%の収率)の所望の生成物を得た。所望の生成物は白色固形物として得られた。HPLCは得られた生成物が>99%純粋であることを示し、キラルHPLCは99.1%eeを示した。XRPDによる解析は得られた生成物が化合物1の結晶形Iであることを確認した。
DMSO(240mL、3380ミリモル、化合物1の結晶形A/Iのg当たり12mLのDMSO)及び水(20.6mL、1140ミリモル、化合物1の結晶形A/Iのg当たり1mLの水)を500mLのOptiMax反応器に加えた。次いで化合物1の結晶形A/I(20.00g、58.58ミリモル)を反応器に加えた。得られたスラリーを300rpmで撹拌し、60℃に加熱した。26時間撹拌した後、スラリーの試料を取り出し、熱濾過し、最少量の1:1のアセトン:水で洗浄し、およそ100mgの固形物を得、それをXRPD解析に供し、化合物1の結晶形Iであることを見いだした。バルクスラリーを6時間かけて22℃に冷却し、22℃で一晩撹拌した。朝に、スラリーを濾過し、60mLの2:1アセトン:水で2回洗浄した。真空下で45℃にて濾過ケーキを72時間かけて乾燥させた。バルク乾燥固形物のXRPDはそれが化合物1の結晶形Iであることを示した。
DMSO(240mL、3380ミリモル、化合物1の結晶形A/Iのg当たり12mLのDMSO)及び水(20.6mL、1140ミリモル、化合物1の結晶形A/Iのg当たり1mLの水)を再循環IKA実験室規模のロータ固定子湿式ミルに連結された500mLのOptiMax反応器に加えた。次いで化合物1の結晶形A/I(20.00g、58.58ミリモル)を反応器に加えた。湿式ミル(10,000rpmに設定)を介して、得られたスラリーを1分間循環させた。次いでスラリーを湿式ミルに1回通し、OptiMax反応器に移し戻した。次いでスラリーを60℃に加熱した。60℃で17.5時間撹拌した後、スラリーの試料を取り出し、熱濾過し、最少量の1:1アセトン:水で洗浄し、およそ100mgの固形物を得、それをXRPD解析に供して化合物1の結晶形Iであることを見いだした。スラリーを6時間かけて22℃に冷却し、22℃で一晩撹拌した。朝に、スラリーを濾過し、60mLの2:1のアセトン:水で2回洗浄した。真空下で45℃にて濾過ケーキを72時間かけて乾燥させた。バルク乾燥固形物のXRPDはそれが化合物1の結晶形Iであることを示した。
既知の水分含量のDMSO/水の溶液をガラスバイアルに加え、60℃に加熱した。化合物1の結晶形Iまたは化合物1の結晶形Aの結晶を懸濁液が得られるまでバイアルに加えた。磁気撹拌を介して懸濁液を撹拌し、60℃で24時間インキュベートした。インキュベートの後、懸濁液を60℃で濾過した。10μLの濾液を試料採取し、990μLのアセトニトリル/水(1/1、v/v)で希釈した。化合物1の試料濃度をHPLCによって測定した。60℃にて、水/DMSOにおける化合物1の結晶形Iの溶解度は水/DMSOにおける化合物1の結晶形Aの溶解度よりも低かった(図7)。実験溶解度の結果は表5及び6にて以下で要約されている。
化合物1の結晶形Iとの相性について以下の増量剤を評価した。
・ラクトース(FlowLac 100(登録商標)[Mutchler,Inc;Harrington Park,NJ,USA])
・マンニトール(Pearlito l100SD(登録商標)[Roquette America,Inc;Geneva,IL,USA])
・デンプン1500(StarCap 1500(登録商標)[Colorcon,Inc;Harleysville,PA,USA])
・無水リン酸二カルシウム(A−Tab(登録商標)[Innophos,Inc;Cranbury,NJ,USA])
化合物1のエピマー化は酸の存在下で触媒されるので、10%のL−グルタミン酸を評価されるブレンドに含めて安定性を示すアッセイの開発を促した。試験で使用される製剤組成は表7に記載されている。安定性を評価するために、60℃/75%RHの加速条件にて2週間ブレンドを保存した。安定性を示すアッセイにおける対照として、増量剤を含有しないが、等量の酸を含有するブレンドを使用した。相性試験の結果は表8にて示す。
化合物1の結晶形Iのカプセル製剤を調製するために、マンニトール、コロイド状二酸化珪素、及び化合物1の結晶形Iを秤量し、V−ブレンダーに加えた。次いでV−ブレンダーにて25rpmで5分間粉末を混合した。032R篩(810ミクロン)を装着したコミル(comil)に得られたブレンドを通して化合物1の結晶形Iと賦形剤であるマンニトール及びコロイド状二酸化珪素を細粉化した。コミルした(comilled)ブレンドをV−ブレンダーにて25rpmで5分間混合した。製造過程内試験の一部としてブレンドの均一性を評価した。最終的なブレンドを回収し、手動のカプセル化ステップを用いてカプセルに内包した。手動の及び機器を備えた設備を用いてカプセルを磨いて滑らかにした。製造過程内試験の一部として磨いたカプセルを金属混入について検査し、重量をチェックし、選別した。二重ポリエチレンバッグで裏打ちされた高密度ポリエチレン(HDPE)のドラム容器にて重量選別したカプセルを大量包装した。
化合物1の結晶形の結晶学的なパラメータを表10にて要約する。化合物1の結晶形のX線結晶構造では、水分子は2倍対称軸に位置する。従って、非対称の単位格子は2−[(2S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル]−6−(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オンの1分子と2分の1水分子を含有する。一方、化合物1の結晶形Iの結晶構造における非対称の単位格子は互いに異なる立体配座の2−[(2S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル]−6−(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オンの2分子と1つの水分子を含有する。非対称の単位格子は化合物1の結晶形A及び化合物1の結晶形Iが半水和物であることを示唆している。
化合物1の結晶形I及び化合物1の結晶形Aのオークリッジ楕円形プログラム(ORTEP)の図をそれぞれ図8及び図9にて示す。
粗化合物1(16.0kg)をDMSO(144L、化合物1のg当たり9.0mLのDMSO)に溶解した。溶液を60℃に加熱した。混合物の温度をおよそ60℃で維持しながら、反応混合物を仕上げ用濾過した(polish filtered)。移送ラインをDMSO(11.2L、化合物1のg当たり0.7mLのDMSO)ですすいだ。化合物1の溶液とすすぎ溶液を合わせた。次いで化合物1の溶液を60℃に加熱した。60℃の内部温度を維持する一方で、予め60℃に加熱した水(6.9L、化合物1のg当たり0.43mLの水)を1時間かけて化合物1の溶液に加えた。化合物1の結晶形I(190.0g、1.2重量%)の種晶を反応混合物に入れた。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。60℃のバッチ温度を維持する一方で、予め60℃に加熱した水(6.5L、化合物1のg当たり0.41mLの水)を3時間かけて化合物1の懸濁液に加えた。水添加の完了の際、スラリーを60℃で最低4.5時間撹拌した。スラリーから試料を取り出し、濾過して結晶を得た。結晶をXRPDによって解析した。試料の結晶がすべて化合物1の結晶形Iではなかった場合、撹拌を継続した。試料結晶にてXRPDによって化合物1の結晶形Aが検出されなくなるまで、6時間ごとに試料を取り出し、次いで解析した。反応物を5時間で25℃に冷却した。固形物を濾過し、3体積の2:1/アセトン:水(48L)で2回洗浄した。固形物を60℃にて真空下で18時間乾燥させ、9.5kg(59.0%の収率)の所望の生成物を得た。所望の生成物は白色固形物として得られた。HPLCは得られた生成物が>99%純粋であることを示し、キラルHPLCは97.1%eeを示した。XRPDによる解析は得られた生成物が化合物1の結晶形Iであることを確認した。
Claims (10)
- 前記化合物1の結晶形が、4.1±0.2、8.1±0.2、12.2±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、17.8±0.2、19.0±0.2、及び27.6±0.2にて角度2θで表現される特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項1に記載の化合物の結晶。
- 前記化合物1の結晶形が、21.6±0.2、10.9±0.2、7.3±0.2、5.8±0.2、5.4±0.2、5.0±0.2、及び3.2±0.2の面間隔(d)にてオングストロームで表現される特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項1に記載の化合物の結晶。
- 前記化合物1の結晶形が、21.6±0.2、10.9±0.2、7.3±0.2、5.8±0.2、5.4±0.2、5.0±0.2、4.3±0.2、3.4±0.2、3.3±0.2、3.2±0.2、及び2.9±0.2の面間隔(d)にてオングストロームで表現される特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項1に記載の化合物の結晶。
- 前記化合物1の結晶形が、32.2±0.5、30.2±0.5、29.3±0.5、28.2±0.5、25.3±0.5、及び24.8±0.5にてppmで表現される特徴的なピークを含む固体13C NMRのパターンを特徴とする請求項1に記載の化合物の結晶。
- 前記化合物1の結晶形が、159.7±0.5、158.4±0.5、145.1±0.5、144.8±0.5、140.6±0.5、135.7±0.5、135.3±0.5、121.2±0.5、114.7±0.5、114.5±0.5、60.4±0.5、53.8±0.5、46.5±0.5、32.2±0.5、30.2±0.5、29.3±0.5、28.2±0.5、25.3±0.5、24.8±0.5、及び14.5±0.5にてppmで表現される特徴的なピークを含む固体13C NMRのパターンを特徴とする請求項1に記載の化合物の結晶。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の結晶を含む医薬組成物。
- 哺乳類にて細胞***周期7を阻害するための医薬を製造するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の結晶の使用。
- 哺乳類において細胞***周期7を阻害するための請求項7に記載の医薬組成物。
- がんの治療および/または予防のための請求項7に記載の医薬組成物。
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